(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124110
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】レーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/03 20060101AFI20230830BHJP
B23K 26/082 20140101ALI20230830BHJP
B23K 26/046 20140101ALI20230830BHJP
【FI】
B23K26/03
B23K26/082
B23K26/046
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027701
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松本 明久
(72)【発明者】
【氏名】島崎 大地
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168CA06
4E168CA07
4E168CA13
4E168CA15
4E168CB04
4E168CB12
4E168CB22
4E168CB23
4E168DA23
4E168DA24
4E168DA28
4E168EA15
4E168EA17
4E168EA24
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で広い撮像視野を確保するとともに、撮像機能の使い勝手を向上可能とすること。
【解決手段】レーザ加工装置は、走査部46を収容するヘッドユニット13の筐体13aに収容された撮像部48を有している。撮像部48は、保護ガラス49を通して加工対象物Wを撮像することにより、加工領域の少なくとも一部を含む対象物画像を取得する。撮像部48は、対象物画像を取得するための撮像軸48Lが、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して所定の第1距離で交差するように配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光にて加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、
前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に向けて照射し、前記加工対象物の加工領域内で2次元走査する走査部と、
前記走査部により前記加工対象物に照射される前記レーザ光が透過する出射窓部と、
前記加工対象物に向けられる一側面を有し、前記一側面に前記出射窓部が設けられ、少なくとも前記走査部を収容する筐体と、
前記筐体に収容され、前記出射窓部を通して前記加工対象物を撮像することにより、前記加工領域の少なくとも一部を含む対象物画像を取得する撮像部と、
を備え、
前記撮像部は、前記対象物画像を取得するための撮像軸が前記出射窓部の鉛直軸に対して前記出射窓部から所定の第1距離で交差するように配置されている、
レーザ加工装置。
【請求項2】
前記筐体に設けられ、前記撮像部へ駆動電圧を供給する電源供給線及び前記対象物画像のデータを出力する信号線の少なくとも1つを含む撮像ケーブルが着脱可能に構成された撮像用接続コネクタを備えた、
請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記撮像ケーブルは、前記電源供給線及び前記信号線の双方を備える、請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記走査部を制御する制御部を含むコントローラユニットと、
前記レーザ光源を含む光源ユニットと、
を備え、
前記筐体は、前記走査部及び前記撮像部の双方を含むヘッドユニットの筐体であり、
更に、
前記光源ユニットと前記ヘッドユニットとを接続する第1電気ケーブルと、
前記光源ユニットに接続され、前記レーザ光を前記ヘッドユニットに伝達する光ファイバケーブルと、
前記コントローラユニットと前記光源ユニットとを接続する第2電気ケーブルと、
を備え、
前記筐体は、前記第1電気ケーブルが着脱可能に構成された接続コネクタを備えた、
請求項3に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記第1電気ケーブルは、前記ヘッドユニットの駆動電圧を供給する第1電源ケーブルと、前記ヘッドユニットへ制御信号を伝達する第1信号ケーブルとを含む、請求項4に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記第2電気ケーブルは、前記光源ユニットの駆動電圧及び前記ヘッドユニットの駆動電圧を供給する第2電源ケーブルと、前記ヘッドユニットへの制御信号及び前記光源ユニットへの制御信号を伝達するに第2信号ケーブルとを含む、請求項4又は請求項5に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記撮像用接続コネクタと前記接続コネクタとに接続され、前記撮像用接続コネクタから供給される前記駆動電圧、又は前記接続コネクタから供給される電圧を前記撮像部に供給する撮像電源供給部を備えた、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
前記撮像電源供給部は、前記接続コネクタから電圧が供給されていないときには前記撮像用接続コネクタから供給される前記駆動電圧を前記撮像部に供給し、前記接続コネクタから電圧が供給されているときには前記接続コネクタから供給される前記電圧を前記撮像部に供給する、請求項7に記載のレーザ加工装置。
【請求項9】
可視領域の波長を有するガイド光を出射するガイド用光源と、
前記レーザ光と前記ガイド光を合流する光合流部材と、
を備え、
前記走査部は、前記レーザ光及び前記ガイド光を2次元走査し、
前記出射窓部は、前記レーザ光及び前記ガイド光を透過可能に構成されている、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項10】
前記加工対象物に対して可視領域の波長を有する検出光を投光する投光部と、
前記加工対象物にて前記検出光が拡散反射された光を受光する受光部と、
を含み、
前記鉛直軸に対して前記検出光の光軸が前記出射窓部から所定の基準距離で交差するように配置され、前記受光部の受光状態に基づいて距離を測定する変位センサを備えた、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項11】
前記レーザ光の焦点距離を変更する焦点調整部を備え、
前記第1距離は、前記焦点調整部における焦点位置の調整範囲よりも前記出射窓部から離れた距離である、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物にレーザ光を照射するレーザ光源と、対象物を撮像する撮像部(カメラ)とを備えるレーザ加工装置が知られている。たとえば、特許文献1に開示されたレーザ加工装置は、加工基準面に対して撮像光軸を直交させた姿勢で筐体内に配置された撮像部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように筐体内に配置された撮像部について、広い撮像視野の確保が望まれる。また、撮像機能について、使い勝手の向上が望まれる。
本開示の目的は、簡易な構成で広い撮像視野を確保するとともに、撮像機能の使い勝手を向上可能としたレーザ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様であるレーザ加工装置は、レーザ光にて加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に向けて照射し、前記加工対象物の加工領域内で2次元走査する走査部と、前記走査部により前記加工対象物に照射される前記レーザ光が透過する出射窓部と、前記加工対象物に向けられる一側面を有し、前記一側面に前記出射窓部が設けられ、少なくとも前記走査部を収容する筐体と、前記筐体に収容され、前記出射窓部を通して前記加工対象物を撮像することにより、前記加工領域の少なくとも一部を含む対象物画像を取得する撮像部と、を備え、前記撮像部は、前記対象物画像を取得するための撮像軸が前記出射窓部の鉛直軸に対して前記出射窓部から所定の第1距離で交差するように配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様であるレーザ加工装置によれば、簡易な構成で広い撮像視野を確保するとともに、撮像機能の使い勝手を向上可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態のレーザ加工装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のレーザ加工装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1のヘッドユニットの内部構造の概略を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図1のヘッドユニットの内部構造を下面から視た一部概略構成図である。
【
図5】
図5は、
図1のヘッドユニットにおいて走査部及び撮像部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1のヘッドユニットを正面から視た概略図であり、レーザ光及びガイド光の光軸と撮像部の撮像軸の関係を示す説明図である。
【
図7】
図7は、
図1のヘッドユニットを正面から視た概略図であり、レーザ光及びガイド光の光軸と変位センサの関係を示す説明図である。
【
図8】
図8は、
図1のヘッドユニットを側面から視た概略図であり、レーザ光及びガイド光の光軸と変位センサ、撮像部の関係を示す説明図である。
【
図9】
図9は、焦点調整部におけるレンズ位置とレーザ光の焦点位置との関係を示す説明図である。
【
図10】
図10は、焦点調整部におけるレンズ位置とレーザ光の焦点位置との関係を示す説明図である。
【
図11】
図11は、焦点調整部におけるレンズ位置とレーザ光の焦点位置との関係を示す説明図である。
【
図12】
図12は、ガイド光によるガイドマーク及びガイド点を示す説明図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態のレーザ加工装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、変更例のレーザ加工装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本開示のレーザ加工装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図では、ハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
