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特開2023-124181クロム鉄鉱石の分離回収設備、及び、クロム鉄鉱石の回収方法
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  • 特開-クロム鉄鉱石の分離回収設備、及び、クロム鉄鉱石の回収方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124181
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】クロム鉄鉱石の分離回収設備、及び、クロム鉄鉱石の回収方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 34/32 20060101AFI20230830BHJP
   C22B 23/00 20060101ALI20230830BHJP
   C22B 3/02 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
C22B34/32
C22B23/00 102
C22B3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027797
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】樋口 浩隆
(72)【発明者】
【氏名】向川原 弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 幹
(72)【発明者】
【氏名】小原 剛
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA07
4K001AA08
4K001AA19
4K001BA02
4K001CA02
4K001CA03
4K001CA04
4K001DB03
4K001DB14
4K001DB23
4K001DB24
(57)【要約】
【課題】同一種類の分離装置が並列設置されている構成を含んでなるクロム鉄鉱石の分離回収設備において、上流側の装置から下流側に並列配置される複数基の装置に、スラリーを安定的に均等に分配すること。
【解決手段】分級処理装置1と、複数の比重分離装置3と、を備えるクロム鉄鉱石の分離回収設備を、攪拌されたスラリーを下流側に向けて均等に分配して排出する複数の越流堰22を有するスラリー中継槽2と、分級処理装置1とスラリー中継槽2とを結ぶスラリー流送管15に希釈水供給管41が接合されてなる希釈水供給装置4とを備える、クロム鉄鉱石の分離回収設備10とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱石スラリーを構成している粒子の粒度差に基づいて、前記鉱石スラリーからクロムを含有するスラリーを分離回収する分級処理装置と、前記分級処理装置の下流側に配置されていて、前記分級処理装置によって分離回収されたスラリーから、比重分離処理によって更にクロム分が濃縮された高クロム濃度スラリーを分離回収する複数の比重分離装置と、を備えるクロム鉄鉱石の分離回収設備であって、
スラリー中継槽と、希釈水供給装置とを更に備え、
前記スラリー中継槽は、前記分級処理装置と前記比重分離装置の中間に設置されていて、攪拌機と、攪拌されたスラリーを下流側に向けて均等に分配して排出する複数の越流堰を有し、
前記希釈水供給装置から延設される希釈水供給管が、前記分級処理装置と前記スラリー中継槽とを結ぶスラリー流送管に接合されている、
クロム鉄鉱石の分離回収設備。
【請求項2】
前記越流堰は、必要に応じてスラリーの排出を停止させることができる越流堰閉止機構を備え、
前記越流堰の数が、前記スラリー中継槽の下流側に連接されている前記比重分離装置の数よりも多い、
請求項1に記載のクロム鉄鉱石の分離回収設備。
【請求項3】
前記越流堰をオーバーフローする液相の流路は垂直断面形状が略矩形状の流路であって、底面が平らな流路である、
請求項1又は2に記載のクロム鉄鉱石の分離回収設備。
【請求項4】
前記分級処理装置がハイドロサイクロンであり、前記比重分離装置がデンシティセパレーター及び/又はスパイラルコンセントレーターである、
請求項1から3の何れかに記載のクロム鉄鉱石の分離回収設備。
【請求項5】
ニッケル酸化鉱石スラリーからクロム鉄鉱石を分離回収するクロム鉄鉱石の回収方法であって、
含有される粒子の粒度差によってスラリーを分離する分級工程と、
前記分級工程において、粗粒側に分級されたスラリーに希釈水を注入してスラリー濃度を調整するスラリー濃度調整工程と、
前記スラリー濃度調整工程においてスラリー濃度が調整された前記スラリーを、攪拌機とスラリー排出口として複数の越流堰と、を有するスラリー中継槽を経由させて、複数のスラリー流路に均等に分配するスラリー分配工程と、
