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特開2023-124194バッテリ交換計画生成システム、及び、バッテリ交換計画生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124194
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】バッテリ交換計画生成システム、及び、バッテリ交換計画生成方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230830BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20230830BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G05D1/02 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027815
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 潤
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA07
5H181BB04
5H181BB08
5H181FF01
5H181FF13
5H181FF32
5H181FF40
5H181MB03
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301KK02
5H301KK04
5H301KK08
5H301QQ04
5H301QQ06
(57)【要約】
【課題】予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対し、バッテリの交換を行うべく立ち寄るバッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成システム及びバッテリ交換計画生成方法であって、バッテリの交換に要する合計時間を短くする。
【解決手段】バッテリ交換計画生成システム1、51であって、プロセッサ31Aを備え、プロセッサは、バッテリ21の数を取得し、配送車両EVにそれぞれについて、立ち寄り可能なバッテリ交換ステーション13の組を示す立寄パターンを取得し、立寄パターンの組み合わせを構成することによって、バッテリ交換計画を、バッテリ交換ステーションにおいてバッテリが不足することなく、配送車両がそれぞれ走行でき、且つ、配送車両において行われるバッテリの交換回数の配送車両についての総和が最小となるように生成する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、前記バッテリの交換を行うべく立ち寄る前記バッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成システムであって、
前記バッテリ交換計画を生成するための処理を実行するプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記バッテリ交換ステーションにストックされた前記バッテリの数を取得し、
前記配送車両にそれぞれについて、立ち寄り可能な前記バッテリ交換ステーションの組を示す立寄パターンを取得し、
前記立寄パターンの組み合わせを構成することによって、前記バッテリ交換計画を、前記バッテリ交換ステーションにおいて前記バッテリが不足することなく、前記配送車両がそれぞれ走行でき、且つ、前記配送車両において行われる前記バッテリの交換回数の前記配送車両についての総和が最小となるように生成するバッテリ交換計画生成システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
全ての前記立寄パターンの前記組み合わせから、前記バッテリ交換ステーションにおいてストックされた前記バッテリが不足しない前記組み合わせを抽出し、
抽出された前記組み合わせの中から、前記バッテリの前記交換回数が最小となる前記組み合わせを選択して前記バッテリ交換計画を生成する請求項1に記載のバッテリ交換計画生成システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記バッテリ交換ステーションにおいてストックされた前記バッテリが不足しない前記組み合わせを抽出することができない場合には、抽出不可であることを示す信号を出力する請求項1又は請求項2に記載のバッテリ交換計画生成システム。
【請求項4】
前記バッテリ交換ステーションの間の距離と、前記配送車両それぞれの単位走行距離あたりの消費電力量とを記憶する記憶装置を更に備え、
前記プロセッサは、前記距離と前記消費電力量とに基づいて、前記立寄パターンを取得する請求項1~請求項3のいずれか1つの項に記載のバッテリ交換計画生成システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記バッテリそれぞれの充放電回数に基づいて、充電できる最大の電力量を推定し、充電できる最大の前記電力量に基づいて、前記立寄パターンを取得する請求項1~請求項4のいずれか1つの項に記載のバッテリ交換計画生成システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記配送車両の積載量を取得し、前記積載量に基づいて、前記立寄パターンを取得する請求項1~請求項5のいずれか1つの項に記載のバッテリ交換計画生成システム。
【請求項7】
前記バッテリ交換ステーションに設けられ、前記バッテリ交換ステーションにストックされた前記バッテリに係る情報を取得可能なサーバを含み、
前記配送車両は前記サーバに通信可能な端末を備える請求項1~請求項6のいずれか1つの項に記載のバッテリ交換計画生成システム。
【請求項8】
搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、前記バッテリの交換を行うべく立ち寄る前記バッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成方法であって、
前記バッテリ交換ステーションに予めストックされた前記バッテリの数を取得し、
前記配送車両にそれぞれについて、立ち寄り可能な前記バッテリ交換ステーションの組を示す立寄パターンを取得し、
前記立寄パターンの組み合わせを構成することによって、前記バッテリ交換ステーションにおいてストックされた前記バッテリが不足することなく、前記配送車両がそれぞれ走行でき、且つ、前記配送車両において行われる前記バッテリの交換回数の前記配送車両についての総和が最小となるように生成するバッテリ交換計画生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリから供給される電力によって走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、バッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成システム、及び、バッテリ交換計画生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、バッテリからの電力によって走行する配送車両が開発されている。このような、バッテリからの電力により駆動する配送車両においては、バッテリの充電に要する時間やコストもまた問題となっている。
【0003】
そこで、車両に搭載されたバッテリをバッテリ交換ステーションにおいて、充電されたバッテリと交換することが考えられている。特許文献1では、バッテリ交換ステーションにおけるバッテリの在庫状況と、車両に搭載されたバッテリの残量から推定される移動可能範囲とに基づき、バッテリ交換ステーションを経由して目的地に到達する経路を探索する経路探索装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/061415号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッテリを充電されたバッテリに交換するためには、作業時間を要する。配送車両の運転者はバッテリ交換が完了するまで、バッテリ交換ステーションに待機しなければならず、運転者にとって負担になるという問題があった。
