(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124174
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20230830BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20230830BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J21/00 Z
B41J29/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027783
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】松浦 裕貴
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CG02
2C061CG15
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN29
2C061HQ17
2C187AC06
2C187AC08
2C187AD14
2C187AE13
2C187AE19
2C187BF60
2C187DB21
(57)【要約】
【課題】写真に写り込んだ人物の個人情報を保護しつつ、印刷を行うことができるようにすること。
【解決手段】印刷装置110は、SNSサーバが提供するSNSの複数の参加者に含まれる一人の参加者である印刷要求者から、印刷を行う画像の画像データを示して印刷を要求するメッセージである印刷要求メッセージを受信した場合に、SNSを利用して、少なくとも、印刷要求者を除く複数の参加者に、画像の印刷を承認するか否かの回答を依頼する承認依頼メッセージを自動的に送り、SNSを利用して、承認依頼メッセージに対して回答する承認回答メッセージを受け取るSNS連携部115と、承認依頼メッセージを送信した複数の参加者の全てから、画像の印刷を承認する承認回答メッセージを受け取った場合に、画像を自動的に印刷する印刷部113と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループに所属する複数の参加者が複数の端末を用いて通信を行うSNSを提供するSNSサーバと通信を行う通信部と、
前記通信部が、前記SNSサーバを介して、前記複数の参加者に含まれる一人の参加者である印刷要求者から、印刷を行う画像の画像データを示して印刷を要求する印刷要求メッセージを受信した場合に、前記通信部を介して、前記SNSを利用して、少なくとも、前記印刷要求者を除く前記複数の参加者に、前記画像の印刷を承認するか否かの回答を依頼する承認依頼メッセージを自動的に送り、前記SNSを利用して、前記承認依頼メッセージに対して回答する承認回答メッセージを受け取るSNS連携部と、
前記承認依頼メッセージを送信した前記複数の参加者の全てから、前記画像の印刷を承認する前記承認回答メッセージを受け取った場合に、前記画像を自動的に印刷する印刷部と、を備えること
を特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷部は、前記承認依頼メッセージを送信した前記複数の参加者の少なくとも一人の参加者から、前記画像の印刷を承認する前記承認回答メッセージを受け取らなかった場合に、前記画像を印刷しないこと
を特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷部は、前記少なくとも一人の参加者から、前記画像の印刷を承認する前記承認回答メッセージを受け取らなかった場合に、前記画像において、前記少なくとも一人の参加者の顔の部分をマスキングすることで生成された処理画像を印刷すること
を特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記通信部は、さらに前記画像を処理する画像処理サーバと通信を行い、
前記SNS連携部は、
前記通信部を介して、前記画像データを処理対象画像データとして、前記画像処理サーバに自動的に送り、前記画像処理サーバから、前記処理対象画像データに人の顔の画像が含まれているか否かの回答を受け取り、
前記処理対象画像データに前記人の顔の画像が含まれている場合に、前記通信部を介して、前記SNSを利用して、前記複数の参加者のそれぞれに自身の顔の写真の顔写真データを送ることを依頼する写真依頼メッセージを自動的に送り、前記SNSを利用して、前記写真依頼メッセージに対する応答として、前記顔写真データを受け取り、
前記通信部を介して、前記受け取った顔写真データを、前記画像処理サーバに自動的に送ることで、前記画像処理サーバから、前記処理対象画像データで示される画像において、前記受け取った顔写真データで示される顔に対応する顔以外の顔の部分をマスキングすることで生成された前記処理画像を示す処理画像データを取得し、
前記処理画像データに基づいて、前記印刷部に、前記処理画像を印刷させること
を特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記SNS連携部は、前記通信部を介して、前記SNSを利用して、前記印刷要求者に、前記承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの回答を依頼する許可依頼メッセージを自動的に送り、前記SNSを利用して、前記印刷要求者から、前記許可依頼メッセージに対して、前記承認依頼メッセージを送信することを許可するメッセージを受け取った場合に、前記承認依頼メッセージを送ること、
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
グループに所属する複数の参加者が複数の端末を用いて通信を行うSNSの提供を受ける印刷装置であって、
前記SNSを提供するSNSサーバと、画像処理サーバと通信を行う通信部と、
前記複数の参加者が使用する複数の携帯端末のそれぞれが、前記印刷装置と近距離通信を行う近距離通信部と、
前記SNSを利用して、前記複数の参加者と通信を行うSNS連携部と、
印刷を行う印刷部と、を備え、
前記SNS連携部は、
前記通信部が、前記SNSサーバを介して、前記複数の参加者に含まれる一人の参加者である印刷要求者から、印刷を行う画像の画像データを示して印刷を要求する印刷要求メッセージを受信した場合に、前記通信部を介して、前記画像データを処理対象画像データとして、前記画像処理サーバに自動的に送り、前記画像処理サーバから、前記処理対象画像データに人の顔の画像が含まれているか否かの回答を受け取り、
前記処理対象画像データに前記人の顔の画像が含まれている場合に、前記通信部を介して、前記SNSを利用して、少なくとも、前記印刷要求者を除く前記複数の参加者に、前記画像の印刷を承認するときには使用する携帯端末が前記印刷装置から前記近距離通信の範囲内に入ることを要求する承認依頼メッセージを自動的に送り、
前記複数の携帯端末の内の少なくとも一つの携帯端末が前記近距離通信の範囲内に入る場合に、前記近距離通信部を介して、前記少なくとも一つの携帯端末から、前記複数の参加者の少なくとも一人の参加者の顔写真の顔写真データを受け取り、
前記通信部を介して、前記受け取った顔写真データを、前記画像処理サーバに自動的に送ることで、前記画像処理サーバから、前記処理対象画像データで示される画像において、前記受け取った顔写真データで示される顔に対応する顔以外の顔の部分をマスキングした処理画像を示す処理画像データを取得し、
前記処理画像データに基づいて、前記印刷部に、前記処理画像を自動的に印刷させること
を特徴とする印刷装置。
【請求項7】
前記SNS連携部は、前記通信部を介して、前記SNSを利用して、前記印刷要求者に、前記承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの回答を依頼する許可依頼メッセージを自動的に送り、前記SNSを利用して、前記印刷要求者から、前記許可依頼メッセージに対して、前記承認依頼メッセージを送信することを許可するメッセージを受け取った場合に、前記承認依頼メッセージを送ること、
を特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷が許可されていない印刷実行者による画像データの印刷を抑制する印刷装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、印刷不可の印刷実行者からの第1の画像データの印刷要求があったときに、印刷媒体に、第1の画像データの画像に重ねて印刷することにより第1の画像データの画像を劣化させる第2の画像データを重ねて印刷することを条件に、その印刷を許可する印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、集合写真のように、人物像が写り込んだ写真データを印刷装置に送信して印刷する場合、印刷が許可されている印刷実行者だとしても、写真データに写り込んだ人物の中には印刷を望まない人物がいると、個人情報の漏洩の問題があった。
