IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特開2023-124299情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124299
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20230830BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027977
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 晨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】旅客に対し手荷物を預けることを促進することができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理システムは、航空機の座席予約を行う情報処理システムであって、座席予約で設定された予約情報と、座席予約された航空機が離発着する空港に関する空港情報と、座席予約を行ったユーザーのユーザー情報及び空港周辺の気象予報情報の少なくとも何れか一つと、を記憶する記憶部と、空港情報と、ユーザー情報、予約情報、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つと、に基づき、航空機が最終目的地に到着してからユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間と、航空機が最終目的地に到着してから手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間と、を取得する予測時間取得部と、旅客予測時間及び手荷物予測時間を表示する表示部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の座席予約を行う情報処理システムであって、
前記座席予約で設定された予約情報と、前記座席予約された航空機が離発着する空港に関する空港情報と、前記座席予約を行ったユーザーのユーザー情報及び前記空港周辺の気象予報情報の少なくとも何れか一つと、を記憶する記憶部と、
前記空港情報と、前記ユーザー情報、前記予約情報、及び前記気象予報情報の少なくとも何れか一つと、に基づき、航空機が最終目的地に到着してから前記ユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間と、航空機が前記最終目的地に到着してから手荷物が前記手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間と、を取得する予測時間取得部と、
前記旅客予測時間及び前記手荷物予測時間を表示する表示部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記空港情報は、旅客が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客標準時間、及び手荷物が前記駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物標準時間を含み、
前記予測時間取得部は、前記ユーザー情報、前記予約情報、及び前記気象予報情報の少なくとも何れか一つに応じて、前記旅客標準時間及び前記手荷物標準時間を増減させて前記旅客予測時間及び前記手荷物予測時間を取得する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記旅客標準時間及び前記手荷物標準時間は、過去の実測値に基づいて設定されたものである請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザー情報は、会員ステータスを含む請求項1~3の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記予約情報は、前記最終目的地に向かう航空機におけるユーザーの座席番号、前記最終目的地に向かう航空機の全搭乗者の座席位置、及び手荷物優先返却オプションの有無の少なくとも何れか一つを含む請求項1~4の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記気象予報情報は、前記最終目的地の天気、温度及び風速の少なくとも何れか一つを含む請求項1~5の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
航空機の座席予約を行う情報処理装置であって、
前記座席予約で設定された予約情報と、前記座席予約された航空機が離発着する空港に関する空港情報と、前記座席予約を行ったユーザーのユーザー情報及び前記空港周辺の気象予報情報の少なくとも何れか一つと、を取得し、
前記空港情報と、前記ユーザー情報、前記予約情報、及び前記気象予報情報の少なくとも何れか一つと、に基づき、航空機が最終目的地に到着してから前記ユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間と、航空機が前記最終目的地に到着してから手荷物が前記手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間を取得し、
前記旅客予測時間及び前記手荷物予測時間を送信する、
情報処理装置。
【請求項8】
航空機の座席予約を行う情報処理装置によって実施される情報処理方法であって、
前記座席予約で設定された予約情報と、前記座席予約された航空機が離発着する空港に関する空港情報と、前記座席予約を行ったユーザーのユーザー情報及び前記空港周辺の気象予報情報の少なくとも何れか一つと、を取得するステップと、
