(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123970
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】伸縮継手、及びバランス機構装置
(51)【国際特許分類】
F16L 27/12 20060101AFI20230830BHJP
F16L 51/03 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
F16L27/12 D
F16L51/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027486
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】宮田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅博
【テーマコード(参考)】
3H104
【Fターム(参考)】
3H104JA09
3H104JB02
3H104JC06
3H104LB04
3H104LB05
3H104LB14
3H104LG02
(57)【要約】
【課題】流体のスラスト力によってベローズに接続された配管に過剰な荷重が発生することを抑制する。
【解決手段】中心軸を中心として配管の外部に配置された第一フランジと、中心軸を中心として配管の外部に配置され、第一フランジに対して、中心軸の延びる軸方向に離れて配置された第二フランジと、第一フランジと第二フランジとに接続され、流体が流通可能な流路を内部に形成するベローズと、ベローズの外部で第一フランジと第二フランジとに接続され、ベローズによって第一フランジと第二フランジとに作用する軸方向のスラスト力と逆向きのスラスト力を第一フランジと第二フランジとに作用させるバランス機構装置とを備え、バランス機構装置は、流体を供給する流体供給部と、流体供給部と接続され、供給される流体の圧力に応じて、軸線に沿って軸方向に伸縮可能な伸縮部と、伸縮部と第一フランジ及び第二フランジを接続する接続部と、を有する伸縮継手。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する二つの配管を接続する伸縮継手であって、
中心軸を中心として前記配管の外部に配置された第一フランジと、
前記中心軸を中心として前記配管の外部に配置され、前記第一フランジに対して、前記中心軸の延びる軸方向に離れて配置された第二フランジと、
前記第一フランジと前記第二フランジとに接続され、前記流体が流通可能な流路を内部に形成するベローズと、
前記ベローズの外部で前記第一フランジと前記第二フランジとに接続され、前記ベローズによって前記第一フランジと前記第二フランジとに作用する前記軸方向のスラスト力と逆向きのスラスト力を前記第一フランジと前記第二フランジとに作用させるバランス機構装置とを備え、
前記バランス機構装置は、
前記流体を供給する流体供給部と、
前記流体供給部と接続され、供給される前記流体の圧力に応じて、前記中心軸と平行に延びる軸線に沿って前記軸方向に伸縮可能な伸縮部と、
前記伸縮部と前記第一フランジ及び前記第二フランジを接続する接続部と、
を有する伸縮継手。
【請求項2】
前記伸縮部は、供給される前記流体の圧力に応じて前記軸方向に伸縮し、前記ベローズよりも小さい小ベローズを有する請求項1に記載の伸縮継手。
【請求項3】
前記伸縮部は、供給される前記流体の圧力に応じて前記軸方向に伸縮するピストン機構部を有する請求項1又は2に記載の伸縮継手。
【請求項4】
前記ピストン機構部は、
前記軸線を中心とする有底筒状に形成され、内部が複数の空間に区画されたシリンダ部と、
前記空間内にそれぞれ配置され、前記流体の供給に応じて前記空間内で前記シリンダ部の内周面に摺接しながら前記軸方向に移動可能な複数のピストン部と、
複数の前記ピストン部に接続されたロッド部と、
を有する請求項3に記載の伸縮継手。
【請求項5】
前記接続部は、
前記第一フランジに接続される第一接続部と、
前記第二フランジに接続される第二接続部と、
を有し、
前記第一接続部及び前記第二接続部の少なくとも一方は、
前記軸方向に延びるアーム部と、
前記軸方向に交差する方向へ延びる回転軸で前記アーム部を回転可能に支持するジョイント部と、
を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の伸縮継手。
【請求項6】
前記接続部は、
前記伸縮部に接続された第一接続アームと、
前記第一フランジ及び前記第二フランジの一方に接続された第二接続アームと、
第一端部が前記第一接続アームに対して接続され、第二端部が前記第二接続アームに対して接続され、前記第一端部及び前記第二端部から離れた位置で、前記軸方向に交差する方向へ延びる回転支持軸周りに回転可能に支持された支持アームと、
を有し、
前記回転支持軸は、前記第一端部及び前記第二端部との間であって、前記第一端部に作用するモーメントと前記第二端部に作用するモーメントとが釣り合う位置に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の伸縮継手。
【請求項7】
前記流体供給部は、可撓性を有して屈曲可能なチューブ部材を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の伸縮継手。
【請求項8】
前記バランス機構装置は、前記中心軸を中心とする周方向に離れて、前記ベローズの外部に複数配置されている請求項1から7のいずれか一項に記載の伸縮継手。
【請求項9】
中心軸を中心として配管の外部に配置された第一フランジと、前記中心軸を中心として前記配管の外部に配置され、前記第一フランジに対して、前記中心軸の延びる軸方向に離れて配置された第二フランジと、前記第一フランジと前記第二フランジとに接続され、流体が流通可能な流路を内部に形成するベローズと、を備えて流体が流通する二つの配管を接続する伸縮継手本体の外部に配置されるバランス機構装置であって、
前記流体を供給する流体供給部と、
前記流体供給部と接続され、供給される前記流体の圧力に応じて、前記中心軸と平行に延びる軸線に沿って前記軸方向に伸縮可能な伸縮部と、
前記伸縮部と前記第一フランジ及び前記第二フランジを接続する接続部とを備え、
前記ベローズの外部に配置されて、前記伸縮部が伸縮することによって、前記ベローズによって前記第一フランジと前記第二フランジとに作用する前記軸方向のスラスト力と逆向きのスラスト力を前記第一フランジと前記第二フランジとに作用させるバランス機構装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、伸縮継手、及びバランス機構装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮装置やガスタービンエンジン等には、二つの配管同士を接続するベローズが用いられることがある。内部を高圧の流体が流れるベローズの内面には、流体の圧力が作用する。例えば、特許文献1には、ベローズの内面に作用する流体の一部をバランスピストンへ引き出し、バランスピストンによって押し出された流体の圧力をベローズの外面に作用させるフレキシブル配管が開示されている。
【0003】
このフレキシブル配管では、ベローズの内面及び外面にかかる力がバランスする。これにより、フレキシブル配管に、従来よりも高圧な流体を扱わせる際に必要な対応の一つであるベローズ自体の強度増加を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載されたフレキシブル配管と同様に、内部を高圧の流体が流れるベローズを有する伸縮継手では、流体のスラスト力がベローズへ作用する場合がある。このため、高圧流体のスラスト力によってベローズに接続された配管に過剰な荷重が発生する可能性がある。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、流体のスラスト力によってベローズに接続された配管に過剰な荷重が発生することを抑制することができる伸縮継手、及びバランス機構装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る伸縮継手は、流体が流通する二つの配管を接続する伸縮継手であって、中心軸を中心として前記配管の外部に配置された第一フランジと、前記中心軸を中心として前記配管の外部に配置され、前記第一フランジに対して、前記中心軸の延びる軸方向に離れて配置された第二フランジと、前記第一フランジと前記第二フランジとに接続され、前記流体が流通可能な流路を内部に形成するベローズと、前記ベローズの外部で前記第一フランジと前記第二フランジとに接続され、前記ベローズによって前記第一フランジと前記第二フランジとに作用する前記軸方向のスラスト力と逆向きのスラスト力を前記第一フランジと前記第二フランジとに作用させるバランス機構装置とを備え、前記バランス機構装置は、前記流体を供給する流体供給部と、前記流体供給部と接続され、供給される前記流体の圧力に応じて、前記中心軸と平行に延びる軸線に沿って前記軸方向に伸縮可能な伸縮部と、前記伸縮部と前記第一フランジ及び前記第二フランジを接続する接続部と、を有する。
【0008】
本開示に係るバランス機構装置は、中心軸を中心として配管の外部に配置された第一フランジと、前記中心軸を中心として前記配管の外部に配置され、前記第一フランジに対して、前記中心軸の延びる軸方向に離れて配置された第二フランジと、前記第一フランジと前記第二フランジとに接続され、前記流体が流通可能な流路を内部に形成するベローズと、を備えて流体が流通する二つの配管を接続する伸縮継手本体の外部に配置されるバランス機構装置であって、前記流体を供給する流体供給部と、前記流体供給部と接続され、供給される前記流体の圧力に応じて、前記中心軸と平行に延びる軸線に沿って前記軸方向に伸縮可能な伸縮部と、前記伸縮部と前記第一フランジ及び前記第二フランジを接続する接続部とを備え、前記ベローズの外部に配置されて、前記伸縮部が伸縮することによって、前記ベローズによって前記第一フランジと前記第二フランジとに作用する前記軸方向のスラスト力と逆向きのスラスト力を前記第一フランジと前記第二フランジとに作用させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、流体のスラスト力によってベローズに接続された配管に過剰な荷重が発生することを抑制することができる伸縮継手、及びバランス機構装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る伸縮継手の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】本開示の第一実施形態に係る伸縮継手の構造を示す部分断面図である。