【0006】
そこで、本開示は、搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、バッテリの交換を行うべく立ち寄るバッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成システム、及び、バッテリ交換計画生成方法であって、バッテリの交換に要する合計時間を短くすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のバッテリ交換計画生成システムは、搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、前記バッテリの交換を行うべく立ち寄る前記バッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成システムであって、前記バッテリ交換計画を生成するための処理を実行するプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記バッテリ交換ステーションにストックされた前記バッテリの数を取得し、前記配送車両にそれぞれについて、立ち寄り可能な前記バッテリ交換ステーションの組を示す立寄パターンを取得し、前記立寄パターンの組み合わせを構成することによって、前記バッテリ交換計画を、前記バッテリ交換ステーションにおいて前記バッテリが不足することなく、前記配送車両がそれぞれ走行でき、且つ、前記配送車両において行われる前記バッテリの交換回数の前記配送車両についての総和が最小となるように生成する構成とする。
【0008】
また、本開示のバッテリ交換計画生成方法は、搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、前記バッテリの交換を行うべく立ち寄る前記バッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成方法であって、前記バッテリ交換ステーションに予めストックされた前記バッテリの数を取得し、前記配送車両にそれぞれについて、立ち寄り可能な前記バッテリ交換ステーションの組を示す立寄パターンを取得し、前記立寄パターンの組み合わせを構成することによって、前記バッテリ交換ステーションにおいてストックされた前記バッテリが不足することなく、前記配送車両がそれぞれ走行でき、且つ、前記配送車両において行われる前記バッテリの交換回数の前記配送車両についての総和が最小となるように生成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、バッテリの交換を行うべく立ち寄るバッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成システム、及び、バッテリ交換計画生成方法であって、バッテリの交換に要する合計時間を短くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るバッテリ交換計画生成システムが設けられる物流システムの構成図
図2】バッテリ交換計画の例を示す表
図3】バッテリ交換生成計画システムのブロック図
図4】第1実施形態に係るバッテリ交換計画生成処理のフローチャート
図5】受付情報の例を示す表
図6】立寄パターンを示す説明図
図7】仮交換計画(A)~(C)を示す説明図
図8】4台の物流トラックEV1~EV4を走行させた場合の4つの仮交換計画を示す説明図
図9】バッテリ予約管理情報の例
図10】バッテリ員数管理情報の例
図11】交換設備管理情報の例
図12】バッテリ補充・回収車スケジュール管理情報の例
図13】第2実施形態に係るバッテリ交換計画生成処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、前記バッテリの交換を行うべく立ち寄る前記バッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成システムであって、前記バッテリ交換計画を生成するための処理を実行するプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記バッテリ交換ステーションにストックされた前記バッテリの数を取得し、前記配送車両にそれぞれについて、立ち寄り可能な前記バッテリ交換ステーションの組を示す立寄パターンを取得し、前記立寄パターンの組み合わせを構成することによって、前記バッテリ交換計画を、前記バッテリ交換ステーションにおいて前記バッテリが不足することなく、前記配送車両がそれぞれ走行でき、且つ、前記配送車両において行われる前記バッテリの交換回数の前記配送車両についての総和が最小となるように生成する構成とする。
【0012】
これによると、バッテリ交換ステーションでバッテリが不足せず、且つ、バッテリの交換回数の合計が最も少ない立寄パターンの組み合わせがバッテリ交換計画を生成することができる。これにより、バッテリ交換の回数の合計が最も少ない走行計画が取得されるため、バッテリの交換に要する合計時間を短くすることができる。
【0013】
また、第2の発明は、前記プロセッサは、全ての前記立寄パターンの前記組み合わせから、前記バッテリ交換ステーションにおいてストックされた前記バッテリが不足しない前記組み合わせを抽出し、抽出された前記組み合わせの中から、前記バッテリの前記交換回数が最小となる前記組み合わせを選択して前記バッテリ交換計画を生成する構成とする。
【0014】
これによると、簡素な構成によって、バッテリ交換ステーションにおいてバッテリが不足しない条件下で、バッテリの交換回数の合計が最も少ない走行経路を取得できる。
【0015】
また、第3の発明は、前記プロセッサは、前記バッテリ交換ステーションにおいてストックされた前記バッテリが不足しない前記組み合わせを抽出することができない場合には、抽出不可であることを示す信号を出力する構成とする。
【0016】
これによると、バッテリ交換ステーションにおいてバッテリが不足しない走行パターンの組み合わせが抽出できないときに、抽出不可であることを示す信号が出力される。よって、バッテリの移動が必要であることを作業者に通知することが可能となる。
【0017】
また、第4の発明は、前記バッテリ交換ステーションの間の距離と、前記配送車両それぞれの単位走行距離あたりの消費電力量とを記憶する記憶装置を更に備え、前記プロセッサは、前記距離と前記消費電力量とに基づいて、前記立寄パターンを取得する構成とする。
【0018】
これによると、消費電力量を考慮した適切な立寄パターンが取得できる。
【0019】
また、第5の発明は、前記プロセッサは、前記バッテリそれぞれの充放電回数に基づいて、充電できる最大の電力量を推定し、充電できる最大の前記電力量に基づいて、前記立寄パターンを取得する構成とする。
【0020】
これによると、バッテリの充電可能な最大の電力量を考慮した適切な立寄パターンが取得できる。
【0021】
また、第6の発明は、前記プロセッサは、前記配送車両の積載量を取得し、前記積載量に基づいて、前記立寄パターンを取得する構成とする。
【0022】
これによると、配送車両の積載量を考慮した適切な立寄パターンが取得できる。
【0023】
また、第7の発明は、前記バッテリ交換ステーションに設けられ、前記バッテリ交換ステーションにストックされた前記バッテリに係る情報を取得可能なサーバを含み、前記配送車両は前記サーバに通信可能な端末を備える構成とする。
【0024】
これによると、配送車両の運転者がバッテリ交換ステーションのバッテリの情報を取得することが可能となる。
【0025】
