(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124214
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】現像剤供給装置、現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
G03G15/08 343
G03G15/08 348B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027852
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】島田 伸吾
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA05
2H077AA09
2H077AA34
2H077AB04
2H077AB12
2H077AC02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD17
2H077AD23
2H077AE03
2H077BA02
2H077CA12
2H077EA15
2H077GA04
(57)【要約】
【課題】現像剤収容器から現像剤がこぼれ落ちにくい現像剤供給装置を提供する。
【解決手段】現像剤供給装置は、供給口を有する筐体を有し、現像剤を収容する現像剤収容器と、供給口から供給された現像剤を受け入れる受入口を有し、現像剤収容器が第1の方向に装着される現像剤収容器保持部とを備える。現像剤収容器は、筐体に対して、供給口を閉鎖する閉位置と供給口を開放する開位置との間で相対的に移動可能に設けられた開閉部材と、筐体と開閉部材との間に設けられたシール部材とを有する。開閉部材は、供給口を塞ぐカバー面を有するカバー部と、カバー部から第1の方向に突出し、カバー面から現像剤収容器保持部の側に離間した位置に設けられた突出部とを有する。現像剤収容器保持部は、現像剤収容器が現像剤収容器保持部に装着された状態で突出部と係合する係合部を有する。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給口を有する筐体を有し、現像剤を収容する現像剤収容器と、
前記供給口から供給された現像剤を受け入れる受入口を有し、前記現像剤収容器が第1の方向に装着される現像剤収容器保持部と、
を備え、
前記現像剤収容器は、
前記筐体に対して、前記供給口を閉鎖する閉位置と前記供給口を開放する開位置との間で相対的に移動可能に設けられた開閉部材と、
前記筐体と前記開閉部材との間に設けられたシール部材とを有し、
前記開閉部材は、
前記供給口を塞ぐカバー面を有するカバー部と、
前記カバー部から前記第1の方向に突出し、前記カバー面から前記現像剤収容器保持部の側に離間した位置に設けられた突出部と
を有し、
前記現像剤収容器保持部は、前記現像剤収容器が前記現像剤収容器保持部に装着された状態で前記突出部と係合する係合部を有し、
前記突出部が前記係合部に係合してから、前記供給口と前記受入口とが対向するまでの間に、前記係合部の一部が前記突出部と前記シール部材との間に位置付けられる
ことを特徴とする現像剤供給装置。
【請求項2】
前記突出部が前記係合部に係合した状態で、前記現像剤収容器を前記供給口と前記受入口とが対向する位置まで移動させられることにより、前記開閉部材が前記供給口を開放する
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤供給装置。
【請求項3】
前記開閉部材は、第1の当接部を有し、
前記現像剤収容器保持部は、第2の当接部を有し、
前記突出部が前記係合部に係合してから、前記供給口と前記受入口とが対向するまでの間、前記第1の当接部が前記第2の当接部に前記第1の方向に対向して当接する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤供給装置。
【請求項4】
前記係合部は、前記第2の当接部に対して前記筐体と反対の側に、前記第2の当接部よりも前記第1の方向に凹んだ凹部を有し、
前記突出部と前記係合部とが係合した状態において、前記突出部が前記凹部に入り込む
ことを特徴とする請求項3に記載の現像剤供給装置。
【請求項5】
前記凹部が前記第2の当接部よりも前記第1の方向に凹んだ距離は、
前記突出部が前記第1の当接部よりも前記第1の方向に突出する距離よりも長い
ことを特徴とする請求項4に記載の現像剤供給装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記第1の方向に進むほど前記筐体から離間するように傾斜する第1の傾斜部を有し、
前記第2の当接部と前記凹部との間には、前記第1の傾斜部に対向する第2の傾斜部が形成され、
前記突出部が前記係合部に係合する際に、前記第1の傾斜部と前記第2の傾斜部とが互いに当接することにより、前記現像剤収容器と前記現像剤収容器保持部とが接近する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の現像剤供給装置。
【請求項7】
前記突出部は、前記第1の当接部の前記現像剤収容器保持部側から前記第1の方向に突出しており、
前記突出部の前記現像剤収容器側において、前記第1の方向と反対側の第2の方向側に位置する穴部を有する
ことを特徴とする請求項3から6までのいずれか1項に記載の現像剤供給装置。
【請求項8】
前記現像剤収容器は一方向に長く、前記現像剤収容器の長手方向に移動させられることによって前記現像剤収容器保持部の装着位置に装着され、
前記第1の方向は、前記現像剤収容器の長手方向である
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の現像剤供給装置。
【請求項9】
前記現像剤収容器は一方向に長く、前記現像剤収容器の長手方向の回転軸を中心として回転させられることによって前記現像剤収容器保持部の装着位置に装着され、
前記第1の方向は、前記回転軸を中心とする回転方向である
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の現像剤供給装置。
【請求項10】
前記突出部が前記係合部に係合した状態で、
前記突出部の前記現像剤収容器側において鉛直方向の最も下側の点を最下点とすると、
前記突出部の前記現像剤収容器側において前記最下点よりも前記第1の方向に位置する所定の箇所は、前記最下点よりも鉛直方向の上側に位置する
ことを特徴とする請求項9に記載の現像剤供給装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の現像剤供給装置を備えた現像装置。
【請求項12】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の現像剤供給装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像剤を供給する現像剤供給装置、並びに、現像剤供給装置を備えた現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、現像剤を収容する現像剤収容器を備える。現像剤収容器は、現像剤を排出する供給口と、供給口を開閉する開閉部材とを有する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-95505号公報(
図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、現像剤収容器を取り外す際に、開閉部材の一端部に現像剤が付着し、外部にこぼれ落ちる場合がある。そのため、現像剤収容器の周囲が汚れる可能性がある。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、現像剤収容器から現像剤がこぼれ落ちにくい現像剤供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の現像剤供給装置は、供給口を有する筐体を有し、現像剤を収容する現像剤収容器と、供給口から供給された現像剤を受け入れる受入口を有し、現像剤収容器が第1の方向に装着される現像剤収容器保持部とを備える。現像剤収容器は、筐体に対して、供給口を閉鎖する閉位置と供給口を開放する開位置との間で相対的に移動可能に設けられた開閉部材と、筐体と開閉部材との間に設けられたシール部材とを有する。開閉部材は、供給口を塞ぐカバー面を有するカバー部と、カバー部から第1の方向に突出し、カバー面から現像剤収容器保持部の側に離間した位置に設けられた突出部とを有する。現像剤収容器保持部は、現像剤収容器が現像剤収容器保持部に装着された状態で突出部と係合する係合部を有する。突出部が係合部に係合してから、供給口と受入口とが対向するまでの間に、係合部の一部が突出部とシール部材との間に位置付けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、開閉部材が突出部を有するため、現像剤収容器を取り外した際に現像剤が突出部上で保持され、外部にこぼれ落ちにくい。また、現像剤収容器の突出部と現像剤収容器保持部の係合部とが係合してから、供給口と受入口とが対向するまでの間に、係合部の一部が突出部とシール部材との間に位置付けられるため、現像剤収容器の取り外し時に突出部上に付着する現像剤の量を低減することができる。そのため、現像剤収容器の周囲が現像剤で汚れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1の画像形成装置の基本構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1の画像形成部の基本構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1の画像形成装置のフロントカバーを開放した状態を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1の現像剤収容器を斜め上から見た斜視図である。
【
図5】実施の形態1の現像剤収容器を外壁部の一部を取り除いて示す斜視図である。
【
図6】実施の形態1の現像剤収容器を斜め下から見た斜視図である。
【
図7】実施の形態1の現像剤収容器をシャッタを取り外した状態で示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1の現像剤収容器の供給口とその周囲を拡大して示す斜視図である。
【
図9】実施の形態1のシャッタを上方から見た斜視図である。
【
図10】実施の形態1のシャッタを下方から見た斜視図である。
【
図11】実施の形態1の保持ユニットを示す斜視図である。
【
図12】実施の形態1の保持ユニットを
図11とは別の方向から見た斜視図である。
【
