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特開2023-123961料金収受システム、料金収受方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123961
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】料金収受システム、料金収受方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20230830BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07B15/00 510
G08G1/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027473
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA11
3E127CA13
3E127CA15
3E127CA16
3E127CA17
3E127CA18
3E127CA37
3E127DA21
3E127EA03
3E127EA27
3E127EA31
3E127FA09
3E127FA19
3E127FA20
3E127FA23
3E127FA24
3E127FA25
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC21
5H181EE10
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】課金に係る情報を適切に共有する。
【解決手段】料金収受システムは、所定のエリア内を走行する各車両の各車両特定情報と各車種区分情報と各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置をエリア毎に備え、各中央課金処理装置は、出口料金所に設置された出口課金処理装置に全車両情報テーブルをエリア毎に配信し、エリアと他のエリアとの境界をまたぐ車両の移動を検知した場合、移動先のエリアの中央課金処理装置は、全車両情報テーブルに当該車両の車両情報を追加し、出口課金処理装置は、出口料金所に到来した車両の車両特定情報に紐づく車種区分情報を全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備え、
各前記中央課金処理装置は、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信し、
前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加し、
前記出口課金処理装置は、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を、前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する
料金収受システム。
【請求項2】
前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動元のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルから当該車両の前記車両情報を除外する、
請求項1に記載の料金収受システム。
【請求項3】
さらに、
前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知するとともに当該車両の前記車両特定情報を特定するバリア設備処理装置を備え、
前記バリア設備処理装置は、前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、当該車両の移動元のエリアの前記中央課金処理装置に対して当該車両の前記車両特定情報を含む通過バリア情報を送信し、
移動元のエリアの前記中央課金処理装置は、前記通過バリア情報を受信した場合、当該車両の前記車両情報と前記バリア設備の通過に係る情報とを含む引継ぎ情報を、移動先のエリアの前記中央課金処理装置に対して送信し、
移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、受信した前記引継ぎ情報に基づき、前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加する
請求項1または請求項2に記載の料金収受システム。
【請求項4】
移動元のエリアの前記中央課金処理装置は、前記引継ぎ情報を移動先のエリアの前記中央課金処理装置に対して送信するとともに、前記全車両情報テーブルから当該車両の前記車両情報を除外する、
請求項3に記載の料金収受システム。
【請求項5】
前記引継ぎ情報は、当該車両が前記入口料金所を通過した際の料金体系を特定する情報をさらに含む
請求項3または請求項4に記載の料金収受システム。
【請求項6】
所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備える料金収受システムにおいて、
各前記中央課金処理装置が、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信し、
前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動元のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルから当該車両の前記車両情報を除外し、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加し、
前記出口課金処理装置が、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する
料金収受方法。
【請求項7】
所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備える料金収受システムにおいて、
各前記中央課金処理装置が、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信するステップと、
前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動元のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルから当該車両の前記車両情報を除外し、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加するステップと、
前記出口課金処理装置が、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行するステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、料金収受システム、料金収受方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路に利用されている電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標))は、料金所の各車線(レーン)に設置された無線通信装置と、車両に搭載された車載器とが無線通信を行うことで、走行中の車両に対し自動的に料金収受処理(決済処理)を行うことを可能とする。
【0003】
有料道路では、車両の車種区分(普通車、大型車などの区分)に応じて異なる課金額が設定されているため、上述の電子式料金収受システムにおいても、課金処理の過程で車種区分に関する情報がやり取りされる。
【0004】
電子式料金収受システムでは、入口料金所の各車線に設置された車種判別装置を通じて、到来した車両ごとに、当該車両の車軸数等、車両の走行に伴って検出される特徴の検出結果に基づく車種区分情報を取得できるものがある。
しかしながら、車両の車軸数等を確定するためには、最低でも16メートル以上の車線長の確保が必要であり、このような車線長を確保することができないために、車軸数等を確定する前に車載器との無線通信を行わざるを得ない料金所が存在する。このため、現行の電子式料金収受システムでは以下のような運用がなされている場合がある。
【0005】
まず、入口料金所にて、車載器に登録された車種区分情報(以下、「車載器車種区分情報」とも記載する。)を、無線通信を介して"仮の車種区分情報"として、車載器にセットされたICカード(ETCカード)に書き込む。
そして、その車両が出口料金所に到来した際、出口料金所にてICカードに書き込まれた"仮の車種区分情報"を読み出すとともに、当該"仮の車種区分情報"に応じた課金額で課金処理が行われる。
【0006】
このような運用では、例えば、被牽引車の有無などにより、有料道路を走行した車両の実際の車種区分と、車載器に登録された車種区分とが異なる場合に、誤った課金額で課金処理が行われる。
そのため、入口料金所では、ICカードへの書き込み(無線通信)を完了した後に、車種判別装置を通じて取得した正しい車種区分情報(即ち、車軸数の検出結果を用いて特定された車種区分情報)を上位装置へ送信する。そして、出口料金所にて課金処理が行われた際に適用された車種区分情報(車載器車種区分情報)と、車軸数の検出結果を用いて特定された正しい車種区分情報との一致/不一致を事後的に判定し、不一致の場合には、課金額を後方で修正する。
【0007】
なお、上記の技術に関連する技術として、特許文献1には、料金所に車両が進入するたびに、DBセンターから当該車両の課金に関する情報を入手して課金処理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010-267130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような電子式料金収受システムの運用では、出口料金所にて"仮の車種区分情報"に応じた課金額でいったん課金処理がなされたのち、事後的に課金額が修正されることとなる。そのため、上記電子式料金収受システムでは、出口料金所にて、正しい課金額での即時課金、および、正しい課金額の利用者への即時通知を行うことができない。そのため、上記電子式料金収受システムでは、出口料金所にて、出口料金所外への情報問合せおよび問合せ結果通知の通信時間を必要とせず、正しい課金額での即時課金、および、正しい課金額の利用者への即時通知を実現することが求められている。
【0010】
