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特開2023-124030パネル状部材用の支持具及びパネル状部材組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124030
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】パネル状部材用の支持具及びパネル状部材組立体
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/10 20140101AFI20230830BHJP
【FI】
H02S20/10 M
H02S20/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027574
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】山田 智康
(57)【要約】
【課題】パネル状部材用の支持具の製造コストの低下を図ることが可能なパネル状部材用の支持具を提供する。
【解決手段】パネル状部材用の支持具20は、第1ユニット30及び第2ユニット40を有する。第1ユニット30及び第2ユニット40は、第1態様及び第2態様で互いに連結可能に構成されている。第2態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40の合計の高さが、第1態様で互いに連結された前記第1ユニット30と第2ユニット40の合計の高さよりも高い。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユニット及び第2ユニットを有し、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、第1態様及び第2態様で互いに連結可能に構成されており、
前記第2態様で互いに連結された前記第1ユニットと前記第2ユニットの合計の高さが、前記第1態様で互いに連結された前記第1ユニットと前記第2ユニットの合計の高さよりも高い、パネル状部材用の支持具。
【請求項2】
前記第1ユニットは、前記パネル状部材の土台側に配置され、
前記第2ユニットは、前記パネル状部材側に配置される、請求項1に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項3】
前記第1ユニットは、前記第1態様において前記パネル状部材の土台の方に向けられる第1面と、前記第2態様において前記パネル状部材の土台の方に向けられる第2面と、を有し、
前記第2ユニットは、前記第1態様において前記パネル状部材を積載可能な第1積載面と、前記第2態様において前記パネル状部材を積載可能な第2積載面と、を有する、請求項1又は2に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項4】
前記第1積載面は、前記第1態様において前記第1面に関して第1傾斜角で傾斜しており、
前記第2積載面は、前記第2態様において前記第2面に関して第2傾斜角で傾斜している、請求項3に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項5】
前記第2傾斜角は前記第1傾斜角と同じである、請求項4に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項6】
前記第2面は、前記第1面と連続的に繋がっており、前記第1面に関して所定の角度を成している、請求項3から5のいずれか1項に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項7】
前記第2積載面は、前記第1積載面と連続的に繋がっており、前記第1積載面に関して所定の角度を成している、請求項3から6のいずれか1項に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項8】
前記第1面は、前記支持具を土台側に固定する第1締結部材を挿通可能な第1孔部を有し、
前記第2面は、前記第1締結部材を挿通可能な第2孔部を有する、請求項3から7のいずれか1項に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項9】
前記第1ユニットは、前記第2ユニットと連結されていない状態において前記第1締結部材にアクセス可能なよう解放された解放部を有し、
前記第2ユニットは、前記第1ユニットの前記解放部を少なくとも部分的に閉じるように前記第1ユニットと連結されるよう構成されている、請求項8に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項10】
前記第1積載面は、前記第1積載面に積載された前記パネル状部材を押圧する締め具に固定される第2締結部材を挿通可能な第10孔部を有し、
