(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124278
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】スプレー
(51)【国際特許分類】
B05B 11/00 20230101AFI20230830BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B05B11/00 101B
B05B11/00 101G
B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027949
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉村 和寿
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝之
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PD13
3E014PE17
3E014PF10
(57)【要約】
【課題】ノズルチップの環状溝やスピン溝等に詰まりが生ずるのを抑制する。
【解決手段】ノズルチップ13の閉塞壁33に、前後方向に貫くノズル孔13aが形成され、閉塞壁の後面に、前後方向から見てノズル孔を囲い、押下ヘッド12の連絡路30に連通する環状溝34と、前後方向から見て環状溝からノズル孔側に向けて延びるスピン溝35と、スピン溝およびノズル孔を互いに連通し、かつスピン溝からの内容液をノズル孔回りに旋回させるスピン室36と、が形成され、ノズルチップの内径が、3mm以上4mm以下とされ、環状溝の溝幅が、0.2mm以上0.5mm以下となっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方付勢状態で下方移動可能に支持されたステムを有するポンプと、
前記ステムの上端部に装着された押下ヘッドと、
前記押下ヘッドに装着されるとともに、前方に向けて開口したノズル孔が形成されたノズルチップと、を備え、
前記押下ヘッドに、前記ステムの上端部内と前記ノズル孔とを連通する連絡路が形成され、
前記ノズルチップは、前後方向に延びる筒状に形成されるとともに、前端開口を閉塞する閉塞壁を有し、
前記閉塞壁に、前後方向に貫く前記ノズル孔が形成され、
前記閉塞壁の後面に、
前後方向から見て前記ノズル孔を囲い、前記連絡路に連通する環状溝と、
前後方向から見て前記環状溝から前記ノズル孔側に向けて延びるスピン溝と、
前記スピン溝および前記ノズル孔を互いに連通し、かつ前記スピン溝からの内容液を前記ノズル孔回りに旋回させるスピン室と、が形成され、
前記ノズルチップの内径が、3mm以上4mm以下とされ、
前記環状溝の溝幅が、0.2mm以上0.5mm以下となっている、スプレー。
【請求項2】
前記環状溝の溝深さは、前記スピン溝の溝深さより深くなっている、請求項1に記載のスプレー。
【請求項3】
前記スピン溝のうち、前記環状溝との接続部分における溝幅は、前記環状溝の溝幅より広くなっている、請求項1または2に記載のスプレー。
【請求項4】
前記連絡路のうち、前記環状溝に接続された前端部は、前後方向から見て前記ノズル孔の中心軸線に交差する方向であるノズル径方向の全域にわたって、前記環状溝に前後方向で対向している、請求項1から3のいずれか1項に記載のスプレー。
【請求項5】
前記ノズル孔の内径は、0.1mm以上0.6mm以下となっている、請求項1から4のいずれか1項に記載のスプレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、押下ヘッドを押下することで、ポンプが作動され、内容液がノズルチップのノズル孔から霧状に噴出されるスプレーが知られている。