前記スラリー分配工程において分配された各々の前記スラリーから、比重分離装置によって、更にクロム分が濃縮された高クロム濃度スラリーを分離回収する比重分離工程と、
を含んでなり、
前記スラリー濃度調整工程においては、前記スラリー分配工程に投入されるスラリー濃度が35%以上40%以下となるように、希釈水の注入量を調整する、クロム鉄鉱石の回収方法。
【請求項6】
前記スラリー分配工程を行う前記スラリー中継槽の越流堰におけるオーバーフロー液の流路の断面形状が、平らな底面を有する矩形であり、
前記流路の流路幅dとオーバーフロー液の液面の高さhとの関係を、0.5d≦h≦2dの範囲に保持しながら、前記スラリー分配工程を行う、
請求項5に記載のクロム鉄鉱石の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロム鉄鉱石の分離回収設備、及び、クロム鉄鉱石の回収方法に関する。本発明は、詳しくは、高圧酸浸出法によりニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において浸出処理に供する鉱石スラリーから、クロムを含有する鉄鉱石を分離回収する、クロム鉄鉱石の分離回収設備、及び、クロム鉄鉱石の回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、石炭、鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン等の鉱物資源において、採掘権の寡占化が進行し、原料コストが大幅に上昇している。そのため、金属製錬分野におけるコスト低減のための施策として、従来、コスト的に不利であることから使用対象になっていなかった低品位原料を使用するための技術開発が行われている。
【0003】
ニッケル製錬の現場においても、ニッケル酸化鉱石を硫酸で加圧下に酸浸出する高圧酸浸出(High Pressure Acid Leach)法に基づく湿式製錬方法のプラント内で、ニッケル酸化鉱石と水との混合物である鉱石スラリーからのクロム鉄鉱石の分離回収が行われている。そして、このようなクロム鉄鉱石の分離回収は、鉱石スラリーに含有される粒子の粒度差によってスラリーを分離する分級処理装置と、粗粒側に分級されたスラリーから比重分離処理によって更にクロム分が濃縮された高クロム濃度スラリーを分離回収する比重分離装置とが連接されてなる分離回収設備において行われている(特許文献1、2参照)。
【0004】
ここで、上記のように複数種の分離装置が連接されてなる分離回収設備において、鉱石スラリーの処理量を増大させるための手段としては、個々の装置の大型化よりも、既設の装置と同一の装置を処理段階毎に並列的に増設する対応が選択される場合が多い。既設の装置を新たな大型装置に取り換えるよりも、既に処理条件が安定的に確立されている既設の各装置を並列的に増設する方が、設備構成の変更に伴うスラリー濃度や粒度分布の変化を予測しやすく、設備全体の操業条件を適切に管理することが比較的容易に行えるからである。
【0005】
例えば、複数種の分離装置が連接されてなる上記の分離回収設備において、下流の比重分離装置が並列に複数基設置されている場合、上流側の分級装置から下流側の複数基の各比重分離装置に目的量のスラリーを安定的に供給する必要がある。このためには、分岐配管を備えた送液配管を用いて下流側の装置にスラリーを分配することも考えられるが、この方法による場合には、送液配管内での固形分の偏流によってスラリーの流量が局所的に変動しやすく、スラリーを安定的に均等に分配することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-107289号公報
【特許文献2】特開2017-52992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、同一種類の分離装置が並列設置されている構成を含んでなるクロム鉄鉱石の分離回収設備において、上流側の装置から下流側に並列配置される複数基の装置に、スラリーを安定的に均等に分配することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、同一種類の分離装置が並列設置されている構成を含んでなるクロム鉄鉱石の分離回収設備において、並列配置されている複数基の装置の上流側に、スラリー排出口として複数の越流堰を有するスラリー中継槽を設置し、更に、当該スラリー中継槽にスラリーを流送する配管に、スラリー濃度を調整する適量の希釈水を注入する希釈水供給装置を設置することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、具体的には、以下のものを提供する。
【0009】