【
図3】本開示の第一実施形態の変形例に係る伸縮継手の構造を示す部分断面図である。
【
図4】本開示の第二実施形態に係る伸縮継手の構造を示す部分断面図である。
【
図5】本開示の第三実施形態に係る伸縮継手の構造を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本開示による伸縮継手を実施するための形態を説明する。
【0012】
<第一実施形態>
(伸縮継手)
伸縮継手は、内部を高圧の流体が流れる複数の流体配管(配管)を互いに接続する。伸縮継手は、これらの配管が延びる方向へ各配管が膨張や収縮等の変位を起こした際に、当該変位の影響を吸収する。本実施形態における伸縮継手は、例えば、圧縮機等における、インペラが収容されるスクロール間に配置される二つの配管同士を接続する。配管は、例えば、金属等によって形成されている。
【0013】
図1に示すように、伸縮継手1は、ベローズ30と、第一フランジ10と、第二フランジ20と、バランス機構装置40と、を備えている。
【0014】
(ベローズ)
ベローズ30は、中心軸Arを中心に延びる円筒状を成している。ベローズ30は、例えば、金属等の材料によって形成されている。ベローズ30は、流体Fが流通可能な流路を内部に形成している。以下、中心軸Arが延びる方向を「軸方向Da」と称する。さらに、軸方向Daにおける一方側を単に「一方側Dar」と称し、他方側を単に「他方側Dal」と称する。また、中心軸Arに対する周方向を単に「周方向Dc」と称し、中心軸Arに対して垂直な方向を「径方向」と称する。
【0015】
ベローズ30は、二つの直管部300と、蛇腹部33とを有している。二つの直管部300及び蛇腹部33は、軸方向Daに並んで配置されている。具体的には、一の直管部300、蛇腹部33、他の直管部300の順で軸方向Daに配置され、互いに接続されることで一体を成している。以下、説明の便宜上、蛇腹部33よりも一方側Darに配置された直管部300を「第一直管部31」と称し、蛇腹部33よりも他方側Dalに配置された直管部300を「第二直管部32」と称する。
【0016】
第一直管部31及び第二直管部32は、中心軸Arを中心に延びる直管である。第一直管部31及び第二直管部32は、同一の大きさに形成されている。なお、ここでいう「同一の大きさ」とは、実質的に同じ形状を指すものであって、製造上のわずかな誤差や設計上の公差は許容される。ここで、第一直管部31における一方側Darの端部には、配管2が接続されている。第二直管部32における他方側Dalの端部には、配管2が接続されている。
【0017】
蛇腹部33は、蛇腹円筒状を成す管である。蛇腹部33は、第一直管部31と第二直管部32との間に配置されている。蛇腹部33における一方側Darの端部は、第一直管部31における他方側Dalの端部に接続されている。蛇腹部33における他方側Dalの端部は、第二直管部32における一方側Darの端部に接続されている。以下、説明の便宜上、これら第一直管部31、第二直管部32、及び蛇腹部33の内部に形成された空間、即ち、ベローズ30内部の流体Fが流通可能な流路を「第一空間R1」と称する。
【0018】
(第一フランジ)
第一フランジ10は、中心軸Arを中心とする円板状に形成されている。第一フランジ10は、ベローズ30に接続されている。具体的には、第一フランジ10は、第一直管部31の外周面における一方側Darの端部を外側から覆うように一体に形成されている。したがって、第一フランジ10は、ベローズ30の第一直管部31から径方向の外側に向かって広がるフランジ状を成している。つまり、第一フランジ10は、配管2の外部に配置されている。第一フランジ10は、例えば、金属等の材料によって形成されている。
【0019】
(第二フランジ)
第二フランジ20は、中心軸Arを中心とする円板状に形成されている。第二フランジ20は、ベローズ30に接続されている。具体的には、第二フランジ20は、第二直管部32の外周面における他方側Dalの端部を外側から覆うように一体に形成されている。したがって、第一フランジ10は、ベローズ30の第二直管部32から径方向の外側に向かって広がるフランジ状を成している。第二フランジ20は、第一フランジ10に対して軸方向Daに離れて配置されている。つまり、第二フランジ20は、配管2の外部に配置されている。第二フランジ20における一方側Darを向く面は、第一フランジ10における他方側Dalを向く面と軸方向Daに対向している。
【0020】
したがって、第一フランジ10に接続された配管2の内部を流れる流体Fは、一方側Darからベローズ30内部の第一空間R1(流路)に流入する。第一空間R1を軸方向Daに流れた流体Fは、第二フランジ20に接続された配管2の内部へ流入する。
なお、第一フランジ10及び第二フランジ20は、第一直管部31及び第二直管部32と一体に形成されていることに限定されるものではない。第一フランジ10及び第二フランジ20は、第一直管部31と第二直管部32とが別の部材として形成されて、第一直管部31及び第二直管部32のそれぞれに固定されてもよい。
【0021】
(バランス機構装置)
バランス機構装置40は、第一フランジ10と第二フランジ20との間に配置されている。バランス機構装置40は、第一フランジ10と第二フランジ20とに接続されている。バランス機構装置40は、ベローズ30の軸方向Daの伸縮によって第一フランジ10と第二フランジ20とに作用する軸方向Daの流体Fのスラスト力と逆向きのスラスト力を第一フランジ10と第二フランジ20とに作用させる装置である。
【0022】
図1に示すように、バランス機構装置40は、中心軸Arを中心とする周方向Dcに離れて、ベローズ30の外部に複数配置されている。即ち、複数のバランス機構装置40は、周方向Dcに配列されている。
図2に示すように、バランス機構装置40は、伸縮部42と、接続部43と、流体供給部41とを有している。
【0023】
(伸縮部)
伸縮部42は、第一フランジ10と第二フランジ20との間で軸方向Daに伸縮する。伸縮部42には、外部から流体Fが供給され、供給される流体Fの圧力に応じて軸方向Daに伸縮可能である。伸縮部42は、第一構造体421と、第二構造体422と、小ベローズ423と、第一固定用ナット42aと、第二固定用ナット42bとを有している。
【0024】
(第一構造体)
第一構造体421は、複数の部材が組み合わさることによって構成されている。第一構造体421は、例えば、金属等の材料によって形成されている。第一構造体421は、軸方向Daに並ぶ複数の第一板部421bと、複数の第一板部421bを軸方向Daに一体化する第一支持柱421aとを有している。
【0025】
第一板部421bは、中心軸Arと平行に延びる軸線Oを中心に広がる円板状を成す部材である。軸線Oは、中心軸Arよりも径方向の外側に配置されている。なお、ここでいう「平行」とは、実質的に平行な関係を意味するものであって、実質的に平行な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。
【0026】
本実施形態では、四つの第一板部421bが軸方向Daに間隔をあけて並んで配置されている。これら第一板部421bは、軸方向Daに等間隔に配置されている。各第一板部421bは、一方側Darを向く第一面421cと、他方側Dalを向く第二面421dとを有している。したがって、軸方向Daに隣り合う二つの第一板部421bのうち一方側Darの第一板部421bの第二面421dは、他方側Dalの第一板部421bの第一面421cと軸方向Daに対向している。
【0027】
第一支持柱421aは、各第一板部421bを貫通した状態で軸方向Daに延びている。具体的には、第一支持柱421aは、各第一板部421bにおける径方向内側部分を貫通している。ここでいう第一板部421bにおける径方向内側部分とは、第一板部421bを中心軸Arに対する径方向で二等分した際の、径方向の内側に配置された部分を意味する。さらに、第一板部421bにおける径方向外側部分とは、第一板部421bを中心軸Arに対する径方向で二等分した際の、径方向の外側に配置された部分を意味する。
【0028】
第一支持柱421aは、各第一板部421bに対して第一固定用ナット42aで固定されている。具体的には、二つの第一固定用ナット42aが第一板部421bを間に挟んだ状態で第一支持柱421aに形成されたねじ溝(図示省略)に嵌っている。第一板部421bを間に挟んで隣り合う二つの第一固定用ナット42aのうち一方側Darに配置された第一固定用ナット42aは、第一板部421bの第一面421cに当接した状態で第一板部421bを他方側Dalに押圧している。第一板部421bを間に挟んで隣り合う二つの第一固定用ナット42aのうち他方側Dalに配置された第一固定用ナット42aは、第一板部421bの第二面421dに当接した状態で第一板部421bを一方側Darに押圧している。これにより、各第一板部421bは、第一板部421bを間に挟んで隣り合う二つの第一固定用ナット42aによって軸方向Daへ動かないように規制されている。したがって、本実施形態における第一支持柱421aには、八つの第一固定用ナット42aが嵌っている。
【0029】
(第二構造体)
第二構造体422は、第一構造体421と同様に、複数の部材が組み合わさることによって構成されている。第二構造体422は、例えば、金属等の材料によって形成されている。第二構造体422は、軸方向Daに並ぶ複数の第二板部422bと、複数の第二板部422bを軸方向Daに一体化する第二支持柱422aとを有している。
【0030】
第二板部422bは、軸線Oを中心に広がる円状を成す部材である。軸線Oを中心とした際の第二板部422bの径方向寸法は、軸線Oを中心とした際の第一板部421bの径方向寸法と同一である。なお、こでいう「同一」とは、実質的に同じ長さを意味するものであって、製造上のわずかな誤差や設計上の公差は許容される。
【0031】
本実施形態では、四つの第二板部422bが軸方向Daに間隔をあけて並んで配置されている。これら第二板部422bは、軸方向Daに等間隔に配置されている。ここで、第一板部421bと第二板部422bとは、軸方向Daで交互に配置されている。複数の第一板部421bのうち最も一方側Darに配置された第一板部421bは、最も一方側Darに配置された第二板部422b、及びこの第二板部422bに対して他方側Dalから隣接する第二板部422bに隙間をあけて挟まれている。複数の第二板部422bのうち最も他方側Dalに配置された第二板部422bは、最も他方側Dalに配置された第一板部421b、及びこの第一板部421bに対して一方側Darから隣接する第一板部421bに隙間をあけて挟まれている。