【0006】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、写真に写り込んだ人物の個人情報を保護しつつ、その写真に基づいて印刷を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様に係る印刷装置は、グループに所属する複数の参加者が複数の端末を用いて通信を行うSNSを提供するSNSサーバと通信を行う通信部と、前記通信部が、前記SNSサーバを介して、前記複数の参加者に含まれる一人の参加者である印刷要求者から、印刷を行う画像の画像データを示して印刷を要求する印刷要求メッセージを受信した場合に、前記通信部を介して、前記SNSを利用して、少なくとも、前記印刷要求者を除く前記複数の参加者に、前記画像の印刷を承認するか否かの回答を依頼する承認依頼メッセージを自動的に送り、前記SNSを利用して、前記承認依頼メッセージに対して回答する承認回答メッセージを受け取るSNS連携部と、前記承認依頼メッセージを送信した前記複数の参加者の全てから、前記画像の印刷を承認する前記承認回答メッセージを受け取った場合に、前記画像を自動的に印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の第2の態様に係る印刷装置は、グループに所属する複数の参加者が複数の端末を用いて通信を行うSNSの提供を受ける印刷装置であって、前記SNSを提供するSNSサーバと、画像処理サーバと通信を行う通信部と、前記複数の参加者が使用する複数の携帯端末のそれぞれが、前記印刷装置と近距離通信を行う近距離通信部と、前記SNSを利用して、前記複数の参加者と通信を行うSNS連携部と、印刷を行う印刷部と、を備え、前記SNS連携部は、前記通信部が、前記SNSサーバを介して、前記複数の参加者に含まれる一人の参加者である印刷要求者から、印刷を行う画像の画像データを示して印刷を要求する印刷要求メッセージを受信した場合に、前記通信部を介して、前記画像データを処理対象画像データとして、前記画像処理サーバに自動的に送り、前記画像処理サーバから、前記処理対象画像データに人の顔の画像が含まれているか否かの回答を受け取り、前記処理対象画像データに前記人の顔の画像が含まれている場合に、前記通信部を介して、前記SNSを利用して、少なくとも、前記印刷要求者を除く前記複数の参加者に、前記画像の印刷を承認するときには使用する携帯端末が前記印刷装置から前記近距離通信の範囲内に入ることを要求する承認依頼メッセージを自動的に送り、前記複数の携帯端末の内の少なくとも一つの携帯端末が前記近距離通信の範囲内に入る場合に、前記近距離通信部を介して、前記少なくとも一つの携帯端末から、前記複数の参加者の少なくとも一人の参加者の顔写真の顔写真データを受け取り、前記通信部を介して、前記受け取った顔写真データを、前記画像処理サーバに自動的に送ることで、前記画像処理サーバから、前記処理対象画像データで示される画像において、前記受け取った顔写真データで示される顔に対応する顔以外の顔の部分をマスキングした処理画像を示す処理画像データを取得し、前記処理画像データに基づいて、前記印刷部に、前記処理画像を自動的に印刷させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一又は複数の態様によれば、写真に写り込んだ人物の個人情報を保護しつつ、その写真に基づいて印刷を行うことができるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る印刷システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1における印刷装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】画像データ管理情報の一例を示す概略図である。
【
図4】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1及び2における携帯端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図6】SNSサーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図7】実施の形態1における印刷システムでの動作を示すシーケンス図である。
【
図10】(A)~(D)は、グループチャットで印刷を行う場合の携帯端末に表示されるチャット画面画像例を示す概略図である。
【
図11】実施の形態2及び3に係る印刷システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図12】実施の形態2における印刷装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図13】画像処理サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図14】実施の形態2における印刷システムでの動作を示すシーケンス図である。
【
図16】実施の形態3における印刷装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図17】実施の形態3における携帯端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図18】実施の形態3における印刷システムでの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る印刷システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
印刷システム100は、印刷装置110と、端末としての携帯端末130A~130Dと、SNS(Social Networking Service)サーバ150とを備える。
【0012】
印刷装置110、携帯端末130A~130D及びSNSサーバ150は、インターネット等のネットワーク101に接続され、互いに通信を行うことができる。
SNSサーバ150は、グループに所属する複数の参加者が複数の端末を用いて通信を行うSNSを提供する。例えば、SNSサーバ150は、SNSとして、複数のユーザが参加できるチャット機能のサービスを提供する。
【0013】
携帯端末130A~130Dは、SNSサーバ150と通信することでSNSのチャット機能を利用することができ、他の端末とメッセージのやり取りを行うことができる。
また、印刷装置110は、SNSサーバ150の提供するAPI(Application Programming Interface)を利用して、SNSのチャットに参加することができる。
言い換えると、携帯端末130A~130D及び印刷装置110は、SNSサーバ150から、SNSの提供を受ける。
【0014】
携帯端末130A~130Dの各々を特に区別する必要がない場合には、携帯端末130という。なお、
図1には、四つの携帯端末130A~130Dが示されているが、印刷システム100には、一つ以上の携帯端末130が備えられていればよい。
【0015】
図2は、印刷装置110の構成を概略的に示すブロック図である。
印刷装置110は、通信部111と、受信データ解析部112と、印刷部113と、記憶部114と、SNS連携部115とを備える。
通信部111は、外部の機器と通信を行う。ここでは、通信部111は、ネットワーク101を介して、携帯端末130又はSNSサーバ150と通信を行う。
【0016】
受信データ解析部112は、通信部111で受信されたデータを解析し、そのデータがSNSサービスに関するデータとしてのメッセージである場合には、そのメッセージをSNS連携部115に与える。一方、受信データ解析部112は、そのデータがSNSとは関係のないPC等からの印刷データである場合には、印刷部113にその印刷データを与える。
例えば、受信データ解析部112は、受信されたデータと、SNSのサービスのAPI仕様(例えば、通信プロトコル又はデータフォーマット等の定義)とを比較して、それらが一致する場合には、受信されたデータがSNSサービスに関するデータであると判断する。
【0017】
印刷部113は、受信データ解析部112から与えられた印刷データ又はSNS連携部115から与えられた印刷用画像データに基づいて印刷を行う。
記憶部114は、印刷装置110での処理に必要なプログラム及びデータを記憶する。
【0018】
SNS連携部115は、SNSと連携した処理を実行する。
前提として、携帯端末130において起動されたSNSのアプリケーションにて、いわゆるボットとしての印刷装置110に対して、ユーザである参加者が印刷したい写真である画像の画像データを送信すると、SNSサーバ150を介して、携帯端末130から印刷装置110にその画像データがメッセージとして送信される。
そして、SNS連携部115は、その画像データの画像で示される写真に写り込んだ人物の個人情報を保護しつつ、写真に基づいて印刷を行うことができるようにする。
【0019】
例えば、SNS連携部115は、通信部111が、SNSサーバ150を介して、チャットに参加している複数の参加者に含まれる一人の参加者である印刷要求者から、印刷を行う画像の画像データを示して印刷を要求するメッセージである印刷要求メッセージを受信した場合に、通信部111を介して、そのSNSを利用して、印刷要求者を除く複数の参加者に、その画像データで示される画像の印刷を承認するか否かの回答を依頼するメッセージである承認依頼メッセージを自動的に送る。そして、SNS連携部115は、SNSを利用して、その承認依頼メッセージに対して回答するメッセージである承認回答メッセージを受け取る。
なお、印刷要求者を除く複数の参加者に承認依頼メッセージを送信しているが、印刷要求者へも承認依頼メッセージを送信してもよい。
【0020】
そして、SNS連携部115は、承認依頼メッセージを送信した複数の参加者の全てから、その画像の印刷を承認する承認回答メッセージを受け取った場合に、印刷部113にその画像を自動的に印刷させる。一方、SNS連携部115は、印刷要求者を除く複数の参加者の少なくとも一人の参加者から、その画像の印刷を承認する承認回答メッセージを受け取らなかった場合に、印刷部113にその画像を印刷させない。
【0021】
なお、SNS連携部115は、通信部111を介して、SNSを利用して、印刷要求者に、承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの回答を依頼するメッセージである許可依頼メッセージを自動的に送る。そして、SNS連携部115は、SNSを利用して、印刷要求者から、許可依頼メッセージに対して、承認依頼メッセージを送信することを許可するメッセージを受け取った場合に、承認依頼メッセージを送る。
【0022】
SNS連携部115は、印刷依頼メッセージ処理部116と、承認依頼メッセージ送信確認部117と、画像蓄積部118と、グループ参加者取得部119と、承認依頼メッセージ処理部120と、集計部121と、出力判断部122と、集計通知部123とを備える。
【0023】
印刷依頼メッセージ処理部116は、受信されたメッセージを解析して、メッセージに画像データが含まれている場合には、受信した画像データを画像蓄積部118に与える。
【0024】
