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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124302
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】パネルを支持するための架台
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/16 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
E04G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027987
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】添田 智美
(72)【発明者】
【氏名】日村 みのり
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174BA01
2E174DA31
(57)【要約】
【課題】パネルを支持するための架台を提供することを課題の一つとする。
【解決手段】この架台は一対のスタンドを備える。一対のスタンドの各々は、ベースユニット、第1のサポートユニット、少なくとも一つのパネル受容ユニット、および第2のサポートユニットを備える。ベースユニットは、第1の方向に延伸するベースフレームを有する。第1のサポートユニットは、ベースユニット上に位置し、パネルを胴縁に固定するための治具を支持するように構成される。少なくとも一つのパネル受容ユニットは、ベースユニット上に位置し、パネルの長辺を支持するように構成される。第2のサポートユニットは、ベースユニット上に位置し、かつ、第1のサポートユニットとパネル受容ユニットの間に位置する。第2のサポートユニットは、少なくとも一つのパネル受容ユニット上にパネルが配置された際にパネルを支えるように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の外壁として設置されるパネルを支持するための、一対のスタンドを備える架台であり、前記一対のスタンドの各々は、
第1の方向に延伸するベースフレームを有するベースユニット、
前記ベースユニット上に位置し、前記パネルを胴縁に固定するための治具を支持するように構成される第1のサポートユニット、
前記ベースユニット上に位置し、前記パネルの長辺を支持するように構成される少なくとも一つのパネル受容ユニット、および
前記ベースユニット上に位置し、前記第1のサポートユニットと前記パネル受容ユニットの間に位置し、前記少なくとも一つのパネル受容ユニット上に前記パネルが配置された際に前記パネルを支えるように構成される第2のサポートユニットを備える架台。
【請求項2】
前記治具は、
メインフレーム、および
前記メインフレームに搭載される一つ以上の電動ドライバを備え、
前記第1のサポートユニットは、前記治具を支持するための台座を有する、請求項1に記載の架台。
【請求項3】
前記ベースユニットは、前記ベースフレームに固定され、前記ベースフレームと交差する一対のサイドフレームをさらに有する、請求項1に記載の架台。
【請求項4】
前記少なくとも一つのパネル受容ユニットは、前記ベースフレームと交差し、前記パネルの前記長辺を支持するように構成されるパネル支持フレームである、請求項1に記載の架台。
【請求項5】
前記少なくとも一つのパネル受容ユニットは、前記第1の方向に垂直な方向に延伸するガイド溝である、請求項1に記載の架台。
【請求項6】
前記少なくとも一つのパネル受容ユニットは二つのパネル受容ユニットを含み、
前記二つのパネル受容ユニットの一方は、前記ベースフレームと交差し、前記パネルの前記長辺を支持するように構成されるパネル支持フレームであり、他方は前記第1の方向に垂直な方向に延伸するガイド溝である、請求項1に記載の架台。
【請求項7】
前記少なくとも一つのパネル受容ユニットは、前記ベースフレームに沿ってスライドするように構成される、請求項1に記載の架台。
【請求項8】
前記第2のサポートユニットは、
前記ベースフレーム側から上方に延伸するフロントフレーム、および
前記フロントフレームに接続されるプロップを備え、
前記プロップは、前記パネルが前記パネル受容ユニット上に配置された際に前記パネルの主面に接するように構成される、請求項1に記載の架台。
【請求項9】
前記第2のサポートユニットは、前記フロントフレームと前記プロップに接続されるアームをさらに備え、
前記アームは、前記プロップが第1の状態と第2の状態を可逆的に取るように構成され、
前記第1の状態において、前記プロップは、前記パネル受容ユニット上に配置される前記パネルの前記主面と接し、
前記第2の状態において、前記アームは折りたたまれ、前記プロップは前記パネル受容ユニット上に配置される前記パネルから離隔する、請求項8に記載の架台。
【請求項10】
前記ベースユニット側から上方に延伸する主柱をさらに備え、