図13】実施の形態1の現像剤収容器を装着する前の保持ユニットを示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図14】実施の形態1の現像剤収容器の装着動作の第1段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図15】実施の形態1の現像剤収容器の装着動作の第2段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図16】実施の形態1の現像剤収容器の装着動作の第3段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図17】実施の形態1の現像剤収容器の装着動作の第4段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図18】実施の形態1の現像剤収容器の装着動作の第5段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図19】実施の形態1の現像剤収容器の装着動作の第6段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図20】実施の形態1の現像剤収容器の取り外し動作の第1段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図21】実施の形態1の現像剤収容器の取り外し動作の第2段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図22】実施の形態1の現像剤収容器の取り外し動作の第3段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図23】実施の形態1の現像剤収容器の取り外し動作の第4段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図24】実施の形態1の現像剤収容器の取り外し動作の第5段階を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図25】実施の形態1の現像剤収容器を取り外した後の保持ユニットを示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図26】実施の形態1において、現像剤収容器を取り外した後の保持ユニットに新たな現像剤収容器を装着する動作を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図27】実施の形態1において、現像剤収容器を取り外した後の保持ユニットに新たな現像剤収容器を装着する動作を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。
【
図28】比較例の現像剤収容器の取り外し動作を示す模式図(A)~(F)である。
【
図29】実施の形態1の現像剤収容器および保持ユニットを示す概念図である。
【
図30】実施の形態1の開閉部材と保持ユニットとの係合部分を拡大して示す模式図である。
【
図31】変形例1の開閉部材と保持ユニットとの係合部分を拡大して示す模式図である。
【
図32】実施の形態1および変形例2の現像剤収容器の供給口の形状をそれぞれ示す模式図(A),(B)である。
【
図33】実施の形態2の画像形成装置の基本構成を示す図である。
【
図34】実施の形態2の画像形成部の基本構成を示す図である。
【
図35】実施の形態2の現像剤収容器とユニット筐体とを示す斜視図である。
【
図36】実施の形態2の現像剤収容器を示す斜視図である。
【
図37】実施の形態2の現像剤収容器を
図36とは別の方向から見た斜視図である。
【
図38】実施の形態2の現像剤収容器の供給口が開放された状態を示す斜視図である。
【
図39】実施の形態2のシャッタを示す斜視図である。
【
図40】実施の形態2のシャッタを
図39とは別の方向から見た斜視図である。
【
図41】実施の形態2の現像剤収容器の装着動作の第1段階を示す断面図(A),(B)である。
【
図42】実施の形態2の現像剤収容器の装着動作の第2段階を示す断面図(A),(B)である。
【
図43】実施の形態2の現像剤収容器の装着動作の第3段階を示す断面図(A),(B)である。
【
図44】実施の形態2の現像剤収容器の装着動作の第4段階を示す断面図(A),(B)である。
【
図45】実施の形態2の現像剤収容器の装着動作の第5段階を示す断面図(A),(B)である。
【
図46】実施の形態2の現像剤収容器の取り外し動作を示す断面図(A),(B),(C)である。
【
図47】実施の形態2の現像剤収容器とユニット筐体との係合部分を示す模式図である。
【
図48】変形例の開閉部材とユニット筐体との係合部分を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
<画像形成装置>
まず、実施の形態1の画像形成装置1について説明する。
図1は、画像形成装置1の基本構成を示す図である。画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を形成するプリンタである。
【0010】
画像形成装置1は、印刷用紙等の媒体を供給する媒体供給部120と、画像を形成する画像形成部10K,10Y,10M,10Cと、媒体に画像を転写する転写ユニット130と、媒体に画像を定着する定着装置140と、媒体を排出する媒体排出部150とを有する。これらの構成要素はハウジング161に収容されている。ハウジング161の上部はトップカバー162に覆われている。
【0011】
媒体供給部120は、媒体カセット121と、ピックアップローラ122と、フィードローラ123と、分離パッド124と、レジストローラ125と、搬送ローラ127とを有する。
【0012】
媒体カセット121は、印刷用紙等の媒体を収容する。ピックアップローラ122は、媒体カセット121から媒体を一枚ずつ引き出す。フィードローラ123および分離パッド124は、引き出された媒体を一枚ずつ分離して搬送路126に送り出す。
【0013】
レジストローラ125は、媒体カセット121から送り出された媒体のスキュー(斜行)を矯正し、搬送路126に沿ってさらに搬送する。搬送ローラ127は、搬送路126に沿って送られてきた媒体を、転写ユニット130に向けて搬送する。
【0014】
画像形成部10K,10Y,10M,10Cは、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの現像剤像を形成する部分であり、媒体の搬送方向に配列されている。各画像形成部10K,10Y,10M,10Cは、「現像装置」に相当する。
【0015】
画像形成部10K,10Y,10M,10Cは、それぞれ、画像形成ユニット100K,100Y,100M,100Cと、現像剤収容器としての現像剤収容器30K,30Y,30M,30Cと、現像剤収容器保持部としての保持ユニット20K,20Y,20M,20Cとを有する。
【0016】
画像形成部10K,10Y,10M,10Cは、特に区別する必要がない場合には「画像形成部10」と称する。画像形成ユニット100K,100Y,100M,100Cは、特に区別する必要がない場合には「画像形成ユニット100」と称する。現像剤収容器30K,30Y,30M,30Cは、特に区別する必要がない場合には「現像剤収容器30」と称する。保持ユニット20K,20Y,20M,20Cは、特に区別する必要がない場合には「保持ユニット20」と称する。
【0017】
図2は、画像形成部10の基本構成を示す図である。
図2に示すように、現像装置としての画像形成部10は、画像形成ユニット100と、現像剤収容器としての現像剤収容器30と、現像剤収容器保持部としての保持ユニット20とを有する。
【0018】
画像形成ユニット100は、像担持体としての感光体ドラム101と、帯電部材としての帯電ローラ102と、現像剤担持体としての現像ローラ103と、供給部材としての供給ローラ104と、層規制部材としての現像ブレード105と、クリーニング部材106とを有する。
【0019】
感光体ドラム101は、導電性支持体の表面に感光層を形成した円筒状の部材である。感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との積層体である。感光体ドラム101は、図中時計回りに回転する。
【0020】
感光体ドラム101に対向するように、露光装置としての露光ヘッド108が配置されている。露光ヘッド108は、発光素子としてのLED(発光ダイオード)を配列したLEDアレイとレンズアレイとを有し、感光体ドラム101の表面に光を照射して静電潜像を形成する。露光ヘッド108は、トップカバー162(
図1)に懸架されて支持されている。
【0021】
帯電ローラ102は、感光体ドラム101の表面に接触するように配置され、感光体ドラム101に追従して回転する。帯電ローラ102は帯電電圧を印加され、感光体ドラム101の表面を一様に帯電させる。
【0022】
現像ローラ103は、感光体ドラム101の表面に接触するように配置され、感光体ドラム101とは逆方向(接触部での表面の移動方向が順方向となる方向)に回転する。現像ローラ103は現像電圧を印加され、感光体ドラム101の表面の静電潜像を現像剤により現像する。
【0023】
供給ローラ104は、現像ローラ103の表面に接触するように配置され、現像ローラ103と同方向(接触部での表面の移動方向が逆方向となる方向)に回転する。供給ローラ104は供給電圧を印加され、現像ローラ103に現像剤を供給する。
【0024】
現像ブレード105は、現像ローラ103に当接するように配置された金属製のブレードである。現像ブレード105は、現像ローラ103の表面に押し当てられ、現像ローラ103の表面の現像剤層の厚さを規制する。
【0025】
クリーニング部材106は、弾性体で構成されたローラまたはブレードであり、感光体ドラム101の表面に残存した現像剤を掻き取る。
【0026】
現像剤収容器30は、現像剤(
図2では符号Tで示す)を収容する容器である。現像剤収容器30は、保持ユニット20に着脱可能に取り付けられ、画像形成ユニット100に現像剤Tを供給する。
【0027】
保持ユニット20は、画像形成装置1のハウジング161(
図1)に取り付けられ、現像剤収容器30を着脱可能に保持する。現像剤収容器30および保持ユニット20は、画像形成ユニット100に現像剤を供給する現像剤供給装置50を構成する。
【0028】
図1に示すように、転写ユニット130は、各感光体ドラム101に対向配置された転写部材としての転写ローラ131と、感光体ドラム101と転写ローラ131との間を通過する転写ベルト132と、転写ベルト132が掛け渡された駆動ローラ133および従動ローラ134とを有する。駆動ローラ133は、回転することにより転写ベルト132を走行させる。従動ローラ134は、転写ベルト132に張力を付与する。
【0029】
転写ローラ131には転写電圧が印加され、
図2に示すように、感光体ドラム101の表面に形成された現像剤像が、転写ベルト132上の媒体(
図2では符号Pで示す)に転写される。
【0030】
定着装置140は、媒体の搬送方向において画像形成部10の下流側に配置されている。定着装置140は、定着ローラ141と加圧ローラ142とを有する。定着ローラ141はヒータを内蔵し、加圧ローラ142は定着ローラ141に圧接される。定着ローラ141および加圧ローラ142は、媒体に熱および圧力を加え、現像剤像を媒体に定着させる。
【0031】
媒体排出部150は、定着装置140を通過した媒体を搬送路153に沿って搬送し、排出口から排出する排出ローラ対151および排出ローラ対152を有する。トップカバー162には、排出された媒体を載置するスタッカ部154が形成されている。
【0032】
図1において、感光体ドラム101の軸方向を、X方向とする。X方向は、画像形成装置1内の各ローラの軸方向であり、搬送される媒体の幅方向でもある。媒体が画像形成部10を通過するときの媒体の移動方向を、Y方向とする。X方向とY方向に直交する方向を、Z方向とする。ここでは、Z方向は上下方向である。
【0033】
Y方向については、媒体が画像形成部10を通過するときの搬送方向を+Y方向とし、その反対方向を-Y方向とする。X方向については、+Y方向を向いて右手方向を+X方向とし、左手方向を-X方向とする。Z方向については、
図1の上方向を+Z方向とし、下方向を-Z方向とする。なお、これらの方向は、画像形成装置1の向きを限定するものではない。
【0034】
<現像剤収容器30および保持ユニット20>
図3は、画像形成装置1の外観を示す斜視図である。画像形成装置1のハウジング161は、X方向両側の壁部とY方向両側の壁部とを有する。ハウジング161の-X方向の壁部には、開閉可能なフロントカバー163が設けられている。