承認依頼メッセージ送信確認部117は、メッセージとして画像データを送信してきた送信元の携帯端末130に対して、承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの回答を事前に確認するためのメッセージである許可依頼メッセージを送る。
【0025】
そして、承認依頼メッセージ送信確認部117は、許可依頼メッセージを送信した携帯端末130からその回答である許可回答メッセージを受け取ると、その許可回答メッセージを解析して、承認依頼メッセージの送信が許可されたか否かを判断する。承認依頼メッセージの送信が許可された場合には、承認依頼メッセージ送信確認部117は、グループ参加者取得部119にSNSのグループに参加している参加者の一覧を取得するように依頼する。なお、承認依頼メッセージの送信が許可されない場合には、承認依頼メッセージ送信確認部117は、メッセージとして送信されてきた画像データによる印刷を中止する。
【0026】
画像蓄積部118は、印刷依頼メッセージ処理部116から与えられた画像データを、記憶部114に記憶させて、その画像データを管理する。
【0027】
図3は、画像蓄積部118が画像データを管理するための画像データ管理情報の一例を示す概略図である。
図3に示されている画像データ管理情報102は、データID列102aと、送信者ID列102bと、グループID列102cと、画像データ保存先パス列102dとを備えるテーブル形式の情報である。
【0028】
データID列102aは、画像データを一意に特定するための画像データ識別情報であるデータID(IDentification)を格納する。なお、画像蓄積部118は、印刷依頼メッセージ処理部116から画像データを与えられる度に、その画像データに対して一意となるデータIDを割り当てるものとする。ここでは、画像蓄積部118は、「1」から順番に整数をデータIDとして割り当てる。
【0029】
送信者ID列102bは、画像データをメッセージとして送ってきた参加者である送信者を識別するための送信者識別情報である送信者IDを格納する。
グループID列102cは、画像データがメッセージとして投稿されたグループを識別するためのグループ識別情報であるグループIDを格納する。
ここで、送信者ID及びグループIDは、画像データがメッセージとして送信された際に、SNSサーバ150から印刷装置110に通知されるものとする。
【0030】
画像データ保存先パス列102dは、画像データを記憶部114に保存した保存先を示す画像データ保存先パスを格納する。
なお、画像蓄積部118は、以上のような画像データ管理情報102を記憶部114に記憶させて、画像データの管理を行う。
【0031】
図2に戻り、グループ参加者取得部119は、承認依頼メッセージ送信確認部117からの依頼に応じて、SNSサーバ150によって提供されているAPIを使用して、SNSサーバ150から、画像データの投稿されたグループチャットに参加している参加者の一覧を示す一覧情報を取得する。そして、グループ参加者取得部119は、取得された一覧情報を承認依頼メッセージ処理部120に与える。
【0032】
承認依頼メッセージ処理部120は、グループ参加者取得部119から与えられた一覧情報をもとに、グループチャットの参加者に対して、承認依頼メッセージを送る。
そして、承認依頼メッセージ処理部120は、グループチャットの参加者から、承認依頼メッセージへの回答である承認回答メッセージを受け取ると、その承認回答メッセージを解析して、承認又は拒否といった回答と、その回答の回答者である参加者とを特定して、それらを示す情報である回答情報を集計部121に与える。
【0033】
集計部121は、承認依頼メッセージ処理部120から回答情報を受け取ると、その回答情報で示される回答を集計して、その集計結果を出力判断部122及び集計通知部123に与える。
【0034】
出力判断部122は、集計部121から受信した集計結果をもとに、印刷要求者を除くグループチャットの参加者全員が画像である写真の印刷を承認した場合に、印刷部113に対して印刷指示を出す。この場合、出力判断部122は、印刷指示が出された画像データの画像データ保存先パスを画像蓄積部118から受け取り、そのパスから画像データを読み出して、その画像データを印刷用画像データとして印刷部113に与える。
【0035】
集計通知部123は、集計部121から受信した集計結果を印刷要求者に対してSNSのメッセージで通知する。
【0036】
以上に記載された受信データ解析部112及びSNS連携部115の一部又は全部は、例えば、
図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0037】
また、受信データ解析部112及びSNS連携部115の一部又は全部は、例えば、
図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、受信データ解析部112及びSNS連携部115は、処理回路網により実現することができる。
【0038】
なお、通信部111は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェースにより実現することができる。
また、印刷部113は、電子写真方式又はインクジェット方式の印刷機本体により実現することができる。
記憶部114は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等の記憶装置により実現することができる。
【0039】
図5は、携帯端末130の構成を概略的に示すブロック図である。
携帯端末130は、通信部131と、記憶部132と、表示部133と、入力部134と、制御部135とを備える。
【0040】
通信部131は、外部の機器と通信を行う。ここでは、通信部131は、ネットワーク101を介して、印刷装置110又はSNSサーバ150と通信を行う。
記憶部132は、携帯端末130での処理に必要なプログラム及びデータを記憶する。
【0041】
表示部133は、各種画面画像を表示する。
入力部134は、指示の入力を受け付ける。
【0042】
制御部135は、携帯端末130での処理を制御する。
例えば、制御部135は、通信部131を介してSNSサーバ150と通信することでSNSのチャット機能を実行する。
【0043】
具体的には、制御部135は、SNSサーバ150が提供するSNSのチャット機能を利用して、印刷する画像データを、印刷装置110に送る。
また、制御部135は、SNSサーバ150を介して印刷装置110から許可依頼メッセージを受け取ると、その許可依頼メッセージを表示部133に表示させ、入力部134を介して、承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの回答の入力を受け取る。そして、制御部135は、その回答を示す許可回答メッセージを、SNSサーバ150を介して印刷装置110に送る。
【0044】
さらに、制御部135は、SNSサーバ150を介して印刷装置110から承認依頼メッセージを受け取ると、その承認依頼メッセージを表示部133に表示させ、入力部134を介して、画像の印刷を承認するか否かの回答の入力を受け取る。そして、制御部135は、その回答を示す承認回答メッセージを、SNSサーバ150を介して印刷装置110に送る。
【0045】
また、制御部135は、SNSサーバ150を介して印刷装置110から集計結果を示すメッセージを受け取ると、そのメッセージである集計結果を表示部133に表示させる。
【0046】
以上に記載された制御部135の一部又は全部は、例えば、
図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0047】
また、制御部135の一部又は全部は、例えば、
図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部135は、処理回路網により実現することができる。
【0048】
なお、通信部131は、例えば、NIC等の通信インタフェースにより実現することができる。
また、表示部133は、各種画面画像を表示することのできるディスプレイにより実現することができる。
入力部134は、入力を受け付ける入力装置により実現することができる。
なお、表示部133及び入力部134は、タッチパネルにより実現することもできる。
【0049】
また、記憶部132は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等の記憶装置により実現することができる。
【0050】
図6は、SNSサーバ150の構成を概略的に示すブロック図である。
SNSサーバ150は、通信部151と、記憶部152と、制御部153とを備える。
【0051】
通信部151は、外部の機器と通信を行う。ここでは、通信部151は、ネットワーク101を介して、印刷装置110又は携帯端末130と通信を行う。
記憶部152は、SNSサーバ150での処理に必要なプログラム及びデータを記憶する。
【0052】
制御部153は、SNSサーバ150での処理を制御する。
例えば、制御部153は、通信部151を介して、印刷装置110及び携帯端末130に対して、SNSのチャット機能を提供する。
【0053】
以上に記載された制御部153の一部又は全部は、例えば、
図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0054】
また、制御部153の一部又は全部は、例えば、
図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部153は、処理回路網により実現することができる。
【0055】
なお、通信部151は、例えば、NIC等の通信インタフェースにより実現することができる。
また、記憶部152は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等の記憶装置により実現することができる。
【0056】
図7は、実施の形態1における印刷システム100での動作を示すシーケンス図である。
ここでは、携帯端末130Aのユーザが参加者Aであり、携帯端末130Bのユーザが参加者Bであり、携帯端末130Cのユーザが参加者Cであり、携帯端末130Dのユーザが参加者Dであるものとする。