前記第1のサポートユニットと前記第2のサポートユニットの少なくとも一方は、前記主柱に沿ってスライドするように構成される、請求項1に記載の架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、建築物の外壁として用いられるパネルを支持するための架台、およびこの架台を利用してパネルを建築物に固定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫などの物流施設や工場、商業ビルなどの大規模建築物は、建築物の骨格となる躯体を構築し、躯体に外壁やルーバー、建具、窓などが取り付けられて施工される。大規模建築物に特殊な外観形状やデザインが要求されない場合には、筐体に胴縁を取り付け、ロックウールなどの不燃断熱材を鋼板で挟み込んだ外壁パネル(以下、単にパネルと記す。)を胴縁に固定することで外壁を構成することが多い。この工法を採用することで、短い工期で建築物を施工することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-116823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の一つは、パネルを支持するための架台を提供することを課題の一つとする。例えば、本発明の実施形態の一つは、パネルと胴縁の固定を建築物内部での作業として実行可能にする治具に対してパネルを固定する際にパネルを保持または支持するための架台を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の一つは、建築物の外壁として設置されるパネルを支持するための架台である。架台は一対のスタンドを備える。一対のスタンドの各々は、ベースユニット、第1のサポートユニット、少なくとも一つのパネル受容ユニット、および第2のサポートユニットを備える。ベースユニットは、第1の方向に延伸するベースフレームを有する。第1のサポートユニットは、ベースユニット上に位置し、パネルを胴縁に固定するための治具を支持するように構成される。少なくとも一つのパネル受容ユニットは、ベースユニット上に位置し、パネルの長辺を支持するように構成される。第2のサポートユニットは、ベースユニット上に位置し、かつ、第1のサポートユニットとパネル受容ユニットの間に位置する。第2のサポートユニットは、少なくとも一つのパネル受容ユニット上にパネルが配置された際にパネルを支えるように構成される。
【0006】
本発明の実施形態の一つは、パネルを建築物に固定する方法である。この方法は、架台の上に治具を配置すること、架台の上にパネルを配置すること、治具とパネルが架台上に配置された状態で治具とパネルを固定することを含む。架台は一対のスタンドを備える。一対のスタンドの各々は、ベースユニット、第1のサポートユニット、少なくとも一つのパネル受容ユニット、および第2のサポートユニットを備える。ベースユニットは、第1の方向に延伸するベースフレームを有する。第1のサポートユニットは、ベースユニット上に位置し、パネルを胴縁に固定するための治具を支持するように構成される。少なくとも一つのパネル受容ユニットは、ベースユニット上に位置し、パネルの長辺を支持するように構成される。第2のサポートユニットは、ベースユニット上に位置し、かつ、第1のサポートユニットとパネル受容ユニットの間に位置する。第2のサポートユニットは、少なくとも一つのパネル受容ユニット上にパネルが配置された際にパネルを支えるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の実施形態の一つであるパネルの固定方法を説明する模式的正面図。
図1B】本発明の実施形態の一つであるパネルの固定方法を説明する模式的端面図。
図2A】本発明の実施形態の一つであるパネルの固定方法で用いられる、パネルを固定するための治具の模式的上面図。
図2B】本発明の実施形態の一つであるパネルの固定方法で用いられる、パネルを固定するための治具の模式的側面図。
図3】本発明の実施形態の一つであるパネルの固定方法を説明する模式的側面図。
図4】本発明の実施形態の一つである、パネルを支持するための架台の模式的斜視図。
図5A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の模式的側面図。
図5B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の模式的上面図。
図6】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の模式的正面図。
図7A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための治具に用いることができるフレームの模式的端面図。
図7B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための治具に用いることができるフレームの模式的端面図。
図7C】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための治具に用いることができるフレームの模式的端面図。
図7D】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための治具に用いることができるフレームの模式的端面図。
図7E】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための治具に用いることができるフレームの模式的端面図。
図8A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的上面図。
図8B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的正面図。
図9A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的正面図。
図9B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台とパネルの一部の模式的端面図。
図10A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的上面図。
図10B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的正面図。