図3では、フロントカバー163が開放されている。
【0035】
ハウジング161内には、現像剤収容器30K,30Y,30M,30C(
図1)を保持する保持ユニット20K,20Y,20M,20Cが設けられている。保持ユニット20K,20Y,20M,20CはいずれもX方向に長く、現像剤収容器30K,30Y,30M,30CをX方向に着脱可能に保持している。
【0036】
保持ユニット20K,20Y,20M,20Cのそれぞれの-X方向の端部は、フロントカバー163に覆われており、フロントカバー163を開放することで現像剤収容器30K,30Y,30M,30Cの着脱が可能になる。現像剤収容器30K,30Y,30M,30Cは、保持ユニット20K,20Y,20M,20Cに+X方向に装着され、-X方向に取り外される。
【0037】
図3に示した状態では、保持ユニット20Cに現像剤収容器30Cが装着され、保持ユニット20Mには現像剤収容器30Mが途中まで装着されている。保持ユニット20K,20Yには、まだ現像剤収容器30K,30Yが装着されていない。
【0038】
図4は、現像剤収容器30を上方から見た斜視図である。
図4に示すように、現像剤収容器30は、外郭を構成する筐体31を有する。筐体31の内側は、現像剤を収容する現像剤収容部となる。
【0039】
筐体31はX方向に長く、外壁部31aと底部31bとを有する。外壁部31aはX方向に直交する断面形状が略三角形状であり、底部31bは平板状である。但し、筐体31の形状はこのような形状には限定されない。筐体31の外壁部31aの-X方向の端部には、ユーザが現像剤収容器30を取り外すときに把持する把持部37が形成されている。
【0040】
図5は、現像剤収容器30を外壁部の一部を取り除いて示す斜視図である。
図5に示すように、筐体31の底部31bには、現像剤収容部内の現像剤を外部に供給する供給口32が形成されている。供給口32は、ここでは筐体31のX方向中央部で、+Y方向の端部寄りに形成されているが。この位置には限定されない。供給口32は、X方向に移動可能な開閉部材としてのシャッタ40によって覆われている。
【0041】
筐体31の内部には、搬送部材301と撹拌部材302とが設けられている。搬送部材301は、現像剤を供給口32に向けて搬送するものであり、例えば、X方向の回転軸を中心として回転するスパイラルで構成される。撹拌部材302は、現像剤を撹拌するものであり、例えば、X方向の回転軸を中心として回転する撹拌バーで構成される。
【0042】
筐体31の+X方向の端部には、搬送部材301に連結されたギア303と、撹拌部材302に連結されたギア304とが配置されている。ギア303,304は、画像形成装置1内に配置された駆動ギア(図示せず)からの回転伝達を受ける。
【0043】
また、ギア303,304の間には、位置決めポスト305が形成されている。位置決めポスト305は、画像形成装置1内に配置された駆動ギアの軸中心に形成された嵌合部に嵌合する軸部材である。
【0044】
筐体31の+X方向の端部には、また、位置決め溝39が形成されている。位置決め溝39は、現像剤収容器30が所定位置まで装着された際に、保持ユニット20の位置決め突起29(
図11)に係合し、現像剤収容器30を位置決めする。
【0045】
図6は、現像剤収容器30を下方(底部31b側)から見た斜視図である。現像剤収容器30の筐体31の底部31bには、第1の挿抜ガイドとしての外周リブ33が形成されている。外周リブ33は、底部31bのY方向両側に形成され、X方向に延在している。外周リブ33は、現像剤収容器30が保持ユニット20に装着される際のガイドとなる。
【0046】
また、筐体31の底部31bには、供給口32(
図5)を開閉するシャッタ40が設けられている。シャッタ40はX方向に移動可能に設けられている。
【0047】
図7は、
図6に示した現像剤収容器30からシャッタ40を取り外した状態を示す斜視図である。
図8は、
図7の供給口32の周囲を拡大して示す斜視図である。
図8に示すように、現像剤収容器30は、供給口32のY方向両側に、X方向に長い第1の開閉ガイドとしてのシャッタレール34を有する。シャッタレール34には、シャッタ40の後述するスライド部45(
図9)が係合する。
【0048】
現像剤収容器30は、また、供給口32の周囲を囲むように設けられた弾性部材としてのシール部材38を有する。シール部材38は、スポンジ等の弾性体で形成され、シャッタレール34の下面に固定されている。シール部材38は、供給口32の周囲を囲むように延在し、Z方向に厚さを有する。
【0049】
現像剤収容器30は、また、シャッタレール34の+X方向の端部に、シャッタ40の+X方向の移動を規制するストッパ35を有する。ストッパ35は、例えば、シャッタレール34の+X方向の端部から+Z方向に屈曲する屈曲部である。
【0050】
供給口32に対して-X方向に隣接して、第1の位置決め部としてのラッチ36が設けられている。ラッチ36は、筐体31の底部31bにX方向に長い片持ち梁として形成されている。ラッチ36の-X方向の端部は底部31bに接続され、+X方向の端部(自由端)には当接部36aが形成されている。
【0051】
図9は、シャッタ40を上方から見た斜視図である。
図10は、シャッタ40を下方から見た斜視図である。
図9に示すように、シャッタ40は、供給口32(
図5)を覆うカバー部43と、カバー部43のY方向両側に形成されてX方向に延在する一対の側壁部44とを有する。カバー部43の上面(筐体31側の面)すなわち供給口32(
図5)に対向する面を、カバー面43aと称する。
【0052】
各側壁部44には、筐体31のシャッタレール34(
図8)に係合する第2の開閉ガイドとしてのスライド部45が形成されている。スライド部45とシャッタレール34との係合により、シャッタ40が筐体31にX方向に移動可能に取り付けられる。なお、スライド部45は各側壁部44に2つずつ設けられているが、+X方向側に位置するスライド部45の+X方向の端部に、ストッパ面45aが形成されている。
【0053】
また、一対の側壁部44のうち、-Y方向に位置する側壁部44の-X方向の端部近傍には、筐体31のラッチ36に係合する第2の位置決め部としての窪み46が形成されている。シャッタ40の窪み46と筐体31のラッチ36(
図8)との係合により、シャッタ40が供給口32を閉鎖する位置でロックされる。
【0054】
シャッタ40の+X方向の先端には、第1の当接部(または第1の移動規制部)としてのシャッタ側当接部42が形成されている。シャッタ側当接部42は、例えば、X方向に直交する端面である。
【0055】
シャッタ40の+X方向の先端には、また、突出部としての凸部41が形成されている。凸部41は、シャッタ側当接部42の-Z方向に隣接して形成され、シャッタ側当接部42よりも+X方向に突出している。
【0056】
凸部41は、上面すなわち筐体31側の面である平面部41aと、平面部41aに対して傾斜した傾斜部41bとを有する。傾斜部41bは、平面部41aから+X方向に延在している。また、傾斜部41bは、+X方向に進むほどカバー面43aからZ方向に離間するように(言い換えると筐体31からZ方向に離間するように)傾斜している。
【0057】
図10に示すように、シャッタ40は、凸部41の-X方向に隣接する傾斜部47を有する。傾斜部47は、凸部41の傾斜部41bと同様に、+X方向に進むほどカバー面43aからZ方向に離間するように(言い換えると筐体31からZ方向に離間するように)傾斜している。
【0058】
また、カバー部43のカバー面43a(
図9)と反対側の裏面43bには、係合突起48が形成されている。係合突起48は、カバー部43の-X方向の端部近傍に形成されている。係合突起48は、-X方向に進むほど裏面43bからZ方向に離間するように(言い換えると筐体31からZ方向に離間するように)傾斜する傾斜面と、傾斜面の-X方向の端部に形成されてX方向に直交する端面(鉛直面)とを有する。係合突起48は、現像剤収容器30の装着時および取り外し時に後述する板バネ部23と当接する部分である。
【0059】
図11は、保持ユニット20を示す斜視図である。
図12は、保持ユニット20を
図11とは異なる方向から見た斜視図である。
図11および
図12に示すように、保持ユニット20は、現像剤収容器30を載せる支持面としてのトレイ21を有する。トレイ21のY方向両側には、第2の挿抜ガイドとしての一対のガイド壁22が設けられている。一対のガイド壁22の内側に、現像剤収容器30の外周リブ33(
図5~7)が係合する。
【0060】
図11に示すように、保持ユニット20のトレイ21のX方向の略中央には、現像剤収容器30の供給口32から供給された現像剤を受け入れる受入口27が形成されている。受入口27は、現像剤の搬送路(供給路)を介して画像形成ユニット100とつながっている。受入口27から画像形成ユニット100への現像剤の供給は、落下供給でもよく、何らかの搬送部材を用いてもよい。
【0061】
保持ユニット20は、また、トレイ21に受入口27を囲むように取り付けられたシール部材28を有する。シール部材28は、スポンジ等の弾性体で形成されている。シール部材28は、受入口27の周囲を囲むように延在し、Z方向に厚さを有する。
【0062】
保持ユニット20は、また、受入口27の-X方向に隣接して、第2の当接部(または第2の移動規制部)としてのユニット側当接部25を有する。ユニット側当接部25は、例えば、X方向に直交する端面である。ユニット側当接部25は、シャッタ40のシャッタ側当接部42に当接して、シャッタ40の+X方向の移動を規制する部分である。
【0063】
ユニット側当接部25の下方(-Z方向)には、係合部としての凹部26が形成されている。凹部26は、シャッタ40の凸部41が入り込むスペースである。
【0064】
保持ユニット20は、また、トレイ21の凹部26よりも-X方向に、開閉係止部としての板バネ部23を有する。板バネ部23はX方向に長い部材である。板バネ部23の+X方向の端部は、トレイ21に固定されている。板バネ部23の-X方向の端部(自由端)には、+Z方向に突出する突出部(後述)が形成されている。
【0065】
なお、トレイ21のうち、板バネ部23が配置されたエリア21aは、シャッタ40の凸部41(
図10)の移動範囲を確保するため、トレイ21の他の部分よりも高さが低く形成されている。
【0066】
保持ユニット20は、また、突起部であるロック解除ポスト24を有する。ロック解除ポスト24は、トレイ21において板バネ部23の-Y方向に隣接するように配置されている。ロック解除ポスト24は、現像剤収容器30のラッチ36の当接部36a(
図6~8)に当接してラッチ36を撓ませ、ラッチ36とシャッタ40の窪み46との係合を解除するものである。
【0067】
なお、現像剤収容器30のラッチ36とシャッタ40の窪み46とが係合した状態(
図6)で、ラッチ36は窪み46から-Y方向にはみ出しており、ロック解除ポスト24が当接可能な状態となっている。
【0068】
保持ユニット20は、また、現像剤収容器30が所定の装着位置まで装着された際に現像剤収容器30の位置決め溝39(
図4)に係合する位置決め突起29を有する。位置決め突起29は、ここではトレイ21の+X方向端部に形成されている。
【0069】
図13(A)は、現像剤収容器30の装着前の保持ユニット20を示す断面図である。
図13(B)は、
図13(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。上記の通り、受入口27の-X方向に隣接してユニット側当接部25が設けられ、ユニット側当接部25の下方(-Z方向)に凹部26が設けられている。
【0070】
凹部26の上面(+Z側の面)は、天面26aと称する。ユニット側当接部25と天面26aとは角部を挟んで隣り合っている。受入口27を囲むように設けられたシール部材28の一部は、天面26aの上方(+Z方向)に位置している。
