IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本メクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-部品実装基板 図1
  • 特開-部品実装基板 図2
  • 特開-部品実装基板 図3
  • 特開-部品実装基板 図4
  • 特開-部品実装基板 図5
  • 特開-部品実装基板 図6
  • 特開-部品実装基板 図7
  • 特開-部品実装基板 図8
  • 特開-部品実装基板 図9
  • 特開-部品実装基板 図10
  • 特開-部品実装基板 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124034
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】部品実装基板
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20230830BHJP
   G01N 27/06 20060101ALI20230830BHJP
   A61F 13/42 20060101ALN20230830BHJP
   A61F 5/44 20060101ALN20230830BHJP
【FI】
G01N27/00 H
G01N27/06 A
A61F13/42 F
A61F5/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027579
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】富永 梓己
【テーマコード(参考)】
2G060
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
2G060AA05
2G060AA07
2G060AE11
2G060AE12
2G060AF07
2G060AG02
2G060AG03
2G060AG06
2G060AG11
2G060JA06
2G060KA05
3B200AA01
3B200CA02
3B200DF04
4C098AA09
4C098CD09
4C098CE06
(57)【要約】
【課題】部品実装基板が液体に浸った旨をより確実に検知することが可能な構造の部品実装基板を提供する。
【解決手段】部品実装基板100は、シート状の濡れ検出センサ部90を備え、濡れ検出センサ部90は、基材11と、基材11上に形成されている第1導電パターン30と、第1導電パターン30に対して電気的に接続されている実装部品50と、を有する基板10と、第1導電パターン30と相補的に回路60を構成している第2導電パターン40と、を備え、基材11において第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部12となっており、吸水膨張材70を更に備え、吸水膨張材70が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材70が基材11又は第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の濡れ検出センサ部を備える部品実装基板であって、
前記濡れ検出センサ部は、
基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に回路を構成している第2導電パターンと、
を備え、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
当該部品実装基板は、吸水膨張材を更に備え、
前記吸水膨張材が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材が前記基材又は前記第2導電パターンを当該基材の面直方向に押圧して前記第2導電パターンを破断させる部品実装基板。
【請求項2】
前記吸水膨張材は、前記基材の一部分を押圧して、当該基材において前記欠落部を間に挟む2つの部分同士を相対変位させる請求項1に記載の部品実装基板。
【請求項3】
前記欠落部は、前記基材の面方向に沿って互いに並列に延在する第1延在部及び第2延在部を含み、
前記吸水膨張材は、前記基材において前記第1延在部と前記第2延在部との間に位置する部位と対応する位置に配置されており、当該基材の当該部位を押圧する請求項2に記載の部品実装基板。
【請求項4】
前記欠落部は、前記第1延在部の延在方向における中間部から前記第2延在部の延在方向における中間部に亘って延在している第3延在部を含む請求項3に記載の部品実装基板。
【請求項5】
前記吸水膨張材は、前記第2導電パターンと対応する位置に配置されており、前記欠落部において前記第2導電パターンを押圧する請求項1に記載の部品実装基板。
【請求項6】
前記吸水膨張材は、第1方向における膨張率が、前記第1方向に対して直交する第2方向における膨張率よりも大きく、前記第1方向が前記基材の面直方向と一致するように配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【請求項7】
前記吸水膨張材は、シート状に形成されており、
前記第1方向は、当該吸水膨張材の厚み方向である請求項6に記載の部品実装基板。
【請求項8】
前記吸水膨張材を間に挟んで前記濡れ検出センサ部とは反対側に配置されている導水シートを備える請求項1から7のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1基板と、第1基板によって支持される同調無線周波数回路と、を備える部品実装基板(同文献のセンサ)について記載されており、同調無線周波数回路は、すべて第1基板の同じ側に配設された第1導電性パターンと第1コンデンサとジャンパーとを有する。第1コンデンサは、第1コンデンサ板と、第2コンデンサ板と、第1コンデンサ板と第2コンデンサ板との間に配置された第1誘電材料を含み、第1誘電材料は、液体に対して可溶である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-529732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者の検討によれば、特許文献1の部品実装基板は、部品実装基板が液体に浸った旨の検知の確実性について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、部品実装基板が液体に浸った旨をより確実に検知することが可能な構造の部品実装基板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、シート状の濡れ検出センサ部を備える部品実装基板であって、
前記濡れ検出センサ部は、
基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に回路を構成している第2導電パターンと、
を備え、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
当該部品実装基板は、吸水膨張材を更に備え、
前記吸水膨張材が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材が前記基材又は前記第2導電パターンを当該基材の面直方向に押圧して前記第2導電パターンを破断させる部品実装基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、部品実装基板が液体に浸った旨をより確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る部品実装基板の端面図であり、濡れ検出センサ部及びその周辺構造を示す。
図2】第1実施形態に係る部品実装基板の分解端面図であり、濡れ検出センサ部及びその周辺構造を示す。
図3】第1実施形態に係る部品実装基板の端面図であり、濡れ検出センサ部及びその周辺構造を示す。
図4】第1実施形態に係る部品実装基板の平面図である。
図5図4に示すD部の部分拡大図である。
図6】第1実施形態に係る部品実装基板の平面図であり、吸水膨張材を選択的に実線で示す。
図7】第1実施形態における基板10の平面図である。
図8図4に示すA-A線に沿った端面図であり、吸水膨張材が膨張した状態を示す。
図9図4に示すC-C線に沿った端面図であり、吸水膨張材が膨張した状態を示す。
図10】第1実施形態に係る部品実装基板を備える紙オムツの模式的な展開図である。
図11】第2実施形態に係る部品実装基板の端面図であり、濡れ検出センサ部及びその周辺構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図10を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。図1図4に示すA-A線に沿った切断端面を示しており、図2図1と対応する部位の分解端面図である。また、図3図4に示すB-B線に沿った切断端面を示している。
【0010】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る部品実装基板100は、シート状の濡れ検出センサ部90を備える。
濡れ検出センサ部90は、基材11と、基材11上に形成されている第1導電パターン30と、第1導電パターン30に対して電気的に接続されている実装部品50と、を有する基板10と、第1導電パターン30と相補的に回路60を構成している第2導電パターン40と、を備えている。
図4に示すように、基材11において第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部12となっている。
部品実装基板100は、吸水膨張材70を更に備え、吸水膨張材70が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材70が基材11又は第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる。
ここで、基材11において第2導電パターン40と対応する部位とは、平面視において部品実装基板100の面直方向に視たときに、第2導電パターン40と対応する(重なる)部位である。
【0011】