また、第8の発明は、搭載されたバッテリを複数のバッテリ交換ステーションの少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、前記バッテリの交換を行うべく立ち寄る前記バッテリ交換ステーションを指示するバッテリ交換計画を生成するバッテリ交換計画生成方法であって、前記バッテリ交換ステーションに予めストックされた前記バッテリの数を取得し、前記配送車両にそれぞれについて、立ち寄り可能な前記バッテリ交換ステーションの組を示す立寄パターンを取得し、前記立寄パターンの組み合わせを構成することによって、前記バッテリ交換ステーションにおいてストックされた前記バッテリが不足することなく、前記配送車両がそれぞれ走行でき、且つ、前記配送車両において行われる前記バッテリの交換回数の前記配送車両についての総和が最小となるように生成する構成とする。
【0026】
これによると、バッテリ交換ステーションでバッテリが不足せず、且つ、バッテリの交換回数の合計が最も少ない立寄パターンの組み合わせがバッテリ交換計画を生成することができる。これにより、バッテリ交換の回数の合計が最も少ない走行計画が取得されるため、バッテリの交換に要する合計時間を短くすることができる。
【0027】
以下、本開示の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0028】
<<第1実施形態>>
本発明に係るバッテリ交換計画生成システム1は、配送車両となる物流トラックEVを走行させる物流トラックシステム5の一部を構成する。以下では、まず、物流トラックシステム5の構成について説明する。
【0029】
物流トラックシステム5は、図1に示すように、複数の物流トラックEVと、複数の物流拠点11と、複数のバッテリ交換ステーション13と、管理拠点15と、から構成される。物流トラックシステム5は、更に、バッテリ点検ステーション17と、バッテリ補充・回収車19とを含んでもよい。
【0030】
物流拠点11は、物流トラックEVが出発する出発地となり、且つ、物流トラックEVが到着する目的地となる。出発地において物流トラックEVには荷物が積みこまれ、目的地において物流トラックEVから荷物が下ろされる。
【0031】
物流トラックEVにはそれぞれバッテリ21が搭載されている。物流トラックEVは搭載されたバッテリ21から電力が供給され、その電力によって走行する、いわゆる電気自動車である。物流トラックEVは搭載されたバッテリ21は、バッテリ交換ステーション13において交換可能に構成されている。物流トラックEVは、搭載されたバッテリ21を複数のバッテリ交換ステーション13の少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する。
【0032】
物流トラックEVにはそれぞれ予め走行計画が設定されている。走行計画は、例えば、物流トラックEVがそれぞれ走行を行う走行予定日の始業時間前に設定されるとよい。走行計画には、出発時間、出発地、目的地、到着予定時刻、出発地と目的地とを繋ぐルート、荷物の積載・荷下ろし計画、バッテリ交換計画が含まれる。出発地、及び、目的地は、いずれの地点でもよいが、いずれかの物流拠点11に設定されることが好ましい。荷物の積載・荷下ろし計画には、出発地で積載すべき荷物の種別及び量と、到着地で荷下ろしすべき荷物の種別及び量とが含まれる。
【0033】
バッテリ交換計画には、物流トラックEVがそれぞれルートに沿って走行するときに、バッテリ21の交換を行うべく立ち寄るバッテリ交換ステーション13の指示を示す。図2には、バッテリ交換計画の例が示されている。バッテリ交換計画は、バッテリ交換ステーション13の組(図2では、バッテリ交換ステーション13を示すIDの組)が含まれる。図2には、物流トラックEV1のバッテリ交換計画には第3バッテリ交換ステーション13のみが含まれ、物流トラックEV2のバッテリ交換計画には第2及び第4バッテリ交換ステーション13が含まれている。
【0034】
物流トラックEVにはナビゲーション装置23(端末)が搭載されている。ナビゲーション装置23はマイクロコンピュータによって構成され、図3に示すように、表示装置23Aを備えている。本実施形態では、表示装置23Aはタッチパネルによって構成されている。ナビゲーション装置23は、表示装置23Aにバッテリ交換計画を含む各種情報を表示し、運転者(ドライバー)に通知を行う。なお、ナビゲーション装置23は、物流トラックEVに搭載されたカーナビゲーション装置に限定されず、例えば、物流トラックEVのドライバーが携帯するスマートフォンやタブレットパソコン等の携帯端末によって構成されていてもよい。また、一部の物流トラックEVに搭載されたナビゲーション装置23がカーナビゲーション装置であり、一部の物流トラックEVに搭載されたナビゲーション装置23がスマートフォンやタブレットパソコン等のドライバーが携帯する携帯端末によって構成されていてもよい。また、ナビゲーション装置23のそれぞれが、カーナビゲーション装置とスマートフォンやタブレットパソコン等のドライバーが携帯する携帯端末とによって構成されていてもよい。
【0035】
図1に示すように、物流トラックEVに搭載されたバッテリ21は、バッテリ交換ステーション13において回収され、充電済のバッテリ21に交換される。物流トラックEVに設定されたルートには、少なくとも1以上のバッテリ交換ステーション13が設けられている。
【0036】
バッテリ交換ステーション13には、所定数量のバッテリ21が、充電された状態でストック(保持)されている。バッテリ交換ステーション13には、物流トラックEVから回収したバッテリ21を再び充電する設備が設けられていてもよい。そのほか、物流拠点11にも、物流トラックEVのバッテリ21を充電する設備が備えられていてもよい。バッテリ交換ステーション13には、バッテリ21を交換するための交換ピットが設けられている。バッテリ交換ステーション13に滞在する作業員は、交換ピットにおいて、物流トラックEVのバッテリ21の交換作業を行う。
【0037】
バッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21は適宜、物流トラックシステム5を運用する運用者によって、回収されるとともに、バッテリ交換ステーション13にはバッテリ21が適宜供給されストックされる。運用者はバッテリ21の回収・供給の際に、バッテリ補充・回収車19を使用するとよい。
【0038】
バッテリ交換ステーション13にはそれぞれ交換ステーションサーバ27が設けられている。図3に示すように、交換ステーションサーバ27は中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ27A、RAMやROM等のメモリ27B、SSDやHDD等の記憶装置27C、及び、キーボードやマウス等の入力装置27D、モニタ等の表示装置27Eを備えたコンピュータによって構成されている。交換ステーションサーバ27は、バッテリ交換ステーション13にあるバッテリ21に係る情報を記憶装置27Cに記憶している。交換ステーションサーバ27は、インターネット等のネットワーク29を介して、物流トラックEVに設けられたナビゲーション装置23、及び、管理サーバ31に相互に通信可能に構成されている。
【0039】
バッテリ交換ステーション13は、バッテリ交換ステーション13においてストックされたバッテリ21に係る情報を取得し、バッテリ交換ステーション13において交換されるべきバッテリ21に係る情報を出力する。バッテリ交換ステーション13は物流トラックEVのナビゲーション装置23にバッテリ21に係る情報を送信可能であるとよい。これにより、物流トラックEVの運転者がバッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21に関する情報を把握することができる。
【0040】