この種のスプレーとして、例えば下記特許文献1に示されるように、ノズルチップが、前後方向に延びる筒状に形成されるとともに、前端開口を閉塞する閉塞壁を有し、閉塞壁に、前後方向に貫くノズル孔が形成され、閉塞壁の後面に、前後方向から見てノズル孔を囲い、ポンプからの内容液が流入する環状溝と、前後方向から見て環状溝からノズル孔側に向けて延びるスピン溝と、スピン溝およびノズル孔を互いに連通し、かつスピン溝からの内容液をノズル孔回りに旋回させるスピン室と、が形成された構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のスプレーでは、例えばパウダーや微小な薄膜状のラメ成分等が含まれた内容液を吐出しようとすると、ノズルチップの内面に形成された環状溝やスピン溝等に詰まりが生ずるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、ノズルチップの内面に形成された環状溝やスピン溝等に詰まりが生ずるのを抑制することができるスプレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るスプレーは、上方付勢状態で下方移動可能に支持されたステムを有するポンプと、前記ステムの上端部に装着された押下ヘッドと、前記押下ヘッドに装着されるとともに、前方に向けて開口したノズル孔が形成されたノズルチップと、を備え、前記押下ヘッドに、前記ステムの上端部内と前記ノズル孔とを連通する連絡路が形成され、前記ノズルチップは、前後方向に延びる筒状に形成されるとともに、前端開口を閉塞する閉塞壁を有し、前記閉塞壁に、前後方向に貫く前記ノズル孔が形成され、前記閉塞壁の後面に、前後方向から見て前記ノズル孔を囲い、前記連絡路に連通する環状溝と、前後方向から見て前記環状溝から前記ノズル孔側に向けて延びるスピン溝と、前記スピン溝および前記ノズル孔を互いに連通し、かつ前記スピン溝からの内容液を前記ノズル孔回りに旋回させるスピン室と、が形成され、前記ノズルチップの内径が、3mm以上4mm以下とされ、前記環状溝の溝幅が、0.2mm以上0.5mm以下となっている。
【0007】
環状溝の溝幅が0.2mm以上となっているので、ステムの上端部内から押下ヘッドの連絡路を通して環状溝に進入した内容液を円滑にスピン溝に導入することが可能になり、例えばパウダーや微小な薄膜状のラメ成分等が含まれた内容液を吐出しようとしても、ノズルチップの内面に形成された環状溝やスピン溝等に詰まりが生ずるのを抑制することができる。
環状溝の溝幅が0.5mm以下となっているので、内径が4mm以下のノズルチップにおいて、内容液をスピン室でノズル孔回りに旋回させることが可能となる、スピン溝の流路長を確実に確保することができる。
【0008】
前記環状溝の溝深さは、前記スピン溝の溝深さより深くなってもよい。
【0009】
環状溝の溝深さが、スピン溝の溝深さより深くなっているので、ステムの上端部内から連絡路を通して環状溝に進入した内容液を円滑にスピン溝に導入することができる。
【0010】
前記スピン溝のうち、前記環状溝との接続部分における溝幅は、前記環状溝の溝幅より広くなってもよい。
【0011】
スピン溝のうち、環状溝との接続部分における溝幅が、環状溝の溝幅より広くなっているので、ステムの上端部内から連絡路を通して環状溝に進入した内容液を円滑にスピン溝に導入することができる。
【0012】
前記連絡路のうち、前記環状溝に接続された前端部は、前後方向から見て前記ノズル孔の中心軸線に交差する方向であるノズル径方向の全域にわたって、前記環状溝に前後方向で対向してもよい。
【0013】
連絡路の前端部が、ノズル径方向の全域にわたって、環状溝に前後方向で対向しているので、内容液を連絡路から環状溝に円滑に進入させることが可能になり、ノズルチップの内面に形成された環状溝やスピン溝等に詰まりが生ずるのを確実に抑制することができる。
【0014】
前記ノズル孔の内径は、0.1mm以上0.6mm以下となってもよい。
【0015】
ノズル孔の内径が、0.1mm以上0.6mm以下となっているので、内径が4mm以下のノズルチップにおいて、内容液をスピン室でノズル孔回りに旋回させることが可能となる、スピン溝の流路長を確実に確保することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、ノズルチップの内面に形成された環状溝やスピン溝等に詰まりが生ずるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態として示したスプレーの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、一実施形態に係るスプレーを説明する。