前記第2積載面は、前記第2締結部材を挿通可能な第7孔部を有する、請求項3から9のいずれか1項に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項11】
前記第1積載面と前記第2積載面との境界部に外方へ突出した少なくとも1つの突起を有する、請求項3から10のいずれか1項に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項12】
前記第1ユニットは、第3締結部材を挿通可能な複数の孔部を有し、
前記第2ユニットは、前記第3締結部材を挿通可能な複数の孔部を有し、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、前記第1ユニットに設けられた複数の前記孔部から選択された少なくとも1つの孔部と、前記第2ユニットに設けられた複数の前記孔部から選択された少なくとも1つの孔部との組み合わせによって、互いに異なる態様で互いに連結可能に構成されている、請求項1から11のいずれか1項に記載のパネル状部材用の支持具。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の複数のパネル状部材用の支持具と、
複数の前記支持具によって支持されたパネル状部材と、を有する、パネル状部材組立体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル状部材用の支持具及びパネル状部材組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば建造物の屋根や地面等に設置される太陽電池モジュールのようなパネル状部材が知られている。このようなパネル状部材は、設置される屋根や地面に応じた適切な架台によって支持される。
【0003】
特許文献1は、地面に設けられた基礎ブロック上に光電変換モジュールのようなパネル状部材を設置することを開示する。特許文献1では、複数の直立脚部が基礎ブロック上に設けられている。パネル状部材は、複数の直立脚部によって支持されている。複数の直立脚部の高さが異なっている。パネル状部材は、互いに異なる高さを有する複数の直立脚部によって傾斜された状態で設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-157664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、パネル状部材を傾斜させた状態で設置するため、互いに異なる高さを有する複数の直立脚部が用いられている。この場合、複数の直立脚部の形状が互いに異なるため、パネル状部材を支持する部材(支持具)の製造コストが増大し得る。
【0006】
したがって、製造コストの低下を図ることが可能なパネル状部材用の支持具と、それを用いたパネル状部材組立体が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るパネル状部材用の支持具は、第1ユニット及び第2ユニットを有する。前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、第1態様及び第2態様で互いに連結可能に構成されている。前記第2態様で互いに連結された前記第1ユニットと前記第2ユニットの合計の高さが、前記第1態様で互いに連結された前記第1ユニットと前記第2ユニットの合計の高さよりも高い。
【0008】
一態様に係るパネル状部材組立体は、上記の複数のパネル状部材用の支持具と、複数の前記支持具によって支持されたパネル状部材と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、パネル状部材を支持する複数の支持具を構成するユニットを共通化することができ、パネル状部材用の支持具の製造コストの低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態におけるパネル状部材組立体の模式的斜視図である。
図2図1の矢印2A方向から見たパネル状部材組立体の部分的側面図である。
図3図1の矢印3A方向から見たパネル状部材組立体の部分的側面図である。
図4】一実施形態に係る支持具を構成する第1ユニットの模式的斜視図である。
図5図4の矢印5A方向から見た第1ユニットの模式的平面図である。
図6図5の矢印6A方向から見た第1ユニットの模式的平面図である。
図7図5の矢印7A方向から見た第1ユニットの模式的平面図である。
図8】一実施形態に係る支持具を構成する第2ユニットの模式的斜視図である。
図9図8の矢印9A方向から見た第2ユニットの模式的平面図である。
図10図9の矢印10A方向から見た第2ユニットの模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