【0071】
ユニット側当接部25および凹部26に対して-X方向に、上述した板バネ部23が設けられている。板バネ部23は、X方向に延在し、その+X方向端部でトレイ21に固定されている。
【0072】
板バネ部23は、-X方向端部に傾斜部23aを有する。傾斜部23aは+X方向に進むほど+Z方向に変位するように傾斜している。
【0073】
板バネ部23は、傾斜部23aの+X方向に隣接して、ストッパ部23bを有する。ストッパ部23bは略Z方向に延在しているが、傾斜部23aと反対方向に僅かに傾斜している。
【0074】
<画像形成装置の印刷動作>
次に、画像形成装置1の印刷動作について、
図1を参照して説明する。画像形成装置1の制御部は、上位装置から印刷コマンドと印刷データを受信すると、印刷動作(画像形成動作)を開始する。
【0075】
印刷動作が開始されると、媒体供給部120のピックアップローラ122およびフィードローラ123が回転し、媒体カセット121上の媒体を一枚ずつ搬送路126に送り出す。また、レジストローラ125および搬送ローラ127が回転し、媒体を搬送路126に沿って搬送する。
【0076】
各画像形成部10では、帯電ローラ102、現像ローラ103および供給ローラ104に、帯電電圧、現像電圧および供給電圧がそれぞれ印加される。また、感光体ドラム101が回転し、これに伴って、帯電ローラ102、現像ローラ103および供給ローラ104も回転する。帯電ローラ102は、感光体ドラム101の表面を一様に帯電させる。露光ヘッド108は、感光体ドラム101の表面を露光し、静電潜像を形成する。
【0077】
感光体ドラム101の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ103に付着した現像剤によって現像され、感光体ドラム101の表面に現像剤像が形成される。感光体ドラム101の表面に形成された現像剤像は、転写ローラ131に印加される転写電圧により、転写ベルト132上の媒体に転写される。
【0078】
画像形成部10K,10Y,10M,10Cの各感光体ドラム101から現像剤像が転写された媒体は、転写ベルト132によって定着装置140に搬送される。
【0079】
定着装置140では、定着ローラ141および加圧ローラ142が定着ニップを形成した状態で回転し、また定着ローラ141が所定の定着温度まで加熱されている。媒体が定着ローラ141と加圧ローラ142との間の定着ニップを通過する際、媒体上の未定着現像剤に熱および圧力が加えられ、現像剤像が媒体に定着される。
【0080】
現像剤像が定着した媒体は、媒体排出部150に搬送される。媒体排出部150では、排出ローラ対151,152により媒体が搬送され、排出口から排出される。排出された媒体は、スタッカ部154上に積載される。これにより、印刷動作が完了する。
【0081】
<現像剤収容器30の装着動作>
次に、現像剤収容器30の保持ユニット20への装着動作について説明する。
図14(A)は、現像剤収容器30の装着動作の第1段階を示す断面図である。
図14(B)は、
図14(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。
【0082】
図14(A)に示すように、シャッタ40は、ラッチ36(
図8)と窪み46(
図9)との係合により現像剤収容器30の筐体31に係止され、供給口32を閉鎖する閉位置にある。現像剤収容器30は、外周リブ33(
図6)が保持ユニット20のガイド壁22(
図11)に案内されて、保持ユニット20に+X方向に装着される。+X方向は装着方向(または第1の方向)とも称し、
図14(A)等において矢印A1で示す。
【0083】
図14(B)に示すように、現像剤収容器30を装着すると、まずシャッタ40の凸部41が、保持ユニット20の板バネ部23の傾斜部23aに当接する。
【0084】
図15(A)は、現像剤収容器30の装着動作の第2段階を示す断面図である。
図15(B)は、
図15(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30をさらに+X方向に移動させると、シャッタ40の凸部41が、板バネ部23の傾斜部23aを付勢し、板バネ部23を-Z方向に撓ませる。
【0085】
図16(A)は、現像剤収容器30の装着動作の第3段階を示す断面図である。
図16(B)は、
図16(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30をさらに+X方向に移動させると、シャッタ40の凸部41が、板バネ部23の傾斜部23aおよびストッパ部23bを通過する。これにより、板バネ部23は、-Z方向に撓む前の状態に復帰する。
【0086】
図17(A)は、現像剤収容器30の装着動作の第4段階を示す断面図である。
図17(B)は、
図17(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30をさらに+X方向に移動させると、シャッタ40の凸部41の傾斜部41bが凹部26の手前の角部に当接し、凸部41が凹部26に誘導される。
【0087】
また、シャッタ40の係合突起48の傾斜部が板バネ部23の傾斜部23aに当接し、板バネ部23を-Z方向に撓ませる。
【0088】
図18(A)は、現像剤収容器30の装着動作の第5段階を示す断面図である。
図18(B)は、
図18(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30をさらに+X方向に移動させると、シャッタ40のシャッタ側当接部42が、保持ユニット20のユニット側当接部25に当接する。これにより、シャッタ40の+X方向の移動が規制される。
【0089】
また、シャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26に入り込み、凸部41の平面部41aが凹部26の天面26aに当接する。また、シャッタ40の係合突起48が、板バネ部23の傾斜部23aおよびストッパ部23bを通過する。これにより、板バネ部23は、-Z方向に撓む前の状態に復帰する。
【0090】
さらに、保持ユニット20のロック解除ポスト24(
図11)が、現像剤収容器30のラッチ36の当接部36a(
図8)に当接し、ラッチ36を撓ませる。これにより、ラッチ36とシャッタ40の窪み46(
図9)との係合が解除され、シャッタ40は現像剤収容器30に対してX方向に移動可能となる。
【0091】
図19(A)は、現像剤収容器30の装着動作の第6段階を示す断面図である。
図19(B)は、
図19(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。この段階では、シャッタ40の+X方向の移動は、シャッタ側当接部42とユニット側当接部25との当接によって規制されている。そのため、現像剤収容器30をさらに+X方向に移動させると、シャッタ40を残して現像剤収容器30の筐体31が+X方向に移動する。すなわち、現像剤収容器30の筐体31に対してシャッタ40が相対的に-X方向に移動し、供給口32を開放する。
【0092】
現像剤収容器30が+X方向の移動限界(すなわち装着位置)に達すると、現像剤収容器30の位置決め溝39(
図5)に保持ユニット20の位置決め突起29(
図11)が係合し、現像剤収容器30が保持ユニット20に対して位置決めされる。また、位置決めポスト305(
図5)が、画像形成装置1内に設けられた駆動ギア(図示せず)の嵌合穴に係合し、当該駆動ギアとギア303,304(
図5)とが噛み合う。
【0093】
この状態で、シャッタ40は供給口32を完全に開放しており、現像剤収容器30の供給口32と保持ユニット20の受入口27とが連通する。これにより、現像剤収容器30内の現像剤が、供給口32から受入口27に供給可能な状態となる。
【0094】
また、画像形成装置1内に設けられた駆動ギアによってギア303,304(
図5)が回転し、搬送部材301および撹拌部材302が回転する。これにより、現像剤収容器30内の現像剤が撹拌および搬送され、供給口32から受入口27に供給される。受入口27に搬送された現像剤は、画像形成ユニット100(
図2)に供給される。すなわち、画像形成装置1の印刷動作が可能になる。
【0095】
<現像剤収容器30の取り外し動作>
次に、使用済みの現像剤収容器30の保持ユニット20からの取り外し動作について説明する。
図20(A)は、現像剤収容器30の取り外し動作の第1段階を示す断面図である。
図20(B)は、
図20(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。
【0096】
現像剤収容器30の使用済みの状態、すなわち現像剤収容器30内の現像剤を全て排出した状態では、
図20(B)に符号T1で示すように、受入口27、シール部材28、シール部材38および供給口32のそれぞれの内壁面に現像剤が付着している。
【0097】
現像剤収容器30は、
図20(A),(B)に示す装着位置から-X方向に取り外される。そのため、-X方向は取り外し方向(または第2の方向)とも称し、
図20(A)等において矢印A2で示す。
【0098】
この段階では、シャッタ40の係合突起48と板バネ部23のストッパ部23bとの当接により、シャッタ40の-X方向の移動が規制されている。そのため、現像剤収容器30を-X方向に引き出すと、シャッタ40を残して現像剤収容器30の筐体31が-X方向に移動する。言い換えると、シャッタ40が現像剤収容器30の筐体31に対して相対的に+X方向に移動する。
【0099】
図21(A)は、現像剤収容器30の取り外し動作の第2段階を示す断面図である。
図21(B)は、
図21(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30を-X方向に移動させると、現像剤収容器30の供給口32の-X側の内壁面がシャッタ側当接部42上を通過する。このとき、供給口32の当該内壁面に付着した現像剤がシャッタ側当接部42に掻き落とされ、符号T2で示すようにシャッタ側当接部42に付着する。
【0100】
図22(A)は、現像剤収容器30の取り外し動作の第3段階を示す断面図である。
図22(B)は、
図22(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30をさらに-X方向に移動させると、シャッタ40が供給口32を閉鎖する閉位置に到達する。この時点で、シャッタ側当接部42には、符号T2で示すように、供給口32の-X側の内壁面と+X側の内壁面から掻き落とされた現像剤が付着している。
【0101】
シャッタ40が閉位置に達すると、現像剤収容器30のラッチ36(
図8)とシャッタ40の窪み46(
図9)とが係合し、且つ現像剤収容器30のストッパ35(
図8)とシャッタ40のストッパ面45a(
図9)とが当接する。これにより、シャッタ40の現像剤収容器30の筐体31に対する相対移動が規制される。すなわち、シャッタ40が現像剤収容器30の筐体31と一体となって移動する状態となる。
【0102】
また、シャッタ40の係合突起48は板バネ部23のストッパ部23bに当接しているが、ユーザが現像剤収容器30を引っ張る力F1が、係合突起48が板バネ部23から受ける抵抗力F2の最大値を上回るため(F1>F2)、板バネ部23は次で説明するように-Z方向に撓む。
【0103】
図23(A)は、現像剤収容器30の取り外し動作の第4段階を示す断面図である。
図23(B)は、
図23(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30をさらに-X方向に移動させると、シャッタ40も現像剤収容器30の筐体31と一体となって-X方向に移動し、保持ユニット20の板バネ部23はシャッタ40の係合突起48に付勢されて-Z方向に撓む。これにより、現像剤収容器30はさらに-X方向に移動可能になる。