【0032】
各第二板部422bは、一方側Darを向く一方面422cと、他方側Dalを向く他方面422dとを有している。したがって、最も一方側Darに配置された第二板部422bを除く各第二板部422bの一方面422cは、軸方向Daに隣接する第一板部421bの第二面421dに軸方向Daで対向し、最も一方側Darに配置された第二板部422bを除く各第二板部422bの他方面422dは、軸方向Daに隣接する第一板部421bの第一面421cに軸方向Daで対向している。
【0033】
最も一方側Darに配置された第二板部422bの他方面422dは、最も一方側Darに配置された第一板部421bの第一面421cに軸方向Daで対向し、この第二板部422bの一方面422cは、第一フランジ10に軸方向Daで対向している。最も他方側Dalに配置された第一板部421bの第二面421dは、第二フランジ20に軸方向Daで対向している。
【0034】
第二支持柱422aは、各第二板部422bを貫通した状態で軸方向Daに延びている。具体的には、第二支持柱422aは、各第二板部422bにおける径方向外側部分を貫通している。ここでいう第二板部422bにおける径方向外側部分とは、第二板部422bを中心軸Arに対する径方向で二等分した際の、径方向の外側に配置された部分を意味する。さらに、第二板部422bにおける径方向内側部分とは、第二板部422bを中心軸Arに対する径方向で二等分した際の、径方向の内側に配置された部分を意味する。
【0035】
第二支持柱422aは、各第二板部422bに対して第二固定用ナット42bで固定されている。具体的には、二つの第二固定用ナット42bが第二板部422bを間に挟んだ状態で第二支持柱422aに形成されたねじ溝(図示省略)に嵌っている。第二板部422bを間に挟んで隣り合う二つの第二固定用ナット42bのうち一方側Darに配置された第二固定用ナット42bは、第二板部422bの一方面422cに当接した状態で第二板部422bを他方側Dalに押圧している。第二板部422bを間に挟んで隣り合う二つの第二固定用ナット42bのうち他方側Dalに配置された第二固定用ナット42bは、第二板部422bの第二面421dに当接した状態で第二板部422bを一方側Darに押圧している。これにより、各第二板部422bは、第二板部422bを間に挟んで隣り合う二つの第二固定用ナット42bによって軸方向Daへ動かないように規制されている。したがって、本実施形態における第二支持柱422aには、八つの第二固定用ナット42bが嵌っている。
【0036】
ここで、第一支持柱421aは、複数の第二板部422bのうち最も一方側Darに配置された第二板部422bを除く各第二板部422bに対して軸方向Daに移動可能に各第二板部422bを貫通している。具体的には、第一支持柱421aは、各第二板部422bにおける径方向内側部分を軸方向Daに貫通している。また、第二支持柱422aは、複数の第一板部421bのうち最も他方側Dalに配置された第一板部421bを除く各第一板部421bに対して軸方向Daに移動可能に各第一板部421bを貫通している。具体的には、第二支持柱422aは、各第一板部421bにおける径方向外側部分を軸方向Daに貫通している。
【0037】
(小ベローズ)
小ベローズ423は、第一構造体421における最も他方側Dalに配置された第一板部421bを除く第一板部421bと、この第一板部421bに他方側Dalから隣接する第二板部422bとの間に配置されている。即ち、本実施形態では、三つの小ベローズ423が第一板部421bと第二板部422bとの間に配置されている。
【0038】
小ベローズ423は、軸線Oを中心に延びる蛇腹円筒状を成している。小ベローズ423は、例えば、金属等の材料によって形成されている。小ベローズ423は、流体Fが供給される空間を内部に形成している。以下、説明の便宜上、小ベローズ423内部の空間を「第二空間R2」と称する。この第二空間R2は、第一空間R1から流体Fが供給される空間である。小ベローズ423は、ベローズ30よりも小さく形成されている。
【0039】
小ベローズ423は、第一板部421bと第二板部422bとを互いに接続している。小ベローズ423における一方側Darを向く開口は、第一板部421bの第二面421dに固定されている。小ベローズ423の一方側Darを向くこの開口は、開口の中心が第二面421dの中心と一致するように第二面421dに固定されている。小ベローズ423における他方側Dalを向く開口は、第二板部422bの一方面422cに固定されている。小ベローズ423の他方側Dalを向くこの開口は、開口の中心が一方面422cの中心と一致するように一方面422cに固定されている。
【0040】
(接続部)
接続部43は、伸縮部42と、第一フランジ10及び第二フランジ20とを接続する。接続部43は、例えば、金属等の材料によって形成されている。接続部43は、第一フランジ10と伸縮部42とを接続する第一接続部431と、第二フランジ20と伸縮部42とを接続する第二接続部432とを有している。
【0041】
(第一接続部)
第一接続部431は、第一フランジ10と伸縮部42とを接続する。第一接続部431は、軸方向Daに延びる第一アーム部431a(アーム部)と、第一アーム部431aを回転可能に支持する第一ジョイント部431b(ジョイント部)とを有している。
【0042】
第一アーム部431aは、柱状を成している。第一アーム部431aは、第一フランジ10と伸縮部42との間に配置されている。第一ジョイント部431bは、第一アーム部431aにおける一方側Darの端部、及び第一アーム部431aにおける他方側Dalの端部のそれぞれに一つずつ接続されているユニバーサルジョイントである。
【0043】
詳細な構成の図示は省略するが、各第一ジョイント部431bは、軸方向Daに交差する方向へ延びる第一回転軸431c(回転軸)を有している。本実施形態における第一ジョイント部431bの第一回転軸431cは、軸方向Daに対して垂直な方向に延びている。なお、ここでいう「垂直」とは、実質的に垂直な関係を意味するものであって、実質的に垂直な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。第一ジョイント部431bの第一回転軸431cは、第一アーム部431aに接続されている。第一ジョイント部431bは、第一回転軸431cで第一アーム部431aを第一回転軸431c回りに回転可能に支持している。
【0044】
第一アーム部431aに接続された二つの第一ジョイント部431bのうち、一方側Darに配置された第一ジョイント部431bは、第一フランジ10に接続されている。第一アーム部431aに接続された二つの第一ジョイント部431bのうち、他方側Dalに配置された第一ジョイント部431bは、第二構造体422における最も一方側Darに配置された第二板部422bに接続されている。具体的には、この第一ジョイント部431bは、第二板部422bの一方面422cにおける中心部分に接続されている。
【0045】
(第二接続部)
第二接続部432は、第二フランジ20と伸縮部42とを接続する。第二接続部432は、軸方向Daに延びる第二アーム部432a(アーム部)と、第二アーム部432aを回転可能に支持する第二ジョイント部432b(ジョイント部)とを有している。
【0046】
第二アーム部432aは、柱状を成している。第二アーム部432aは、第二フランジ20と伸縮部42との間に配置されている。第二ジョイント部432bは、第二アーム部432aにおける一方側Darの端部、及び第二アーム部432aにおける他方側Dalの端部のそれぞれに一つずつ接続されているユニバーサルジョイントである。
【0047】
詳細な構成の図示は省略するが、各第二ジョイント部432bは、軸方向Daに交差する方向へ延びる第二回転軸432c(回転軸)を有している。本実施形態における第二ジョイント部432bの第二回転軸432cは、軸方向Daに対して垂直な方向に延びている。なお、ここでいう「垂直」とは、実質的に垂直な関係を意味するものであって、実質的に垂直な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。第二ジョイント部432bの第二回転軸432cは、第二アーム部432aに接続されている。第二ジョイント部432bは、第二回転軸432cで第一アーム部431aを第二回転軸432c回りに回転可能に支持している。
【0048】
第二アーム部432aに接続された二つの第二ジョイント部432bのうち、一方側Darに配置された第二ジョイント部432bは、第二フランジ20に接続されている。第二アーム部432aに接続された二つの第二ジョイント部432bのうち、他方側Dalに配置された第二ジョイント部432bは、第一構造体421における最も他方側Dalに配置された第一板部421bに接続されている。具体的には、この第二ジョイント部432bは、第一板部421bの第二面421dにおける中心部分に接続されている。
【0049】
(流体供給部)
流体供給部41は、第一空間R1内を流れる流体Fを第二空間R2内へ供給する。流体供給部41は、第一空間R1と第二空間R2とを接続している。本実施形態における流体供給部41は、可撓性を有して屈曲可能なチューブ部材410と、流体通路420とを有している。
【0050】
チューブ部材410は、例えば、ゴムや合成樹脂等によって形成されている。チューブ部材410は、ベローズ30の第一直管部31と、伸縮部42における第二構造体422の第二支持柱422aとを接続している。チューブ部材410の一端は、第一空間R1からチューブ部材410内部へ流体Fを導入可能に第一直管部31に接続されている。チューブ部材410の他端は、第二構造体422の第二支持柱422aにおける一方側Darの端部(端面)に接続されている。
【0051】
ここで、第二構造体422には、チューブ部材410から供給される流体Fを第二空間R2内へ供給可能な流体通路420が形成されている。具体的には、流体通路420は、第二支持柱422a、及び最も一方側Darに配置された第二板部422bを除く第二板部422bの内部に形成されている。第二支持柱422aの内部に形成された流体通路420と第二板部422bの内部に形成された流体通路420とは、互いに接続されている。
【0052】
