(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123934
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】液面計測計
(51)【国際特許分類】
G01F 23/58 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
G01F23/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027420
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】501075718
【氏名又は名称】木村電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】木村 禎
【テーマコード(参考)】
2F013
【Fターム(参考)】
2F013AA04
2F013BA02
2F013BG11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】体収容容器内の液体の液面レベルを安定して正確に計測することができる液面計測計を提供すること。
【解決手段】液体3を収容する液体タンク4と、液体3の液面とともに上下動するフロート12と、フロート12に取り付けられた作動部材14と、作動部材14を上下動自在に案内する案内部材25と、液体3の液面レベル22を検知するための機械的スイッチ44,52とを備えた液面計測計。案内部材25には一対の皿ねじ39が設けられ、作動部材14には案内孔24が設けられ、一対の皿ねじ39が案内孔24に移動自在に挿入される。作動部材14には、計測すべき液レベルに対応して凹部が設けられ、液体の液面が所定液レベルに達すると、作動部材14の凹部が機械的スイッチ44,52の検知部に対向し、これによって、機械的スイッチ44,52の検知部が検知位置に位置付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する液体収容器と、前記液体収容器に収容された液体に浮いてその液面の変動とともに上下動するフロートと、前記フロートに取り付けられた作動部材と、前記作動部材を上下方向に移動自在に案内する案内機構と、液体の液面レベルを検知するための機械的スイッチとを備えた液面計測計であって、
前記案内機構は、前記作動部材を案内するための案内部材を備え、前記案内部材には、一対の案内ピンが前記上下方向に間隔をおいて配設されるとともに、前記作動部材には、前記上下方向に延びる案内孔が設けられ、前記一対の案内ピンが前記案内孔に移動自在に挿通されており、
前記機械的スイッチは、前記案内部材に取り付けられたスイッチ本体と、前記作動部材側に突出する検知位置と前記検知位置から後退する非検知位置との間を移動自在に前記スイッチ本体に設けられた検知部と、前記検知部を前記検知位置に向けて弾性的に偏倚する偏倚部材とを備え、前記作動部材には、計測すべき所定液レベルに対応して凹部が設けられており、
前記液体収容器内の液体の液面が前記所定液レベルに達すると、前記作動部材の前記凹部が前記機械的スイッチの前記検知部に対向し、これによって、前記検知部が前記偏倚部材の作用によって前記作動部材側の前記凹部に嵌まり込んで前記検知位置に位置付けられることを特徴とする液面計測計。
【請求項2】
前記機械的スイッチの前記検知部と前記一対の案内ピンの一方とは前記上下方向に同一レベルに位置しており、前記機械的スイッチの前記検知部からの偏倚力は、前記作動部材を介して前記一対の案内ピンの一方に作用することを特徴とする液面計測計。
【請求項3】
計測すべき前記所定液レベルは、液面が低下したことを検知する液低下レベルと、液面が上昇したことを検知する液上昇レベルであり、前記液低下レベルに対応して、前記第1機械的スイッチが前記案内部材の片側に取り付けられるとともに、前記作動部材の片側部に第1凹部が設けられ、液体の液面が前記液低下レベルに達すると、前記作動部材の前記第1凹部が前記第1機械的スイッチの第1検知部に対向し、また前記液上昇レベルに対応して、第2機械的スイッチが前記案内部材の他側に取り付けられるとともに、前記作動部材の他側部に第2凹部が設けられ、液体の液面が前記液上昇レベルに達すると、前記作動部材の前記第2凹部が前記第2機械的スイッチの第2検知部に対向することを特徴とする請求項1に記載の液面計測計。
【請求項4】
前記第1機械的スイッチの前記第1検知部と前記一対の案内ピンの一方とは前記上下方向に同一レベルに位置し、前記第1機械的スイッチの第1偏倚部材による前記第1検知部からの偏倚力は、前記作動部材を介して前記一対の案内ピンの一方に作用し、また前記第2機械的スイッチの前記第2検知部と前記一対の案内ピンの他方とは前記上下方向に同一レベルに位置し、前記第2機械的スイッチの第2偏倚部材による前記第2検知部からの偏倚力は、前記作動部材を介して前記一対の案内ピンの他方に作用することを特徴とする請求項3に記載の液面計測計。
