(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124334
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20230830BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
H01L21/88 T
H01L21/60 301P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028040
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑島 照弘
【テーマコード(参考)】
5F033
5F044
【Fターム(参考)】
5F033HH08
5F033HH09
5F033MM05
5F033MM08
5F033MM13
5F033NN17
5F033PP15
5F033RR04
5F033SS11
5F033VV07
5F044EE04
5F044EE06
5F044EE13
(57)【要約】
【課題】無電解めっき膜の上面にノジュールが形成されることを抑制可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、配線と、キャップ膜と、パッシベーション膜と、遮蔽膜と、無電解めっき膜を備える。配線は、ボンディングパッドを有し、かつアルミニウム又はアルミニウム合金により形成されている。キャップ膜は、配線の上面上に配置されている。パッシベーション膜は、配線及びキャップ膜を覆うように配置されている。キャップ膜及びパッシベーション膜には、キャップ膜及びパッシベーション膜を貫通し、かつボンディングパッドの上面を部分的に露出させる開口部が形成されている。開口部から露出しているボンディングパッドの上面は、第1領域と、第2領域とに区分されている。遮蔽膜は、第2領域上に配置されている。無電解めっき膜は、第1領域上及び遮蔽膜上に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線と、
キャップ膜と、
パッシベーション膜と、
遮蔽膜と、
無電解めっき膜を備え、
前記配線は、ボンディングパッドを有し、かつアルミニウム又はアルミニウム合金により形成され、
前記キャップ膜は、前記配線の上面上に配置されており、
前記パッシベーション膜は、前記配線及び前記キャップ膜を覆うように配置され、
前記キャップ膜及び前記パッシベーション膜には、前記キャップ膜及び前記パッシベーション膜を貫通し、かつ前記ボンディングパッドの前記上面を部分的に露出させる開口部が形成され、
前記開口部から露出している前記ボンディングパッドの前記上面は、第1領域と、第2領域とに区分され、
前記遮蔽膜は、前記第1領域上に配置され、
前記無電解めっき膜は、前記第2領域上及び前記遮蔽膜上に配置されている、半導体装置。
【請求項2】
前記パッシベーション膜は、第1パッシベーション膜と、前記第1パッシベーション膜上に配置されている第2パッシベーション膜とを有し、
前記遮蔽膜は、前記第2パッシベーション膜と同一材料により形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記遮蔽膜は、第1パッシベーション膜と、前記第1パッシベーション膜上に配置されている第2パッシベーション膜とを有し、
前記遮蔽膜は、前記キャップ膜と同一材料により形成されている第1層と、前記第1層上に配置され、かつ前記第1パッシベーション膜と同一材料により形成されている第2層と、前記第2層上に配置され、かつ前記第2パッシベーション膜と同一材料により形成されている第3層とを有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記遮蔽膜は、前記キャップ膜と同一材料により形成されている第1層と、前記第1層上に配置され、かつ前記パッシベーション膜と同一材料により形成されている第2層とを有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記遮蔽膜は、前記キャップ膜と同一材料により形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ボンディングパッドは、複数の部分に分割されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記遮蔽膜の幅をX、前記遮蔽膜の厚さをY、前記無電解めっき膜の厚さをZとした際に、Y<ZかつX≦(Z-Y)×0.5との関係が満たされている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記遮蔽膜の幅をX、前記遮蔽膜の厚さをY、前記無電解めっき膜の厚さをZとした際に、Y<ZかつX>(Z-Y)×0.5との関係が満たされている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記遮蔽膜は、複数の部分に分割され、
前記複数の部分は、平面視において、第1方向に沿って間隔を空けて並んでおり、
前記複数の部分の各々は、平面視において、前記第1方向に直交している第2方向に沿って延びている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2領域は、複数の領域に分割され、