本実施形態によれば、部品実装基板100は、吸水により膨張する吸水膨張材70を備え、膨張した当該吸水膨張材70は、基材11又は第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧する。
これにより、第2導電パターン40に対して外力が加わるので、第2導電パターン40が破断する。回路60の特性の変化(主として回路60としての機能消失)を検出することによって、間接的に、第2導電パターン40における破断の発生を検出することで、部品実装基板100が液体に浸ったことを検知することができる。
更には、基材11において第2導電パターン40と対応する部位が欠落部12となっている、すなわち第2導電パターン40における一部分が基材11によって保護されていない構成となるので、より確実に吸水膨張材70によって第2導電パターン40を破断することができる。しかも、欠落部12を介して吸水膨張材70に液体を十分に供給することができるので、当該吸水膨張材70は十分に吸水し膨張することができる。
このように、本実施形態によれば、部品実装基板100が液体に浸った旨をより確実に検知することが可能となる。
【0012】
部品実装基板100は、例えば、シート状に形成されている積層体である。部品実装基板100の平面形状は、特に限定されないが、一例として、図3に示すように略矩形状(例えば角丸の矩形状)とすることができる。
本実施形態の場合、実装部品50は、一例として、RFID用途のチップ(一般的にはICチップとも呼ばれる)であり、部品実装基板100は、RFIDタグである。
【0013】
以下では、部品実装基板100の各構成要素同士の位置関係などを説明するに際し、図1における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。また、上下方向に対して直交する方向を水平方向などと称する。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、部品実装基板100の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、図1図3における左右方向をX方向と称し、図3における上下方向をY方向と称する。X方向及びY方向は、部品実装基板100の面方向に対して平行な方向(水平方向)であり、図1における上下方向(部品実装基板100の面直方向)に対して直交している。
【0014】
図1から図3に示すように、濡れ検出センサ部90は、基材11に対して対向して配置されているとともに、液体に対して可溶であるか、もしくは液体に濡れて脆弱化する可溶層21を更に備えている。可溶層21は、例えば、第2導電パターン40の一部分を保持している。
このような構成によれば、第2導電パターン40を保持している可溶層21が液体との十分な接触により溶解するので、膨張した吸水膨張材70によって基材11又は第2導電パターン40が基材11の面直方向に押圧されることにより、当該第2導電パターン40が容易に破断するようにできる。すなわち、より確実に、部品実装基板100が液体に浸ったことを検知することができる。
【0015】
図1及び図2に示すように、濡れ検出センサ部90において、基材11の一方の面11a上に第1導電パターン30が直に積層されており、第1導電パターン30上に第2導電パターン40が直に積層されている。また、基材11は、可溶層21上に直に積層されている。
【0016】
図4及び図6に示すように、本実施形態の場合、欠落部12は、平面視略H字状に形成されている。
より詳細には、欠落部12は、例えば、基材11の面方向に沿って互いに並列に延在する第1延在部13a及び第2延在部13bと、第1延在部13aの延在方向における中間部から第2延在部13bの延在方向における中間部に亘って延在している第3延在部14と、を含む。
第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、互いに同一形状に配置されており、左右対称に配置されている。より詳細には、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、例えば、Y方向に長尺な略矩形状(例えば角丸の矩形状)に形成されている。
第3延在部14は、例えば、X方向に延在している。第3延在部14の長手方向における一端部は、第1延在部13aの延在方向における中間部と接続されており、他端部は、第2延在部13bの延在方向における中間部と接続されている。
ただし、欠落部12の形状は、上述の例に限定されない。
欠落部12は、基材11に形成されている開口孔である。すなわち、欠落部12は、基材11の表裏を貫通している。各欠落部12の存在領域においては、第1導電パターン30は非形成となっている。各欠落部12は、スリット状であってもよい。
【0017】
本実施形態の場合、第1導電パターン30は、一例として、それぞれ以下に説明するアンテナ配線部と部品実装配線部とを有する。
【0018】
アンテナ配線部は、図4において左側に位置する第1アンテナ配線部と、右側に位置する第2アンテナ配線部と、を有する。第1アンテナ配線部は、例えば、広幅部31aと、広幅部31aよりも細幅に形成されていてX方向に延在している細幅部32aと、を有する。
広幅部31aは、例えば、平面視において、平面視略矩形状の第1部分と、当該第1部分の左側縁部の上端からY方向における一方(図4における上方)に延出し、更にX方向における一方(図4における右方)に延出している第2部分と、を含む。
細幅部32aは、例えば、平面視において、当該細幅部32aの長手方向における中間部がY方向に折れ曲がった形状に形成されている。
より詳細には、細幅部32aの長手方向における左端部及び右端部の各々は、X方向に延在している一方で、当該長手方向における中間部は、例えば、左端部の右端から右端部の左端に向けてY方向に延在している。
細幅部32aの左端は広幅部31aと接続されており、細幅部32aの右端は部品実装配線部と接続されている。第2アンテナ配線部は、例えば、第1アンテナ配線部と左右対称に形成されており、広幅部31bと細幅部32bとを有する。細幅部32bの右端は広幅部31bと接続されており、細幅部32bの左端は部品実装配線部と接続されている。
【0019】
部品実装配線部は、それぞれ以下に説明する環状パターン構成部34a、36a、37a、38a、39a、34b、36b、37b、38b及び39bと、連結部36と、を有する。
環状パターン構成部39aは、細幅部32aの右端に接続されていて、細幅部32aの右端からY方向における一方(図4における上方)に向けて上り傾斜している。環状パターン構成部38aは、環状パターン構成部39aの一端からY方向における一方(図4における上方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部37aは、環状パターン構成部38aの一端から右方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部34aは、左側の第1延在部13aを間に挟んで環状パターン構成部37aの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部39bは、細幅部32bの左端に接続されていて、細幅部32bの左端からY方向における一方(図4における上方)に向けて上り傾斜している。環状パターン構成部38bは、環状パターン構成部39bの一端からY方向における一方(図4における上方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部37bは、環状パターン構成部38bの一端から左方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部34bは、右側の第2延在部13bを間に挟んで環状パターン構成部37bの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとは、互いに延長上に配置されている。
連結部36は、X方向に延在している。より詳細には、連結部36の左端は、左側の第1延在部13aを間に挟んで環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部の延長上に配置されており、連結部35の右端は、右側の第2延在部13bを間に挟んで環状パターン構成部39bと細幅部32bとの境界部の延長上に配置されている。
【0020】
可溶層21は、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)を含んで構成されている。可溶層21がPVAを含んで構成されていることによって、部品実装基板100が水分と接触すると可溶層21が良好に溶解する構造を実現することができる。
ただし、可溶層21が水溶性である場合に、可溶層21の材料は、PVAに限らず、例えば、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、又は水溶性の紙素材、でんぷん成分を由来とするシート素材などであってもよい。
更に、本実施形態の場合、可溶層21は、ホットメルト特性を有する樹脂を含有しており、基材11に対してホットメルト接合される。つまり、可溶層21は、基材11に対して融着接合される。
ただし、本発明はこの例に限定されず、可溶層21は、例えば、水溶性の粘着剤(不図示)によって、基材11に対して接合されてもよい。
【0021】
図5に示すように、部品実装基板100は、第2導電パターン40として、例えば、それぞれX方向に延在するブリッジ部41a、41b及び42を有する。すなわち、部品実装基板100は、例えば、複数の第2導電パターン40を有する。
図3に示すように、ブリッジ部41aは、環状パターン構成部37aの右端部と環状パターン構成部34aの左端部とを相互に接続している。ブリッジ部41bは、環状パターン構成部37bの左端部と環状パターン構成部34bの右端部とを相互に接続している。これにより、環状パターン構成部37a、ブリッジ部41a、環状パターン構成部34a、環状パターン構成部34b、ブリッジ部41b及び環状パターン構成部37bによって、第1アンテナ配線部と第2アンテナ配線部とが相互に接続されている。
ブリッジ部42は、環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部と、環状パターン構成部39bと細幅部32bとを相互に接続しているとともに、連結部36に沿って延在している。