そして、参加者A~Dが、SNSサーバ150が提供するSNSのグループチャットに参加しているものとする。また、印刷装置110も、いわゆるボットとして、そのグループチャットに参加し、画像データを伴う印刷要求のメッセージが入力されると、その画像データの画像の印刷を行うものとする。
【0057】
まず、携帯端末130Aの制御部135は、参加者Aから、表示部133及び入力部134を介して、印刷したい画像と、印刷要求との入力を受けると、通信部131を介して、SNSサーバ150に、その画像データ及び印刷要求をSNSのメッセージとして送信する(S10)。
【0058】
そのようなメッセージを通信部151が受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、SNSのグループチャットに事前に登録された印刷装置110に対して、その画像の画像データをSNSのメッセージとして送信する(S11)。
【0059】
そのようなメッセージを通信部111が受信すると、受信データ解析部112は、受信されたデータがSNSのメッセージであることを判断して、そのメッセージをSNS連携部115に与える。SNS連携部115では、印刷依頼メッセージ処理部116が、メッセージとして受け取られた画像データを画像蓄積部118に与える。画像蓄積部118は、与えられた画像データを管理する。
【0060】
また、承認依頼メッセージ送信確認部117は、通信部111を介して、画像データを送ってきた携帯端末130Aへの許可依頼メッセージをSNSサーバ150に送る(S12)。
そして、通信部151が許可依頼メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、その許可依頼メッセージを、通信部151を介して、携帯端末130Aに送る(S13)。
【0061】
通信部131が許可依頼メッセージを受信すると、携帯端末130Aの制御部135は、その許可依頼メッセージを表示部133のチャット画面画像に追加することで、そのメッセージを表示して、入力部134を介して、参加者Aから、承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの入力を受ける。ここでは、参加者Aは、承認依頼メッセージを送信することを許可するものとする。このような場合、制御部135は、通信部131を介して、印刷装置110に対する、承認依頼メッセージを送信することを許可することを示す許可回答メッセージをSNSサーバ150へ送る(S14)。
【0062】
そのような許可回答メッセージを通信部151が受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、印刷装置110に対して、その許可回答メッセージを送信する(S15)。
【0063】
承認依頼メッセージを送信することを許可することを示す許可回答メッセージを通信部111が受信すると、印刷装置110の承認依頼メッセージ処理部120は、グループ参加者取得部119に、画像データの投稿されたグループチャットに参加している参加者の一覧を示す一覧情報を取得するように依頼する。このような依頼を受けて、グループ参加者取得部119は、通信部111を介して、SNSサーバ150の提供するAPIを利用して、一覧情報の送信要求を、SNSサーバ150に送る(S16)。
【0064】
通信部151がそのような要求を受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、チャットを行っているグループの参加者の一覧を示す一覧情報を、通信部151を介して、印刷装置110へ送る(S17)。
【0065】
通信部111が一覧情報を受信すると、承認依頼メッセージ処理部120は、一覧情報に基づいて、グループチャットにおける参加者A以外の参加者への承認依頼メッセージを、通信部111を介して、SNSサーバ150へ送る(S18)。ここでは、承認依頼メッセージは、参加者B、参加者C及び参加者D宛てとなる。
【0066】
通信部151が承認依頼メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、通信部151を介して、グループチャットの参加者B、参加者C及び参加者Dの携帯端末130B~130Dへ、その承認依頼メッセージを送る(S19)。
【0067】
通信部131が承認依頼メッセージを受信すると、携帯端末130B~130Dの制御部135は、SNSアプリケーションを実行することで、表示部133にその承認依頼メッセージを表示して、入力部134を介して、画像の印刷を承認するか否かの回答の入力を受け付ける。ここでは、参加者B~Dの全員が承認するものとして説明する。このような場合、制御部135は、印刷装置110に対して画像の印刷を承認したことを示す承認回答メッセージを、通信部131を介して、SNSサーバ150へ送る(S20)。
【0068】
通信部151がこのような承認回答メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、その承認回答メッセージを、通信部151を介して、印刷装置110に送る(S21)。
【0069】
通信部111が承認回答メッセージを受信すると、印刷装置110の承認依頼メッセージ処理部120は、その承認回答メッセージを解析して、承認又は拒否といった回答と、その回答の回答者である参加者とを特定し、それらを示す情報である回答情報を集計部121に与える。そして、集計部121は、承認依頼メッセージ処理部120から回答情報を受け取ると、その回答情報で示される回答を集計する(S22)。ここで、集計部121は、承認依頼メッセージを送ってから予め定められた期間その承認回答メッセージを参加者から受け取っていない場合には、その参加者は未回答として集計を行う。
【0070】
また、印刷装置110の集計通知部123は、集計部121により集計された結果である集計結果をメッセージとして、通信部111を介して、携帯端末130Aに送る(S23)。通信部131が集計結果を受信すると、携帯端末130Aの制御部135は、SNSアプリケーションに従って、その集計結果を、表示部133に表示する。
【0071】
図8及び
図9は、集計結果の例を示す概略図である。
図8には、グループチャットの全ての参加者が、写真である画像の印刷に承認した場合の集計結果103#1が示されている。
図9には、グループチャットの一部の参加者が、承認を拒否又は回答しなかった場合の集計結果103#2が示されている。
【0072】
図7に戻り、印刷装置110の出力判断部122は、集計部121により集計された集計結果に従って、印刷を実行するか否かを判断する(S24)。ここでは、参加者B~Dから承認が得られているため、出力判断部122は、印刷を実行すると判断して、印刷部113に印刷を実行させる。なお、出力判断部122は、承認依頼メッセージを送ってから予め定められた期間その承認回答メッセージを参加者から受け取らなかった場合には、その参加者は画像の印刷を拒否したものとする。
【0073】
図10(A)~(D)は、グループチャットで印刷を行う場合の携帯端末130に表示されるチャット画面画像例を示す概略図である。
図10(A)は、参加者Aが使用する携帯端末130Aに表示されるチャット画面画像例を示し、
図10(B)は、参加者Bが使用する携帯端末130Bに表示されるチャット画面画像例を示し、
図10(C)は、参加者Cが使用する携帯端末130Cに表示されるチャット画面画像例を示し、
図10(D)は、参加者Dが使用する携帯端末130Dに表示されるチャット画面画像例を示す。
【0074】
図10(A)に示されている表示領域104aのように、携帯端末130Aが、参加者Aから写真である画像と、その画像を印刷する要求との入力を受け付けると、表示領域104bのように、印刷装置110からの許可依頼メッセージが表示される。
【0075】
表示領域104bには、印刷の承認依頼を出すことを許可する回答を入力する回答領域104c及び印刷の承認依頼を出すことを許可しない回答を入力する回答領域104dが含まれている。参加者Aは、回答領域104c及び回答領域104dの何れかを選択することで、回答を行うことができる。
【0076】
例えば、参加者Aが、回答領域104cを選択して、承認依頼を出すことを許可した場合には、
図10(B)~(D)に示されている表示領域104e~104gのように、他の参加者B~Dの携帯端末130B~130Dに、承認依頼メッセージが表示される。
【0077】
例えば、
図10(B)に示されている表示領域104eには、印刷を承認する回答を入力する回答領域104h及び印刷の承認を拒否する回答を入力する回答領域104iが含まれている。
図10(C)及び(D)に示されている表示領域104f及び表示領域104gも同様である。
参加者Bは、回答領域104h及び回答領域104iの何れかを選択することで、回答を行うことができる。
【0078】
図10(B)に示されているように、参加者Bが印刷を承認する回答を行った場合には、表示領域104jのように承認したことを示すメッセージが表示される。
また、
図10(C)に示されているように、参加者Cが印刷の承認を拒否する回答を行った場合には、表示領域104kのように拒否したことを示すメッセージが表示される。
なお、
図10(D)に示されているように、参加者Dが予め定められた期間回答を行わなかった場合には、表示領域104lのように印刷装置110から回答がなかったために印刷の承認を拒否したものとみなした旨のメッセージが表示されてもよい。
【0079】
そして、
図10(A)に示されている表示領域104mのように、印刷装置110での集計結果を示すメッセージが表示される。
【0080】
以上のように、実施の形態1によれば、印刷装置110は、グループチャットの参加者からSNSのグループチャットを通じて印刷を依頼された画像の印刷前に、グループチャットの他の参加者に対して画像の印刷を承認するかSNSのメッセージを使って確認を取る。そして、印刷を要求した参加者以外の、グループチャットの全ての参加者から承認が得られたときにのみ、印刷装置110は、印刷処理を実行する。これにより、写真を印刷されることを拒否している参加者のプライバシーを保護することができる。
【0081】
実施の形態2.