【0009】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、及び方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態又はこのような実施形態の適用及び使用を限定することを意図しない。
【0010】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0011】
(第1実施形態)
(レーザ加工装置の概要)
図1に示すように、レーザ加工装置10Aは、コントローラユニット11、光源ユニット12、ヘッドユニット13、設定用端末14を有している。光源ユニット12は、第1電気ケーブル81と光ファイバケーブルFLとによりヘッドユニット13に接続されている。また、光源ユニット12は、第2電気ケーブル82によりコントローラユニット11に接続されている。第1電気ケーブル81は、第1電源ケーブルSP1と第1信号ケーブルSL1とから構成されている。第2電気ケーブル82は、第2電源ケーブルSP2と第2信号ケーブルSL2とから構成されている。コントローラユニット11は、電源ケーブルによりAC電源が供給される。レーザ加工装置10Aは、供給されるAC電源により動作し、加工対象物Wを加工する。設定用端末14は、第3電気ケーブル83によりヘッドユニット13に接続される。
【0012】
設定用端末14は、レーザ加工装置10Aにおける各種の設定、レーザ加工装置10Aの状態、各種の情報を表示するために設けられる。設定用端末14は、
図1、
図2に示すように、第3電気ケーブル83によりヘッドユニット13に接続される。また、設定用端末14は、
図2に示すように、第4電気ケーブル84によりコントローラユニット11に接続される。
【0013】
コントローラユニット11は、光源ユニット12、ヘッドユニット13を制御する。光源ユニット12は、加工対象物Wを加工するレーザ光LWを生成する。そのレーザ光LWは、光ファイバケーブルFLによりヘッドユニット13に伝達される。ヘッドユニット13は、加工対象物Wに向けてレーザ光LWを出射する。このように、レーザ加工装置10Aは、加工対象物Wの加工面Waに向けて照射するレーザ光LWにより、加工対象物Wを加工する。
【0014】
(光源ユニット)
図1に示すように、光源ユニット12は、筐体12aを有している。筐体12aは略直方体状に形成されている。
【0015】
図2に示すように、光源ユニット12は、接続コネクタ121,122を有している。接続コネクタ121,122は、光源ユニット12をコントローラユニット11に接続するために設けられている。接続コネクタ121,122は、第2電気ケーブル82を接続するケーブル接続部である。第2電気ケーブル82は、第2電源ケーブルSP2と第2信号ケーブルSL2とから構成されている。第2信号ケーブルSL2は、ケーブルと、ケーブルの両端のコネクタとを含む。接続コネクタ121は、第2信号ケーブルSL2を着脱可能に構成されている。第2電源ケーブルSP2は、ケーブルと、ケーブルの両端のコネクタとを含む。接続コネクタ122は、第2電源ケーブルSP2を着脱可能に構成されている。
【0016】
光源ユニット12は、接続コネクタ123,124を有している。接続コネクタ123,124は、光源ユニット12をコントローラユニット11に接続するために設けられている。接続コネクタ123,124は、第1電気ケーブル81を接続するケーブル接続部である。第1電気ケーブル81は、第1電源ケーブルSP1と第1信号ケーブルSL1とから構成されている。第1信号ケーブルSL1は、ケーブルと、ケーブルの両端のコネクタとを含む。接続コネクタ123は、第1信号ケーブルSL1を着脱可能に構成されている。第1電源ケーブルSP1は、ケーブルと、ケーブルの両端のコネクタとを含む。接続コネクタ124は、第1電源ケーブルSP1を着脱可能に構成されている。
【0017】
光源ユニット12は、光源制御部31、記憶部32、レーザ光源33、ファン34を有している。光源制御部31、記憶部32、レーザ光源33、ファン34は、第1電源ケーブルSP1により供給される駆動電源により動作する。光源制御部31は、第1信号ケーブルSL1により、コントローラユニット11のメイン制御部21と通信可能に構成されている。
【0018】
光源制御部31は、レーザ光源33を制御する。レーザ光源33は、レーザ光LWを出射する。このレーザ光源33は、レーザ光を出射するものであればよく、例えば、ファイバレーザ、YAGレーザ、CO2レーザ、等が挙げられる。
【0019】
記憶部32は、光源ユニット12の情報を記憶する。光源ユニット12の情報は、光源ユニット12の識別情報を含む。識別情報は、光源ユニット12の機種情報(型式)、固有情報(シリアル番号)を含む。ファン34は、例えば光源制御部31によって制御される。ファン34は、レーザ光源33、及び光源ユニット12の各種電子部品を冷却する。
【0020】
(ヘッドユニット)
図1に示すように、ヘッドユニット13は、筐体13aを有している。筐体13aは略直方体状に形成されている。
【0021】
図2に示すように、ヘッドユニット13は、接続コネクタ131,132を有している。接続コネクタ131,132は、ヘッドユニット13を光源ユニット12に接続するために設けられている。接続コネクタ131,132は、第1電気ケーブル81を接続するケーブル接続部である。第1電気ケーブル81は、第1電源ケーブルSP1と第1信号ケーブルSL1とから構成されている。接続コネクタ131は、第1信号ケーブルSL1を着脱可能に構成されている。接続コネクタ132は、第1電源ケーブルSP1を着脱可能に構成されている。
【0022】
ヘッドユニット13は、接続部133を有している。接続部133は、光ファイバケーブルFLを接続するファイバケーブル接続部である。光ファイバケーブルFLは、ヘッドコネクタFLaを有している。接続部133は、ヘッドコネクタFLaを着脱可能に構成されている。
【0023】
ヘッドユニット13は、接続コネクタ134を有している。接続コネクタ134は、第3電気ケーブル83を着脱可能に構成されている。設定用端末14は、第3電気ケーブル83によりヘッドユニット13に接続される。
【0024】
ヘッドユニット13は、ヘッド制御部41、記憶部42、モニタ部43、ガイド用光源44、焦点調整部45、走査部46、変位センサ47、撮像部48、保護ガラス49を有している。
【0025】
記憶部42は、ヘッドユニット13の情報を記憶する。ヘッドユニット13の情報は、ヘッドユニット13の識別情報を含む。識別情報は、ヘッドユニット13の機種情報(形式)、固有情報(シリアル番号)を含む。
【0026】
モニタ部43は、光源ユニット12から光ファイバケーブルFLにて伝達されるレーザ光LWの光量をモニタする。
ガイド用光源44は、可視領域の波長を有するガイド光LGを出射する。
【0027】
焦点調整部45は、レーザ光LWの焦点位置(焦点距離)を調整する。
走査部46は、レーザ光LWを加工対象物Wに向けて照射する。また、走査部46は、加工対象物Wの加工面Waに対してレーザ光LWを走査する。走査部46にて反射されたレーザ光LWは、保護ガラス49を通してヘッドユニット13の外部へ出射される。保護ガラス49は、1枚又は複数枚のガラス板により構成することができる。保護ガラス49は、出射窓部を構成する。保護ガラス49は、ヘッドユニット13の外周面の一部を構成する出射面49aを有している。
【0028】
変位センサ47は、投光部47a、受光部47bを含む。投光部47aは、可視領域の波長を有する検出光LKを投光する。検出光LKは、保護ガラス49を通してヘッドユニット13の外部に出射される。投光部47aは、加工対象物Wに向けて検出光LKを投光するように配置されている。受光部47bは、加工対象物Wにて反射した検出光LK(反射光KR)を受光する。変位センサ47は、受光量を出力する。変位センサ47は、受光部47bの受光状態に基づいて距離を測定する。この距離は、ヘッドユニット13の基準面から検出光LKを反射した対象物、ここでは加工対象物Wまでの距離である。基準面は、例えば保護ガラス49の出射面49a、ヘッドユニット13の下面、等に設定される。
【0029】
変位センサ47は、例えば対象物までの距離を三角測距法により測定するセンサである。受光部47bは、例えば受光面における反射光KRの受光位置を検出する受光素子を含む。このような受光素子は、例えば、CMOSイメージセンサ(CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)image sensor)、CCDイメージセンサ(CCD(Charge Coupled Device)image sensor)、PSD(Position Sensitive Detector)等により構成される。変位センサ47は、投光部47aと受光部47bとを一体的に有する1つのユニットとして構成されている。
【0030】
ヘッド制御部41は、ガイド用光源44、焦点調整部45、走査部46、変位センサ47を制御する。ヘッド制御部41は、モニタ部43のモニタ結果をコントローラユニット11のメイン制御部21に送信する。ヘッド制御部41は、変位センサ47の測定結果、受光量をコントローラユニット11のメイン制御部21に送信する。
【0031】
撮像部48は、保護ガラス49を通して加工対象物Wの加工面Waを撮影するように配置されている。撮像部48は、撮像素子と、撮像素子に結像するレンズとを含む。撮像素子は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、等により構成される。撮像部48は、レンズを保護ガラス49に向けて配置されている。撮像部48は、保護ガラス49を通して加工対象物Wを撮像することにより、加工対象物Wの加工領域の少なくとも一部を含む対象物画像を取得する。
【0032】
撮像部48は、接続コネクタ134に接続されている。接続コネクタ134は、第3電気ケーブル83を着脱可能に構成されている。第3電気ケーブル83は、撮像部48へ駆動電圧を供給する電源供給線、及び対象物画像のデータを出力する信号線を含む撮像ケーブルである。第3電気ケーブル83は、設定用端末14に接続される。設定用端末14は、第3電気ケーブル83が接続されるコネクタに対して、撮像部48の駆動電圧を供給するように構成されている。したがって、撮像部48は、第3電気ケーブル83と接続コネクタ134を介して供給される駆動電圧により作動する。作動した撮像部48は、加工対象物Wの加工領域の少なくとも一部を含む領域を撮像して対象物画像のデータを生成する。そして、撮像部48は、取得した対象物画像のデータを接続コネクタ134に向けて出力する。対象物画像のデータは、接続コネクタ134から、第3電気ケーブル83により設定用端末14に伝達される。したがって、設定用端末14は、撮像部48から対象物画像のデータを取得することができる。そして、設定用端末14は、取得したデータにより対象物画像を表示部54に表示する。これにより、設定用端末14を操作する作業者は、設定用端末14により、加工対象物Wの加工領域を確認できる。
【0033】
(コントローラユニット)
図1に示すように、コントローラユニット11は、筐体11aを有している。筐体11aは略直方体状に形成されている。
【0034】