図1は、一実施形態におけるパネル状部材組立体の模式的斜視図である。図2は、図1の矢印2A方向から見たパネル状部材組立体の部分的側面図である。図3は、図1の矢印3A方向から見たパネル状部材組立体の部分的側面図である。図1では、説明の都合上、いくつかのパネル状部材10は透視的に描かれており、パネル状部材10の裏側の部材が示されている。
【0013】
パネル状部材組立体は、少なくとも1つのパネル状部材10と、パネル状部材10を支える複数の支持具20と、を有していてよい。好ましくは、パネル状部材組立体は、図1に示すように、少なくとも一方向に並んだ複数のパネル状部材10を有していてよい。
【0014】
各々のパネル状部材10は、例えば太陽電池パネルのような光電変換パネルであってよい。パネル状部材10は、パネル12及びフレーム14を有していてよい。パネル状部材10が太陽電池モジュールである場合、パネル12は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換パネルに相当し、フレーム14は光電変換パネルの周囲に設けられた縁に相当する。
【0015】
本実施形態では、一例として、パネル状部材10は、例えば地面や陸屋根のような略平坦な設置部に設置されていてよい。パネル状部材10の土台となる複数の基礎80が、当該設置部に設けられていてよい。複数の基礎80は、互いに間隔を開けて一方向に並んでいてよい。基礎80は、例えばコンクリートのような材料によって構成されていてよい。複数の基礎80は、互いに同じ高さであってよい。
【0016】
アンカーのような第1締結部材82が、基礎80のような土台に取り付けられていてよい。図2及び図3では、第1締結部材82としてアンカーが、基礎80から上方に突出している。第1締結部材82が、支持具20を基礎80に取り付けるために用いられる。
【0017】
支持具20は、基礎80上に設けられていてよい。支持具20は、基礎80とパネル状部材10との間に位置していてよい。支持具20は、パネル状部材10を直接的又は間接的に支持する。
【0018】
支持具20は、第1ユニット30と、第2ユニット40と、を有していてよい。第2ユニット40は、第1ユニット30に連結可能に構成されていてよい。
【0019】
第1実施形態では、第1ユニット30は、土台側、すなわち基礎80側に配置される。具体的には、第1ユニット30は、基礎80に取り付けられていてよい。第1ユニット30は、複数の基礎80に跨って一方向に延びていてよい。図示した形態では、第1ユニット30は、複数の基礎80に当接している。
【0020】
一方、第2ユニット40は、パネル状部材10側に配置される。具体的には、第2ユニット40は、パネル状部材10、好ましくはパネル状部材10のフレーム14に取り付けられる(図2及び図3参照)。図示した形態では、第2ユニット40は、パネル状部材10のフレーム14に当接している。
【0021】
ここで、第1ユニット30及び第2ユニット40は、互いに異なる少なくとも2つの態様、すなわち第1態様及び第2態様で、互いに連結可能に構成されている。具体的には、図2は、第1態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40を示している。また、図3は、第2態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40を示している。図2に示された第1ユニット30と第2ユニット40のそれぞれは、図3に示された第1ユニット30と第2ユニット40と同じものである。
【0022】
支持具20全体、すなわち第1ユニット30と第2ユニット40の組み合わせの形状は、第1ユニット30と第2ユニット40の連結の態様の違いにより、第1態様と第2態様とで互いに異なっている。具体的には、第2態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40の合計の高さが、第1態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40の合計の高さよりも高い。
【0023】
複数の支持具20のうちの1つは、第1態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40とを含み、複数の支持具20のうちの別の1つは、第2態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40とを含む。これにより、複数の支持具20は、傾斜した状態でパネル状部材10を支持することができる。この場合であっても、支持具20を構成するユニットを共通化することができ、パネル状部材用の支持具20の製造コストの低下を図ることができる。
【0024】