前記空港情報と、前記ユーザー情報、前記予約情報、及び前記気象予報情報の少なくとも何れか一つと、に基づき、航空機が最終目的地に到着してから前記ユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間と、航空機が前記最終目的地に到着してから手荷物が前記手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間を取得するステップと、
前記旅客予測時間及び前記手荷物予測時間を送信するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法を前記情報処理装置のプロセッサに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の座席予約を行う情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID(Radio Frequency-ID)を用いて航空手荷物の管理を行うことが知られている。例えば、特許文献1には、手荷物に取り付けられたRFIDに仕分け用情報を書き込んで自動仕分けを行うこと、及び手荷物の所有者である旅客の情報を書き込んで到着時の手荷物の宅配又はポーターサービスを容易にすることなどが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-362730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、手荷物を機内に持ち込む旅客が増えると、その分搭乗完了までに時間がかかり、定時運行の妨げになる。そのため、搭乗時に手荷物を預ける旅客が増えることが望ましい。ただし、搭乗時に手荷物を預けた場合、到着時に手荷物を受け取るための待ち時間が発生し、到着後の予定に影響を与える恐れがあることから、手荷物を預けることを躊躇する旅客も多い。特許文献1のシステムにおいては、手荷物を受け取った後の発送等を容易にできるものの、待ち時間に関する問題を解決することはできない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を背景としたものであり、旅客に対し手荷物を預けることを促進することができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、航空機の座席予約を行う情報処理システムであって、座席予約で設定された予約情報と、座席予約された航空機が離発着する空港に関する空港情報と、座席予約を行ったユーザーのユーザー情報及び空港周辺の気象予報情報の少なくとも何れか一つと、を記憶する記憶部と、空港情報と、ユーザー情報、予約情報、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つと、に基づき、航空機が最終目的地に到着してからユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間と、航空機が最終目的地に到着してから手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間と、を取得する予測時間取得部と、旅客予測時間及び手荷物予測時間を表示する表示部と、を備える。
また、本発明に係る情報処理装置は、航空機の座席予約を行う情報処理装置であって、座席予約で設定された予約情報と、座席予約された航空機が離発着する空港に関する空港情報と、座席予約を行ったユーザーのユーザー情報及び空港周辺の気象予報情報の少なくとも何れか一つと、を取得し、空港情報と、ユーザー情報、予約情報、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つと、に基づき、航空機が最終目的地に到着してからユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間と、航空機が最終目的地に到着してから手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間を取得し、旅客予測時間及び手荷物予測時間を送信するものである。
また、本発明に係る情報処理方法は、航空機の座席予約を行う情報処理装置によって実施される情報処理方法であって、座席予約で設定された予約情報と、座席予約された航空機が離発着する空港に関する空港情報と、座席予約を行ったユーザーのユーザー情報及び空港周辺の気象予報情報の少なくとも何れか一つと、を取得するステップと、空港情報と、ユーザー情報、予約情報、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つと、に基づき、航空機が最終目的地に到着してからユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間と、航空機が最終目的地に到着してから手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間を取得するステップと、旅客予測時間及び手荷物予測時間を送信するステップと、を含む。
さらに本発明に係る情報処理プログラムは、上記情報処理方法を情報処理装置のプロセッサに実行させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムによると、航空機が最終目的地に到着してからユーザー及び手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる予測時間を通知することで、出発の際に旅客に対して手荷物を預けることを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの概略構成図である。
図2】実施の形態1に係る情報処理システムの制御ブロック図である。