流体通路420の一端は、例えば、第二支持柱422aにおける一方側Darの端面に開口している。流体通路420の一端は、上記チューブ部材410の他端に接続されている。第二支持柱422aにおける一方側Darの端面に形成された流体通路420の一端を始点とした際に、流体通路420は中途で三つに分岐し、分岐した先である三つの他端が各第二板部422bの一方面422cに開口している。具体的には、流体通路420におけるこれらの他端は、第二板部422bの一方面422cにおける中心部分に開口している。
【0053】
したがって、チューブ部材410と、第二構造体422の内部に形成された流体通路420とを有している。流体供給部41によって、第一空間R1と第二空間R2とは連通している。第一空間R1を流れる流体Fは、チューブ部材410の内部へ流入した後、第二構造体422の内部に形成された流体通路420内へ流入する。チューブ部材410から流体通路420内に流入した流体Fは、第二空間R2内へ流入する。
【0054】
(作用効果)
第一空間R1内を流れる高圧の流体Fの軸方向Daのスラスト力によって、ベローズ30は軸方向Daに延びることがある。スラスト力の大きさによっては、ベローズ30に接続された配管2に過剰な荷重が発生し、配管2が損傷してしまう可能性がある。この際、ベローズ30に接続されている第一フランジ10には一方側Darへ向かう力がかかり、ベローズ30に接続されている第二フランジ20には他方側Dalへ向かう力がかかる。即ち、ベローズ30によって、第一フランジ10及び第二フランジ20には軸方向Daのスラスト力が作用する。
【0055】
上記構成によれば、第一空間R1内を流れる流体Fの一部は、流体供給部41を通じて第二空間R2内に供給される。第二空間R2内に流体Fが供給されると、小ベローズ423が軸方向Daに広がる。小ベローズ423が広がることで、小ベローズ423が接続された各第一板部421bは、一方側Darに押される。これら第一板部421bが一方側Darに押されることで、複数の第一板部421bを一体化している第一支持柱421aが一方側Darに引っ張られる。これに伴い、第一支持柱421aに接続され、最も他方側Dalに配置されている第一板部421bが一方側Darに引っ張られると同時に、この第一支持柱421aに接続されている第二接続部432が一方側Darに引っ張られる。その結果、第二接続部432に接続されている第二フランジ20が一方側Darに引っ張られる。
【0056】
一方、小ベローズ423が広がることで、小ベローズ423が接続された各第二板部422bは、他方側Dalに押される。これら第二板部422bが他方側Dalに押されることで、複数の第二板部422bを一体化している第二支持柱422aが他方側Dalに引っ張られる。これに伴い、第二支持柱422aに接続され、最も一方側Darに配置されている第二板部422bが一方側Darに引っ張られると同時に、この第二支持柱422aに接続されている第一接続部431が他方側Dalに引っ張られる。その結果、第一接続部431に接続されている第一フランジ10が他方側Dalに引っ張られる。
【0057】
つまり、第一空間R1から第二空間R2に流体Fが供給され、バランス機構装置40の伸縮部42が軸方向Daに伸縮することで、第一フランジ10が他方側Dalに引っ張られ、第二フランジ20が一方側Darに引っ張られる。即ち、バランス機構装置40によって、上記スラスト力とは逆向きのスラスト力が第一フランジ10と第二フランジ20とに作用する。
【0058】
これにより、ベローズ30によって第一フランジ10と第二フランジ20とに作用するスラスト力の大きさと、バランス機構装置40によって第一フランジ10と第二フランジ20とに作用する逆向きのスラスト力の大きさとを釣り合わせることができる。即ち、第一空間R1内を流れる流体Fのスラスト力によってベローズ30が軸方向Daに延びることが抑制される。したがって、流体Fのスラスト力によってベローズ30に接続された配管2に過剰な荷重が発生することを抑制することができる。
【0059】
また、第一空間R1内の流体Fの流れに伴ってベローズ30に振動等が発生し、ベローズ30が軸方向Daに対して垂直な方向に変位する場合がある。
【0060】
上記構成によれば、第一接続部431が第一回転軸431cで第一アーム部431aを回転可能に支持する第一ジョイント部431bを有しており、第二接続部432が第二回転軸432cで第二アーム部432aを回転可能に支持する第二ジョイント部432bを有している。
【0061】
このため、ベローズ30の変位に追従するように第一アーム部431aが第一ジョイント部431bによって回転され、第二アーム部432aが第二ジョイント部432bによって回転される。したがって、例えば、伸縮部42が第一フランジ10及び第二フランジ20に対して変位不可能に一体に接続されている構成と比較して、ベローズ30は、伸縮部42の重量の影響を受けにくくなる。その結果、ベローズ30は、より自在に変位することができる。
【0062】
また、バランス機構装置40の伸縮部42が軸方向Daに対して傾斜した方向(軸方向Daに交差する方向)に伸縮した場合でも、第一回転軸431c及び第二回転軸432cが伸縮部42の傾斜に対応するように回転し、伸縮部42を軸方向Daに対して傾斜させた状態で自在に伸縮させることができる。したがって、バランス機構装置40に応力が発生することを抑制することができる。
【0063】
<第一実施形態の変形例>
なお、バランス機構装置40における伸縮部42の構成は、上記第一実施形態の構成に限定されるものではない。伸縮部42は、流体供給部41と接続され、供給される流体Fの圧力に応じて軸線Oに沿って軸方向Daに伸縮可能であればよい。伸縮部42の変形例として、例えば、以下のような構成とすることも可能である。
【0064】
図3に示すように、伸縮部42は、第一構造体421と、第二構造体422と、ピストン機構部430と、第一固定用ナット42aと、第二固定用ナット42bとを有している。即ち、伸縮部42は、小ベローズ423に替えて、ピストン機構部430を有している。第一構造体421、第二構造体422、第一固定用ナット42a、及び第二固定用ナット42bは、上記第一実施形態と同様の構成を成しているため、説明を省略する。
【0065】
(ピストン機構部)
ピストン機構部430は、第一構造体421における最も他方側Dalに配置された第一板部421bを除く第一板部421bと、この第一板部421bに他方側Dalから隣接する第二板部422bとの間に配置されている。即ち、本変形例では、三つのピストン機構部430が第一板部421bと第二板部422bとの間に配置されている。
【0066】
ピストン機構部430は、内側筒430aと、外側筒430bと、封止部447とを有している。内側筒430aは、軸線Oを中心に延びる円筒状を成している。内側筒430aは、第一板部421bの第二面421dに接続されている。内側筒430aは、内側筒430aにおける一方側Darの開口の中心が第二面421dの中心と一致するように第二面421dに固定されている。
【0067】
外側筒430bは、軸線Oを中心に延びる円筒状を成している。外側筒430bは、第二板部422bの一方面422cに接続された状態で、内側筒430aを外側から覆っている。外側筒430bの内周面は、内側筒430aの外周面に摺接している。外側筒430bは、外側筒430bにおける他方側Dalの開口の中心が一方面422cの中心と一致するように一方面422cに固定されている。ここで、流体供給部41の流体通路420における上記他端は、第二板部422bの一方面422cにおける中心部分に開口している。
【0068】
封止部447は、内側筒430aの内部及び外側筒430bの内部と、大気とを気密に隔離する封止部材である。封止部447は、内側筒430aと外側筒430bとの間に配置されている。封止部447は、軸線Oを中心とした円環状を成す部材である。封止部447は、弾性体である。封止部447には、例えば、Oリング等が採用される。封止部447は、内側筒430aの外周面及び外側筒430bの内周面のそれぞれに当接している。本変形例では、内側筒430aと、外側筒430bと、これらの間に配置された封止部447とによって内部に第二空間R2が形成されている。第二空間R2には、第一空間R1から流体供給部41を通じて流体Fが供給される。
【0069】
(作用効果)
上記構成によれば、第一空間R1を流れる流体Fの一部は、流体供給部41を通じて第二空間R2に供給される。第二空間R2に流体Fが供給されると、内側筒430aと外側筒430bとが互いに摺接した状態で軸方向Daに互いに離れるように変位する。即ち、ピストン機構部430が軸方向Daに広がる。ピストン機構部430が広がることで、内側筒430aが接続された各第一板部421bは、一方側Darに押される。これら第一板部421bが一方側Darに押されることで、複数の第一板部421bを一体化している第一支持柱421aが一方側Darに引っ張られる。これに伴い、第一支持柱421aに接続されている最も他方側Dalに配置されている第一板部421bが一方側Darに引っ張られると同時に、この第一支持柱421aに接続されている第二接続部432が一方側Darに引っ張られる。その結果、第二接続部432に接続されている第二フランジ20が一方側Darに引っ張られる。
【0070】
一方、ピストン機構部430が広がることで、外側筒430bが接続された各第二板部422bは、他方側Dalに押される。これら第二板部422bが他方側Dalに押されることで、複数の第二板部422bを一体化している第二支持柱422aが他方側Dalに引っ張られる。これに伴い、第二支持柱422aに接続されている最も一方側Darに配置されている第二板部422bが一方側Darに引っ張られると同時に、この第二支持柱422aに接続されている第一接続部431が他方側Dalに引っ張られる。その結果、第一接続部431に接続されている第一フランジ10が他方側Dalに引っ張られる。これにより、上記第一実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0071】
<第二実施形態>
次に、本開示に係る伸縮継手1の第二実施形態について説明する。なお、以下に説明する第二実施形態では、上記の第一実施形態、及び第一実施形態の変形例と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第二実施形態では、バランス機構装置40の構成が、上記の第一実施形態、及び第一実施形態の変形例で説明したバランス機構装置40の構成と異なっている。
【0072】
(バランス機構装置)
図4に示すように、バランス機構装置40は、伸縮部42と、接続部43と、流体供給部41とを有している。
【0073】
(伸縮部)
伸縮部42は、第一フランジ10と第二フランジ20との間で軸方向Daに伸縮する。伸縮部42には、外部から流体Fが供給される。伸縮部42は、供給される流体Fの圧力に応じて軸方向Daに伸縮可能である。伸縮部42は、ピストン機構部440を有している。