図2に示すように、コントローラユニット11は、接続コネクタ111,112を有している。接続コネクタ111,112は、コントローラユニット11に光源ユニット12を接続するために設けられている。接続コネクタ111,112は、第2電気ケーブル82を接続するケーブル接続部である。第2電気ケーブル82は、第2電源ケーブルSP2と第2信号ケーブルSL2とから構成されている。接続コネクタ111は、第2信号ケーブルSL2を着脱可能に構成されている。接続コネクタ112は、第2電源ケーブルSP2を着脱可能に構成されている。
【0035】
コントローラユニット11は、接続コネクタ113を有している。接続コネクタ113は、コントローラユニット11に設定用端末14を接続するために設けられている。接続コネクタ113は、第4電気ケーブル84を接続するケーブル接続部である。接続コネクタ113は、第4電気ケーブル84を着脱可能に構成されている。
【0036】
コントローラユニット11は、メイン制御部21、記憶部22、電源回路23、ファン24を有している。電源回路23は、コントローラユニット11、光源ユニット12、及びヘッドユニット13に駆動のための電力を供給する。
【0037】
記憶部22は、各種の情報を記憶する。記憶部22は、例えばコントローラユニット11に接続されるユニット(光源ユニット12、ヘッドユニット13)の識別情報を記憶する。記憶部22は、加工対象物Wを加工するための加工データを記憶する。加工データは、例えば、加工対象物Wの加工面Waに対して印字すべき文字、図形、等の加工パターンの情報である。記憶部22は、基準マークデータを記憶する。基準マークデータは、加工対象物Wの加工面Waに投射する位置調整用の基準マークの情報である。基準マークは、加工対象物Wとヘッドユニット13との間の距離(いわゆる「ワークディスタンス」、「ワーキングディスタンス」、「ワーク間距離」、等と呼ばれるもの)を調整するために用いられる。
【0038】
記憶部22は、加工対象物Wの情報を記憶する。加工対象物Wの情報は、加工対象物Wの種類に関する情報であり、加工対象物Wの材質、色、表面状態、反射の状態(正反射、拡散反射、反射量)、等を含む。記憶部22は、各種の距離情報を記憶する。各種の距離情報は、ワークディスタンス(ワーキングディスタンス、ワーク間距離)、焦点位置、基準距離、等を含む。
【0039】
さらに、記憶部22は、変位センサ47による測定結果を記憶する。また、記憶部22は、変位センサ47の受光量に対する第1設定値、第2設定値を記憶する。第1設定値及び第2設定値は、変位センサ47において、距離の測定に適した光量の範囲の下限値及び上限値として設定される。受光量が第1設定値以下の場合、又は受光量が第2設定値以上の場合、変位センサ47の受光部47bにて得られる反射光KRの入射位置、つまり測定結果に誤差が生じる場合がある。このため、変位センサ47における受光量が第1設定値以上第2設定値以下の場合に、変位センサ47の測定結果を有効とする。これにより、精度の高い精度で位置を調整可能とすることができる。
【0040】
メイン制御部21は、第1信号ケーブルSL1と第2信号ケーブルSL2とを介して、光源ユニット12の光源制御部31及びヘッドユニット13のヘッド制御部41と通信可能に構成されている。メイン制御部21は、加工データ等に基づいて、光源制御部31、ヘッド制御部41に対して制御データを送信する。例えば、メイン制御部21は、加工データに基づいて、加工対象物W上の加工位置に対応する複数の走査位置データ(座標データ)と、オンオフデータとを含む制御データを生成する。メイン制御部21は、制御データを光源制御部31、ヘッド制御部41に送信する。
【0041】
光源制御部31は、制御データに基づいてレーザ光源33を制御する。例えば、光源制御部31は、レーザ光源33から出射するレーザ光LWの光量(光パワー)を制御する。
ヘッド制御部41は、制御データに基づいて、レーザ光LWにて加工対象物Wを加工するように走査部46を制御する。ヘッド制御部41は、制御情報に基づいて、ガイド用光源44からガイド光LGを出射するようにガイド用光源44を制御する。また、ヘッド制御部41は、ガイド光LGにより、加工対象物Wに加工パターン、基準マークを投射するように走査部46を制御する。加工パターンは、加工対象物Wに形成する文字、記号、又は図形等の形状である。基準マークは、ヘッドユニット13と加工対象物Wとの間の距離を調整するための図形である。
【0042】
(設定用端末)
設定用端末14は、制御部51、記憶部52、入力部53、表示部54、電源部55を有している。表示部54は、レーザ加工装置10Aの各種情報を表示可能に構成されている。入力部53は、ユーザによるデータの入力が可能に構成されている。設定用端末14は、例えば、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末などの汎用端末と、それに導入された専用のアプリケーションソフトウェアとにより構成される。
【0043】
設定用端末14は、第3電気ケーブル83によりヘッドユニット13に接続される。設定用端末14は、第3電気ケーブル83により、ヘッドユニット13に内設された撮像部48に対して駆動電圧を供給するように構成されている。撮像部48は、供給される駆動電圧により作動する。この撮像部48は、これにより、撮像部48は、ヘッドユニット13の動作状態(オン/オフ)に係わらず作動することができる。そして、撮像部48は、作動により撮像した対象物画像のデータを出力する。したがって、設定用端末14は、ヘッドユニット13、つまりコントローラユニット11の動作状態にかかわらず、対象物画像のデータを得ることができる。このように、撮像部48について、使い勝手のよいものとすることができる。
【0044】
また、設定用端末14は、第4電気ケーブル84によりコントローラユニット11に接続される。第4電気ケーブル84は、信号を伝達する信号線を含む。なお、第4電気ケーブル84は、電力を伝達する電源線を含んでいてもよい。
【0045】
制御部51は、アプリケーションソフトウェアを実行する。制御部51は、アプリケーションソフトウェアの実行による各種のデータを記憶部52に記憶させる。各種のデータは、上記の加工データを含む。制御部51は、加工データの作成、変更等の作業のための各種のウインドウを表示部54に表示させる。制御部51は、作業者による入力部53の操作に基づいて、加工対象物Wを加工するための加工データを生成する。そして、制御部51は、加工データを記憶部52に記憶させる。また、制御部51は、第4電気ケーブル84により、加工データをコントローラユニット11に送信する。
【0046】
コントローラユニット11に接続された設定用端末14は、入力部53の操作に応じて、コントローラユニット11に対して、各種の制御、動作モードを指示する。指示する制御は、例えば、加工開始、加工停止、を含む。動作モードは、加工モード、教示モード、位置調整モードを含む。加工モードは、レーザ光LWにて加工対象物Wに加工パターンを形成するモードである。教示モードは、ガイド光LGにて加工対象物Wに加工パターンを投射するモードである。位置調整モードは、加工対象物Wの位置を調整するモードである。加工対象物Wの位置は、レーザ加工装置10A(ヘッドユニット13)に対する加工対象物Wの位置であり、レーザ加工装置10A(ヘッドユニット13)と加工対象物Wとの間の相対的な位置であるといえる。位置調整モードは、第1調整モード、第2調整モードを含む。第1調整モードは、ガイド光LG及び検出光LKにより加工対象物Wの位置を調整するモードである。第2調整モードは、変位センサ47の測定結果により加工対象物Wの位置を調整するモードである。設定用端末14は、これらの動作モードを選択するための文字等を表示する。そして、設定用端末14は、入力部53の操作によって選択された動作モードをコントローラユニット11のメイン制御部21に対して指示する。設定用端末14は、動作モードを選択するモード選択部、加工対象物設定部として機能する。
【0047】
また、設定用端末14は、コントローラユニット11のメイン制御部21と通信する。この通信により、設定用端末14は、記憶部22に記憶された各種の情報をメイン制御部21から取得することができる。この情報は、たとえば、ヘッドユニット13のモニタ部43のモニタ結果、変位センサ47の測定結果、等を含む。したがって、設定用端末14は、コントローラユニット11に対する指示、コントローラユニット11の記憶部22から取得した各種情報を表示部54に表示させる。
【0048】
上述したように、設定用端末14は、第3電気ケーブル83によりヘッドユニット13に接続される。そして、設定用端末14は、第3電気ケーブル83により、ヘッドユニット13に内設された撮像部48から対象物画像のデータを取得する。設定用端末14は、対象物画像に加工データの加工パターンを重ね合わせて表示部54に表示する機能を有している。このように、対象物画像に加工パターンを重ね合わせて表示することにより、加工対象物Wに対する加工パターンの状態を容易に確認することができる。上述した通り、撮像部48は、ヘッドユニット13の動作状態(オン/オフ)に係わらず作動することができる。つまり、レーザ加工装置10A(各ユニット11~13)が動作していない状態でも、実際の対象物画像を用いて設定や設定状態の確認を行うことが可能である。
【0049】
(ヘッドユニットの構成)
図3~
図8は、ヘッドユニット13に含まれる光学素子の概略を示す。
図3~
図8において、ヘッドユニット13の外形を二点鎖線にて示している。
図3~
図8において、レーザ光LW等の光軸を一点鎖線にて示している。
図7,
図8において、加工対象物Wの加工面Waを実線及び配線にて示している。
【0050】
図3に示すように、ヘッドユニット13には、光ファイバケーブルFLのヘッドコネクタFLaが取着される。光ファイバケーブルFLにて伝達されるレーザ光LWは、ヘッドコネクタFLaからヘッドユニット13の内部へと出射される。レーザ光LWは、光合流部材431を透過する。光合流部材431は、例えばダイクロイックミラーである。光合流部材431は、レーザ光LWの光軸上に設けられ、その光軸に対して所定の角度傾いて配置されている。光合流部材431は、その入射面431aにおいて、レーザ光LWの一部を反射するように形成されている。
【0051】
光合流部材431にて反射した一部のレーザ光LWaは、モニタ部43に入射する。モニタ部43は、レーザ光LWaを受光する受光素子を含む。モニタ部43は、受光したレーザ光LWaの受光量を検出する。これにより、レーザ光LWの光量をモニタすることができる。
【0052】
光合流部材431の後段には、焦点調整部45と走査部46とが配置されている。
焦点調整部45は、3枚のレンズ45a,45b,45cを有している。レンズ45a~45cは、レーザ光LWの光軸上に配置されている。レンズ45aは、例えば凹レンズであり、レンズ45b,45cは例えば凸レンズである。焦点調整部45は、レンズ45aを支持する支持部材と、支持部材をレーザ光LWの光軸に沿って移動させる駆動部とを有している。支持部材は例えばリニアスライダ等によって構成される。駆動部は、例えばステッピングモータ等によって構成される。焦点調整部45を通過するレーザ光LWは、レンズ45a~45cの位置に応じた距離にて集光する。これによりレーザ光LWの焦点距離(焦点位置)は調整可能となる。