スプレー1は、
図1に示されるように、ポンプ11と、押下ヘッド12と、ノズルチップ13と、を備えている。
【0019】
ポンプ11は、ステム14と、プランジャ15と、シリンダ16と、下部弁体17と、装着キャップ18と、を備えている。ステム14、プランジャ15、シリンダ16、下部弁体17、および装着キャップ18は、共通軸と同軸に配設されている。
【0020】
以下、この共通軸をポンプ軸O1といい、ポンプ軸O1に沿う方向のうち、装着キャップ18に対して押下ヘッド12が位置している側を上方といい、押下ヘッド12に対して装着キャップ18が位置している側を下方という。また、ポンプ軸O1に沿う方向を上下方向といい、上下方向から見てポンプ軸O1に交差する方向をポンプ径方向といい、上下方向から見てポンプ軸O1回りに周回する方向をポンプ周方向という。
【0021】
装着キャップ18は、環状の頂壁を有する有頂筒状に形成されている。装着キャップ18の周壁に雌ねじ部が形成されており、内容液が収容された不図示の容器本体の口部に装着される。内容液としては、例えばパウダーや微小な薄膜状のラメ成分等を含有する液体が挙げられる。
シリンダ16は、装着キャップ18の頂壁の内周縁部から下方に向けて延びている。シリンダ16および装着キャップ18は、一体に形成されている。シリンダ16の下部の内径および外径は、シリンダ16の上部のものより小さくなっている。
下部弁体17は、シリンダ16の下端部内に設けられ、容器本体内からシリンダ16内への内容液の流通を許容し、かつその逆向きの流通を規制する逆止弁となっている。下部弁体17はボール弁とされ、シリンダ16の内面における下端開口の周縁部に対して上方に向けて離反可能に当接している。
【0022】
ステム14は、上下方向に連結された上ステム21および下ステム22を備えている。なお、上ステム21および下ステム22は一体に形成されてもよい。
【0023】
下ステム22は、シリンダ16の上端開口から上方に突出している。下ステム22の下端部は、シリンダ16の上部内に上下摺動可能に密に嵌合されている。下ステム22の下部の内径および外径は、下ステム22の上部のものより小さくなっている。
上ステム21は、有頂筒状に形成され、下ステム22の上部内に嵌合されている。上ステム21の頂壁に、上下方向に貫く連通孔21bが形成されている。上ステム21の頂壁に、上方に向けて突出し、押下ヘッド12が装着された装着筒(ステムの上端部)14aが形成されている。装着筒14a内に連通孔21bが開口している。装着筒14aおよび連通孔21bは、ポンプ軸O1と同軸に配設されている。
【0024】
プランジャ15は、外筒部23、内軸部24、および連結部25を備えている。
【0025】
外筒部23は、シリンダ16内およびステム14内に一体に挿入されている。外筒部23の下端部は、シリンダ16の下部内に上下摺動可能に密に嵌合されている。外筒部23の上端部は、上ステム21内に上下摺動可能に密に嵌合されている。なお、外筒部23の上端部は、上ステム21内に嵌合されなくてもよい。
内軸部24は、外筒部23によりポンプ径方向の外側から囲まれている。内軸部24の下端面は、外筒部23の下端開口から下方に突出している。内軸部24の下端面は、下部弁体17に対して、上下方向に対向した状態で上方に離れている。内軸部24の上端部には、下方に向かうに従い拡径した蓄圧弁部24aが形成されている。蓄圧弁部24aは、上ステム21の頂壁の下面における連通孔21bの開口周縁部に対して、下方に向けて離反可能に密に当接している。
連結部25は、ポンプ周方向に間隔をあけて複数設けられ、外筒部23および内軸部24それぞれの上下方向の中間部同士を連結している。連結部25の下端面と、シリンダ16の下端部の内面と、により、付勢部材19が上下方向に挟まれている。
【0026】
付勢部材19は、プランジャ15を上方付勢状態で下方移動可能に支持している。プランジャ15の蓄圧弁部24aが、上ステム21の頂壁の下面における連通孔21bの開口周縁部に密に当接していることにより、プランジャ15を介してステム14も上方付勢状態で下方移動可能に支持されている。付勢部材19は、コイルスプリングとなっている。