図10C】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的側面図。
図11A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的上面図。
図11B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的側面図。
図12A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的上面図。
図12B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的側面図。
図12C】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的側面図。
図13A】パネルを搬送するための搬送棒とパネルの模式図。
図13B】パネルを搬送するための搬送棒とパネルの模式図。
図14A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部を含む模式的上面図。
図14B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部を含む模式的側面図。
図14C】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台を含む模式的側面図。
図15】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の模式的側面図。
図16】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の模式的側面図。
図17】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の模式的側面図。
図18A】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的側面図。
図18B】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の一部の模式的側面図。
図19】本発明の実施形態の一つである、パネルを固定するための架台の模式的側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0009】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。同一の構造または機能を有する複数の要素をそれぞれ区別する際には符号の後にハイフンと自然数を用い、これらの複数の要素を区別せず総じて表す場合には符号のみを用いる。符号が付された要素の一部を表記する際には、符号に小文字のアルファベットが添えられる。
【0010】
以下、本発明の実施形態の一つに係る架台について説明する。以下の説明から理解されるように、架台は、建築物に取り付けられた胴縁にパネルを固定するための治具およびパネルを同時に支持することで、パネルと治具との固定作業を容易にするための補助器具である。治具とパネルは、互いに固定・一体化された後、パネルが設置される所定位置まで運搬され、その後、治具を用いてパネルが建築物に固定される。パネルの建築物への固定は建築物内での作業として行うことができるため、作業員の安全性が向上するだけでなく、足場設置のための時間やコストが不要となる。以下、詳述する。
【0011】
1.パネル
図1Aにパネル20を建築物10に固定する際の模式図を示す。パネル20が固定される建築物10は、例えば図示しない杭または基礎コンクリートに連結される基礎梁12、基礎梁12と連結される躯体14、16を基本骨格として有する。躯体14、16によって建築物10の外部形状が主に決定される。躯体14、16には、鉛直方向に延伸する複数の胴縁18が敷設される。パネル20は、後述する治具200と胴縁18の間に位置するように揚重機によって所定の場所に運搬され、その後、ねじや釘などの固定具(以下、パネル20を固定するための固定具を総じてビスと記す)を用いてパネル20が胴縁18に固定される。
【0012】
パネル20が固定される胴縁18は、アルミニウムや鉄などの金属、あるいはステンレスなどの合金、木材、あるいは樹脂を含む、直線状に延伸するフレームである。胴縁18は、一方向に延伸する板、中空管、あるいは空洞を持たないロッドでもよい。例えば胴縁18は、所謂リップ付き溝形鋼でもよく、あるいは断面が閉じた形状を有する角鋼管、リップを持たない溝形鋼(平行フランジ溝形鋼)、H鋼などでもよい。胴縁18の外表面の少なくとも一部は、胴縁18が延伸する方向の全体にわたって平坦であり、この平坦面にパネル20が配置、固定される。胴縁18の長さや幅、厚さは任意であり、例えば日本工業規格(JIS)G 3350を満たすように構成してもよい。
【0013】
パネル20は、木材、セメント、金属、ロックウールなどの鉱物繊維、ケイ酸カルシウム、石膏、樹脂などを含み、単層構造、あるいは積層構造を有するように構成される。例えばグラスウールやロックウールなどの鉱物繊維、セルロースファイバーなどの天然高分子由来の繊維、ポリウレタンやポリスチレン、またはフェノール樹脂を含む発泡プラスチックなどの断熱材、ケイ酸カルシウム、石膏などを板状に加工し、これを一対の金属板や樹脂板、木板などで挟持した構造を採用することができる。金属板を用いる場合、金属板はアルミニウムや鉄などの金属、あるいはステンレスなどの合金などを含むことができ、その表面はアルミニウムや亜鉛を含む合金皮膜で覆われていてもよい。各パネル20の長さ(長手方向の長さ)と幅(長手方向に垂直な長さ)は任意に決定することができる。パネル20の長さは、例えば1m以上10m以下、2m以上6m以下、3m以上7m以下、5m以上6m以下、または3m以上5m以下である。パネル20の幅は、例えば20cm以上200cm以下、60cm以上100cm以下、30cm以上150cm以下、または30cm以上100cm以下である。以下、パネル20が建築物10に固定された際、外側に面する面を主面と記す。