【0053】
走査部46は、一対のミラー46a,46bと、ミラー46a,46bのそれぞれを駆動する駆動部46c,46dを有する。駆動部46c,46dは、例えばステッピングモータ等によって構成される。ミラー46a,46bはそれぞれ、レーザ光LWを反射する。駆動部46c,46dは、ミラー46a,46bを回動する。ミラー46a,46bの回動により、ミラー46a,46bにより反射されたレーザ光LWは、加工対象物Wに対して互いに直交する2つの軸方向に沿って走査される。
【0054】
ガイド用光源44は、光合流部材431の出射面431bに向けてガイド光LGを出射するように配置されている。光合流部材431は、その出射面431bにおいて、ガイド光LGを反射するように形成されている。ガイド光LGは、光合流部材431により、光合流部材431を透過したレーザ光LWと同軸状となるように反射される。つまり、光合流部材431は、レーザ光LWとガイド光LGを同軸状に合流する。光合流部材431にて反射されたガイド光LGは、焦点調整部45を通過し、走査部46にてレーザ光LWと同様に反射され、加工対象物Wに照射される。したがって、メイン制御部21は、レーザ光LWを走査するときと同様に加工データに基づいて走査部46を制御する。これによりメイン制御部21は、ガイド光LGにて加工対象物Wの加工面Waに対して加工パターンを投射する。ガイド光LGは、可視領域の波長を有している。したがって、ガイド光LGにより、加工パターンを確認することができる。
【0055】
また、メイン制御部21は、基準マークデータに基づいて走査部46を制御する。これにより、メイン制御部21は、ガイド光LGにて加工対象物Wの加工面Waに対して基準マークを投射する。
【0056】
(変位センサ)
図4、
図7、
図8に示すように、変位センサ47は、投光部47aから検出光LKを投光する。その検出光LKは、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜している。変位センサ47は、投光部47aから投光する検出光LKの光軸が保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜するように配置されているといえる。保護ガラス49の鉛直軸49Lは、走査部46にて反射したレーザ光LWが保護ガラス49の出射面49aから垂直に出射するときの光軸と等しい。
【0057】
また、検出光LKの光軸は、保護ガラス49の鉛直軸49Lと所定の第2距離にて交差する。変位センサ47は、検出光LKの光軸が保護ガラス49の鉛直軸49Lと所定の第2距離にて交差するように配置されているといえる。検出光LKの光軸と鉛直軸49Lとが交差する第2距離は、例えば保護ガラス49の出射面49aから検出光LKの光軸と鉛直軸49Lとが交差する点までの距離である。この第2距離を、基準距離とする。
【0058】
図4に示すように、ヘッドユニット13を保護ガラス49の出射面49aの側から視て、変位センサ47は、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して、ヘッドユニット13の先端側(
図4において左側)に配置されている。また、変位センサ47は、保護ガラス49の鉛直軸49Lを含み、走査部46に入射するレーザ光LWの光軸と平行な平面LP(一点鎖線にて示す)に対して、一方の側(
図4において上側)に投光部47a及び受光部47bが位置するように配置されている。したがって、変位センサ47から投光される検出光LKの光軸は、走査部46においてレーザ光LWを走査する2つの軸に対して傾いている。投光部47a及び受光部47bは、保護ガラス49の鉛直軸49Lを含む平面において、焦点調整部45から出射されるレーザ光LWと直交する平面と、検出光LK及び反射光KRを含む平面が所定角度で交差するように配置されているといえる。
図4において、ミラー46aは、レーザ光LWを図面の左右方向に走査する。この走査軸をX軸とする。同様に、ミラー46bは、レーザ光LWを図面の上下方向に走査する。この操作軸をY軸とする。上記した鉛直軸49Lは、例えばこれらX軸とY軸の交点であり、レーザ光LWを走査するX-Y座標の原点(中心)である。そして、鉛直軸49Lは、加工領域の中心に対応する。
【0059】
(撮像部)
図3、
図4に示すように、撮像部48は、走査部46のミラー46bに対して、ミラー46aとは反対側に配置されている。
【0060】
図5に示すように、撮像部48は、走査部46の支持台46eに固定されている。ヘッドユニット13の筐体13aは、ベース板13bを有している。このベース板13bの下面は、保護ガラス49が設けられた筐体13aの一側面を構成する。保護ガラス49は、ベース板13bに固定されている。
【0061】
支持台46eは、ベース板13bの上面に固定されている。この支持台46eには、走査部46の駆動部46c,46dが固定されている。また、支持台46eには、撮像部48が固定されている。なお、
図5には示されていないが、支持台46eには、
図7等に示す変位センサ47が固定されている。
【0062】
図4、
図6に示すように、撮像部48は、対象物画像を取得するための撮像軸48Lが、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜するように配置されている。撮像軸48Lは、撮像部48を構成するレンズの中心を通る光軸である。この光軸は、対象物画像を撮像する撮像素子における光の入射面に対して垂直である。
【0063】
撮像部48の撮像軸48Lは、保護ガラス49の鉛直軸49Lと所定の第1距離にて交差する。撮像部48は、撮像軸48Lが保護ガラス49の鉛直軸49Lと所定の第1距離にて交差するように配置されているといえる。また、撮像部48は、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜して配置されていると言える。
【0064】
撮像軸48Lと鉛直軸49Lとが交差する第1距離は、例えば保護ガラス49の出射面49aから撮像軸48Lと鉛直軸49Lとが交差する点までの距離である。撮像部48は、この第1距離が、
図6、
図10に示す焦点調整部45による焦点位置の調整範囲のうち、最遠点面FPの最遠焦点距離よりも大きくなるように配置されている。つまり、第1距離は、焦点調整部45における焦点位置の調整範囲よりも保護ガラス49から離れた距離であるといえる。そして、このように第1距離を設定することにより、撮像部48の撮像軸48Lを保護ガラス49の鉛直軸49Lに近づけることができる。
【0065】
(焦点距離の調整)
図9に示すように、焦点調整部45は、レンズ45a,45b,45cを有している。レンズ45aは、凹レンズであり、レンズ45b及びレンズ45cは凸レンズである。レンズ45aとレンズ45bは、入射するレーザ光LWのビーム径を拡大し、平行光となるレーザ光LWを出力する。レンズ45cは、平行光であるレーザ光LWを集光する。
【0066】
図10に示すように、レンズ45aをレンズ45bに近づけると、レンズ45bを透過したレーザ光LWは、広がりを持つ、つまりビーム径は徐々に大きくなる。このレーザ光LWにより、レンズ45cにより集光されたレーザ光LWの焦点位置は、
図9に示す焦点位置よりもレンズ45cから遠くなる。つまり、レーザ光LWの焦点距離が長くなる。
【0067】
図11に示すように、レンズ45aをレンズ45bから遠ざけると、レンズ45bを透過したレーザ光LWは、絞られる、つまりビーム径は徐々に小さくなる。このレーザ光LWにより、レンズ45cにより集光されたレーザ光LWの焦点位置は、
図10に示す焦点位置よりもレンズ45cに近くなる。つまり、レーザ光LWの焦点距離が短くなる。
【0068】
図2に示すヘッド制御部41は、焦点調整部45のレンズ45aの位置を制御する。このレンズ45aの移動により、レンズ45a~45bの間のレンズ間距離が変更される。つまり、ヘッド制御部41は、焦点調整部45を制御し、レンズ間距離を調整する。
【0069】
図9は、レンズ45aを基準位置に移動させたときの状態を示す。基準位置は、レンズ45aを移動させる移動機構における移動範囲の中間位置である。このときのレーザ光LWの焦点位置を含み、光軸に対して直交する平面を基準面BPとする。ヘッドユニット13(保護ガラス49の出射面49a)から基準面BPまでの距離を基準焦点距離とする。光軸に対して直交する平面はX軸(X座標値)及びY軸(Y座標値)により規定される(2次元の座標値)。そして、光軸に沿った方向はZ軸(Z座標値)により規定される(1次元の座標値)。
【0070】
図10及び
図11は、レンズ45aの移動による焦点位置の調整範囲を示す。
図10において、
図9に示す基準位置にあるレンズ45aを、そのレンズ45aの移動範囲において最もレンズ45bに近づけた状態を示す。このときのレーザ光LWの焦点位置をZ軸方向における最遠点位置とし、最遠点位置を含み、光軸に対して直交する平面を最遠点面FPとする。なお、厳密には、二次元平面状における四角形状の加工領域(印字エリア)の各対角点が加工領域を含めた最遠点位置となるが、ここでは、二次元平面状の原点位置における光軸方向(Z軸方向)での最遠点位置の説明としている。ヘッドユニット13(保護ガラス49の出射面49a)から最遠点面FPまでの距離を最遠焦点距離とする。
【0071】
図11において、
図9に示す基準位置にあるレンズ45aを、そのレンズ45aの移動範囲において最もレンズ45bから離した状態を示す。このときのレーザ光LWの焦点位置をZ軸方向における最近点位置とし、最近点位置を含み、光軸に対して直交する平面を最近点面NPとする。ヘッドユニット13(保護ガラス49の出射面49a)から最近点面NPまでの距離を最近焦点距離とする。
【0072】
(ガイドマーク及びガイド点)
図12は、基準マーク60の一例を示す。この基準マーク60は、所定の半径を有する円61と、円61の中心点61aにて互いに直交する2本の直線62a,62bとを含む。円61の中心点61aは、例えば
図3~
図8に示す走査部46によりレーザ光LWを走査するX-Y座標の原点に設定される。基準マーク60の色、つまりガイド光LGの色は、例えば緑色である。
【0073】
図12には、ガイド点70が示されている。ガイド点70は、変位センサ47の投光部47aから投光される検出光LKによって、加工対象物Wの加工面Waに示される。
図12において、ガイド点70は、円として示されている。なお、
図12には、ガイド点70の例として3つのガイド点70a,70b,70cが示されている。ガイド点70a~70cの色、つまり検出光LKの色は、例えば赤色である。
【0074】
図4、
図7、
図8に示すように、検出光LKは、鉛直軸49Lと第2距離(基準距離)にて交差する。この交差する所定の基準距離は、例えば
図9に示す基準面BPの距離に設定される。この場合、基準面BPにおいて、検出光LKは鉛直軸49Lと交差する。この基準面BPにおいて、
