(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012425
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】半導体資材の切断方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20230118BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20230118BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20230118BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20230118BHJP
B24B 55/02 20060101ALI20230118BHJP
B24B 49/14 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
H01L21/78 C
H01L21/78 F
B24B27/06 M
B24B49/12
B24B55/06
B24B55/02 D
B24B49/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093331
(22)【出願日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0091847
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516294481
【氏名又は名称】韓美半導体株式会社
【氏名又は名称原語表記】HANMISEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】14, Gajwa-ro, 30beon-gil, Seo-gu, Incheon, Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イム ジェヨン
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C158
5F063
【Fターム(参考)】
3C034AA19
3C034BB73
3C034BB93
3C034CA13
3C034CA22
3C034CB20
3C047FF06
3C047FF11
3C047FF19
3C047GG07
3C047HH15
3C158AA03
3C158AB04
3C158AC02
3C158AC05
3C158BA07
3C158CA01
3C158CB01
5F063AA01
5F063BA17
5F063CA04
5F063DD06
5F063FF28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ブレードダイシング時の切削液の吹き付けによる被加工物の冷却に起因する収縮によって、切断後のパッケージの寸法精度が低下することを防止する半導体資材の切断方法を提供する。
【解決手段】方法は、切断過程での切削液噴射環境と類似の環境とするために予め切削液を吹き付けて半導体資材を収縮させ、その状態で半導体資材の分割予定ラインの位置をアラインし、これを基に切断することによって半導体資材の分割予定ライン位置と実際の分割ライン位置がずれず、切断品質を向上させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に半導体資材が真空吸着され、Y軸方向に移動及び回転可能な1対のチャックテーブルと、前記チャックテーブルに半導体資材を伝達するストリップピッカーと、前記チャックテーブルに吸着された半導体資材の上面に切削液を噴射して前記半導体資材を切断する切断ユニットと、前記チャックテーブルの移動経路上部に位置する洗浄ノズルと、を含む半導体資材の切断装置の半導体資材の切断方法であって、
ストリップピッカーが1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの上部に前記半導体資材を伝達するステップAと、
ビジョンにより前記チャックテーブルに伝達された前記半導体資材を撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニットにより前記半導体資材を切断するステップBと、
前記ステップBが実行される間、ストリップピッカーが1対のチャックテーブルのうち残り1つのチャックテーブルの上部に半導体資材を伝達し、前記残り1つのチャックテーブルが洗浄ノズルの下部へ移動して前記チャックテーブルの上部に真空吸着された半導体資材の上面に洗浄液を噴射して前記半導体資材を冷却させ、冷却された前記半導体資材の上面にエアーを噴射して前記半導体資材の水気を除去するステップCと、及び、
冷却された前記半導体資材をビジョンで撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニットにより前記半導体資材を切断するステップDと、を含む半導体資材の切断方法。
【請求項2】
前記ステップBを実行する前に、
前記チャックテーブルが前記洗浄ノズルの下部へ移動し、前記チャックテーブルの上部に真空吸着された半導体資材の上面に洗浄液を噴射して前記半導体資材を冷却し、冷却された前記半導体資材の上面にエアーを噴射して前記半導体資材の水気を除去するステップB0を更に含む請求項1に記載の半導体資材の切断方法。
【請求項3】
前記ステップB0または前記ステップCにおいて、
水気を除去する前または水気を除去した後に温度センサーを利用して、洗浄液を噴射して冷却が行われた半導体資材の温度を測定するステップを更に含み、
前記測定された温度が予め設定された温度範囲に到達した場合、ステップBまたはステップDを実行し、
予め設定された温度範囲に到達できない場合、前記半導体資材の上面に洗浄液を追加して噴射する請求項2に記載の半導体資材の切断方法。
【請求項4】
前記ステップAを実行する前に、
半導体資材の種類による洗浄液の噴射時間、または洗浄液の噴射回数及び半導体資材の温度変化との相関関係データを用意するステップA01と、及び、
切断される前記半導体資材を所定の温度で冷却させるために、前記相関関係データを基にして洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を設定するステップA02を更に含み、
前記ステップCは、前記ステップA02で設定された洗浄液の噴射時間、または洗浄液の噴射回数により前記半導体資材の上面に洗浄液を噴射する請求項1に記載の半導体資材の切断方法。
【請求項5】
前記ステップA02において、
前記切断される半導体資材のうち最初の切断される半導体資材を基準資材として選定し、前記基準資材の温度を測定するステップを更に含み、
前記測定された温度を基に前記半導体資材を所定の温度で冷却させるための洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を切断される半導体資材の基準値に設定する請求項4に記載の半導体資材の切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体資材の切断装置を利用して、半導体資材を個別の半導体パッケージに切断するための半導体資材の切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体資材の切断装置は、半導体資材をチャックテーブルに吸着させた状態でビジョンを通じて半導体資材の分割予定ラインを検査する。半導体資材は、ビジョンを通じて検査された分割予定ラインに沿ってブレードにより切断されることができる。
【0003】
半導体資材の切断時、切削液供給ノズルを通じてブレード及び半導体資材側に切削液が噴射されることができる。この時、切削液はブレードに発生する摩擦熱を冷却させるためにブレードと半導体資材に向かって噴射され、切削液が半導体資材の表面と衝突した後に飛散して周囲の熱を奪うため、半導体資材はこのような切削液によって切断過程を実行する前の温度よりも低い温度を有することになる。
【0004】
したがって、半導体資材の表面温度は半導体資材をビジョンで検査した時点よりも低くなって収縮される。
【0005】
一方、チャックテーブルは吸着ホールを通じて半導体資材を吸着することができる。この時、チャックテーブルに半導体資材が吸着した状態でも、吸着ホールと半導体資材の界面に隙間が存在することができる。切削液とエアーはこのような隙間に迅速に流入されることができる。これによって、チャックテーブルの温度は更に低くなって冷却される。チャックテーブルに吸着された半導体資材の温度は、冷却されたチャックテーブルによって更に低くなってしまう。
【0006】
このように、半導体資材は切削液及びチャックテーブルの低い温度によって冷却して収縮されてしまう。特に複数のチャックテーブルにて半導体資材の切断装置を構成する場合、1つのチャックテーブルにより半導体資材を切断する間に、残りのチャックテーブルではビジョン検査を実行し、ビジョン検査が完了された残りのチャックテーブルの半導体資材は、切断中のチャックテーブルの切断が完了するまでに、待ち時間が存在するので半導体資材の収縮が更に大きくなるおそれがある。
【0007】
ところで、半導体資材の切断時、ブレードはビジョン検査過程により検査された最初の分割予定ラインに沿って半導体資材を切断する。換言すれば、ブレードは、切削液及びチャックテーブルによって温度が低くなる前の半導体資材の分割予定ラインに沿って切断過程を実行する。
【0008】
切断過程のうち、半導体資材は切削液及びチャックテーブルの冷却状態によって収縮され、半導体資材の収縮により半導体資材の分割予定ラインの位置が変化する。しかし、ブレードは収縮する前のビジョン検査過程により検査された半導体資材の分割予定ラインに基づいて切断過程を実行する。これにより、ビジョンを通じて検査された最初の分割予定ラインの位置によって半導体資材の切断が実行されるので、実際の切断時に収縮された半導体資材の分割予定ラインの位置オフセット値を反映できないため、実際の切断された分割ラインの位置が変わって切断品質が低下し、切断精密度が落ちる問題を招くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許登録第10-1519470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前述した問題を解決するために発明されたものであり、半導体資材に対する分割予定ラインを検出する時、半導体資材が実際に切断される環境と同じ環境を作った状態で、ビジョン検査(アライン)を実行して切断精密度を確保することを目的とする。