図3】実施の形態1に係る情報処理システムにおける予約照会時の処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム100の概略構成図である。本実施の形態の情報処理システム100は、航空機の座席予約を行うためのシステムである。図1に示すように、情報処理システム100は、情報処理装置1と、ホストサーバ2と、電子機器3とを備える。情報処理装置1と、ホストサーバ2と、電子機器3とは、ネットワーク200を介して無線又は有線通信可能に接続されている。ネットワーク200は例えばインターネットである。
【0010】
情報処理装置1は、航空機の座席予約を管理する座席予約システムを提供する装置である。ホストサーバ2は、座席予約システムに用いられる種々の情報を記憶し、情報処理装置1に提供する装置である。電子機器3は、例えばPC、スマートフォン又はタブレットなどの通信端末であり、旅客となるユーザーが座席予約システムを利用するために用いる装置である。
【0011】
図2は、実施の形態1に係る情報処理システム100の制御ブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを備えている。通信部11は、ホストサーバ2及び電子機器3とネットワーク200を介して通信を行うネットワークインターフェースである。通信部11は、ホストサーバ2及び電子機器3との通信に必要な各種フレームの生成及びプロトコル制御を行う。
【0012】
制御部12は、情報処理装置1の各部を制御するCPUなどのプロセッサである。制御部12は、プロセッサが記憶部13に記憶されるプログラムを実行することにより実現される機能部として、予約管理部121と、予測時間取得部122とを有している。なお、予約管理部121及び予測時間取得部122は、専用の機器又は専用の回路、もしくは専用の機器又は専用の回路とソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0013】
予約管理部121は、電子機器3から送信される情報に基づいて、航空機の座席予約を管理する。具体的には、予約管理部121は、航空機の各便の空席情報に基づき予約の可否を判断するとともに、空席情報を更新する。
【0014】
予測時間取得部122は、ホストサーバ2に記憶される情報に基づき、航空機が最終目的地に到着してから旅客が手荷物受取場に移動するまでにかかる時間(以下、「旅客予測時間tp」と称する)と、手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる時間(以下、「手荷物予測時間tb」と称する)と、を取得する。旅客予測時間tp及び手荷物予測時間tbは、ある程度の時間幅を有するものであってもよい。予測時間取得部122が取得した旅客予測時間tp及び手荷物予測時間tbは、通信部11を介して電子機器3に送信される。
【0015】
記憶部13は、RAM、ROM又はフラッシュメモリなどのメモリである。記憶部13は、各便の空席情報及び情報処理装置1の処理に必要なプログラム、パラメータ及び各種データなどを記憶している。
【0016】
ホストサーバ2は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。通信部21は、情報処理装置1とネットワーク200を介して通信を行うネットワークインターフェースである。通信部21は、情報処理装置1との通信に必要な各種フレームの生成及びプロトコル制御を行う。
【0017】
制御部22は、ホストサーバ2の各部を制御するCPUなどのプロセッサである。制御部22は、情報処理装置1からの要求に応じて、記憶部23に記憶されている各種情報を抽出し、情報処理装置1へ送信する。
【0018】
記憶部23は、RAM、ROM又はフラッシュメモリなどのメモリである。記憶部23は、ユーザー情報データベース231と、予約情報データベース232と、空港情報データベース233と、気象予報データベース234とを有している。なお、図2においては、データベースを「DB」と略記している。
【0019】
ユーザー情報データベース231は、座席予約システムを利用可能な会員のユーザー情報を記憶する。ユーザー情報は、ユーザーのID、名前、住所、連絡先、及び会員ステータスなどを含む。会員ステータスには、スタンダード及びプレミアムがあり、プレミアム会員は、ラウンジ及び優先チェックインカウンターの利用が可能であるとともに、手荷物受取の際も優先される。ユーザー情報は、座席予約システムの会員登録の際に、情報処理装置1からホストサーバ2に送信され、ユーザー情報データベース231に記憶される。
【0020】
予約情報データベース232は、座席予約システムで設定された予約情報を記憶する。予約情報は、予約日時、予約便名、予約便の座席番号、手荷物優先返却オプションの有無、予約便の全搭乗者の座席位置などを含む。予約情報は、座席予約が行われる際に、情報処理装置1からホストサーバ2に送信され、予約情報データベース232に記憶される。
【0021】
空港情報データベース233は、座席予約システムで予約される航空機が離発着する空港の情報を記憶する。空港情報は、各空港における到着時の駐機予定位置、旅客が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客標準時間tsp、及び手荷物が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物標準時間tsbなどを記憶している。各空港における到着時の駐機予定位置は、制御部22によって、ネットワーク200を介して各空港の管理サーバから取得され、空港情報データベース233に記憶される。旅客標準時間tsp及び手荷物標準時間tsbは、制御部22によって、駐機予定位置から手荷物受取場までの距離と、人の移動速度及び手荷物の運搬速度とに基づき求められ、空港情報データベース233に記憶される。
【0022】