これにより、環状パターン構成部37a、環状パターン構成部37a、ブリッジ部41a、環状パターン構成部34a、環状パターン構成部34b、ブリッジ部41b、環状パターン構成部37b、環状パターン構成部38b、環状パターン構成部39b、ブリッジ部42及び環状パターン構成部39bによって、環状の環状パターンが構成されている。環状パターンは、例えば、平面視において、略環状に形成されている。環状パターンは、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとの間で不連続となっている。すなわち、環状パターンは、開口部を有する形状(開環状の形状)となっている。そして、図1及び図5等に示すように、実装部品50は、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとの間に跨がって配置されている。
【0022】
ここで、ブリッジ部41aは、左側の第1延在部13aを跨いで配置されており、ブリッジ部41b、左側の第2延在部13bを跨いで配置されている。
図1に示すように、ブリッジ部41aは、環状パターン構成部38aと環状パターン構成部34aとの間に架設されて、環状パターン構成部38aと環状パターン構成部34aとを相互に電気的に接続している。同様に、ブリッジ部41bは、環状パターン構成部38bと環状パターン構成部34bとの間に架設されて、環状パターン構成部38bと環状パターン構成部34bとを相互に電気的に接続している。
ブリッジ部42は、左側の第1延在部13aと右側の第2延在部13bとに亘って架設されている。より詳細には、ブリッジ部42の左端部は、左側の第1延在部13aを跨いで配置されており、ブリッジ部42の右端部は、右側の第2延在部13bを跨いで配置されている。
ブリッジ部42の左端部は、環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部と、連結部36の左端と、を相互に電気的に接続しており、ブリッジ部42の右端部は、環状パターン構成部39bと細幅部32bとの境界部と、連結部36の右端と、を相互に電気的に接続している。
【0023】
このように、第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b、42の各々)は、欠落部12を跨いで配置されているとともに、第1導電パターン30における第1部分と、第1導電パターン30において欠落部12を間に挟んで第1部分とは離間している部分である第2部分と、の間に架設されて、第1部分と第2部分とを相互に電気的に接続している。すなわち、第2導電パターン40の各々は、ブリッジ配線となっている。第2導電パターン40は、側面視において、欠落部12の周囲縁部の一部分と、欠落部12の内周面の一部分と、可溶層21の一方の面21aにおける欠落部12と対応する部分と、欠落部12の周縁部の他の部分と、に亘って延在している。
【0024】
なお、部品実装基板100は、第2導電パターン40として、上記のブリッジ部41a~4以外2の部分を有していてもよいが、ブリッジ部41a~42は、回路60を構成する配線部である。
すなわち、第2導電パターン40において欠落部12と対応する部位(ブリッジ部41a~42)は、回路60を構成する配線部であり、電極等ではない。
【0025】
第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b及び42の各々)は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(環状パターン構成部34a、34b、37a、37b、39a、39b)よりも太幅に形成されていることが好ましい。このようにすることによって、基板10と可溶層21とを位置合わせして基板10と可溶層21とを相互に組み付けるとともに、第2導電パターン40と第1導電パターン30とを相互に電気的に接続する際に、基板10と可溶層21とが面方向において相対的にわずかに位置ずれしても、第2導電パターン40を第1導電パターン30に対して適切に位置合わせして接続することができる。なお、第1導電パターン30が例えば金属箔に由来するパターンであり、そのインピーダンスが低く仕上がっている場合に、第2導電パターン40が印刷により形成された塗膜であると、第2導電パターン40のインピーダンスが上記金属箔によるパターンのインピーダンスよりも高い数値になってしまうことが予想されるが、上述のように第2導電パターン40を第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位よりも太幅に形成しておくことで、第1導電パターン30と第2導電パターン40のそれぞれのインピーダンスを低い状態で整合できるといった点でも有利となる。
ただし、第2導電パターン40は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位と同幅に形成されていてもよいし、当該部位よりも細幅に形成されていてもよい。
【0026】
各第2導電パターン40の長さは、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(環状パターン構成部34a、34b、37a、37b、39a、39b、37a、37b、39a、39b、細幅部32a、32b、連結部36)の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
特に、各第2導電パターン40において第1導電パターン30間(第1部分と第2部分との間)に架設されている部分の長さ(架設長)が、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
【0027】
本実施形態の場合、第2導電パターン40は、液体に対して不溶である。
第2導電パターン40は、例えば、印刷により形成された塗膜、又は、金属箔である。
より詳細には、第2導電パターン40は、例えば、銀パターンである。
第2導電パターン40の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、10μm以上50μm以下であることが好ましい。第2導電パターン40の厚み寸法が10μm以上であることにより、部品実装基板100が液体と接触する前の段階においては、回路60の安定的な特性を得ることができる。第2導電パターン40の厚み寸法が50μm以下であることにより、部品実装基板100が液体と接触した際に、第2導電パターン40が容易に破断するようにできる。
【0028】
ただし、本発明は上記の例に限定されず、例えば、第2導電パターン40は、液体に対して可溶であってもよい。
この場合、第2導電パターン40が液体との十分な接触により溶解又は脆弱化し、破断することによって、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。これにより、部品実装基板100が液体に浸ったことを検出することができる。
【0029】
本実施形態の場合、回路60の複数箇所にブリッジ配線としての第2導電パターン40が配置されているので、部品実装基板100が液体に接触した際に、いずれかの第2導電パターン40が破断する可能性を高めることができる。
【0030】
本実施形態の場合、基材11は液体に対して不溶である。このため、保管時等に部品実装基板100が意図せず液体に接触した際においても、基材11が溶解することに起因して第1導電パターン30が破断したり第1導電パターン30に亀裂が生じたりして回路60の特性が変化してしまうことを抑制できる。
液体に対して不溶の基材11は、例えば、紙又は樹脂フィルムにより構成することができる。この樹脂フィルムを構成する樹脂材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルであることが挙げられる。
ただし、本発明は、この例に限らず、基材11が液体に対して可溶であってもよい。
基材11の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、10μm以上100μm以下であることが好ましい。基材11の厚み寸法が10μm以上であることにより、基材11によって第1導電パターン30を安定的に支持することができるとともに、部品実装基板100の構造的強度を十分に得ることができる。
基材11の厚み寸法が100μm以下であることにより、部品実装基板100の良好な可撓性が得られる。
【0031】
本実施形態の場合、第1導電パターン30も液体に対して不溶である。このため、保管時等に部品実装基板100が意図せず液体に接触した際においても、第1導電パターン30が溶解することに起因して回路60の特性が変化してしまうことを抑制できる。特に、回路60の過半部が、液体に対して不溶の第1導電パターン30により構成されていることが好ましい。
ただし、本発明は、この例に限らず、第1導電パターン30が液体に対して可溶であってもよい。
第1導電パターン30は、例えば、印刷により形成された塗膜、又は、金属箔である。
第1導電パターン30は、例えば、導電性フィラーと、熱可塑性樹脂を含有するバインダーと、を含んで構成された塗膜である。導電性フィラーは、例えば、金、銀、銅又はカーボン等によって構成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
金属箔の第1導電パターン30は、例えば、打抜き加工又はエッチングにより形成することができる。
第1導電パターン30の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0032】
なお、基板10(基材11)の外形形状と、可溶層21の外形形状は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。本実施形態の場合、例えば、平面視において、基板10(基材11)はX方向に長尺な略矩形状に形成されており、可溶層21は、例えば、基板10(基材11)よりも外形寸法が小さい略矩形状に形成されている。
より詳細には、平面視において、可溶層21は、基板10(基材11)における欠落部12と対応する部位に配置されており、欠落部12の全体は、可溶層21の外形線の内側に収まっている。更には、平面視において、第2導電パターン40の全体と、部品実装配線部(環状パターン構成部34a、36a、37a、38a、39a、34b、36b、37b、38b及び39bと、連結部36)と、が可溶層21の外形線の内側に収まっている。