【0011】
すなわち、本発明の半導体資材の切断方法は、切断過程を実行する前に半導体資材を予め冷却させることによって、冷却及び収縮された状態の半導体資材の分割予定ライン位置に基づいて切断過程が実行されるようにして、半導体資材の分割予定ライン位置と実際の切断された分割ライン位置のずれが生じないように切断品質を向上させることを目的とする。
【0012】
また、本発明は1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの上部に伝達された半導体資材を切断する間に、残り1つのチャックテーブルに伝達された半導体資材を冷却収縮させてビジョン検査を同時に実行することによって、UPHを低下させない半導体資材の切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の1つ特徴による半導体資材の切断方法は、上部に半導体資材が真空吸着され、Y軸方向に移動及び回転可能に設けられる1対のチャックテーブル、前記チャックテーブルに半導体資材を伝達するストリップピッカーと、前記チャックテーブルに吸着された半導体資材の上面に切削液を噴射して前記半導体資材を切断する切断ユニットと、及び、前記チャックテーブルの移動経路の上部に設けられる洗浄ノズルを含む半導体資材の切断装置の半導体資材の切断方法において、
ストリップピッカーが1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの上部に前記半導体資材を伝達するステップAと、
ビジョンにより前記チャックテーブルに伝達された前記半導体資材を撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニットにより前記半導体資材を切断するステップBと、
前記ステップBが実行される間、ストリップピッカーが1対のチャックテーブルのうち残り1つのチャックテーブルの上部に半導体資材を伝達し、前記残り1つのチャックテーブルが洗浄ノズルの下部へ移動して、前記チャックテーブルの上部に真空吸着された半導体資材の上面に洗浄液を噴射して前記半導体資材を冷却し、冷却された前記半導体資材の上面にエアーを噴射して前記半導体資材の水気を除去するステップCと、及び、
冷却された前記半導体資材をビジョンにより撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニットにより前記半導体資材を切断するステップDを含む、ことを特徴とする。
【0014】
また、前記ステップBを実行する前に、前記チャックテーブルが前記洗浄ノズルの下部へ移動して、前記チャックテーブルの上部に真空吸着された半導体資材の上面に洗浄液を噴射して前記半導体資材を冷却し、冷却された前記半導体資材の上面にエアーを噴射して、前記半導体資材の水気を除去するステップB0を更に含む、ことを特徴とする。
【0015】
また、前記ステップB0または前記ステップCにおいて、水気を除去する前または水気を除去した後に、温度センサーを利用して洗浄液を噴射して冷却が実行された半導体資材の温度を測定するステップを更に含み、前記測定された温度が予め設定された温度範囲に到達した場合、ステップBまたはステップDを実行し、予め設定された温度範囲に到達しない場合、前記半導体資材の表面に洗浄液を追加噴射する、ことを特徴とする。
【0016】
また、前記ステップAを実行する前に、半導体資材の種類によった洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数と半導体資材の温度変化との相関関係データを準備するステップA01と、及び、切断される前記半導体資材を所定の温度で冷却させるために、前記相関関係データを基にして洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を設定するステップA02を更に含み、前記ステップCは、前記ステップA02により設定された洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数によって前記半導体資材の上面に洗浄液を噴射する、ことを特徴とする。
【0017】
また、前記ステップA02で前記切断される半導体資材のうち最初の切断される半導体資材を基準資材として選定し、前記基準資材の温度を測定するステップを更に含み、前記測定された温度を基に前記半導体資材を所定の温度で冷却させるための洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を切断される半導体資材の基準値に設定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明による半導体資材の切断方法は、切断過程が実行される前に洗浄ノズルを利用して更に迅速に半導体資材の冷却過程を実行ことができる。これによって、半導体資材の冷却過程で半導体資材の切断時の切削液噴射環境と類似の環境を作って予め半導体資材を収縮させることができる。また、半導体資材を冷却収縮させた状態で、半導体資材の分割予定ラインの位置をアラインし、これを基に切断することによってビジョン検査時の分割予定ラインと実際の切断される分割予定ラインを一致させることによって切断精密度を向上させる効果が生じる。
【0019】
また、このような半導体資材の冷却過程及びビジョン検査過程を半導体資材が切断前に待機する状態で実行されることによって、全体の切断工程の生産性を低下させない。すなわち、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの上部に伝達された半導体資材を切断する間に残り1つのチャックテーブルの上部に伝達された半導体資材を冷却し、冷却された半導体資材の分割予定ラインを検査することによって、半導体資材の冷却及びビジョン検査に別途の時間が不要になって、UPHを低下させないながらも資材の切断品質を保障する効果が生じる。
【0020】
したがって、本発明による半導体資材の切断方法は、収縮された半導体資材のビジョン検査結果(分割予定ライン位置)を提供した後、収縮された半導体資材の分割予定ライン位置に基づいて切断過程が実行されるようにし、これによって半導体資材の分割予定ライン位置と、実際の切断される分割ライン位置のずれ防止されて、切断品質を向上させる効果が生じる。
【0021】
また、本発明による半導体資材の切断方法は、温度センサーを利用して温度を測定する過程を含んで半導体資材の十分な冷却状態を確認することもでき、半導体資材を冷却させるための最適な洗浄液の噴射時間及び洗浄液の噴射回数を設定することもできる。これによって、半導体資材を十分に冷却させた状態で、切断過程を実行し、切削液による分割予定ラインの位置変化を防止して、切断精密度及び切断品質を向上させる効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置を概略図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法の順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の内容は単に本発明の原理を例示する。したがって当業者は例え本明細書に明確に説明されたり図に示されなかったけれど本発明の原理を実現し、本発明の概念と範囲に含まれる多様な装置を発明することができる。また、本明細書に列挙されたすべての条件付き用語及び実施例は原則的に本発明の概念を理解させるるための目的のみであり、明確に意図されて、このように特に列挙された実施例及び状態に制限されないことで理解するべきである。
【0024】
上述した目的、特徴及び長所は本明細書の図面に関する後述の詳細な説明を通じて更に明らかになり、それにより本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。
【0025】
本明細書に記述する実施例は本発明の理想的な例示図である断面図及び/または斜視図を参考にして説明する。このような図面に示された領域の厚さなどは技術的内容の効果的な説明を行うために誇張されたものである。製造技術及び/または許容誤差などによって例示図の形態が変形されてもよい。したがって、本発明の実施例は図示された特定形態に制限されるものではなく、製造工程により生成される形態の変化も含まれる。本明細書により仕様する技術的用語は単に特定の実施例を説明するために使用され、本発明を制限する意図ではない。単数の表現は文脈上で明確に違うように意味しない限り、複数の表現も含む。本明細書における「含む」または「備える」用語は本明細書に記載される特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものなども存在または付加的可能性を予め排除しないことで理解されるべきである。
【0026】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施例に対して具体的に説明する。
【0027】
図1は本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置(100)を概略的に示す図であり、
図2は本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置(100)の側断面を概略的に示す図である。
図2の場合、ストリップピッカー(110)、洗浄部(150)及びユニットピッカー(160)を省略して示される。
【0028】
図1に示された通り、本発明の半導体資材の切断装置(100)は、ストリップピッカー(110)、第1チャックテーブル(CT1)、第2チャックテーブル(CT2)、洗浄ノズル(NZ)、切断ユニット(120)、ビジョン(130)、温度センサー(140)、洗浄部(150)及びユニットピッカー(160)を含んで構成される。