【0014】
図1Bに示すように、通常、パネル20は、対向する二つの長辺に沿ってそれぞれ延伸する一対のレール20aと一対のレール20bが設けられ、レール20bの間には凸部20eがさらに形成される。二つのパネル20を上下に配置して接続する際、下側のパネル20の一対のレール20aの間に上側のパネル20の凸部20eが挟まれ、かつ、下側のパネル20の一対のレール20aが上側のパネル20の一対のレール20bで挟み込まれる。下側のパネル20の主面20cと上側のパネル20のレール20bの一つが略同一平面になるようにパネル20が構成されるため、レール20aが設けられる長辺側の端部20dでは、パネル20の厚さが小さい。ビス24は、下側に配置されるパネル20の端部20dを貫通して胴縁18に達するように打ち付けられ、上側のパネル20のレール20bがビス24を覆うように上側のパネル20が配置される。
【0015】
2.治具
上述したように、パネル20の取り付けは、建築物10の内部の作業として治具を用いて行われる。すなわち、パネル20に対して胴縁18側に配置される作業員の作業としてパネル20の取り付けが行われる。治具の模式的上面図と側面図をそれぞれ図2A図2Bに示す。治具200は、メインフレーム202を有し、メインフレーム202にはパネル固定具204と一つまたは複数のスライド装置212が設けられる。スライド装置212上には、それぞれ電動ドライバ22が搭載される。したがって、治具200には一つまたは複数の電動ドライバ22が搭載される。治具200はさらに、スライド装置212と電動ドライバ22が必要とする動力を提供するための駆動ユニット206、スライド装置212を操作するためのスイッチ208、パネル20の端部とメインフレーム202との距離を維持するスペーサ210などをメインフレーム202上に有してもよい。
【0016】
図2A図2Bに示すように、パネル固定具204はパネル20の長辺側を保持しつつ、パネル20を吊り下げる。これにより、パネル20の主面とメインフレーム202が互いに平行の状態を維持したまま治具200とパネル20が互いに固定される。治具200とパネル20が互いに固定された状態でケーブル26や図示しない伸縮ユニットなどを介して揚重機28で治具200とパネル20が吊り下げられ、所定の位置に移動される(図3)。所定の位置に治具200とパネル20が運搬されると、電動ドライバ22を駆動させる。これと同時に、パネル20側にスライドするよう、電動ドライバ22に対してスライド装置212がトルクを与える。その結果、ビス24がパネル20の主面側から主面に対して垂直または略垂直な方向で打ち込まれ、胴縁18に固定される。作業員は建築物10の内部から電動ドライバ22やスライド装置212を直接または駆動ユニット206を用いて操作すればよいため、建築物10外部に足場を組み立てる必要はなく、また、作業員の作業環境を安全に保つことができる。
【0017】
3.架台
上述したように、パネル20は予め治具200に固定された状態で所定の場所に運搬される。架台100は、任意の場所、例えば建築物10の外や建築物10の低層階などでパネル20を治具200に簡便に固定できるようにする補助器具である。図4に示すように、架台100は一対のスタンド110を有し、一対のスタンド110上に治具200と一つのパネル20が配置される。一対のスタンドは、互いに一体化または連結されて一つのユニットとして構成してもよい。後述するように、この状態で治具200とパネル20が安定的に配置され、かつ、パネル20の主面が治具200のメインフレーム202と平行となるため、容易に治具200とパネル20を固定することができる。以下、スタンド110の構造の詳細について説明する。
【0018】
一つのスタンド110の模式的側面図、上面図、および正面図をそれぞれ図5A図5B図6に示す。図5Aでは、治具200の一部とパネル20も示されている。これらの図に示すように、各スタンド110は、ベースユニット120、少なくとも一つのパネル受容ユニット130、第1のサポートユニット150、および第2のサポートユニット170を有する。少なくとも一つのパネル受容ユニット130は、複数のパネル受容ユニット130を含んでもよい。
【0019】
(1)ベースユニット
ベースユニット120は、スタンド110全体を地面や床面などに安定に設置させ、パネル受容ユニット130、第1のサポートユニット150、および第2のサポートユニット170を支持する。したがって、この機能が発現できれば、ベースユニット120の構造に制約はない。図5Aから図6に示された例では、ベースユニット120は、一方向に延伸するベースフレーム122およびベースフレーム122と交差する一対のサイドフレーム124を備える。ベースフレーム122とサイドフレーム124の上下関係に制約はなく、ベースフレーム122上にサイドフレーム124が配置されてもよく、逆にサイドフレーム124上にベースフレーム122が配置されてもよい。また、サイドフレーム124の数にも制約はなく、三つ以上のサイドフレーム124が設けられていてもよい。同様に、複数のベースフレーム122がベースユニット120に含まれていてもよい。以下の説明では、ベースフレーム122が延伸する方向をy方向とし、y方向に垂直であり、かつ、互いに直交する二つの方向をx方向とz方向とする。一対のスタンド110-1と110-2は、x方向において重なるように配置される。図4から図6で理解されるように、パネル20を架台100上に配置する際、パネル20の長辺とメインフレーム202はx方向に平行に配置され、z方向が鉛直方向または実質的に延長方向となる。