【0033】
詳細な図示は省略するが、実装部品50は、例えば、素子を樹脂モールドすることにより構成された部品本体と、部品本体の下面に沿って設けられている実装端子と、を備えており、素子と実装端子とが樹脂モールドの内部において相互に電気的に接続されている。
実装部品50が備える実装端子の数は、特に限定されないが、本実施形態の場合、実装部品50は、2つの実装端子を備えており、各実装端子が、それぞれ第1導電パターン30に対して電気的に接続されている。より詳細には、実装部品50の一方の実装端子は、環状パターン構成部34aの右端部に対して電気的に接続されており、実装部品50の他方の実装端子は、環状パターン構成部34bの左端部に対して電気的に接続されている。すなわち、実装部品50は、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとに跨がって配置されている。
このように、実装部品50は部品実装配線部に実装されている。
【0034】
アンテナ配線部は、例えば、図示しない外部機器(例えば、RFIDリーダライタ)との間で信号の送受信を行う。アンテナ配線部が外部機器から受信した信号あるいは電波が実装部品50に入力される。実装部品50は、部品実装配線部及びアンテナ配線部を介して、外部機器に信号を送信する。なお、部品実装配線部の一部分又は全体も、アンテナ配線部との協働でアンテナとしての機能を担う場合もあり得る。
実装部品50は、例えば、外部機器からアンテナ配線部を介して励起された電力によって動作するパッシブ型である。
【0035】
本実施形態の場合、部品実装基板100が液体と接触することに起因して第2導電パターン40が破断する(詳細後述)ことによって、部品実装基板100の通信機能が消失又は劣化する。当該通信機能の消失又は劣化を外部機器が検出することによって、部品実装基板100が液体と接触したことを検出することができる。
【0036】
本実施形態の場合、図1から図3に示すように、吸水膨張材70は、可溶層21の他方の面21b側に配置されている。なお、図3においては、吸水膨張材70を二点鎖線で示している。
吸水膨張材70は、例えば、シート状に形成されており、可溶層21の他方の面21bに沿って配置されている。
平面視において、吸水膨張材70は、例えば、Y方向に長尺な略矩形状に形成されている。平面視において、吸水膨張材70の全体は、可溶層21の外形線の内側に配置されている。
ここで、吸水膨張材70は、例えば、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と対応する位置に配置されている。
本実施形態の場合、「基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位」とは、例えば、基材11において第1延在部13a右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位である。より詳細には、図5に示すように、一例として、吸水膨張材70の左側縁は、左側の第1延出部13aの右側縁と略一致しており、吸水膨張材70の右側縁は、右側の第2延出部13bの左側縁と略一致している。また、平面視において、第3延在部14の全体が、吸水膨張材70の外形線の内側に配置されている。
より詳細には、図6に示すように、平面視において、環状パターン構成部34a、とブリッジ部41aにおける環状パターン構成部37aと対応する部分と、環状パターン構成部4bと、ブリッジ部41bにおける環状パターン構成部34bと対応する部分と、が吸水膨張材70の外形線の内側に配置されている。同様に、平面視において、連結部36と、ブリッジ部42における連結部36と対応する部分と、が吸水膨張材70の外形線の内側に配置されている。
このような構成によれば、後述するように、吸水し膨張した吸水膨張材70によって、第1アンテナ配線部と第2アンテナ配線部と相互に接続しているブリッジ部41a、41b、42を容易に破断することができる。よって、より確実に、部品実装基板100が液体と接触したことを検出することができる。
なお、本発明において、部品実装基板100は、吸水し膨張した吸水膨張材70が、ブリッジ部41a又はブリッジ部41bのうち少なくともいずれか一方を破断させるように構成されていればよい。すなわち、本発明において、吸水膨張材70は、少なくとも、平面視においてブリッジ部41a又はブリッジ部41bを包含する領域に配置されていればよく。例えば、吸水膨張材70の外縁が、平面視において基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位を超えて、欠落部12と重なる領域に位置していてもよい。
【0037】
吸水膨張材70は、一例として、圧縮セルローススポンジである。ただし、本発明はこの例に限定されず、吸水膨張材70は、例えば、吸水性ポリマー等の圧縮セルローススポンジ以外の吸水により膨張する部材であってもよい。
【0038】
更に、図1及び図2に示すように、部品実装基板100は、例えば、吸水膨張材70を間に挟んで濡れ検出センサ部90とは反対側に配置されている導水シート86を備えている。
これにより、導水シート86によって液体(例えば水)を吸水できるので、液体を吸水膨張材70に対して十分に供給することができる。
導水シート86は、少なくとも、平面視において吸水膨張材70を包含する領域に配置されていることが好ましい。導水シート86は、部品実装基板100の全面に亘って配置されていてもよいし、部品実装基板100の一部の領域に選択的に配置されていてもよい。本実施形態、一例として、導水シート86は、平面視において第1導電パターン30の全体を包含する領域に配置されている。
【0039】
ここで、部品実装基板100は、例えば、濡れ検出センサ部90の一方の面(本実施形態の場合、一方の面11a)側に配置されている第1拘束シート(本実施形態の場合、後述する第1透水シート85)と、他方の面(本実施形態の場合、他方の面21b)側に配置されているに第2拘束シート(本実施形態の場合、後述する第2透水シート87)と、を備えている。第1拘束シート及び第2拘束シートによって、濡れ検出センサ部90における少なくとも第2導電パターン40の配置領域の周囲が拘束されている。本実施形態の場合、一例として、第1拘束シート及び第2拘束シートによって、濡れ検出センサ部90における少なくとも第1導電パターン30の配置領域の周囲が拘束されている。
なお、ここで、第2導電パターン40の配置領域の周囲とは、欠落部12の全体を包絡する領域の周囲である。
【0040】
より詳細には、本実施形態の場合、図7に示すように、基材11は、例えば、X方向に長尺な平面視略矩形状の本体部111aと、本体部111aの周縁から外方に向けて突出しているとともに、互いに離間して配置されている複数の固定片111bと、を含む。
そして、複数の固定片111bの一方の面には、第1拘束シートの一部分が直接又は間接に固定されており、複数の固定片111bの他方の面には、第2拘束シートの一部分が直接又は間接に接合されている。一方、基材11の面方向における複数の固定片111b同士の間では、当該固定片111bを介さずに、第1拘束シートと第2拘束シートとが互いに直接又は間接に接合されている。
これにより、濡れ検出センサ部90の周縁部が第1拘束シート及び第2拘束シートによって拘束されている。
また、複数の固定片111bは、X方向において本体部111aを間に挟んで配置されているものと、Y方向において本体部111aを間に挟んで配置されているものと、をそれぞれ含んでいる、このため、第1拘束シート及び第2拘束シートによって、基材11のX方向における両端部と、基材11のY方向における両端部と、の双方において当該基材11を拘束することができる。
【0041】
本実施形態の場合、部品実装基板100は、例えば、第1拘束シートとして第1透水シート85を備え、第2拘束シートとして第2透水シート87を備えている。なお、図4においては、第1透水シート85及び第2透水シート87の各々を二点鎖線で図示している。
これにより、第1透水シート85又は第2透水シート87によって、液体を吸水膨張材70に対して速やかに供給することができる。より詳細には、部品実装基板100において、第1透水シート85が配置されている側の面が主として液体に浸った場合と、部品実装基板100において、第2透水シート87が配置されている側の面が主として液体に浸った場合と、の双方において第1透水シート85又は第2透水シート87によって、液体を吸水膨張材70に対して速やかに供給することができる。
【0042】
より詳細には、本実施形態の場合、図1に示すように、第1透水シート85と第2透水シート87との間に、濡れ検出センサ部90と、吸水膨張材70と、導水シート86と、が上からこの順に配置されている。
更に、濡れ検出センサ部90の他方の面(可溶層21の他方の面21b)と、吸水膨張材70の一方の面(上面)と、の間には両面テープ91が配置されている。同様に、吸水膨張材70の他方の面(下面)と、導水シート86の一方の面(上面)と、の間には両面テープ92が配置されている。このようにして、吸水膨張材70は、濡れ検出センサ部90の他方の面(他方の面21b)と、導水シート86の一方の面(上面)と、の間に固定されている。
【0043】
本実施形態の場合、例えば、第1透水シート85の外形形状と、第2透水シート87の外形形状は、互いに等しく、平面視において互いに一致している。また、第1透水シート85の周縁部の一部分と第2透水シート87の周縁部の一部分とは、互いに接合(例えば、熱圧着)されている。より詳細には、第1透水シート85の周縁部及び第2透水シート87の周縁部の各々は、基材11の面方向における複数の固定片111b同士の間では、当該固定片111bを介さずに、第1透水シート85と第2透水シート87とが互いに直接に接合されている。また、第1透水シート85の周縁部において、複数の固定片111bと対応する部分は、当該固定片111bの一方の面に接合されており、第2透水シート87の周縁部において、複数の固定片111bと対応する部分は、当該固定片111bの他方の面に接合されている。
このようにして、濡れ検出センサ部90の周縁部は、第1透水シート85と第2透水シート87とによって拘束されている。
【0044】