【0029】
ストリップピッカー(110)は、複数の半導体資材(SR)が積層された資材供給部(未図示)から順次に供給される半導体資材(SR)を吸着することができる。ストリップピッカー(110)は、X軸方向に移動可能になって吸着した半導体資材(SR)を第1チャックテーブル(CT1)及び第2チャックテーブル(CT2)のうち少なくとも1つに伝達することができる。この場合、第1チャックテーブル(CT1)に伝達して第1チャックテーブル(CT1)に安着された半導体資材(SR)は、第1半導体資材(SR1)であってよく、第2チャックテーブル(CT2)に伝達して第2チャックテーブル(CT2)に安着された半導体資材(SR)は、第2半導体資材(SR2)であってもよい。したがって、半導体資材(SR)は第1チャックテーブル(CT1)に安着された第1半導体資材(SR1)、及び第2チャックテーブル(CT2)に安着された第2半導体資材(SR2)を含むことができる。
【0030】
チャックテーブルは1対であってもよい。1対のチャックテーブルは第1チャックテーブル(CT1)及び第2チャックテーブル(CT2)を含み、第1チャックテーブル(CT1)及び第2チャックテーブル(CT2)はそれぞれY軸方向に移動可能であり、
図1のX軸方向からY軸方向へ回転したり、Y軸方向からX軸方向へ回転可能である。一例として、第1チャックテーブル(CT1)は
図1のX軸またはY軸方向に位置することができる。第1チャックテーブル(CT1)は、上部に伝達された半導体資材(SR)を真空に吸着した状態でビジョン(130)により半導体資材(SR)を撮像して分割予定ラインを検出する。検出された分割予定ラインに沿って切断ユニット(120)により第1チャックテーブル(CT1)に安着された第1半導体資材(SR1)のY軸またはX軸方向の分割予定ラインに沿って切断過程を実行する。その次に、半導体資材の切断装置(100)は、第1半導体資材(SR1)のX軸またはY軸方向の分割予定ラインに切断ユニット(120)が位置するように、第1チャックテーブル(CT1)をY軸方向からX軸方向またはX軸方向からY軸方向へ回転して半導体資材(SR)の切断方向を変更することができる。
【0031】
切断ユニット(120)はX軸方向に移動可能になってもよい。切断ユニット(120)はX軸方向に移動して第1チャックテーブル(CT1)及び第2チャックテーブル(CT2)のそれぞれに安着された半導体資材(SR)の分割予定ラインに沿って切断過程を実行する。
【0032】
切断ユニット(120)は、半導体資材(SR)を切断するブレードと、ブレード及び半導体資材(SR)側から切削液を噴射する切削液噴射ノズルを備える。ブレードは回転可能なスピンドルに装着されて半導体資材(SR)を切断し、チャックテーブルとの相手移動を通じて半導体資材(SR)のすべての分割予定ラインに沿って切断可能なようにX軸方向に移動可能になる。
【0033】
切断ユニット(120)にはブレードの側面に沿って延びる切削液噴射ノズルが設けられ、切削液噴射ノズルは切削液を噴射するパイプと連結されて切削液を供給されることができる。切削液噴射ノズルは半導体資材(SR)を切断する過程でブレードに発生する熱を冷却し、切断時に発生するスクラップを排出したり、切断過程で半導体資材(SR)の表面に発生する白化現象を防止するためにブレードと半導体資材(SR)側へ切削液を供給する。
【0034】
洗浄ノズル(NZ)は、チャックテーブルの移動経路の上部に設けられて、切断が完了された半導体資材(SR)の表面に洗浄液を噴射し、切断時に発生するスクラップを除去して、半導体資材(SR)の表面を洗浄することができる。本発明により、洗浄ノズル(NZ)は、切断された半導体資材(SR)の上面を洗浄する機能の他に切断が実行される前の半導体資材(SR)を冷却させる機能を実行する。
【0035】
すなわち、半導体資材(SR)に洗浄液を噴射して半導体資材(SR)の温度を低くして冷却機能を果たす。チャックテーブルに半導体資材(SR)が吸着された状態で洗浄液を噴射すれば切断が実行される過程を除いて半導体資材(SR)を切断する時と類似の環境が造成される。すなわち、半導体資材(SR)の上面に洗浄液を噴射して半導体資材(SR)の温度が低くなり、半導体資材(SR)とチャックテーブルの真空吸着面の間に隙間ができる場合、隙間を通じて洗浄液とエアーが早く流入され、チャックテーブルの温度を更に低くして、チャックテーブルの上部に伝達された半導体資材(SR)の温度は更に低くなる。
【0036】
具体的に、洗浄ノズル(NZ)の洗浄液は切断ユニット(120)に設けられたブレードの切削液と同じ温度及び同じ成分からなっていてもよく、例えば、切断過程で発生できる静電気発生を防止するためにイオンが除去された水、チラーにより冷却された水であってもよい。洗浄ノズル(NZ)は、第1チャックテーブル(CT1)に設けられた第1半導体資材(SR1)、及び第2チャックテーブル(CT2)に設けられた第2半導体資材(SR2)にそれぞれ独立的に洗浄液を噴射できるように配置される。
【0037】
洗浄ノズル(NZ)を通じて噴射される洗浄液は切断ユニットに存在してブレードと半導体資材(SR)の表面に噴射される切削液と同じ物質であってもよい。洗浄液の温度がクーリング機能を果たせる温度より低い場合、洗浄液は冷却水として利用されて洗浄ノズル(NZ)を通じて半導体資材(SR)側へ噴射されることができる。これとは違って、切削液の温度がクーリング機能を果たせる温度より高い場合、切削液の温度より低い温度を有する冷却水を洗浄ノズル(NZ)を通じて半導体資材(SR)側へ噴射することができる。
【0038】
図1及び
図2に示された通り、洗浄ノズル(NZ)は、第1チャックテーブル(CT1)及び第2チャックテーブル(CT2)のそれぞれの上部に固定設置されることができる。洗浄ノズル(NZ)は、第1チャックテーブル(CT1)の上部に固定設置される第1洗浄ノズル(NZ1)及び第2チャックテーブル(CT2)の上部に固定設置される第2洗浄ノズル(NZ2)を含んでもよい。
【0039】
洗浄ノズル(NZ)は、洗浄液を噴射する機能及びエアーを噴射する機能を備えることができる。洗浄ノズル(NZ)のエアー噴射機能は、ビジョンを用いて分割予定ラインを検査する前に洗浄液によって水気が残っている半導体資材(SR)を乾燥させるために使用される。
【0040】
洗浄ノズル(NZ)は、洗浄液及びエアーのうち1つ以上を半導体資材(SR)に選択的に噴射させることができる。具体的に、洗浄ノズル(NZ)は、半導体資材(SR)の温度を低くして冷却させる場合、洗浄液のみを噴射したり、洗浄液とエアーを共に噴射することができる。これとは違って、洗浄ノズル(NZ)は、洗浄液によって水気がある半導体資材(SR)を乾燥させる場合、エアーのみを噴射することもできる。噴射されるエアーは圧縮されたエアーまたは冷却されたエアーであってもよい。
【0041】
本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置(100)は、エアーのみを噴射するエアーノズルを追加的に備えても良い。この場合、半導体資材(SR)は洗浄ノズル(NZ)から噴射される洗浄液によって冷却された後、エアーノズルから噴射されるエアーによって乾燥されることができる。
【0042】
ビジョン(130)は、半導体資材の分割予定ラインを検出するためにチャックテーブルの上部でX軸方向に移動可能になる。第1チャックテーブル(CT1)に吸着された第1半導体資材(SR1)及び第2チャックテーブル(CT2)に吸着された第2半導体資材(SR2)の分割予定ラインを検査することができる。
【0043】
分割予定ラインは、半導体資材が切断される切断ラインを意味し、分割予定ラインの検査は、チャックテーブルの上部に吸着された半導体資材(SR)の予め設定された位置に設けられた認識マークをビジョン(130)により順次撮像して画像を取得し、取得した画像を基に半導体資材(SR)の分割予定ラインに対して位置情報を算出することができる。
【0044】
半導体資材(SR)を切断するステップにおいて、ビジョン(130)を通じて取得された分割予定ラインに沿って切断ユニット(120)を利用して半導体資材(SR)を切断することができる。
【0045】
ビジョン(130)の一側には温度センサー(140)が装着されてもよい。温度センサー(140)は切断過程を実行する前の半導体資材(SR)の温度を測定することができる。温度センサー(140)は、好ましくは、切断過程を実行する前の半導体資材(SR)の温度を測定することができる。更に好ましくは、ビジョン(130)を通じて検査を実行するためにビジョン(130)の検査箇所に位置する半導体資材(SR)の温度を測定することができる。温度センサー(140)は測定された温度測定値を制御部(未図示)へ送信されてもよい。制御部は温度センサー(140)から受信した温度測定値に基づいて半導体資材(SR)を切断するか、更に低い温度を有するように冷却過程を追加的に実行するかを判断する。
【0046】
もちろん、温度センサー(140)は別途に備わってもよく、別途の空間で予め測定されることができる。
【0047】
ユニットピッカー(160)は、切断ユニット(120)により切断された半導体資材(SR)をチャックテーブルからピックアップして、洗浄部(150)を通じて分類適材装置(未図示)へ返送することができる。
【0048】
洗浄部(150)は、ブラシ及び洗浄噴射ノズル(未図示)を含むことができる。洗浄部(150)は、切断が完了された半導体資材(SR)の下面をブラシにより洗浄でき、半導体資材(SR)の下面に洗浄液を噴射して半導体資材(SR)の下面を洗浄することもでき、ブラシと洗浄噴射ノズルを全て備えて半導体資材(SR)の下面を洗浄することもできる。切断が完了された半導体資材(SR)は個別の半導体資材単位で分割された状態であってもよい。洗浄噴射ノズルは切断が完了された半導体資材(SR)の下面に位置して、ユニットピッカーによりピックアップされた半導体資材(SR)の下面を効果的に洗浄することができる。
【0049】
以下、上述したような半導体資材の切断装置の半導体資材の切断方法を説明する。
【0050】
本発明の半導体資材の切断方法は、