(1) 鉱石スラリーを構成している粒子の粒度差に基づいて、前記鉱石スラリーからクロムを含有するスラリーを分離回収する分級処理装置と、前記分級処理装置の下流側に配置されていて、前記分級処理装置によって分離回収されたスラリーから、比重分離処理によって更にクロム分が濃縮された高クロム濃度スラリーを分離回収する複数の比重分離装置と、を備えるクロム鉄鉱石の分離回収設備であって、スラリー中継槽と、希釈水供給装置とを更に備え、前記スラリー中継槽は、前記分級処理装置と前記比重分離装置の中間に設置されていて、攪拌機と、攪拌されたスラリーを下流側に向けて均等に分配して排出する複数の越流堰を有し、前記希釈水供給装置から延設される希釈水供給管が、前記分級処理装置と前記スラリー中継槽とを結ぶスラリー流送管に接合されている、クロム鉄鉱石の分離回収設備。
【0010】
(1)のクロム鉄鉱石の分離回収設備によれば、下流側に並列配置される複数基の比重分離装置に対して、上流側の分級処理装置から、スラリーを安定的に均等に分配することができる。又、希釈水をスラリー流送配管に直接注入する構成とすることにより、スラリーの滞留によるスラリー流送配管の閉塞を防止することもできる。
【0011】
(2) 前記越流堰は、必要に応じてスラリーの排出を停止させることができる越流堰閉止機構を備え、前記越流堰の数が、前記スラリー中継槽の下流側に連接されている前記比重分離装置の数よりも多い、(1)に記載のクロム鉄鉱石の分離回収設備。
【0012】
(2)のクロム鉄鉱石の分離回収設備によれば、当座において稼働する下流側の比重分離装置の設置基数を超える分の越流堰については閉止しておき、将来、新たな比重分離装置を追加的に設置する際には、これを開放して機能させるようにする等、比重分離装置の設置基数の変更にも柔軟に対応することのできる設備構成のフレキシビリティをクロム鉄鉱石の分離回収設備に持たせることができる。
【0013】
(3) 前記越流堰をオーバーフローする液相の流路は垂直断面形状が略矩形状の流路であって、底面が平らな流路である、(1)又は(2)に記載のクロム鉄鉱石の分離回収設備。
【0014】
(3)のクロム鉄鉱石の分離回収設備においては、越流堰をオーバーフローする液相の流量とヘッド(オーバーフロー液の液面の高さ)hとの関係が線形の相関を保つので、底面が平らではない三角形の越流堰等と比較して、槽内のスラリーの液面の高さが局所的に変動した場合のスラリー排出量の変動を、より小さな変動範囲内に抑制して、(1)又は(2)に記載のクロム鉄鉱石の分離回収設備における下流側の装置へのスラリーの均等な分配の安定性を更に高めることができる。
【0015】
(4) 前記分級処理装置がハイドロサイクロンであり、前記比重分離装置がデンシティセパレーター及び/又はスパイラルコンセントレーターである、(1)から(3)の何れかに記載のクロム鉄鉱石の分離回収設備。
【0016】
(4)のクロム鉄鉱石の分離回収設備によれば、ニッケル酸化鉱石スラリーから、複数段階の工程を経て、クロム鉄鉱石を分離回収する工程において、下流側の比重分離工程に投入されるスラリーの供給量を適切な範囲に安定的に維持することができるので、これにより、クロムの分離回収率を安定的に向上させることができる。
【0017】
(5) ニッケル酸化鉱石スラリーからクロム鉄鉱石を分離回収するクロム鉄鉱石の回収方法であって、含有される粒子の粒度差によってスラリーを分離する分級工程と、前記分級工程において、粗粒側に分級されたスラリーに希釈水を注入してスラリー濃度を調整するスラリー濃度調整工程と、前記スラリー濃度調整工程においてスラリー濃度が調整された前記スラリーを、攪拌機とスラリー排出口として複数の越流堰と、を有するスラリー中継槽を経由させて、複数のスラリー流路に均等に分配するスラリー分配工程と、前記スラリー分配工程において分配された各々の前記スラリーから、比重分離装置によって、更にクロム分が濃縮された高クロム濃度スラリーを分離回収する比重分離工程と、を含んでなり、前記スラリー濃度調整工程においては、前記スラリー分配工程に投入されるスラリー濃度が35%以上40%以下となるように、希釈水の注入量を調整する、クロム鉄鉱石の回収方法。
【0018】
(5)のクロム鉄鉱石の回収方法によれば、下流側に並列配置される複数基の比重分離装置に対して、上流側の分級処理装置から、スラリーを安定的に均等に分配することができる。又、上流側の分級処理装置から下流側に並列配置される複数基の比重分離装置に供給されるスラリーの濃度を所定範囲内に維持することにより、スラリー分配工程においてスラリー中継槽内で粒子同士の衝突による解砕が促進されて、比重分離工程におけるクロム分の分離回収率を向上させることができる。
【0019】
(6) 前記スラリー分配工程を行う前記スラリー中継槽の越流堰におけるオーバーフロー液の流路の断面形状が、平らな底面を有する矩形であり、前記流路の流路幅dとオーバーフロー液の液面の高さhとの関係を、0.5d≦h≦2dの範囲に保持しながら、前記スラリー分配工程を行う、(5)に記載のクロム鉄鉱石の回収方法。