本実施形態では、物流拠点11は、バッテリ交換ステーション13と同様の機能を有している。物流拠点11には、バッテリ21が、充電された状態でストック(保持)されている。但し、物流拠点11にストックされたバッテリ21の数は、バッテリ交換ステーション13よりも十分多い。物流トラックEVが目的地となる物流拠点11に到着すると、出発前までに物流トラックEVのバッテリ21は充電済のバッテリ21に交換される。
【0041】
物流拠点11にもまた、バッテリ交換ステーション13と同様の構成を有する拠点サーバ30が設けられている。拠点サーバ30は図3に示すように、中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ30A、RAMやROM等のメモリ30B、SSDやHDD等の記憶装置30C、及び、キーボードやマウス等の入力装置30D、モニタ等の表示装置30Eを備えたコンピュータによって構成されている。拠点サーバ30は、交換ステーションサーバ27と同様に、インターネット等のネットワーク29を介して、交換ステーションサーバ27や、ナビゲーション装置23等に相互に通信可能に構成されている。拠点サーバ30はバッテリ21に係る情報の他、物流拠点11において積載されるべき荷物や、荷下されるべき荷物に係る情報を保持しているとよい。拠点サーバ30は物流トラックEVが出発する前に、対応するナビゲーション装置23に、対応する物流トラックEVに搭載済のバッテリ21に係る情報を送信するとよい。
【0042】
管理拠点15は、物流トラックシステム5の運用者が滞在し、物流トラックEVの運行を管理するための拠点である。管理拠点15には、物流トラックシステム5を監視・運用するための管理サーバ31が設けられている。
【0043】
管理サーバ31は、図3に示すように、中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ31A、RAMやROM等のメモリ31B、SSDやHDD等の記憶装置31C、キーボードやマウス等の入力装置31D、及び、モニタ等の表示装置31Eを備えたコンピュータによって構成されている。管理サーバ31は、インターネット等のネットワーク29を介して、ナビゲーション装置23、交換ステーションサーバ27、及び、拠点サーバ30にそれぞれ相互に通信可能に構成されている。
【0044】
記憶装置31Cは、地図情報の他、物流拠点11の位置、バッテリ交換ステーション13の位置、バッテリ交換ステーション13の間の距離、及び、物流トラックEVごとの単位走行距離あたりの消費電力量を記憶している。その他、プロセッサ31Aは適宜、交換ステーションサーバ27から、バッテリ21ごとの充放電回数を取得し、記憶装置31Cに記憶させる。
【0045】
バッテリ点検ステーション17には、バッテリ交換ステーション13から回収したバッテリ21を点検する設備が備えられている。バッテリ点検ステーション17には、バッテリ交換ステーション13から回収したバッテリ21を再び充電する設備が備えられていてもよい。
【0046】
バッテリ点検ステーション17には、点検ステーションサーバ33が設けられている。点検ステーションサーバ33は交換ステーションサーバ27と同様に、中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ33A、RAMやROM等のメモリ33B、SSDやHDD等の記憶装置33C、及び、モニタ等の表示装置33D、モニタ等の表示装置33Eを備えたコンピュータによって構成されている。点検ステーションサーバ33もまた、インターネット等のネットワーク29を介して、物流トラックEVに設けられたナビゲーション装置23、拠点サーバ30、管理サーバ31、及び、交換ステーションサーバ27に相互に通信可能に構成されている。
【0047】
バッテリ補充・回収車19は、バッテリ21を補充・回収する車両である。すなわち、バッテリ補充・回収車19は、バッテリ交換ステーション13に他のバッテリ交換ステーション13又はバッテリ点検ステーション17からバッテリ21を届けたり、バッテリ点検ステーション17にバッテリ交換ステーション13からバッテリ21を届けたりする。
【0048】
管理サーバ31のプロセッサ31Aは図4のフローチャートに示すバッテリ交換計画生成処理を行って、バッテリ交換計画の生成方法を実施し、バッテリ交換計画を取得する。本実施形態では、管理サーバ31は、走行予定日の始業時間前に、バッテリ交換計画生成処理を実行する。
【0049】
以下、バッテリ交換計画生成処理の詳細について説明する。以下では、簡略化のため、物流トラックEVの運行が開始される前には、バッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21は全て満充電されているものとする。
【0050】
プロセッサ31Aは、バッテリ交換計画生成処理の最初のステップST102において、入力装置31Dからの物流トラックシステム5を運用する運用者からの入力を受け付けて、物流トラックEVそれぞれに対する受付情報を取得する。図5には、受付情報の例が示されている。受付情報には、物流トラックEVそれぞれの識別符号(トラックID)と、ルート(出発地及び目的地)や出発時刻が関連付けて保持されている。受付情報には、その他、出発地において積載すべき荷物に係る情報、目的地において荷下しすべき荷物に係る情報等が含まれていてもよい。本実施形態では、出発地、及び、目的地は、いずれかの物流拠点11に設定されて、物流トラックEVは、図1に示すように、ルート上にはバッテリ交換ステーション13が設けられ、全ての物流トラックEVは必ず1回はバッテリ21を交換しなければ、目的地まで到達できないものとする。
【0051】
受付情報の取得が完了すると、プロセッサ31Aは、ステップST104を実行する。ステップST104ではまず、プロセッサ31Aは、交換ステーションサーバ27から各バッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21の数、種類、及び、バッテリ21それぞれの最大の充電量などのバッテリ情報を取得する。但し、このとき、プロセッサ31Aは、バッテリ21それぞれの充放電回数を取得し、プロセッサ31Aは、バッテリ21ごとに充電できる最大の充電量を取得してもよい。バッテリ情報の取得が完了すると、プロセッサ31AはステップST106を実行する。
【0052】
次に、プロセッサ31Aは、ステップST106において、受付情報及びバッテリ情報に基づいて、物流トラックEVにそれぞれについて、立ち寄り可能なバッテリ交換ステーション13の組を示す立寄パターンを取得する。ここでいう立ち寄り可能であるとは、バッテリ21の充電量が不足することなく、物流トラックEVが走行するときに、立ち寄ることのできるバッテリ交換ステーション13を意味している。
【0053】
図6には、出発地と目的地との間に第1バッテリ交換ステーション13、第2バッテリ交換ステーション13の2つが設けられている場合の立寄パターンの例が示されている。但し、簡単のため、出発地、第1、第2バッテリ交換ステーション13、目的地はそれぞれ概ね等間隔に配置されているものとし、それぞれの間の距離を1区間と記載する。また、図6において、同じ着色が施される欄は、バッテリ交換を行うことなく走行できる区間を示す。
【0054】
図6の例では、立寄パターンとして、第1バッテリ交換ステーション13及び第2バッテリ交換ステーション13のパターンX、第1バッテリ交換ステーション13のパターンY、第2バッテリ交換ステーション13のパターンZの3パターンが考えられる。但し、1回のバッテリ21の交換によって、物流トラックEVが1区間しか進めない場合は、パターンY、Zは立ち寄り可能とはみなされず、プロセッサ31Aは、ステップST106において、パターンXのみを立寄パターンとして取得する。
【0055】