ストリップピッカー(110)が1対のチャックテーブル(CT1、CT2)うち、いずれか1つのチャックテーブルの上部に半導体資材(SR)を伝達するステップAと、
ビジョン(130)により前記チャックテーブルに伝達された前記半導体資材(SR)を撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニット(120)により前記半導体資材(SR)を切断するステップBと、
前記ステップBが実行される間に、ストリップピッカー(110)は1対のチャックテーブルのうち残り1つのチャックテーブルの上部に半導体資材(SR)を伝達し、前記残り1つのチャックテーブルは洗浄ノズル(NZ)の下部へ移動して、前記チャックテーブルの上部に真空吸着された半導体資材(SR)の上面に洗浄液を噴射して前記半導体資材(SR)を冷却し、冷却された前記半導体資材(SR)の上面にエアーを噴射して前記半導体資材(SR)の水気を除去するステップC、及び、
冷却された前記半導体資材(SR)をビジョン(130)により撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニット(120)により前記半導体資材(SR)を切断するステップDを含む。
【0051】
すなわち、本発明の半導体資材の切断方法によれば、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの切断ステップが実行される間に、残り1つのチャックテーブルの上部に伝達された半導体資材(SR)を冷却するステップ、及び水気を除去するステップが実行されてもよい。
【0052】
この時、いずれか1つのチャックテーブルは、第1チャックテーブル(CT1)または第2チャックテーブル(CT2)であってもよく、残り1つのチャックテーブルは、第2チャックテーブル(CT2)または第1チャックテーブル(CT1)であってもよい。
【0053】
この時、第1チャックテーブル(CT1)または第2チャックテーブル(CT2)は理解を容易にするために、図面上で区分しただけであり、これに対し制限されるものではない。
【0054】
本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、このような本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置(100)の構成要素によって実行されることができる。
【0055】
図3は本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)の順序図である。本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、第1チャックテーブル(CT1)の上部に半導体資材(SR)を伝達するステップS10と、
ビジョン(130)により第1チャックテーブル(CT1)に伝達された第1半導体資材(SR1)を撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って切断ユニット(120)により第1半導体資材(SR1)を切断するステップS20と、
ステップS20が実行される間に、第2チャックテーブル(CT2)の上部に第2半導体資材(SR2)を伝達し、第2チャックテーブル(CT2)の上部に伝達された第2半導体資材(SR2)の上面に洗浄液を噴射して第2半導体資材(SR2)を冷却し、冷却された第2半導体資材(SR2)の上面にエアーを噴射して第2半導体資材(SR2)の水気を除去するステップS30と、
冷却された第2半導体資材(SR2)をビジョン(130)により撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割ラインに沿って切断ユニット(120)により第2半導体資材(SR2)を切断するステップS40を含んでもよい。
【0056】
以下、図面を参考にして本発明の半導体資材の切断方法を更に詳しく説明する。
【0057】
先に、ステップS10においては、ストリップピッカー(110)は資材供給部から供給されるいずれか1つの半導体資材(SR)をピックアップして、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルに伝達する過程が実行されることができる。ここで、いずれか1つのチャックテーブルは第1チャックテーブル(CT1)と称することができる。ストリップピッカー(110)により第1チャックテーブル(CT1)に第1半導体資材(SR1)が真空吸着されることができる。ストリップピッカー(110)により第1チャックテーブル(CT1)に最初に安着される第1半導体資材(SR1)は、
図1のY軸方向に安着されてもよく、
図1のX軸方向に圧着されてもよい。
【0058】
ただし、ストリップピッカー(110)は
図1のX軸方向に長い長さを有するようになってもよい。この場合、第1チャックテーブル(CT1)の最初位置は、好ましくは、ストリップピッカー(110)のX軸方向と対応するX軸方向とであってもよい。第1チャックテーブル(CT1)の最初位置の方向がストリップピッカー(110)の方向と同一である場合、ストリップピッカー(110)に吸着された半導体資材(SR)を第1チャックテーブル(CT1)に伝達する時、第1チャックテーブル(CT1)のY軸方向での回転なしにそのまま伝達することができる。これによって、第1チャックテーブル(CT1)のY軸方向での不要な回転過程が省略されてストリップピッカー(110)の半導体資材(SR)の伝達効率を向上させることができる。
【0059】
その次に、チャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)を撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って切断ユニット(120)により半導体資材(SR)を切断するステップS20が実行されることができる。ステップS20で先にビジョン(130)により半導体資材(SR)の分割予定ラインを検査する。この時、X軸方向に最初位置を有する第1チャックテーブル(CT1)は、第1半導体資材(SR1)を真空吸着した状態でビジョン検査を受けることができる。ビジョン検査は、ビジョン(130)により実行されることができる。ビジョン検査は、第1チャックテーブル(CT1)に吸着された第1半導体資材(SR1)の予め設定された位置に設けられた認識マークを撮像して認識マークの画像を取得し、取得された画像を基に半導体資材(SR)の分割予定ラインの位置情報を算出することができる。したがって、ビジョン検査は半導体資材(SR)の分割予定ラインの位置検査であってもよい。
【0060】
その次に、検出された分割予定ラインに沿って切断ユニット(120)により第1半導体資材(SR1)を切断する過程が実行されることができる。切断ユニット(120)は、ブレードを回転させた状態でチャックテーブルをY軸方向に移動して第1半導体資材(SR1)を切断することができる。この時、切断ユニット(120)は、ビジョン(130)により検査された検査結果、すなわち、第1半導体資材(SR1)の分割予定ライン位置により第1半導体資材(SR1)を切断することができる。
【0061】
切断ユニット(120)は、
図1のX軸方向で最初位置を有する第1チャックテーブル(CT1)に対応してX軸方向に安着された第1半導体資材(SR1)の分割予定ラインに沿って第1半導体資材(SR1)を切断することができる。この時、切断ユニット(120)は、X軸方向に安着された第1半導体資材(SR1)のX軸方向及びY軸方向での分割予定ラインのうちY軸方向の分割予定ラインに対応して第1半導体資材(SR1)の上部に設けられてもよい。切断ユニット(120)は、対応する位置の第1半導体資材(SR1)の分割予定ラインに沿って第1半導体資材(SR1)を切断することができる。
【0062】
ここで、切断方向をX軸方向で最初位置を有する第1チャックテーブル(CT1)を回転しない状態で切断を実行する方法に対して記載したが、これは1つの実施例として半導体資材(SR)が伝達された後に、第1チャックテーブル(CT1)を回転して第1半導体資材をY軸方向にした状態、すなわち、長辺を先に切断した後に短辺を切断し、切断過程で発生する半導体資材(SR)の位置のずれをを最小化することができる。
【0063】
図1のX軸方向に位置する第1チャックテーブル(CT1)は、X軸方向での第1半導体資材(SR1)に対する切断過程を完了した後、
図1のY軸方向に回転することができる。
図1は1つ例として、X軸方向での切断過程を完了し、Y軸方向で回転された状態の第1チャックテーブル(CT1)を図に示す。
【0064】
ストリップピッカー(110)は、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルに半導体資材を伝達した後に、残り1つのチャックテーブルに新しい半導体資材(SR)を伝達する。ストリップピッカー(110)は、資材供給部で切断される他の半導体資材(SR)を吸着して第2チャックテーブル(CT2)に伝達することができる。これによって、第2半導体資材(SR2)は第2チャックテーブル(CT2)に伝達して吸着されることができる。
【0065】
したがって、ステップS10において、第1チャックテーブル(CT1)に第1半導体資材(SR1)が伝達された後、またはステップS20において、第1チャックテーブル(CT1)に伝達された第1半導体資材(SR1)を撮像して分割予定ラインを検出する過程が実行される時、ストリップピッカー(110)は残り1つのチャックテーブル、すなわち第2チャックテーブル(CT2)に第2半導体資材(SR2)を伝達するステップが実行されてもよい。第2チャックテーブル(CT2)に第2半導体資材(SR2)が伝達されると、第2チャックテーブル(CT2)は洗浄ノズル(NZ)の下部へ移動して第2チャックテーブル(CT2)の上部に真空吸着された第2半導体資材(SR2)の上面に洗浄液が噴射されて、第2半導体資材(SR2)を冷却する過程が実行されてもよく、その後に冷却された第2半導体資材(SR2)の上面にエアーが噴射されて第2半導体資材(SR2)の水気を除去することができる。
【0066】