実施の形態1では、グループチャットの参加者の内で一名の参加者でも印刷を拒否した場合には、印刷を行うことができない。実施の形態2では、このような場合にも印刷を行うことができるようにする。
【0082】
図11は、実施の形態2に係る印刷システム200の構成を概略的に示すブロック図である。
印刷システム200は、印刷装置210と、携帯端末230A~230Dと、SNSサーバ150と、画像処理サーバ270とを備える。
実施の形態2に係る印刷システム200のSNSサーバ150は、実施の形態1に係る印刷システム100のSNSサーバ150と同様である。
【0083】
図12は、実施の形態2における印刷装置210の構成を概略的に示すブロック図である。
印刷装置210は、通信部111と、受信データ解析部112と、印刷部113と、記憶部114と、SNS連携部215とを備える。
実施の形態2における印刷装置210の通信部111、受信データ解析部112、印刷部113及び記憶部114は、実施の形態1における印刷装置110の通信部111、受信データ解析部112、印刷部113及び記憶部114と同様である。
但し、実施の形態2における通信部111は、ネットワーク101を介して、画像処理サーバ270とも通信を行う。
【0084】
SNS連携部215は、実施の形態1と同様にSNSと連携した処理を実行するとともに、画像処理サーバ270と連携した処理も実行する。
【0085】
実施の形態2では、SNS連携部215は、承認依頼メッセージを送った複数の参加者の内、少なくとも一人の参加者から、画像の印刷を承認する承認回答メッセージを受け取らなかった場合に、印刷部113に、画像において、その少なくとも一人の参加者の顔の部分をマスキングすることで生成された処理画像を印刷させる。
【0086】
具体的には、SNS連携部215は、通信部111を介して、印刷要求者からの画像データを処理対象画像データとして、画像処理サーバ270に自動的に送り、画像処理サーバに、処理対象画像データに人の顔の画像が含まれているか否か判定を依頼する。そして、SNS連携部215は、通信部111を介して、画像処理サーバ270から、処理対象画像データに人の顔の画像が含まれているか否かの回答を受け取る。
【0087】
そして、処理対象画像データに人の顔の画像が含まれている場合には、SNS連携部215は、通信部111を介して、SNSを利用して、複数の参加者のそれぞれに自身の顔の写真の顔写真データを送ることを依頼するメッセージである写真依頼メッセージを自動的に送る。SNS連携部215は、SNSを利用して、写真依頼メッセージに対する応答として、顔写真データを受け取る。
【0088】
SNS連携部215は、通信部111を介して、受け取った顔写真データを、画像処理サーバ270に自動的に送り、マスキング処理の依頼を行う。そして、SNS連携部215は、通信部111を介して、画像処理サーバ270から、処理対象画像データで示される画像において、受け取った顔写真データで示される顔に対応する顔以外の顔の部分をマスキングすることで生成された処理画像を示す処理画像データを取得する。
SNS連携部215は、その処理画像データに基づいて、印刷部113に、その処理画像を印刷させる。
【0089】
SNS連携部215は、印刷依頼メッセージ処理部216と、承認依頼メッセージ送信確認部217と、画像蓄積部118と、グループ参加者取得部119と、承認依頼メッセージ処理部120と、集計部121と、集計通知部123と、出力処理部224と、を備える。
【0090】
実施の形態2におけるSNS連携部215の画像蓄積部118、グループ参加者取得部119、承認依頼メッセージ処理部120、集計部121及び集計通知部123は、実施の形態1におけるSNS連携部215の画像蓄積部118、グループ参加者取得部119、承認依頼メッセージ処理部120、集計部121及び集計通知部123と同様である。
但し、実施の形態2における承認依頼メッセージ処理部120は、回答情報を出力処理部224にも与える。
【0091】
印刷依頼メッセージ処理部216は、実施の形態1と同様に、受信されたメッセージを解析して、メッセージに画像データが含まれている場合には受信した画像データを画像蓄積部118に与える。
【0092】
また、印刷依頼メッセージ処理部216は、メッセージに画像データが含まれている場合には、その画像の画像データを処理対象画像データとして、通信部111を介して、画像処理サーバ270に送る。これにより、印刷依頼メッセージ処理部216は、処理対象画像データで示される画像に人物が写っているか否かの判定を依頼する。
そして、印刷依頼メッセージ処理部216は、通信部111を介して、画像処理サーバ270から、依頼した判定の結果である判定結果を受け取る。印刷依頼メッセージ処理部216は、その判定結果が、人物が写っていることを示す場合には、承認依頼メッセージ送信確認部217に処理を実行するように指示を与え、その判定結果が、人物が写っていないことを示す場合には、印刷部113に指示することで、受信された画像データに基づいて印刷を行わせる。
【0093】
承認依頼メッセージ送信確認部217は、印刷依頼メッセージ処理部216からの指示に応じて、印刷要求者の携帯端末230に対して、許可依頼メッセージを送る。
【0094】
そして、承認依頼メッセージ送信確認部217は、許可依頼メッセージを送信した携帯端末230からその回答である許可回答メッセージを受け取ると、その許可回答メッセージを解析して、承認依頼メッセージの送信が許可されたか否かを判断する。承認依頼メッセージの送信が許可された場合には、承認依頼メッセージ送信確認部217は、グループ参加者取得部119にSNSのグループに参加している参加者の一覧を取得するように依頼する。なお、承認依頼メッセージの送信が許可されない場合には、承認依頼メッセージ送信確認部217は、メッセージとして送信されてきた画像データによる印刷を中止する。
【0095】
出力処理部224は、回答情報に従って、印刷を承認した参加者及び印刷を要求した参加者に、顔写真の送信を依頼するメッセージである写真依頼メッセージを送る。
そして、写真依頼メッセージに応答するメッセージである応答メッセージとして送られてきた顔写真の顔写真データを取得すると、出力処理部224は、その顔写真データを、通信部111を介して、画像処理サーバ270に送ることで、処理対象画像データで示される画像において、顔写真データで示される顔写真に対応する顔以外の顔の領域をマスクする処理であるマスキング処理を、画像処理サーバ270に行わせる。
【0096】
出力処理部224は、通信部111を介して、画像処理サーバ270からマスキング処理が施された処理画像の処理画像データを受け取る。そして、出力処理部224は、その処理画像データを印刷用画像データとして印刷部113に与えて、その処理画像データに基づいて印刷を行わせる。
【0097】
図5に示されているように、実施の形態2における携帯端末230は、通信部131と、記憶部132と、表示部133と、入力部134と、制御部235とを備える。
実施の形態2における携帯端末230の通信部131、記憶部132、表示部133及び入力部134は、実施の形態1における携帯端末130の通信部131、記憶部132、表示部133及び入力部134と同様である。
【0098】
制御部235は、携帯端末130での処理を制御する。
例えば、制御部235は、通信部131を介してSNSサーバ150と通信することでSNSのチャット機能を実行する。
【0099】
具体的には、制御部235は、実施の形態1における制御部135と同様の処理を行う他、以下のような処理を行う。
制御部235は、SNSサーバ150を介して印刷装置210から写真依頼メッセージを受け取ると、予め記憶部132に記憶されている顔写真データを応答メッセージとして、SNSサーバ150を介して印刷装置210に送る。
【0100】
図13は、画像処理サーバ270の構成を概略的に示すブロック図である。
画像処理サーバ270は、通信部271と、記憶部272と、制御部273とを備える。
【0101】
通信部271は、外部の機器と通信を行う。ここでは、通信部271は、ネットワーク101を介して、印刷装置210と通信を行う。
記憶部272は、画像処理サーバ270での処理に必要なプログラム及びデータを記憶する。
【0102】
制御部273は、画像処理サーバ270での処理を制御する。
例えば、制御部273は、通信部271を介して印刷装置210から処理対象画像データを受け取ると、処理対象画像データで示される画像に人物が写っているか否かを判定する。そして、制御部273は、その判定結果を示す判定結果データを、通信部271を介して印刷装置210に送る。
【0103】
また、制御部273は、通信部271を介して印刷装置210から顔写真データを取得すると、既に取得している処理対象画像データで示される画像において、顔写真データで示される顔写真に対応する顔以外の顔の領域に対してマスキング処理を施すことで、処理画像データを生成する。そして、制御部273は、その処理画像データを、通信部271を介して、印刷装置210に送る。
【0104】
以上に記載された制御部273の一部又は全部は、例えば、
図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0105】
また、制御部273の一部又は全部は、例えば、
図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部273は、処理回路網により実現することができる。
【0106】
なお、通信部271は、例えば、NIC等の通信インタフェースにより実現することができる。
また、記憶部272は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等の記憶装置により実現することができる。