プロセッサ31Aは、ステップST106において、記憶装置31Cに記憶されたバッテリ交換ステーション13間の距離と、物流トラックEVごとの単位走行距離あたりの消費電力量とに基づいて、バッテリ21の充電量の減少量を推定し、バッテリ21の充電量が不足することがなく、立ち寄り可能なバッテリ交換ステーション13の組を、立寄パターンとして取得するとよい。その他、プロセッサ31Aは、受付情報に基づいて、物流トラックEVに出発地において積載される荷物の積載量を算出し、その積載量に基づいて、バッテリ21の充電量が不足することがなく、立ち寄り可能なバッテリ交換ステーション13の組を、立寄パターンとして取得するとよい。また、プロセッサは、バッテリ21それぞれの充放電回数や、バッテリ21それぞれの放電特性に基づいて充電できる最大の電力量(充電量)を推定し、推定された充電できる最大の電力量に基づいて、立寄パターンを取得してもよい。これにより、消費電力量や積載量、放電特性、充放電回数、充電できる最大の充電量等、バッテリ21それぞれの特性や、物流トラックEVそれぞれの特性等を考慮した適切な立寄パターンが取得できる。
【0056】
物流トラックEVそれぞれについて全ての立寄パターンを取得すると、プロセッサ31AはステップST108を実行する。
【0057】
プロセッサ31Aは、ステップST108において、物流トラックEVごとに1つずつ対応する立寄パターンを組み合わせた仮交換計画を全て取得する。
【0058】
図7には、図6と同様、出発地と目的地との間に第1バッテリ交換ステーション13、第2バッテリ交換ステーション13の2つが設けられている場合の仮交換計画の例が示されている。物流トラックEV1が、1回のバッテリ21の交換によって、1区画走行することができ、物流トラックEV2が1回のバッテリ21の交換によって、2区画以上走行できる場合には、ステップST108において、プロセッサ31Aは、図7に示す(A)~(C)の3種類の仮交換計画を取得する。
【0059】
その後、プロセッサ31Aは、仮交換計画のそれぞれに対して、バッテリ21がバッテリ交換ステーション13において不足しない仮交換計画を交換計画候補として取得する。
【0060】
第1バッテリ交換ステーション13に、2つのバッテリ21がストックされ、第2バッテリ交換ステーション13に、2つのバッテリ21がストックされているときには、プロセッサ31Aは(A)~(C)の3種類の仮交換計画を全て交換計画候補として取得する。
【0061】
一方、第1バッテリ交換ステーション13には、1つのバッテリ21がストックされ、第2バッテリ交換ステーション13には、2つのバッテリ21がストックされているときには、仮立寄計画(B)、(C)ではそれぞれ、第1バッテリ交換ステーション13においてバッテリ21が不足すると判定され、プロセッサ31Aは仮立寄計画(A)を交換計画候補として取得する。
【0062】
プロセッサ31Aは、ステップST108において、バッテリ交換ステーション13においてバッテリ21が不足しない交換計画候補が取得できたときには、ステップST110を、そうでない場合は、ステップST112を実行する。
【0063】
プロセッサ31Aは、ステップST110において、それぞれの交換計画候補について、バッテリ21の交換回数の合計を取得し、バッテリ21の交換回数の合計が最も少ない交換計画候補を選択して、その中から任意の一つをバッテリ交換計画として抽出する。
【0064】
プロセッサ31Aは、ステップST108において、図7の(A)~(C)の3種類の交換計画候補を取得した場合、バッテリ交換回数の最も少ない(A)及び(B)を選択し、そのいずれか一方(例えば、交換計画候補(A))をバッテリ交換計画として抽出する。抽出が完了すると、プロセッサ31AはステップST114を実行する。
【0065】
プロセッサ31Aは、ステップST112において、バッテリ交換ステーション13においてストックされたバッテリ21が不足しない組み合わせを抽出することができないことを示す信号、すなわち、抽出不可であることを示す信号を、管理サーバ31の表示装置31Eに出力する。これにより、表示装置31Eは、バッテリ21の移動が必要である旨の表示を行う。これによって、管理拠点15に滞在する管理者は、バッテリ21の移動が必要となることを理解することができる。
【0066】
プロセッサ31Aは、その他、ステップST112において、仮交換計画それぞれに対して、不足したバッテリ21の数と、バッテリ21が不足したバッテリ交換ステーション13に係る情報とを取得する。その後、プロセッサ31Aは、不足したバッテリ21の数の最も少ない仮交換計画の組み合わせを抽出し、その仮交換計画において不足したバッテリ21の数と、バッテリ21が不足したバッテリ交換ステーション13に係る情報とを、管理サーバ31の表示装置31Eに表示するとよい。表示が完了すると、プロセッサ31Aは、バッテリ交換計画生成処理を終える。
【0067】
プロセッサ31AはステップST114において、バッテリ交換計画から、それぞれの物流トラックEVが立ち寄るべきバッテリ交換ステーション13の組を取得して、その組を示す情報を物流トラックEVそれぞれに搭載されたナビゲーション装置23に送信する。これにより、ナビゲーション装置23には、物流トラックEVが立ち寄るべきバッテリ交換ステーション13の組が表示され、運転者はそのバッテリ交換ステーション13に立ち寄りつつ、物流トラックEVをルートに沿って走行させる。プロセッサ31Aはこのとき、バッテリ交換ステーション13の組み合わせと、ルートとに基づいて、ナビゲーション装置23それぞれに対して、対応する物流トラックEVのバッテリ交換ステーション13への到着目標時刻や、出発目標時刻などを送信し、ナビゲーション装置23は、到着目標時刻や、出発目標時刻などを表示してもよい。送信が完了すると、プロセッサ31Aは、バッテリ交換計画生成処理を終える。
【0068】
このように、管理サーバ31はプロセッサ31Aを備え、バッテリ交換計画生成処理を実行することによって、バッテリ交換計画を出力するバッテリ交換計画システムを構成する。
【0069】
次に、バッテリ交換計画生成システム1の効果について説明する。一つの出発地から一つの目的地に向けて複数台の物流トラックEVを走行させる必要がある場合がある。この場合には、それぞれの物流トラックEVのバッテリ交換回数を最小限にするように、物流トラックEVを走行させると、同じタイミングでバッテリ21の交換が必要となり、一つのバッテリ交換ステーション13にバッテリ21の交換を要する物流トラックEVが集中することになる。これにより、バッテリ交換ステーション13のバッテリ21が不足するという問題が生じることが考えられる。
【0070】
以下では、一つの出発地から一つの目的地に向けて4台の物流トラックEV1~EV4を走行させた例について、図8を参照して説明する。出発地と目的地との間には、出発地側から順に第1~第5バッテリ交換ステーション13が設けられている。簡単のため、出発地、第1~第5バッテリ交換ステーション13、目的地はそれぞれ概ね等間隔に配置されているものとし、それぞれの間の距離を1区間と記載する。例えば、出発地から第2バッテリ交換ステーション13までの距離は2区間となる。
【0071】
荷物の積載量の違いや、単位距離当たりの消費電力量の差などによって、物流トラックEV1はバッテリ21が満充電の状態で4区間走行でき、物流トラックEV2~EV4は、バッテリ21が満充電の状態で2区間走行できるものとする。図8では、1回のバッテリ21の充電によって走行できる距離をそれぞれ電費として記載した。
【0072】
第1~第5バッテリ交換ステーション13にはそれぞれバッテリ21が満充電の状態で2つ用意されており、交換された後のバッテリ21の充電や、バッテリ交換ステーション13の間でのバッテリ21の移動、バッテリ交換ステーション13へのバッテリ21の供給等についても、考慮しないものとする。
【0073】
図8には、プロセッサ31Aが、バッテリ交換計画取得処理のステップST102、ステップST104、ステップST106を順に実行した後、ステップST108において取得した4つの仮交換計画の例(以下、仮交換計画P~S)がそれぞれ示されている。
【0074】