以下、支持具20と、支持具20を構成する第1ユニット30及び第2ユニット40の構成について、図2図10を用いて詳細に説明する。図4は、一実施形態に係る支持具を構成する第1ユニットの模式的斜視図である。図5は、図4の矢印5A方向から見た第1ユニットの模式的平面図である。図6は、図5の矢印6A方向から見た第1ユニットの模式的平面図である。図7は、図5の矢印7A方向から見た第1ユニットの模式的平面図である。図8は、一実施形態に係る支持具を構成する第2ユニットの模式的斜視図である。図9は、図8の矢印9A方向から見た第2ユニットの模式的平面図である。図10は、図9の矢印10A方向から見た第2ユニットの模式的平面図である。ここで、図5及び図9では、説明の都合上、見えない位置にある各種の孔部が点線にて示されている。
【0025】
第1ユニット30は、第1ユニット30の延在方向から見て、略C字形の形状を有していてよい(図5参照)。図示した態様では、第1ユニット30は、第1面31と、第2面32と、第3面33と、第4面34と、を有する。
【0026】
第2面32は、第1面31と連続的に繋がっており、第1面31に関して所定の角度を成している。第3面33は、第2面32と連続的に繋がっており、第2面32に関して所定の角度を成している。第4面34は、第1面31と連続的に繋がっており、第1面31に関して所定の角度を成している。第4面34は、第1面31と対向している。第1面31、第2面32、第3面33及び第4面34は、連続的に繋がった一体的形状によって構成されていてよい。これにより、第1ユニット30は、曲げ加工により容易に製造することができる。
【0027】
図5において、第1面31と第2面32との間の成す角度θ1は、実質的に90°であることが好ましい。また、図5において、第2面32と第3面33との間の成す角度θ2は、90°より大きいことが好ましい。具体的には、角度θ2は、90°より大きく、100°以下であることが好ましい。さらに、図5において、第1面31と第4面34との間の成す角度θ3は、実質的に90°であることが好ましい。
【0028】
第1ユニット30の第1面31は、第1態様においてパネル状部材10の土台の方に向けられる(図2参照)。図2では、第1面31は、土台としての基礎80に当接する。第1ユニット30の第2面32は、第2態様においてパネル状部材10の土台の方に向けられる(図3参照)。図3では、第2面32は、土台としての基礎80に当接する。
【0029】
第1ユニット30の第1面31は、支持具20を土台側に固定する第1締結部材82を挿通可能な第1孔部38を有する。同様に、第1ユニット30の第2面32は、第1締結部材82を挿通可能な第2孔部39を有する。図2及び図3で示した例では、第1孔部38及び第2孔部39は、第1締結部材82としてのアンカーを挿通可能に構成されている。第1孔部38及び第2孔部39に挿通された第1締結部材82には、例えばアンカーボルトのような不図示のボルトが取り付けられる。
【0030】
上記構成により、第1ユニット30は、第1面31を基礎80に当接させた状態(第1態様)と、第2面32を基礎80に当接させた状態(第2態様)の両方で、基礎80上に設置することができる。
【0031】
図示した形態では、第1ユニット30の第2面32及び第4面34は、第1面31を基礎80に当接させた第1態様において、基礎80から上方に直立する(図2参照)。一方、第1ユニット30の第3面33は、当該第1態様において、第1面31の上方に位置し、第1面31に関して所定の角度、例えば10°以下の角度で傾斜した状態になる。
【0032】
一方、第1ユニット30の第1面31及び第3面33は、第2面32を基礎80に当接させた第2態様において、基礎80から上方に延びる(図3参照)。一方、第1ユニット30の第4面34は、当該第2態様において、第2面32の上方に位置する。
【0033】
第1ユニット30は、第1ユニット30と第2ユニット40を互いに締結する第3締結部材60を挿通可能な複数の孔部(第3孔部35、第4孔部36及び第5孔部37)を有する。第3締結部材60は、例えばボルトやナットのような部材によって構成されていてよい。
【0034】
図示した形態では、第3孔部35は、第1ユニット30の第3面33に設けられている。第4孔部36は、第1ユニット30の第4面34に設けられている。また、第5孔部37は、第1ユニット30の第1面31に設けられている。
【0035】
第2ユニット40は、第1ユニット30の延在方向と同じ方向から見て、略C字形の形状を有していてよい(図9参照)。第2ユニット40は、第1態様(図2)においてパネル状部材10を積載可能な第1積載面41と、第2態様(図3)においてパネル状部材10を積載可能な第2積載面42と、を有していてよい。図示した態様では、第1積載面41及び第2積載面42は、それぞれ第1態様及び第2態様において、パネル状部材10のフレーム14に当接する。
【0036】
第1積載面41は、第2積載面42と連続的に繋がっており、第2積載面42に関して所定の角度を成している。図9において、第1積載面41と第2積載面42との間の成す角度θ4は、90°未満であることが好ましい。具体的には、角度θ4は、80°以上、90°未満であることが好ましい。
【0037】
また、第2ユニット40は、第2積載面42から連続して延び、かつ第2積載面42に関して所定の角度で曲げられた突出部44を有していてよい。突出部44と第2積載面42との間の成す角度θ5は、実質的に90°であってよい。