【請求項5】
前記第1機械的スイッチは、前記案内部材の前記片側に取り付けられた第1スイッチ本体を備え、前記第1検知部は、前記第1スイッチ本体の一端側から内側に延びる第1押圧アームと、前記第1押圧アームの先端部に設けられた第1作用部と、前記第1押圧アームによって押圧される第1検知作動部とを有し、また前記第2機械的スイッチは、前記案内部材の前記他側に取り付けられた第2スイッチ本体を備え、前記第2検知部は、前記第2スイッチ本体の一端側から内側に延びる第2押圧アームと、前記第2押圧アームの先端部に設けられた第2作用部と、前記第2押圧アームによって押圧される第2検知作動部とを有し、前記第1機械的スイッチと前記第2機械的スイッチとが、前記上下方向に背中合わせに配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の液面計測計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートを用いて液体の液面を計測する液面計測計に関する。
【背景技術】
【0002】
液面計測計として、液体収容容器に収容された液体の液面とともに上下動するフロートを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この液面計測計では、フロートに作動軸が取り付けられ、この作動軸の先端側は、液体収容容器に取り付けられた計測本体部の挿通孔を通して上方に延び、その先端部に指針が取り付けられている。この計測本体部には、作動軸を上下方向に案内するためのガイド体が装着され、このガイド体にガイドレールが取り付けられ、このガイドレールに近接スイッチが位置調整自在に取り付けられ、例えば、液面が低下した液低下レベルに対応して第1近接スイッチが配設され、例えば、液面が上昇した液上昇レベルに対応して第2近接スイッチが配設される。
【0003】
この液面計測計においては、液体収容容器の液面が下がる(又は上がる)と、この液面の低下(又は上昇)に伴いフロートと一体的に作動軸及び指針が下がり(又は上がり)、この指針を見ることによって、液面の位置、換言すると液体収容容器内の液体の量を知ることができる。また、作動軸の磁気部が第1近接スイッチ(又は第2近接スイッチ)まで下降(又は上昇)すると、第1近接スイッチ(又は第2近接スイッチ)が作動軸の磁気部を検知し、これによって、液体の液面が液低下レベル(又は液上昇レベル)まで低下(又は上昇)したことを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この液面計測計では、フロートに取り付けられた作動軸が略円筒形状のガイド体の内側に配設される構造であるために、このガイド体と作動軸との間に環状空間が存在し、この環境空間により、フロートと一体に上下動する際に、この作動軸が横方向に振れやすく、液体収容容器内の液体の液面レベルを安定的に正確に計測するのが難しいという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、液体収容容器内の液体の液面レベルを安定して正確に計測することができる液面計測計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の液面計測計は、液体を収容する液体収容器と、前記液体収容器に収容された液体に浮いてその液面とともに上下動するフロートと、前記フロートに取り付けられた作動部材と、前記作動部材を上下方向に移動自在に案内する案内機構と、液体の液面レベルを検知するための機械的スイッチとを備えた液面計測計であって、
前記案内機構は、前記作動部材を案内するための案内部材を備え、前記案内部材には、一対の案内ピンが前記上下方向に間隔をおいて配設されるとともに、前記作動部材には、前記上下方向に延びる案内孔が設けられ、前記一対の案内ピンが前記案内孔に移動自在に挿通されており、
前記機械的スイッチは、前記案内部材に取り付けられたスイッチ本体と、前記作動部材側に突出する検知位置と前記検知位置から後退する非検知位置との間を移動自在に前記スイッチ本体に設けられた検知部と、前記検知部を前記検知位置に向けて弾性的に偏倚する偏倚部材とを備え、前記作動部材には、計測すべき所定液レベルに対応して凹部が設けられており、
前記液体収容器内の液体の液面が前記所定液レベルに達すると、前記作動部材の前記凹部が前記機械的スイッチの前記検知部に対向し、これによって、前記検知部が前記偏倚部材の作用によって前記作動部材側の前記凹部に嵌まり込んで前記検知位置に位置付けられることを特徴とする。