導水シート86は、特に限定されないが、一例として、レーヨンの高吸水性(高保水性)の不織布であり、目付が例えば40g/m以上80g/m以下で、望ましくは50g/m以上70g/m以下である。なお、導水シート86は、例えば、パルプ、コットン又は麻等であってもよい。
第1透水シート85及び第2透水シート87の各々は、特に限定されないが、一例として、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート製で、目付が例えば5g/m以上100g/m以下で、好ましくは10g/m以上50g/m以下の不織布である。これにより、第1透水シート85及び第2透水シート87の各々の透水性を良好に確保することができる。
【0045】
以下、吸水により膨張した吸水膨張材70が基材11又は第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる際の動作の一例を説明する。
図8及び図9に示すように、部品実装基板100が液体に浸ると、吸水膨張材70は、当該液体を吸水し膨張する。なおここで、可溶層21は、液体との接触によって完全に溶解してもよいし、当該可溶層21における一部分のみは溶解してもよい。図8に示す例では、可溶層21において、吸水膨張材70と対応する部位が溶解せずにその形状を維持している。また、図9に示す例では、可溶層21が完全に溶解している。
膨張した吸水膨張材70は、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と、第2導電パターン40において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と、を基材11の面直方向(本実施形態の場合、図8における上方)に押圧する。これにより、基材11において欠落部12を間に挟む2つの部分同士が相対変位する。
より詳細には、上述のように、漏れ検出センサ部90の周縁部は、第1透水シート85と第2透水シート87とによって拘束されている。
このため、基材11において第1延在部13aの右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位は、基材11において第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位、及び、基材11において第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位の各々よりも上方に変位する。また、ブリッジ部41aにおいて第1延在部13aの右側縁よりも右側の部位は、当該ブリッジ部41aにおいて第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位よりも上方に変位する。同様に、ブリッジ部41bにおいて第2延在部13bの左側縁よりも左側の部位は、当該ブリッジ部41bにおいて第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位よりも上方に変位する。ブリッジ部42において第1延在部13aの右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位は、当該ブリッジ部42において第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位、及び、当該ブリッジ部42において第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位の各々よりも上方に変位する。
これにより、第1延在部13aの左側縁と右側縁とに亘って架設されているブリッジ部41aと、第2延在部13bの右側縁と左側縁とに亘って架設されているブリッジ部41bと、第1延在部13aの左側縁と第2延在部13bの右側縁とに亘って架設されているブリッジ部42と、がそれぞれ破断する。
【0046】
ここで、上述のように、本実施形態の場合、欠落部12は、第1延在部13aの延在方向における中間部から第2延在部13bの延在方向における中間部に亘って延在している第3延在部14を含む。そして、平面視において、第3延在部14の略全体は、吸水膨張材70の外形線の内側に配置されている。
このため、膨張した吸水膨張材70が第3延在部14を押圧することによって、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位をより小さいモーメントで上方に変位させることができる。すなわち、基材11において欠落部12を間に挟む2つの部分同士がスムーズに相対変位するようにできる。
更には、図9に示すように、吸水膨張材70の押圧によって、基材11における第3延在部14及び当該第3延在部14の周辺部位が、その他の部位よりも上方に変位するようにできる。このため、Y方向において第3延在部14を間に挟んで配置されているブリッジ部41a、41bがより確実に破断するようにできる。
【0047】
更に、吸水膨張材70は、例えば、第1方向(本実施形態の場合、吸水膨張材70の厚み方向)における膨張率が、第1方向に対して直交する第2方向(本実施形態の場合、吸水膨張材70の横幅方向)における膨張率よりも大きく、第1方向が基材11の面直方向と一致するように配置されている。
これにより、基材11において欠落部12を間に挟む2つの部分同士が、基材11の面直方向(上下方向)において十分に相対変位するようにできるので、より確実に第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b、42)が破断される。
【0048】
一例として、膨張する前の吸水膨張材70の厚み寸法は、例えば、0.2m以上3mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5m以上2mm以下であることが好ましい。
また、一例として、膨張した状態の吸水膨張材70の厚み寸法は、1mm以上20mm以下であることが好ましく、より好ましくは5mm以上15mm以下であることが好ましい。
【0049】
このように、吸水膨張材70は、基材11の一部分を押圧して、当該基材11において欠落部12を間に挟む2つの部分同士を相対変位させる。
また、欠落部12は、例えば、基材11の面方向に沿って互いに並列に延在する第1延在部13a及び第2延在部13bを含み、吸水膨張材70は、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と対応する位置に配置されており、当該基材11の当該部位を押圧する。
また、吸水膨張材70は、シート状に形成されており、第1方向は、当該吸水膨張材70の厚み方向である。
【0050】
本実施形態に係る部品実装基板100は、一例として、液体を吸収可能に構成されている吸収性物品(例えば、図10に示す紙オムツ300)に装着される。なお、図10では、紙オムツ300において、着用者の肌と接触する側の面を示している。また、図1図3図8及び図9は、一例として、部品実装基板100が紙オムツ300に装着された状態を示している。
着用者が紙オムツ300に排尿し、尿によって吸水膨張材70が膨張すると、これを検知するにより、着用者の排尿を検知することができる。すなわち、部品実装基板100は、紙オムツ300の交換時期を介護者に知らせる排尿センサとして利用される。
【0051】
紙オムツ本体301は、例えば図10に示すように、使用者の背側に配置される後部310と、使用者の腹側に配置される前部320と、後部310と前部320とを連結している連結部330と、後部310の側部に形成されている複数の面ファスナー部340と、を備える。面ファスナー部340を介して、後部310と前部320の両側部をそれぞれ連結することによって、紙オムツ300を使用者に装着させることができる。
紙オムツ300において、使用者の肌と接触する側の面には、液体を吸収可能に構成されている吸収体350が形成されている。
吸収体350は、例えば、後部310と、前部320と、連結部330と、に亘って前後方向に延在している。
紙オムツ300が使用者に装着されている状態において、吸収体350は使用者の外尿道口と接触する位置に配置されており、使用者が排尿すると当該尿は吸収体350によって吸収される。
【0052】
部品実装基板100の各々は、例えば、紙オムツ本体301において使用者の肌と接触する側の面に配置されていることが好ましい。
本実施形態の場合、一例として、部品実装基板100の各々は、両面テープ88や面ファスナー(不図示)等を介して紙オムツ本体301に対して接着されている。
また、部品実装基板100の各々は、例えば、濡れ検出センサ部90の一方の面(一方の面11a)側が、使用者の肌と接触する側に配置され、濡れ検出センサ部90の他方の面(他方の面21b)側が、使用者の肌と接触する側とは反対側(すなわちオムツ本体301側)に配置された姿勢で紙オムツ本体301に対して取り付けられる。図1に示す例では、第2透水シート87が、両面テープ88を介して紙オムツ本体301の使用者の肌と接触する側の面に対して取り付けられている。
【0053】
部品実装基板100は、例えば、紙オムツ本体301の吸収体350に設けられている。部品実装基板100は、吸収体350において、外尿道口と対応する部位302の範囲内であれば、連結部330と対応する部位に設けられていてもよいし、前部320と対応する部位に設けられていてもよい。すなわち、部品実装基板100の配置位置を、外尿道口と対応する部位302の範囲内で任意に変えることができるので、使用者の性別に問わず対応することができる。
図10に示す例では、部品実装基板100は、当該第部品実装基板100の長手方向が前後方向となる姿勢で配置されている。
【0054】
ただし、本発明において、紙オムツ300における部品実装基板100の配置位置は、上記の例に限定されず、例えば、部品実装基板100は、例えば、紙オムツ本体301において、外尿道口と対応する部位302以外の部位の周縁(例えば、後部310の上縁310aや前部320の下縁等)に沿って配置されていてもよい。このようにすることにより、紙オムツ本体301から漏れ出た尿を、部品実装基板100によってより確実に検出することができる。
また、本発明において、部品実装基板100の各々の形状、向き、配置及び姿勢等は特に限定されず、紙オムツ本体301の大きさや用途等に応じて適宜設定することができる。