ところで、特許文献1に記載されているシステムでは、道路事業用コンピュータから各路側機に対して通行料金の割引に関する情報である割引情報テーブルが送信される。この道路事業用コンピュータは、有料道路を管理する法人である道路事業者が所有するコンピュータである。このような構成では、例えば、異なる複数の道路事業者が管理する複数のエリアに自動車の走行がわたる場合、複数のコンピュータ間で情報の共有が必要になる場合あるという課題がある。
【0011】
本開示の目的は、課金に係る情報を適切に共有することができる料金収受システム、料金収受方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本開示に係る料金収受システムは、所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備え、各前記中央課金処理装置は、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信し、前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加し、前記出口課金処理装置は、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を、前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する。
【0013】
本開示に係る料金収受方法は、所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備える料金収受システムにおいて、各前記中央課金処理装置が、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信し、前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加し、前記出口課金処理装置が、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を、前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する。
【0014】
本開示に係るプログラムは、所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備える料金収受システムにおいて、各前記中央課金処理装置が、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信するステップと、前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加するステップと、前記出口課金処理装置が、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行するステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の料金収受システム、料金収受方法およびプログラムによれば、課金に係る情報を適切に共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係る料金収受システムの構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成の例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る中央課金処理装置の機能構成を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る入口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る出口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る本線課金処理装置の機能構成を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の機能構成を示す図である。
図8】第1の実施形態に係るバリア設備処理装置の機能構成を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る車両情報の例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る通過バリア情報の例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る全車両情報テーブルの例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る引継ぎ情報の例を示す図である。
図13】第1の実施形態に係る中央課金処理装置の処理フローを示す図である。
図14】第1の実施形態に係る入口課金処理装置の処理フローを示す図である。
図15】第1の実施形態に係る出口課金処理装置の処理フローを示す図である。
図16】第1の実施形態に係る本線課金処理装置の処理フローを示す図である。
図17】第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の処理フローを示す図である。
図18】第1の実施形態に係るバリア設備処理装置の処理フローを示す図である。
図19】第1の実施形態に係る料金収受システムの動作例を示す図である。
図20】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る料金収受システムについて、図1図19を参照しながら説明する。
【0018】
(料金収受システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受システムの構成例を示す図である。図2は、第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成の例を示す図である。図2に示すように、本実施形態に係る料金収受システム9は、例えば隣接する4つのエリア7a、7b、7cおよび7d毎に、エリア7a、7b、7cおよび7dを管理する中央課金処理装置1a、1b、1cおよび1dを備える。図1は、図2に示すエリア7aおよび7bの一部の構成を示す。なお、中央課金処理装置1a、1b、1cおよび1dを総称する場合、中央課金処理装置1という。また、エリア7a、7b、7cおよび7dを総称する場合、エリア7という。
【0019】
図1および図2に示す料金収受システム9は、電子式料金収受システム(ETC)であって、道路事業者が管理する有料道路Uの料金収受に適用される。なお、有料道路Uは、例えばエリア7aとエリア7bが、エリア7毎に異なる道路事業者によって管理されていてもよいし、同一の道路事業者によって管理されていてもよい。
【0020】
有料道路Uの構成について説明する。
図1に示すように、有料道路Uは、本線LM上に入口料金所G2、出口料金所G3、本線料金所G4、およびバリア設備G6を有する。
入口料金所G2には一般道路から有料道路Uに進入しようとする車両Aが到来する。車両Aは、流入車線L2を走行して入口料金所G2に到来し、入口料金所G2の通過後、有料道路Uを走行する。なお、図示を省略しているが、入口料金所G2の各車線には、到来した車両Aの車載器Cとの間で無線通信を行うための無線通信装置や、車両Aの車軸数の検出結果に基づいてその車種区分を特定可能な車種判別装置などが設けられている。
また、出口料金所G3には有料道路Uから一般道路に退出しようとする車両Aが到来する。車両Aは、有料道路Uを走行して出口料金所G3に到来し、出口料金所G3の通過後、流出車線L3を走行して一般道路に戻る。出口料金所G3の各車線には、到来した車両に対し無線通信による課金処理を行う無線通信装置、徴収された課金額を即時通知するための路側表示器などが設けられている。
本線料金所G4は、本線LM上に設けられた料金所であり、集約料金所ともいう。本線料金所G4では、有料道路Uの本線LMを走行する車両が通過する。なお、本線料金所G4の各車線には、入口料金所G2と同様の無線通信装置、車種判別装置などが設けられている。
バリア設備G6は、例えば、本線LM上の隣接するエリア7aとエリア7bとの境界(あるいは境界付近)に設けられたガントリー(門型柱)である。バリア設備G6は、有料道路Uの本線LMを走行する車両が通過する。バリア設備G6の各車線には、入口料金所G2と同様の無線通信装置やナンバープレート認識用のカメラなどが設けられている。
【0021】
有料道路Uには入口FF車線L2Fが設けられている。入口FF車線L2Fは、FF(フリーフロー)車線であり、料金所ゲートが設けられていない流入車線である。なお、入口FF車線L2Fの路側には無線通信装置は設けられているが、車種判別装置は設けられていない。
【0022】
次に、料金収受システム9について説明する。
図1および図2に示すように、料金収受システム9は、エリア7毎に、中央課金処理装置1と、入口課金処理装置2と、出口課金処理装置3と、本線課金処理装置4と、入口FF課金処理装置5とを備えている。ただし、各エリア7は、必ずしも全種類の処理装置を備えていなくてもよい。また、料金収受システム9は、エリア7の境界部分にバリア設備処理装置6を備えている。各エリア7をまたぐ移動の場合、いずれかのバリア設備処理装置6によって当該車両Aが検知される。図2に示す例では、エリア7aとエリア7bとの境界部分にバリア設備処理装置6aが設けられている。エリア7bとエリア7cとの境界部分にバリア設備処理装置6bが設けられている。エリア7cとエリア7dとの境界部分にバリア設備処理装置6cが設けられている。エリア7dとエリア7aとの境界部分にバリア設備処理装置6dが設けられている。なお、バリア設備処理装置6a~6dを総称する場合、バリア設備処理装置6という。なお、各エリア7は、通常、複数の入口課金処理装置2と、複数の出口課金処理装置3と、複数の本線課金処理装置4と、複数の入口FF課金処理装置5と、複数のバリア設備処理装置6を備える。
【0023】
中央課金処理装置1は、広域通信網NW1を介して有料道路Uの各料金所やFF車線、エリア7間の境界部分などに設置された処理装置と通信可能に接続されており、各処理装置から逐次受信する情報を集約し、全車両情報テーブル(後述)を作成する。そして、中央課金処理装置1は、全車両情報テーブルを各処理装置に向けて配信する。また、各中央課金処理装置1は、広域通信網NW2を介して相互に通信可能に接続されている。
【0024】
入口課金処理装置2は、入口料金所G2に設置される装置である。入口料金所G2に複数の車線(レーン)が存在する場合、入口課金処理装置2は、その車線ごとに設置される。