【0008】
このような液面計測計では、機械的スイッチの検知部と一対の案内ピンの一方とを上下方向に同一レベルとなるようにするのが好ましく、このように構成することにより、機械的スイッチの検知部からの偏倚力は作動部材を介して一対の案内ピンの一方に作用し、偏倚部材による偏倚力を安定的に且つ確実に案内ピンにより支持することができる。
【0009】
また、所定液レベルとして液低下レベル及び液上昇レベルを設定するようにし、液低下レベルに対応して、第1機械的スイッチを案内部材の片側に取り付け、また液上昇レベルに対応して、第2機械的スイッチを案内部材の他側に取り付け、更に作動部材の片側に液低下レベルを検知する第1凹部を設け、その他側に液上昇レベルを検知する第2凹部を設けるようにするのが好ましい。このように構成することによって、液面が低下した液低下レベル及び液面が上昇した液上昇レベルを第1及び第2機械的スイッチによって検知することができる。また、第1及び第2機械的スイッチからの偏倚力が上下移動する案内部材の両側から作用するようになるので、この作動部材を安定的に案内することができる。
【0010】
また、このような液面計測計では、第1機械的スイッチの第1検知部と一対の案内ピンの一方とを上下方向に同一レベルとなるようし、また第2機械的スイッチの第2検知部と一対の案内ピンの他方とを上下方向に同一レベルとなるようにするのが好ましく、このように構成することにより、第1機械的スイッチの第1検知部からの偏倚力は、作動部材を介して一対の案内ピンの一方に作用するようになり、また第2機械的スイッチの第2検知部からの偏倚力は、作動部材を介して一対の案内ピンの他方に作用するようになり、かくして第1及び第2機械的スイッチからの偏倚力を一対の案内ピンによって安定的に且つ確実に支持することができる。
【0011】
更に、第1機械的スイッチについては、第1検知部の第1押圧アームが第1スイッチ本体の一端側から内側に延びるように、第1スイッチ本体を案内部材の片側に取り付け、第2機械的スイッチについては、第2検知部の第2弾性アームが第2スイッチ本体の一端側から内側に延びるように、第2スイッチ本体を案内部材の他側に取り付け、第1機械的スイッチと第2機械的スイッチとを上下方向に背中合わせに配置するのが好ましい。
【0012】
このように構成することにより、液面が液低下レベルまで低下すると、第1機械的スイッチの第1検知部の第1作用部が作動部材の第1凹部に対向し、第1偏倚部材の偏倚作用によって、この第1作用部が第1凹部内に嵌まり込んで第1検知作動部が検知位置に位置付けられ、また液面が液上昇レベルまで上昇すると、第2機械的スイッチの第2作用部が作動部材の第2凹部に対向し、第2偏倚部材の偏倚作用によって、この第2作用部が第2凹部内に嵌まり込んで第2検知作動部が検知位置に位置付けられる。従って、第1及び第2機械的スイッチによって、液低下レベル及び液上昇レベルを正確に且つ確実に検知することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の液面計測計によれば、案内部材に一対の案内ピンが上下方向に間隔をおいて配設され、作動部材に上下方向に延びる案内孔が設けられ、一対の案内ピンがこの案内孔に移動自在に挿通されているので、フロートとともに作動部材が上下動すると、一対の案内ピンがこの案内孔に沿って相対的に移動し、かくして、作動部材を安定的に移動させて液レベルを正確に検知することができる。
【0014】
また、機械的スイッチは、スイッチ本体に検知位置とこの検知位置から後退する非検知位置との間を移動自在に設けられた検知部と、この検知部を検知位置に向けて弾性的に偏倚する偏倚部材とを備え、また作動部材には、所定液レベルに対応して凹部が設けられているので、液体の液面が所定液レベルに達すると、作動部材の凹部が機械的スイッチの検知部に対向し、偏倚部材の偏倚作用によって、機械的スイッチの検知部が作動部材の凹部に嵌まり込んで検知位置に位置付けられ、かくして、この機械的スイッチによって液体の所定液レベルを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に従う液面計測計の一実施形態を示す断面図。
【
図2】
図1の液面計測計の案内機構及び作動部材並びにこれらに関連する構成を一部断面で示す断面図。
【
図3】
図1の液面計測計において、液体の液面が標準レベルにあるときの状態を示す部分断面図。
【
図4】
図1の液面計測計において、液体の液面が液上昇レベルまで上昇した状態を示す部分断面図。
【
図5】
図1の液面計測計において、液体の液面が液上昇レベルを超えて更に上昇した状態を示す部分断面図。
【
図6】