具体的に、ステップS30は、ステップS20の第1半導体資材(SR1)を切断する過程が実行される間に実行されてもよく、ステップS30において、第2半導体資材(SR2)の伝達、冷却、乾燥ステップが実行されてもよい。もちろん、第1半導体資材(SR1)の切断時間により第2半導体資材(SR2)の伝達、冷却、乾燥、ビジョン検査が実行されてもよい。
【0067】
一方、ステップS30において、第2半導体資材(SR2)は、洗浄ノズル(NZ)を通じて噴射される洗浄液によって冷却されてもよい。この場合、洗浄ノズル(NZ)は、第2半導体資材(SR2)の上部に固定設置される第2洗浄ノズル(NZ2)であってもよい。ステップS30が実行される間、第1チャックテーブル(CT1)の上部に吸着された第1半導体資材(SR1)の切断ステップは継続実行されてもよい。これに伴い、第2半導体資材(SR2)は、第1半導体資材(SR1)に対する切断過程を実行する間に洗浄ノズル(NZ)を通じて噴射される洗浄液によって冷却されて低い温度を有してもよい。
【0068】
この時、半導体資材(SR)を冷却する理由は、半導体資材(SR)が切断される環境と同一に形成するためである。切断ユニット(120)により半導体資材(SR)が切断される時、半導体資材(SR)側に低い温度の切削液が噴射されることにより、半導体資材(SR)の温度が低くなって、半導体資材(SR)を真空吸着しているチャックテーブルと半導体資材(SR)の間に隙間が生じると、隙間を通じて切削液とエアーが迅速に流入されてチャックテーブルが冷却されて、チャックテーブルの上部に吸着された半導体資材(SR)の温度も更に低くなって冷却されることになる。
【0069】
従来では半導体資材(SR)を切断する前にビジョン検査が実行される半導体資材(SR)の温度が概略的に22℃~25℃だったが、半導体資材(SR)を切断する時は半導体資材(SR)の温度が12℃~15℃まで低くなる。半導体資材(SR)は低い温度によって収縮し、このような収縮は半導体資材(SR)の全体に累積されることになる。したがって、半導体資材(SR)の切断時に、半導体資材(SR)の分割予定ラインが収縮して、ビジョン検査時に検査された最初分割予定ラインの位置と変わるにも関わらず、従来では資材供給部から供給された半導体資材(SR)を迅速にビジョン検査して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って切断を実行したため、半導体資材(SR)が収縮された分だけ切断オフセットが生じる。
【0070】
したがって、本発明は、半導体資材(SR)をビジョン検査する前に、切断時の状態で半導体資材(SR)を予め冷却させて収縮させることにより、収縮された分割予定ラインの位置を検出しようとする。すなわち、半導体資材(SR)を切断する前に、切断時の環境と同一になるように半導体資材(SR)を冷却収縮させた状態で、ビジョン検査を通じて収縮された分割予定ラインの位置を検出することができる。好ましくは、いずれか1つのチャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)に対する切断が実行される間に、残りのチャックテーブルに吸着された半導体資材(SR)は、切断のために待機しながら切断時の温度により予め冷却されることができる。この時、冷却のために半導体資材(SR)の切断時の環境と同じく半導体資材(SR)の上面側から洗浄液を噴射して半導体資材(SR)の温度を低くすることができる。
【0071】
これに対しステップS30において、第2半導体資材(SR2)は、洗浄ノズル(NZ)の洗浄液によって冷却して収縮されることができる。これにより、第2半導体資材(SR2)の分割予定ラインは、第2半導体資材(SR2)の収縮された状態により位置変化することができる。その次に、第2半導体資材(SR2)の上面にエアーを噴射して、半導体資材(SR)に残っている水気を乾燥して除去することができる。エアー噴射は、以後ビジョン検査時にノイズを除去するための水気を除去するための過程であり、エアーを噴射しても相変らず半導体資材(SR)の冷却収縮された状態が変化しない。
【0072】
一方、水気を除去する前または水気を除去した後に、温度センサー(140)を利用して、洗浄液の噴射によって冷却が実行された半導体資材(SR)の温度を測定するステップを更に実行できる。
【0073】
この時、測定された温度が予め設定された温度範囲に到達した場合、冷却された半導体資材(SR)をビジョン(130)で撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って半導体資材(SR)を切断することができる。
【0074】
もし、測定された温度が予め設定された温度範囲に到達できない場合、洗浄ノズル(NZ)により半導体資材(SR)の上面に洗浄液を追加して噴射することができる。洗浄液を追加して噴射した後には、エアーを噴射して水気を完全に除去しなければならないので、好ましくは、水気を除去する前に温度センサー(140)で半導体資材(SR)の温度を測定する。
【0075】
もし、測定された温度が予め設定された温度範囲に到達した場合、エアーを噴射して半導体資材(SR)の水気を完全に除去した後に、ビジョン(130)で冷却された半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出することが好ましい。
【0076】
一方、半導体資材(SR)を冷却させた後に、温度センサー(140)により冷却された半導体資材(SR)の温度を測定して、半導体資材(SR)が予め設定された温度範囲まで十分に冷却されたか否かを確認することもできるが、半導体資材(SR)が十分に予め設定された温度範囲まで冷却されるほど洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を設定することができる。
【0077】
このため、本発明は半導体資材の切断方法を実行する前に、半導体資材(SR)の種類による洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数と半導体資材の温度変化との相関関係データを用意することができる。
【0078】
例えば、半導体資材(SR)の温度を1℃低くするための洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数、2℃低くするための洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数などの所定の温度で冷却させるための半導体資材(SR)の温度変化と洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数データを予め準備して、データを入力して、保存できる。
【0079】
したがって、切断される半導体資材(SR)を所定の温度で冷却させるために洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数と半導体資材(SR)の温度変化との相関関係データを基にして洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を設定することができる。この時、設定された洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を、半導体資材(SR)を冷却するための基準値として決めることができる。
【0080】
好ましくは、切断される半導体資材(SR)のうち最初に切断される半導体資材(SR)を基準資材として選定して、基準資材の温度を測定することができる。この時、基準資材の温度測定は
図1に示されるように、洗浄ノズル(NZ)の近隣に位置するビジョン検査領域で実行されることもできるが、ストリップピッカー(110)がチャックテーブルに半導体資材(SR)を伝達する領域に温度センサー(140)を設置して、チャックテーブルに半導体資材(SR)を伝達した状態で実行されてもよく、別途の空間で測定することもできる。
【0081】
ここで温度センサー(140)を通じて測定された温度を基に、半導体資材(SR)を所定の温度で冷却させるための洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を切断される半導体資材(SR)の基準値に設定することができる。
【0082】
一方、冷却された半導体資材(SR)をビジョンで撮像して半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出する。ビジョン(130)により半導体資材(SR)の分割予定ラインを検査する時、半導体資材(SR)に残っている水気はビジョン検査時にノイズになる。したがって、ビジョン(130)で半導体資材(SR)を撮像して、半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出する前に洗浄された第2半導体資材(SR2)は、洗浄ノズル(NZ)により乾燥されて水気が除去される。
【0083】
洗浄ノズル(NZ)は、洗浄液を噴射する機能及びエアーを噴射する機能を具備することができる。これに伴い、第2半導体資材(SR2)を乾燥させる過程は、洗浄ノズル(NZ)のエアー噴射機能を通じて構成されることができる。洗浄ノズル(NZ)を通じて噴射されるエアーは、圧縮されたエアー及び冷却されたエアーを含むことができる。
【0084】
本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置(100)は、洗浄ノズル(NZ)を通じて半導体資材(SR)の冷却時に、洗浄液とエアーを共に噴射して供給することができ、洗浄ノズル(NZ)の制御を通じて半導体資材(SR)の冷却が完了した後には、洗浄液の供給を遮断してエアーのみが噴射されて半導体資材(SR)を乾燥させることができる。もちろん、洗浄ノズル(NZ)の制御を通じて半導体資材(SR)を乾燥させてもよいが、エアーのみを噴射するエアーノズル(未図示)を洗浄ノズル(NZ)と別途に追加して具備することもできる。
【0085】
この場合、ステップS30において、半導体資材(SR)の水気を除去するステップは、エアーノズルを通じて実行されることができる。エアーノズルは、エアーを噴射する機能のみを有して、洗浄ノズル(NZ)から洗浄液の噴射が遮断されるように制御する必要がなく、第2半導体資材(SR2)へエアーを噴射するうちに洗浄ノズル(NZ)の内部の残水が漏れる心配がなく、第2半導体資材(SR2)を乾燥させることに有利である。