【0074】
(ピストン機構部)
ピストン機構部440は、第一フランジ10と第二フランジ20との間に配置されている。ピストン機構部440は、シリンダ部441と、ピストン部444と、ピストン接続部445と、ロッド部446と、第一封止部447aと、第二封止部447bとを有している。
【0075】
(シリンダ部)
シリンダ部441は、軸線Oを中心とした有底筒状に形成されている。シリンダ部441は、内部が複数の空間に区画されている。シリンダ部441は、本体部442と、仕切り部443とを有している。本体部442は、軸線Oを中心とした円筒状を成す側部442aと、側部442aにおける一方側Darを向く開口を閉じるように側部442aに一体に形成され、軸線Oを中心に円板状に広がる底部442bとを有している。したがって、シリンダ部441は、他方側Dalを向く開口を有している。当該開口は、大気に開口している。
【0076】
仕切り部443は、本体部442の内部で軸方向Daに間隔をあけて複数配置されている。本実施形態では、二つの仕切り部443が軸方向Daに並んで配置されている。仕切り部443は、軸線Oを中心に広がる円板状を成している。仕切り部443は、本体部442における底部442bと平行に広がっている。なお、ここでいう「平行」とは、実質的に平行な関係を意味するものであって、実質的に平行な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。仕切り部443は、本体部442における側部442aの内周面に一体に固定されている。
【0077】
二つの仕切り部443のうち一方側Darに配置された仕切り部443の一方側Darを向く面と、底部442bの他方側Dalを向く面とは、互いに対向している。二つの仕切り部443のうち一方側Darに配置された仕切り部443の他方側Dalを向く面と、二つの仕切り部443のうち他方側Dalに配置された仕切り部443の一方側Darを向く面とは、互いに対向している。この仕切り部443の他方側Dalを向く面は、第二フランジ20の一方側Darを向く面に対向している。したがって、本実施形態における本体部442の内部は、二つの仕切り部443によって軸方向Daに並ぶ三つの空間Rに区画されている。
【0078】
(ピストン部)
ピストン部444は、三つの空間R内のそれぞれに配置されている。即ち、これら三つのピストン部444は、軸方向Daに間隔をあけて配置されている。ピストン部444は、軸線Oを中心に広がる円板状を成している。ピストン部444は、仕切り部443によって区画された空間R内で仕切り部443と平行に広がっている。なお、ここでいう「平行」とは、実質的に平行な関係を意味するものであって、実質的に平行な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。ピストン部444の側面は、本体部442における側部442aの内周面に摺接している。
【0079】
ここで、ピストン部444の側面と側部442aの内周面との間には、第一封止部447aが配置されている。第一封止部447aは、軸線Oを中心とした円環状を成す部材である。第一封止部447aは、弾性体である。第一封止部447aには、例えば、Oリング等が採用される。第一封止部447aは、ピストン部444の側面及び側部442aの内周面のそれぞれに当接している。
【0080】
本実施形態では、ピストン部444と第一封止部447aとによって上記空間Rがピストン部444を境に二つの空間に分割されている。これら二つの空間は、流体Fが両者を流通不可能に互いに隔離されている。分割された二つの空間のうち一方側Darに配置された空間は、第一空間R1から流体Fが供給される第二空間R2とされている。二つの空間のうち他方側Dalに配置された空間は、第三空間R3とされている。本体部442における側部442aには、軸方向Daに並ぶ三つの空間Rのうち一方側Darに配置された空間R及び中央に配置された空間Rにおける第三空間R3と、大気とを連通させる大気開放孔442cが形成されている。したがって、各第三空間R3内は、いずれも大気圧の状態に維持されている。
【0081】
したがって、ピストン部444は、空間R内に配置され、第二空間R2への流体Fの供給に応じて空間R内でシリンダ部441における本体部442の側部442aの内周面に摺接しながら軸方向Daに移動可能である。
【0082】
(ピストン接続部)
ピストン接続部445は、三つのピストン部444のうち最も他方側Dalに配置されたピストン部444と、第二フランジ20とを軸方向Daに接続している。ピストン接続部445は、軸方向Daを中心とした柱状を成している。ピストン接続部445は、最も他方側Dalに配置されたピストン部444と一体に形成されている。
【0083】
(ロッド部)
ロッド部446は、三つのピストン部444を軸方向Daに一体化する部材である。ロッド部446は、軸方向Daを中心に延びる円柱状を成している。ここで、各仕切り部443の中心部分には、軸方向Daに貫通し、ロッド部446が挿通可能な孔が形成されている。ロッド部446は、各仕切り部443の孔に挿通されている。ロッド部446の外周面と仕切り部443に形成されている孔の内面とは、互いに摺接している。
【0084】
ロッド部446の外周面と孔の内面との間には、第二封止部447bが配置されている。第二封止部447bは、軸線Oを中心とした円環状を成す部材である。第二封止部447bは、弾性体である。第二封止部447bには、例えば、Oリング等が採用される。第二封止部447bは、ロッド部446の外周面及び孔の内面のそれぞれに当接している。
【0085】
ロッド部446は、軸方向Daに並ぶ三つのピストン部444のうち中央に配置されたピストン部444の中心部分を貫通している。ロッド部446における一方側Darの端部は、三つのピストン部444のうち最も一方側Darに配置されたピストン部444に接続されている。ロッド部446における他方側Dalの端部は、三つのピストン部444のうち最も他方側Dalに配置されたピストン部444に接続されている。本実施形態におけるロッド部446は、各ピストン部444と一体に形成されている。
【0086】
(接続部)
接続部43は、伸縮部42と第一フランジ10とを接続する。接続部43は、例えば、金属等の材料によって形成されている。接続部43は、第一接続アーム433と、第二接続アーム434と、支持アーム435と、固定アーム436とを有している。
【0087】
第一接続アーム433は、伸縮部42におけるピストン機構部440に接続されている。第一接続アーム433は、軸方向Daに延びる柱状を成す第一接続アーム本体433aと、第一接続アーム本体433aに接続された第一接続軸433bとを有している。第一接続アーム本体433aは、シリンダ部441における本体部442の底部442bに一方側Darから接続されている。第一アーム本体は、底部442bの一方側Darを向く面から一方側Darに延びている。
【0088】
第一接続軸433bは、第一アーム本体における一方側Darの端部に配置されている。第一接続軸433bは、軸方向Daに交差する方向に延びる円柱状を成している。本実施形態における第一接続軸433bは、軸方向Daに対して垂直な方向に延びている。なお、ここでいう「垂直」とは、実質的に垂直な関係を意味するものであって、実質的に垂直な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。
【0089】
第二接続アーム434は、第一フランジ10に接続されている。第二接続アーム434は、第一接続アーム433よりも径方向の内側に配置されている。第二接続アーム434は、軸方向Daに延びる柱状を成す第二接続アーム本体434aと、第二接続アーム本体434aに接続された第二接続軸434bとを有している。第二接続アーム本体434aは、第一フランジ10に他方側Dalから接続されている。第二接続アーム本体434aは、第一フランジ10の他方側Dalを向く面から他方側Dalに延びている。本実施形態における第二接続アーム本体434aの軸方向Daの寸法は、第一接続アーム本体433aの軸方向Daの寸法よりも大きい。第二接続アーム本体434aにおける他方側Dalの端部は、第一接続アーム本体433aにおける一方側Darの端部よりも他方側Dalに位置している。
【0090】
第二接続軸434bは、第二アーム本体における他方側Dalの端部に配置されている。第二接続軸434bは、軸方向Daに交差する方向に延びる円柱状を成している。第二接続軸434bの延びる方向は、第一接続軸433bが延びる方向と同一である。なお、ここでいう「同一」とは、実質的に同一な関係を意味するものであって、実質的に同一な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。
【0091】
支持アーム435は、第一接続アーム433と第二接続アーム434とを接続している。支持アーム435における径方向の外側に位置する第一端部435aは、第一接続アーム433における第一接続軸433bに、この第一接続軸433b回りに回転可能に接続されている。支持アーム435本体における径方向の内側に位置する第二端部435bは、第二接続アーム434における第二接続軸434bに、この第二接続軸434b回りに回転可能に接続されている。
【0092】
固定アーム436は、第二フランジ20に接続されている。固定アーム436は、第一接続アーム433よりも径方向の内側、かつ第二接続アーム434よりも径方向の外側に配置されている。固定アーム436は、軸方向Daに延びる柱状を成す固定アーム本体436aと、回転支持軸436bとを有している。固定アーム本体436aは、第二フランジ20に一方側Darから接続されている。固定アーム本体436aは、第二フランジ20の一方側Darを向く面から一方側Darに延びている。
【0093】
回転支持軸436bは、固定アーム本体436aにおける一方側Darの端部に配置されている。回転支持軸436bは、軸方向Daに交差する方向に延びる円柱状を成している。回転支持軸436bの延びる方向は、第一接続軸433b及び第二接続軸434bが延びる方向と同一である。なお、ここでいう「同一」とは、実質的に同一な関係を意味するものであって、実質的に同一な関係にあれば多少の傾斜等は許容される。回転支持軸436bは、支持アーム435に接続されている。回転支持軸436bは、支持アーム435を、この回転支持軸436b回りに回転可能に支持している。回転支持軸436bは、支持アーム435における第一端部435a及び第二端部435bの間に配置されている。