図1の液面計測計において、液体の液面が液低下レベルまで下がった状態を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う液面計測計の一実施形態について説明する。
図1及び
図2において、図示の液面計測計2は、例えば油圧などに用いる作動油、潤滑に用いる潤滑油、燃料に用いる燃料油などの液体3を収容する液体収容容器、例えば液体タンク4に用いられる。液体タンク4は、液体3を収容するタンク本体6を備え、このタンク本体6の上壁8の略中央部に挿通口10が設けられている。
【0017】
液面計測計2について説明すると、この液面計測計2は、液体3に浮くフロート12と、このフロート12と一体的に上下動する作動部材14と、作動部材14を移動自在に案内する案内機構16とを備えている。フロート12は、例えば中空円筒状のフロート本体18を備え、このフロート本体18に作動部材14が取り付けられている。この形態では、フロート本体18に連結ロッド20が取り付けられ、タンク本体6の挿通口10を通して上方に延びる連結ロッド20の先端部に作動部材14が取り付けられている。尚、連結ロッド20を省略し、この作動部材14をフロート12に直接的に取り付けるようにしてもよい。
【0018】
このように構成されているので、液体3の液面22が上下動すると、その上下動によってフロート12(フロート本体18)が上下動し、このフロート12と一体的に連結ロッド20及び作動部材14も上下動される。
【0019】
図2をも参照して、作動部材14は、細長いプレート状部材から構成され、その長手方向の中間部に細長い案内孔24が設けられ、この案内孔24は作動部材14の長手方向(液面計測計2の上下方向)に延びている。
【0020】
また、案内機構16は、門型の案内部材25を備え、この案内部材25は、一対の取付プレート26,28と、これらプレート26,28を接続する接続プレート30,32から構成されている。タンク本体6の上壁8の挿通孔10の周囲にはフランジ部材34が取り付けられ、このフランジ部材34の上フランジ36の端面に、案内部材25(一対の取付プレート26,28の下端部)が例えば固定ねじ38により固定されている。
【0021】
一対の取付プレート26,28は、フランジ部材34の上フランジ36から上方に延びており、かかる取付プレート26,28間に上下方向に間隔をおいて一対の接続プレート30,32が接続され、作動部材14は一対の接続プレート30,32の表面側に配置されている。各接続プレート30,32には裏面側から皿ねじ39(案内ピンを構成する)が螺着され、この皿ねじ39の頭部(図示せず)が接続プレート30,32に溶接などにより固定さている。皿ねじ39の軸部は、作動部材14の案内孔24を通して表面側に延びており、この作動部材14の裏面側及び表面側にワッシャが溶接されたナット40(所謂、ワッシャナット)が螺着されている。尚、ワッシャナット40は、緩むのを防止するために緩止めをするのがよい。
【0022】
このように構成されるので、
図2及び
図3から理解される如く、作動部材14の裏面側には裏面側のワッシャナット(図示せず)が位置し、またその表面側にもワッシャナット40が位置し、この作動部材14はワッシャナット40のワッシャに挟まれた状態となる。また、作動部材14の案内孔24内には、一対の皿ねじ39(案内ピン)の軸部が挿通された状態となる。従って、この作動部材14の動きは、その背面側及び表面側がワッシャナット40のワッシャにより規制され、また横方向が一対の皿ねじ39(案内ピン)により規制され、このように構成することにより、作動部材14は、液面22の変動に伴うフロート18の上下動によって上下方向(
図2~
図6において上下方向)に安定して移動され、この上下動の際には、一対の皿ねじ39の軸部は、作動部材14の案内孔24に沿って相対的に移動される。
【0023】
この実施形態では、作動部材14に細長い案内孔24を一つ設け、かかる案内孔24を通して二つの皿ねじ39(案内ピン)を挿通しているが、このような構成に代えて、各皿ねじ39に対応して細長い案内孔(図示せず)を設け、各案内孔を通して皿ねじ39を挿通するようにしてもよい。
【0024】
図3をも参照して、この実施形態では、作動部材14の片側部に、液体タンク4(液体収容容器)内の液体3の液面が低下した液低下レベル(例えば、液体が減少してその補充を知らせる液面レベル)を検知するための第1凹部42が設けられているとともに、この第1凹部42に対応して、第1機械的スイッチ44が配設される。第1凹部42は、作動部材14の片側部に開口する切欠きなどから構成され、長手方向に延びる第1底部46と、その片側面から第1底部46に向けて傾斜して延びる第1傾斜部48を有している。
【0025】