【0086】
エアーノズルを通じて噴射されるエアーは、圧縮されたエアー及び冷却されたエアーを含んでもよい。
【0087】
その次に、ステップS40の第2半導体資材(SR2)のビジョン検査を実行するステップが実行されることができる。第2半導体資材(SR2)は、ステップS30によって冷却して収縮された状態でステップS40のビジョン検査を実行することができる。ビジョン検査はビジョン(130)を通じて行われることができる。ビジョン(130)はX軸方向に移動可能になり、第2半導体資材(SR2)の上部でX軸方向に移動しながら第2半導体資材(SR2)の分割予定ラインの位置を検査することができる。
【0088】
参考として、ステップS40において、第2半導体資材(SR2)の分割予定ラインを検出する過程が実行される時、依然としてステップS20の第1半導体資材(SR1)の切断ステップが実行されることができる。すなわち、第1半導体資材(SR1)の切断ステップが完了すれば、第2半導体資材(SR2)の切断ステップが実行されることができる。したがって、第1半導体資材(SR1)の切断ステップが完了すれば切断ユニットは、ステップS20を完了した後、
図1のX軸方向に移動して第2チャックテーブル(CT2)の上部に位置し、ビジョンにより検出された第2半導体資材(SR2)の分割予定ラインに沿って第2半導体資材(SR2)を切断することができる。もちろん、この時、ビジョンにより検出された第2半導体資材(SR2)の分割予定ラインは、ステップS30によって冷却して収縮された半導体資材(SR)の分割予定ラインである。したがって、半導体資材(SR)が予め冷却された状態でビジョンにより半導体資材(SR)の分割予定ラインが検出されるので、実際に切断される半導体資材(SR)の分割予定ラインは、ビジョンにより検出された半導体資材(SR)の分割予定ラインと同一になってもよい。
【0089】
一方、第2半導体資材(SR2)を切断する時、第1チャックテーブル(CT1)の切断が完了された第1半導体資材(SR1)をユニットピッカー(160)によりピックアップされて洗浄部(150)に移動させて、第1チャックテーブル(CT1)にはストリップピッカー(110)により新しい半導体資材(SR)が伝達されて、第1チャックテーブル(CT1)が洗浄ノズル(NZ)の下部に移動された状態で半導体資材(SR)の冷却と乾燥、ビジョン検査が連続的に実行されることになる。
【0090】
すなわち、本発明の半導体資材の切断方法は連続的に実行されて、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの上部に伝達された半導体資材(SR)を切断する間に、切断待機中の残り1つのチャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)は、切断時の環境と類似になるように、洗浄ノズル(NZ)により予め冷却されて、冷却して収縮された状態で収縮された半導体資材(SR)の分割予定ラインに対する検査が実行されるようになる。
【0091】
本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、半導体資材(SR)を切断するステップを実行する前に、洗浄ノズル(NZ)を通じて半導体資材(SR)を冷却させ、冷却された半導体資材(SR)の水気を除去した後、半導体資材(SR)をビジョンにより撮像して半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出することができる。
【0092】
半導体資材(SR)の切断ステップでは冷却して収縮された半導体資材(SR)の分割予定ラインに沿って切断が実行されるため、切断ユニット(120)は、ステップS30及びステップS40の順次的な実行によりすでに冷却して収縮された状態の半導体資材(SR)の分割予定ライン位置が入力される。
【0093】
もし、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)と異なって、冷却収縮ステップなしで、チャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)のビジョン検査を実行し、ビジョン検査の結果により切断過程を順次に実行する場合、切断過程でブレードと半導体資材(SR)側へ噴射される低い温度の切削液及び真空吸着時の半導体資材(SR)とチャックテーブルの間の隙間を通じて切削液とエアーが迅速に流入されて、チャックテーブルの温度が更に低くなることによって半導体資材(SR)が収縮されることになる。
【0094】
具体的に、切削液はブレードの冷却機能をするために低い温度を有するため、半導体資材(SR)側へ噴射される場合、半導体資材(SR)の温度を低くさせることができる。切削液の温度が低くならなくても、切削液が半導体資材(SR)とブレードの表面に衝突した後に飛散して、周囲の熱を奪うため半導体資材(SR)の温度が低くなることもあり、これによって半導体資材(SR)は切断過程で収縮される。
【0095】
しかし、切削液によって半導体資材(SR)が収縮する場合、ビジョン検査の結果による分割予定ライン位置と実際の切断過程での分割ライン位置が変化する。すなわち、ビジョン(130)は半導体資材(SR)が収縮する前の状態で半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出し、切断ユニット(120)は収縮する前の状態の分割予定ライン位置に基づいて半導体資材(SR)に対する切断過程を実行することになる。これによって、実際に切断された分割ライン位置と、切断されるべきの分割予定ライン位置が変化することになる。これは、切断品質を低下させる問題を引き起こすだけではなく、不良品の量産を招くことになる。
【0096】
しかし、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、冷却ステップを切断ステップの以前に実行することによって、切断ステップで洗浄液による半導体資材(SR)の収縮環境を予め作ることができる。これによって半導体資材(SR)は切断ステップ以前にすでに収縮されることができる。
【0097】
また、収縮された状態で、ビジョン(130)により半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出するため、実際の切断される分割ラインと検出された分割予定ラインが同一になって、半導体資材(SR)の切断精密度を向上させることができる。
【0098】
したがって、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、事前の冷却ステップを実行しない半導体資材の切断方法と異なって、半導体資材切断ステップで冷却された半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って切断ユニット(120)が半導体資材(SR)の分割予定ライン位置で切断を実行するため、分割予定ラインと実際の切断される分割ライン位置を対応させることができる。
【0099】
切断が完了した半導体資材(SR)は、ユニットピッカー(160)によりピックアップされて、洗浄部(150)の洗浄噴射ノズルを通じて洗浄された後、分類適材装置へ返送されることができる。
【0100】
本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)に対する切断過程を実行する間に、残り1つのチャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)を冷却して予め収縮させた後に、すでに収縮された半導体資材(SR)の分割予定ライン位置に基づいて切断過程を実行する。これによって、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、半導体資材(SR)の切断過程で、ビジョン検査を通じて取得した分割予定ライン位置と切断ユニット(120)により実際の切断される分割ライン位置のずれを防止することができる。これに伴い、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法は、半導体資材(SR)の切断精密度を高めて、切断品質を向上させることができる。
【0101】
一方、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)を実行する際に、最初の半導体資材(SR)を切断する時は相対的にチャックテーブルの温度が低くなる程度が弱いこともある。一般的に、チャックテーブルで半導体資材(SR)の切断を繰り返し実行しながら、切削液が噴射され、これに従って切断が行われる過程でチャックテーブルの冷却程度が大きくなるが、最初の半導体資材(SR)を切断する状況では、切断過程で切削液を噴射しても相対的に切断時間が短くなって、切断する過程でチャックテーブルが冷却されないこともある。
【0102】
また、最初の半導体資材(SR)の場合、ビジョン検査後に、待ち時間を有せずすぐに切断が実行されるので、最初の半導体資材(SR)の切断が完了する時まで、チャックテーブルで待機しなければならない二番目の半導体資材(SR)より収縮量が小さいこともあり、これに伴って最初の半導体資材(SR)は予め冷却させる必要がないこともある。
【0103】
したがって、ストリップピッカー(110)が、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの上部に前記半導体資材(SR)を伝達するステップAと、
ビジョン(130)により前記チャックテーブルに伝達された前記半導体資材(SR)を撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニット(120)により前記半導体資材(SR)を切断するステップBと、
前記ステップBが実行される間に、ストリップピッカー(110)が、1対のチャックテーブルのうち残り1つのチャックテーブルの上部に半導体資材(SR)を伝達し、前記残り1つのチャックテーブルが、洗浄ノズル(NZ)の下部へ移動して前記チャックテーブルの上部に真空吸着された半導体資材(SR)の上面に洗浄液を噴射して前記半導体資材(SR)を冷却し、冷却された前記半導体資材(SR)の上面にエアーを噴射して前記半導体資材(SR)の水気を除去するステップCと、及び、