【0094】
ここで、回転支持軸436bの中心と第二接続軸434bの中心との間の径方向の寸法を「第一長さL1」と称する。また、回転支持軸436bの中心と第一接続軸433bの中心との間の径方向の寸法を「第二長さL2」と称する。即ち、
図4に示すように、第一長さL1は、回転支持軸436bの中心と第二接続軸434bの中心とを結ぶ仮想線を、中心軸Arに対して垂直な方向に広がる仮想面Xへ軸方向Daから投影した際に得られる投影線の長さ(寸法)である。第二長さL2は、回転支持軸436bの中心と第一接続軸433bの中心とを結ぶ仮想線を、中心軸Arに対して垂直な方向に広がる仮想面Xへ軸方向Daから投影した際に得られる投影線の長さ(寸法)である。
【0095】
この際、回転支持軸436bは、支持アーム435の第一端部435aに作用するモーメントと、支持アーム435の第二端部435bに作用するモーメントとが釣り合う位置に配置されている。具体的には、回転支持軸436bは、支持アーム435における第二端部435bに第二接続アーム本体434aから軸方向Da(他方側Dal)に作用する力をF1とし、支持アーム435における第一端部435aに第一接続アーム本体433aから軸方向Da(一方側Dar)に作用する力をF2とした際に、上記の第一長さL1及び第二長さL2との関係で下記式(I)、即ち、式(I)を式変形した式(II)が成立するように第一端部435a及び第二端部435bとの間に配置されている。
F1L1=F2L2 …(I)
F1/F2=L2/L1 …(II)
【0096】
以上で説明した接続部43が有する第一接続アーム433、第二接続アーム434、支持アーム435、及び固定アーム436によって、本実施形態ではリンク機構が構成されている。
【0097】
(流体供給部)
流体供給部41は、可撓性を有して屈曲可能なチューブ部材410と、流体通路420とを有している。
【0098】
チューブ部材410は、ベローズ30の第二直管部32と、ピストン機構部440におけるシリンダ部441とを接続している。チューブ部材410の一端は、第一空間R1からチューブ部材410内部へ流体Fを導入可能に第二直管部32に接続されている。チューブ部材410の他端は、本体部442の側部442aにおける他方側の端部442e(端面)に接続されている。
【0099】
ここで、シリンダ部441には、チューブ部材410から供給される流体Fを第二空間R2内へ供給可能な流体通路420が形成されている。具体的には、流体通路420は、本体部442の側部442a及び底部442bそれぞれの内部に形成されている。側部442aの内部に形成された流体通路420と底部442bの内部に形成された流体通路420とは、互いに接続されている。
【0100】
流体通路420の一端は、例えば、本体部442の側部442aにおける他方側の端部442eに開口している。流体通路420の一端は、上記チューブ部材410の他端に接続されている。側部442aにおける他方側の端部442eに形成された流体通路420の一端を始点とした際に、流体通路420は、中途で三つに分岐し、分岐した先である三つの他端のそれぞれが第二空間R2内に開口している。
【0101】
したがって、本実施形態における流体供給部41は、チューブ部材410と、本体部442の内部に形成された流体通路420とによって構成されている。流体供給部41によって、第一空間R1と第二空間R2とは連通している。第一空間R1を流れる流体Fは、チューブ部材410の内部へ流入した後、本体部442の内部に形成された流体通路420内へ流入する。チューブ部材410から流体通路420内に流入した流体Fは、第二空間R2内へ流入する。
【0102】
(作用効果)
上記構成によれば、第一空間R1内を流れる流体Fの一部は、流体供給部41を通じて第二空間R2内に供給される。第二空間R2内に流体Fが供給されると、ピストン部444とシリンダ部441の本体部442とが互いに摺接した状態で軸方向Daに変位する。即ち、ピストン機構部440が軸方向Daに広がる。ピストン機構部440が広がることで、底部442bに一方側Darから接続された第一接続アーム本体433aは、一方側Darに変位する。第一接続アーム本体433aが一方側Darに変位することで、第一接続軸433bに接続された支持アーム435は、第一端部435aを基点にして第一接続軸433b回りに回転する。同時に、支持アーム435は、回転支持軸436bに回転可能に支持された状態(位置決めされた状態)で、支持アーム435の第二端部435bに接続されている第二接続軸434b回りに回転する。この回転に伴って、第二接続軸434bに接続された第二接続アーム本体434aは、第一フランジ10を他方側Dalに引っ張る。
【0103】
この際、回転支持軸436bは、第一端部435a及び第二端部435bとの間であって、第一端部435aに作用するモーメントと第二端部435bに作用するモーメントとが釣り合う位置に配置されている。つまり、支持アーム435における第二端部435bに第二接続アーム本体434aから軸方向Daに作用する力の大きさと、支持アーム435における第一端部435aに第一接続アーム本体433aから軸方向Daに作用する力の大きさが異なった場合でも、第一長さL1及び第二長さL2を調整してモーメントを釣り合わせることができる。これにより、ベローズ30によって第一フランジ10と第二フランジ20とに作用するスラスト力の大きさと、バランス機構装置40によって第一フランジ10と第二フランジ20とに作用する逆向きのスラスト力の大きさとを釣り合わせることができる。例えば、ベローズ30によって第一フランジ10と第二フランジ20とに作用する軸方向Daのスラスト力がピストン機構部440から軸方向Daに働く力よりも大きい場合であっても、ピストン機構部440に接続された接続部43によって両者の力を釣り合わせることができる。したがって、第一空間R1内を流れる流体Fのスラスト力によって、ベローズ30に接続された配管2に過剰な荷重が発生することを抑制することができる。
【0104】
<第三実施形態>
次に、本開示に係る伸縮継手1の第三実施形態について説明する。なお、以下に説明する第三実施形態では、上記の第一実施形態、第一実施形態の変形例、及び第二実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第三実施形態では、バランス機構装置40の構成が、上記第一実施形態、第一実施形態の変形例、及び第二実施形態で説明したバランス機構装置40の構成と異なっている。
【0105】
(バランス機構装置)
図5に示すように、バランス機構装置40は、伸縮部42と、接続部43と、流体供給部41とを有している。
【0106】
(伸縮部)
伸縮部42は、第一フランジ10と第二フランジ20との間で軸方向Daに伸縮する。伸縮部42には、外部から流体Fが供給され、供給される流体Fの圧力に応じて軸方向Daに伸縮可能である。伸縮部42は、ピストン機構部450を有している。
【0107】
(ピストン機構部)
ピストン機構部450は、第一フランジ10と第二フランジ20との間に配置されている。ピストン機構部450は、シリンダ部451と、ピストン部455と、ロッド部456と、シリンダ固定部454と、第一封止部457aと、第二封止部457bと、第三封止部457cとを有している。
【0108】
(シリンダ部)
シリンダ部451は、本体部452と、仕切り部453とを有している。本体部452は、軸線Oを中心とした円筒状を成す側部452aと、側部452aにおける一方側Darを向く開口を閉じるように側部452aに一体に形成され、軸線Oを中心に円板状に広がる底部452bとによって構成されている。側部452aにおける他方側Dalを向く開口は、シリンダ固定部454によって他方側Dalから閉じられている。
【0109】
ここで、シリンダ固定部454は、中心軸Arを中心に広がる円板状を成している。シリンダ固定部454は、ベローズ30における第二直管部32の外周面を外側から囲んだ状態で、第二直管部32の外周面及び第二フランジ20の一方側Darを向く面に固定されている。
【0110】
(ピストン部)
ピストン部455は、三つの空間R内のそれぞれに配置されている。ここで、ピストン部455の側面と側部452aの内周面との間には、第一封止部457aが配置されている。本実施形態では、ピストン部455と第一封止部457aとによって空間Rがピストン部455を境にして一方側Darに配置された第二空間R2と、他方側Dalに配置された第三空間R3とに分割されている。本体部452における側部452aには、各第三空間R3と大気とを連通させる大気開放孔452cが形成されている。
【0111】
(ロッド部)
ロッド部456は、三つのピストン部455を軸方向Daに一体化する部材である。ここで、底部452bの中心部分には、軸方向Daに貫通し、ロッド部456が挿通可能な孔が形成されている。ロッド部456は、各仕切り部453の孔、及び底部452bの孔に挿通されている。ロッド部456の外周面と孔の内面とは互いに摺接している。
【0112】
ロッド部456の外周面と底部452bの孔の内面との間には、第三封止部457cが配置されている。第三封止部457cは、軸線Oを中心とした円環状を成す部材である。第三封止部457cは、弾性体である。第三封止部457cには、例えば、Oリング等が採用される。第三封止部457cは、ロッド部456の外周面及び底部452bの孔の内面のそれぞれに当接している。
【0113】
ロッド部456は、軸方向Daに並ぶ三つのピストン部455のうち一方側Darに配置されたピストン部455の中心部分、及び中央に配置されたピストン部455の中心部分を貫通している。さらに、ロッド部456における一方側Darの端部は、底部452bよりも一方側Darに突出している。
【0114】
(接続部)
接続部43は、伸縮部42と第一フランジ10とを接続する。接続部43は、第一フランジ10と伸縮部42とを接続する第一接続部431を有している。第一接続部431は、第一アーム部431aと、第一ジョイント部431bとを有している。第一アーム部431aは、第一フランジ10と伸縮部42のピストン機構部450との間に配置されている。第一アーム部431aに接続された二つの第一ジョイント部431bのうち、一方側Darに配置された第一ジョイント部431bは、第一フランジ10に接続されている。第一アーム部431aに接続された二つの第一ジョイント部431bのうち、他方側Dalに配置された第一ジョイント部431bは、ピストン機構部450のロッドにおける一方側Darの端部に接続されている。
【0115】
(流体供給部)