図12に示すように、鉛直軸49Lを中心とする円61を含む基準マーク60が投影される。したがって、検出光LKによるガイド点70は、基準マーク60の中心に位置する。つまり、加工対象物Wの加工面Waが基準面BPの位置にあるとき、基準マーク60の中心にガイド点70a(70)が投影される。
【0075】
(作用)
次に、第1実施形態のレーザ加工装置10Aの作用を説明する。
このレーザ加工装置10Aは、走査部46を収容するヘッドユニット13の筐体13aに収容された撮像部48を有している。撮像部48は、保護ガラス49を通して加工対象物Wを撮像することにより、加工領域の少なくとも一部を含む対象物画像を取得する。撮像部48は、対象物画像を取得するための撮像軸48Lが、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して第1距離で交差するように配置されている。
【0076】
保護ガラス49の鉛直軸49Lは、走査部46にて反射したレーザ光LWが保護ガラス49の出射面49aから垂直に出射するときの光軸と等しい。このレーザ光LWの光軸は、加工対象物Wの加工面Waにおける加工領域の中心に対応する。
【0077】
上記したように、撮像部48は、撮像部48の撮像軸48Lを保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜するように配置されている。したがって、撮像部48は、保護ガラス49の近傍に配置することができる。また、走査部46の配置に影響することなく、撮像部48を配置することができる。そして、撮像軸48Lを保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜するように撮像部48を配置することにより、簡易な構成で、広い撮像視野を確保することができる。
【0078】
撮像部48の撮像軸48Lと保護ガラス49の鉛直軸49Lとが交差する第1距離は、焦点調整部45における焦点位置の調整範囲よりも保護ガラス49から離れた距離である。このように第1距離を設定することは、撮像部48の撮像軸48Lを保護ガラス49の鉛直軸49Lに近づけることができる。このため、歪みの少ない対象物画像を取得することができる。
【0079】
撮像部48は、ヘッドユニット13の接続コネクタ134に接続されている。そして、撮像部48は、接続コネクタ134から供給される駆動電圧により作動し、対象物画像のデータを接続コネクタ134に出力する。一方、撮像部48は、ヘッドユニット13の光学部材を駆動する駆動電圧を供給するための接続コネクタ132、及び光学部材に対する制御信号を伝達するための接続コネクタ132と接続されていない。したがって、ヘッドユニット13に対して独立駆動可能に構成されている。そして、撮像部48は、ヘッドユニット13、つまりコントローラユニット11の動作状態にかかわらず、作動するとともに対象物画像のデータを取得する。接続コネクタ134に接続された設定用端末14は、ヘッドユニット13、つまりコントローラユニット11の動作状態にかかわらず、対象物画像のデータを得ることができる。このように、撮像部48について、使い勝手を向上することができる。
【0080】
設定用端末14は、第3電気ケーブル83によりヘッドユニット13に接続される。そして、設定用端末14は、第3電気ケーブル83により、ヘッドユニット13に内設された撮像部48から対象物画像のデータを取得する。設定用端末14は、対象物画像に加工データの加工パターンを重ね合わせて表示部54に表示する機能を有している。このように、対象物画像に加工パターンを重ね合わせて表示することにより、加工対象物Wに対する加工パターンの状態を容易に確認することができる。
【0081】
上述した通り、撮像部48は、加工対象物Wについて、歪みの少ない対象物画像を取得することができる。このため、対象物画像について、歪み補正を行わなくても、加工パターンの状態を確認することができる。
【0082】
次に、レーザ加工装置10Aの動作モードについて説明する。
(加工モード)
メイン制御部21は、設定用端末14にて加工モードが選択され、加工開始が指示されると、加工対象物Wに対する加工処理を開始する。
【0083】
メイン処理は、加工データに基づいて加工対象物Wにレーザ光LWを照射する処理を実行する。メイン制御部21は、制御データを生成する。制御データは、印字すべき文字等に関する加工データに基づいて加工対象物W上の加工位置に対応する複数の走査位置データ(座標データ)と、レーザ光LWのオンオフデータとを含む。メイン制御部21は、制御データを光源ユニット12の光源制御部31とヘッドユニット13のヘッド制御部41とに送信する。
【0084】
光源ユニット12の光源制御部31は、制御データに基づいてレーザ光源33を制御し、レーザ光LWを出射させる。ヘッドユニット13のヘッド制御部41は、制御データに基づいて、焦点調整部45、走査部46を制御し、レーザ光LWを加工対象物Wに向けて走査する。これにより、レーザ加工装置10Aは、加工対象物Wの加工面Waを、加工パターンを加工する。
【0085】
(教示モード)
メイン制御部21は、設定用端末14にて教示モードが選択され、開始が指示されると、加工対象物Wに対する教示処理を開始する。
【0086】
メイン処理は、加工データに基づいて加工対象物Wにガイド光LGを照射する処理を実行する。メイン制御部21は、制御データを生成する。制御データは、印字すべき文字等に関する加工データに基づいて加工対象物W上の加工位置に対応する複数の走査位置データ(座標データ)と、ガイド光LGのオンオフデータとを含む。メイン制御部21は、制御データをヘッドユニット13のヘッド制御部41に送信する。
【0087】
ヘッドユニット13のヘッド制御部41は、制御データに基づいて、ガイド用光源44を制御するとともに、焦点調整部45、走査部46を制御し、ガイド光LGを加工対象物Wに向けて走査する。これにより、レーザ加工装置10Aは、加工対象物Wの加工面Waに、加工パターンを投射する。
【0088】
(位置調整モード:第1調整モード)
メイン制御部21は、設定用端末14にて位置調整モード:第1調整モードが選択され、開始が指示されると、加工対象物Wに対する第1調整モードの処理を開始する。
【0089】
メイン処理部は、基準マークデータに基づいて、加工対象物Wにガイド光LGを照射する処理を実行する。メイン制御部21は、制御データを生成する。制御データは、基準マークデータに基づいて加工対象物W上の加工位置に対応する複数の走査位置データ(座標データ)と、ガイド光LGのオンオフデータとを含む。また、制御データは、変位センサ47の投光部47aから検出光LKを出射させる指示を含む。メイン制御部21は、制御データをヘッドユニット13のヘッド制御部41に送信する。
【0090】
ヘッドユニット13のヘッド制御部41は、制御データに基づいて、ガイド用光源44を制御するとともに、焦点調整部45、走査部46を制御し、ガイド光LGを加工対象物Wに向けて走査する。これにより、レーザ加工装置10Aは、加工対象物Wの加工面Waに、基準マーク60を投射する。また、ヘッド制御部41は、制御データに基づいて、変位センサ47の投光部47aから検出光LKを投光させる。これにより、レーザ加工装置10Aは、加工対象物Wの加工面Waに、ガイド点70を投射する。
【0091】
図4、
図7、
図8に示すように、検出光LKは、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾いている。したがって、加工面Waが上記の基準面BPに対してヘッドユニット13に近い位置にある場合、又はヘッドユニット13から遠い位置にある場合、検出光LKによるガイド点は、基準マーク60の中心からずれる。例えば加工面Waが
図10に示す最遠点位置にあるとき、
図12に示すガイド点70bが示される。また、例えば加工面Waが
図11に示す最近点位置にあるとき、
図12に示すガイド点70cが示される。このように投射されるガイド点70a~70cにより、加工面Waが基準面BPの位置にあるか否かを容易に判断できる。
【0092】
(位置調整モード:第2調整モード)
メイン制御部21は、設定用端末14にて位置調整モード:第2調整モードが選択され、開始が指示されると、加工対象物Wに対する第2調整モードの処理を開始する。
【0093】
メイン制御部21は、変位センサ47により距離を測定する指示を含む制御データを生成する。メイン制御部21は、制御データをヘッドユニット13のヘッド制御部41に送信する。ヘッド制御部41は、制御データに基づいて、変位センサ47にて距離を測定する。ヘッド制御部41は、変位センサ47の測定結果、受光量を含むデータをメイン制御部21に送信する。メイン制御部21は、ヘッド制御部41から受信したデータに基づいて、変位センサ47による測定結果を設定用端末14の表示部54に表示する。
【0094】
検出光LKは、
図2に示す変位センサ47の投光部47aから投光される。変位センサ47は、受光部47bにおける受光状態により、距離を測定する。
図2に示すヘッド制御部41は、変位センサ47の測定結果をメイン制御部21に送信する。メイン制御部21は、受信した測定結果に基づいて設定用端末14の表示部54に距離を表示する。例えば、メイン制御部21は、測定結果に基づいて、測定距離を設定用端末14の表示部54に表示する。測定距離は、例えばヘッドユニット13(保護ガラス49の出射面49a)から加工対象物Wの加工面Waまでの距離として示される。この測定距離により、加工対象物Wの位置をより高い精度にて調整することができる。
【0095】
メイン制御部21は、表示部54に、記憶部22に記憶された加工物距離を表示させる。加工物距離は、加工対象物Wの加工面Waに対して加工パターンを所望のビーム径にて加工する距離である。加工物距離は、例えば上記の基準距離が設定される。また、加工物距離は、設定用端末14の操作によって変更可能に設定される。加工物距離は、記憶部22に記憶される。レーザ光LWの焦点位置を、加工面Waに対して高さ方向(光軸方向)にずらすことで、所望のビーム径にて加工することができる。例えば、レーザ光LWを最も絞った状態(焦点位置)にて加工パターンを加工する場合、レーザ光LWの焦点距離は、加工物距離と等しい。そして、加工物距離と測定距離とを表示部54に表示することで、加工対象物Wの位置が合わせられているか否かを容易に判断することができる。そして、表示された測定距離を加工物距離に一致させるように加工対象物Wを移動させることにより、より簡単に、かつより高い精度にて調整することができる。
【0096】
この第2調整モードにおいて、メイン制御部21は、ガイド光LGによる基準マーク60の投影を停止する。これにより、加工対象物Wの加工面Waにて反射したガイド光LGが受光部47bに入射することを防止する。例えば、メイン制御部21は、ヘッド制御部41に対して停止を示す制御データを送信し、ヘッド制御部41は、ガイド用光源44によりガイド光LGの出射を停止する。なお、例えば
図3に示す光合流部材431と焦点調整部45との間にシャッタを設け、シャッタによりガイド光LGを遮るようにしてもよい。
【0097】