【0020】
(6)のクロム鉄鉱石の回収方法によれば、排出されるスラリーの流速が過大となることによる流路の摩耗を防止することができ、尚且つ、槽内のスラリーの局所的な液面の高さの変動が、排出されるスラリーの流速に及ぼす影響を小さく抑えて、スラリーの均等分配の安定性を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、同一種類の分離装置が並列設置されている構成を含んでなるクロム鉄鉱石の分離回収設備において、上流側の装置から下流側に並列配置される複数基の装置に、スラリーを安定的に均等に分配することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明のクロム鉄鉱石の分離回収設備の全体構成を模式的に示す図である。
図2】本発明のクロム鉄鉱石の分離回収設備を構成する分級処理装置として好適なハイドロサイクロンの基本構成を示す模式図である。
図3】本発明のクロム鉄鉱石の分離回収設備を構成するスラリー中継槽の平面図である。
図4図3に示すスラリー中継槽の部分拡大図であり、越流堰の周辺の構成を示す図である。
図5】ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬プロセスの全体プロセスの流れを示す工程図である。
図6図5の全体プロセスの部分プロセスとして行われるクロム鉄鉱石の回収方法の一般的な流れを示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の「クロム鉄鉱石の分離回収設備」、及び、「クロム鉄鉱石の回収方法」について、具体的な実施形態を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
【0024】
<クロム鉄鉱石の分離回収設備>
本発明の「クロム鉄鉱石の分離回収設備」は、後述する「ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」の部分工程である鉱石スラリー処理工程S2(図5参照)の実施時に、鉱石スラリーの前処理と並行して、鉱石スラリーからクロム鉄鉱石を回収する工程(クロム鉄鉱石回収工程S2)を行う設備である。
【0025】
[全体構成]
図1は、本発明の「クロム鉄鉱石の分離回収設備」の実施形態の一例であるクロム鉄鉱石の分離回収設備10の全体構成を模式的に示す図である。同図に示す通り、クロム鉄鉱石の分離回収設備10は、少なくとも、分級処理装置1、スラリー中継槽2、複数の比重分離装置3(3A、3B、3C、3D)、及び、希釈水供給装置4を含んで構成されている。
【0026】
クロム鉄鉱石の分離回収設備10において、複数の比重分離装置3(3A、3B、3C、3D)は、スラリーを各比重分離装置3A、3B、3C、3Dに分配するスラリー中継槽2を中間に介して、分級処理装置1の下流側に並列配置されている。これらの比重分離装置3の設置基数は、一例として、図示されているように4基であるが、これには限られず、必要に応じて2基以上の任意の設置基数とすることができる。
【0027】
又、分級処理装置1の粗粒側の排出口(図2におけるアンダーフロー排出口14)と、スラリー中継槽2との間には、分級処理装置1によって相対的に粒度の大きいスラリー(粗粒)側に分級されたスラリーを、スラリー中継槽2に流送するスラリー流送管15が設置されている。
【0028】
そして希釈水供給装置4には、同装置から供給される希釈水を、スラリー流送管15の内部に注入する希釈水供給管41が接合されている。希釈水供給管41は、希釈水供給装置4から延設されて、分級処理装置1とスラリー中継槽2とを結んで設置されているスラリー流送管15の管内に希釈水を注入可能な態様でスラリー流送管15に接合されている。
【0029】
[分級処理装置]
分級処理装置1は、鉱石スラリーに含有される粒子の粒度差によってニッケル酸化鉱石等の鉱石スラリーを分級する装置である。分級処理装置として、具体的には、ハイドロサイクロンを好ましく用いることができる。「ハイドロサイクロン」とは、遠心力を利用してスラリー中に分散している固体粒子を、主に粒度の違いによって分級することができる公知の装置である(例えば、特開昭55-1047666号公報参照)。
【0030】
図3に示すハイドロサイクロン1は、本発明において好ましく用いることができるハイドロサイクロンの一例である。ハイドロサイクロン1によれば、供給配管12から所定の圧力でニッケル酸化鉱石スラリーを供給することで、テーパー筒部11内の壁面付近を旋回しながら下降する下降流と、中心部付近上昇する上昇流を発生させて、ニッケル酸化鉱石スラリーを粗粒と細粒とに分離することができる。
【0031】