仮交換計画Pでは、物流トラックEV1は、出発地から4区間進み、第4バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。物流トラックEV2~EV4はそれぞれ、出発地から2区間進んだ第2バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換をした後、2区間進み、第4バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。
【0075】
仮交換計画Qでは、物流トラックEV1は、出発地から3区間進み、第3バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。物流トラックEV2~EV4はそれぞれ、出発地から2区間進んだ第2バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換した後、2区間進み、第4バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。
【0076】
仮交換計画Rにおいて、物流トラックEV1は、出発地から3区間進み、第4バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。物流トラックEV2、EV3の走行経路はそれぞれ、出発地から2区間進んだ第2バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行った後、2区間進み、第4バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。物流トラックEV4は、出発地から1区間進んだ第1バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換した後、2区間進み、第3バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行い、更に、2区間進んだ後、第5バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。
【0077】
仮交換計画Sにおいて、物流トラックEV1は、出発地から3区間進み、第4バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。物流トラックEV2はそれぞれ、出発地から2区間進んだ第2バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行った後、2区間進み、第4バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。物流トラックEV3、EV4はそれぞれ、出発地から1区間進んだ第1バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行った後、2区間進み、第3バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行い、更に、2区間進んだ後、第5バッテリ交換ステーション13でバッテリ21の交換を行う。
【0078】
ステップST108において、プロセッサ31Aは、仮交換計画P~Sを含むすべての仮交換計画から、バッテリ交換ステーション13においてバッテリ21が不足しないものを抽出し、交換計画候補とする。
【0079】
仮交換計画P及びQではそれぞれ、第2バッテリ交換ステーション13において、バッテリ21が3つ必要となることから、少なくとも第2バッテリ交換ステーション13ではバッテリ21が不足する。一方、仮交換計画R及びSではそれぞれ、バッテリ交換ステーション13それぞれにおいて、2以下のバッテリ21のみが必要であることから、バッテリ21が不足しない。
【0080】
よって、プロセッサ31AはステップST108において、仮交換計画R及びSを交換計画候補として取得し、ステップST110を実行する。以下、交換計画候補として抽出された仮交換計画Rを交換計画候補r、交換計画候補として抽出された仮交換計画Sを交換計画候補sと記載する。
【0081】
ステップST110において、プロセッサ31Aは、バッテリ21の交換回数の合計が最も少ない交換計画候補を選択する。例えば、交換計画候補rはバッテリ21の交換回数の合計が8であり、交換計画候補sはバッテリ21の交換回数の合計が9である。よって、ステップST108において、プロセッサ31Aが交換計画候補r及び交換計画候補sとを取得した場合、プロセッサ31AはステップST110において、バッテリ21の交換回数の合計が少ない交換計画候補rを選択して、バッテリ交換計画として抽出する。その後、プロセッサ31AはステップST114において、バッテリ交換計画(交換計画候補r)に含まれるバッテリ交換ステーション13の組それぞれに係る情報を、対応する物流トラックEV1~4のナビゲーション装置23に送信する。これにより、ナビゲーション装置23には、物流トラックEVが立ち寄るべきバッテリ交換ステーション13の組が表示され、運転者はそのバッテリ交換ステーション13に立ち寄りつつ、物流トラックEVをルートに沿って走行させる。
【0082】
これにより、バッテリ交換ステーション13において、バッテリ21が不足することがなく、且つ、バッテリ21の交換回数の少ないバッテリ交換計画に沿って、物流トラックEVを走行させることができる。よって、物流トラックEVを運転する運転者のバッテリ21の交換のための待機時間を低減することができるため、バッテリ交換計画生成システム1によって効率的に物流トラックEVの運用を行うことが可能となる。
【0083】
ステップST106における全走行経路の取得、ステップST108における組み合わせの取得には、公知の再帰的コーディングを用いてもよい。また、計算量を削減するため、公知の近似手法、例えば、山登り法、アニーリング法、遺伝的アルゴリズム法で近似的な最適解を求めてもよい。
【0084】
また、ステップST106において、プロセッサ31Aは、所定の物流トラックEV(固定便の物流トラックEV)の立寄パターンを、予め定められたバッテリ交換ステーション13を必ず含むように構成してもよい。
【0085】
管理サーバ31のプロセッサ31Aは、図9に示すバッテリ予約管理情報を表示してもよい。バッテリ予約管理情報には、バッテリ21の所在地、充電回数、及び、満充電容量が含まれるとよい。また、バッテリ予約管理情報には、バッテリ交換計画に従って走行したときに使用が予定されている(すなわち使用が予約されている)日時や、交換が予定されているバッテリ交換ステーション13名、交換先の物流トラックEVの名称やID等が含まれているとよい。
【0086】
管理サーバ31のプロセッサ31Aはバッテリ交換計画を生成した後、バッテリ交換計画をバッテリ交換ステーション13に設けられた交換ステーションサーバ27に送信してもよい。また、プロセッサ31Aは、バッテリ交換計画生成処理において、複数のバッテリ交換ステーション13のそれぞれにおける交換用のバッテリ21の需要数を予測し、交換用のバッテリ21の需要数、及び、交換可能なバッテリ21の数から交換用のバッテリ21の過不足を予測してもよい。
【0087】
交換ステーションサーバ27のプロセッサ27Aは、例えば、図10に示すバッテリ員数管理情報を生成し、モニタに表示可能であるとよい。バッテリ員数管理情報には、対応するバッテリ交換ステーション13において、時間帯ごとにストックされるバッテリ21の総数、満充電のバッテリ21の数、及び、充電中のバッテリ21の数が含まれているとよい。また、バッテリ員数管理情報には、対応するバッテリ交換ステーション13において、対応する時間帯に交換されると予測されるバッテリ21の数、不足すると予測されるバッテリ21の数、使用可能なバッテリ21の残数、その他、補充されるべきバッテリ21の数等が含まれているとよい。なお、交換ステーションサーバ27のプロセッサ27Aの代わりに、管理サーバ31のプロセッサ31Aがバッテリ員数管理情報を生成して、これを交換ステーションサーバ27に送信するように構成されていてもよい。
【0088】