【0104】
現像剤収容器30がさらに-X方向に移動すると、シャッタ40のシャッタ側当接部42が保持ユニット20のユニット側当接部25から-X方向に離間し、シャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26から-X方向に抜け出す。このとき、シャッタ側当接部42に付着していた現像剤T2の一部が落下し、符号T3で示すように凸部41の平面部41a上に付着する。
【0105】
図24(A)は、現像剤収容器30の取り外し動作の第5段階を示す断面図である。
図24(B)は、
図24(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30をさらに-X方向に移動させると、現像剤収容器30は、シャッタ側当接部42に現像剤T2が付着し、凸部41の平面部41a上に現像剤T3が付着した状態で、保持ユニット20から取り外される。
【0106】
なお、
図24(A),(B)に示した状態から現像剤収容器30をさらに-X方向に移動させると、シャッタ40の傾斜部47が板バネ部23のストッパ部23bに当接して板バネ部23を-Z方向に撓ませ、これにより現像剤収容器30が保持ユニット20から-X方向に取り外される。
【0107】
現像剤収容器30が保持ユニット20から取り外された状態では、シャッタ側当接部42に現像剤T2が付着し、凸部41の平面部41a上に現像剤T3が付着した状態が保たれる。そのため、現像剤収容器30の周囲が現像剤で汚れることが防止される。
【0108】
<新たな現像剤収容器30の装着動作>
次に、使用済みの現像剤収容器30が少なくとも1回取り外された保持ユニット20に対する、新たな現像剤収容器30の装着動作について説明する。
【0109】
図25(A)は、使用済みの現像剤収容器30が取り出された後の保持ユニット20を示す断面図である。
図25(B)は、
図25(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。
【0110】
使用済みの現像剤収容器30が取り出された後は、保持ユニット20の受入口27の周囲(例えばシール部材28上)に現像剤T4が付着している。この現像剤T4は、現像剤収容器30を取り外す際に、現像剤収容器30の供給口32の内壁面から落下した現像剤である。
【0111】
図26(A)は、この保持ユニット20に対する現像剤収容器30の装着動作を示す断面図である。
図26(B)は、
図26(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。現像剤収容器30の装着動作は、
図14(A)~
図18(B)を参照して説明した通りに行われる。
【0112】
現像剤収容器30の+X方向の移動により、シャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26に入り込み、シャッタ40のシャッタ側当接部42が保持ユニット20のユニット側当接部25に当接する。
【0113】
このとき、凸部41の平面部41aが凹部26の天面26aに当接するため、シール部材38が現像剤収容器30と保持ユニット20との間で押圧された状態で、保持ユニット20上(例えばシール部材28上)を通過する。そのため、保持ユニット20上に残った現像剤T4は、現像剤収容器30のシール部材38に押されて+X方向に移動する。
【0114】
図27(A)は、現像剤収容器30をさらに+X方向に移動させた状態を示す断面図である。
図27(B)は、
図27(A)において破線Bで囲んだ部分を示す拡大図である。上記の通り、現像剤収容器30のシール部材38が押圧された状態で保持ユニット20上を通過するため、保持ユニット20上に残った現像剤T4がシール部材38に押され、矢印Gで示すように受入口27内に落下する。すなわち、保持ユニット20の受入口27の周囲が、現像剤収容器30のシール部材38によって清掃される。
【0115】
<作用>
次に、実施の形態1の作用について説明する。まず、実施の形態1と対比する比較例について説明する。
図28(A)~(F)は、比較例の現像剤収容器30の取り外し動作を示す模式図である。
図28(A)に示すように、比較例の現像剤収容器30は、シャッタ40の+X方向の先端部40aに凸部41を有さない点が、実施の形態1の現像剤収容器30と異なる。
【0116】
図28(B)に示すように、現像剤収容器30から保持ユニット20に現像剤Tを供給し終えた状態では、現像剤収容器30の供給口32および保持ユニット20の受入口27の内壁面に現像剤(符号T1で示す)が付着している。
【0117】
図28(C)に示すように、現像剤収容器30を-X方向に移動させると、現像剤収容器30の供給口32の-X側の内壁面がシャッタ40の先端部40aを通過し、当該内壁面に付着していた現像剤T1の一部が掻き落とされる。
【0118】
図28(D)に示すように、現像剤収容器30をさらに-X方向に移動させると、現像剤収容器30の供給口32の+X側の内壁面がシャッタ40の先端部40aを通過し、当該内壁面に付着していた現像剤T1の一部が掻き落とされる。
【0119】
図28(E)に示すように、現像剤収容器30は、シャッタ40の+X方向の先端部40aに供給口32の内壁面から落下した現像剤(符号T5で示す)が付着した状態で-X方向に取り外される。
【0120】
図28(F)に示すように、保持ユニット20から取り外された現像剤収容器30では、シャッタ40の先端部40aに現像剤T5が付着している。そのため、シャッタ40の先端部40aから現像剤T5がこぼれ落ち、現像剤収容器30の周囲(例えば、現像剤収容器30を置いた机の上など)が汚れる可能性がある。
【0121】
図29は、実施の形態1の現像剤収容器30と保持ユニット20とを模式的に示す概念図である。実施の形態1では、現像剤収容器30のシャッタ40が+X方向(すなわち現像剤収容器30の装着方向)の先端にシャッタ側当接部42を有し、その下側(すなわちシャッタ側当接部42を挟んで筐体31と反対の側)に凸部41を有する。また、現像剤収容器30が保持ユニット20に装着された状態では、シャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26に入り込む。
【0122】
そのため、
図20(A)~
図24(B)を参照して説明した現像剤収容器30の取り外し動作において、現像剤収容器30の供給口32等の内壁面から掻き落とされた現像剤T2,T3が、
図24(B)に示したようにシャッタ40の凸部41上で保持される。
【0123】
そのため、現像剤収容器30を保持ユニット20から取り外した後も、シャッタ40の凸部41上で現像剤が保持され、外部にこぼれ落ちにくい。これにより、取り外した現像剤収容器30の周囲が現像剤で汚れることが防止される。
【0124】
また、現像剤収容器30を保持ユニット20に装着すると、
図19(B)に示したようにシャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26に入り込むため、凸部41上に隙間が生じない。これにより、現像剤収容器30の取り出し時に凸部41上に付着する現像剤を少なくすることができる。
【0125】
なお、
図29に模式的に示すように、シャッタ40のカバー部43のカバー面43aと凸部41の平面部41aとのZ方向の距離Lは、5mm以下であることが望ましい。距離Lが5mm以下であれば、現像剤収容器30とシャッタ40の凸部41との隙間にユーザの指が入りにくいためである。
【0126】
図30は、シャッタ40の凸部41およびシャッタ側当接部42と、保持ユニット20のユニット側当接部25および凹部26とを示す模式図である。
図30に示すように、シャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26に係合すると、凸部41の平面部41aが凹部26の天面26aに当接する。
【0127】
そのため、現像剤収容器30の筐体31と保持ユニット20との間隔が一定に保たれる。これにより、上述した
図26(B)から
図27(B)に示したように、シール部材38が筐体31と保持ユニット20との間で押圧された状態で、保持ユニット20上を通過する。従って、保持ユニット20上に残っている現像剤T4(
図27(B))を効率よく除去することができる。
【0128】
また、凹部26がユニット側当接部25から+X方向に凹む距離L1は、凸部41がシャッタ側当接部42から+X方向に突出する距離L2よりも長い。そのため、シャッタ側当接部42とユニット側当接部25とを隙間なく当接させた状態で、凸部41と凹部26とを係合させることができる。
【0129】
なお、保持ユニット20のユニット側当接部25と凹部26の天面26aとの間には、凸部41の傾斜部41b(第1の傾斜部)に対応する傾斜部26b(第2の傾斜部)が形成されていることが望ましい。シャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26に入り込む際には、凸部41の傾斜部41bが保持ユニット20の傾斜部26bに当接する。
【0130】
現像剤収容器30の筐体31はシール部材(弾性部材)38の押圧力によって+Z方向に付勢されており、シャッタレール34とスライド部45の係合を介してシャッタ40も+Z方向に付勢されている。凸部41の傾斜部41bが保持ユニット20の傾斜部26bに当接することで、装着動作に伴ってシャッタ40が-Z方向にガイドされる。すなわち、シール部材38の押圧力により+Z方向に付勢されている現像剤収容器30の筐体31と、保持ユニット20との間隔が所定の間隔となるように、現像剤収容器30が-Z方向に誘導される。
【0131】
これにより、保持ユニット20の当該部分201と筐体31との間のシール部材38が圧縮されてZ方向の厚さD1が減少する。その結果、シール部材38による保持ユニット20の受入口27の周囲の清掃効果を高めることができる。
【0132】
<実施の形態1の効果>
以上説明したように、実施の形態1の現像剤供給装置50は、現像剤収容器30と保持ユニット20(現像剤収容器保持部)とを備える。現像剤収容器30は、筐体31の供給口32を開閉するシャッタ40(開閉部材)と、筐体31とシャッタ40との間に設けられたシール部材38とを有する。シャッタ40は、現像剤収容器30の供給口32を塞ぐカバー面43aを有するカバー部43と、カバー部43から+X方向(現像剤収容器30の装着方向)に突出した凸部41(突出部)を有する。凸部41は、カバー面43aから保持ユニット20側に離間した位置に設けられている。保持ユニット20は、現像剤収容器30が保持ユニット20に装着された状態で凸部41と係合する凹部26(係合部)を有する。
【0133】
シャッタ40が凸部41を有するため、現像剤収容器30を保持ユニット20から取り外すと、取り外し中に供給口32の内壁面から落下した現像剤がシャッタ40の凸部41で保持される。そのため、取り外し後の現像剤収容器30の外部に現像剤がこぼれ落ちることを防止することができる。その結果、現像剤収容器30の周囲が現像剤で汚れることを防止することができる。
【0134】
また、凸部41と凹部26とが係合してから、供給口32と受入口27とが対向するまでの間に、凹部26の一部(天面26a)が凸部41とシール部材38との間に位置付けられるため、現像剤収容器30の取り外し時に凸部41上に付着する現像剤の量を低減することができる。
【0135】
また、シャッタ40の凸部41が保持ユニット20の凹部26に係合した状態で、現像剤収容器30が装着位置(すなわち供給口32と受入口27とが連通する位置)まで移動することにより、シャッタ40が供給口32を開放する。そのため、供給口32と受入口27とが対向している状態でのみシャッタ40が開放されることになり、現像剤の漏れを確実に防止することができる。
【0136】
変形例1.