ここで、一般に、クロマイトの比重はゲーサイト等の水酸化鉄のそれと同等であるが、粒径が異なるために、粗大なクロマイトと微細なゲーサイトとは「ハイドロサイクロン」により効率よく分離することができる。ハイドロサイクロン1のオーバーフロー排出口13からは、オーバーフロー(O/F)として、相対的に粒度の小さいゲーサイトを含む混合物(細粒)が排出されて、ニッケル回収の原料として浸出工程S3に送液される。そして、ハイドロサイクロン1のスピゴット(アンダーフロー排出口)14からは、アンダーフロー(U/F)として、相対的に粒度の大きいクロム鉄鉱石を含む混合物(粗粒)が排出されて、このアンダーフロー(U/F)が、スラリー流送管15を通じてスラリー中継槽2に流送される。
【0032】
[スラリー中継槽]
スラリー中継槽2は、図3に示すように、複数の越流堰22(22A、22B、22C、22D)と攪拌機24とを備える円筒形状の貯留槽である。そして、スラリー中継槽2においては、クロム鉄鉱石の分離回収設備10において、分級処理装置1からスラリー流送管15の管内を通って流送されてきたスラリーが一時的に貯留され、槽内で攪拌された後、各越流堰22A、22B、22C、22Dから均等に排出される。尚、スラリー中継槽2は、滞留時間1分以上の容量を有する槽とすることが好ましい。
【0033】
複数の越流堰22(22A、22B、22C、22D)は、図3に示すように、槽本体23の側壁の上端部において、槽内に貯留円周方向に均等な間隔をあけて設けられていることが好ましい。尚、本明細書において、「越流堰」とは、液相を貯留可能な槽において、排出する液相の量を制御するための排出口構造の一種であって、液相の液面の高さに対する堰の高さを適切に設定することで、堰越しに、一定量範囲内のオーバーフロー液を所定の排出速度で均等に流出させる排出口構造のことを言う。越流堰22(22A、22B、22C、22D)は、図4に示すように、一例として、槽本体23の側壁の上端部に矩形状の切り欠き部を形成することによって構成することができる。
【0034】
各越流堰22(22A、22B、22C、22D)には、堰の上辺の上方に形成されるオーバーフロー液の流出経路を必要に応じて閉鎖することができる越流堰閉止機構を備えるものであることが好ましい。越流堰閉止機構は、例えば、越流堰を構成する矩形状の切り欠きからなる開口部分の全体を槽の内側から覆うことができる閉止板を、必要に応じて上下動させて開口部分を開閉することができる態様で設置することによって設けることができる。
【0035】
又、越流堰22が、越流堰閉止機構を備える場合には、スラリー中継槽2には、下流側に連接されている比重分離装置3の設置基数よりも多くの数の越流堰22を設けることができる。これにより、クロム鉄鉱石の分離回収設備10に、比重分離装置3の設置基数の変更にも柔軟に対応することのできるフレキシビリティを与えることができる。
【0036】
又、越流堰22を構成する越流堰は、図4に示すように、当該越流堰をオーバーフローして槽外に流出する液相の流路の垂直断面形状が略矩形状となるように構成されていることが好ましい。このように当該越流堰をオーバーフローして槽外に流出する液相の流路が、平らな底面とこれに直交して立設されている一対の側面とで形成されていることによって、越流堰をオーバーフローする液相の流量とヘッド(オーバーフロー液の液面の高さ)hとの関係が線形の相関を保つので、底面が平らではない三角形の越流堰等と比較して、槽内のスラリーの液面の高さが局所的に変動した場合のスラリー排出量の変動を、より小さな変動範囲内に抑制することができる。
【0037】
又、同じく図4に示すように、越流堰22は、オーバーフロー液の流路の流路幅dとヘッドhとの関係が、0.5d≦h≦2dの範囲とすることができるように、設計することが好ましい。越流堰22におけるオーバーフロー液の流路の断面形状が、平らな底面を有する矩形である場合において、hが2dを超えると、排出されるスラリーの流速が大きくなり流路の摩耗を防止する為の策を講じる必要が生じる。一方で、hが0.5未満であると、槽内のスラリーの局所的な液面の高さの変動が、排出されるスラリーの流速に及ぼす影響が大きくなり、スラリーの均等分配が困難となる。
【0038】
各越流堰22A、22B、22C、22Dから排出されたスラリーは、下流側のスラリー流送管21(21A、21B、21C、21D)を通って、下流側の複数の比重分離装置3(3A、3B、3C、3D)に流送される。
【0039】
[比重分離装置]
比重分離装置は、スラリー中の鉱石を重力(粒子の比重)差によって分離する比重分離処理によって、比重の大きな粒子を含む部分を濃縮して、クロム成分の濃縮が更に促進された高クロム品位スラリーを分離して回収する装置である。
【0040】
比重分離装置として、具体的には、「デンシティセパレーター」及び/又は「スパイラルコンセントレーター」を好ましく用いることができる。「デンシティセパレーター」とは、装置上部よりスラリーが供給され、装置下部から注入される注入水(ティーターウォーター(TW))の上昇流によってスラリーの比重分離が行われる公知の装置である(例えば、特開2017-600930号公報参照)。
