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特開2023-123980情報処理装置、情報処理方法、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123980
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230830BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20230830BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F16/90 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027497
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】兼保 和弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅人
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5B175GA04
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】機器に関する問い合わせに回答する回答者を支援することを可能とする情報処理装置、情報処理方法及びシステムを提供する。
【解決手段】回答支援システムは、問い合わせ者が利用する問い合わせ者端末30と、サーバ20と、回答者が利用する回答者端末10と、を含む。機器の問い合わせに対する回答に用いられるデータを記憶する記憶部と、問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて記憶部から検索した検索結果を回答者に呈示する制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の問い合わせに対する回答に用いられるデータを記憶する記憶部と、
問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて前記記憶部から検索した検索結果を前記回答者に呈示する制御を行う制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記回答に用いられるデータは、機器の実証をシミュレーションするシミュレーションツールであり、
前記検索結果は、前記問い合わせの対象の機器に対応するシミュレーションツールを示す情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、検索された前記シミュレーションツールの起動が前記回答者に許可された場合、前記シミュレーションを起動する制御を行う、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、起動した前記シミュレーションツールのシミュレーション画面を、回答者に呈示する制御を行う、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記回答に用いられるデータは、機器の操作マニュアルであり、
前記検索結果は、前記問い合わせの対象の機器に対応する操作マニュアルを示す情報である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、検索された前記操作マニュアルの読み出しが前記回答者に許可された場合、前記操作マニュアルの読み出す制御を行う、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、読み出した前記操作マニュアルの表示画面を、回答者に呈示する制御を行う、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記会話音声の情報は、音声データであり、
前記制御部は、前記音声データに対して音声認識を行い、抽出された所定のキーワードに基づいて、前記回答に用いられるデータの検索を行う、
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記会話音声の情報は、音声データに対して行われた音声認識の結果であり、
前記制御部は、前記音声認識の結果に含まれる所定のキーワードに基づいて、前記回答に用いられるデータの検索を行う、
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記所定のキーワードは、前記機器の名称を少なくとも含む、請求項8または9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記音声認識の結果には、前記問い合わせ者および前記回答者のいずれが発したキーワードであるかを示す情報を含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記回答者が発した所定のキーワードに基づいて、前記回答に用いられるデータの検索を行う、請求項8~11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記情報処理装置は、通信部をさらに備え、
前記通信部は、回答者端末から前記会話音声の情報を受信する、
請求項8~12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記情報処理装置は、通信部をさらに備え、
前記制御部は、
前記通信部により、問い合わせ者端末から受信した前記問い合わせ者の音声データを回答者端末に送信し、前記回答者端末から受信した前記回答者の音声データを前記問い合わせ者端末に送信する制御を行い、
送受信する音声データから、前記会話音声の情報を取得する、