【0020】
任意の構成として、サイドフレーム124の各々には、架台100の傾きを調整するためのアジャスタ126が設けられてもよい。アジャスタ126の長さを適宜調整することで、x方向とy方向を水平方向とし、スタンド110を安定に配置することができる。
【0021】
ベースフレーム122やサイドフレーム124は、鉄やアルミニウム、ステンレスなどの金属、強化繊維プラスチック、木材などを含むことができるが、耐久性に優れた金属を含むことが好ましい。図7Aに示すように、ベースフレーム122やサイドフレーム124は、内部に空洞を持たない中実構造を有していてもよく、図7Bに示すように中空構造を有していてもよい。断面(長手方向に垂直な平面における断面)の形状にも制限はなく、正方形や矩形、多角形、コの字形状またはC字形状でもよい。あるいは図7Cに示すように、H形鋼でもよく、図示しないが山形鋼などであってもよい。あるいは、図7Dに示すように、長手方向に延伸する一つまたは複数の溝30を有してもよい。この場合、ベースフレーム122やサイドフレーム124の表面における溝30の幅(長手方向に垂直な長さ)は、その内部における溝30の幅よりも小さいことが好ましい。このような構造を採用することで、ベースフレーム122やサイドフレーム124に連結されるパーツ(例えば、パネル受容ユニット130など)を固定するためのコーナーブラケット36の位置を容易に変更することができる。例えば、図7Eに示すように、溝30の内部にバックプレート32を挿入し、蝶ネジ34を用いてコーナーブラケット36を固定することで、工具を用いることなくコーナーブラケット36の位置を自由に変更することができ、その結果、種々のパーツの位置を任意に変更することができる。なお、後述するパネル受容ユニット130、第1のサポートユニット150、第2のサポートユニット170を構成する各パーツも、ベースフレーム122やサイドフレーム124と同様の材料を含み、同様の構造を取ることができる。
【0022】
(2)パネル受容ユニット
パネル受容ユニット130は、パネル20の一方の長辺を直接または間接的に支えることでパネル20を支持し、他方の長辺を治具200のパネル固定具204に固定することを容易にする機構である。一対のスタンド110のパネル受容ユニット130上にパネル20を配置することで、主面が鉛直方向に平行な状態でパネル20を保持することができる。
【0023】
したがって、上記機能が発現できればパネル受容ユニット130の構造に制約はなく、例えば図8A図8Bに示された模式的上面図と正面図から理解されるように、パネル受容ユニット130は、ベースフレーム122と交差または直交するパネル支持フレーム132を含むことができる。ここで示された例では、パネル支持フレーム132は四つのサブフレーム132-1から132-4で構成されている。サブフレーム132-1から132-4は、例えばコーナーブラケット138を用いて互いに固定されてもよく、あるいはボルト留めや溶接で互いに固定されてもよい。パネル支持フレーム132は、コーナーブラケット136を用いてベースフレーム122に固定することができる。したがって、図8Aの点線矢印に示すように、コーナーブラケット136の位置を変更することで、パネル支持フレーム132をベースフレーム122に沿って可逆的にスライドすることができる。換言すると、パネル支持フレーム132上に配置されるパネル20の位置をy方向において任意に変更することができる。したがって、パネル固定具204の長さに対して適切な位置にパネル20を配置することができる。
【0024】
パネル支持フレーム132は、図8Bに示すような環状構造をとる必要はなく、パネル20を支持するための、ベースフレーム122と交差または直交する一つのサブフレームがベースフレーム122に直接または間接的に接続され、かつ、このサブフレームがベースフレーム122に沿ってスライドするように構成されていればよい。したがって、例えば図9Aに示すように、パネル支持フレーム132はT形状を有してもよい。すなわち、二つのサブフレーム132-1、132-2をT形状に組み、一方がパネル20と接触できるようにパネル支持フレーム132をベースフレーム122に固定してもよい。サブフレーム132-1、132-2は、互いに溶接やボルト留めで固定してもよく、あるいはコーナーブラケット138を用いて固定してもよい。
【0025】
図8Aから図9Aに示すように、パネル支持フレーム132には、パネル20の脱落を防ぎ、パネル支持フレーム132とパネル20のy方向における位置関係を固定するためのガイドプレート134を設けてもよい。好ましくは、図8Aの鎖線A-A´に沿った模式的端面図である図9Bに示すように、ガイドプレート134は、レール20bの一方と凸部20eの間に挟まれることでパネル20と噛み合うように構成される。ガイドプレート134は、凸部20eを挟むように二つ設けてもよいが、パネル支持フレーム132の第1のサポートユニット150や第2のサポートユニット170に対して反対側の面に沿って一つのガイドプレート134を設けることが好ましい。このように一つのガイドプレート134を設けることで、後述するように、パネル20を第2のサポートユニット170側に傾け、第2のサポートユニット170に立て掛けることが可能となる。このため、治具200に固定する前にパネル20をパネル受容ユニット130上に一時的に仮置きした時でも、パネル20の転倒を防ぐことができる。
【0026】
あるいは、図10Aから図10Cにそれぞれ示す模式的上面図、正面図、側面図から理解されるように、パネル受容ユニット130は、所謂単管または単管パイプと呼ばれる鋼材のほか、断面が円形の棒状部材が収容可能なガイド溝140でもよい。図10Aから図10Cに示された例では、切り欠き140aを有する二つのフレーム140bを切り欠き140a同士が対向するように配置することで、x方向に延伸するガイド溝140が構成される。ガイド溝140、すなわち、二つのフレーム140bもコーナーブラケット136を用いてベースフレーム122上に固定することができ、したがって、ガイド溝140もベースフレーム122に沿ってスライドすることができる。