また、本発明において、紙オムツ300に配置される部品実装基板100の数は、特に限定されず、紙オムツ300に配置される部品実装基板100の数は、2つ以上であってもよい。
この場合、例えば、部品実装基板100は、外尿道口と対応する部位302と、外尿道口と対応する部位302以外の部位の周縁と、にそれぞれ配置されていてもよい。
【0055】
次に、本実施形態における部品実装基板100の製造方法を説明する。
本実施形態における部品実装基板100の製造方法は、基板10を準備する工程と、基板10と可溶層21とを相互に組み付ける工程と、基板10及び可溶層21に第2導電パターン40を印刷形成する工程と、第1透水シート85と第2透水シート87とを相互に接合する工程と、を備える。
基板10を準備する工程では、基材11と、基材11上に形成されている第1導電パターン30と、第1導電パターン30に対して電気的に接続されている実装部品50と、を有する基板10(図7参照)を準備する。
基板10と可溶層21とを相互に組み付ける工程では、可溶層21が、平面視において欠落部12を包含する領域に配置されるように、基板10と可溶層21とを相互に組み付ける。すなわち、基板10と可溶層21とを相互に対向させて位置合わせし、基板10と可溶層21とを相互に貼り合わせる。
基板10及び可溶層21に第2導電パターン40を印刷形成する工程では、第1導電パターン30と第2導電パターン40とで相補的に回路60が構成されるとともに、第2導電パターン40が、対応する欠落部12を跨いで配置される。これにより、濡れ検出センサ部90が得られる。
第1透水シート85と第2透水シート87とを相互に接合する工程では、第1透水シート85、導水シート86、濡れ検出センサ部90、第1両面テープ91、吸水膨張材70、第2両面テープ92、第2透水シート87、を上からこの順に積層し、第1透水シート85の周縁部の一部分と第2透水シート87の周縁部の一部分とを相互に接合する。
これにより、本実施形態における部品実装基板100が得られる。
【0056】
基板10と可溶層21との貼り合わせは、基板10と可溶層21とを相互に熱圧着(熱ラミネート)することにより行うことができる。一例として、基板10と可溶層21とを相互に熱圧着する工程は、好ましくは80℃以上150℃以下、より好ましくは100℃以上120℃以下で行う。また、加熱時間は、例えば、5~10秒間程度とすることができる。また、熱圧着する工程は、0.3MPa以上3.0MPa以下の加圧条件で行うことが好ましく、1.0MPa以上2.0MPa以下の加圧条件で行うことがより好ましい。
このように基板10と可溶層21とを貼り合わせることによって、第2導電パターン40を第1導電パターン30に対して良好に電気的に接続することができる。
【0057】
同様に、第1透水シート85と第2透水シート87との貼り合わせは、第1透水シート85と第2透水シート87とを相互に熱圧着(熱ラミネート)することにより行うことができる。
【0058】
基板10に欠落部12を形成する手法は特に限定されないが、一例として、打ち抜き加工によって形成され、主として刃型やパンチ型を適用することが代表的な手段であるといえる。ただし、本発明はこの例に限定されず、例えばレーザー加工等も適用することが可能である。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、図11を用いて第2実施形態を説明する。なお、図11は、図1と対応する部位の切断端面を示している。
本実施形態に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【0060】
本実施形態の場合、吸水膨張材70は、第2導電パターン40と対応する位置に配置されており、欠落部12において第2導電パターン40を押圧する。
このような構成によっても、膨張した吸水膨張材70によって第2導電パターン40を破断させ、部品実装基板100が液体に浸った旨をより確実に検知することができる。
【0061】
図11に示すように、部品実装基板100は、複数の吸水膨張材70を備えており、複数の吸水膨張材70は、基材11における可溶層21側とは反対側に配置されている。
より詳細には、図11に示すように、部品実装基板100は、左右一対の吸水膨張材71、72を備え、左側の吸水膨張材71は、第1延在部13aの内部に配置されており、右側の吸水膨張材72は、第2延在部13bの内部に配置されている。そして、左側の吸水膨張材71は、ブリッジ部41aにおける第1延在部13aと対応する部位に直に積層されており、右側の吸水膨張材70は、ブリッジ部41bにおける第2延在部13bと対応する部位に直に積層されている。
また、例えば、左右一対の吸水膨張材71,72において、第1透水シート85側の端部には、両面テープ91がそれぞれ設けられており、当該両面テープ91によって、左右一対の吸水膨張材71,72は第1透水シート85に対して固定されている。
部品実装基板100が液体に浸った際には、膨張した吸水膨張材71、72が、それぞれ対応するブリッジ部41a、41bを基材11の面直方向(本実施形態の場合、図11における下方)に直に押圧し、当該ブリッジ部41a、41bを破断させる。
すなわち、このような構成によっても、部品実装基板100が液体に浸った旨をより確実に検知することができる。
【0062】
図11に示すように、本実施形態の場合、部品実装基板100は、可溶層21の他方の面21bに沿って配置されているスペーサ76を更に備えている。
スペーサ76において、第1延在部13a及び第2延在部13bと対応する部位は、それぞれ欠落した第2欠落部77となっている。
これにより、左右一対の吸水膨張材71、72の各々が、基材11の面直方向(吸水膨張材71、72の厚み方向)に膨張するスペースを十分に確保できるので、膨張した吸水膨張材71、72によってより確実に第2導電パターン40を破断することができる。
【0063】
なお、本実施形態の場合、例えば、可溶層21の代わりに不溶のシート材(不図示)が配置されていてもよい。この場合、膨張した吸水膨張材71、72が第2導電パターン40を破断する際に、当該シート材も吸水膨張材71、72によって破断されるように構成されていることが好ましい。
【0064】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0065】
例えば、上記においては、実装部品50がRFIDチップである例を説明したが、本発明は、この例に限らず、実装部品50は、その他の電子部品、例えば、コンデンサや抵抗であってもよい。
【0066】
また、上記においては、第2導電パターン40が、第1導電パターン30における第1部分と、第1導電パターン30において欠落部12を間に挟んで第1部分とは離間している部分である第2部分と、の間に架設されている例を説明したが、本発明は、この例に限らず、第2導電パターン40は第1導電パターン30間に架設されたものではなく、単に第1導電パターン30に連接されたものであってもよい。単純な一例として、図1に示す回路60の左半分が第1導電パターン30により構成され、右半分が第2導電パターン40により構成されている、といったものが挙げられる。
【0067】
また、上記においては、基板10が1つの欠落部12を有する例を説明したが、基板10が有する欠落部12の数は特に限定されず、例えば、2つ以上でもよい。
【0068】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)シート状の濡れ検出センサ部を備える部品実装基板であって、
前記濡れ検出センサ部は、
基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に回路を構成している第2導電パターンと、
を備え、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
当該部品実装基板は、吸水膨張材を更に備え、
前記吸水膨張材が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材が前記基材又は前記第2導電パターンを当該基材の面直方向に押圧して前記第2導電パターンを破断させる部品実装基板。
(2)前記吸水膨張材は、前記基材の一部分を押圧して、当該基材において前記欠落部を間に挟む2つの部分同士を相対変位させる(1)に記載の部品実装基板。
(3)前記欠落部は、前記基材の面方向に沿って互いに並列に延在する第1延在部及び第2延在部を含み、
前記吸水膨張材は、前記基材において前記第1延在部と前記第2延在部との間に位置する部位と対応する位置に配置されており、当該基材の当該部位を押圧する(2)に記載の部品実装基板。
(4)前記欠落部は、前記第1延在部の延在方向における中間部から前記第2延在部の延在方向における中間部に亘って延在している第3延在部を含む(3)に記載の部品実装基板。
(5)前記吸水膨張材は、前記第2導電パターンと対応する位置に配置されており、前記欠落部において前記第2導電パターンを押圧する(1)に記載の部品実装基板。
(6)前記吸水膨張材は、第1方向における膨張率が、前記第1方向に対して直交する第2方向における膨張率よりも大きく、前記第1方向が前記基材の面直方向と一致するように配置されている(1)から(5)のいずれか一項に記載の部品実装基板。
(7)前記吸水膨張材は、シート状に形成されており、
前記第1方向は、当該吸水膨張材の厚み方向である(6)に記載の部品実装基板。
(8)前記吸水膨張材を間に挟んで前記濡れ検出センサ部とは反対側に配置されている導水シートを備える(1)から(7)のいずれか一項に記載の部品実装基板。
【符号の説明】
【0069】
10 基板
11 基材
11a 一方の面
11b 他方の面
111a 本体部
111b 固定片
12 欠落部
13a 第1延在部
13b 第2延在部
14 第3延在部
21 可溶層
21a 一方の面
21b 他方の面
30 第1導電パターン
31a、31b 広幅部
32a、32b 細幅部
34a、34b、36a、36b、37a、37b、38a、38b、39a、39b 環状パターン構成部
36 連結部
40 第2導電パターン
41a、41b、42 ブリッジ部
50 実装部品
60 回路
70、71、72 吸水膨張材
76 スペーサ
77 第2欠落部
88 両面テープ
85 第1透水シート
86 導水シート
87 第2透水シート
90 濡れ検出センサ部
91、92 両面テープ
100 部品実装基板
300 紙オムツ
301 紙オムツ本体