入口課金処理装置2は、入口料金所G2の車線を通過する車両の車両情報(後述)を取得し、これを中央課金処理装置1に送信する。なお、入口料金所G2の各車線には車種判別装置が設置されている。そのため、入口課金処理装置2が送信する車両情報には、車両の車軸数を用いて特定された車種区分情報と、入口料金所G2を特定する入口料金所特定情報が含まれる。
【0025】
出口課金処理装置3は、出口料金所G3に設置される装置である。出口料金所G3に複数の車線が存在する場合、出口課金処理装置3は、その車線ごとに設置される。
出口課金処理装置3は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルをローカルの(自装置内の)記録媒体に保存している。出口課金処理装置3は、各車線を通過する車両の車種区分情報を、ローカルの記録媒体に保存されている全車両情報テーブルを参照することで特定し、正しい車種区分に基づく即時課金および即時通知を行う。
また、出口課金処理装置3は、出口料金所G3の車線を通過する車両の車両情報を取得し、これを中央課金処理装置1に送信する。
【0026】
本線課金処理装置4は、本線料金所G4に設置される装置である。本線料金所G4に複数の車線が存在する場合、本線課金処理装置4は、その車線ごとに設置される。
本線課金処理装置4は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルをローカルの記録媒体に保存している。本線課金処理装置4は、本線料金所G4の車線を通過する車両から取得した車両情報が、ローカルの記録媒体に保存されている全車両情報テーブルに既に記録されているか否か等を判定し、その判定結果に応じて、取得した車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0027】
入口FF課金処理装置5は、入口FF車線L2F上に設置されている。入口FF課金処理装置5は、入口FF車線L2Fを走行する車両の車両情報を取得し、これを中央課金処理装置1に送信する。ただし、入口FF車線L2Fには車種判別装置が設置されていない。そのため、入口FF課金処理装置5が送信する車両情報には、車両の車軸数を用いて特定される車種区分情報が含まれていない。
【0028】
バリア設備処理装置6は、バリア設備G6に設置されている。バリア設備処理装置6は、エリア7と他のエリア7との境界をまたぐ車両Aの移動を検知するとともに当該車両Aの車両特定情報を特定する。また、バリア設備処理装置6は、エリア7の境界をまたぐ車両Aの移動を検知した場合、当該車両Aの移動元のエリアの中央課金処理装置1に対して当該車両Aの車両特定情報を含む通過バリア情報を送信する。ただし、バリア設備G6には車種判別装置が設置されていない。そのため、バリア設備処理装置6が送信する通過バリア情報には、車両の車軸数を用いて特定される車種区分情報が含まれていない。
【0029】
(中央課金処理装置の機能構成)
図3は、第1の実施形態に係る中央課金処理装置の機能構成を示す図である。
図3に示すように、中央課金処理装置1は、CPU10と、メモリ11と、通信インタフェース12と、記録媒体13とを備えている。
【0030】
CPU10は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU10の機能については後述する。
メモリ11は、いわゆる主記憶装置であって、CPU10の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース12は、広域通信網を介して各課金処理装置と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
記録媒体13は、いわゆる補助記憶装置であって、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体13には全車両テーブルT1が記録される。また、後述するように、記録媒体13には、全車両テーブルT1の差分情報T2(新規進入車両テーブルT21、新規退出車両テーブルT22)(後述)が記録される。
【0031】
次に、中央課金処理装置1のCPU10の機能について説明する。
【0032】
CPU10は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、受信部101、作成部102、配信部103および送信部104としての機能を発揮する。
【0033】
受信部101は、各課金処理装置から車両情報を受信する。ここで、入口課金処理装置2および本線課金処理装置4から受信する車両情報には、その車両を特定可能な車両特定情報の他、車両の車軸数の検出結果を用いて判別された車種区分情報が含まれる。
なお、車軸数は、路面に設置された踏板(後述)が、走行する車両のタイヤによって順次踏み付けられることによって検出されるものであり、つまり、車両の走行に伴って検出される特徴の一態様である。車両の走行に伴って検出される特徴は、他の実施形態では車軸数に限られることはなく、例えば、光学センサなどに基づいて検出される車長などであってもよい。
【0034】
また、受信部101は、バリア設備処理装置6から通過バリア情報を受信する。通過バリア情報は、バリア設備G6を通過した車両Aの車両特定情報、バリア設備番号、処理日時の情報などを含む。また、受信部101は、他の中央課金処理装置1から引継ぎ情報を受信する。引継ぎ情報は、バリア設備G6を通過して新たに他のエリア7内に進入した車両A(自エリア7から退出した車両A)の車両情報とバリア設備G6の通過に係る情報とを含む。
【0035】
作成部102は、各課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成する。特に、作成部102は、入口課金処理装置2(および入口FF課金処理装置5)から逐次受信する車両情報を、新たに有料道路Uに進入した車両の車両情報として全車両情報テーブルT1に追加するとともに、これらを集約して新規進入車両テーブルT21を作成する。また、作成部102は、出口課金処理装置3から逐次受信する車両情報を、新たに有料道路Uから退出した車両の車両情報として全車両情報テーブルT1から除外するとともに、これらを集約して新規退出車両テーブルT22を作成する。
【0036】
また、作成部102は、受信部101が通過バリア情報を受信した場合、当該車両Aの車両情報とバリア設備G6の通過に係る情報とを含む引継ぎ情報を作成する。また、作成部102は、バリア設備処理装置6から逐次受信する通過バリア情報に基づき、自装置が管理するエリア7から退出した車両の車両情報を全車両情報テーブルT1から除外するとともに、これらを集約して新規退出車両テーブルT22を作成する。また、作成部102は、受信部101が引継ぎ情報を受信した場合、当該車両Aの車両情報などを全車両情報テーブルT1に追加するとともに、これらを集約して新規進入車両テーブルT21を作成する。
【0037】
配信部103は、作成部102によって作成された全車両情報テーブルT1を、各課金処理装置(特に、出口料金所G2に設置された出口課金処理装置3)やバリア設備処理装置6に配信する。また、配信部103は、全車両情報テーブルT1の差分情報T2である新規進入車両テーブルT21、新規退出車両テーブルT22を定期的に各処理装置に配信する。
【0038】
送信部104は、受信部101が通過バリア情報を受信した場合、作成部102が生成した引継ぎ情報を、移動先のエリアの中央課金処理装置1に対して送信する。
【0039】
(入口課金処理装置の機能構成)
図4は、第1の実施形態に係る入口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図4に示すように、入口課金処理装置2は、CPU20と、メモリ21と、通信インタフェース22と、路側機器インタフェース23と、記録媒体24とを備えている。
【0040】
CPU20は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU20の機能については後述する。
メモリ21は、CPU20の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース22は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース23は、入口料金所G2の各車線に設けられた路側機器(無線通信装置2A、車種判別装置2B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体24は、入口課金処理装置2内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体24には、中央課金処理装置1から配信された全車両テーブルT1が記録される。
【0041】
次に、入口課金処理装置2に接続される路側機器(無線通信装置2A、車種判別装置2B)について説明する。
【0042】
無線通信装置2Aは、入口料金所G2に到来した車両Aの車載器C(図1)との間でDSRC(Dedicated Short Range Communications)を用いた無線通信を行い、車載器Cに記録された各種情報(車載器ID、ICカード情報、車両ナンバーなど)を取得する。車載器Cに記録された各種情報は、その車両を一意に特定可能な車両特定情報である。
【0043】
車種判別装置2Bは、走行中の車両の正しい車種区分を特定可能とする装置である。車種判別装置2Bは、踏板や車両検知器などを通じて、車線を通過する車両の車軸数を検出する。これにより、車種判別装置2Bは、通過する車両の車軸数の検出結果を用いて走行中の車両の車種区分情報を特定する。
【0044】
次に、入口課金処理装置2のCPU20の機能について説明する。
【0045】
CPU20は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部201、入口車両情報取得部202、入口送信部203および車載器情報書込部204としての機能を発揮する。
【0046】
記録処理部201は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体24に記録する。また、記録処理部201は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図3)に基づいて、記録媒体24に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0047】