【0027】
押下ヘッド12には、ステム14の装着筒14a内と、後述するノズル孔13aと、を連通する連絡路30が形成されている。
連絡路30は、上ステム21の連通孔21bに上下方向で対向する縦連絡路31と、縦連絡路31からポンプ径方向の外側に向けて延びる横連絡路32と、を備えている。
以下、ポンプ径方向のうち、横連絡路32が縦連絡路31から延びる方向を前方といい、これとは逆向きを後方という。
【0028】
横連絡路32は、環状に形成され、前後方向に延びるノズル軸O2と同軸に配設されている。
以下、前後方向から見てノズル軸O2に交差する方向をノズル径方向といい、前後方向から見てノズル軸O2回りに周回する方向をノズル周方向という。
横連絡路32は、
図2に示されるように、ノズル径方向の外側に位置してノズル径方向の内側を向く外周面32aと、ノズル径方向の内側に位置してノズル径方向の外側を向く内周面32bと、により画成されている。
【0029】
ノズルチップ13は、押下ヘッド12に装着されている。ノズルチップ13は、前後方向に延びる筒状に形成されるとともに、前端開口を閉塞する閉塞壁33を有している。閉塞壁33に、前後方向に貫くノズル孔13aが形成されている。ノズル孔13aは、ノズル軸O2と同軸に配設されている。ノズルチップ13の内径は、3mm以上4mm以下となっている。ノズル孔13aの内径は、0.1mm以上0.6mm以下となっている。
【0030】
ノズルチップ13は、押下ヘッド12の横連絡路32の前部内に嵌合されている。ノズルチップ13は、横連絡路32のうち、外周面32aに当接し、かつ内周面32bからノズル径方向の外側に離れている。これにより、ノズルチップ13の内周面と、横連絡路32の内周面32bと、の間の隙間を通して、縦連絡路31がノズル孔13aに連通している。
【0031】
図2および
図3に示されるように、閉塞壁33の後面に、前後方向から見てノズル孔13aを囲い、連絡路30に連通する環状溝34と、前後方向から見て環状溝34からノズル孔13a側に向けて延びるスピン溝35と、スピン溝35およびノズル孔13aを互いに連通し、かつスピン溝35からの内容液をノズル孔13a回りに旋回させるスピン室36と、が形成されている。
【0032】
環状溝34は、ノズル軸O2と同軸に配設されている。環状溝34は、閉塞壁33の後面における外周縁部に形成されている。環状溝34を画成する内面のうち、ノズル径方向の外側に位置してノズル径方向の内側を向く外周面34aは、ノズルチップ13の内周面と段差なく前後方向に連なっている。環状溝34は、ノズル周方向の全長にわたって連続して延びている。環状溝34の溝深さは、スピン溝35の溝深さより深くなっている。環状溝34の溝深さは、ノズル孔13aの前後方向の長さと同じになっている。
【0033】
環状溝34の溝幅は、0.2mm以上0.5mm以下となっている。
図2に示されるように、連絡路30のうち、環状溝34に接続された前端部30aは、ノズル径方向の全域にわたって、環状溝34に前後方向で対向している。環状溝34は、横連絡路32の内周面32bをノズル径方向に跨いでいる。環状溝34の溝幅は、連絡路30の前端部30aの溝幅と同等になっている。環状溝34の溝幅は、連絡路30の前端部30aの溝幅以上とすることが好ましい。
【0034】
スピン室36は、ノズル軸O2と同軸に配設されている。スピン室36の前部は、前方に向かうに従い縮径している。
図3に示されるように、スピン溝35は、ノズル周方向に間隔をあけて複数設けられている。スピン溝35は、前後方向から見て、スピン室36の内周面の接線方向に延びている。スピン溝35の流路長は、1.2mm以上となっている。スピン溝35の溝幅は、環状溝34からスピン室36に向かうに従い狭くなっている。スピン溝35のうち、環状溝34との接続部分における溝幅は、環状溝34の溝幅より広くなっている。スピン溝35のうち、スピン室36との接続部分における溝幅は、環状溝34の溝幅と同じになっている。
【0035】
次に、以上のように構成されたスプレー1の作用について説明する。
【0036】