【0107】
図14は、実施の形態2における印刷システム200での動作を示すシーケンス図である。
ここでも、携帯端末230Aのユーザが参加者Aであり、携帯端末230Bのユーザが参加者Bであり、携帯端末230Cのユーザが参加者Cであり、携帯端末230Dのユーザが参加者Dであるものとする。
そして、参加者A~Dが、SNSサーバ150が提供するSNSのグループチャットに参加しているものとする。また、印刷装置210は、いわゆるボットとして、そのグループチャットに参加しているものとする。
【0108】
まず、携帯端末230Aの制御部235は、参加者Aから、表示部133及び入力部134を介して、印刷したい画像と、印刷要求との入力を受けると、通信部131を介して、SNSサーバ150に、その画像データ及び印刷要求をSNSのメッセージとして送信する(S30)。
【0109】
そのようなメッセージを通信部151が受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、SNSのグループチャットに事前に登録された印刷装置210に対して、その画像の画像データをSNSのメッセージとして送信する(S31)。
【0110】
そのようなメッセージを通信部111が受信すると、受信データ解析部112は、受信されたデータがSNSのメッセージであることを判断して、そのメッセージをSNS連携部215に与える。SNS連携部215では、印刷依頼メッセージ処理部216が、メッセージとして受け取られた画像データを画像蓄積部118に与える。画像蓄積部118は、与えられた画像データを管理する。
【0111】
さらに、印刷依頼メッセージ処理部216は、その画像データで示される画像に人物が写っているか否かの判定を依頼するために、その画像データを処理対象画像データとして、通信部111を介して、画像処理サーバ270に送る(S32)。
【0112】
通信部271が処理対象画像データを受信すると、画像処理サーバ270の制御部273は、処理対象画像データで示される画像に人物が写っているか否かを判定し、その判定結果を示す判定結果データを、通信部271を介して印刷装置210に送る(S33)。なお、画像に人物が写っているか否かについては、パターンマッチング又はAI(Artificial Intelligence)等の既存の技術が使用されて実行されればよい。ここでは、処理対象画像データで示される画像に人物が写っているとの判定結果であったものとする。
【0113】
このような場合、承認依頼メッセージ送信確認部217は、通信部111を介して、画像データを送ってきた携帯端末230Aへの許可依頼メッセージをSNSサーバ150に送る(S34)。
そして、通信部151が許可依頼メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、その許可依頼メッセージを、通信部151を介して、携帯端末230Aに送る(S35)。
【0114】
通信部131が許可依頼メッセージを受信すると、携帯端末230Aの制御部235は、その許可依頼メッセージを表示部133のチャット画面画像に追加することで、そのメッセージを表示して、入力部134を介して、参加者Aから、承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの入力を受ける。ここでは、参加者Aは、承認依頼メッセージを送信することを許可するものとする。このような場合、制御部235は、通信部131を介して、印刷装置210に対する、承認依頼メッセージを送信することを許可することを示す許可回答メッセージをSNSサーバ150へ送る(S36)。
【0115】
そのような許可回答メッセージを通信部151が受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、印刷装置210に対して、その許可回答メッセージを送信する(S37)。
【0116】
承認依頼メッセージを送信することを許可することを示す許可回答メッセージを通信部111が受信すると、印刷装置210の承認依頼メッセージ処理部120は、グループ参加者取得部119に、画像データの投稿されたグループチャットに参加している参加者の一覧を示す一覧情報を取得するように依頼する。このような依頼を受けて、グループ参加者取得部119は、通信部111を介して、SNSサーバ150の提供するAPIを利用して、一覧情報の送信要求を、SNSサーバ150に送る(S38)。
【0117】
通信部151がそのような要求を受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、チャットを行っているグループの参加者の一覧を示す一覧情報を、通信部151を介して、印刷装置210へ送る(S39)。
【0118】
通信部111が一覧情報を受信すると、承認依頼メッセージ処理部120は、一覧情報に基づいて、グループチャットにおける参加者A以外の参加者への承認依頼メッセージを、通信部111を介して、SNSサーバ150へ送る(S40)。ここでは、承認依頼メッセージは、参加者B、参加者C及び参加者D宛てとなる。
【0119】
通信部151が承認依頼メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、通信部151を介して、グループチャットの参加者B、参加者C及び参加者Dの携帯端末230B~230Dへ、その承認依頼メッセージを送る(S41)。
【0120】
通信部131が承認依頼メッセージを受信すると、携帯端末230B~230Dの制御部235は、SNSアプリケーションを実行することで、表示部133にその承認依頼メッセージを表示して、入力部134を介して、画像の印刷を承認するか否かの回答の入力を受け付ける。ここでは、参加者B~Dの全員が承認するものとして説明する。このような場合、制御部235は、印刷装置210に対して画像の印刷に承認したことを示す承認回答メッセージを、通信部131を介して、SNSサーバ150へ送る(S42)。
【0121】
通信部151がこのような承認回答メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、その承認回答メッセージを、通信部151を介して、印刷装置210に送る(S43)。
【0122】
通信部111が承認回答メッセージを受信すると、印刷装置210の承認依頼メッセージ処理部120は、その承認回答メッセージを解析して、承認又は拒否といった回答と、その回答の回答者である参加者とを特定して、それらを示す情報である回答情報を集計部121及び出力処理部224に与える。そして、出力処理部224は、ステップS30で画像データを送ってきた参加者A及び画像の印刷に承認した参加者B~Dへの写真依頼メッセージを、通信部111を介して、SNSサーバ150に送る(S44)。
【0123】
通信部151が写真依頼メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、通信部151を介して、グループチャットの参加者A~Dの携帯端末230A~230Dへ、その写真依頼メッセージを送る(S45、S46)。
【0124】
通信部131が写真依頼メッセージを受信すると、携帯端末230A~230Dの制御部235は、予め記憶部132に記憶されている顔写真データを応答メッセージとして、SNSサーバ150に送る(S49)。
【0125】
通信部151がこのような応答回答メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、その応答メッセージを、通信部151を介して、印刷装置210に送る(S49)。
【0126】
通信部111が応答メッセージを受信すると、印刷装置210の出力処理部224は、応答メッセージとして送られてきた顔写真の顔写真データを取得し、その顔写真データを、通信部111を介して、画像処理サーバ270に送る(S50)。
【0127】
通信部271が顔写真データを受信すると、画像処理サーバ270の制御部273は、ステップS32で取得された処理対象画像データで示される画像において、顔写真データの顔写真で示される顔以外の顔の領域をマスクする処理であるマスキング処理を行い、そのマスキング処理が施された処理画像の処理画像データを、通信部271を介して、印刷装置210に送る(S51)。
【0128】
また、印刷装置210の集計部121は、承認依頼メッセージ処理部120から回答情報を受け取ると、その回答情報で示される回答を集計する(S52)。ここで、集計部121は、承認依頼メッセージを送ってから予め定められた期間その承認回答メッセージを参加者から受け取っていない場合には、その参加者は未回答として集計を行う。
【0129】
また、印刷装置210の集計通知部123は、集計部121により集計された結果である集計結果をメッセージとして、通信部111を介して、携帯端末230Aに送る(S53)。通信部131が集計結果を受信すると、携帯端末230Aの制御部235は、SNSアプリケーションに従って、その集計結果を、表示部133に表示する。
【0130】
そして、印刷装置210の出力処理部224は、画像処理サーバ270から受け取った処理画像データに基づいて、印刷部113に印刷を実行させる(S54)。
【0131】
図15は、印刷結果の一例を示す概略図である。
図15に示されている画像IMのように、印刷を希望しない参加者の顔の部分は、カバーCOで覆われ、マスキングが施されている。
【0132】
以上のように、実施の形態2によれば、画像を印刷されてほしくない参加者の顔の部分をマスキング処理することにより、印刷されたくない参加者のプライバシーを保護しつつ、画像を印刷することができるようになる。
【0133】
実施の形態3.