入口車両情報取得部202は、無線通信装置2Aおよび車種判別装置2Bを通じて、入口料金所G2に到来した車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報と、少なくとも車両の車軸数の検出結果を用いて判別された車種区分情報とが含まれる。
【0048】
入口送信部203は、車両特定情報および車種区分情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0049】
車載器情報書込部204は、車載器C(図1)に予め登録されている車載器車種区分情報を読み出して、車載器C内にセットされているICカードに書き込む。
【0050】
(出口課金処理装置の機能構成)
図5は、第1の実施形態に係る出口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図5に示すように、出口課金処理装置3は、CPU30と、メモリ31と、通信インタフェース32と、路側機器インタフェース33と、記録媒体34とを備えている。
【0051】
CPU30は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU30の機能については後述する。
メモリ31は、CPU30の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース32は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース33は、出口料金所G3の各車線に設けられた路側機器(無線通信装置3A、路側表示器3B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体34は、出口課金処理装置3内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体34には、中央課金処理装置1から配信された全車両テーブルT1が記録される。
【0052】
次に、出口課金処理装置3に接続される路側機器(無線通信装置3A、路側表示器3B)について説明する。
【0053】
無線通信装置3Aは、出口料金所G3に到来した車両Aの車載器C(図1)との間でDSRCを用いた無線通信を行い、車載器Cに記録された各種情報(車両特定情報)を取得する。また、出口料金所G3では、無線通信装置3Aによる無線通信を通じて課金処理が行われる。
路側表示器3Bは、無線通信による課金処理が完了した際、走行中の車両(利用者)に向けて課金額などを表示(即時通知)する表示装置である。
【0054】
次に、出口課金処理装置3のCPU30の機能について説明する。
【0055】
CPU30は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部301、出口車両情報取得部302、出口送信部303、車載器情報読取部304および課金処理部305としての機能を発揮する。
【0056】
記録処理部301は、入口課金処理装置2の記録処理部201と同様に、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体34に記録する。また、記録処理部301は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図3)に基づいて、記録媒体34に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0057】
出口車両情報取得部302は、無線通信装置3Aを通じて、出口料金所G3に到来した車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報が含まれる。
【0058】
出口送信部303は、車両特定情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0059】
車載器情報読取部304は、入口料金所G2にてICカードに書き込まれた車載器車種区分情報を読み出す。
【0060】
課金処理部305は、ローカルの記録媒体34に記録された全車両情報テーブルT1を参照して、出口車両情報取得部302が取得した車両特定情報に紐づく車種区分情報を特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する。
【0061】
(本線課金処理装置の機能構成)
図6は、第1の実施形態に係る本線課金処理装置の機能構成を示す図である。
図6に示すように、本線課金処理装置4は、CPU40と、メモリ41と、通信インタフェース42と、路側機器インタフェース43と、記録媒体44とを備えている。
【0062】
CPU40は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU40の機能については後述する。
メモリ41は、CPU40の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース42は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース43は、本線料金所G4の各車線に設けられた路側機器(無線通信装置4A、車種判別装置4B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体44は、本線課金処理装置4内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体44には、中央課金処理装置1から配信された全車両テーブルT1が記録される。
【0063】
本線課金処理装置4に接続される路側機器である無線通信装置4A、車種判別装置4B)については、入口料金所G2に設けられる無線通信装置2A、車種判別装置2Bと同様であるため説明を省略する。
【0064】
次に、本線課金処理装置4のCPU40の機能について説明する。
【0065】
CPU40は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部401、本線車両情報取得部402、本線送信部403および車載器情報書込部404としての機能を発揮する。
【0066】
記録処理部401は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体44に記録する。また、記録処理部401は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図3)に基づいて、記録媒体24に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0067】
本線車両情報取得部402は、無線通信装置4Aおよび車種判別装置4Bを通じて、本線料金所G4に到来した車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報と、少なくとも車両の車軸数の検出結果を用いて判別された車種区分情報とが含まれる。
【0068】
本線送信部403は、特定の条件を満たした場合に、車両特定情報および車種区分情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する。「特定の条件」とは、具体的には、以下の(a)、(b)の2つである。
(a)本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報(車載器IDなど)を含む車両情報が、記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在しない場合
(b)本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報を含む車両情報が記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在するが、当該車両情報に、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報が含まれていない場合
【0069】
車載器情報書込部404は、車載器C(図1)に予め登録されている車載器車種区分情報を読み出して、車載器C内にセットされているICカードに書き込む。
【0070】
(入口FF課金処理装置の機能構成)
図7は、第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の機能構成を示す図である。
図7に示すように、入口FF課金処理装置5は、CPU50と、メモリ51と、通信インタフェース52と、路側機器インタフェース53と、記録媒体54とを備えている。
【0071】
CPU50は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU50の機能については後述する。
メモリ51は、CPU50の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース52は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース53は、入口FF車線L2Fに設けられた路側機器(無線通信装置5A、路側カメラ5B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体54は、入口FF課金処理装置5内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体54には、中央課金処理装置1から配信された全車両テーブルT1が記録される。
【0072】
入口FF課金処理装置5に接続される路側機器である無線通信装置5Aについては、入口料金所G2に設けられる無線通信装置2Aと同様であるため説明を省略する。
路側カメラ5Bは、路側に設置されたカメラであって、入口FF車線L2Fを走行する車両を撮影する。路側カメラ5Bは、無線通信装置5Aを通じて得た車両特定情報と紐づけて、各車両の外観を示す車両画像を取得可能とする。
【0073】
次に、入口FF課金処理装置5のCPU50の機能について説明する。
【0074】
CPU50は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部501、入口FF車両情報取得部502、入口FF送信部503および車載器情報書込部504としての機能を発揮する。
【0075】
記録処理部501は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体54に記録する。また、記録処理部501は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図3)に基づいて、記録媒体54に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0076】