また、この作動部材14の他側部に、液体タンク4内の液体の液面が上昇した液上昇レベル(例えば、液体が充填されて充分満たされている液面レベル)を検知するための第2凹部50が設けられているとともに、この第2凹部50に対応して、第2機械的スイッチ52が配設される。第2凹部50は、作動部材14の他側部に開口する切欠きなどから構成され、長手方向に延びる第2底部54と、その他側面から第2底部54に向けて傾斜して延びる第2傾斜部56を有している。
【0026】
第1機械的スイッチ44及び第2機械的スイッチ50は、例えば、一般用基本スイッチとして市販されているもの(例えば、ローラ・短レバー形スイッチと称されるもの)を用いることができる。第1機械的スイッチ44(第2機械的スイッチ50)の構成を概説すると、第1機械的スイッチ44(第2機械的スイッチ50)は、第1スイッチ本体58(第2(第2スイッチ本体60)と、液低下レベル(液上昇レベル)を検知するための第1検知部62(第2検知部64)とを備え、この第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)が一方の取付プレート26(他方の取付プレート28)に取り付けられる。
【0027】
この実施形態では、一方の取付プレート26(他方の取付プレート28)の所定部位に細長い第1取付孔66(第2取付孔68)が設けられ、第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)は、この第1取付孔66(第2取付孔68)を通して取付ねじ(図示せず)を第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)に螺着することによって、一方の取付プレート26(他方の取付プレート28)に位置調整可能に取り付けられる。
【0028】
また、第1機械的スイッチ44(第2機械的スイッチ52)の第1検知部62(第2検知部64)は、第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)の一端部に揺動自在に装着された第1押圧アーム70(第2押圧アーム72)と、第1押圧アーム70(第2押圧アーム72)の先端部に設けられた第1作用部74(第2作用部76)と、この第1押圧アーム70(第2押圧アーム72)によって押圧される第1検知作動部78(第2検知作動部80)とを備え、第1作用部74(第2作用部76)は、例えば、第1押圧アーム70(第2押圧アーム72)の先端部に回転自在に装着された作用コロから構成される。
【0029】
また、この実施形態では、第1検知部62(第2検知部64)の第1検知作動部78(第2検知作動部80)は、第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)から突出する検知位置(
図2に示す位置)と、この検知位置から後退して第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)に収納される非検知位置との間を移動自在に装着され、この第1検知作動部78(第2検知作動部80)に関連して、この第1検知作動部78(第2検知作動部80)を検知位置に向けて弾性的に偏倚する第1偏倚部材(第2偏倚部材)(図示せず)が設けられる。
【0030】
このように構成されているので、第1機械的スイッチ44(第2機械的スイッチ52)における第1検知部62(第2検知部64)の第1作用部74(第2作用部76)が押圧されていない状態では、第1偏倚部材(第2偏倚部材)(図示せず)の作用によって、第1検知作動部78(第2検知作用部80)が検知位置(
図2参照)に保持され、これによって、第1押圧アーム70(第2押圧アーム72)は、第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)から離れる方向に揺動される。また、この第1検知部62(第2検知部64)の第1作用部74(第2作用部76)に押圧力が作用して第1押圧アーム70(第2押圧アーム72)が第1スイッチ本体58(第2スイッチ本体60)に近接する方向に揺動されると、この第1押圧アーム70(第2押圧アーム72)に押圧されて第1検知作動部78(第2検知作動部80)が第1スイッチ本体44(第2スイッチ本体52)に収納されて非検知位置(
図3参照)に保持される。
【0031】
この液面計測計2においては、作動部材14を安定的に保持するために、更に、次のように構成されている。主として
図3を参照して、この実施形態においては、第1機械的スイッチ44は、第2機械的スイッチ52よりも下側に配置されており、この第1機械的スイッチ44の第1作用部74(作用コロ)(具体的には、その回転中心部)と皿ねじ39(案内ピン)(具体的には、その中心部)とは、上下方向に実質上同一レベルL1となるように構成されている。また、第2機械的スイッチ52の第2作用部76(作用コロ)(具体的には、その回転中心部)と皿ねじ39(案内ピン)(具体的には、その中心部)とは、上下方向に実質上同一レベルL2となるように構成されている。