請求項8~12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、検索結果に対して前記回答者が許可したシミュレーションツールまたは操作マニュアルのデータを、回答者端末に送信する制御を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
機器の問い合わせを行う問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて、回答に用いられるデータを記憶する記憶部から検索した検索結果を前記回答者に呈示する制御を行うことを含む、情報処理方法。
【請求項17】
情報処理装置と、回答者端末と、を備え、
前記情報処理装置は、
機器の問い合わせに対する回答に用いられるデータを記憶する記憶部と、
問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて前記記憶部から検索した検索結果を前記回答者端末に送信する制御を行う制御部と、
を有し、
前記回答者端末は、前記情報処理装置から受信した検索結果を表示部に表示する制御を行う、
システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場、作業現場、オフィス、家庭等の各種施設では、種々の機器が使用されている。これらの機器の保守や修理等の作業は、機器の設置現地に作業者が出向いて行われる。
【0003】
作業の際に参照する作業マニュアルのデータの管理に関し、例えば下記特許文献1では、作業に必要な作業マニュアルのダウンロードをサーバに要求し、サーバから送られてくるマニュアルを表示装置に表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-344366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、現地の作業員や機器の利用者から、現地に居ない回答者に対して機器についての問い合わせがある場合の支援については考慮されていない。回答者は、現地から電話等で問い合わせがあった際に、手元にマニュアルがなかったり、対応するマニュアルを探したり、実機検証を行える検証室から離れている等により、迅速に回答することが困難な場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、機器に関する問い合わせに回答する回答者を支援することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、機器の問い合わせに対する回答に用いられるデータを記憶する記憶部と、問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて前記記憶部から検索した検索結果を前記回答者に呈示する制御を行う制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
前記回答に用いられるデータは、機器の実証をシミュレーションするシミュレーションツールであり、前記検索結果は、前記問い合わせの対象の機器に対応するシミュレーションツールを示す情報であってもよい。
【0009】
前記制御部は、検索された前記シミュレーションツールの起動が前記回答者に許可された場合、前記シミュレーションを起動する制御を行ってもよい。
【0010】
前記制御部は、起動した前記シミュレーションツールのシミュレーション画面を、回答者に呈示する制御を行ってもよい。
【0011】
前記回答に用いられるデータは、機器の操作マニュアルであり、前記検索結果は、前記問い合わせの対象の機器に対応する操作マニュアルを示す情報であってもよい。
【0012】
前記制御部は、検索された前記操作マニュアルの読み出しが前記回答者に許可された場合、前記操作マニュアルの読み出す制御を行ってもよい。
【0013】
前記制御部は、読み出した前記操作マニュアルの表示画面を、回答者に呈示する制御を行ってもよい。
【0014】
前記会話音声の情報は、音声データであり、前記制御部は、前記音声データに対して音声認識を行い、抽出された所定のキーワードに基づいて、前記回答に用いられるデータの検索を行ってもよい。
【0015】
前記会話音声の情報は、音声データに対して行われた音声認識の結果であり、前記制御部は、前記音声認識の結果に含まれる所定のキーワードに基づいて、前記回答に用いられるデータの検索を行ってもよい。
【0016】
前記所定のキーワードは、前記機器の名称を少なくとも含んでもよい。
【0017】
前記音声認識の結果には、前記問い合わせ者および前記回答者のいずれが発したキーワードであるかを示す情報を含んでもよい。
【0018】
前記制御部は、前記回答者が発した所定のキーワードに基づいて、前記回答に用いられるデータの検索を行ってもよい。
【0019】
前記情報処理装置は、通信部をさらに備え、前記通信部は、回答者端末から前記会話音声の情報を受信してもよい。
【0020】
前記情報処理装置は、通信部をさらに備え、前記制御部は、前記通信部により、問い合わせ者端末から受信した前記問い合わせ者の音声データを回答者端末に送信し、前記回答者端末から受信した前記回答者の音声データを前記問い合わせ者端末に送信する制御を行い、送受信する音声データから、前記会話音声の情報を取得してもよい。
【0021】