入口FF車両情報取得部502は、無線通信装置5Aを通じて、入口FF車線L2Fを走行中の車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報が含まれる。しかし、入口FF車線L2F上には車種判別装置が設置されていないため、ここで取得される車両情報には、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報は含まれていない。
【0077】
入口FF送信部503は、車両特定情報を含み、車種区分情報を含まない車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0078】
車載器情報書込部504は、車載器C(図1)に予め登録されている車載器車種区分情報を読み出して、車載器C内にセットされているICカードに書き込む。
【0079】
(バリア設備処理装置の機能構成)
図8は、第1の実施形態に係るバリア設備処理装置の機能構成を示す図である。
図8に示すように、バリア設備処理装置6は、CPU60と、メモリ61と、通信インタフェース62と、路側機器インタフェース63と、記録媒体64とを備えている。
【0080】
CPU60は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU60の機能については後述する。
メモリ61は、CPU60の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース62は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース63は、バリア設備G6に設けられた路側機器(無線通信装置6A、路側カメラ6B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体64は、バリア設備処理装置6内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体64には、中央課金処理装置1から配信された全車両テーブルT1が記録される。
【0081】
バリア設備処理装置6に接続される路側機器である無線通信装置6Aについては、入口料金所G2に設けられる無線通信装置2Aと同様であるため説明を省略する。
路側カメラ5Bは、路側に設置されたカメラであって、バリア設備G6を走行する車両を撮影する。路側カメラ6Bは、車両Aのナンバープレートを画像認識し、認識した車両番号を示す情報を出力する。また、路側カメラ6Bは、無線通信装置6Aを通じて得た車両特定情報と紐づけて、各車両の外観を示す車両画像を取得可能とする。
【0082】
次に、バリア設備処理装置6のCPU60の機能について説明する。
【0083】
CPU60は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部601、バリア設備車両情報取得部602、バリア設備送信部603および車載器情報書込部604としての機能を発揮する。
【0084】
記録処理部601は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体64に記録する。また、記録処理部601は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図3)に基づいて、記録媒体64に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0085】
バリア設備車両情報取得部602は、無線通信装置6Aを通じて、バリア設備G6を走行中の車両の車両情報を取得する。あるいは、バリア設備車両情報取得部602は、路側カメラ6Bを通じて、バリア設備G6を走行中の車両の車両特定情報(ナンバープレート)を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報が含まれる。しかし、バリア設備G6上には車種判別装置が設置されていないため、ここで取得される車両情報には、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報は含まれていない。
【0086】
バリア設備送信部603は、バリア設備車両情報取得部602がエリア7と他のエリア7との境界をまたぐ車両Aの移動を検知した場合、当該車A両の移動元のエリアの中央課金処理装置1に対して当該車両Aの車両特定情報を含む通過バリア情報を送信する。
【0087】
車載器情報書込部604は、車載器C(図1)に予め登録されている車載器車種区分情報を読み出して、車載器C内にセットされているICカードに書き込む。
【0088】
(車両情報、通過バリア情報、全車両情報テーブルおよび引継ぎ情報の例)
図9は、第1の実施形態に係る車両情報の例を示す図である。
また、図10は、第1の実施形態に係る通過バリア情報の例を示す図である。
また、図11は、第1の実施形態に係る全車両情報テーブルの例を示す図である。
また、図12は、第1の実施形態に係る引継ぎ情報の例を示す図である。
以下、図9図12を参照しながら、入口課金処理装置2などで逐次取得され、中央課金処理装置1に送信される車両情報Dのデータの内容と、バリア設備処理装置6で生成される通過バリア情報Eのデータの内容と、中央課金処理装置1で作成される全車両情報テーブルT1のデータの内容について詳しく説明する。
【0089】
図9に示すように、車両情報Dには、「車両特定情報」(本実施形態においては「車載器ID」)、「料金所番号」、「車線番号」、「処理年月日時分」、「ICカード情報」、「車種区分情報」、「ナンバープレート情報」、「車両画像データ」などが含まれる。ここで、「料金所番号」と「車線番号」が、車両Aが通過した入口料金所を特定する入口料金所特定情報の一例である。
【0090】
入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202が取得する車両情報Dのうち、「車両特定情報」(車載器ID)、「ICカード情報」、「ナンバープレート情報」などは、無線通信装置2Aによる車載器Cとの無線通信を通じて得られる情報である。また、「車種区分情報」は、車種判別装置2Bを通じて得られる車種区分情報(つまり、車軸数の検出結果に基づいて特定された車種区分情報)である。
【0091】
なお、本線料金所G4でも車種判別装置4Bが設置されているため、車軸数の検出結果に基づく「車種区分情報」を取得できる。したがって、本線課金処理装置4の本線車両情報取得部402が取得する車両情報は、入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202が取得する車両情報と同様に、車軸数に基づく「車種区分情報」が含まれたものとなる。
一方、入口FF車線L2Fには車種判別装置が設置されていないため、入口FF課金処理装置5の入口FF車両情報取得部502が取得する車両情報には「車種区分情報」が含まれない。
【0092】
また、図10に示すように、通過バリア情報Eには、「車両特定情報」(本実施形態においては「車載器ID」)、「バリア設備番号」、「車線番号」、「処理年月日時分」、「ICカード情報」、「ナンバープレート情報」、「車両画像データ」などが含まれる。
【0093】
図11は、中央課金処理装置1の作成部102が作成する全車両情報テーブルT1の内容を示している。図11に示すように、全車両情報テーブルT1は、各課金処理装置から受信した車両情報Dと、バリア設備処理装置6から受信した通過バリア情報Eとが集約されてなる。全車両情報テーブルT1には、各エリア7において各時点で有料道路U上を走行している全ての車両に関する車両情報と、各車両Aがバリア設備G6を通過した場合、バリア設備G6の通過に係る情報が集約される。図11に示す例において、バリア設備G6の通過に係る情報は、通過したバリア設備G6の番号、車線番号、および通過処理日時を示す情報を含む。なお、複数のバリア設備G6を通過した場合、複数のバリア設備G6の通過に係る情報が全車両情報テーブルT1に登録される。
【0094】
また、図12に示すように、引継ぎ情報TO1は、車両情報Dと、バリア設備G6の通過に係る情報と、課金テーブル番号とを含む。バリア設備G6の通過に係る情報は、通過したバリア設備G6の番号、車線番号、および通過処理日時を示す情報を含む。課金テーブル番号は、当該車両Aが入口料金所G2を通過した際の料金体系を特定する情報である。この場合、予め複数の中央課金処理装置1間で課金テーブル番号と課金テーブルが共有されていて、課金テーブル番号によって当該車両Aに対して適用される料金体系が特定される。例えば車両Aが有料道路Uに長時間滞在した場合に、有料道路Uからの退出時の料金体系と、有料道路Uに進入時の料金体系とが異なることがある。そのような場合、この課金テーブル番号を引継ぎ情報TO1に含めることで、適用すべき料金体系を他のエリアの中央課金処理装置1へ引継ぐことができる。なお、課金テーブル番号は、例えば全車両情報テーブルT1に含める形で出口課金処理装置3へ配信することができる。
【0095】
(中央課金処理装置の処理フロー)
図13は、第1の実施形態に係る中央課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図13を参照しながら、中央課金処理装置1が実行する処理フローについて詳しく説明する。なお、図13に示す処理フローは、中央課金処理装置1により、定期的に(例えば、数秒、数分または数十分に1回の周期等、有料道路上の入口から出口までに見込まれる最短の時間よりも短い周期で)繰り返し実行される。
【0096】
まず、中央課金処理装置1の受信部101は、有料道路Uに新たに進入した車両に関する車両情報を集約する(ステップS11)。具体的には、受信部101は、入口課金処理装置2又は入口FF課金処理装置5から受信した車両情報D(図9)を集約する。
【0097】
次に、受信部101は、有料道路Uから新たに退出した車両に関する車両情報を集約する(ステップS12)。具体的には、受信部101は、出口課金処理装置3から受信した車両情報Dを集約する。
【0098】
次に、中央課金処理装置1の作成部102は、受信部101が通過バリア情報を受信した場合(ステップS13;YES)、引継ぎ情報TO1を生成して引継ぎ先の中央課金処理装置1へ送信し、当該車両を全車両情報テーブルT1からの除外対象とする(ステップS14)。
【0099】