メイン制御部21は、ヘッド制御部41から受信したデータに含まれる変位センサ47の受光量と、記憶部22に記憶された第1設定値、第2設定値とを比較する。メイン制御部21は、比較結果に応じて測定エラーを報知する。メイン制御部21は、受光量が第1設定値よりも少ない場合に、設定用端末14の表示部54に測定エラーを表示させる。これにより、変位センサ47における受光量が不足していることを確認できる。また、メイン制御部21は、受光量が第2設定値よりも多い場合に、設定用端末14の表示部54に測定エラーを表示させる。これにより、変位センサ47における受光量が多すぎることを確認できる。このようなエラー表示により、変位センサ47による距離測定が不安定であることを確認できる。
【0098】
なお、メイン制御部21は、記憶部22に記憶された加工対象物Wの情報によって、第2調整モードを無効化する、つまり第2調整モードにおける処理を実行しないようにしてもよい。例えば、メイン制御部21は、加工対象物Wの種類において、反射の状態として拡散反射が設定された加工対象物Wの場合に、第2調整モードを有効とし、変位センサ47による測定結果を設定用端末14の表示部54に表示する。一方、メイン制御部21は、加工対象物Wの種類において、反射の状態として正反射が設定された加工対象物Wの場合に、第2調整モードを無効化する。
【0099】
図4に示すように、変位センサ47の受光部47bは、保護ガラス49の鉛直軸49Lを含む平面に対して、変位センサ47の投光部47aと同じ側に位置している。したがって、検出光LKを正反射する加工対象物Wでは、加工対象物Wによる反射光KRは投光部47aに入射し難く、距離の測定が困難になる。このため、メイン制御部21は、第2調整モードを無効化する。つまり、メイン制御部21は、加工対象物Wの情報(反射の状態)によって、第2調整モードの有効と無効とを判定する。
【0100】
なお、メイン制御部21は、他の情報によって判定してもよい。例えば、加工対象物Wの色によって判定する。例えば黒色等のように、検出光LKによる反射の光量が少ない加工対象物Wの色の場合に、第2調整モードを無効化する。なお、メイン制御部21は、第2調整モードを無効化した旨を表示部54に表示させるようにしてもよい。
【0101】
(効果)
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1-1)レーザ加工装置10Aは、走査部46を収容するヘッドユニット13の筐体13aに収容された撮像部48を有している。撮像部48は、保護ガラス49を通して加工対象物Wを撮像することにより、加工領域の少なくとも一部を含む対象物画像を取得する。撮像部48は、対象物画像を取得するための撮像軸48Lが、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して所定の第1距離で交差するように配置されている。保護ガラス49の鉛直軸49Lは、走査部46にて反射したレーザ光LWが保護ガラス49の出射面49aから垂直に出射するときの光軸と等しい。このレーザ光LWの光軸は、加工対象物Wの加工面Waにおける加工領域の中心に対応する。
【0102】
撮像部48は、撮像部48の撮像軸48Lを保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜するように配置されている。したがって、撮像部48は、保護ガラス49の近傍に配置することができる。また、走査部46の配置に影響することなく、撮像部48を配置することができる。そして、撮像軸48Lを保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾斜するように撮像部48を配置することにより、簡易な構成で、広い撮像視野を確保することができる。
【0103】
(1-2)撮像部48は、ヘッドユニット13の接続コネクタ134に接続されている。そして、撮像部48は、接続コネクタ134から供給される駆動電圧により作動し、対象物画像のデータを接続コネクタ134に出力する。一方、撮像部48は、ヘッドユニット13の光学部材を駆動する駆動電圧を供給するための接続コネクタ132、及び光学部材に対する制御信号を伝達するための接続コネクタ132と接続されていない。したがって、ヘッドユニット13に対して独立駆動可能に構成されている。そして、撮像部48は、ヘッドユニット13、つまりコントローラユニット11の動作状態にかかわらず、作動するとともに対象物画像のデータを取得する。接続コネクタ134に接続された設定用端末14は、ヘッドユニット13、つまりコントローラユニット11の動作状態にかかわらず、対象物画像のデータを得ることができる。このように、撮像部48について、使い勝手を向上することができる。
【0104】
(1-3)設定用端末14は、第3電気ケーブル83によりヘッドユニット13に接続される。そして、設定用端末14は、第3電気ケーブル83により、ヘッドユニット13に内設された撮像部48から対象物画像のデータを取得する。設定用端末14は、対象物画像に加工データの加工パターンを重ね合わせて表示部54に表示する機能を有している。このように、対象物画像に加工パターンを重ね合わせて表示することにより、加工対象物Wに対する加工パターンの状態を容易に確認することができる。
【0105】
(1-4)設定用端末14は、対象物画像を表示部54に表示する。したがって、教示モードにおける対象物画像、つまり加工対象物Wに対してガイド光LGにて加工パターンを照射した状態の対象物画像を表示部54に表示させることができる。このように表示される対象物画像により、加工対象物Wに対する加工パターンの状態を容易に確認することができる。
【0106】
(1-5)設定用端末14は、対象物画像を表示部54に表示する。したがって、位置調整モード(第1調整モード)における対象物画像、つまり加工対象物Wに対してガイド光LGによる基準マーク60と、変位センサ47の検出光LKによるガイド点70と照射した状態の対象物画像を表示部54に表示させることができる。このように表示される対象物画像により、加工面Waが基準面BPの位置にあるか否かを容易に確認することができる。
【0107】
(1-6)レーザ加工装置10Aは、レーザ光LWを出射するレーザ光源33と、可視領域の波長を有するガイド光LGを出射するガイド用光源44と、レーザ光LW及びガイド光LGを走査する走査部46を有する。レーザ加工装置10Aは、レーザ光LW及びガイド光LGが透過する保護ガラス49を有している。また、レーザ加工装置10Aは、投光部47aと受光部47bを含む変位センサ47を備えている。投光部47aは、加工対象物Wに対して可視領域の波長を有する検出光LKを投光する。変位センサ47は、検出光LKが保護ガラス49の鉛直軸49Lと所定の基準距離で交差するように配置されている。受光部47bは、加工対象物Wにて拡散反射した検出光LK(反射光KR)を受光する。変位センサ47は、受光部47bの受光状態に基づいて距離を測定する。メイン制御部21は、変位センサ47の測定結果に基づいて設定用端末14の表示部54に距離を表示する。
【0108】
例えば、メイン制御部21は、測定結果に基づいて、測定距離を設定用端末14の表示部54に表示する。測定距離は、例えばヘッドユニット13(保護ガラス49の出射面49a)から加工対象物Wの加工面Waまでの距離として示される。この測定距離により、加工対象物Wの位置をより高い精度にて調整することができる。
【0109】
(1-7)メイン制御部21は、表示部54に、記憶部22に記憶された加工物距離を表示させる。加工物距離は、加工対象物Wの加工面Waに対して加工パターンを所望のビーム径にて加工する距離である。加工物距離は、例えば上記の基準距離が設定される。また、加工物距離は、設定用端末14の操作によって変更可能に設定される。加工物距離は、記憶部22に記憶される。レーザ光LWの焦点位置を、加工面Waに対して高さ方向(光軸方向)にずらすことで、所望のビーム径にて加工することができる。
【0110】
(1-8)メイン制御部21は、ヘッド制御部41から受信したデータに含まれる変位センサ47の受光量と、記憶部22に記憶された第1設定値、第2設定値とを比較する。メイン制御部21は、受光量が第1設定値よりも少ない場合に、設定用端末14の表示部54にエラーを表示させる。これにより、変位センサ47における受光量が不足していることを確認できる。また、メイン制御部21は、受光量が第2設定値よりも多い場合に、設定用端末14の表示部54にエラーを表示させる。これにより、変位センサ47における受光量が多すぎることを確認できる。このようなエラー表示により、変位センサ47による距離測定が不安定であることを確認できる。
【0111】
(1-9)記憶部22は、変位センサ47による測定結果を記憶する。また、記憶部22は、変位センサ47の受光量に対する第1設定値、第2設定を記憶する。第1設定値及び第2設定値は、変位センサ47において、距離の測定に適した光量の範囲の下限値及び上限値として設定される。受光量が第1設定値以下の場合、又は受光量が第2設定値以上の場合、変位センサ47の受光部47bにて得られる反射光KRの入射位置、つまり測定結果に誤差が生じる場合がある。このため、変位センサ47における受光量が第1設定値以上第2設定値以下の場合に、変位センサ47の測定結果を有効とする。これにより、精度の高い精度で位置を調整可能とすることができる。
【0112】
(1-10)光合流部材431にて反射した一部のレーザ光LWaは、モニタ部43に入射する。モニタ部43は、レーザ光LWaを受光する受光素子を含む。モニタ部43は、受光したレーザ光LWaの受光量を検出する。これにより、レーザ光LWの光量をモニタすることができる。
【0113】
(1-11)ガイド用光源44は、光合流部材431の出射面431bに向けてガイド光LGを出射するように配置されている。光合流部材431は、その出射面431bにおいて、ガイド光LGを反射するように形成されている。ガイド光LGは、光合流部材431により、光合流部材431を透過したレーザ光LWと同軸状となるように反射される。光合流部材431にて反射されたガイド光LGは、焦点調整部45を通過し、走査部46にてレーザ光LWと同様に反射され、加工対象物Wに照射される。したがって、メイン制御部21は、レーザ光LWを走査するときと同様に加工データに基づいて走査部46を制御する。これによりメイン制御部21は、ガイド光LGにて加工対象物Wの加工面Waに対して加工パターンを投射する。ガイド光LGは、可視領域の波長を有している。したがって、ガイド光LGにより、加工パターンを確認することができる。
【0114】
(1-12)検出光LKは、保護ガラス49の鉛直軸49Lに対して傾いている。したがって、加工面Waが上記の基準面BPに対してヘッドユニット13に近い位置にある場合、又はヘッドユニット13から遠い位置にある場合、検出光LKによるガイド点は、基準マーク60の中心からずれる。例えば加工面Waが
図10に示す最遠点位置にあるとき、
図12に示すガイド点70bが示される。また、例えば加工面Waが
図11に示す最近点位置にあるとき、
図12に示すガイド点70cが示される。このように投射されるガイド点70a~70cにより、加工面Waが基準面BPの位置にあるか否かを容易に判断できる。
【0115】