冷却された前記半導体資材(SR)をビジョン(130)により撮像して分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って前記切断ユニット(120)により前記半導体資材(SR)を切断するステップDを含む、半導体資材の切断方法は、最初の半導体資材(SR)から順次に切断する場合を代表的に説明したものである。
【0104】
半導体資材(SR)の大きさが小さかったり、切断経路が短い場合には、切断時間が短く切削液に露出する時間が少ないこともある。したがって、最初の半導体資材(SR)を切断する際に、切断時間が短く切削液によって収縮できないこともある。
【0105】
したがって、最初の半導体資材(SR)は冷却されない状態のビジョン検査の結果(分割予定ライン位置)に基づいて切断されても、最初の半導体資材(SR)の分割予定ライン位置と、切断ユニット(120)により実際に切断される分割ライン位置がずれる問題を引き起こさない。
【0106】
しかし、最初の半導体資材(SR)の大きさが大きかったり、切断経路が長く切断時間が多く必要とする場合、または切削液により冷たい流体を使用するなどの場合、最初の半導体資材(SR)を切断する過程でも前記半導体資材(SR)が冷却し収縮されることもある。
【0107】
また、切断された半導体資材(SR)の均一度が重要な場合、小さい収縮も切断された半導体資材(SR)の大きさに影響を及ぼす可能性があるため、切断環境を最初の半導体資材(SR)から同一に維持する必要がある。
【0108】
このような場合、ステップBを実行する前に、前記チャックテーブルが前記洗浄ノズル(NZ)の下部へ移動して前記チャックテーブルの上部に真空吸着された半導体資材(SR)の上面に洗浄液を噴射して前記半導体資材(SR)を冷却し、冷却された前記半導体資材(SR)の上面にエアーを噴射して前記半導体資材(SR)の水気を除去するステップB0を更に実行することができる。
【0109】
すなわち、最初の半導体資材(SR)をストリップピッカー(110)が1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルの上部に伝達した後に、前記チャックテーブルが洗浄ノズル(NZ)の下部へ移動して、予め設定された洗浄液の噴射時間、または洗浄液の噴射回数で半導体資材(SR)の上面に洗浄液を噴射して最初の半導体資材(SR)を冷却し、冷却された半導体資材(SR)の上面にエアーを噴射して半導体資材(SR)の水気を除去する。その後、冷却された半導体資材(SR)をビジョン(130)により撮像して、最初の半導体資材(SR)の分割予定ラインを検出し、検出された分割予定ラインに沿って切断ユニット(120)により最初の半導体資材(SR)を切断することができる。
【0110】
また、最初の半導体資材(SR)を切断するステップが実行される間に、二番目の半導体資材(SR)が残り1つのチャックテーブルの上部に伝達され、二番目の半導体資材(SR)の冷却、乾燥及びビジョン検査が実行されることができる。ここで、最初の半導体資材(SR)の切断が完了すれば、前記チャックテーブルは半導体資材(SR)を伝達するための位置に移動され、移動する過程で洗浄ノズル(NZ)により半導体資材(SR)の上面に残っている異物などを洗浄することができる。最初の半導体資材(SR)が伝達されたチャックテーブルは、切断された半導体資材(SR)を伝達するための位置に移動する間に、切断ユニット(120)は二番目の半導体資材(SR)が伝達されたチャックテーブルの上部に移動して切断が実行され、二番目の半導体資材(SR)を切断する間に、最初の半導体資材(SR)がチャックテーブルから除去され、除去されたチャックテーブル上に三回目の半導体資材(SR)が伝達されて、三回目の半導体資材(SR)の冷却、乾燥及びビジョン検査が実行されることができる。
【0111】
換言すれば、最初の半導体資材(SR)に対する冷却及び乾燥ステップは選択的に実行できる。したがって、最初の半導体資材(SR)は切断ステップを実行する前に、冷却されていない状態であってもよく、冷却された状態であってもよい。もちろん、冷却及び乾燥過程は、ステップS30と同一に洗浄ノズル(NZ)により実行されてもよく、洗浄ノズル(NZ)により冷却されて洗浄ノズル(NZ)、または別途のエアーノズルによって乾燥されることができる。
【0112】
もちろん、最初の半導体資材(SR)の場合でも水気を除去する前、または水気を除去した後に温度センサー(140)を利用し、洗浄液を噴射して冷却が実行された半導体資材(SR)の温度を測定するステップを更に実行してもよい。この時、温度センサー(140)により測定された温度が予め設定された温度範囲に到達した場合、半導体資材(SR)の切断ステップを実行し、予め設定された温度範囲に到達できない場合、前記半導体資材(SR)の上面に洗浄液を追加噴射して半導体資材(SR)が予め設定された温度範囲に到達するように冷却することができる。
【0113】
1対のチャックテーブルを区分してチャックテーブルによりステップをそれぞれ順次に分けて説明したが、冷却、水気除去ステップ、ビジョン検査ステップ、切断ステップは、全て同じステップ及び方法により実行されるので重複する説明は省略することにする。
【0114】
参考として、洗浄ノズル(NZ)は、第1チャックテーブル(CT1)と第2チャックテーブル(CT2)の上部にそれぞれ設けられ、この洗浄液噴射時期は各チャックテーブルの動作及び位置により独立的に制御されることが好ましい。すなわち、前記チャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)の冷却が必要な時に洗浄液が噴射され、切断が完了された半導体資材(SR)が排出される過程で洗浄液が噴射されるように制御される。
【0115】
一方、前述した第1半導体資材(SR1)の場合、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置(100)の作動を開始すると共に最初に第1チャックテーブル(CT1)に安着された最初半導体資材(SR1、以下、最初の第1半導体資材と称する)場合であってもよく、第2半導体資材(SR2)の切断過程を実行する間に第1チャックテーブル(CT1)に新しく安着された第1半導体資材(SR1)であってもよい。
【0116】
これに伴い、
図3を参照した説明において、ステップS10の半導体資材(SR)は、好ましくは、最初の第1半導体資材(SR1)であってもよい。
【0117】
これとは異なって、
図3のステップS10の半導体資材(SR)は、第2半導体資材(SR2)を切断する間に、第1チャックテーブル(CT1)に新しく安着して、待機中の第1半導体資材(SR1)であってもよい。この場合、第1半導体資材(SR1)は、ステップS10の切断ステップの以前に、洗浄ノズル(NZ)を通じて冷却及び乾燥過程が実行されてもよい。
【0118】
本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断装置(100)は温度センサー(140)を含むことができる。温度センサー(140)は、冷却して収縮された半導体資材(SR)の温度を測定するためであってもよく、洗浄ノズル(NZ)の洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を初期セッティングするためであってもよい。
【0119】
したがって、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、ステップAを実行する前に、
半導体資材(SR)の種類による洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数と半導体資材(SR)の温度変化との相関関係データを用意するステップA01、及び、
切断される前記半導体資材(SR)を所定の温度で冷却するために、前記相関関係データを基にして洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を設定するステップA02を更に含むことができる。
また、ステップA02で設定された洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数は、ステップCで洗浄液を噴射する際に適用される。すなわち、ステップCはステップA02で設定された洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数で前記半導体資材(SR)の上面に洗浄液を噴射することを特徴とする。
【0120】
本発明において、ステップA02で洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数は、切断される半導体資材(SR)のうち最初の切断される半導体資材(SR)を基準資材として選定し、前記基準資材の温度を測定するステップを更に含む。この時、測定された基準資材の温度を基に前記半導体資材(SR)を所定の温度で冷却するための洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を、切断される半導体資材(SR)の基準値に設定することができる。
【0121】
具体的に説明すれば、温度センサー(140)を利用して半導体資材(SR)の温度を測定する。以後の切断時に半導体資材(SR)の温度で冷却するために必要な冷却温度を算出することができる。
【0122】
この時、本発明は、半導体資材(SR)の種類によって洗浄液の噴射時間と半導体資材の温度変化との相関関係データ、または、洗浄液の噴射回数と半導体資材(SR)の温度変化との相関関係データが予め準備された状態である。
【0123】
したがって、相関関係データを基に洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を設定してもよく、冷却されなければならない温度差が大きい場合には、洗浄液の噴射時間を増やしたり、洗浄液の噴射回数を増加す方式で半導体資材(SR)の上面に洗浄液を噴射することができる。