実施の形態2では、承認依頼メッセージへの回答をSNSのメッセージ上で行っているが、携帯端末230の所有者ではない第三者が参加者になりすまして承認依頼メッセージに回答できるという問題点がある。実施の形態3では、このような問題点に対処する。
【0134】
図11に示されているように、実施の形態3に係る印刷システム300は、印刷装置310と、携帯端末330A~330Dと、SNSサーバ150と、画像処理サーバ270とを備える。
実施の形態3に係る印刷システム300のSNSサーバ150は、実施の形態1に係る印刷システム100のSNSサーバ150と同様である。
また、実施の形態3に係る印刷システム300の画像処理サーバ270は、実施の形態2に係る印刷システム200の画像処理サーバ270と同様である。
【0135】
図16は、実施の形態3における印刷装置310の構成を概略的に示すブロック図である。
印刷装置310は、通信部111と、受信データ解析部112と、印刷部113と、記憶部114と、SNS連携部315と、近距離通信部325とを備える。
実施の形態3における印刷装置310の通信部111、受信データ解析部112、印刷部113及び記憶部114は、実施の形態1における印刷装置110の通信部111、受信データ解析部112、印刷部113及び記憶部114と同様である。
但し、実施の形態3における通信部111は、ネットワーク101を介して、画像処理サーバ270とも通信を行う。
【0136】
近距離通信部325は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)といった、予め定められた領域内に他の通信端末が入った場合に通信を行うことができる近距離通信を行う。例えば、近距離通信部325は、複数の参加者が使用する複数の携帯端末330のそれぞれが、印刷装置310から予め定められた範囲内にある場合に通信を行う。
【0137】
SNS連携部315は、実施の形態1と同様にSNSのサービスと連携した処理を実行するとともに、画像処理サーバ270と連携した処理も実行する。
例えば、SNS連携部315は、通信部111が、SNSサーバ150を介して、複数の参加者に含まれる一人の参加者である印刷要求者から、印刷を行う画像の画像データを示して印刷を要求するメッセージである印刷要求メッセージを受信した場合に、通信部111を介して、その画像データを処理対象画像データとして、画像処理サーバ270に自動的に送り、画像処理サーバ270に、処理対象画像データに人の顔の画像が含まれているか否かの判定を依頼する。SNS連携部315は、通信部111を介して、画像処理サーバ270から、処理対象画像データに人の顔の画像が含まれているか否かの回答を受け取る。
【0138】
そして、処理対象画像データに人の顔の画像が含まれている場合に、SNS連携部315は、通信部111を介して、SNSを利用して、印刷要求者を除く複数の参加者に、画像の印刷を承認するときには使用する携帯端末330を印刷装置310から予め定められた範囲内に持ってくることを要求するメッセージである承認依頼メッセージを自動的に送る。複数の参加者が使用する複数の携帯端末330の内の少なくとも一つの携帯端末330が印刷装置310から予め定められた範囲に持ってこられた場合に、SNS連携部315は、近距離通信部325を介して、少なくとも一つの携帯端末330から、複数の参加者の少なくとも一人の参加者の顔写真の顔写真データを受け取る。
なお、印刷要求者を除く複数の参加者に承認依頼メッセージを送信しているが、印刷要求者に対しても携帯端末330を印刷装置310から予め定められた範囲内に持ってくることを要求する承認依頼メッセージを送ってもよい。
【0139】
SNS連携部315は、通信部111を介して、受け取った顔写真データを、画像処理サーバ270に自動的に送ることで、画像処理サーバ270にマスキング処理の依頼を行う。そして、SNS連携部315は、画像処理サーバ270から、処理対象画像データで示される画像において、受け取った顔写真データで示される顔に対応する顔以外の顔の部分をマスキングした処理画像を示す処理画像データを取得する。SNS連携部315は、処理画像データに基づいて、印刷部113に、処理画像を自動的に印刷させる。
【0140】
SNS連携部315は、印刷依頼メッセージ処理部216と、承認依頼メッセージ送信確認部317と、画像蓄積部118と、グループ参加者取得部119と、承認依頼メッセージ処理部320と、出力処理部324とを備える。
なお、実施の形態3におけるSNS連携部315は、実施の形態1又は2におけるSNS連携部115、215における集計部121及び集計通知部123を備えていない。
【0141】
実施の形態3におけるSNS連携部315の承認依頼メッセージ送信確認部117、画像蓄積部118及びグループ参加者取得部119は、実施の形態1におけるSNS連携部215の承認依頼メッセージ送信確認部117、画像蓄積部118及びグループ参加者取得部119と同様である。
また、実施の形態3におけるSNS連携部315の印刷依頼メッセージ処理部216は、実施の形態2におけるSNS連携部215の印刷依頼メッセージ処理部216と同様である。
さらに、実施の形態3におけるSNS連携部315の印刷依頼メッセージ処理部216は、実施の形態2におけるSNS連携部215の印刷依頼メッセージ処理部216と同様である。
【0142】
承認依頼メッセージ送信確認部317は、印刷依頼メッセージ処理部216からの指示に応じて、印刷要求者の携帯端末330に対して、許可依頼メッセージを送る。実施の形態3における承認依頼メッセージ送信確認部317は、許可依頼メッセージに、写真で自分の顔を印刷する場合には、自身の携帯端末330を印刷装置310にかざす旨の要求を含める。
【0143】
そして、承認依頼メッセージ送信確認部317は、許可依頼メッセージを送信した携帯端末330からその回答である許可回答メッセージを受け取ると、その許可回答メッセージを解析して、承認依頼メッセージの送信が許可されたか否かを判断する。承認依頼メッセージの送信が許可された場合には、承認依頼メッセージ送信確認部317は、グループ参加者取得部119にSNSのグループに参加している参加者の一覧を取得するように依頼するとともに、出力処理部324に顔写真を取得するように指示する。なお、承認依頼メッセージの送信が許可されない場合には、承認依頼メッセージ送信確認部317は、メッセージとして送信されてきた画像データによる印刷を中止する。
【0144】
承認依頼メッセージ処理部320は、グループ参加者取得部119から与えられた一覧情報をもとに、印刷要求者以外のグループチャットの参加者に対して、画像データの画像を印刷してもよいか問い合わせるためのメッセージである承認依頼メッセージを送る。実施の形態3における承認依頼メッセージ処理部320は、承認依頼メッセージに、写真で自分の顔を印刷する場合には、自身の携帯端末330を印刷装置310にかざす旨の要求を含める。
【0145】
出力処理部324は、承認依頼メッセージ送信確認部317からの指示を受けた場合に、予め定められた期間、近距離通信部325を介して、携帯端末330から顔写真の顔写真データを取得する。
そして、出力処理部324は、その予め定められた期間内に取得された顔写真データを、通信部111を介して、画像処理サーバ270に送ることで、処理対象画像データで示される画像において、顔写真データで示される顔写真に対応する顔以外の顔の領域をマスクする処理であるマスキング処理を、画像処理サーバ270に行わせる。
【0146】
そして、出力処理部324は、通信部111を介して、画像処理サーバ270からマスキング処理が施された処理画像の処理画像データを受け取る。そして、出力処理部324は、その処理画像データを印刷用画像データとして印刷部113に与えて、その処理画像データに基づいて印刷を行わせる。
【0147】
以上に記載された近距離通信部325は、NFC又はBluetoothに対応した、無線通信装置により実現することができる。
【0148】
図17は、実施の形態3における携帯端末330の構成を概略的に示すブロック図である。
携帯端末330は、通信部131と、記憶部132と、表示部133と、入力部134と、制御部335と、近距離通信部336とを備える。
実施の形態2における携帯端末230の通信部131、記憶部132、表示部133及び入力部134は、実施の形態1における携帯端末130の通信部131、記憶部132、表示部133及び入力部134と同様である。
【0149】
近距離通信部336は、印刷装置310の近距離通信部325と近距離通信を行う。
【0150】
制御部335は、携帯端末130での処理を制御する。
例えば、制御部335は、実施の形態1と同様に、通信部131を介してSNSサーバ150と通信することでSNSのチャット機能を実行する。
【0151】
また、制御部335は、近距離通信部336が印刷装置310の近距離通信部325と通信可能になった場合には、予め記憶部132に記憶されている顔写真データを印刷装置310に送る。顔写真データは、その携帯端末330を利用している参加者の顔写真を示すものとする。
【0152】
以上に記載された近距離通信部336は、NFC又はBluetoothに対応した、無線通信装置により実現することができる。
【0153】
図18は、実施の形態3における印刷システム300での動作を示すシーケンス図である。
ここでも、携帯端末330Aのユーザが参加者Aであり、携帯端末330Bのユーザが参加者Bであり、携帯端末330Cのユーザが参加者Cであり、携帯端末330Dのユーザが参加者Dであるものとする。
そして、参加者A~Dが、SNSサーバ150が提供するSNSのグループチャットに参加しているものとする。また、印刷装置310は、いわゆるボットとして、そのグループチャットに参加しているものとする。