次に、受信部101は、他の中央課金処理装置1から受信した引継ぎ情報を集約する(ステップS15)。
【0100】
次に、作成部102は、ステップS11~S15で集約したそれぞれの情報に基づいて、管理するエリア7において各時点で有料道路U上を走行している全ての車両に関する車両情報を有する全車両情報テーブルT1(図9)を作成、更新する(ステップS16)。具体的には、作成部102は、ステップS11およびステップS15で集約した車両情報を全車両情報テーブルT1に追加し、ステップS12で集約した車両情報とステップS14で除外対象とした車両情報を全車両情報テーブルT1から除外することで、全車両情報テーブルT1を更新する。
【0101】
次に、作成部102は、前回のタイミングで作成した全車両情報テーブルT1との差分を示す差分情報T2(図3)を作成する(ステップS17)。具体的には、作成部102は、ステップS11およびステップS15で集約した車両情報を用いて新規進入車両情報テーブルT21を作成する。また、作成部102は、ステップS12で集約した車両情報とステップS14で除外対象とした車両情報を用いて新規退出車両情報テーブルT22を作成する。
【0102】
次に、中央課金処理装置1の配信部103は、差分情報T2(新規進入車両情報テーブルT21、新規退出車両情報テーブルT22)を各処理装置へ配信する(ステップS18)。各処理装置は、ここで配信された差分情報T2に基づいて、各々のローカルの記録媒体に記録された全車両情報テーブルT1を更新する。
【0103】
処理装置から所定のリクエストを受信した場合には、配信部103は、そのリクエスト元には、差分情報T2ではなく、全車両情報テーブルT1そのものを配信する(ステップS19)。例えば、出口料金所G2にて新たな出口課金処理装置3が起動した際、当該起動直後の出口課金処理装置3には全車両情報テーブルT1が記録されていない。そこで、新たに起動した出口課金処理装置3は、起動直後に、中央課金処理装置1に対し所定のリクエストを送信する。そして、出口課金処理装置3は、中央課金処理装置1から全車両情報テーブルT1そのものを受信する。
【0104】
(入口課金処理装置の処理フロー)
図14は、第1の実施形態に係る入口課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図14を参照しながら、入口課金処理装置2が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0105】
まず、入口課金処理装置2は、入口料金所G2への車両の進入を検知する(ステップS21)。
【0106】
次に、入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202は、無線通信装置2Aを介して、進入した車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS22)。
【0107】
次に、入口課金処理装置2の車載器情報書込部204は、車載器Cに登録されている車種区分情報(車載器車種区分情報)をICカードに書き込む(ステップS23)。
【0108】
次に、入口課金処理装置2は、ステップS22で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体24に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていないかどうかを判定する(ステップS24)。
【0109】
ステップS22で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体24に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS24;NO)、まだ有料道路Uに進入していない車両に関する車両情報が全車両情報テーブルT1に記録されていることになる。したがって、この場合、入口課金処理装置2は、システム上、異常な車両が進入してきたと判断し、中央課金処理装置1に向けてエラー通知を行う(ステップS25)。
【0110】
ステップS22で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体24に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていない場合(ステップS24;YES)、続いて、車種判別装置2Bを通じて、車軸数の検出結果に基づいて特定された車種区分情報を取得する(ステップS26)。
【0111】
続いて、入口課金処理装置2の入口送信部203は、到来した車両に関する車両情報(車種判別装置2Bによって特定された車種区分情報を含む)を中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS27)。
【0112】
(出口課金処理装置の処理フロー)
図15は、第1の実施形態に係る出口課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図15を参照しながら、出口課金処理装置3が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0113】
まず、出口課金処理装置3は、出口料金所G3への車両の進入を検知する(ステップS31)。
【0114】
次に、出口課金処理装置3の出口車両情報取得部302は、無線通信装置3Aを介して、進入した車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS32)。
【0115】
次に、出口課金処理装置3の車載器情報読取部304は、ステップS23(図14)でICカードに書き込まれた車種区分情報(車載器車種区分情報)を読み取る(ステップS33)。
【0116】
次に、出口課金処理装置3は、ステップS32で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体34に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれているかどうかを判定する(ステップS34)。
【0117】
ステップS32で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体34に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていない場合(ステップS34;NO)、何らかの事情により本来あるべきはずの車両情報が、出口課金処理装置3の全車両情報テーブルT1に含まれていないことになる。したがって、この場合、課金処理部305は、ステップS33で読み取った車載器車種区分情報(仮の車種区分情報)を用いて課金額を決定し、課金処理を行う(ステップS35)。
【0118】
他方、ステップS32で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体34に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS34;YES)、課金処理部305は、当該全車両情報テーブルT1を参照して、ステップS32で取得した車両特定情報に紐づく車種区分情報を特定する(ステップS36)。
【0119】
続いて、課金処理部305は、全車両情報テーブルT1に記録された車種区分情報に応じた課金額の課金処理を実行し、その課金額を路側表示器3Bに表示させる(ステップS37)。
【0120】
(本線課金処理装置の処理フロー)
図16は、第1の実施形態に係る本線課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図16を参照しながら、本線課金処理装置4が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0121】
まず、本線課金処理装置4は、本線料金所G4への車両の進入を検知する(ステップS41)。
【0122】
次に、本線課金処理装置4の本線車両情報取得部402は、無線通信装置4Aを介して、進入した車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS42)。
【0123】
次に、本線課金処理装置4の車載器情報書込部404は、車載器Cに登録されている車種区分情報(車載器車種区分情報)をICカードに書き込む(ステップS43)。
【0124】
次に、本線課金処理装置4の本線送信部403は、ステップS42で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていないかどうかを判定する(ステップS44)。
【0125】
ステップS42で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS44;NO)、この車両は、入口料金所G2又は入口FF車線L2Fを通過した際に、入口課金処理装置2又は入口FF課金処理装置5を通じて車両情報が取得された車両といえる。
この場合、続いて、本線送信部403は、全車両情報テーブルT1に、その車両特定情報に対応する車種区分情報が含まれていないか否かを判定する(ステップS45)。
【0126】
記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に、ステップS42で取得された車両特定情報に対応する車種区分情報が含まれている場合(ステップS45;NO)、この車両は、入口料金所G2を通過した際に、車種判別装置2Bを通じて既に正しい車種区分情報が記録されていると判断される。したがって、この場合、本線送信部403は、中央課金処理装置1に何らの情報を送信することなく処理を終了する。
【0127】
他方、ステップS44で参照した車両情報に車種区分情報が含まれていない場合(ステップS45;YES)、この車両は、車種判別装置2Bが設置されていない入口FF車線L2Fを通過して有料道路Uに進入したため、正しい車種区分情報が未だ記録されていないと判断される。
この場合、本線送信部403は、車種判別装置4Bを通じて、車軸数の検出結果に基づいて特定された車種区分情報を取得する(ステップS46)。
【0128】
続いて、本線送信部403は、到来した車両に関する車両情報(車種判別装置4Bによって特定された車種区分情報を含む)を中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS47)。
【0129】
(入口FF課金処理装置の処理フロー)