前記制御部は、検索結果に対して前記回答者が許可したシミュレーションツールまたは操作マニュアルのデータを、回答者端末に送信する制御を行ってもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、機器の問い合わせを行う問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて、回答に用いられるデータを記憶する記憶部から検索した検索結果を前記回答者に呈示する制御を行うことを含む、情報処理方法が提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、情報処理装置と、回答者端末と、を備え、前記情報処理装置は、機器の問い合わせに対する回答に用いられるデータを記憶する記憶部と、問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて前記記憶部から検索した検索結果を前記回答者端末に送信する制御を行う制御部と、を有し、前記回答者端末は、前記情報処理装置から受信した検索結果を表示部に表示する制御を行う、システムが提供される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、機器に関する問い合わせに回答する回答者を支援することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態による回答支援システムの構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態による顧客端末およびサーバの構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による回答支援システムの全体の流れの一例を示すシーケンス図である。
図4】本実施形態による情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
<1.システム構成>
本実施形態は、機器に関する問い合わせに回答する回答者を支援する仕組みに関する。問い合わせ者としては、機器が設置されている現地の作業員や機器の利用者等が想定される。問い合わせ者は、音声ツールを用いて他の場所に居る回答者に機器に関する問い合わせを行う。
【0028】
図1は、本実施形態に係る回答支援システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る回答支援システムは、問い合わせ者が利用する問い合わせ者端末30(通信端末)と、サーバ20(情報処理装置)と、回答者が利用する回答者端末10(通信端末)と、を含む。
【0029】
問い合わせ者端末30と回答者端末10の間では、電話回線やインターネット回線を介して音声通話が行われる。問い合わせ者端末30と回答者端末10は、例えば所定のコミュニケーションツールを用いて音声通話を実現してもよい。また、問い合わせ者端末30と回答者端末10は、音声と映像が相互に送受信されるコミュニケーションツールを用いてもよい。
【0030】
サーバ20は、回答者端末10と通信接続し、データの送受信を行い得る。具体的には、サーバ20は、回答者端末10から検索要求を受信し、要求に応じて検索を行う。検索要求には、例えば、問い合わせ者と回答者との音声通話(会話音声)の認識結果(具体的には、会話から抽出される所定のキーワード)が含まれる。なお、検索要求と共に、回答者端末10から音声通話(会話音声)の音声データがリアルタイムでサーバ20に送信されてもよい。この場合、サーバ20が認識を行い、所定のキーワードを会話から抽出する。
【0031】
次いで、サーバ20は、会話から抽出される所定のキーワードに基づいて検索された結果に基づいて、回答用データを回答者端末10に送信する。サーバ20には、予め、各機器の操作マニュアルや、各機器(実機)の検証をシミュレーションし得るシミュレーションツールが格納されている。サーバ20は、会話から抽出された所定のキーワードに基づいて、回答者が回答する際に利用すべき適切な操作マニュアルやシミュレーションツールの候補を検索する。なお、サーバ20は、まず検索結果を回答者端末10に送信し、回答者に許可された操作マニュアルやシミュレーションツールに基づいて、回答用データを生成してもよい。回答用データとは、回答者が回答する際に参照される適切なデータである。
【0032】
サーバ20は、回答者に許可された操作マニュアルの読み出し(展開)やシミュレーションツールの起動を行い、これらの表示画面(操作マニュアルの該当ページの表示画面やシミュレーション画面等)の情報を、回答用データとして回答者端末10に送信してもよい。また、サーバ20は、許可された操作マニュアルやシミュレーションツールを回答用データとして回答者端末10にダウンロードさせ、回答者端末10で展開や起動を行うようにしてもよい。
【0033】
このように、本実施形態による回答支援システムは、問い合わせ者と回答者との会話を自動で認識し、会話内容に応じて、適切な回答用データを回答者に呈示する。これにより、回答者は、操作マニュアルを探す手間や、検証室への移動をすることなく、問い合わせに対して迅速に回答することが可能となる。
【0034】
なお、図1に示すシステム構成は一例であって、本発明はこれに限定されない。例えば、問い合わせ者端末30と回答者端末10との間の音声通話が、サーバ20を介して行われてもよい。この場合、サーバ20は、会話音声の双方向通信を制御すると共に、音声通話の内容を認識し、適切な回答用データを回答者端末10に送信する。
【0035】
また、本実施形態では、サーバ20に操作マニュアル等を格納し、回答者端末10からの検索要求に応じて検索する旨を説明するが、本発明はこれに限定されず、回答者端末10において、予め格納された操作マニュアル等の検索を行ってもよい。すなわち、サーバ20の機能を回答者端末10が有していてもよい。
【0036】
<2.構成例>
続いて、図2を参照して、回答者端末10およびサーバ20の構成について説明する。図2は、本実施形態による回答者端末10およびサーバ20の構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
(2-1.回答者端末10の構成例)