交換ステーションサーバ27のプロセッサ27Aは、その他、図11に示す交換設備管理情報を生成し、モニタに表示可能であるとよい。交換設備管理情報には、時間帯ごとの、交換ステーションサーバ27におけるバッテリ21の交換予測数と、交換ピットそれぞれの予約情報とが含まれているとよい。交換ピットの予約情報には、例えば、交換作業を行う作業者名、交換作業を行う物流トラックEV名やID、交換されるバッテリ21のID等が含まれているとよい。なお、交換ステーションサーバ27のプロセッサ27Aの代わりに、管理サーバ31のプロセッサ31Aが交換設備管理情報を生成して、これを交換ステーションサーバ27に送信するように構成されていてもよい。
【0089】
プロセッサ31Aは、図12に示すバッテリ補充・回収車スケジュール管理情報(またはバッテリ移動計画)を生成するとよい。バッテリ補充・回収車スケジュール管理情報(またはバッテリ移動計画)は、バッテリ21の過不足を補填するように、バッテリ21の不足が予測されるバッテリ交換ステーション13に他のバッテリ交換ステーション13又はバッテリ点検ステーション17から交換用のバッテリ21を届けるための管理情報またはバッテリ移動計画である。その後、プロセッサ31Aは、取得したバッテリ補充・回収車スケジュール管理情報(またはバッテリ移動計画)に基づいて、管理サーバ31の表示装置31Eに、交換用のバッテリ21の不足が予測されるバッテリ交換ステーション13に他のバッテリ交換ステーション13又はバッテリ点検ステーション17から交換用のバッテリ21を届けるように表示を行うとよい。この場合には、プロセッサ31Aは、バッテリ移動計画を、バッテリ補充・回収車19を運転する運転者が保持するスマートフォンや、バッテリ補充・回収車19に搭載されたナビゲーション装置23に送信し、運転者に通知をおこなうように構成されていてもよい。
【0090】
点検ステーションサーバ33には、図12に示すバッテリ補充・回収車スケジュール管理情報を表示装置33D(モニタ)に表示可能であるとよい。バッテリ補充・回収車スケジュール管理情報には、送出情報、搬入情報、バッテリ交換ステーション情報、及び、バッテリ補充・回収車情報が含まれる。送出情報には、バッテリ21が送り出されるバッテリ点検ステーション名(「工場1」など)と、送り出されるバッテリ21のIDとが含まれる。搬入情報には、バッテリ21が搬入されるバッテリ点検ステーション名(「工場1」など)と、搬入されるバッテリ21のIDとが含まれるよい。バッテリ交換ステーション情報は、バッテリ交換ステーション名(又は、バッテリ交換ステーション13に対応するID)が含まれているとよい。バッテリ補充・回収車情報には、バッテリ補充・回収車名(又は、対応するID)が含まれているとよい。バッテリ補充・回収車19は、送出情報に基づいて、バッテリ点検ステーション17からバッテリ21を積み、搬出情報に基づいて、バッテリ点検ステーション17にバッテリ21を搬入する。また、バッテリ補充・回収車19は、バッテリ交換ステーション13に送出情報に含まれるものの、搬出情報には含まれないバッテリ21を、バッテリ交換ステーション情報に対応するバッテリ交換ステーション13に届けるとともに、搬出情報には含まれるものの、送出情報には含まれないバッテリ21を、バッテリ交換ステーション13から回収する。
【0091】
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係るバッテリ交換計画生成システム51は、第1実施形態と同様に、バッテリ交換計画生成方法を行うため、バッテリ交換計画取得処理を行って、物流トラックEVごとのバッテリ交換計画を生成する。但し、第2実施形態に係るバッテリ交換計画生成システム51は、更に、バッテリ交換ステーション13へのバッテリ21の追加や、バッテリ21の引き上げ等のバッテリ移動計画を取得する。以下、第2実施形態に係るバッテリ交換計画取得処理の詳細について、図13を参照して説明する。
【0092】
バッテリ交換計画取得処理の最初のステップST202において、第1実施形態と同様に、プロセッサ31Aは、入力装置31Dからの物流トラックシステム5を運用する運用者からの入力を受け付けて、物流トラックEVそれぞれに対する受付情報を取得する。取得が完了すると、プロセッサ31AはステップST204を実行する。
【0093】
ステップST204において、プロセッサ31Aは、第1実施形態のST106と同様の処理を行い、物流トラックEVにそれぞれについて、立ち寄り可能なバッテリ交換ステーション13の組を示す立寄パターンを取得する。このとき、プロセッサ31Aは、第1実施形態のST104と同様に、バッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21のバッテリ情報を取得し、バッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21の数やその特性、バッテリ交換ステーション13設備、人員空き状況等も考慮して、バッテリ交換ステーション13に立ち寄ることのできる立寄パターンを物流トラックEVごとに取得する。物流トラックEVそれぞれに対して立寄パターンを取得すると、プロセッサ31AはステップST206を実行する。
【0094】
ステップST206において、プロセッサ31Aは、ステップST204において取得した立寄パターンを用いて、立寄パターンの組み合わせた全ての仮交換計画を生成する。次に、プロセッサ31Aは、仮交換計画それぞれに対して、交換ステーションにおいてバッテリ21が交換される時間帯、充電完了予定のバッテリ21、交換設備、人員などを割付けする。割付が完了すると、プロセッサ31AはステップST208を実行する。
【0095】
ステップST208において、プロセッサ31Aは、仮交換計画それぞれに対して、バッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21、設備、人員状況を考慮して、バッテリ交換ステーション13においてバッテリ21が交換される時間帯において、バッテリ21の交換が可能であるかなどの分析を行う。プロセッサ31Aは分析に基づいて、バッテリ21の交換回数の総和が最も少なく、物流トラックEVがそれぞれ走行可能であり、且つ、バッテリ21が不足する時間帯の最も少ない仮交換計画を、バッテリ交換計画として取得する。バッテリ交換計画の取得が完了すると、プロセッサ31Aは、ステップST210を実行する。
【0096】
ステップST210において、プロセッサ31Aは、ステップST208において取得したバッテリ交換計画において、バッテリ21が不足している時間帯があるか否かの判定を行う。バッテリ21が不足している時間帯がある場合には、ステップST212を、ない場合には、ステップST214を実行する。
【0097】
ステップST212において、プロセッサ31Aは、近隣のステーションの余裕状況も加味しながら、バッテリ交換計画においてバッテリ21が不足している時間帯のあるバッテリ交換ステーション13の交換ステーションサーバ27に通知を行う。交換ステーションサーバ27は、バッテリ交換ステーション13の作業者に、バッテリ21を要する時間帯より前までに、近隣のステーションの等からバッテリ21の供給を受けるように指示する通知を行う。作業者は通知に基づいて、バッテリ21の移動が可能であるかの調整を行い、交換ステーションサーバ27にバッテリ21の移動予定を入力する。交換ステーションサーバ27は、バッテリ21の移動予定を管理サーバ31に送信する。管理サーバ31はバッテリ21の移動予定を受信すると、プロセッサ31Aは、ステップST214を実行する。
【0098】
プロセッサ31Aは、ステップST214において、バッテリ21の移動予定の情報を受信すると、バッテリ21の移動予定に沿ってバッテリ21が移動された場合に、物流トラックEVが走行予定に従って走行する前に、バッテリ交換ステーション13それぞれにストックされる予定のバッテリ21の数を見積もる。その他、プロセッサ31Aは、バッテリ交換ステーション13それぞれにストックされる予定のバッテリ21の種類や特性を見積もってもよい。見積が完了すると、プロセッサ31AはステップST204を実行する。