【0027】
ガイド溝140の構成は、断面が円形の棒状部材が収容可能であり、かつ、棒状部材がx方向に延伸するように配置することができるのであれば制約を受けず、例えば図11A図11Bの模式的上面図と側面図に示すように、二つのフレーム140bを離隔して配置することでガイド溝140を形成してもよい。あるいは、図12A図12Bの模式的上面図と側面図に示すように、二つのコーナーブラケット136でガイド溝140を構成してもよい。コーナーブラケット136が曲面136aを有する場合には、曲面136aが互いに離隔するようにコーナーブラケット136を配置してもよく、あるいは、図12Cに示すように、曲面136aが互いに向かい合うように配置してもよい。
【0028】
パネル20を運搬する治具として、図13A図13Bに示す搬送棒40が知られている。搬送棒40は、単管などの断面が円形の棒状部材38と噛み合い、その上で回転可能な車輪42、車輪42上に位置してパネル20の長辺を受容するU字断面を有するソケット44、ソケット44から上方に延伸するシャフト46、シャフト46に貫通され、パネル20の他方の長辺を抑えるクランプ48を有する。クランプ48はシャフト46に沿ってスライドすることができ(図13B中の点線矢印参照。)、その位置もシャフト46上で固定することができる。一対の搬送棒40のソケット44に一つのパネル20の長辺を収容し、他方の長辺をクランプ48で押さえつけることで、搬送棒40をパネル20に固定することができる。この状態で車輪42を棒状部材38上で動かすことで、棒状部材38がレールとして機能し、パネル20を容易に運搬することができる。
【0029】
このため、図14A図14Bに示すように棒状部材38を一対のスタンド110のガイド溝140上に配置すると、棒状部材38はx方向に延伸するように配置されるので、搬送棒40を利用してパネル20をスタンド110まで容易に搬送し、スタンド110上に配置することができる(図14C)。その結果、パネル受容ユニット130であるガイド溝140がパネル20の長辺を間接的に支持する。
【0030】
上述したように、各スタンド110は複数のパネル受容ユニット130を含むことができる。例えば、二つのパネル受容ユニット130を設け、一方のパネル受容ユニット130-1としてパネル支持フレーム132を配置し、他方のパネル受容ユニット130-2としてガイド溝140を設けてもよい(図15)。この場合には、使用するパネル受容ユニット130をスライドさせて適切な位置に配置すればよい。図示しないが、各スタンド110は、複数のパネル支持フレーム132または複数のガイド溝140を有してもよい。
【0031】
(3)第1のサポートユニット
第1のサポートユニット150は、治具200を配置するために設けられ、図5Aから図6Aに示すように、治具200を配置するための台座154、および台座154を支持するバックフレーム152を有する。バックフレーム152はベースフレーム122側からz方向に延伸する。図5Aから図6Aに示された例では、台座154は、バックフレーム152を挟持し、y方向に延伸する一対のフレームによって構成されるが、台座154は、その上面に治具200のメインフレーム202が接する面を有していればよい。したがって、台座154は、例えばバックフレーム152に接続される平板でもよい。台座154とバックフレーム152は、ボルト留め、溶接、あるいはコーナーブラケットなどを用いて互いに固定される。
【0032】
任意の構成として、メインフレーム202の落下を防止するためのストッパ156と158の少なくとも一つを台座154上に設けてもよい。x方向に延伸する二つのストッパ156、158の両者を設けることで、これらの間にメインフレーム202を配置した際、治具200の落下を確実に防止することができる。また、ストッパ156、158のいずれかをメインフレーム202の位置合わせに利用することができる。さらに任意の構成として、台座154の湾曲を防ぐためのブラケット160を設けてもよい。ブラケット160はバックフレーム152と台座154に接続される。
【0033】
第1のサポートユニット150は、ベースフレーム122に固定されて動かないように構成されてもよいが、図16に示すように、ベースフレーム122側から上方(z方向)に延伸する主柱112を設け、主柱112に沿って上下方向に移動できるように第1のサポートユニット150を構成してもよい(点線矢印参照。)。主柱112の構造は、z方向に延伸し、第1のサポートユニット150を支持しつつz方向においてスライドさせることができれば制約はない。したがって、図16に示すように、z方向に延伸し、y方向で重なる一対のフレーム112-1、112-2を互いに接続することで主柱112を構成してもよく、図示しないが、z方向に延伸する単一のフレームまたは平板で主柱112を構成してもよい。第1のサポートユニット150は、固定プレート162を用いて任意の位置で主柱112に固定すればよい。また、第1のサポートユニット150の落下や位置ずれを防ぐために、固定ピン164を用いてもよい。固定ピン164は、バックフレーム152に設けられる複数の貫通孔のいずれかと、主柱112(図16に示す例ではフレーム112-1)に設けられる複数の貫通孔または開口のいずれかに挿入できるように構成される。第1のサポートユニット150をz方向においてスライドできるようにスタンド110を構成することで、異なる幅を有するパネル20を用いる場合でも、治具200を適切な高さに配置することができる。
【0034】