流体供給部41は、第一空間R1内を流れる流体Fを第二空間R2内へ供給可能な流体通路420を有している。流体通路420は、シリンダ部451における本体部452の側部452a及び底部452bそれぞれの内部、並びにシリンダ固定部454の内部に形成されている。これら側部452a、底部452b、及びシリンダ固定部454それぞれの内部に形成された流体通路420同士は、互いに接続されている。
【0116】
流体通路420の一端は、例えば、シリンダ固定部454の、第二直管部32の外周面に固定される部分に開口している。流体通路420の一端は、流体Fを第一空間R1から外部へ取り出すための第二直管部32に形成された孔に接続されている。流体通路420の一端を始点とした際に、流体通路420は、中途で三つに分岐し、分岐した先である三つの他端のそれぞれが第二空間R2内に開口している。
【0117】
(作用効果)
上記構成によれば、第一空間R1を流れる流体Fの一部は、流体供給部41を通じて第二空間R2に供給される。第二空間R2内に流体Fが供給されると、ピストン部455とシリンダ部451の本体部452とが互いに摺接した状態で軸方向Daに変位する。各ピストン部455及びロッド部456は、他方側Dalに変位する。各ピストン部455及びロッド部456が変位することで、ロッド部456における一方側Darの端部に一方側Darから接続された第一接続部431は、他方側Dalに変位する。その結果、第一接続部431に接続されている第一フランジ10が一方側Darに引っ張られる。これにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0118】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
【0119】
なお、第一実施形態では、伸縮部42における第一構造体421が四つの第一板部421bを有しており、第二構造体422が四つの第二板部422bを有している構成を一例として説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、第一構造体421は、二つ以上三つ以下、又は五つ以上の第一板部421bを有し、第二構造体422は、第一構造体421が有する第一板部421bの数と同じ数の第二板部422bを有している構成であってもよい。この際、「第一構造体421が有する第一板部421bの数-1」の数の小ベローズ423が第一板部421bと第二板部422bとの間に配置されればよい。第一実施形態の変形例で説明したピストン機構部430が配置される数についても同様である。
【0120】
また、第一実施形態では、第一構造体421における第一支持柱421aが各第一板部421bに対して第一固定用ナット42aで固定されており、第二構造体422における第二支持柱422aが各第二板部422bに対して第二固定用ナット42bで固定されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、第一支持柱421aは、各第一板部421bに対して溶接等によって固定されてもよい。第二支持柱422aは、各第二板部422bに対して溶接等によって固定されてもよい。また、第一支持柱421a及び第一板部421b、並びに第二支持柱422a及び第二板部422bは、製造の段階ではじめから一体に形成されてもよい。
【0121】
また、第一実施形態で説明した複数の小ベローズ423のうち一部の小ベローズ423を、第一実施形態の変形例で説明したピストン機構部450に替えてもよい。
【0122】
また、第一実施形態で説明した第一接続部431は、第一ジョイント部431bを有さず、第一フランジ10と第二構造体422の最も一方側Darに配置されている第二板部422bとを単に接続する柱状部材であってもよい。この際、第二接続部432は、第二アーム部432aと、第二ジョイント部432bを有する。また、第二接続部432は、第二ジョイント部432bを有さず、第二フランジ20と第一構造体421の最も他方側Dalに配置されている第一板部421bとを単に接続する部材であってもよい。この際、第一接続部431は、第一アーム部431aと、第一ジョイント部431bを有する。したがって、第一接続部431及び第二接続部432のうち少なくとも一方が実施形態中で説明した構成であればよい。
【0123】
また、第一実施形態及び第三実施形態で説明した第一接続部431は、複数の第一アーム部431aと、第一アーム部431a同士を接続する第一ジョイント部431bを有している構成であってもよい。この際、複数の第一アーム部431aが並ぶ方向の両端に配置された第一アーム部431aの両端に第一ジョイント部431bが接続されてもよい。また、第一実施形態で説明した第二接続部432は、複数の第二アーム部432aと、第二アーム同士を接続する第二ジョイント部432bを有している構成であってもよい。この際、複数の第二アーム部432aが並ぶ方向で両端に配置された第二アーム部432aの両端に第二ジョイント部432bが接続されてもよい。
【0124】
また、第一実施形態及び第三実施形態では、第一接続部431の第一ジョイント部431bがユニバーサルジョイントである構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、第一接続部431の第一ジョイント部431bは、ボールジョイントであってもよい。また、第一実施形態では、第二接続部432の第二ジョイント部432bがユニバーサルジョイントである構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、第二接続部432の第二ジョイント部432bは、ボールジョイントであってもよい。
【0125】
また、第一実施形態で説明した流体供給部41の構成は、上記に限定されることはない。例えば、流体供給部41は、流体通路420を有さず、チューブ部材410がベローズ30と小ベローズ423とを直接接続する構成であってもよい。また、第一実施形態の変形例で説明した流体供給部41の構成は、上記に限定されることはない。例えば、流体供給部41は、流体通路420を有さず、チューブ部材410がベローズ30と、ピストン機構部430とを直接接続する構成であってもよい。また、第二実施形態及び第三実施形態で説明した流体供給部41の構成は、上記に限定されることはない。例えば、流体供給部41は、流体通路420を有さず、チューブ部材410がベローズ30とピストン機構部440,450とを直接接続する構成であってもよい。
【0126】
また、第一実施形態では、流体供給部41の流体通路420が第二構造体422における第二支持柱422aの内部及び第二板部422bの内部に形成されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、これら第二支持柱422a及び第二板部422bそれぞれの内部に流体供給用の管が配置され、この管の内部を流体通路420としてもよい。また、第二実施形態では、流体供給部41の流体通路420が、シリンダ部441における本体部442の側部442a及び底部442bそれぞれの内部に形成されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、これら側部442a及び底部442bそれぞれの内部に流体供給用の管が配置され、この管の内部を流体通路420としてもよい。また、第三実施形態では、流体供給部41の流体通路420が、シリンダ部451における本体部452の側部452a及び底部452b、並びにシリンダ固定部454それぞれの内部に形成されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、これら側部452a、底部452b、及びシリンダ固定部454それぞれの内部に流体供給用の管が配置され、この管の内部を流体通路420としてもよい。
【0127】
また、第一実施形態では、流体供給部41の流体通路420が第二構造体422における第二支持柱422aの内部及び第二板部422bの内部に形成されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、流体通路420は、第一構造体421における第一支持柱421aの内部及び第一板部421bの内部に形成されてもよい。
【0128】
また、第一実施形態では、流体供給部41におけるチューブ部材410が第一直管部31に接続される構成を説明したが、この構成に限定されることはない。チューブ部材410は、流体Fを第一空間R1から外部へ取り出すことができるように第二直管部32や蛇腹部33に接続されてもよい。また、第二実施形態及び第三実施形態では、流体供給部41におけるチューブ部材410が第二直管部32に接続される構成を説明したが、この構成に限定されることはない。チューブ部材410は、流体Fを第一空間R1から外部へ取り出すことができるように第一直管部31や蛇腹部33に接続されてもよい。
【0129】
また、第二実施形態では、第二接続アーム434が第一接続アーム433よりも径方向の内側に配置されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、第二接続アーム434は、第一接続アーム433よりも径方向の外側に配置されてもよい。この際、固定アーム436は、第一接続アーム433よりも径方向の外側、かつ第二接続アーム434よりも径方向の内側に配置される。
【0130】
また、第二実施形態では、固定アーム本体436aが第二フランジ20に接続され、第二フランジ20の一方側Darを向く面から一方側Darに延びている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。固定アーム本体436aは、第一フランジ10に接続され、第一フランジ10の他方側Dalを向く面から他方側Dalに延びている構成であってもよい。この際、回転支持軸436bは、固定アーム本体436aにおける他方側Dalの端部に配置される。
【0131】
また、第二実施形態では、第一フランジ10と第二接続アーム434との間に第一実施形態で説明した第一接続部431が配置されてもよい。この際、第一接続部431の第一アーム部431aにおける一方側Darの端部に接続された第一ジョイント部431bは、第一フランジ10に他方側Dalから接続される。第一アーム部431aにおける他方側Dalの端部に接続された第一ジョイント部431bは、第二接続アーム434の第二接続アーム本体434aに一方側Darから接続される。
【0132】