気象予報データベース234は、座席予約システムで予約される航空機が離発着する空港周辺の気象予報情報を記憶する。気象予報情報は、晴れ、雨、雪又は曇りなどの天気予報、最高気温及び最低気温、並びに風速などを含む。気象予報情報は、制御部22によってネットワーク200を介して気象予報情報を提供する外部サーバから定期的に取得され、気象予報データベース234に記憶される。
【0023】
電子機器3は、通信部31と、制御部32と、表示部33と、操作部34とを備えている。通信部31は、情報処理装置1とネットワーク200を介して通信を行うネットワークインターフェースである。通信部31は、情報処理装置1との通信に必要な各種フレームの生成及びプロトコル制御を行う。
【0024】
制御部32は、電子機器3の各部を制御するCPUなどのプロセッサである。制御部32は、操作部34を介して入力されたユーザーからの指示に基づき、情報処理装置1へ航空機の座席予約又は予約照会などの要求を行う。また、制御部32は、情報処理装置1から受信したデータに基づき座席予約システムに関する画面などを表示部33に表示させる。
【0025】
表示部33は、液晶ディスプレイなどであり、座席予約システムに関する画面などを表示する。また、本実施の形態の表示部33は、航空機が最終目的地に到着してから旅客が手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間tpと、手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間tbとを表示する。
【0026】
操作部34は、キーボード又はタッチパネルなどであり、ユーザーの操作を受け付け、制御部32に送信する。ユーザーは、操作部34を操作して、情報処理装置1が提供する座席予約システムへのログイン、座席の予約及び予約の紹介などを行う。
【0027】
次に、情報処理システム100の動作について説明する。本実施の形態の情報処理システム100は、ユーザーによる予約照会時に、航空機が最終目的地に到着してから旅客が手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間tpと、手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間tbとをユーザーに通知することができる。図3は、実施の形態1に係る情報処理システム100における予約照会時の処理の流れを示す図である。
【0028】
まず、ユーザーによって電子機器3が操作され、座席予約システムへのログイン及び予約照会が行われる(S1)。ここでは、電子機器3から情報処理装置1にユーザー情報が送信され、情報処理装置1からホストサーバ2へユーザーIDが送信され、ユーザー情報が照会される。そして、ホストサーバ2において、受信したユーザーIDと、ユーザー情報データベース231に記憶されるユーザーIDとが照会され、照会結果が情報処理装置1に送信される。そして、情報処理装置1から電子機器3に対しログイン通知が行われる。なお、ユーザーがユーザー情報の登録を行わずに座席予約を行った場合は、上記のログインは行わず、予約番号などを用いた予約照会が行われる。
【0029】
情報処理装置1は、電子機器3から予約照会が行われると、ホストサーバ2に対して、ユーザーに関するユーザー情報と予約情報とを要求する(S2)。ここでは、情報処理装置1は、ユーザー情報としてユーザーの会員ステータス、予約情報として予約便名、予約便におけるユーザーの座席番号、予約便の全搭乗者の座席位置、及び手荷物優先返却オプションの有無を要求する。なお、電子機器3からの予約照会に対し、ホストサーバ2において予約情報がない場合は、処理を終了する。
【0030】
ホストサーバ2は、情報処理装置1からの要求を受信すると、ユーザー情報データベース231及び予約情報データベース232から要求された情報を取得し、情報処理装置1に送信する(S3)。
【0031】
続いて、情報処理装置1は、取得した予約情報から最終目的地を特定する(S4)。最終目的地は、ユーザーが最終的に到着する空港である。そして、情報処理装置1は、ホストサーバ2に対し、最終目的地に関する空港情報と気象予報情報とを要求する(S5)。ここでは、情報処理装置1は、空港情報として到着空港における予約便の駐機予定位置と、旅客が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客標準時間tspと、手荷物が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物標準時間tsbと、を要求する。また、情報処理装置1は、気象予報情報として、最終目的地の天気、温度及び風速を要求する。
【0032】
ホストサーバ2は、情報処理装置1からの要求を受信すると、空港情報データベース233及び気象予報データベース234から要求された情報を取得し、情報処理装置1に送信する(S6)。
【0033】
情報処理装置1は、ユーザーの座席番号、全搭乗者の座席位置、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つと、旅客が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客標準時間tspとを用いて、航空機が最終目的地に到着してからユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間tpを取得する(S7)。情報処理装置1の予測時間取得部122は、ユーザーの座席番号、全搭乗者の座席位置、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つに応じて旅客標準時間tspを増減するなどして旅客予測時間tpを取得する。
【0034】