【0041】
又、「スパイラルコンセントレーター」とは、螺旋状の傾斜滑り台であるスラリー流路を備える分離装置である。「スパイラルコンセントレーター」に投入されたスラリー中に混在する比重の異なる鉱物粒子は、螺旋状の傾斜滑り台であるスラリー流路を流れるうちに、重力差によって分離され、粗くて重いクロム鉄鉱石(Conc)は、最も内側の濃縮物(Conc)流域帯から回収される。
【0042】
[希釈水供給装置]
希釈水供給装置4は、分級処理装置1において分離回収されて、スラリー中継槽2に流送されるスラリーにスラリー濃度を適切な範囲内に調整するための希釈水を供給する装置である。希釈水供給装置4としては、必要とされる給水能力を有する公知の各種の給水装置を用いることができる。但し、分離回収設備10においては、希釈水供給装置4は、分級処理装置1において分離回収されてスラリー中継槽2に流送されるスラリーの流送管である、スラリー流送管15の管内に適量の希釈水を直接注入することができる構成とされている点を独自の特徴とする。具体的に希釈水供給装置4とスラリー流送管15とは希釈水供給管41によって結ばれていて、上記の希釈水は希釈水供給管41を通ってスラリー流送管15に達して管内に直接注入される。
【0043】
<クロム鉄鉱石の回収方法>
本発明のクロム鉄鉱石の回収方法(以下、単に「クロム鉄鉱石の回収方法」とも言う)は、図5に示す「ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」の流れの中で、その部分工程である鉱石スラリー処理工程S2の実施時に、並行してクロム鉄鉱石を回収する工程として行われる。鉱石スラリー処理工程S2において行われるクロム鉄鉱石の回収は、通常、複数種の物理的分離装置処理を行う手順で行われるが、「クロム鉄鉱石の回収方法」は、工程内で行われる物理的分離装置処理のうちの一つである比重分離工程を、複数の並列設置されている比重分離装置によって行う場合に好適な回収方法である。又、「クロム鉄鉱石の回収方法」は、上記において詳細を説明した本発明の「クロム鉄鉱石の分離回収設備」を用いて行うことが好ましい。
【0044】
「ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」の流れの中で、鉱石スラリー処理工程S2の実施時に、並行してクロム鉄鉱石を回収する工程は、通常、図6に示す各工程のうち、分級工程S21、比重分離工程S25、及び、磁力選鉱工程S26のみが順次段階的に行われる。これに対して、「クロム鉄鉱石の回収方法」は、上述の比重分離工程S25を、図1に示すように、複数の並列設置されている比重分離装置によって行うようにし、合わせて、図6に示す通り、分級工程S21と、比重分離工程S25の間において、更に、スラリー濃度調整工程S22及びスラリー分配工程S23の2つの工程を必須の中間処理工程として行うようにしたことを主たる特徴とするプロセスである。
【0045】
[分級工程]
分級工程S21は、鉱石スラリーに含有される粒子の粒度差によって当該ニッケル酸化鉱石スラリーを分級する工程である。この工程では、オーバーフロー(O/F)としてゲーサイトを含む混合物を分離し、アンダーフロー(U/F)としてクロム鉄鉱石(クロマイト)を含む混合物を分離する工程である。「クロム鉄鉱石の回収方法」において分級工程S21を行う分級処理装置としては、上述した通り、ハイドロサイクロンを好ましく用いることができる。
【0046】
[スラリー濃度調整工程]
スラリー濃度調整工程S22は、分級工程S21において、粗粒側に分級されて、下流側のスラリー分配工程S23に投入されるスラリーに適量の希釈水を注入してスラリー濃度を調整する工程である。上記スラリーへの希釈水の注入量は、当該スラリー濃度(スラリーの固形分の濃度)を35%以上40%以下の範囲に維持するために必要十分な注入量とする。スラリー濃度が上記濃度範囲よりも大きい場合には、高負荷形の攪拌機が必要となる為経済性の点で好ましくない。一方、スラリー濃度が上記濃度範囲よりも小さい場合には、攪拌機にかかる負荷は小さくなるものの、槽の容量が大きくなるという難点がある。又、スラリー濃度が上記範囲であればスラリーの粘性により、攪拌を続けている限りは槽内の沈降分離は起こり難く、スラリーの均一性も保持されやすくなる。
【0047】
[スラリー分配工程]
スラリー分配工程S23は、スラリー濃度調整工程S22においてスラリー濃度が適切に調整されたスラリーを、スラリー排出口として複数の越流堰を有するスラリー中継槽を経由させて、複数のスラリー流路に分配する工程である。スラリー中継槽としては、上記において詳細を説明した本発明のクロム鉄鉱石の分離回収設備を構成するスラリー中継槽2を用いることが好ましい。
【0048】