【0038】
また、第2ユニット40の突出部44は、微小角度で曲げられた折り曲げ部44aを有していてよい。折り曲げ部44aにおける突出部44の角度θ7は、例えば170°以上、180°未満であってよい。
【0039】
第1積載面41は、微小角度で曲げられた折り曲げ部41aを有していてよい。折り曲げ部41aにおける第1積載面41の角度θ6は、例えば170°以上、180°未満であってよい。なお、角度θ6は、角度θ7と同一であることが好ましい。
【0040】
第2ユニット40の第1積載面41、第2積載面42及び突出部44は、連続的に繋がった一体的形状によって構成されていてよい。これにより、第2ユニット40は、曲げ加工により容易に製造することができる。
【0041】
第2ユニット40は、第1ユニット30と第2ユニット40を互いに締結する第3締結部材60を挿通可能な複数の孔部(第6孔部45、第7孔部46、第8孔部47及び第9孔部48)を有する。
【0042】
図示した態様では、第6孔部45及び第9孔部48は、第2ユニット40の第1積載面41に設けられている。第9孔部48は、第2ユニット40の第1積載面41の先端付近に設けられている。第6孔部45は、折り曲げ部41aを挟んで第9孔部48とは反対側に設けられている。第7孔部46は、第2積載面42に設けられている。第8孔部47は、第2ユニット40の突出部44に設けられている。
【0043】
図2で示す第1態様において、第2ユニット40の第1積載面41が第1ユニット30の第3面33に当接し、第2ユニット40の第2積載面42が第1ユニット30の第4面34に当接する。当該第1態様において、第2ユニット40の第7孔部46が、第1ユニット30の第4孔部36に位置合わせされる。さらに、当該第1態様において、第2ユニット40の第6孔部45が、第1ユニット30の第3孔部35に位置合わせされる。したがって、複数の第3締結部材60のうちの1つが、第2ユニット40の第7孔部46と第1ユニット30の第4孔部36を挿通している。また、複数の第3締結部材60のうちの別の1つが、第2ユニット40の第6孔部45と第1ユニット30の第3孔部35を挿通している。これにより、第1ユニット30と第2ユニット40が、第3締結部材60によって互いに連結される。
【0044】
第2ユニット40の第1積載面41は、第1態様において第1ユニット30の第1面31に関して第1傾斜角で傾斜していることが好ましい。図2では、第1ユニット30の第3面33が第1面31に関して傾斜しており、第2ユニット40の第1積載面41が第1面31に当接している。これにより、第2ユニット40の第1積載面41が、第1ユニット30の第1面31に関して傾斜する(図2参照)。これにより、パネル状部材10は第1態様において傾斜された状態で支持され得る。
【0045】
図3で示す第2態様において、第2ユニット40の突出部44が第1ユニット30の第1面31に当接し、第2ユニット40の第1積載面41が第1ユニット30の第3面33に当接する。当該第2態様において、第2ユニット40の第8孔部47が、第1ユニット30の第5孔部37に位置合わせされる。さらに、当該第2態様において、第2ユニット40の第9孔部48が、第1ユニット30の第3孔部35に位置合わせされる。したがって、複数の第3締結部材60のうちの1つが、第2ユニット40の第8孔部47と第1ユニット30の第5孔部37を挿通している。また、複数の第3締結部材60のうちの別の1つが、第2ユニット40の第9孔部48と第1ユニット30の第3孔部35を挿通している。これにより、第1ユニット30と第2ユニット40が、第3締結部材60によって互いに連結される。
【0046】
第2ユニット40の第2積載面42は、第2態様(図3)において第1ユニット30の第2面32に関して第2傾斜角で傾斜していることが好ましい。図3では、第1ユニット30の第3面33に当接する第2ユニット40の第1積載面41が、折り曲げ部41aのところで曲げられて、実質的に直立している。第2ユニット40の第2積載面42は、前述したように第1積載面41に対して90°未満の角度で傾斜している。これにより、第2ユニット40の第2積載面42が、第1ユニット30の第2面32に関して傾斜する(図3参照)。これにより、パネル状部材10は第1態様において傾斜された状態で支持され得る。
【0047】
第2態様における第2積載面42と第2面32との間の成す第2傾斜角は、第1態様における第1積載面41と第1面31との間の成す第1傾斜角と同じであることが好ましい。これにより、図2及び図3に示すように、同一のパネル状部材10を傾斜した状態で支持し易くなる。
【0048】