302 外尿道口と対応する部位
310 後部
310a 上縁
320 前部
330 連結部
340 面ファスナー部
350 吸収体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
部品実装基板100は、例えば、シート状に形成されている積層体である。部品実装基板100の平面形状は、特に限定されないが、一例として、図に示すように略矩形状(例えば角丸の矩形状)とすることができる。
本実施形態の場合、実装部品50は、一例として、RFID用途のチップ(一般的にはICチップとも呼ばれる)であり、部品実装基板100は、RFIDタグである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
以下では、部品実装基板100の各構成要素同士の位置関係などを説明するに際し、図1における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。また、上下方向に対して直交する方向を水平方向などと称する。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、部品実装基板100の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、図1~図における左右方向をX方向と称し、図3における左右方向をY方向と称する。X方向及びY方向は、部品実装基板100の面方向に対して平行な方向(水平方向)であり、図1における上下方向(部品実装基板100の面直方向)に対して直交している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
部品実装配線部は、それぞれ以下に説明する環状パターン構成部34a、37a、38a、39a、34b、37b、38b及び39bと、連結部36と、を有する。
環状パターン構成部39aは、細幅部32aの右端に接続されていて、細幅部32aの右端からY方向における一方(図4における上方)に向けて上り傾斜している。環状パターン構成部38aは、環状パターン構成部39aの一端からY方向における一方(図4における上方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部37aは、環状パターン構成部38aの一端から右方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部34aは、左側の第1延在部13aを間に挟んで環状パターン構成部37aの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部39bは、細幅部32bの左端に接続されていて、細幅部32bの左端からY方向における一方(図4における上方)に向けて上り傾斜している。環状パターン構成部38bは、環状パターン構成部39bの一端からY方向における一方(図4における上方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部37bは、環状パターン構成部38bの一端から左方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部34bは、右側の第2延在部13bを間に挟んで環状パターン構成部37bの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとは、互いに延長上に配置されている。
連結部36は、X方向に延在している。より詳細には、連結部36の左端は、左側の第1延在部13aを間に挟んで環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部の延長上に配置されており、連結部3の右端は、右側の第2延在部13bを間に挟んで環状パターン構成部39bと細幅部32bとの境界部の延長上に配置されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
図5に示すように、部品実装基板100は、第2導電パターン40として、例えば、それぞれX方向に延在するブリッジ部41a、41b及び42を有する。すなわち、部品実装基板100は、例えば、複数の第2導電パターン40を有する。
に示すように、ブリッジ部41aは、環状パターン構成部37aの右端部と環状パターン構成部34aの左端部とを相互に接続している。ブリッジ部41bは、環状パターン構成部37bの左端部と環状パターン構成部34bの右端部とを相互に接続している。これにより、環状パターン構成部37a、ブリッジ部41a、環状パターン構成部34a、環状パターン構成部34b、ブリッジ部41b及び環状パターン構成部37bによって、第1アンテナ配線部と第2アンテナ配線部とが相互に接続されている。
ブリッジ部42は、環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部と、環状パターン構成部39bと細幅部32bとを相互に接続しているとともに、連結部36に沿って延在している。
これにより、環状パターン構成部3a、環状パターン構成部37a、ブリッジ部41a、環状パターン構成部34a、環状パターン構成部34b、ブリッジ部41b、環状パターン構成部37b、環状パターン構成部38b、環状パターン構成部39b、ブリッジ部42及び環状パターン構成部39によって、環状の環状パターンが構成されている。環状パターンは、例えば、平面視において、略環状に形成されている。環状パターンは、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとの間で不連続となっている。すなわち、環状パターンは、開口部を有する形状(開環状の形状)となっている。そして、図1及び図5等に示すように、実装部品50は、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとの間に跨がって配置されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
ここで、ブリッジ部41aは、左側の第1延在部13aを跨いで配置されており、ブリッジ部41b、側の第2延在部13bを跨いで配置されている。
に示すように、ブリッジ部41aは、環状パターン構成部38aと環状パターン構成部34aとの間に架設されて、環状パターン構成部38aと環状パターン構成部34aとを相互に電気的に接続している。同様に、ブリッジ部41bは、環状パターン構成部38bと環状パターン構成部34bとの間に架設されて、環状パターン構成部38bと環状パターン構成部34bとを相互に電気的に接続している。
ブリッジ部42は、左側の第1延在部13aと右側の第2延在部13bとに亘って架設されている。より詳細には、ブリッジ部42の左端部は、左側の第1延在部13aを跨いで配置されており、ブリッジ部42の右端部は、右側の第2延在部13bを跨いで配置されている。
ブリッジ部42の左端部は、環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部と、連結部36の左端と、を相互に電気的に接続しており、ブリッジ部42の右端部は、環状パターン構成部39bと細幅部32bとの境界部と、連結部36の右端と、を相互に電気的に接続している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
各第2導電パターン40の長さは、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(環状パターン構成部34a、34b、37a、37b、39a、39b、細幅部32a、32b、連結部36)の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
特に、各第2導電パターン40において第1導電パターン30間(第1部分と第2部分との間)に架設されている部分の長さ(架設長)が、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
なお、基板10(基材11)の外形形状と、可溶層21の外形形状は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。本実施形態の場合、例えば、平面視において、基板10(基材11)はX方向に長尺な略矩形状に形成されており、可溶層21は、例えば、基板10(基材11)よりも外形寸法が小さい略矩形状に形成されている。
より詳細には、平面視において、可溶層21は、基板10(基材11)における欠落部12と対応する部位に配置されており、欠落部12の全体は、可溶層21の外形線の内側に収まっている。更には、平面視において、第2導電パターン40の全体と、部品実装配線部(環状パターン構成部34a、37a、38a、39a、34b、37b、38b及び39bと、連結部36)と、が可溶層21の外形線の内側に収まっている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
本実施形態の場合、図1から図3に示すように、吸水膨張材70は、可溶層21の他方の面21b側に配置されている。なお、図3においては、吸水膨張材70を二点鎖線で示している。
吸水膨張材70は、例えば、シート状に形成されており、可溶層21の他方の面21bに沿って配置されている。
平面視において、吸水膨張材70は、例えば、Y方向に長尺な略矩形状に形成されている。平面視において、吸水膨張材70の全体は、可溶層21の外形線の内側に配置されている。
ここで、吸水膨張材70は、例えば、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と対応する位置に配置されている。
本実施形態の場合、「基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位」とは、例えば、基材11において第1延在部13a右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位である。より詳細には、図5に示すように、一例として、吸水膨張材70の左側縁は、左側の第1延出部13aの右側縁と略一致しており、吸水膨張材70の右側縁は、右側の第2延出部13bの左側縁と略一致している。また、平面視において、第3延在部14の全体が、吸水膨張材70の外形線の内側に配置されている。