押下ヘッド12の押下に伴い、ステム14およびプランジャ15が一体に下方移動する。そして、下部弁体17が、シリンダ16の下端開口を閉塞したままの状態で、プランジャ15の外筒部23の下端部が、シリンダ16の下部内を下方に向けて摺動することで、シリンダ16の下部の内圧が上昇して所定値に達すると、プランジャ15が付勢部材19の上方付勢力に抗して下降し、蓄圧弁部24aが、上ステム21の頂壁の下面における連通孔21bの開口周縁部から下方に離れ、連通孔21bおよび装着筒14a内を通してシリンダ16の下部内が連絡路30に連通する。これにより、シリンダ16の下部内の内容液が、連絡路30、環状溝34、スピン溝35、およびスピン室36をこの順に通過してノズル孔13aから霧状に噴出される。
【0037】
シリンダ16の下部の内圧が低下すると、付勢部材19の上方付勢力により、プランジャ15が上方に復元移動し、蓄圧弁部24aが、上ステム21の頂壁の下面における連通孔21bの開口周縁部に当接する。押下ヘッド12の押下を解除すると、付勢部材19の上方付勢力により、ステム14およびプランジャ15が一体に上方移動する。この際、プランジャ15の外筒部23の下端部が、シリンダ16の下部内を上方に向けて摺動することで、シリンダ16の下部の内圧が下降して負圧になり、下部弁体17が上昇してシリンダ16の下端開口を開放することで、容器本体内の内容液がシリンダ16の下端開口を通して流入する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によるスプレー1によれば、環状溝34の溝幅が0.2mm以上となっているので、ステム14の装着筒14a内から押下ヘッド12の連絡路30を通して環状溝34に進入した内容液を円滑にスピン溝35に導入することが可能になり、例えばパウダーや微小な薄膜状のラメ成分等が含まれた内容液を吐出しようとしても、ノズルチップ13の内面に形成された環状溝34やスピン溝35等に詰まりが生ずるのを抑制することができる。
【0039】
環状溝34の溝幅が0.5mm以下となっているので、内径が4mm以下のノズルチップ13において、内容液をスピン室36でノズル孔13a回りに旋回させることが可能となる、スピン溝35の流路長を確実に確保することができる。
【0040】
環状溝34の溝深さが、スピン溝35の溝深さより深くなっているので、ステム14の装着筒14a内から連絡路30を通して環状溝34に進入した内容液を円滑にスピン溝35に導入することができる。
【0041】
スピン溝35のうち、環状溝34との接続部分における溝幅が、環状溝34の溝幅より広くなっているので、ステム14の装着筒14a内から連絡路30を通して環状溝34に進入した内容液を円滑にスピン溝35に導入することができる。
【0042】
連絡路30の前端部30aが、ノズル径方向の全域にわたって、環状溝34に前後方向で対向しているので、内容液を連絡路30から環状溝34に円滑に進入させることが可能になり、ノズルチップ13の内面に形成された環状溝34やスピン溝35等に詰まりが生ずるのを確実に抑制することができる。
【0043】
ノズル孔13aの内径が、0.1mm以上0.6mm以下となっているので、内径が4mm以下のノズルチップ13において、内容液をスピン室36でノズル孔13a回りに旋回させることが可能となる、スピン溝35の流路長を確実に確保することができる。
【0044】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0045】
例えば、環状溝34の溝深さを、スピン溝35の溝深さ以下としてもよい。
スピン溝35のうち、環状溝34との接続部分における溝幅を、環状溝34の溝幅以下としてもよい。
横連絡路32の内周面32bは、環状溝34よりノズル径方向の内側に位置してもよい。
【0046】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 スプレー
11 ポンプ
12 押下ヘッド
13 ノズルチップ
13a ノズル孔
14 ステム
14a 装着筒(ステムの上端部)
30 連絡路
30a 前端部
33 閉塞壁
34 環状溝
35 スピン溝
36 スピン室
O1 ポンプ軸
O2 ノズル軸(ノズル孔の中心軸線)