(1-13)レーザ加工装置10Aは、レーザ光LWの焦点距離を変更する焦点調整部45を備える。撮像部48の撮像軸48Lと保護ガラス49の鉛直軸49Lとが交差する第1距離は、焦点調整部45における焦点位置の調整範囲よりも保護ガラス49から離れた距離である。このように第1距離を設定することは、撮像部48の撮像軸48Lを保護ガラス49の鉛直軸49Lに近づけることができる。このため、レーザ加工装置10Aは、撮像部48について広い視野を確保するとともに、歪みの少ない対象物画像を取得することができる。
【0116】
(第2実施形態)
(レーザ加工装置の概要)
図13は、第2実施形態のレーザ加工装置10Bのブロック構成を示す。
【0117】
レーザ加工装置10Bは、コントローラユニット11、光源ユニット12、ヘッドユニット13B、設定用端末14を有している。この第2実施形態のレーザ加工装置10Bは、第1実施形態のレーザ加工装置10Aに対して、ヘッドユニット13Bの構成が異なる。コントローラユニット11、光源ユニット12、設定用端末14の構成は第1実施形態と同様である。また、各ユニット11,12,13B及び設定用端末14の接続関係は、第1実施形態のレーザ加工装置10Aと同様である。
【0118】
(ヘッドユニット)
ヘッドユニット13Bは、撮像電源供給部91を有している。撮像電源供給部91は、接続コネクタ134と撮像部48との間に接続されている。撮像部48は、信号線93により接続コネクタ134に接続されている。
【0119】
撮像電源供給部91は、電源線92aにより接続コネクタ134に接続されている。また、撮像電源供給部91は、電源線92bにより撮像部48に接続されている。
撮像電源供給部91は、電源線92cにより、接続コネクタ132に接続されている。なお、
図13では、焦点調整部45に接続されるように示されているが、これは、接続コネクタ132により供給されるヘッドユニット13Bの駆動電圧が供給されることを意図している。このように供給される駆動電圧は、撮像部48が動作可能な電圧(内部駆動電圧)である。
【0120】
撮像電源供給部91は、接続コネクタ134から供給される駆動電圧、又は接続コネクタ132から供給される電圧を撮像部48に供給する。したがって、接続コネクタ132,134のいずれか一方から電圧が供給されることにより、撮像部48を作動させることができる。
【0121】
撮像電源供給部91は、接続コネクタ134から電圧が供給される場合、その電圧を撮像部48に供給するように構成されている。そして、撮像電源供給部91は、接続コネクタ134から電圧が供給されない場合、内部駆動電圧を撮像部48に供給するように構成されている。
【0122】
接続コネクタ134は、第3電気ケーブル83を着脱可能に構成されている。この第3電気ケーブル83は、第1実施形態で説明したように、第3電気ケーブル83は、撮像部48へ駆動電圧を供給する電源供給線、及び対象物画像のデータを出力する信号線を含む撮像ケーブルである。そして、設定用端末14は、第3電気ケーブル83が接続されるコネクタに対して駆動電圧を供給するように構成されている。したがって、撮像電源供給部91は、接続コネクタ134から供給される電圧を撮像部48に供給する。これにより、撮像部48は作動する。
【0123】
ここで、接続コネクタ134に対して、電圧が供給されない場合について説明する。たとえば、接続コネクタ134に対して、信号線のみを含む電気ケーブルが接続される場合がある。また、設定用端末14が駆動電圧を供給しないコネクタを有し、このコネクタに第3電気ケーブル83が接続される場合がある。これらの場合、接続コネクタ134に対して、撮像部48の駆動電圧は供給されない。このような場合、撮像電源供給部91は、駆動電圧が供給されないことに基づいて、内部駆動電圧を撮像部48に供給する。これにより、撮像部48を確実に作動させることができる。このように、接続コネクタ134に対して駆動電圧が供給されない場合であっても撮像部48を作動させることができるため、より撮像部48の使い勝手を向上できる。
【0124】
(効果)
以上記述したように、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
【0125】
(2-1)レーザ加工装置10Bは、撮像部48と接続コネクタ134との間に接続された撮像電源供給部91を有している。撮像電源供給部91は、接続コネクタ134から供給される駆動電圧、又は接続コネクタ132から供給される電圧を撮像部48に供給する。したがって、接続コネクタ132,134のいずれか一方から電圧が供給されることにより、撮像部48を作動させることができる。
【0126】
(2-2)撮像電源供給部91は、接続コネクタ134から電圧が供給される場合、その電圧を撮像部48に供給するように構成されている。そして、撮像電源供給部91は、接続コネクタ134から電圧が供給されない場合、内部駆動電圧を撮像部48に供給するように構成されている。したがって、接続コネクタ134に対して駆動電圧が供給されない場合であっても撮像部48を作動させることができるため、より撮像部48の使い勝手を向上できる。
【0127】
(変更例)
上記実施形態は例えば以下のように変更できる。上記実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0128】
・レーザ加工装置の構成は、適宜変更することができる。
図14、
図15は、変更例のレーザ加工装置10Cを示す。
このレーザ加工装置10Cは、コントローラユニット11C、光源ユニット12、ヘッドユニット13、コンソール16を有している。コンソール16は、第5電気ケーブル85によりコントローラユニット11Cに接続されている。ヘッドユニット13は、第6電気ケーブル86によりコントローラユニット11Cに接続されている。
【0129】
(コントローラユニット)
図15に示すように、コントローラユニット11Cは、接続コネクタ114,115を有している。
【0130】
接続コネクタ114は、ヘッドユニット13の撮像部48に接続される。接続コネクタ114は、第6電気ケーブル86を着脱可能に構成されている。第6電気ケーブル86は、ヘッドユニット13の接続コネクタ134に接続されている。第6電気ケーブル86は、撮像部48へ駆動電圧を供給する電源供給線、及び対象物画像のデータを出力する信号線を含む撮像ケーブルである。
【0131】
接続コネクタ115は、コンソール16に接続される。接続コネクタ115は、第5電気ケーブル85を着脱可能に構成されている。第5電気ケーブル85は、電源供給及び信号線を含むケーブルである。なお、電源回路23は、コンソール16に対して駆動のための電力を供給するようにしてもよい。コンソール16は、第1,第2実施形態のコントローラユニット11に接続されてもよい。
【0132】
コンソール16は、入力部53、表示部54を有している。表示部54は、レーザ加工装置10Cの各種情報を表示可能に構成されている。入力部53は、使用者によるデータの入力が可能に構成されている。コンソール16は、例えば、タブレット端末、ノートパソコン、PDAやスマートフォンなどの汎用端末と、それに導入された専用のアプリケーションソフトウェアとにより構成されてもよい。
【0133】
コンソール16は、レーザ加工装置10Cにおける各種の設定を行うために設けられる。また、コンソール16は、レーザ加工装置10Cの状態、各種の情報を表示するために設けられる。
【0134】
コンソール16は、入力部53の操作に応じて、コントローラユニット11Cに対して、各種の制御、動作モードを指示する。
コントローラユニット11Cは、制御部25を有している。制御部25は、レーザ加工装置10Cの加工データの作成、変更等を行う機能を有している。制御部25は、加工データの作成、変更等の各種の作業のためのウインドウを表示部54に表示させる。制御部25は、作業者による入力部53の操作に基づいて、加工対象物Wを加工するための加工データを生成する。制御部25は、加工データを記憶部22に記憶させる。
【0135】
また、制御部25は、ヘッドユニット13の撮像部48にて取得した対象物画像のデータをコンソール16の表示部54に表示させる機能を有している。これにより、作業者は、加工対象物Wを撮像した対象物画像をコンソール16の表示部54により確認することができる。また、表示部54に、ガイド光LGによる加工パターンを含む対象物画像を表示させることもできる。また、表示部54に、ガイド光LGによる基準マーク60と、変位センサ47の検出光LKによるガイド点70とを含む対象物画像を表示させることもできる。
【0136】
・上記の第1,第2実施形態に対し、ユニットの数が変更されてもよい。
たとえば、
図2に示すコントローラユニット11の構成部材と光源ユニット12の構成部材とを含む1つのユニットと、その1つのユニットに接続されたヘッドユニット13とによりレーザ加工装置が構成されてもよい。また、光源ユニット12の構成部材とヘッドユニット13の構成部材とを含む1つのユニットと、その1つのユニットが接続されたコントローラユニット11とによりレーザ加工装置が構成されてもよい。また、コントローラユニット11の構成部材と光源ユニット12の一部の構成部材とを含む1つのユニットと、光源ユニット12の構成部材のうち1つのユニットに含まれる構成部材を除く構成部材とヘッドユニット13の構成部材とを含む他の1つのユニットとによりレーザ加工装置が構成されてもよい。これらのように構成されるレーザ加工装置においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0137】
・第1,第2実施形態では、投光部47aと受光部47bとを一体的に有する変位センサ47を用いたが、投光部47aと受光部47bとが別々に設けられる変位センサを用いてもよい。
【0138】
・変位センサ47は、受光部47bに対して、ガイド光LGの波長域を遮断するフィルタを装着した構成としてもよい。この場合、ガイド光LGにより基準マーク60を投射した状態で、変位センサ47による距離測定を行うことができるようになる。
【0139】
・ヘッドユニット13の記憶部42に第1設定値、第2設定値を記憶させてもよい。ヘッド制御部41により、変位センサ47の受光部47bにおける受光量と第1設定値、第2設定値を比較し、エラーか否かを判定させる。そして、ヘッド制御部41からエラーか否かを示す情報をメイン制御部21に送信する。これにより、変位センサ47における受光量の状態を設定用端末14に表示できる。なお、ヘッド制御部41は、エラーか否かを示す情報と受光量とをメイン制御部21に送信するようにしてもよい。
【0140】
・光合流部材431として、ハーフミラーやビームスプリッタ等を用いてもよい。
・上記実施形態では、レーザ光LWを透過するとともにガイド光LGを反射するように形成された光合流部材431を用いたが、レーザ光LWを反射するとともにガイド光LGを透過するように構成された光合流部材を用いてもよい。
【0141】
・第1,第2実施形態では、光合流部材431によりレーザ光LWの一部を反射させてモニタ部43に入射したが、別の反射部材を用いてレーザ光LWの一部を反射させてモニタ部43に入射する構成としてもよい。
【0142】