尚、「クロム鉄鉱石の回収方法」において、スラリー分配工程S23を行うスラリー中継槽として、越流堰22におけるオーバーフロー液の流路の断面形状を、平らな底面を有する矩形とすることが可能なスラリー中継槽2を用いる場合、オーバーフロー液の流路の流路幅dとヘッドhとの関係を、0.5d≦h≦2dの範囲に維持することができる操業条件の範囲内で「クロム鉄鉱石の回収方法」を行うことが好ましい。
【0049】
[比重分離工程]
比重分離工程S25は、並列設置されている複数の比重分離装置を用いて、スラリー分配工程S23において各々のスラリー流路に分配されたスラリーから、更にクロム分が濃縮された高クロム濃度スラリーを、比重分離処理によって、分離回収する工程である。「クロム鉄鉱石の回収方法」において比重分離工程S25を行う比重分離装置としては、上述した通り、「デンシティセパレーター」及び/又は「スパイラルコンセントレーター」を好ましく用いることができる。
【0050】
[磁力選鉱工程]
磁力選鉱工程S26は、比重分離工程S25によってクロム成分が濃縮されたクロム鉄鉱石中の磁鉄鉱石を、磁気分離処理により除去して鉄分を下げる工程である。磁鉄鉱石(Mag)が取り除かれるので、非着磁物(Non-Mag)が製品となる。
【0051】
<ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法>
上記において詳細を説明した本発明の「クロム鉄鉱石の分離回収設備」及び「クロム鉄鉱石の回収方法」は、ニッケル酸化鉱石を原料とした湿式製錬プロセス(以下、「ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」と言う)の流れの中で、クロム鉄鉱石を回収するために行わる部分プロセスを実行するための技術的手段として好適な分離回収設備及び回収方法である。以下において、本発明を部分プロセスとして実行可能な全体プロセスである「ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」について説明する。
【0052】
[鉱石処理工程]
鉱石処理工程S1は、ニッケル酸化鉱石を水と混合し、ニッケル酸化鉱石スラリーとする工程である。尚、本明細書においては、ニッケル酸化鉱石と水との混合物である鉱石スラリーのことを、「ニッケル酸化鉱石スラリー」と言う。
【0053】
[鉱石スラリー処理工程]
鉱石スラリー処理工程S2は、浸出工程S3に供する鉱石スラリーに対する前処理として、ニッケル酸化鉱石スラリーからの異物除去及び鉱石粒度調整を行う工程である。そして、本発明の「クロム鉄鉱石の回収方法」は、図5に示す通り、「ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」の部分工程として行われる鉱石スラリー処理工程S2において、処理対象物である鉱石スラリーからクロムを分離回収する処理(クロム鉄鉱石回収工程S2(図6参照))として実行することができる。
【0054】
[浸出工程]
浸出工程S3は、オートクレーブ等を用いて、鉱石スラリーからニッケル、コバルト等の有価成分を硫酸で浸出して浸出スラリーを得る工程である。
【0055】
[固液分離工程]
固液分離工程S4は、多段のシックナー等を用いて、上記の浸出スラリーを、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣スラリーとに分離する工程である。
【0056】
[中和工程]
中和工程S5は、上記の浸出液を、ニッケルを含む母液と中和澱物スラリーとに分離する工程である。
【0057】
[亜鉛除去工程]
亜鉛除去工程S6は、上記の母液に硫化剤を添加して、ニッケル回収用の母液と硫化亜鉛を含む硫化亜鉛澱物とに分離する工程である。
【0058】
[硫化工程]
硫化工程S7は、ニッケル回収用の上記母液に硫化剤を添加して、ニッケル及びコバルトを含む混合硫化物(Ni、Co混合硫化物)と貧液とに分離する工程である。尚、この貧液は、最終的には、下流側の工程である最終中和工程S8に送液されるが、図5に示すように、その一部又は全部を、固液分離工程S4における浸出残渣の洗浄水として使用することもできる。
【0059】
[最終中和工程]
最終中和工程S8は、固液分離工程S4で分離された上記の浸出残渣スラリーをpH8以上pH9以下程度に中和して最終中和残渣とする工程である。この最終中和残渣は、テーリングダムに貯留される。
【0060】
以上説明した通り、「ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」は、鉱石処理工程S1、鉱石スラリー処理工程S2、浸出工程S3、固液分離工程S4、中和工程S5、亜鉛除去工程S6、硫化工程S7、及び、最終中和工程S8を、含んでなる全体プロセスである。本発明の「クロム鉄鉱石の回収方法」は、このような全体プロセスの流れの中で、鉱石スラリー処理工程S2として実施することができる部分プロセスであり、本発明の「クロム鉄鉱石の分離回収設備」は、このような「クロム鉄鉱石の回収方法」を実施するための設備として好適な工業設備である。