【0154】
まず、携帯端末330Aの制御部335は、参加者Aから、表示部133及び入力部134を介して、印刷したい画像と、印刷要求との入力を受けると、通信部131を介して、SNSサーバ150に、その画像データ及び印刷要求をSNSのメッセージとして送信する(S60)。
【0155】
そのようなメッセージを通信部151が受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、SNSのグループチャットに事前に登録された印刷装置310に対して、その画像の画像データをSNSのメッセージとして送信する(S61)。
【0156】
そのようなメッセージを通信部111が受信すると、受信データ解析部112は、受信されたデータがSNSのメッセージであることを判断して、そのメッセージをSNS連携部315に与える。SNS連携部315では、印刷依頼メッセージ処理部216が、メッセージとして受け取られた画像データを画像蓄積部118に与える。画像蓄積部118は、与えられた画像データを管理する。
【0157】
さらに、印刷依頼メッセージ処理部216は、その画像データで示される画像に人物が写っているか否かの判定を依頼するために、その画像データを処理対象画像データとして、通信部111を介して、画像処理サーバ270に送る(S62)。
【0158】
通信部271が処理対象画像データを受信すると、画像処理サーバ270の制御部273は、処理対象画像データで示される画像に人物が写っているか否かを判定し、その判定結果を示す判定結果データを、通信部271を介して印刷装置310に送る(S63)。ここでは、処理対象画像データで示される画像に人物が写っているとの判定結果であったものとする。
【0159】
このような場合、承認依頼メッセージ送信確認部317は、通信部111を介して、画像データを送ってきた携帯端末330Aへの許可依頼メッセージをSNSサーバ150に送る(S64)。
そして、通信部151が許可依頼メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、その許可依頼メッセージを、通信部151を介して、携帯端末330Aに送る(S65)。
【0160】
通信部131が許可依頼メッセージを受信すると、携帯端末330Aの制御部335は、その許可依頼メッセージを表示部133のチャット画面画像に追加することで、そのメッセージを表示して、入力部134を介して、参加者Aから、承認依頼メッセージを送信することを許可するか否かの入力を受ける。ここでは、参加者Aは、承認依頼メッセージを送信することを許可するものとする。このような場合、制御部335は、通信部131を介して、印刷装置310に対する、承認依頼メッセージを送信することを許可することを示す許可回答メッセージをSNSサーバ150へ送る(S66)。
【0161】
なお、実施の形態3では、許可依頼メッセージに、写真で自分の顔を印刷する場合には、自身の携帯端末330を印刷装置310にかざす旨の要求が含まれているものとする。
このため、参加者Aは、自身の携帯端末330Aを印刷装置310から予め定められた範囲内に持ってくると、携帯端末330Aの近距離通信部336と、印刷装置310の近距離通信部325とが通信可能な状態となり、携帯端末330Aの制御部335は、近距離通信部336を介して、予め記憶部132に記憶されている顔写真データを印刷装置310に送る(S67)。
【0162】
ステップS66で送られた許可回答メッセージを通信部151が受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、印刷装置310に対して、その許可回答メッセージを送信する(S68)。
【0163】
承認依頼メッセージを送信することを許可することを示す許可回答メッセージを通信部111が受信すると、印刷装置310の承認依頼メッセージ処理部320は、グループ参加者取得部119に、画像データの投稿されたグループチャットに参加している参加者の一覧を示す一覧情報を取得するように依頼する。このような依頼を受けて、グループ参加者取得部119は、通信部111を介して、SNSサーバ150の提供するAPIを利用して、一覧情報の送信要求を、SNSサーバ150に送る(S69)。
【0164】
通信部151がそのような要求を受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、チャットを行っているグループの参加者の一覧を示す一覧情報を、通信部151を介して、印刷装置310へ送る(S70)。
【0165】
通信部111が一覧情報を受信すると、承認依頼メッセージ処理部320は、一覧情報に基づいて、グループチャットにおける参加者A以外の参加者への承認依頼メッセージを、通信部111を介して、SNSサーバ150へ送る(S71)。ここでは、承認依頼メッセージは、参加者B、参加者C及び参加者D宛てとなる。また、実施の形態3における承認依頼メッセージは、写真で自分の顔を印刷する場合には、自身の携帯端末330を印刷装置310にかざす旨の要求を含むものとする。
【0166】
通信部151が承認依頼メッセージを受信すると、SNSサーバ150の制御部153は、通信部151を介して、グループチャットの参加者B、参加者C及び参加者Dの携帯端末330B~330Dへ、その承認依頼メッセージを送る(S72)。
【0167】
通信部131が承認依頼メッセージを受信すると、携帯端末230B~230Dの制御部235は、SNSアプリケーションを実行することで、表示部133にその承認依頼メッセージを表示する。
【0168】
上記のように、実施の形態3では、承認依頼メッセージに、写真で自分の顔を印刷する場合には、自身の携帯端末330を印刷装置310にかざす旨の要求が含まれている。
このため、ここでは、参加者B~Dは、自身の携帯端末330B~330Dを印刷装置310から予め定められた範囲内に持ってくるものとする。この場合、携帯端末330B~330Dの近距離通信部336と、印刷装置310の近距離通信部325とが通信可能な状態となり、携帯端末330B~330Dの制御部335は、近距離通信部336を介して、予め記憶部132に記憶されている顔写真データを印刷装置310に送る(S73)。
【0169】
通信部111が顔写真データを受信すると、印刷装置310の出力処理部324は、その顔写真データを、ステップS67で取得された顔写真データとともに、通信部111を介して、画像処理サーバ270に送る(S74)。
【0170】
通信部271が顔写真データを受信すると、画像処理サーバ270の制御部273は、ステップS62で取得された処理対象画像データで示される画像において、顔写真データの顔写真で示される顔以外の顔の領域をマスクする処理であるマスキング処理を行い、そのマスキング処理が施された処理画像の処理画像データを、通信部271を介して、印刷装置310に送る(S75)。
【0171】
通信部111が処理画像データを受信すると、印刷装置310の出力処理部324は、画像処理サーバ270から受け取った処理画像データに基づいて、印刷部113に印刷を実行させる(S76)。
【0172】
以上のように、実施の形態3では、携帯端末330と、印刷装置310が近距離無線通信を行える範囲内にいるという条件で、参加者の目の前で印刷を行うことにより、なりすましによる承認を防止する効果が期待できる。
【0173】
以上に記載された実施の形態1~3では、印刷装置110、210、310がSNSサーバ150と連携する機能を備えていたが、そのような機能を印刷装置110、210、310とは異なる別のサーバが備えていてもよい。このような場合、印刷装置110、210、310とその別のサーバとの間で通信を行うことで、上記の動作が行われればよい。
【0174】
実施の形態2及び3では、画像処理サーバ270は、マスキング処理を行うことにより、処理画像を生成しているが、実施の形態2は、このような例に限定されない。例えば、画像処理サーバ270は、マスキング処理を行う代わりに、顔に対応する部分を予め定められたイラストに置き換えてもよい。
【0175】
以上に記載された実施の形態2及び3では、顔の部分にマスキングを行うことにより、印刷されたくない参加者のプライバシーを保護していたが、印刷の承認が得られなかった参加者の顔を黒塗り又はイラストで置き換えると写真として不自然なものになってしまう。
このため、画像処理サーバ270は、マスキング処理を行う代わりに、印刷に承認しなかった参加者の顔を、AIによって人工的に生成された人物の顔に差し替える差し替え処理を行うことで、処理画像を生成してもよい。
【0176】
このような差し替え処理を行うことで、印刷の承認を行わなかった参加者の顔が、黒塗り又はイラストで置き換えた場合よりも、より自然な仕上がりになる効果がある。
【符号の説明】
【0177】
100,200,300 印刷システム、 110,210,310 印刷装置、 111 通信部、 112 受信データ解析部、 113 印刷部、 114 記憶部、 115,215,315 SNS連携部、 116,216 印刷依頼メッセージ処理部、 117,217,317 承認依頼メッセージ送信確認部、 118 画像蓄積部、 119 グループ参加者取得部、 120,320 承認依頼メッセージ処理部、 121 集計部、 122 出力判断部、 123 集計通知部、 224,324 出力処理部、 325 近距離通信部、 130,230,330 携帯端末、 131 通信部、 132 記憶部、 133 表示部、 134 入力部、 135,235,335 制御部、 336 近距離通信部、 150 SNSサーバ、 151 通信部、 152 記憶部、 153 制御部、 270 画像処理サーバ、 271 通信部、 272 記憶部、 273 制御部。