【0032】
このように構成することにより、
図3から理解される如く、第1機械的スイッチ44の開状態においては、第1偏倚部材(図示せず)からの偏倚力は、第1検知作動部78、第1押圧アーム70及び第1作用部74(作用コロ)を介して作動部材14の片側(
図3において右側)に伝達され、皿ねじ39(案内ピン)の中心部に向けて作用する。従って、作動部材14に作用する偏倚力F1は、皿ねじ39(案内コロ)によって支持され、作動部材14を皿ねじ39(案内ピン)を中心として旋回させるように作用せず、作動部材14の下側を安定して案内支持する。
【0033】
また、第2機械的スイッチ52の開状態においても、第1機械的スイッチ44と同様に、第2偏倚部材(図示せず)からの偏倚力は、第2検知作動部80、第2押圧アーム72及び第2作用部76(作用コロ)を介して作動部材14の他側(
図3において左側)に伝達され、皿ねじ39(案内ピン)の中心部に向けて作用する。従って、作動部材14に作用するこの偏倚力F2は、皿ねじ39(案内コロ)によって支持され、作動部材14を皿ねじ39(案内ピン)を中心として旋回させるように作用せず、作動部材14の上側を安定して案内支持する。
【0034】
この液面計測計2においては、
図1及び
図2に示すように、フランジ部材34の上フランジ36の上端面に中空円筒状の筒状カバー92が取り付けられ、この筒状カバー92の上端部にキャップ部材94が取外し可能に取り付けられている。この筒状カバー92は、透明な樹脂材料、例えばアクリル樹脂などから形成され、このように構成することにより、筒状カバー92の内部、例えば作動部材14、第1機械的スイッチ44及び第2機械的スイッチ52などを外側から目視確認することができる。
【0035】
尚、液体タンク4内の液体3の液面レベルを示すための目印(例えば、矢印など)を作動部材14に設けるとともに、フランジ部材34の上フランジ36の上面に表示スケール(図示せず)を設け、液体の液面レベルをこの表示スケールでもって読み取れるように構成するようにしてもよく、このように構成することにより、液体3の液面レベル22を正確に計測することができる。
【0036】
この液面計測計2においては、次のようにして液体タンク4(液体収容容器)内の液体3の液面を検知する。この液体3の収容量が標準量である(換言すると、その液面が標準レベルである)場合、液体タンク4内の液面22は
図1に実線で示すレベルにあり、このような標準状態においては、フロート12は、
図1に実線で示す状態にあり、このフロート12の浮遊位置に対応して、連結ロット20及び作動部材14は、
図1に実線で示す状態となる。
【0037】
液体3の液面22が標準レベルである場合、フロート12の上下動によって移動する作動部材14は、
図3に示す状態となる。
図3を参照して、第1機械的スイッチ44の第1検知部62(第1作用部74)は、作動部材14の第1凹部42の下側に位置し、この作動部材14の片側面によって、第1作用部74が押圧されることにより、第1押圧アーム70を介して第1検知作動部78が第1スイッチ本体58内に収容されて非検知位置に位置付けられ、これによって、第1機械的スイッチ44は非検知状態に保持される。また、第2機械的スイッチ52の第2検知部64(第2作用部76)は、作動部材14の第2凹部50の上側に位置し、この作動部材14の他側面によって、第2作用部76が押圧されることにより、第2押圧アーム72を介して第2検知作動部80が第2スイッチ本体60内に収容されて非検知位置に位置付けられ、これによって、第2機械的スイッチ52も非検知状態に保持される。このように、液体3の液面レベル22が標準レベルである場合、第1及び第2機械的スイッチ44,52が開状態に保持される。
【0038】
例えば、液体3の液面22が標準レベルから上昇して
図1に二点鎖線22Aで示す液上昇レベルまで上昇すると、この液面22の上昇に伴い、フロート12は、
図1に二点鎖線12Aで示す状態になり、このフロート12の上昇に対応して、連結ロット20を介して作動部材14は、
図1に二点鎖線14Aで示す状態となる。
【0039】
液体3の液面22が上液面レベルまで上昇すると、フロート12の上昇によって作動部材14は、
図4に示す状態に保持される。