・第1,第2実施形態では、検出光LKが出射窓部としての保護ガラス49を透過するように変位センサ47を配置したが、保護ガラス49とは別に出射窓部を設け、検出光LKと反射光KRの少なくとも1つの光がその出射窓部を透過するように変位センサ47を配置してもよい。
【0143】
・第1,第2実施形態に対して、変位センサ47の投光部47aと受光部47bとが並ぶ方向を適宜変更してもよい。
方向の第1例としては、保護ガラス49の出射面49aの側から視て、
図4に示す平面LPと平行に投光部47aと受光部47bとが並ぶように変位センサ47を配置してもよい。
【0144】
方向の第2例として、保護ガラス49の出射面49aの側から視て、保護ガラス49の鉛直軸49Lから投光部47aと受光部47bとが等距離となるように変位センサ47を配置してもよい。この場合、投光部47aと受光部47bは、鉛直軸49Lを中心とする円の周方向に沿って並ぶように変位センサ47を配置するということもできる。また、投光部47aから出射される検出光LKと鉛直軸49Lとがなす角度と、その検出光LKにより受光部47bに入射する反射光KRと鉛直軸49Lとがなす角度とが等しくなるように変位センサ47を配置するということもできる。
【0145】
・第1,第2実施形態に対して、ヘッドユニット13に、収束レンズ、fθレンズ、等を備える構成としてもよい。
・第1,第2実施形態に対して、ガイド用光源44を省略した構成としてもよい。
【0146】
・第1,第2実施形態に対して、焦点調整部45を省略した構成としてもよい。
・第1,第2実施形態に対して、変位センサ47を省略した構成としてもよい。
・設定用端末14において、撮像部48から取得した対象物画像のデータに撮像部48の撮像軸48Lの傾きに応じて歪み補正等の画像処理を施した後、処理後のデータを表示部54に表示するようにしてもよい。また、設定用端末14において、撮像部48から取得した対象物画像に対して、加工データを撮像部48の撮像軸48Lの傾きに応じて画像処理して重ね合わせて表示部54に表示するようにしてもよい。
【0147】
(付記)
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載される構成要素には、実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0148】
(付記1)
レーザ光にて加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、
前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に向けて照射し、前記加工対象物の加工領域内で2次元走査する走査部と、
前記走査部により前記加工対象物に照射される前記レーザ光が透過する出射窓部と、
前記加工対象物に向けられる一側面を有し、前記一側面に前記出射窓部が設けられ、少なくとも前記走査部を収容する筐体と、
前記筐体に収容され、前記出射窓部を通して前記加工対象物を撮像することにより、前記加工領域の少なくとも一部を含む対象物画像を取得する撮像部と、
を備え、
前記撮像部は、前記対象物画像を取得するための撮像軸が前記出射窓部の鉛直軸に対して前記出射窓部から所定の第1距離で交差するように配置されている、
レーザ加工装置。
【0149】
(付記2)
前記筐体に設けられ、前記撮像部へ駆動電圧を供給する電源供給線及び前記対象物画像のデータを出力する信号線の少なくとも1つを含む撮像ケーブルが着脱可能に構成された撮像用接続コネクタを備えた、
付記1に記載のレーザ加工装置。
【0150】
(付記3)
前記撮像ケーブルは、前記電源供給線及び前記信号線の双方を備える、付記2に記載のレーザ加工装置。
【0151】
(付記4)
前記走査部を制御する制御部を含むコントローラユニットと、
前記レーザ光源を含む光源ユニットと、
を備え、
前記筐体は、前記走査部及び前記撮像部の双方を含むヘッドユニットの筐体であり、
更に、
前記光源ユニットと前記ヘッドユニットとを接続する第1電気ケーブルと、
前記光源ユニットに接続され、前記レーザ光を前記ヘッドユニットに伝達する光ファイバケーブルと、
前記コントローラユニットと前記光源ユニットとを接続する第2電気ケーブルと、
を備え、
前記筐体は、前記第1電気ケーブルが着脱可能に構成された接続コネクタを備えた、
付記1から付記3のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0152】
(付記5)
前記第1電気ケーブルは、前記ヘッドユニットの駆動電圧を供給する第1電源ケーブルと、前記ヘッドユニットへ制御信号を伝達する第1信号ケーブルとを含む、付記4に記載のレーザ加工装置。
【0153】
(付記6)
前記第2電気ケーブルは、前記光源ユニットの駆動電圧及び前記ヘッドユニットの駆動電圧を供給する第2電源ケーブルと、前記ヘッドユニットへの制御信号及び前記光源ユニットへの制御信号を伝達するに第2信号ケーブルとを含む、付記4又は付記5に記載のレーザ加工装置。
【0154】
(付記7)
前記撮像用接続コネクタと前記接続コネクタとに接続され、前記撮像用接続コネクタから供給される前記駆動電圧、又は前記接続コネクタから供給される電圧を前記撮像部に供給する撮像電源供給部を備えた、付記3を引用する付記4から付記6のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0155】
(付記8)
前記撮像電源供給部は、前記接続コネクタから電圧が供給されていないときには前記撮像用接続コネクタから供給される前記駆動電圧を前記撮像部に供給し、前記接続コネクタから電圧が供給されているときには前記接続コネクタから供給される前記電圧を前記撮像部に供給する、付記7に記載のレーザ加工装置。
【0156】
(付記9)
可視領域の波長を有するガイド光を出射するガイド用光源と、
前記レーザ光と前記ガイド光を合流する光合流部材と、
を備え、
前記走査部は、前記レーザ光及び前記ガイド光を2次元走査し、
前記出射窓部は、前記レーザ光及び前記ガイド光を透過可能に構成されている、
付記1から付記8のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0157】
(付記10)
前記加工対象物を前記レーザ光により加工する加工モード、または前記加工対象物の位置を調整する位置調整モードを選択するモード選択部と、
前記加工モードにおいて前記レーザ光により前記加工対象物を加工するように前記走査部を制御し、前記位置調整モードにおいて前記ガイド光により前記加工対象物上に位置調整用の基準マークを投射するように前記走査部を制御する制御部と、
を備えた、付記9に記載のレーザ加工装置。
【0158】
(付記11)
前記加工対象物に対して可視領域の波長を有する検出光を投光する投光部と、
前記加工対象物にて前記検出光が拡散反射された光を受光する受光部と、
を含み、
前記鉛直軸に対して前記検出光の光軸が前記出射窓部から所定の基準距離で交差するように配置され、前記受光部の受光状態に基づいて距離を測定する変位センサを備えた、
付記1から付記10のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0159】
(付記12)
前記出射窓部において前記レーザ光が出射する出射面の側から視て、前記投光部および前記受光部は、前記走査部に向かう前記レーザ光の光軸に対して交差する方向に並んで配置されている、付記11に記載のレーザ加工装置。
【0160】
(付記13)
前記出射窓部において前記レーザ光が出射する出射面の側から視て、前記受光部は、前記走査部に向かう前記レーザ光の光軸に対して前記投光部と同じ側に配置されている、付記11又は付記12に記載のレーザ加工装置。
【0161】
(付記14)
前記投光部及び前記受光部は、前記走査部に向かう前記レーザ光の光軸に対して直交する方向に並んで配置されている、付記12又は付記13に記載のレーザ加工装置。
【0162】
(付記15)
前記投光部及び前記受光部は、前記鉛直軸を中心とする円の周方向に並んで配置されている、付記12又は付記13に記載のレーザ加工装置。
【0163】
(付記16)
前記レーザ光の焦点距離を変更する焦点調整部を備え、
前記基準距離は、前記焦点調整部にて調整した基準焦点距離である、付記11から付記15のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0164】
(付記17)
前記基準焦点距離は、前記焦点調整部にて調整可能な焦点距離のうち、前記出射窓部から最も遠い最遠焦点距離と、前記出射窓部に最も近い最近焦点距離との間の中間の距離である、付記16に記載のレーザ加工装置。
【0165】
(付記18)
前記レーザ光の焦点距離を変更する焦点調整部を備え、
前記第1距離は、前記焦点調整部における焦点位置の調整範囲よりも前記出射窓部から離れた距離である、
付記1から付記17のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【0166】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素及び方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせ及び置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、及び変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0167】
10A~10C レーザ加工装置
11,11C コントローラユニット
11a 筐体
111~115 接続コネクタ
12 光源ユニット
12a 筐体
121~124 接続コネクタ
13,13B ヘッドユニット
13a 筐体
131,132 接続コネクタ
133 接続部
134 接続コネクタ(撮像用接続コネクタ)
14 設定用端末
16 コンソール
21 メイン制御部
22 記憶部
23 電源回路
24 ファン
25 制御部
31 光源制御部
32 記憶部
33 レーザ光源
34 ファン
41 ヘッド制御部
42 記憶部
43 モニタ部
431 光合流部材
431a 入射面
431b 出射面
44 ガイド用光源
45 焦点調整部
45a~45c レンズ
46 走査部
46a,46b ミラー
46c,46d 駆動部
46e 支持台
47 変位センサ
47a 投光部
47b 受光部
48 撮像部
48L 撮像軸
49 保護ガラス
49a 出射面
49L 鉛直軸
51 制御部
52 記憶部
53 入力部
54 表示部
55 電源部
60 基準マーク
61 円
61a 中心点
62a,62b 直線
70,70a~70c ガイド点
81 第1電気ケーブル
82 第2電気ケーブル
83 第3電気ケーブル
84 撮像ケーブル
85 通信ケーブル
86 制御ケーブル
87 通信ケーブル
91 撮像電源供給部
92a~92c 電源線
93 信号線
BP 基準面
FL 光ファイバケーブル
FLa ヘッドコネクタ
FP 最遠点面
KR 反射光
LG ガイド光
LK 検出光
LP 平面
LW レーザ光
LWa レーザ光
NP 最近点面
SL1 第1信号ケーブル
SL2 第2信号ケーブル
SP1 第1電源ケーブル
SP2 第2電源ケーブル
W 加工対象物
Wa 加工面