例えば、予測時間取得部122は、ユーザーの座席番号が前方の場合、又は全搭乗者の座席位置に対しユーザーの座席位置が前方にある場合、旅客標準時間tspを減少させ旅客予測時間tpとする。また、予測時間取得部122は、ユーザーの座席番号が後方の場合、全搭乗者の座席位置に対しユーザーの座席位置が後方にある場合、又は天気が雨又は雪である場合、旅客標準時間tspを増加させ旅客予測時間tpとする。また、予測時間取得部122は、ユーザーの座席番号が中央の場合、全搭乗者の座席位置に対しユーザーの座席位置が中央にある場合、又は天気が晴れである場合、旅客標準時間tspをそのまま旅客予測時間tpとする。
【0035】
また、情報処理装置1は、ユーザーの会員ステータス、手荷物優先返却オプションの有無、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つと、手荷物が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物標準時間tsbとを用いて、航空機が最終目的地に到着してから手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間tbを取得する(S8)。情報処理装置1の予測時間取得部122は、ユーザーの会員ステータス、手荷物優先返却オプションの有無、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つに応じて手荷物標準時間tsbを増減するなどして手荷物予測時間tbを取得する。
【0036】
例えば、予測時間取得部122は、ユーザーの会員ステータスがプレミアムの場合、又は手荷物優先返却オプション有りの場合、手荷物標準時間tsbを減少させ手荷物予測時間tbとする。また、予測時間取得部122は、天気が雨又は雪の場合、手荷物標準時間tsbを増加させ手荷物予測時間tbとする。また、予測時間取得部122は、ユーザーの会員ステータスがスタンダードの場合、手荷物優先返却オプション無しの場合、又は天気が晴れの場合、手荷物標準時間tsbをそのまま手荷物予測時間tbとする。
【0037】
そして、情報処理装置1は、電子機器3に、航空機が最終目的地に到着してからユーザーが手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客予測時間tpと航空機が最終目的地に到着してから手荷物が手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物予測時間tbとを送信する(S9)。電子機器3は、情報処理装置1から送信された旅客予測時間tp及び手荷物予測時間tbを表示部33に表示する(S10)。
【0038】
以上のように、本実施の形態の情報処理システム100によれば、ユーザーは予約情報を照会した際に、最終目的地の空港に到着した時に、ユーザーが手荷物受取場へ到着するまでにかかる旅客予測時間tpと、手荷物が受取可能となるまでにかかる手荷物予測時間tbと、を確認することができる。これにより、ユーザーは出発前に手荷物の待ち時間がわかるため、到着後の予定を立てやすくなり手荷物を預けることを促進することができる。また、手荷物を預ける旅客が増えることによって、航空会社の定時運行率の向上が期待できる。
【0039】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、上記の実施の形態の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形又は組み合わせが可能である。例えば、上記実施の形態では、情報処理装置1とホストサーバ2とを別々の装置で構成する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、情報処理装置1とホストサーバ2とは同じ装置で構成されてもよい。
【0040】
また、ホストサーバ2の記憶部23は、ユーザー情報データベース231、予約情報データベース232、空港情報データベース233、及び気象予報データベース234の少なくとも何れか一つを記憶するものであればよい。この場合、情報処理装置1又はその他の外部サーバがホストサーバ2に記憶されないデータベースを記憶してもよい。
【0041】
さらに、旅客が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる旅客標準時間tsp、及び手荷物が駐機予定位置から手荷物受取場に移動するまでにかかる手荷物標準時間tsbは、過去の実測値に基づき求められてもよい。これにより旅客予測時間tp及び手荷物予測時間tbの精度をより高めることができる。
【0042】
また、情報処理装置1は、空港情報として、旅客標準時間tsp及び手荷物標準時間tsbに替えて、駐機予定位置から手荷物受取場までの距離に関する情報を取得してもよい。この場合、予測時間取得部122は、取得した距離と、ユーザー情報、予約情報、及び気象予報情報の少なくとも何れか一つとに基づき旅客予測時間tp及び手荷物予測時間tbを取得する。また、最終目的地の駐機位置がボーディングブリッジを使用しないスポットの場合、降機後、旅客の移動にバスが使用される場合がある。この場合、情報処理装置1は、空港情報としてバス利用の有無を取得する。そして、予測時間取得部122は、バス利用有りの場合は、旅客標準時間tspを増加して旅客予測時間tpを取得してもよいし、旅客予測時間tpの時間幅を多く取ってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 情報処理装置、2 ホストサーバ、3 電子機器、11、21、31 通信部、12、22、32 制御部、13、23 記憶部、33 表示部、34 操作部、100 情報処理システム、121 予約管理部、122 予測時間取得部、200 ネットワーク、231 ユーザー情報データベース、232 予約情報データベース、233 空港情報データベース、234 気象予報データベース。
図1
図2
図3