前述したように、第1ユニット30及び第2ユニット40は、第1ユニット30に設けられた複数の孔部35,36,37から選択された少なくとも1つ、好ましくは2つの孔部と、第2ユニット40に設けられた複数の孔部45,46,47,48から選択された少なくとも1つ、好ましくは2つの孔部との組み合わせによって、互いに異なる態様(第1態様及び第2態様)で互いに連結可能に構成されている。この場合、第2態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40の合計の高さH2が、第1態様で互いに連結された第1ユニット30と第2ユニット40の合計の高さH1よりも高くなるよう、第1ユニット30と第2ユニット40の各部分の長さ等が設定されている。
【0049】
上記態様では、第1ユニット30の第3孔部35は、第1態様と第2態様の両方において第2ユニット40に連結されるために利用される。すなわち、第1ユニット30の第3孔部35は、複数の態様において共通して利用される。これにより、第1ユニット30に形成される孔部の数の削減を図ることができる。この代わりに、第1ユニット30は、第1態様と第2態様において別々の孔部が使用されるよう構成されていてもよい。
【0050】
第1ユニット30は、第2ユニット40と連結されていない状態において第1締結部材82にアクセス可能なよう解放された解放部58を有していてよい。解放部58は、第1ユニット30の略C字形状の開口部分によって構成されていてよい。第2ユニット40は、第1ユニットの解放部58を少なくとも部分的に閉じるように第1ユニット30と連結されるよう構成されている。第1態様(図2)では、第2ユニット40の第1積載面41が、第1ユニットの解放部58を閉じている。第2態様(図3)では、第2ユニット40全体が、第1ユニットの解放部58を閉じている。
【0051】
パネル状部材組立体は、支持具20上に支持されたパネル状部材10のフレーム14を、支持具20の方へ向けて押圧する締め具70を有していてよい。締め具70は、パネル状部材10のフレーム14を上方から下方へ押圧するフランジ72と、第1積載面41や第2積載面42と当接する当接部74と、を有していてよい。当接部74は、支持具20と連結するための第2締結部材76を挿通する不図示の孔部を有していてよい。
【0052】
第2ユニット40の第1積載面41は、第1積載面41に積載されたパネル状部材10を押圧する締め具70に固定される第2締結部材76を挿通可能な第10孔部49を有していてよい。同様に、第2ユニット40の第2積載面42は、第2締結部材76を挿通可能な第7孔部46を有していてよい。第2締結部材76は、第1態様において第10孔部49に挿通され、第2態様において第7孔部46に挿通される。これにより、締め具70は、第2ユニット40に連結される。この場合に、パネル状部材10のフレーム14は、第1積載面41又は第2積載面42と、締め具70のフランジ72との間に挟まれる。
【0053】
前述した態様では、第2ユニット40の第7孔部46は、締め具70を締結するための第2締結部材76の挿通と、第1ユニット30と連結するための第3締結部材60の挿通の両方に利用される。すなわち、第2ユニット40の第7孔部46は、複数の態様において共通して利用される。これにより、第2ユニット40に形成される孔部の数の削減を図ることができる。この代わりに、第2ユニット40は、第1ユニット30との連結と締め具70の締結とに対応した別々の孔部を有していてもよい。
【0054】
第2ユニット40は、第1積載面41と第2積載面42との境界部に外方へ突出した少なくとも1つの第1突起50を有していてよい。第1突起50は、傾斜したパネル状部材10の最上部側のフレーム14の内側に位置し、当該最上部側のフレーム14に干渉していてよい。これにより、傾斜したパネル状部材10が重力等により下方側(傾斜方向の下側)へ落ちてしまうことを抑制することができる。
【0055】
第1突起50は、第1積載面41と第2積載面42との境界部で外方へ突出しているため、前述した第1態様と第2態様のいずれにおいても、傾斜したパネル状部材10の最上部側のフレーム14の内側に干渉することができる。
【0056】
また、第2ユニット40は、第1積載面41と第2積載面42のうちの少なくとも一方に、外方へ突出した少なくとも1つの第2突起52を有していてよい。図9では、第2突起52は、第1積載面41に形成されている。
【0057】
第1積載面41と第2積載面42のうちの少なくとも一方に形成された第2突起52は、当該積載面に積載されたパネル状部材10のフレーム14に強く当接する。これにより、第2ユニット40は、当該フレーム14とより確実に電気的に導通される。フレーム14と第2ユニット40の導通は、アースとしての機能を担う。
【0058】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0059】
10 パネル状部材
20 支持具
30 第1ユニット
40 第2ユニット
60 第3締結部材
70 押圧具
76 第2締結部材
82 第1締結部材

図1
図2
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図9
図10