また、第二実施形態及び第三実施形態では、シリンダ部441,451が二つの仕切り部443,453を有している構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、シリンダ部441,451は、一つ、又は三つ以上の仕切り部443,453を有している構成であってもよい。即ち、シリンダ部441,451は、内部が二つの空間Rに区画されていてもよいし、四つ以上の空間Rに区画されていてもよい。また、シリンダ部441,451は、仕切り部443,453を有さなくてもよい。この際、本体部442,452内に一つの空間Rが画成される。これらの場合、空間R内にピストン部444,455が配置され、空間Rがこのピストン部444,455を境に第二空間R2と第三空間R3とに分割されればよい。したがって、ピストン機構部440,450は、シリンダ部441,451の内部で区画される空間Rの数だけピストン部444,455を有していればよい。
【0133】
また、上記の各実施形態では、第一フランジ10及び第二フランジ20が中心軸Arを中心とする円板状に形成されている構成を説明したが、この構成に限定されることがない。第一フランジ10及び第二フランジ20は、例えば、中心軸Arを中心とする多角形状に形成されてもよい。第一フランジ10及び第二フランジ20が、ベローズ30に対してフランジ状に広がった状態で、ベローズ30に接続されていればよい。
【0134】
また、上記の各実施形態では、伸縮継手1がギアド圧縮機におけるスクロール同士の間に配置される二つの流体配管同士を接続する構成であるが、この構成に限定されることはない。例えば、伸縮継手1は、ガスタービンエンジンの流体配管同士を接続するために用いられてもよい。伸縮継手1は、内部を高圧の流体Fが流通する二つの流体配管同士を接続する目的で用いられればよい。
【0135】
また、上記実施形態で説明された伸縮継手1の構成は、それぞれ独立した構成に留まることはない。各実施形態に記載の構成要素を適宜組み合わせて伸縮継手1を構成してよい。
【0136】
<付記>
各実施形態に記載の伸縮継手、及びバランス機構装置は、例えば以下のように把握される。
【0137】
(1)第1の態様に係る伸縮継手1は、流体Fが流通する二つの配管2を接続する伸縮継手1であって、中心軸Arを中心として前記配管2の外部に配置された第一フランジ10と、前記中心軸Arを中心として前記配管2の外部に配置され、前記第一フランジ10に対して、前記中心軸Arの延びる軸方向Daに離れて配置された第二フランジ20と、前記第一フランジ10と前記第二フランジ20とに接続され、前記流体Fが流通可能な流路を内部に形成するベローズ30と、前記ベローズ30の外部で前記第一フランジ10と前記第二フランジ20とに接続され、前記ベローズ30によって前記第一フランジ10と前記第二フランジ20とに作用する前記軸方向Daのスラスト力と逆向きのスラスト力を前記第一フランジ10と前記第二フランジ20とに作用させるバランス機構装置40とを備え、前記バランス機構装置40は、前記流体Fを供給する流体供給部41と、前記流体供給部41と接続され、供給される前記流体Fの圧力に応じて、前記中心軸Arと平行に延びる軸線Oに沿って前記軸方向Daに伸縮可能な伸縮部42と、前記伸縮部42と前記第一フランジ10及び前記第二フランジ20を接続する接続部43と、を有する。
【0138】
これにより、ベローズ30内の流路から伸縮部42に流体Fが供給され、伸縮部42が軸方向Daに伸縮する。伸縮部42の伸縮に伴って、接続部43が第一フランジ10及び第二フランジ20が軸方向Daで互いに近づく向きに引っ張る。したがって、ベローズ30によって第一フランジ10及び第二フランジ20に作用するスラスト力とは逆向きのスラスト力が、バランス機構装置40によって第一フランジ10及び第二フランジ20に作用する。
【0139】
(2)第2の態様に係る伸縮継手1は、(1)の伸縮継手1であって、前記伸縮部42は、供給される前記流体Fの圧力に応じて前記軸方向Daに伸縮し、前記ベローズ30よりも小さい小ベローズ423を有してもよい。
【0140】
これにより、上記作用をより具体的な構成で実現することができる。また、小ベローズ423といった簡易な部材で伸縮部42が伸縮することができる。
【0141】
(3)第3の態様に係る伸縮継手1は、(1)又は(2)の伸縮継手1であって、前記伸縮部42は、供給される前記流体Fの圧力に応じて前記軸方向Daに伸縮するピストン機構部430,440,450を有してもよい。
【0142】
これにより、上記作用をより具体的な構成で実現することができる。また、ピストン機構といった簡易な構成で伸縮部42が伸縮することができる。
【0143】
(4)第4の態様に係る伸縮継手1は、(3)の伸縮継手1であって、前記ピストン機構部440,450は、前記軸線Oを中心とする有底筒状に形成され、内部が複数の空間Rに区画されたシリンダ部441,451と、前記空間R内にそれぞれ配置され、前記流体Fの供給に応じて前記空間R内で前記シリンダ部441,451の内周面に摺接しながら前記軸方向Daに移動可能な複数のピストン部444,455と、複数の前記ピストン部444,455に接続されたロッド部446,456と、を有してもよい。
【0144】
これにより、上記作用をより具体的な構成で実現することができる。
【0145】
(5)第5の態様に係る伸縮継手1は、(1)から(4)のいずれかの伸縮継手1であって、前記接続部43は、前記第一フランジ10に接続される第一接続部431と、前記第二フランジ20に接続される第二接続部432と、を有し、前記第一接続部431及び前記第二接続部432の少なくとも一方は、前記軸方向Daに延びるアーム部と、前記軸方向Daに交差する方向へ延びる回転軸で前記アーム部を回転可能に支持するジョイント部と、を有してもよい。
【0146】
これにより、ベローズ30が軸方向Daに対して垂直な方向に変位した際に、当該変位に追従するように第一アーム部431aが第一ジョイント部431bによって回転され、第二アーム部432aが第二ジョイント部432bによって回転される。
【0147】
(6)第6の態様に係る伸縮継手1は、(1)から(5)のいずれかの伸縮継手1であって、前記接続部43は、前記伸縮部42に接続された第一接続アーム433と、前記第一フランジ10及び前記第二フランジ20の一方に接続された第二接続アーム434と、第一端部435aが前記第一接続アーム433に対して接続され、第二端部435bが前記第二接続アーム434に対して接続され、前記第一端部435a及び前記第二端部435bから離れた位置で、前記軸方向Daに交差する方向へ延びる回転支持軸436b周りに回転可能に支持された支持アーム435と、を有し、前記回転支持軸436bは、前記第一端部435a及び前記第二端部435bとの間であって、前記第一端部435aに作用するモーメントと前記第二端部435bに作用するモーメントとが釣り合う位置に配置されていてもよい。
【0148】
これにより、例えば、ベローズ30によって第一フランジ10と第二フランジ20とに作用する軸方向Daのスラスト力が伸縮部42から軸方向Daに働く力よりも大きい場合であっても、接続部43によって両者の力を釣り合わせることができる。
【0149】
(7)第7の態様に係る伸縮継手1は、(1)から(6)のいずれかの伸縮継手1であって、前記流体供給部41は、可撓性を有して屈曲可能なチューブ部材410を有してもよい。
【0150】
これにより、上記作用をより具体的な構成で実現することができる。
【0151】
(8)第8の態様に係る伸縮継手1は、(1)から(7)のいずれかの伸縮継手1であって、前記バランス機構装置40は、前記中心軸Arを中心とする周方向Dcに離れて、前記ベローズ30の外部に複数配置されていてもよい。
【0152】
これにより、配管2に作用するスラスト力をバランスよく抑制することができる。
【0153】
(9)第9の態様に係るバランス機構装置40は、中心軸Arを中心として配管2の外部に配置された第一フランジ10と、前記中心軸Arを中心として前記配管2の外部に配置され、前記第一フランジ10に対して、前記中心軸Arの延びる軸方向Daに離れて配置された第二フランジ20と、前記第一フランジ10と前記第二フランジ20とに接続され、流体Fが流通可能な流路を内部に形成するベローズ30と、を備えて流体Fが流通する二つの配管2を接続する伸縮継手1本体の外部に配置されるバランス機構装置40であって、前記流体Fを供給する流体供給部41と、前記流体供給部41と接続され、供給される前記流体Fの圧力に応じて、前記中心軸Arと平行に延びる軸線Oに沿って前記軸方向Daに伸縮可能な伸縮部42と、前記伸縮部42と前記第一フランジ10及び前記第二フランジ20を接続する接続部43とを備え、前記ベローズ30の外部に配置されて、前記伸縮部42が伸縮することによって、前記ベローズ30によって前記第一フランジ10と前記第二フランジ20とに作用する前記軸方向Daのスラスト力と逆向きのスラスト力を前記第一フランジ10と前記第二フランジ20とに作用させる。
【符号の説明】
【0154】
1…伸縮継手 2…配管 10…第一フランジ 20…第二フランジ 30…ベローズ 31…第一直管部 32…第二直管部 33…蛇腹部 40…バランス機構装置40 41…流体供給部 42…伸縮部 42a…第一固定用ナット 42b…第二固定用ナット 43…接続部 300…直管部 410…チューブ部材 420…流体通路 421…第一構造体 421a…第一支持柱 421b…第一板部 421c…第一面 421d…第二面 422…第二構造体 422a…第二支持柱 422b…第二板部 422c…一方面 422d…他方面 423…小ベローズ 430,440,450…ピストン機構部 430a…内側筒 430b…外側筒 431…第一接続部 431a…第一アーム部 431b…第一ジョイント部 431c…第一回転軸 432…第二接続部 432a…第二アーム部 432b…第二ジョイント部 432c…第二回転軸 433…第一接続アーム 433a…第一接続アーム本体 433b…第一接続軸 434…第二接続アーム 434a…第二接続アーム本体 434b…第二接続軸 435…支持アーム 435a…第一端部 435b…第二端部 436…固定アーム 436a…固定アーム本体 436b…回転支持軸 441,451…シリンダ部 442,452…本体部 442a,452a…側部 442b,452b…底部 442c,452c…大気開放孔 442e…端部 443,453…仕切り部443,453 444,455…ピストン部 445…ピストン接続部 446,456…ロッド部 447,457…封止部 447a,457a…第一封止部 447b,457b…第二封止部 454…シリンダ固定部 457c…第三封止部 Ar…中心軸 Da…軸方向 Dal…他方側 Dar…一方側 Dc…周方向 F…流体 L1…第一長さ L2…第二長さ O…軸線 R…空間 R1…第一空間 R2…第二空間 R3…第三空間 X…仮想面