(4)第2のサポートユニット
第2のサポートユニット170は、第1のサポートユニット150とパネル受容ユニット130の間に配置され、パネル20の傾きを調整する機能を有するユニットである。この機能が発現されれば、第2のサポートユニット170の構成に制約はない。図5Aから図6Aに示された例では、第2のサポートユニット170は、ベースフレーム122側から上方(z方向)に延伸するフロントフレーム172とともに、パネル20の主面に接するようにフロントフレーム172に接続されるプロップ174を備える。プロップ174は、パネル受容ユニット130上にパネル20が配置された際、パネル20の主面がy方向に対して垂直になる状態でパネル20の主面に接するように構成される。このため、パネル20が直立した状態(主面がy方向に対して垂直な状態)でパネル20をパネル受容ユニット130上で保持することができる。その結果、台座154とパネル受容ユニット130上にそれぞれ治具200とパネル20を配置することで、スライド装置212のスライド方向、すなわち、ビス24が打ち付けられる方向がパネル20の主面に対して垂直になる位置関係を得ることができる。
【0035】
第1のサポートユニット150と同様、第2のサポートユニット170もベースフレーム122に固定されてもよく、あるいは図17に示すように、ベースフレーム122側からz方向に延伸する主柱112を設け、主柱112に沿って上下方向に移動できるように第2のサポートユニット170を構成してもよい(点線矢印参照。)。主柱112の構造は、z方向に延伸し、第2のサポートユニット170を支持しつつ第2のサポートユニット170がz方向においてスライドさせることがができれば制約はない。図17に示す例では、第2のサポートユニット170は、主柱112の一方のフレーム112-2に沿ってスライドし、その位置は固定プレート176で固定すればよい。治具200が搭載される第1のサポートユニット150と比較すると第2のサポートユニット170に対して大きな荷重はかからないが、第2のサポートユニット170の落下やプロップ174の位置ずれを防ぐため、固定ピン178を用いて第2のサポートユニット170をフレーム112-2に固定してもよい。固定ピン178は、フロントフレーム172に設けられる複数の貫通孔いずれかと、主柱112(図17に示す例ではフレーム112-2)に設けられる複数の貫通孔または開口のいずれかに挿入できるように構成される。第2のサポートユニット170をz方向においてスライドできるようにスタンド110を構成することで、異なる幅を有するパネル20を用いる場合でも、パネル20が直立できるようにプロップ174の位置を調整することができる。
【0036】
プロップ174の構成にも制約はなく、パネル20をパネル受容ユニット130上に配置した際、パネル20が直立した状態で接触できれば、様々な構成を適用することができる。例えば図18Aに示すように、プロップ174の先端に緩衝材180を設けてもよい。緩衝材180は、弾性を有する部材であり、例えばスポンジや発泡スチロールなどに例示されるゴム弾性を示す高分子材料で構成すればよい、緩衝材180を設けることで、パネル20の主面の損傷を防止することができる。
【0037】
さらに、折り畳むことができるようにプロップ174を構成してもよい。例えば図17Bに示すように、フロントフレーム172とプロップ174に接続されるアーム182を第2のサポートユニット170に設け、アーム182を用いてプロップ174がパネル受容ユニット130上のパネル20と接する状態と離隔する状態を取るようにスタンド110を構成してもよい。プロップ174が上記二つの状態を可逆的に取ることができれば、アーム182の構造に制約はない。図17Bに示す例では、アーム182は、フロントフレーム172に接続され、x方向に延伸する軸を中心としてフロントフレーム172に対して相対的に回転する第1のアーム182-1、第1のアーム182-1に接続され、x方向に延伸する軸を中心として第1のアーム182-1に対して相対的に回転する第2のアーム182-2を有する。第2のアーム182-2はさらに、直接またはベースプレート184を介してプロップ174に接続され、ベースプレート184またはプロップ174もx方向に延伸する軸を中心として第2のアーム182-2に対して相対的に回転するように構成される。このようにアーム182を構成することで、プロップ174を利用しない際にプロップ174を格納することができる。図示しないが、アーム182が略直線上に配置されてプロップ174がパネル受容ユニット130上のパネル20と接触できる状態において第1のアーム182-1と第2のアーム182-2の回転を防止するストッパーをさらに設けてもよい。
【0038】
このように、プロップ174をパネル受容ユニット130上のパネル20から離隔させることで、図19に示すように、治具200に固定する前のパネル20を一時的にスタンド110に立て掛けて保持することができる。この場合、パネル20の主面の損傷を防止するため、第2のサポートユニット170に第2のプロップ186を設けてもよい。第2のプロップ186はプロップ174よりも上に配置され、フロントフレーム172に固定される。第2のプロップ186は、パネル受容ユニット130上のパネル20が第2のサポートユニット170側に傾いた際に接するように構成される。図示しないが、プロップ174と同様、第2のプロップ186のパネル受容ユニット130側に緩衝材を設け、パネル20の主面の損傷を防止してもよい。
【0039】
上述したように、一対のスタンド110を一体化して一つのユニットとして構成してもよい。この場合には、例えば二つのスタンド110-1、110-2のサイドフレーム124、ストッパ156、158の一つまたは複数を一体化または連結すればよい。
【0040】
4.架台を用いるパネルの固定方法