より詳細には、図6に示すように、平面視において、環状パターン構成部34a、とブリッジ部41aにおける環状パターン構成部34aと対応する部分と、環状パターン構成部4bと、ブリッジ部41bにおける環状パターン構成部34bと対応する部分と、が吸水膨張材70の外形線の内側に配置されている。同様に、平面視において、連結部36と、ブリッジ部42における連結部36と対応する部分と、が吸水膨張材70の外形線の内側に配置されている。
このような構成によれば、後述するように、吸水し膨張した吸水膨張材70によって、第1アンテナ配線部と第2アンテナ配線部と相互に接続しているブリッジ部41a、41b、42を容易に破断することができる。よって、より確実に、部品実装基板100が液体と接触したことを検出することができる。
なお、本発明において、部品実装基板100は、吸水し膨張した吸水膨張材70が、ブリッジ部41a又はブリッジ部41bのうち少なくともいずれか一方を破断させるように構成されていればよい。すなわち、本発明において、吸水膨張材70は、少なくとも、平面視においてブリッジ部41a又はブリッジ部41bを包含する領域に配置されていればよく。例えば、吸水膨張材70の外縁が、平面視において基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位を超えて、欠落部12と重なる領域に位置していてもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
以下、吸水により膨張した吸水膨張材70が基材11又は第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる際の動作の一例を説明する。
図8及び図9に示すように、部品実装基板100が液体に浸ると、吸水膨張材70は、当該液体を吸水し膨張する。なおここで、可溶層21は、液体との接触によって完全に溶解してもよいし、当該可溶層21における一部分のみは溶解してもよい。図8に示す例では、可溶層21において、吸水膨張材70と対応する部位が溶解せずにその形状を維持している。また、図9に示す例では、可溶層21が完全に溶解している。
膨張した吸水膨張材70は、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と、第2導電パターン40において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と、を基材11の面直方向(本実施形態の場合、図8における上方)に押圧する。これにより、基材11において欠落部12を間に挟む2つの部分同士が相対変位する。
より詳細には、上述のように、濡れ検出センサ部90の周縁部は、第1透水シート85と第2透水シート87とによって拘束されている。
このため、基材11において第1延在部13aの右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位は、基材11において第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位、及び、基材11において第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位の各々よりも上方に変位する。また、ブリッジ部41aにおいて第1延在部13aの右側縁よりも右側の部位は、当該ブリッジ部41aにおいて第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位よりも上方に変位する。同様に、ブリッジ部41bにおいて第2延在部13bの左側縁よりも左側の部位は、当該ブリッジ部41bにおいて第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位よりも上方に変位する。ブリッジ部42において第1延在部13aの右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位は、当該ブリッジ部42において第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位、及び、当該ブリッジ部42において第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位の各々よりも上方に変位する。
これにより、第1延在部13aの左側縁と右側縁とに亘って架設されているブリッジ部41aと、第2延在部13bの右側縁と左側縁とに亘って架設されているブリッジ部41bと、第1延在部13aの左側縁と第2延在部13bの右側縁とに亘って架設されているブリッジ部42と、がそれぞれ破断する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
一例として、膨張する前の吸水膨張材70の厚み寸法は、例えば、0.2m以上3mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5m以上2mm以下であることが好ましい。
また、一例として、膨張した状態の吸水膨張材70の厚み寸法は、1mm以上20mm以下であることが好ましく、より好ましくは5mm以上15mm以下であることが好ましい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
部品実装基板100の各々は、例えば、紙オムツ本体301において使用者の肌と接触する側の面に配置されていることが好ましい。
本実施形態の場合、一例として、部品実装基板100の各々は、両面テープ93、94や面ファスナー(不図示)等を介して紙オムツ本体301に対して接着されている。
また、部品実装基板100の各々は、例えば、濡れ検出センサ部90の一方の面(一方の面11a)側が、使用者の肌と接触する側に配置され、濡れ検出センサ部90の他方の面(他方の面21b)側が、使用者の肌と接触する側とは反対側(すなわちオムツ本体301側)に配置された姿勢で紙オムツ本体301に対して取り付けられる。図1に示す例では、第2透水シート87が、両面テープ93、94を介して紙オムツ本体301の使用者の肌と接触する側の面に対して取り付けられている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
次に、本実施形態における部品実装基板100の製造方法を説明する。
本実施形態における部品実装基板100の製造方法は、基板10を準備する工程と、基板10と可溶層21とを相互に組み付ける工程と、基板10及び可溶層21に第2導電パターン40を印刷形成する工程と、第1透水シート85と第2透水シート87とを相互に接合する工程と、を備える。
基板10を準備する工程では、基材11と、基材11上に形成されている第1導電パターン30と、第1導電パターン30に対して電気的に接続されている実装部品50と、を有する基板10(図7参照)を準備する。
基板10と可溶層21とを相互に組み付ける工程では、可溶層21が、平面視において欠落部12を包含する領域に配置されるように、基板10と可溶層21とを相互に組み付ける。すなわち、基板10と可溶層21とを相互に対向させて位置合わせし、基板10と可溶層21とを相互に貼り合わせる。
基板10及び可溶層21に第2導電パターン40を印刷形成する工程では、第1導電パターン30と第2導電パターン40とで相補的に回路60が構成されるとともに、第2導電パターン40が、対応する欠落部12を跨いで配置される。これにより、濡れ検出センサ部90が得られる。
第1透水シート85と第2透水シート87とを相互に接合する工程では、第1透水シート85、濡れ検出センサ部90、両面テープ91、吸水膨張材70、両面テープ92、導水シート86、第2透水シート87、を上からこの順に積層し、第1透水シート85の周縁部の一部分と第2透水シート87の周縁部の一部分とを相互に接合する。
これにより、本実施形態における部品実装基板100が得られる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
図11に示すように、部品実装基板100は、複数の吸水膨張材70を備えており、複数の吸水膨張材70は、基材11における可溶層21側とは反対側に配置されている。
より詳細には、図11に示すように、部品実装基板100は、左右一対の吸水膨張材71、72を備え、左側の吸水膨張材71は、第1延在部13aの内部に配置されており、右側の吸水膨張材72は、第2延在部13bの内部に配置されている。そして、左側の吸水膨張材71は、ブリッジ部41aにおける第1延在部13aと対応する部位に直に積層されており、右側の吸水膨張材7は、ブリッジ部41bにおける第2延在部13bと対応する部位に直に積層されている。
また、例えば、左右一対の吸水膨張材71,72において、第1透水シート85側の端部には、両面テープ91がそれぞれ設けられており、当該両面テープ91によって、左右一対の吸水膨張材71,72は第1透水シート85に対して固定されている。
部品実装基板100が液体に浸った際には、膨張した吸水膨張材71、72が、それぞれ対応するブリッジ部41a、41bを基材11の面直方向(本実施形態の場合、図11における下方)に直に押圧し、当該ブリッジ部41a、41bを破断させる。
すなわち、このような構成によっても、部品実装基板100が液体に浸った旨をより確実に検知することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
10 基板
11 基材
11a 一方の面
11b 他方の面
111a 本体部
111b 固定片
12 欠落部
13a 第1延在部
13b 第2延在部
14 第3延在部
21 可溶層
21a 一方の面
21b 他方の面
30 第1導電パターン
31a、31b 広幅部
32a、32b 細幅部
34a、34b、37a、37b、38a、38b、39a、39b 環状パターン構成部
36 連結部
40 第2導電パターン
41a、41b、42 ブリッジ部
50 実装部品
60 回路
70、71、72 吸水膨張材
76 スペーサ
77 第2欠落
5 第1透水シート
86 導水シート
87 第2透水シート
90 濡れ検出センサ部
91、92 両面テープ
93、94 両面テープ
100 部品実装基板
300 紙オムツ
301 紙オムツ本体
302 外尿道口と対応する部位
310 後部
310a 上縁
320 前部
330 連結部
340 面ファスナー部
350 吸収体