図4を参照して、この状態においては、第1機械的スイッチ44の第1検知部62(第1作用部74)は、作動部材14の片側面によって押圧された状態となり、第1押圧アーム70を介して第1検知作動部78が非検知位置に保持され、第1機械的スイッチ44は非検知状態に保持される。一方、第2機械的スイッチ52の第2検知部64(第2作用部76)は、上側に移動した作動部材14の第2凹部50の上端部に対向し、第2作用部76によるこの第2凹部50内への揺動が許容される状態となる。かくすると、第2偏倚部材(図示せず)の作用によって、第2検知作動部80が第2スイッチ本体60から突出する検知位置に位置付けられ、これによって、第2押圧アーム72及び第2作用部76は作動動部材14の第2凹部50に嵌まり込むようになり、第2機械的スイッチ52は検知状態に保持される。このように、液体3の液面レベル22が液上昇レベルまで上昇すると、第2機械的スイッチ52が閉状態に保持され、液体3の液面22が液上昇レベルに達したことを検知することができる。この第2機械的スイッチ52の検知信号は、例えば液面上昇を知らせる液上昇警報ランプ、液上昇警報ブザーなどを作動させる信号として用いることができ、操作者、管理者などに液体3が充分に満たされていることを知らせることができる。
【0040】
液体3の液面22が上液面レベルを超えて更に上昇すると、フロート12の上昇によって作動部材14は、
図4に示す状態から更に上方に
図5に示す状態に移動する。
図5を参照して、フロート12がこのように上昇する間は、
図5から理解される如く、第1機械的スイッチ44の第1検知部62(第1作用部74)は、作動部材14の片側面によって押圧状態に維持され、第1機械的スイッチ44は非検知状態に保持され続ける。一方、第2機械的スイッチ52の第2検知部64(第2作用部76)は、作動部材14の第2凹部50に対向し、第2偏倚部材(図示せず)の作用によって、第2検知作動部80が第2スイッチ本体60から突出する検知位置に維持され(第2押圧アーム72及び第2作用部76は作動動部材14の第2凹部50に嵌まり込んだ状態に保持される)、第2機械的スイッチ52は検知状態に保持され続ける。従って、この間は、第2機械的スイッチ52が液面上昇を検知し続け、第2機械的スイッチ52の検知信号を用いて例えば液上昇警告ランプ、液上昇警告ブザーなどは作動し続ける。
【0041】
また、例えば、液体3の液面22が標準レベルから下がって
図1に二点鎖線22Bで示す液低下レベルまで降下すると、この液面22の降下に伴い、フロート12は、
図1に二点鎖線12Bで示す状態になり、このフロート12の降下に対応して、連結ロット20及作動部材14が下がった状態となる。
【0042】
液体3の液面22が下液面レベルまで下がると、フロート12の降下によって作動部材14は、
図6に示す状態になる。
図6を参照して、この状態においては、第1機械的スイッチ44の第1検知部64(第2作用部76)は、下側に移動した作動部材14の第1凹部42の下端部に対向し、第1作用部74による第1凹部42内への揺動が許容される。かくすると、第1偏倚部材(図示せず)の作用により、第1検知作動部78が第1スイッチ本体58から突出する検知位置に位置付けられ、これによって、第1押圧アーム70及び第1作用部74は作動動部材14の第1凹部42に嵌まり込むようになり、第1機械的スイッチ44は検知状態となる。一方、第2機械的スイッチ52の第2検知部64(第2作用部76)は、作動部材14の他側面によって押圧された状態に保持され、第2押圧アーム72を介して第2検知作動部80が非検知位置に維持され、第2機械的スイッチ52は非検知状態に保持され続ける。このように、液体3の液面レベル22が液低下レベルまで降下すると、第1機械的スイッチ44が閉状態になり、液体3の液面22が液低下レベルまで下がったことを検知することができる。この第1機械的スイッチ44の検知信号は、例えば液面低下を知らせる液低下警報ランプ、液低下警報ブザーなどを作動させる信号として用いることができ、操作者、管理者などに液体3が少なくなったことを知らせることができる。
【0043】
以上、本発明に従う液面計測計の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0044】
例えば、上述した実施形態では、液体3の液面レベル22の液低下レベル22Bを第1機械的スイッチ44により検知し、その液上昇レベル22Aを第2機械的スイッチ52により検知しているが、例えばこの液低下レベル22Bのみを検知するようにしてもよく、この場合には、第2機械的スイッチ52及びこれに関連する構成を省略することができ、また例えばこの液上昇レベル22Aのみを検知するようにしてもよく、この場合には、第1機械的スイッチ44及びこれに関連する構成を省略することができる。
【符号の説明】
【0045】
2 液面計測計
3 液体
4 液体タンク(液体収容容器)
12,12A,12B フロート
14 作動部材
16 案内機構
22,22A,22B 液面
25 案内部材
39 皿ねじ(案内ピン)
42 第1凹部
44 第1機械的スイッチ
50 第2凹部
52 第2機械的スイッチ
62 第1検知部
64 第2検知部
78 第1検知作動部
80 第2検知作動部