まず、一対のスタンド110を含む架台100を地上、または建築物10内、あるいは建築物10付近に設けられる建造物内に設置する。一対のスタンド110は、パネル受容ユニット130のパネル支持フレーム132が同一直線上になるように、またはガイド溝140の延伸方向が同一直線上になるように設置される(図4)。同時に、アジャスタ126(図5Aから図6参照。)を用い、y方向とx方向が水平方向になるようにスタンド110の傾きを調整してもよい。第1のサポートユニット150および/または第2のサポートユニット170が上下方向にスライドできる場合には、パネル20の幅を考慮し、第1のサポートユニット150および/または第2のサポートユニット170の高さを適宜調整してもよい(図16図17参照。)。また、パネル受容ユニット130上にパネル20を配置した際、パネル20が直立した状態でプロップ174と接するよう、パネル受容ユニット130の位置を調節する。
【0041】
その後、台座154上に治具200を配置する(図5A)。治具200は、メインフレーム202がx方向に延伸し、かつ、電動ドライバ22に取り付けられるビス24がパネル20側に位置するように配置される。ストッパ156、158が設けられている場合には、ストッパ156と158に挟まれるようにメインフレーム202を配置する。また、ストッパ156、158のいずれかに接するようにメインフレーム202を配置してもよい。
【0042】
その後、パネル20をパネル受容ユニット130上に配置する。具体的には、長辺がパネル支持フレーム132と噛み合うようにパネル20を配置する(図9B参照。)。あるいは、棒状部材38をガイド溝140に収容し、搬送棒40が取り付けられた状態のパネル20を棒状部材38を利用してスタンド110上まで搬送すればよい(図14Aから図14C参照。)。
【0043】
その後、パネル固定具204を用い、治具200とパネル20を固定する(図5A参照。)。この時、パネル20は直立した状態を保ち、かつ、主面がメインフレーム202と平行に配置されるので、容易に治具200とパネル20を固定することができる。一体化された治具200とパネル20は揚重機28で吊り上げられ、所定の位置に運搬される(図3)。その後、電動ドライバ22にビス24を取り付け、スライド装置212をパネル20側にスライドさせ、同時に電動ドライバ22を駆動させる。これにより、ビス24がパネル20と胴縁18に打ち込まれ、パネル20が胴縁18に固定される。なお、揚重機28による吊り上げの前に、あらかじめビス24をパネル20に打ち付けてもよい。この場合には、ビス24は、パネル20を貫通しないように打ち付けられる。ビス24を吊り上げ前に打ち付けることで、ビス24の落下を防止することができる。また、地上での作業としてビス24を打ち付けることができるため、より正確な方向にビス24を打ち込むことが可能となる。
【0044】
本発明の実施形態の一つに係る架台100を用いることで、治具200とパネル20が静止した状態でこれらを互いに固定することができる。また、この固定作業は、パネル20が固定される場所の付近ではなく、地上や建築物10内の床上で行うことができるので、より確実に治具200とパネル20を固定することができる。さらに、パネル20の胴縁18への固定は、建築物10内の作業員が電動ドライバ22やスライド装置212を操作することで行うことができるので、建築物10の周囲に足場を組む必要がなくなり、工期の大幅な短縮と施工コストの低減が可能である。また、パネル20の胴縁18への固定は、建築物10内の作業として行うことができるため、足場上での不安定な作業から解放され、より安全性の高い環境下での作業が可能となる。
【0045】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0046】
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0047】
10:建築物、12:基礎梁、14:躯体、16:躯体、18:胴縁、20:パネル、20a:レール、20b:レール、20c:主面、20d:端部、20e:凸部、22:電動ドライバ、24:ビス、26:ケーブル、28:揚重機、30:溝、32:バックプレート、34:蝶ネジ、36:コーナーブラケット、38:棒状部材、40:搬送棒、42:車輪、44:ソケット、46:シャフト、48:クランプ、100:架台、110:スタンド、110-1:スタンド、110-2:スタンド、112:主柱、112-1:フレーム、112-2:フレーム、120:ベースユニット、122:ベースフレーム、124:サイドフレーム、126:アジャスタ、130:パネル受容ユニット、130-1:パネル受容ユニット、130-2:パネル受容ユニット、132:パネル支持フレーム、132-1:サブフレーム、132-2:サブフレーム、132-3:サブフレーム、132-4:サブフレーム、134:ガイドプレート、136:コーナーブラケット、136a:曲面、138:コーナーブラケット、140:ガイド溝、140a:切り欠き、140b:フレーム、150:第1のサポートユニット、152:バックフレーム、154:台座、156:ストッパ、158:ストッパ、160:ブラケット、162:固定プレート、164:固定ピン、170:第2のサポートユニット、172:フロントフレーム、174:プロップ、176:固定プレート、178:固定ピン、180:緩衝材、182:アーム、182-1:第1のアーム、182-2:第2のアーム、184:ベースプレート、186:第2のプロップ、200:治具、202:メインフレーム、204:パネル固定具、206:駆動ユニット、208:スイッチ、210:スペーサ、212:スライド装置
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19