回答者端末10は、例えばスマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等、任意のモバイル端末や、PC(パーソナルコンピュータ)により実現され得る。図2に示すように、回答者端末10は、通信部110、制御部120、操作入力部130、表示部140、マイク150、音声出力部160、および記憶部170を有する。
【0038】
通信部110は、他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。通信部110は、例えばネットワークを介してサーバ20とデータの送受信を行い得る。ネットワークは、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で実現されてもよい。さらに、各ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網で実現されてもよい。
【0039】
制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を中心に構成されており、回答者端末10の動作を全般的に制御する。例えば、制御部120は、通信部110により問い合わせ者端末30から受信した問い合わせ者の発話音声を、音声出力部160から出力する制御を行う。また、制御部120は、マイク150から取得した回答者の発話音声を、通信部110から問い合わせ者端末30に送信する制御を行う。
【0040】
また、制御部120は、検索要求部121および表示制御部122としても機能する。検索要求部121は、問い合わせ者と回答者との会話音声に基づいて、サーバ20に対して検索要求を行う。検索要求部121は、会話音声の音声データ(生データ)を(適宜圧縮した上で)サーバ20に送信して検索要求を行ってもよい。また、検索要求部121は、会話音声の音声データを音声認識し、認識結果をサーバ20に送信して検索要求を行ってもよい。具体的には、検索要求部121は、会話音声の音声データを音声認識し、会話内容から所定のキーワードを抽出し、抽出したキーワードを認識結果としてサーバ20に送信する。抽出する所定のキーワードは、例えば、機器の名称や、故障箇所等である。サーバ20では、かかる機器の名称や、故障箇所等のキーワードに基づいて、操作マニュアルやシミュレーションツール等の検索が行われる。
【0041】
表示制御部122は、サーバ20から受信した回答用データを表示部140に表示する制御を行う。本実施形態では、サーバ20から、操作マニュアルの該当ページの表示画面や、サーバ20で起動されたシミュレーションツールのシミュレーション画面等の情報が、回答用データとして送信されることを想定する。これにより、回答者端末10に操作マニュアル等をダウンロードさせないことで、通信負荷や処理負荷を軽減し、かつ、セキュリティ上も適切に回答支援を行い得る。なお、サーバ20から回答用データを受信する前に、サーバ20からは検索結果が送信され、検索結果が表示部140に表示され得る。検索結果では、回答する際の参照資料として推薦する操作マニュアルの候補や、回答に用いる適切なシミュレーションツールの候補が示される。回答者により、検索結果として呈示された操作マニュアルの読み出しやシミュレーションツールの起動が許可されると、その旨がサーバ20に送信され、サーバ20において、操作マニュアルの読み出しやシミュレーションツールの起動が行われ得る。
【0042】
操作入力部130は、回答者による操作を受け付け、入力情報を制御部120に出力する。操作入力部130は、表示部140に積層されるタッチパネルにより実現されてもよい。本実施形態による操作入力部130は、例えば表示部140に表示された検索結果に対する回答者の操作入力を受け付ける。
【0043】
表示部140は、検索結果の表示画面や、回答用データの表示画面を表示する機能を有する。表示部140は、操作入力部130が積層されるタッチパネルディスプレイにより実現されてもよい。
【0044】
マイク(マイクロフォン)150は、音声を収音する機能を有する。音声出力部160は、音声を出力する機能を有する。音声出力部160は、スピーカやイヤホンにより実現され得る。
【0045】
記憶部170は、制御部120の処理に関するデータ、制御部120の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、記憶部170は、音声認識で抽出すべき所定のキーワードを格納するデータベースを有してもよい。
【0046】
以上、本実施形態による回答者端末10の構成の一例について説明した。なお、本実施形態による回答者端末10の構成は、図2に示す例に限定されない。例えば、回答者端末10は、複数の装置により実現されてもよい。
【0047】
(2-2.サーバ20の構成例)
図2に示すように、サーバ20は、通信部210、制御部220、および記憶部230を有する。
【0048】
通信部210は、他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。通信部210は、例えばネットワークを介して、回答者端末10とデータの送受信を行い得る。ネットワークは、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で実現されてもよい。さらに、各ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網で実現されてもよい。
【0049】
制御部220は、サーバ20に設けられるCPU(Central Processing Unit)、およびRAM(Random Access Memory)などのハードウェアを用いて、サーバ20の動作を全般的に制御する。
【0050】
また、本実施形態による制御部220は、検索部221、送信制御部222、および回答用データ生成部223としても機能する。
【0051】