図17は、第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図17を参照しながら、入口FF課金処理装置5が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0130】
入口FF課金処理装置5の入口FF車両情報取得部502は、入口FF車線L2Fの路側に設置された無線通信装置5Aを介して、その通信範囲に存在する車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS51)。
【0131】
次に、入口FF課金処理装置5の車載器情報書込部504は、車載器Cに登録されている車種区分情報(車載器車種区分情報)をICカードに書き込む(ステップS52)。
【0132】
次に、入口FF課金処理装置5は、ステップS51で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体54に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていないかどうかを判定する(ステップS53)。
【0133】
ステップS51で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体54に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS53;NO)、まだ有料道路Uに進入していない車両に関する車両情報が全車両情報テーブルT1に記録されていることになる。したがって、この場合、入口FF課金処理装置5は、システム上、異常な車両が進入してきたと判断し、中央課金処理装置1に向けてエラー通知を行う(ステップS54)。
【0134】
ステップS51で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体54に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていない場合(ステップS53;YES)、入口FF課金処理装置5の入口FF送信部503は、到来した車両に関する車両情報(車軸数に基づく車種区分情報を含まない)を中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS55)。なお、この車両情報には、路側カメラ5Bによって撮影された車両画像データ(又は、その保存先を示す情報)が含まれていてもよい。
【0135】
(バリア設備処理装置の処理フロー)
図18は、第1の実施形態に係るバリア設備処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図18を参照しながら、バリア設備処理装置6が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0136】
バリア設備処理装置6のバリア設備車両情報取得部602は、バリア設備G6の路側に設置された無線通信装置6Aを介して、その通信範囲に存在する車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS61)。
【0137】
次に、バリア設備処理装置6の車載器情報書込部604は、車載器Cに登録されている車種区分情報(車載器車種区分情報)をICカードに書き込む(ステップS62)。
【0138】
次に、バリア設備処理装置6は、ステップS61で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体64に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれているかどうかを判定する(ステップS63)。
【0139】
ステップS51で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体54に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていない場合(ステップS63;NO)、何らかの事情により本来あるべきはずの車両情報が、バリア設備処理装置6の全車両情報テーブルT1に含まれていないことになる。したがって、この場合、バリア設備処理装置6は、システム上、異常が発生したと判断し、中央課金処理装置1に向けてエラー通知を行う(ステップS64)。
【0140】
ステップS61で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体64に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていた場合(ステップS63;YES)、バリア設備処理装置6のバリア設備送信部603は、到来した車両に関する通過バリア情報を中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS65)。なお、この通過バリア情報には、路側カメラ6Bによって撮影された車両画像データ(又は、その保存先を示す情報)が含まれていてもよい。
【0141】
(料金収受システム9の動作例)
図19は、第1の実施形態に係る料金収受システムの動作例を示す図である。
以下、図19を参照しながら、料金収受システム9の動作例について詳しく説明する。
図19に示す動作例は、図1に示すエリア7a内の入口課金処理装置2(2a)、中央課金処理装置1(1a)、およびバリア設備処理装置6(6a)と、エリア7b内の中央課金処理装置1(1b)、出口課金処理装置2(2b)、およびバリア設備処理装置6(例えば図2に示すバリア設備処理装置6b)における処理の流れを示す。図19に示す動作例は、エリア7a内の入口料金所G2(G2a)で車両Aが有料道路Uに進入し、バリア設備G6(G6a)を通過した後、エリア7b内の出口料金所G3(G3a)で退出した例である。
【0142】
まず、入口課金処理装置2aが、車両Aの進入を検知する(ステップS101)。次に、入口課金処理装置2aが、車両情報を生成する(ステップS102)。次に、入口課金処理装置2aが、車両情報を中央課金処理装置1aへ送信する(ステップS103)。次に、中央課金処理装置1aがテーブル(全車両情報テーブルT1および差分情報T2(新規進入車両テーブルT21、新規退出車両テーブルT22))を生成する(ステップS104)。ステップS104では、ステップS101で検知された車両Aの車両情報を追加した全車両情報テーブルT1が生成される。次に、中央課金処理装置1aが差分情報T2を、入口課金処理装置2a、バリア設備処理装置6a等へ配信する(ステップS105、ステップS106)。ここで、入口課金処理装置2aはテーブル(全車両情報テーブルT1)を更新する(ステップS107)。また、バリア設備処理装置6aはテーブル(全車両情報テーブルT1)を更新する(ステップS108)。
【0143】
次に、バリア設備処理装置6aが、車両Aの進入を検知する(ステップS109)。次に、バリア設備処理装置6aが、通過バリア情報を生成する(ステップS110)。次に、バリア設備処理装置6aが、通過バリア情報を中央課金処理装置1aへ送信する(ステップS111)。
【0144】
次に、中央課金処理装置1aが、引継ぎ情報を生成する(ステップS112)。次に、中央課金処理装置1aが、引継ぎ情報を中央課金処理装置1bへ送信する(ステップS113)。
【0145】
次に、中央課金処理装置1bが、テーブル(全車両情報テーブルT1および差分情報T2(新規進入車両テーブルT21、新規退出車両テーブルT22))を生成する(ステップS201)。ステップS201では、ステップS109で検知された車両Aの車両情報を追加した全車両情報テーブルT1が生成される。中央課金処理装置1bが差分情報T2を、出口課金処理装置3b、バリア設備処理装置6等へ配信する(ステップS202、ステップS203)。ここで、出口課金処理装置3bはテーブル(全車両情報テーブルT1)を更新する(ステップS204)。また、バリア設備処理装置6はテーブル(全車両情報テーブルT1)を更新する(ステップS205)。
【0146】
一方、ステップS112で中央課金処理装置1aが引継ぎ情報を生成した後、中央課金処理装置1aがテーブル(全車両情報テーブルT1および差分情報T2(新規進入車両テーブルT21、新規退出車両テーブルT22))を生成する(ステップS114)。ステップS114では、ステップS109で検知された車両Aの車両情報を除外した全車両情報テーブルT1が生成される。次に、中央課金処理装置1aが差分情報T2を、入口課金処理装置2a、バリア設備処理装置6a等へ配信する(ステップS115、ステップS116)。ここで、入口課金処理装置2aはテーブル(全車両情報テーブルT1)を更新する(ステップS117)。また、バリア設備処理装置6aはテーブル(全車両情報テーブルT1)を更新する(ステップS118)。
【0147】
(作用、効果)
以上の通り、第1の実施形態に係る中央課金処理装置1は、入口料金所G2に設置された入口課金処理装置2から各車両の車種区分情報を含む車両情報と、他の中央課金処理装置1から引継ぎ情報によって引き継がれた車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成し、これを出口料金所G2に設置された出口課金処理装置3に配信する。
このようにすることで、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3のローカル(記録媒体34)に、当該中央課金処理装置1が管理するエリア7内の有料道路Uに進入した全車両の車両情報(全車両情報テーブルT1)が記録されることとなる。そして、その全車両情報テーブルT1には、各車両の正しい車種区分情報(車軸数に基づく車種区分情報)が記録されている。したがって、車両が出口料金所G3に到来した際に、直ちに全車両情報テーブルT1を参照し、その車両の車種区分情報に応じた正しい課金額で即時課金を実行することができる。
【0148】
以上より、第1の実施形態に係る中央課金処理装置1によれば、出口料金所にて、正しい課金額での即時課金、および、正しい課金額の利用者への即時通知を実現できる。また、課金に係る情報を適切に共有することができる。
【0149】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態に係る本線課金処理装置4は、本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報が、ローカルの記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれており(ステップS44;NO)、かつ、その車両特定情報に対応する車種区分情報が含まれている場合(ステップS45;NO)、中央課金処理装置1に何らの情報を送信することなく処理を終了するものと説明した。しかし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