次に、実施の形態1の変形例1について説明する。
図31は、変形例1におけるシャッタ40と保持ユニット20との係合部分を示す拡大図である。なお、
図31では、+X方向(第1の方向)を矢印A1で示し、-X方向(第2の方向)を矢印A2で示し、現像剤収容器30側を矢印B1で示し、保持ユニット20側を矢印B2で示している。
【0137】
実施の形態1のシャッタ40では、
図30に示したように、凸部41の上面全体が平面部41aであり、この平面部41aが保持ユニット20の凹部26の天面26aに接していた。
【0138】
これに対し、変形例1では、
図31に示すように、凸部41の平面部41aに対して-X方向(第2の方向)に、穴部41cが形成されている。すなわち、凸部41はシャッタ側当接部42から+X方向(第1の方向:矢印A1)に突出しているが、この凸部41の現像剤収容器30側(矢印B1側)で且つ-X方向側(第2の方向側:矢印A2側)に、穴部41cが形成されている。言い換えると、凸部41の平面部41a(凹部26の天面26aに接触する接触部)とシャッタ側当接部42との間に、穴部41cが形成されている。
【0139】
このように構成されているため、上述した
図22(B)から
図23(B)のように凸部41が凹部26から抜け出す際に、凸部41上に落下した現像剤が穴部41cで保持される。また、現像剤収容器30を保持ユニット20から取り外した後も現像剤が穴部41c内で保持されるため、現像剤収容器30に衝撃が加わっても現像剤の飛散が生じにくい。その結果、現像剤収容器30の周囲が現像剤で汚れることを防止する効果を高めることができる。
【0140】
ここでは凸部41の平面部41aに対して-X方向に穴部41cを設けたが、平面部41aを-X方向に進むほど-Z方向に変位するように傾斜させてもよい。その場合には、平面部41aの最下点を含む部分が、穴部に相当する。
【0141】
変形例2.
次に、実施の形態1の変形例2について説明する。
図32(A)は、実施の形態1における現像剤収容器30の供給口32とその周囲を示す拡大図である。
図32(B)は、変形例2における現像剤収容器30の供給口32とその周囲を示す拡大図である。
【0142】
実施の形態1では、
図32(A)に示すように、供給口32の内壁面32aはZ方向と平行であり、供給口32の上端部(+Z方向端部)の内部寸法W1と、供給口32の下端部(-Z方向端部)の内部寸法W2とが等しい(W1=W2)。
【0143】
これに対し、変形例2では、
図32(B)に示すように、供給口32の内壁面32aはZ方向に対して傾斜しており、供給口32の上端部の内部寸法W3よりも、供給口32の下端部の内部寸法W4が大きい(W3<W4)。
【0144】
このように構成されているため、現像剤収容器30から現像剤を排出する際に、供給口32の内壁面32a(特に、内壁面32aの下側領域)に付着しにくくなる。そのため、使用済みの現像剤収容器30の取り外し時にシャッタ側当接部42に付着する現像剤の量が減少する。その結果、現像剤収容器30の周囲が現像剤で汚れることを防止する効果をさらに高めることができる。
【0145】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。
図33は、実施の形態2の画像形成装置1Aの基本構成を示す図である。画像形成装置1Aは、画像形成部11K,11Y,11M,11Cを除き、実施の形態1の画像形成装置1(
図1)と同様に構成されている。
【0146】
画像形成部11K,11Y,11M,11Cは、それぞれ、画像形成ユニット110K,110Y,110M,110Cと、現像剤収容器としての現像剤収容器80K,80Y,80M,80Cとを有する。
【0147】
画像形成部11K,11Y,11M,11Cは、特に区別する必要がない場合には「画像形成部11」と称する。画像形成ユニット110K,110Y,110M,110Cは、特に区別する必要がない場合には「画像形成ユニット110」と称する。現像剤収容器80K,80Y,80M,80Cは、特に区別する必要がない場合には「現像剤収容器80」と称する。
【0148】
図34は、画像形成部11の基本構成を示す図である。
図34に示すように、画像形成部11は、画像形成ユニット110と、現像剤収容器としての現像剤収容器80とを有する。現像剤収容器80は、画像形成ユニット110に着脱可能に取り付けられている。実施の形態2では、実施の形態1で説明した保持ユニット20(
図2)が設けられていない。
【0149】
画像形成ユニット110は、実施の形態1の画像形成ユニット100と同様、感光体ドラム101と、帯電ローラ102と、現像ローラ103と、供給ローラ104と、現像ブレード105と、クリーニング部材106とを有する。これらの構成は、実施の形態1で説明した通りである。
【0150】
画像形成ユニット110は、現像剤収容器保持部としてのユニット筐体70を有する。現像剤収容器80は、ユニット筐体70に着脱可能に取り付けられる。現像剤収容器80およびユニット筐体70は、画像形成ユニット110に現像剤を供給する現像剤供給装置60を構成する。
【0151】
図35は、現像剤収容器80とユニット筐体70とを示す斜視図である。
図36は、現像剤収容器80を示す斜視図である。
図37は、現像剤収容器80を
図36とは別の角度から見た斜視図である。
図38は、現像剤収容器80の供給口82(後述)が開放された状態を示す斜視図である。
【0152】
以下では、視線方向を+X方向とした場合の時計回り方向をR1方向とし、反時計回り方向をR2方向とする。後述するように、現像剤収容器80はR1方向に回転してユニット筐体70上の装着位置に装着され、R2方向に回転して装着位置から取り外される(
図44(A)~
図45(B))。
【0153】
そのため、R1方向は装着方向(または第1の方向)とも称し、R2方向は取り外し方向(または第2の方向)とも称する。なお、供給口82の開閉時には、シャッタ90を静止させた状態で現像剤収容器80の筐体81が回転する。
【0154】
図35および
図36に示すように、現像剤収容器80は、その外郭を構成する筐体81を有する。筐体81はX方向に長く、外壁部81aと底部81bとを有する。外壁部81aはX方向に直交する断面形状が矩形状であり、底部81bはX方向に直交する断面形状が略半円筒状である。但し、筐体81の形状はこのような形状には限定されない。
【0155】
筐体81の内側は、現像剤を収容する現像剤収容部となっている。筐体81の内部には、現像剤を撹拌する撹拌部材801(
図41(B))が設けられている。筐体81の-X方向端部には、撹拌部材801に連結されたギア802が配置されている。
【0156】
筐体81の外壁部81aの-X方向端部には、また、第1の挿抜ガイドとしてのロック溝部83が設けられている。ロック溝部83には、現像剤収容器80をユニット筐体70に取り付ける際に、ユニット筐体70のガイドリブ72a(後述)が挿入される。
【0157】
ロック溝部83は、ガイドリブ72aがZ方向に挿入される開口部83aを有する。またロック溝部83は、当該ロック溝部83が回転した際に(開口部83aから挿入された)ガイドリブ72aに係合する円弧状のロック部83bと、ガイドリブ72aに当該回転の方向に当接するストッパ部83cとを有する。
【0158】
筐体81の底部81bには、供給口82(
図38)が形成されている。筐体81の底部81bには、供給口82を囲むように、スポンジ等の弾性体で形成された弾性部材としてのシール部材88(
図38)が取り付けられている。
【0159】
現像剤収容器80は、筐体81の供給口82を開閉する開閉部材としてのシャッタ90を有する。筐体81の底部81bには、シャッタ90をX方向の仮想軸を中心とする回転方向に案内する一対のシャッタレール84が形成されている。シャッタ90は、シャッタレール84に案内されて回転し、
図38に示す開位置で供給口82を開放し、
図37に示す閉位置で供給口82を閉鎖する。
【0160】
シャッタレール84のR1方向の端部には、シャッタ90のR1方向の相対移動を規制するストッパ85(
図38)が形成されている。ストッパ85は、例えば、シャッタレール84のR1方向の端部から径方向内側に屈曲する屈曲部である。
【0161】
現像剤収容器80の筐体81において、2つのシャッタレール84のうち-X方向に配置されたシャッタレール84に隣接するように、第1の位置決め部としてのラッチ86が形成されている。ラッチ86は、筐体81の底部81bの表面から一段低く形成されたエリア81cに形成されている。
【0162】
ラッチ86は、シャッタ90の回転方向に長い片持ち梁として形成されている。ラッチ86のR2方向の端部は筐体81に接続され、ラッチ86のR1方向の端部(自由端)には当接部86a(
図38)を有する。
【0163】
図39は、シャッタ90を示す斜視図である。
図40は、シャッタ90を
図39とは異なる方向から見た斜視図である。
図39に示すように、シャッタ90は、供給口82を覆うカバー部93を有する。カバー部93は、供給口82に面するカバー面93aを有する。カバー面93aは円筒面の一部をなしている。
【0164】
図40に示すように、カバー部93のX方向両端には、筐体81のシャッタレール84に係合する第2の開閉ガイドとしてのスライド部95(
図40)が形成されている。スライド部95はカバー部93のX方向の各端部に2つずつ設けられているが、R1方向側に位置するスライド部95のR1方向の端部には、ストッパ面95aが形成されている。
【0165】
また、シャッタ90の-X方向の端部には、筐体81のラッチ86(
図35)に係合する第2の位置決め部としての突起部96が形成されている。シャッタ90の突起部96と筐体81のラッチ86との係合により、シャッタ90が供給口82を閉鎖する閉位置でロックされる。
【0166】
シャッタ90のR1方向の先端には、第1の当接部(または第1の移動規制部)としてのシャッタ側当接部92が形成されている。シャッタ側当接部92は、例えば、R1方向に直交する端面である。
【0167】