【0099】
プロセッサ31Aは、ステップST214において、バッテリ交換ステーション13それぞれにおいて、バッテリ21に余裕がある時間帯があるか否かの判定を行う。余裕がある時間帯がある場合にはステップST216を、ない場合にはステップST218を実行する。
【0100】
プロセッサ31AはステップST216において、近隣のステーションの不足状況も加味しながら、バッテリ21に余裕がある時間帯のあるバッテリ交換ステーション13の交換ステーションサーバ27に通知を行う。通知を受けた交換ステーションサーバ27は、バッテリ交換ステーション13の作業者に、バッテリ21を他のバッテリ交換ステーション13に移動することができる旨の通知を行う。作業者は通知に基づいて、バッテリ21の移動が可能であるかの調整を行い、交換ステーションサーバ27にバッテリ21の移動予定を入力する。交換ステーションサーバ27は、バッテリ21の移動予定を管理サーバ31に送信する。管理サーバ31はバッテリ21の移動予定を受信すると、プロセッサ31Aは、ステップST220を実行する。
【0101】
プロセッサ31AはステップST218において、バッテリ交換計画から、それぞれの物流トラックEVが立ち寄るべきバッテリ交換ステーション13の組を取得して、その組を示す情報を物流トラックEVそれぞれに搭載されたナビゲーション装置23に送信する。これにより、ナビゲーション装置23には、物流トラックEVが立ち寄るべきバッテリ交換ステーション13の組が表示され、運転者はそのバッテリ交換ステーション13に立ち寄りつつ、物流トラックEVをルートに沿って走行させる。このとき、ナビゲーション装置23には、バッテリ交換ステーション13において交換するバッテリ21に係る情報や、バッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21に係る情報が表示されてもよい。これにより、運転者がバッテリ交換ステーション13にストックされたバッテリ21の情報を把握することができる。
【0102】
プロセッサ31Aは、ステップST220において、バッテリ21の移動予定の情報を受信すると、バッテリ21の移動予定に沿ってバッテリ21が移動された場合に、物流トラックEVが走行予定に従って走行する前に、バッテリ交換ステーション13それぞれにストックされる予定のバッテリ21の数を見積もる。その他、プロセッサ31Aは、バッテリ交換ステーション13それぞれにストックされる予定のバッテリ21の種類や特性を見積もってもよい。見積が完了すると、プロセッサ31AはステップST218を実行する。
【0103】
このように、第2実施形態に係るバッテリ交換計画生成システム51は、ST208において、バッテリ21の交換回数の総和が最も少なく、物流トラックEVがそれぞれ走行可能であり、且つ、バッテリ21が不足する時間帯の最も少ない仮交換計画を、バッテリ交換計画として取得する。よって、バッテリ交換計画生成システム51によって、バッテリ21の交換に要する合計時間を短いバッテリ交換計画を生成するシステムが提供できる。
【0104】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0105】
上記実施形態では、管理サーバ31のプロセッサ31Aがバッテリ交換計画を生成するように構成されていたが、他のプロセッサ(交換ステーションサーバ27のプロセッサ27A等)と協働して、バッテリ交換計画を生成するように構成されていてもよい。なお、上記実施形態で説明した管理サーバ31のプロセッサ31A(および/または交換ステーションサーバ27のプロセッサ27A)の機能は、専用のIC(integrated circuit)、LSI(large-scale integration)などの物理的な回路として実現することもでき、また、これらの機能は、ソフトウェアが汎用のプロセッサおよび周辺のデバイスに実行させることにより実現することもできる。
【0106】
上記実施形態では、バッテリ交換ステーション13はルート上に設けられていたが、このルート上とは、バッテリ交換ステーション13がルート上の道路に面するように設けられている場合には限定されず、例えば、バッテリ交換ステーション13が若干ルートからそれた位置に設けられていてもよい。
【0107】
上記実施形態では、物流トラックEVが走行するルートは概ね同一である例を示したが、これには限定されず、物流トラックEVが走行するルートは、バッテリ交換ステーション13を共有するルートであれば、いかなる態様であってもよい。
【0108】
上記実施形態では、物流トラックシステム5に一つの管理拠点15が設けられている例を示したが、この態様には限定されず、管理拠点15が複数設けられていてもよい。また、バッテリ交換計画生成システム1、51は複数の管理者(管理業者)によって共有されてもよい。
【0109】
上記実施形態では、交換ステーションサーバ27、拠点サーバ30、管理サーバ31、および点検ステーションサーバ33は、それぞれバッテリ交換ステーション13、物流拠点11、管理拠点15、およびバッテリ点検ステーション17に設けられている例(オンプレミスの構成例)を示したが、この態様には限定されず、これらのサーバは、オンプレミスではなくクラウドの構成としてもよい。さらには、これらのサーバは、オンプレミスとクラウドのハイブリッド(ハイブリッドクラウド)の構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本開示に係るバッテリ交換計画生成システム1、51及びバッテリ交換計画生成方法は、搭載されたバッテリ21を複数のバッテリ交換ステーション13の少なくとも1つにて交換しつつ、予め設定されたルートに従って走行する複数の配送車両のそれぞれに対して、バッテリ21の交換を行うべく立ち寄るバッテリ交換ステーション13を指示するバッテリ交換計画を、配送車両が走行可能であり、且つ、バッテリ交換回数なバッテリ交換計画を生成する効果を有し、バッテリ交換計画生成システム及びバッテリ交換計画生成方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0111】
1 :第1実施形態に係るバッテリ交換計画生成システム
5 :物流トラックシステム
11 :物流拠点
13 :バッテリ交換ステーション
15 :管理拠点
17 :バッテリ点検ステーション
19 :回収車
21 :バッテリ
23 :ナビゲーション装置
25 :表示装置
27 :交換ステーションサーバ
27A :プロセッサ
27B :メモリ
27C :記憶装置
27D :入力装置
27E :表示装置
29 :ネットワーク
30 :拠点サーバ
30A :プロセッサ
30B :メモリ
30C :記憶装置
30D :入力装置
30E :表示装置
31 :管理サーバ
31A :プロセッサ
31B :メモリ
31C :記憶装置
31D :入力装置
31E :表示装置
33 :点検ステーションサーバ
33A :プロセッサ
33B :メモリ
33C :記憶装置
33D :表示装置
33E :表示装置
51 :第2実施形態に係るバッテリ交換計画生成システム
EV :物流トラック
EV1 :物流トラック
EV2 :物流トラック
EV3 :物流トラック
EV4 :物流トラック
P :仮交換計画
Q :仮交換計画
R :仮交換計画
S :仮交換計画
ST102 :ステップ
ST104 :ステップ
ST106 :ステップ
ST108 :ステップ
ST110 :ステップ
ST112 :ステップ
ST114 :ステップ
ST202 :ステップ
ST204 :ステップ
ST206 :ステップ
ST208 :ステップ
ST210 :ステップ
ST212 :ステップ
ST214 :ステップ
ST216 :ステップ
ST218 :ステップ
ST220 :ステップ
X :パターン
Y :パターン
Z :パターン
r :交換計画候補
s :交換計画候補
図1
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