【0124】
この時、半導体資材の切断方法の時間所要を最小化するために、半導体資材(SR)のうち最初の切断される半導体資材(SR)の切断前温度を測定し、半導体資材(SR)が切断される時の通常の冷却温度または所定の目標温度で冷却するための洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を設定した後、設定された洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数を基本値に設定し、残りの半導体資材(SR)に対しても一括的に設定された基本値(洗浄液の噴射時間または洗浄液の噴射回数)を冷却ステップに適用することができる。
【0125】
また、本発明の他の実施例において、冷却された半導体資材(SR)の温度を温度センサー(140)により測定して、予め設定された温度範囲に到達したか否かを個別的にチェックすることもできる。もちろん、このような温度チェックは半導体資材(SR)ごとに個別的にチェックできるが、セッティング値により所定個数の半導体資材(SR)を切断するたびに冷却状態の点検用でチェックすることもできる。
【0126】
もちろん、温度センサー(140)は、冷却及び収縮された半導体資材(SR)の温度を測定することもできる。好ましくは、冷却ステップで洗浄液を噴射し、冷却された半導体資材(SR)の水気を除去する前、または水気を除去した後に冷却が実行された半導体資材(SR)の温度を測定することができる。温度センサー(140)は、測定された温度測定値を制御部(未図示)へ送信することができる。温度センサー(140)により測定された半導体資材(SR)の温度が、予め設定された設定温度範囲に到達した場合、冷却された半導体資材(SR)をビジョン(130)により検査するステップ、及び検査された分割予定ラインに沿って切断するステップを順次に実行する。もし、水気除去前に半導体資材(SR)の温度を測定した場合、半導体資材(SR)の水気を除去し、水気が除去された半導体資材(SR)をビジョン(130)により検査するステップ、及び検査された分割予定ラインに沿って切断するステップを順次に実行できる。
【0127】
一方、温度センサー(140)により半導体資材(SR)の温度を測定した時、予め設定された温度範囲に到達できない場合、前記半導体資材(SR)に対する冷却が更に進行されるように洗浄液を追加噴射することができる。洗浄液を追加噴射した後に水気を除去し、水気が除去された半導体資材(SR)をビジョン(130)により検査するステップ、及び検査された分割予定ラインに沿って切断するステップを実行できる。
【0128】
参考に、予め設定された温度範囲は制御部に予め設定されることができる。予め設定された温度範囲は、半導体資材(SR)の種類及び洗浄液の温度などにより変更されもよく、1つ例として、12℃~15℃ であってもよい。
【0129】
制御部は、温度センサー(140)により送信された温度測定値が予め設定された温度範囲の12℃~15℃である場合、半導体資材(SR)の冷却状態を十分な冷却状態として判断し、冷却された前記半導体資材(SR)の分割予定ラインに対するビジョン検査を実行することができる。
【0130】
図1を参照すれば、温度センサー(140)はビジョン(130)の一側に設けられて、ビジョン(130)と共にX軸方向に移動することができる。
【0131】
もちろん、温度センサー(140)は、ステップS40のビジョン検査時に半導体資材(SR)の温度をチェックすると同時に、一側に設けられたビジョン(130)によりビジョン検査を実行することもできる。この場合、温度測定時間を短縮して半導体資材(SR)の温度を測定し、その後、半導体資材(SR)の冷却ステップで洗浄液の噴射回数、または洗浄液の噴射時間が変更されることもできる。
【0132】
参考として、温度センサー(140)は、半導体資材(SR)の上面の全体領域でのポイント(point)形態で特定位置の温度を測定して、半導体資材(SR)の温度を測定することができる。一例として、温度センサー(140)は、3ポイント形態で半導体資材(SR)の3ケ所の位置での温度を測定することができる。これとは異なって、温度センサー(140)は5ポイント形態で半導体資材(SR)の5ヶ所の位置での温度を測定することができる。
【0133】
温度センサー(140)は、半導体資材(SR)の上面の全体領域のうち3ケ所の位置での温度を測定することができる。3ケ所の位置は、半導体資材(SR)の仮想の中心ポイントと、仮想の中心ポイントと同一水平線上に位置するものの仮想の中心ポイントの両側に備わるアウトラインのポイントであってもよい。
【0134】
または、温度センサー(140)は、半導体資材(SR)の上面の全体領域のうち5ヶ所の位置での温度を測定することができる。5ヶ所の位置は、半導体資材(SR)の仮想の中心ポイントと、半導体資材(SR)の4つの角部に位置するポイントであってもよい。
【0135】
温度センサー(140)により複数個の領域の温度を測定する場合、これらの平均値で該当半導体資材(SR)の温度を特定することもでき、半導体資材(SR)の温度測定位置及び個数は変更されてもよい。ただし、上述した特定位置は、半導体資材(SR)の温度測定値の正確度を高めるために、半導体資材(SR)の中央部側とアウトライン側を均一に測定した位置であってもよい。
【0136】
温度センサー(140)により測定された半導体資材(SR)の温度測定値が、制御部に予め設定された設定温度範囲に達した場合、半導体資材の切断方法(1)は、冷却された半導体資材(SR)を乾燥させた後、ビジョン(130)により半導体資材(SR)の分割予定ラインに対するビジョン検査を実行することができる。その次に、ビジョン検査の結果(分割予定ライン位置)により半導体資材(SR)が切断されることができる。
【0137】
これとは異なって、温度センサー(140)により測定された半導体資材(SR)の温度測定値が、制御部に予め設定された設定温度範囲に達していない場合、半導体資材の切断方法(1)は、冷却ステップまたは冷却及び乾燥ステップを再実行することができる。温度センサー(140)から受信された半導体資材(SR)の温度測定値が、予め設定された温度範囲に達していない場合、制御部は、半導体資材(SR)の冷却及び収縮状態を切断過程を実行するのに不充分な状態だと判断することができる。
【0138】
また、半導体資材(SR)が十分に冷却及び収縮がされない場合、半導体資材(SR)は、洗浄液を追加噴射して更に冷却収縮されることができる。半導体資材(SR)が十分に冷却及び収縮がされていない状態では、ビジョン検査の結果(分割予定ライン位置)と分割ライン位置が変化することができる。これによって、半導体資材(SR)の分割予定ライン位置と、切断ユニット(120)により実際に切断される分割ラインの位置がずれて切断品質を低下させることができる。
【0139】
したがって、制御部は、半導体資材(SR)を十分に冷却及び収縮させるために洗浄液噴射ステップを再実行することができる。
【0140】
洗浄液の追加噴射ステップが完了すれば、洗浄液が追加噴射された半導体資材(SR)を乾燥させた後に、ビジョン(130)でビジョン検査を実行することができる。その次に、ビジョン検査の結果(分割予定ライン位置)により切断ユニット(120)により半導体資材(SR)を切断することができる。
【0141】
一方、温度センサー(140)により測定された半導体資材(SR)の温度測定値が、制御部に予め設定された設定温度範囲を超える場合、過冷却を防止し、冷却及び水気除去ステップの時間を短縮させるために、洗浄液の噴射時間を短縮したり、洗浄液の噴射回数を減少させることができる。
【0142】
本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、このように温度センサーを利用して温度を測定する過程を含む半導体資材(SR)の十分な冷却状態を確認することもでき、半導体資材(SR)を冷却させるための最適な洗浄液の噴射時間及び洗浄液の噴射回数を設定することもできる。これによって半導体資材(SR)を十分に冷却させた状態で切断過程を実行して、切削液による分割予定ラインの位置変化を防止し、切断精密度及び切断品質を向上させることができる。
【0143】
このように、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、洗浄ノズル(NZ)を通した冷却過程を切断過程以前に実行するものの、1対のチャックテーブルのいずれか1つのチャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)を切断するステップが実行される間に、残り1つのチャックテーブルに伝達された半導体資材(SR)が切断のために待機する間に、洗浄ノズル(NZ)を通した冷却過程及び冷却された半導体資材(SR)のビジョン検査を実行することになる。
【0144】
したがって、切断過程以前に、洗浄ノズル(NZ)を利用して更に迅速に半導体資材(SR)の冷却過程を実行することができる。洗浄ノズル(NZ)は洗浄液を噴射して半導体資材(SR)を冷却させることができる。洗浄液を噴射する環境は切断過程で切削液を噴射する環境と類似するため、半導体資材(SR)は切断のために待機する間に、洗浄液を噴射する環境で予め冷却して収縮されることができる。
【0145】
すなわち、本発明の好ましい実施例による半導体資材の切断方法(1)は、切断過程の以前の冷却過程で、切断過程での洗浄液の噴射環境と類似の環境を作って、半導体資材(SR)を予め収縮させることができる。その次に、収縮した半導体資材(SR)のビジョン検査の結果(分割予定ライン位置)を提供した後、収縮した半導体資材(SR)の分割予定ライン位置に基づいて切断過程が実行されるようにする。これによって、半導体資材(SR)の分割予定ライン位置と、実際に切断される分割ライン位置のずれが防止されて、切断品質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0146】
1 半導体資材の切断方法、
100 半導体資材の切断装置、
110 ストリップピッカー、
120 切断ユニット、
130 ビジョン、
140 温度センサー、
150 洗浄部、
160 ユニットピッカー、
NZ 洗浄ノズル、
SR 半導体資材