シャッタ90のR1方向の先端には、また、凸部91が形成されている。凸部91は、シャッタ側当接部92に対して筐体81と反対側に形成され、シャッタ側当接部92よりもR1方向に突出している。凸部91は、筐体81側の面である平面部91aと、平面部91aに対して傾斜した傾斜部91bとを有する。傾斜部91bは、平面部91aに対してR1方向に位置している。傾斜部91bは、R1方向に進むほどカバー面93aを含む仮想円筒面から離間する方向に傾斜している。
【0168】
図39に示すように、シャッタ90のカバー面93aと反対側の裏面93bには、凸部91のR2方向に隣接する傾斜部98が形成されている。傾斜部98は、R2方向に進むほど裏面93bを含む仮想円筒面に近づくように傾斜している。傾斜部98は、現像剤収容器80がユニット筐体70に装着された状態で、後述する弾性係止部73に当接する部分である。
【0169】
図35に示すように、ユニット筐体70は、現像剤収容器80を載せる支持面であるトレイ71を有する。トレイ71は、X方向の仮想軸を中心とする円筒面の一部をなしている。トレイ71上で、現像剤収容器80が回転可能に支持される。
【0170】
トレイ71のX方向両側には、一対の壁部72が設けられている。各壁部72には、現像剤収容器80のロック溝部83に係合する第2の挿抜ガイドとしてのガイドリブ72aが形成されている。
【0171】
ユニット筐体70のトレイ71のX方向の略中央には、現像剤収容器80から供給された現像剤を受け入れる受入口77が形成されている。受入口77が受け入れた現像剤は、画像形成ユニット110に供給される。受入口77の周囲を囲むようにシール部材を配置してもよい。
【0172】
ユニット筐体70は、また、受入口77のR2方向に隣接して、第2の当接部(または第2の移動規制部)としてのユニット側当接部75を有する。ユニット側当接部75は、シャッタ90の後述するシャッタ側当接部92に当接して、シャッタ90の回転を規制するものである。ユニット側当接部75は、例えば現像剤収容器80の回転方向に直交する端面である。
【0173】
ユニット側当接部75の下方(-Z方向)には、係合部としての凹部76が形成されている。凹部76は、シャッタ90の後述する凸部91が入り込むスペースである。トレイ71の凹部76のR2方向に隣接して、開閉係止部としての弾性係止部73(
図41(B))が配置されている。弾性係止部73については後述する。
【0174】
ユニット筐体70は、また、ロック解除ポスト74を有する。ロック解除ポスト74は、現像剤収容器80のラッチ86の当接部86aに当接してラッチ86を撓ませ、ラッチ86とシャッタ90の突起部96との係合を解除するものである。
【0175】
<現像剤収容器80の装着動作>
次に、現像剤収容器80のユニット筐体70への装着動作について説明する。
図41(A),(B)は、現像剤収容器80の装着動作の第1段階を示す図である。
図41(A)は現像剤収容器80のX方向端部を示し、
図41(B)は現像剤収容器80のX方向中央部、すなわち供給口82を含む部分を示している。
【0176】
図41(A)に示すように、現像剤収容器80は、まずユニット筐体70に-Z方向に載置される。この段階では、
図41(B)に示すように、シャッタ90は、ラッチ86(
図35)と突起部96との係合により現像剤収容器80の筐体81に係止され、供給口82を閉鎖する閉位置にある。
【0177】
また、ユニット筐体70において、凹部76のR2方向には、弾性係止部73が配置されている。弾性係止部73は、シャッタ90の凸部91に接触する接触部73aと、トレイ71に形成された付勢部73bとを有する。接触部73aと付勢部73bとは弾性体で一体に形成してもよく、弾性体で形成した付勢部73bに接触部73aを固定してもよい。なお、弾性係止部73は、上述した
図35では省略されている。
【0178】
図42(A),(B)は、現像剤収容器80の装着動作の第2段階を示す図である。
図42(A)は現像剤収容器80のX方向端部を示し、
図42(B)は現像剤収容器80のX方向中央部、すなわち供給口82を含む部分を示している。
【0179】
図42(A)に示すように、現像剤収容器80は、ロック溝部83をガイドリブ72aに係合させながら、ユニット筐体70に-Z方向に載置される。ガイドリブ72aはロック溝部83の開口部83aを介して、ロック溝部83の内部に侵入する。この段階でも、
図42(B)に示すように、シャッタ90は供給口82を閉鎖する閉位置にある。
【0180】
図43(A),(B)は、現像剤収容器80の装着動作の第3段階を示す図である。
図43(A)は現像剤収容器80のX方向端部を示し、
図43(B)は現像剤収容器80のX方向中央部、すなわち供給口82を含む部分を示している。
【0181】
図43(A)に示すように、現像剤収容器80をさらに-Z方向に移動させると、ユニット筐体70のガイドリブ72aが、完全にロック溝部83内に入り込む。また、
図43(B)に示すように、現像剤収容器80の底部81bがユニット筐体70のトレイ71に当接する。これにより、現像剤収容器80がユニット筐体70のトレイ71上で回転可能に保持された状態となる。
【0182】
さらに、シャッタ90の凸部91が、ユニット筐体70の弾性係止部73の接触部73aに当接して-Z方向に押し下げ、付勢部73bを圧縮する。
【0183】
図44(A),(B)は、現像剤収容器80の装着動作の第4段階を示す図である。
図44(A)は現像剤収容器80のX方向端部を示し、
図44(B)は現像剤収容器80のX方向中央部、すなわち供給口82を含む部分を示している。
【0184】
図44(A)に示すように、現像剤収容器80をR1方向に回転させると、現像剤収容器80のロック溝部83の円弧状のロック部83bが、ユニット筐体70のガイドリブ72aの-Z方向の端部に当接する。これにより、現像剤収容器80はユニット筐体70から外れないようにロックされる。
【0185】
図44(B)に示すように、シャッタ90のシャッタ側当接部92がユニット筐体70のユニット側当接部75に当接し、シャッタ90の凸部91がユニット筐体70の凹部76に入り込む。これによりシャッタ90のR1方向の回転が規制される。
【0186】
さらに、ユニット筐体70のロック解除ポスト74(
図35)が、現像剤収容器80のラッチ86の当接部86a(
図38)に当接し、ラッチ86を撓ませる。これにより、ラッチ86とシャッタ90の突起部96(
図35)との係合が解除され、シャッタ90は現像剤収容器80の筐体81に対して相対的に回転可能となる。
【0187】
図45(A),(B)は、現像剤収容器80の装着動作の第5段階を示す図である。
図45(A)は現像剤収容器80のX方向端部を示し、
図45(B)は現像剤収容器80のX方向中央部、すなわち供給口82を含む部分を示している。
【0188】
図45(A)に示すように、現像剤収容器80をさらにR1方向に回転させると、ロック溝部83のストッパ部83cがガイドリブ72aの側面に周方向に当接する。これにより、現像剤収容器80のR1方向の回転が規制される。すなわち、現像剤収容器80が装着位置に到達する。
【0189】
図45(B)に示すように、シャッタ90のR1方向への移動は規制されているため、シャッタ90を残して現像剤収容器80の筐体81がR1方向に回転し、供給口82が開放される。言い換えると、シャッタ90が現像剤収容器80の筐体81に対して相対的にR2方向に回転し、供給口82を開放する。これにより、現像剤収容器80の供給口82と、ユニット筐体70の受入口77とが連通する。すなわち、現像剤収容器80内の現像剤が、供給口82から受入口77に供給可能な状態となる。
【0190】
また、画像形成装置1A内に設けられた駆動ギアによってギア802(
図35)が回転し、撹拌部材801が回転する。これにより、現像剤収容器80内の現像剤が撹拌され、供給口82から受入口77に供給される。受入口77に搬送された現像剤は、画像形成ユニット110(
図33)に供給される。すなわち、画像形成装置1Aの印刷動作が可能になる。
【0191】
<現像剤収容器80の取り外し動作>
次に、使用済みの現像剤収容器80のユニット筐体70からの取り外し動作について説明する。
図46(A)~(C)は、現像剤収容器80の取り外し動作の第1段階、第2段階および第3段階を示す断面図である。
図46(A)~(C)はいずれも、現像剤収容器80の供給口82を含む部分における断面図である。
【0192】
現像剤収容器80の使用済みの状態、すなわち現像剤収容器80内の現像剤を全て排出した状態では、
図46(A)に符号T1で示すように、供給口82、シール部材88および受入口77のそれぞれの内壁面に現像剤が付着している。
【0193】
現像剤収容器80が装着位置にあるときには、シャッタ90の傾斜部98と弾性係止部73との当接により、シャッタ90の-X方向の移動は規制されている。
【0194】
そのため、
図46(B)に示すように、現像剤収容器80をR2方向に回転させると、シャッタ90を残して現像剤収容器80の筐体81がR2方向に回転する。言い換えると、シャッタ90が現像剤収容器80の筐体81に対して相対的にR1方向に移動し、供給口82を閉鎖する。
【0195】
現像剤収容器80のR2方向の回転に伴い、現像剤収容器80の供給口82のR2方向の上流側および下流側の内壁面がシャッタ側当接部92上を通過する。このとき、供給口82の当該内壁面に付着した現像剤がシャッタ側当接部92に掻き落とされ、符号T2で示すようにシャッタ側当接部92に付着する。
【0196】
シャッタ90が供給口82を閉鎖する閉位置に達すると、現像剤収容器80のラッチ86(
図35)とシャッタ90の突起部96とが係合し、且つ現像剤収容器80のストッパ85とシャッタ90のストッパ面95a(
図40)とが当接する。これにより、シャッタ90の現像剤収容器80の筐体81に対する相対移動が規制される。すなわち、シャッタ90が現像剤収容器80の筐体81と一体となって移動する状態となる。
【0197】