前記複数の領域の各々は、平面視において、互いに間隔を空けて格子状に並んでいる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記無電解めっき膜に接合されているボンディングワイヤをさらに備え、
前記遮蔽膜は、平面視において円環状になっている円環部を有し、
前記円環部は、平面視において、前記無電解めっき膜に接合されている前記ボンディングワイヤの周縁部よりも内側にあり、かつ前記周縁部との間の距離が前記ボンディングパッドの幅の0.2倍以下になっている、請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2012-146720号公報(特許文献1)には、半導体装置が記載されている。特許文献1に記載の半導体装置は、配線と、キャップ膜と、パッシベーション膜と、無電解めっき膜とを有している。
【0003】
配線は、アルミニウムにより形成されている。配線は、ボンディングパッドを有している。配線の上面上には、キャップ膜が配置されている。パッシベーション膜は、配線を覆うように配置されている。キャップ膜及びパッシベーション膜には、ボンディングパッドの上面を部分的に露出させる開口部が形成されている。無電解めっき膜は、キャップ膜及びパッシベーション膜の開口部から露出しているボンディングパッドの上面上に配置されている。無電解めっき膜には、ボンディングワイヤが接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ボンディングパッドの上面には、ヒロックが形成されていることがある。ヒロックが存在しているボンディングパッドの上面上に無電解めっき膜が形成されると、当該ヒロックの上方にある無電解めっき膜の上面に、ノジュール(隆起部)が形成されることがある。無電解めっき膜の上面にノジュールが形成されると、ボンディングパッドとの接合強度が低下してしまう。
【0006】
その他の課題及び新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の半導体装置は、配線と、キャップ膜と、パッシベーション膜と、遮蔽膜と、無電解めっき膜を備える。配線は、ボンディングパッドを有し、かつアルミニウム又はアルミニウム合金により形成されている。キャップ膜は、配線の上面上に配置されている。パッシベーション膜は、配線及びキャップ膜を覆うように配置されている。キャップ膜及びパッシベーション膜には、キャップ膜及びパッシベーション膜を貫通し、かつボンディングパッドの上面を部分的に露出させる開口部が形成されている。開口部から露出しているボンディングパッドの上面は、第1領域と、第2領域とに区分されている。遮蔽膜は、第1領域上に配置されている。無電解めっき膜は、第2領域上及び遮蔽膜上に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の半導体装置によると、無電解めっき膜の上面にノジュールが形成されることを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV1の断面図である。
【
図3】半導体装置DEV1の製造方法を示す工程図である。
【
図5】第1パッシベーション膜形成工程S2を説明する断面図である。
【
図6】第1エッチング工程S3を説明する断面図である。
【
図7】第2パッシベーション膜形成工程S4を説明する断面図である。
【
図8】第2エッチング工程S5を説明する断面図である。
【
図9】ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV2の断面図である。
【
図10】ボンディングパッドBP近傍の変形例に係る半導体装置DEV1の断面図である。
【
図12】ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV3の断面図である。
【
図13】半導体装置DEV3の製造方法を示す工程図である。
【
図14】第3エッチング工程S7を説明する断面図である。
【
図15】ボンディングパッドBP近傍の変形例1に係る半導体装置DEV3の断面図である。
【
図16】ボンディングパッドBP近傍の変形例2に係る半導体装置DEV3の断面図である。
【
図17】ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV4の断面図である。
【
図18】半導体装置DEV4の製造方法を示す工程図である。
【
図19】第4エッチング工程S8を説明する断面図である。
【
図20】第5エッチング工程S9を説明する断面図である。
【
図21】ボンディングパッドBP近傍の変形例に係る半導体装置DEV4の断面図である。
【
図22】ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV5の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る半導体装置を説明する。第1実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV1とする。
【0012】
<半導体装置DEV1の概略構成>
以下に、半導体装置DEV1の概略構成を説明する。
【0013】
図1は、半導体装置DEV1の断面図である。