即ち、同一の車両であっても、入口料金所G2通過時の車種区分と、本線料金所G4通過時の車種区分とが異なる場合がある。例えば、サービスエリアなどで貨物や被牽引車を追加/削減する場合などが考えられる。このような場合、中央課金処理装置1は、入口料金所G2通過時に特定された車種区分と、本線料金所G4通過時に特定された車種区分との両方を全車両情報テーブルT1に記録する態様としてもよい。
このようにすることで、道路事業者は、有料道路Uの走行中に車種区分が変更されたことを考慮して、当該車両に対し適切な課金額を徴収することができる。
【0150】
また、他の実施形態に係る料金収受システム9は、上述の中央課金処理装置1、入口課金処理装置2、出口課金処理装置3、本線課金処理装置4および入口FF課金処理装置5の他に、本線FF課金処理装置を有してもよい。
本線FF課金処理装置は、本線L1の通常の車線(料金所ゲートが設けられておらず自由に走行可能な車線)を走行中の車両に対し、路側に設けられた無線通信装置を介して車両情報を取得し、逐次、中央課金処理装置1に送信する。ただし、本線L1の通常の車線上には車種判別装置を設けることはできない。したがって、本線FF課金処理装置は、入口FF課金処理装置5と同様に、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報を含まない車両情報を送信する。それ以外の処理については、本線課金処理装置4と同様となる。
【0151】
また、他の実施形態に係る料金収受システム9は、さらに、有料道路Uの「出口FF車線」に対応して設けられた出口FF課金処理装置を有してもよい。この場合において、出口FF課金処理装置は、出口課金処理装置3と同様の機能を有するものとしてよい。
【0152】
また、上述の実施形態に係る料金収受システム9は、図13に示すように、逐次、差分情報T2を配信することによって、出口課金処理装置3での全車両情報テーブルT1を更新する態様として説明したが、他の実施形態ではこの態様に限定されない。即ち、他の実施形態に係る料金収受システム9では、一定周期ごとに、全車両情報テーブルT1をそのまま配信する態様としてもよい。
【0153】
上述の実施形態においては、中央課金処理装置1、入口課金処理装置2、出口課金処理装置3、本線課金処理装置4、入口FF課金処理装置5(および本線FF課金処理装置、出口FF課金処理装置)およびバリア設備処理装置6が実行する各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0154】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0155】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0156】
〈コンピュータ構成〉
図20は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、および、インタフェース94を備える。
上述の中央課金処理装置1、入口課金処理装置2、出口課金処理装置3、本線課金処理装置4、入口FF課金処理装置5、およびバリア設備処理装置6は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0157】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0158】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0159】
<付記>
各実施形態に記載の料金収受システム、料金収受方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0160】
(1)第1の態様において、料金収受システム9は、所定のエリア7内を走行する各車両Aを特定する各車両特定情報と前記各車両Aの各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルT1を作成する中央課金処理装置2を前記エリア7毎に備え、
各前記中央課金処理装置1は、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3に前記全車両情報テーブルT1を前記エリア7毎に配信し、
前記エリア7と他のエリア7との境界をまたぐ前記車両Aの移動を検知した場合、移動先のエリアの前記中央課金処理装置1は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルT1に当該車両Aの前記車両情報を追加し、
前記出口課金処理装置3は、前記出口料金所G3に到来した前記車両Aの前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を前記全車両情報テーブルT1を参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する。
このようにすることで、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3のローカル(記録媒体34)に、エリア7内の有料道路Uに進入した全車両の車両情報(全車両情報テーブルT1)が記録されることとなる。そして、その全車両情報テーブルT1には、各車両の正しい車種区分情報(車軸数に基づく車種区分情報)が記録されている。
したがって、車両が出口料金所G3に到来した際に、直ちに全車両情報テーブルT1を参照し、その車両の車種区分情報に応じた正しい課金額で即時課金を実行することができる。
また、本態様および以下の各態様によれば、各エリア7の各中央課金処理装置1で、課金に係る情報を適切に共有することができる。
【0161】
(2)第2の態様において、移動元のエリアの前記中央課金処理装置1は、前記エリア7と他のエリア7との境界をまたぐ前記車両Aの移動を検知した場合、さらに、自装置が作成した前記全車両情報テーブルT1から当該車両Aの前記車両情報を除外する。
【0162】
(3)第3の態様において、料金収受システム9は、さらに、
前記エリア7と他のエリア7との境界をまたぐ前記車両Aの移動を検知するとともに当該車両の前記車両特定情報を特定するバリア設備処理装置6を備え、
前記バリア設備処理装置6は、前記エリア7と他のエリア7との境界をまたぐ前記車両Aの移動を検知した場合、当該車両Aの移動元のエリアの前記中央課金処理装置1に対して当該車両Aの前記車両特定情報を含む通過バリア情報Eを送信し、
移動元のエリアの前記中央課金処理装置1は、前記通過バリア情報Eを受信した場合、当該車両Aの前記車両情報と前記バリア設備G6の通過に係る情報とを含む引継ぎ情報TO1を、移動先のエリアの前記中央課金処理装置1に対して送信し、
移動先のエリアの前記中央課金処理装置1は、受信した前記引継ぎ情報TO1に基づき、前記全車両情報テーブルT1に当該車両Aの前記車両情報を追加する。
【0163】
(4)第4の態様において、移動元のエリアの前記中央課金処理装置1は、前記引継ぎ情報TO1を移動先のエリアの前記中央課金処理装置1に対して送信するとともに、前記全車両情報テーブルT1から当該車両Aの前記車両情報を除外する。
【0164】
(5)第5の態様において、前記引継ぎ情報TO1は、当該車両が前記入口料金所を通過した際の料金体系を特定する情報(課金テーブル番号)をさらに含む。この態様によれば、車両Aが有料道路Uに長時間滞在し、進入時と退出時の料金体系が変更された場合でも即時に正しい課金処理を実行することができる。
【0165】
(6)第6の態様において、料金収受方法は、所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備える料金収受システムにおいて、
各前記中央課金処理装置が、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信し、
前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動元のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルから当該車両の前記車両情報を除外し、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加し、
前記出口課金処理装置が、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する。
【0166】
(7)第7の態様において、プログラムは、所定のエリア内を走行する各車両を特定する各車両特定情報と前記各車両の各車種区分情報と前記各車両が通過した各入口料金所を特定する各入口料金所特定情報とを対応付けて含む各車両情報を含む全車両情報テーブルを作成する中央課金処理装置を前記エリア毎に備える料金収受システムにおいて、
各前記中央課金処理装置が、出口料金所に設置された出口課金処理装置に前記全車両情報テーブルを前記エリア毎に配信するステップと、
前記エリアと他のエリアとの境界をまたぐ前記車両の移動を検知した場合、移動元のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルから当該車両の前記車両情報を除外し、移動先のエリアの前記中央課金処理装置は、自装置が作成した前記全車両情報テーブルに当該車両の前記車両情報を追加するステップと、
前記出口課金処理装置が、前記出口料金所に到来した前記車両の前記車両特定情報を特定し、特定した前記車両特定情報に紐づく前記車種区分情報を前記全車両情報テーブルを参照して特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行するステップと
をコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0167】
9 料金収受システム
1 中央課金処理装置
2 入口課金処理装置
3 出口課金処理装置
4 本線課金処理装置
5 入口FF課金処理装置
6 バリア設備処理装置
7 エリア
T1 全車両情報テーブル
T2 差分情報
TO1 引継ぎ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20