シャッタ90の傾斜部98はユニット筐体70の弾性係止部73に当接しているが、ユーザが現像剤収容器80を引っ張る力F3は、傾斜部98が弾性係止部73から受ける抵抗力F4の最大値よりも大きいため(F3>F4)、弾性係止部73の付勢部73bが圧縮され、シャッタ90の回転規制が解除される。これにより、現像剤収容器80(シャッタ90を含む)はR2方向に回転可能になる。
【0198】
図46(C)に示すように、現像剤収容器80をさらにR2方向に回転させると、シャッタ90のシャッタ側当接部92がユニット筐体70のユニット側当接部75からR2方向に離間し、シャッタ90の凸部91がユニット筐体70の凹部76からR2方向に抜け出す。
【0199】
このとき、シャッタ側当接部92に付着していた現像剤T2の一部が落下し、符号T3で示すように凸部91の平面部91a上に付着する。
【0200】
この状態では、上述した
図42(A)に示すように、ユニット筐体70のガイドリブ72aがロック溝部83のロック部83bから外れて、開口部83aに達している。そのため、現像剤収容器80を+Z方向に持ち上げることで、現像剤収容器80をユニット筐体70から取り外すことができる。
【0201】
すなわち、現像剤収容器80は、シャッタ側当接部92に現像剤T2が付着し、凸部91の平面部91a上に現像剤T3が付着した状態で、ユニット筐体70から取り外される。
【0202】
現像剤収容器80が取り外された状態で、シャッタ側当接部92に現像剤T2が付着し、凸部91の平面部91a上に現像剤T3が付着した状態が保たれるため、現像剤収容器80の周囲が現像剤で汚れることが防止される。
【0203】
図47は、現像剤収容器80が上記の装着位置(
図45(B))にあるときの現像剤収容器80の供給口82の周囲を示す図である。シャッタ90の凸部91がユニット筐体70の凹部76に係合すると、凸部91の平面部91aが凹部76の天面76aに当接する。そのため、現像剤収容器80の筐体81とユニット筐体70との間隔が一定に保たれる。
【0204】
そのため、上述した
図44(B)から
図45(B)に示したように、シール部材88が筐体81とユニット筐体70との間で押圧された状態で、ユニット筐体70上を通過する。従って、現像剤収容器80の取り出し時に凸部91上に付着する現像剤の量を低減することができる。また、実施の形態1で
図26(A)~
図27(B)を参照して説明したように、現像剤収容器80を少なくとも一度取り外したユニット筐体70に新たに現像剤収容器80を装着する際に、ユニット筐体70の受入口77の周囲に残る現像剤を効率よく除去することができる。
【0205】
また、凹部76がユニット側当接部75からR1方向に凹む距離L1は、凸部91がシャッタ側当接部92からR1方向に突出する距離L2よりも大きい。そのため、シャッタ側当接部92とユニット側当接部75とを隙間なく当接させた状態で、凸部91を凹部76に係合させることができる。
【0206】
<実施の形態2の効果>
以上説明したように、実施の形態2では、現像剤収容器80が、筐体81の供給口82を開閉するシャッタ90(開閉部材)と、筐体81とシャッタ90との間に設けられたシール部材88とを有する。シャッタ90は、現像剤収容器80の供給口82を塞ぐカバー面93aを有するカバー部93と、カバー部93からR1方向(現像剤収容器80の装着方向)に突出した凸部91(突出部)を有する。凸部91は、カバー面93aからユニット筐体70側に離間した位置に設けられている。ユニット筐体70は、現像剤収容器80がユニット筐体70に装着された状態で凸部91と係合する凹部76(係合部)を有する。
【0207】
シャッタ90が凸部91を有するため、現像剤収容器80をユニット筐体70から取り外すと、取り外し中に供給口82の内壁面から落下した現像剤がシャッタ90の凸部91上で保持される。そのため、現像剤収容器80の外部に現像剤がこぼれ落ちることを防止することができる。すなわち、現像剤収容器80の周囲が現像剤で汚れることを防止することができる。
【0208】
また、凸部91と凹部76とが係合してから、供給口82と受入口77とが対向するまでの間に、凹部76の一部(天面76a)が凸部91とシール部材88との間に位置付けられるため、現像剤収容器80の取り外し時に凸部91上に付着する現像剤の量を低減することができる。
【0209】
また、シャッタ90の凸部91がユニット筐体70の凹部76に係合した状態で、現像剤収容器80が装着位置(供給口82と受入口78とが対向する位置)まで移動することによって、シャッタ90が供給口82を開放する。これにより、供給口82と受入口77とが対向している状態でのみシャッタ90が開放されることとなり、現像剤の漏れを確実に防止することができる。
【0210】
変形例.
次に、実施の形態2の変形例について説明する。
図48は、変形例の現像剤収容器80とユニット筐体70との係合部分を示す図である。
【0211】
実施の形態2(
図47)では、凸部91と凹部76とが係合している状態で、凸部91の平面部91aが水平、すなわちXY面に平行であった。これに対し、
図48に示す変形例では、凸部91と凹部76とが係合している状態で、凸部91の平面部91aが、R2方向に進むほど(すなわちシャッタ側当接部92に近付くほど)-Z方向に変位するように傾斜している。
【0212】
すなわち、
図48に示す変形例では、凸部91と凹部76とが係合している状態で、凸部91の現像剤収容器30側で鉛直方向の最も下側の点を最下点Bとすると、凸部91の現像剤収容器30側で最下点BよりもR1方向(第1の方向)に位置する所定の箇所Cは、最下点Bよりも鉛直方向の上側に位置する。凸部91の箇所Cは、例えば、凹部76の天面76aと接触する接触部である。
【0213】
このように構成されているため、現像剤収容器80の取り外し時においてユニット側当接部75で掻き落とされて平面部91aに落下した現像剤が、平面部91a上でユニット側当接部75に近い側(すなわち奥側)に案内される。
【0214】
そのため、現像剤収容器80をユニット筐体70から取り外した後も、凸部91の平面部91aの奥側で現像剤が保持され、現像剤がこぼれ落ちにくい。その結果、現像剤収容器80の周囲が現像剤で汚れることを防止する効果を高めることができる。
【0215】
なお、この変形例では凸部91の平面部91aに傾斜を設けたが、凸部91の平面部91aとシャッタ側当接部92との間(すなわちR2方向)に、
図31に示した穴部41cのような穴部を設けてもよい。
【0216】
また、ユニット筐体70のユニット側当接部75と凹部76の天面76aとの間に、
図30に示した傾斜部26bのような傾斜部を設けてもよい。
【0217】
また、現像剤収容器80の供給口82に、
図32(B)に示した供給口32の内壁面32aのような傾斜を設けてもよい。
【0218】
以上、望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではなく、各種の改良または変形を行なうことができる。上記の各実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。
【0219】
ここでは画像形成装置の一例としてプリンタについて説明したが、上記各実施の形態の画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、MFP(MultiFunction Peripherals)等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0220】
1,1A 画像形成装置、 10,10K,10Y,10M,10C 画像形成部(現像装置)、 11,11K,11Y,11M,11C 画像形成部(現像装置)、 20,20K,20Y,20M,20C 保持ユニット(現像剤収容器保持部)、 21 トレイ(支持面)、 22 ガイド壁(第2の挿抜ガイド)、 23 板バネ部、 24 ロック解除ポスト、 25 ユニット側当接部(第2の当接部)、 26 凹部(係合部)、 26a 天面、 26b 傾斜部、 27 受入口、 28 シール部材(弾性部材)、 30,30K,30Y,30M,30C 現像剤収容器、 31 筐体、 32 供給口、 32a 内壁面、 33 ガイドリブ(第1の挿抜ガイド)、 34 シャッタレール(第1の開閉ガイド)、 35 ストッパ、 36 ラッチ(第1の位置決め部)、 37 把持部、 38 シール部材(弾性部材)、 40 シャッタ(開閉部材)、 41 凸部(突出部)、 41a 平面部、 41b 傾斜部、 41c 穴部、 42 シャッタ側当接部(第1の当接部)、 43 カバー部、 43a カバー面、 45 スライド部(第2の開閉ガイド)、 46 窪み(第2の位置決め部)、 47 傾斜部、 48 係合突起、 70 ユニット筐体(現像剤収容器保持部)、 71 トレイ、 72 壁部、 72a ガイドリブ(第1の挿抜ガイド)、 73 弾性係止部、 75 ユニット側当接部(第2の当接部)、 76 凹部(係合部)、 76a 天面、 77 受入口、 80,80K,80Y,80M,80C 現像剤収容器、 81 筐体、 82 供給口、 83 ロック溝部(第2の挿抜ガイド)、 84 シャッタレール(第1の開閉ガイド)、 86 ラッチ(第1の位置決め部)、 88 シール部材(弾性部材)、 90 シャッタ(開閉部材)、 91 凸部(突出部)、 91a 平面部、 91b 傾斜部、 92 シャッタ側当接部(第1の当接部)、 93 カバー部、 93a カバー面、 95 スライド部(第2の開閉ガイド)、 96 突起部(第2の位置決め部)、 98 傾斜部、 100,100K,100Y,100M,100C 画像形成ユニット、 101 感光体ドラム(像担持体)、 102 帯電ローラ(帯電部材)、 103 現像ローラ(現像剤担持体)、 104 供給ローラ(供給部材)、 106 ハウジング、 108 転写ローラ(転写部材)、 110,110K,110Y,110M,110C 画像形成ユニット、 120 媒体供給部、 130 転写ユニット、 140 定着装置、 150 媒体排出部、 301 搬送部材、 302 撹拌部材、 801 撹拌部材。