【実施例0061】
以下に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0062】
<実施例1>
図1に示す構成からなるクロム鉄鉱石の分離回収設備10において、ニッケル酸化鉱スラリーを分級処理装置(ハイドロサイクロン)1に供給し、アンダーフロー(粗粒;固形分濃度60%、流量55m/h)とオーバーフロー(細粒)を得た。
アンダーフローは、下段に設置したスラリー中継槽2へスラリー流送管15を通じて自然流下させた。そして、このスラリー流送管15の途中に接続した希釈水供給管41を通して希釈水(47m/h)をスラリー流送管15の管内に注入する態様で添加し、スラリー中継槽2内でのスラリー濃度を40%に調整した。
スラリー中継槽2の容量は2mであり、越流堰については、オーバーフローする液相の流路が垂直断面形状が略矩形状で底面が平らな流路であり、流路幅(d)が75mmで、流路高さ(H)が75mmである越流堰22(22A、22B、22C、22D)を、90度間隔で4つ備えている。そして、攪拌動力1.5kw/mの攪拌機により回転数180RPMで槽内のスラリーを攪拌した。
比重分離装置3は4基設置されており、スラリー中継槽2から4基の比重分離装置3(3A、3B、3C、3D)全てに対してスラリーを分配した。
上記の実施において、各越流堰から排出されたスラリーの流量と濃度を測定したところ、スラリー流量の最大値と最小値との差は5.8%であり、期待したスラリーの均等分配が達成された。又、同じくスラリー濃度の最大値と最小値との差は3.0%であり、濃度が均一なスラリーが分配された。
【0063】
(実施例2)
分級処理装置(ハイドロサイクロン)1への給液量を実施例1における給液量の1/2とし、同様の手順で対角に位置する2か所の越流堰(22A、22D)のみから、2基の比重分離装置(3A、3D)のみにスラリーを分配した。使用しない越流堰(22B、22D)には閉止板を取り付けることによって越流堰閉止機構を構成してスラリーの排出を停止させた状態でスラリーの分配を行った。
上記の実施において、各越流堰から排出されたスラリーの流量と濃度を測定したところ、スラリー流量の最大値と最小値との差は6.6%であり期待したスラリーの均等分配が達成された。また、スラリー濃度の最大値と最小値との差は3.6%であり、濃度が均一なスラリーが分配された。
【0064】
(実施例3)
実施例2と同様の手順で隣接する2か所の越流堰(22A、22C)のみから、2基の比重分離装置(3A、3C)のみにスラリーを分配した。使用しない越流堰(22B、22D)は、上記同様に閉止板を取り付けることによってスラリーの排出を停止させた。
上記の実施において、各越流堰から排出されたスラリーの流量と濃度を測定したところ、スラリー流量の最大値と最小値との差は7.4%であり、期待したスラリーの均等分配が達成された。又、スラリーの濃度の最大値と最小値との差は5.2%であり、濃度が均一なスラリーが分配された
【0065】
(比較例1)
スラリー濃度調整のための希釈水を、スラリー流送管15の管内には注入せず、実施例1と同量の希釈水を、スラリー中継槽に直接添加すること以外は、実施例1と同様の操作によりスラリーの分配を試みた。しかし、ハイドロサイクロンのアンダーフローがスラリー流送管15の管内で詰まり、操業を中断せざるを得なかった。
【0066】
以上の結果より、本発明によれば、同一種類の分離装置が並列設置されている構成を含んでなるクロム鉄鉱石の分離回収設備において、上流側の装置から下流側に並列配置される複数基の装置に、スラリーを安定的に均等に分配することができることが分かる。
【符号の説明】
【0067】
1 分級処理装置(ハイドロサイクロン)
11 テーパー筒部
12 供給配管
13 オーバーフロー排出口
14 アンダーフロー排出口(スピゴット)
15 スラリー流送管(U/F)
16 スラリー流送管(O/F)
2 スラリー中継槽
21(21A、21B、21C、21D) スラリー流送管
22(22A、22B、22C、22D) 越流堰
23 槽本体
24 攪拌機
3(3A、3B、3C、3D) 比重分離装置
4 希釈水供給装置
41 希釈水供給管
10 クロム鉄鉱石の分離回収設備
S1 鉱石処理工程
S2 鉱石スラリー処理工程(クロム鉄鉱石回収工程)
S3 浸出工程
S4 固液分離工程
S5 中和工程
S6 亜鉛除去工程
S7 硫化工程
S8 最終中和工程
S21 分級工程
S22 スラリー濃度調整工程
S23 スラリー分配工程
S24 比重分離工程
S25 磁力選鉱工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6