検索部221は、回答者端末10から受信した、問い合わせ者と回答者との会話音声の情報に基づいて、記憶部230から適切なシミュレーションツールや操作マニュアルを検索する。回答者端末10から受信する会話音声の情報が、音声データの場合、まず、検索部221は、当該音声データの音声認識を行い、所定のキーワードを抽出する。なお、音声認識が回答者端末10で行われ、回答者端末10から受信する会話音声の情報が、抽出されたキーワードの場合も想定される。記憶部230には、機器名とシミュレーションツールや操作マニュアルとが対応付けられた機器名DB(データベース)231が格納され、検索部221は、会話音声から抽出されたキーワードに含まれる「機器名」に基づいて、対応するシミュレーションツールや操作マニュアルを検索し得る。なお、検索部221は、キーワードの「機器名」が所定回数以上、会話から抽出された場合に検索に用いるようにしてもよい。また、検索部221は、問い合わせ者と回答者のどちらが発したキーワードかに基づいて、検索として用いるキーワードの優先度を決定してもよい。たとえば、検索部221は、回答者が発したキーワードを重視し、回答者が発したキーワードのみに基づいて検索を行うようにしてもよい。また、キーワードは「機器名」に限定されず、「故障個所」等が含まれていてもよい。
【0052】
検索部221による検索結果は、送信制御部222により回答者端末10に送信される。
【0053】
回答用データ生成部223は、検索結果に対する回答者の操作入力に応じて、回答用データを生成する。例えば、回答用データ生成部223は、回答者により許可されたシミュレーションツールを起動し、シミュレーション画面を回答用データとして生成する。また、回答用データ生成部223は、回答者により許可された操作マニュアルを操作マニュアル記憶部233から読み出して、該当ページの表示画面を回答用データとして生成する。操作マニュアルの該当ページは、会話音声から抽出された「機器名」と「故障箇所」に基づいて決定されてもよい。送信制御部222は、生成された回答用データ(表示画面のデータ)を、回答者端末10に送信する。
【0054】
なお、ここでは一例としてサーバ20でシミュレーションツールの起動や操作マニュアルの読み出しを行う旨を述べているが、本発明はこれに限られず、回答用データ生成部223は、シミュレーションツールや操作マニュアルのデータを回答用データとして用意し、送信制御部222により回答者端末10に送信してもよい。
【0055】
記憶部230は、制御部220の処理に関するデータ、制御部220の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、記憶部230は、機器名DB231、シミュレーションツール記憶部232、および操作マニュアル記憶部233を記憶する。機器名DB231、シミュレーションツール記憶部232、および操作マニュアル記憶部233のデータは、予め回答者や、その他の担当者により登録され得る。また、予め多数の回答者により多数のデータが登録されることを想定する。記憶部230は、共有フォルダとして利用され得る。
【0056】
以上、本実施形態によるサーバ20の構成の一例について説明した。なお、本実施形態によるサーバ20の構成は、図2に示す例に限定されない。例えば、サーバ20は、複数の装置により構成されていてもよい。
【0057】
<3.動作処理>
次に、本実施形態による回答支援システムの動作処理について具体的に説明する。図3は、本実施形態による回答支援システムの全体の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0058】
図4に示すように、まず、問い合わせ者端末30と回答者端末10の間で、音声通話が開始される(ステップS103)。
【0059】
次に、回答者端末10の検索要求部121は、問い合わせ者と回答者の会話の音声認識を行う(ステップS106)。音声認識では、音声データのテキスト化や、形態素解析等が行われ得る。
【0060】
次いで、回答者端末10の検索要求部121は、音声認識されたテキストから、所定のキーワードを抽出する(ステップS109)。
【0061】
次に、回答者端末10の検索要求部121は、抽出したキーワードをサーバ20に送信し、検索要求を行う(ステップS112)。
【0062】
次いで、サーバ20の検索部221は、回答者端末10からの要求に応じて、会話から抽出されたキーワードに基づいてシミュレーションツールや操作マニュアルの検索を行う(ステップS115)。
【0063】
次に、サーバ20の送信制御部222は、検索結果(シミュレーションツールや操作マニュアルの候補)を回答者端末10に送信する(ステップS118)。
【0064】
次いで、回答者端末10の表示制御部122は、検索結果を表示部140に表示する(ステップS121)。検索結果の表示画面では、検索したシミュレーションツールの起動許可や、操作マニュアルの読み出し許可を回答者に求めるメッセージが併せて表示されてもよい。
【0065】
次に、回答者端末10は、検索結果に対する回答者の許可を示す情報を送信する(ステップS124)。
【0066】
次いで、サーバ20の回答用データ生成部223は、許可されたシミュレーションツールの起動や、操作マニュアルの読み出しを行い、回答用データ(例えば表示画面)を生成する(ステップS127)。
【0067】
次に、サーバ20の送信制御部222は、回答用データを回答者端末10に送信する(ステップS130)。
【0068】
そして、回答者端末10は、回答用データを表示する(ステップS133)。具体的には、シミュレーション画面や、操作マニュアルの該当ページの表示画面が、表示部140に表示される。これにより、回答者が問い合わせ者と会話を行っている間に、対応するシミュレーションツールや操作マニュアルが自動で検索され回答者に呈示され、回答者の検索の手間が軽減される。また、回答者が適宜許可することにより、シミュレーション画面や操作マニュアルの該当ページの表示画面が表示されるため、回答者は、これらを参照して、より迅速に回答することができ、回答時間が短縮する。
【0069】
以上説明した回答支援システムの動作処理は、図3に示す例に限定されない。例えば、ステップS106に示す音声認識と、ステップS109に示すキーワード抽出は、サーバ20で行われてもよい。また、ステップS103に示す音声通話が、サーバ20を介して行われてもよい。
【0070】
また、サーバ20は、回答者端末10からの許可に応じて、検索した操作マニュアルやシミュレーションツール等を回答者端末10にダウンロードさせてもよい。この場合、回答者端末10は、回答終了後に当該ダウンロードしたデータを削除するよう回答者に促してもよい。
【0071】
<4.ハードウェア構成例>
続いて、本実施形態に係る回答者端末10およびサーバ20のハードウェア構成について説明する。上記の動作は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0072】
図4は、本実施形態による情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置900は、本実施形態による回答者端末10またはサーバ20に適用されるハードウェア構成の一例である。
【0073】
情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力機器908と、出力機器909と、ストレージ機器910と、ドライブ911と、通信機器913と、を備える。
【0074】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。CPU901、ROM902およびRAM903の協働により、回答者端末10の制御部120や、サーバ20の制御部220が実現される。
【0075】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0076】
入力機器908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチまたはマイクロフォン等、操作者が情報を入力するための入力手段と、操作者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作する操作者は、この入力機器908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。入力機器908により、回答者端末10の操作入力部130が実現される。
【0077】
出力機器909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。出力機器909により、回答者端末10の表示部140が実現される。
【0078】
ストレージ機器910は、データ格納用の機器である。ストレージ機器910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ機器910により、回答者端末10の記憶部170や、サーバ20の記憶部230が実現される。
【0079】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に外付けされる。ドライブ911は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体912に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体912に情報を書き込むこともできる。
【0080】
通信機器913は、通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。当該通信機器913により、回答者端末10の通信部110や、サーバ20の通信部210が実現される。
【0081】
なお、情報処理装置900のハードウェア構成は、図4に示す構成に限られない。例えば、情報処理装置900は、接続されている外部の通信デバイスを介して通信を行う場合には、通信機器913を備えていなくてもよい。また、情報処理装置900は、例えば、入力機器908または出力機器909等を備えなくてもよい。また、例えば、図6に示す構成の一部または全部は、1または2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
【0082】
<5.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0083】
例えば、本実施形態では、会話から抽出された所定のキーワードに基づいて検索を行っているが、これに限定されず、例えばサーバ20は、会話の音声認識により得られたテキストに対して自然言語処理を行い、文意から問い合わせ対象の機器を判断したり、問い合わせ内容に適切な操作マニュアル等の検索を行うことも可能である。
【0084】
また、回答者端末10やサーバ20に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、回答者端末10やサーバ20の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0085】
10 回答者端末
110 通信部
120 制御部
121 検索要求部
122 表示制御部
130 操作入力部
140 表示部
150 マイク
160 音声出力部
170 記憶部
20 サーバ
210 通信部
220 制御部
221 検索部
222 送信制御部
223 回答用データ生成部
230 記憶部
231 機器名DB
232 シミュレーションツール記憶部
233 操作マニュアル記憶部
30 問い合わせ者端末


図1
図2
図3
図4