図1に示されるように、半導体装置DEV1は、半導体基板SUBと、ゲート絶縁膜GIと、ゲートGと、サイドウォールスペーサSWSと、素子分離膜STIとを有している。半導体装置DEV1は、層間絶縁膜ILD1と、コンタクトプラグCPと、層間絶縁膜ILD2と、配線WL1と、複数の層間絶縁膜ILD3と、複数の配線WL2と、ビアプラグVP1と、層間絶縁膜ILD4と、ビアプラグVP2と、配線WL3と、バリアメタルBMと、キャップ膜CAPと、パッシベーション膜PVと、無電解めっき膜OPMとをさらに有している。
【0014】
半導体基板SUBは、例えば単結晶シリコン(Si)により形成されている。半導体基板SUBは、ソース領域SRと、ドレイン領域DRと、ウェル領域WRとを有している。ソース領域SR及びドレイン領域DRは、半導体基板SUBの上面に配置されている。ソース領域SR及びドレイン領域DRは、互いに離間している。ソース領域SR及びドレイン領域DRの導電型は、第1導電型である。第1導電型は、例えばn型である。
【0015】
ソース領域SRは、第1部分SR1と、第2部分SR2を有している。ドレイン領域DRは、第1部分DR1と、第2部分DR2とを有している。第1部分SR1は、第2部分SR2よりもドレイン領域DR側にある。第1部分DR1は、第2部分DR2よりもソース領域SR側にある。第1部分SR1におけるドーパント濃度は、第2部分SR2におけるドーパント濃度よりも低い。第1部分DR1におけるドーパント濃度は、第2部分DR2におけるドーパント濃度よりも低い。すなわち、ソース領域SR及びドレイン領域DRは、LDD(Lightly Doped Diffusion)構造になっている。
【0016】
ウェル領域WRは、ソース領域SR及びドレイン領域DRを取り囲むように、半導体基板SUBの上面に配置されている。ウェル領域WRの導電型は、第2導電型である。第2導電型は、第1導電型の反対の導電型である。第1導電型が例えばn型である場合、第2導電型はp型である。半導体基板SUBの上面にあり、かつソース領域SRとドレイン領域DRとの間にあるウェル領域WRの部分を、チャネル領域ということがある。
【0017】
ゲート絶縁膜GIは、ソース領域SRとドレイン領域DRとの間にある半導体基板SUBの上面上に配置されている。ゲート絶縁膜GIは、例えばシリコン酸化物(SiO2)により形成されている。すなわち、ゲート絶縁膜GIは、チャネル領域上に配置されている。ゲートGは、ゲート絶縁膜GI上に配置されている。すなわち、ゲートGは、ゲート絶縁膜GIにより絶縁されながらチャネル領域と対向配置されている。ゲートGは、ドーパントを含む多結晶のシリコンにより形成されている。ソース領域SR、ドレイン領域DR、ウェル領域WR、ゲート絶縁膜GI及びゲートGは、トランジスタを構成している。
【0018】
サイドウォールスペーサSWSは、ゲートGの側面に接するように、第1部分SR1上及び第1部分DR1上に配置されている。
【0019】
半導体基板SUBの上面には、溝TR1が形成されている。溝TR1において、半導体基板SUBの上面は、半導体基板SUBの裏面側に窪んでいる。溝TR1は、平面視において(半導体基板SUBの上面の法線方向に沿って半導体基板SUBの上面側から見た際に)、ウェル領域WRを取り囲んでいる。溝TR1の内部には、素子分離膜STIが埋め込まれている。素子分離膜STIは、例えばシリコン酸化物により形成されている。これにより、隣り合っている2つのトランジスタは、互いに絶縁分離されている。
【0020】
層間絶縁膜ILD1は、ゲートG、サイドウォールスペーサSWS及び素子分離膜STIを覆うように、半導体基板SUBの上面上に配置されている。層間絶縁膜ILD1は、例えばシリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD1には、コンタクトホールCHが形成されている。コンタクトホールCHは、層間絶縁膜ILD1を厚さ方向に沿って貫通している。コンタクトホールCHからは、ソース領域SR(第2部分SR2)及びドレイン領域DR(第2部分DR2)が露出している。図示されていないが、コンタクトホールCHからは、ゲートGが露出している。
【0021】
コンタクトプラグCPは、コンタクトホールCHの内部に埋め込まれている。コンタクトプラグCPの下端は、ソース領域SR(第2部分SR2)、ドレイン領域DR(第2部分DR2)又はゲートGに電気的に接続されている。コンタクトプラグCPは、例えばタングステン(W)により形成されている。
【0022】
層間絶縁膜ILD2は、層間絶縁膜ILD1上に配置されている。層間絶縁膜ILD2は、例えばシリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD2には、溝TR2が形成されている。溝TR2は、層間絶縁膜ILD2を厚さ方向に沿って貫通している。溝TR2の内部には、配線WL1が埋め込まれている。配線WL1は、コンタクトプラグCPの上端に電気的に接続されている。配線WL1は、例えば銅(Cu)又は銅合金により形成されている。
【0023】
複数の層間絶縁膜ILD3は、層間絶縁膜ILD2上に積層配置されている。層間絶縁膜ILD3は、シリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD3には、溝TR3と、ビアホールVH1とが形成されている。溝TR3は、層間絶縁膜ILD3の上面に形成されている。層間絶縁膜ILD3の上面は、溝TR3において、層間絶縁膜ILD3の裏面側に窪んでいる。ビアホールVH1は、層間絶縁膜ILD3を厚さ方向に沿って貫通している。ビアホールVH1の上端は溝TR3の底面において開口しており、ビアホールVH1の下端は層間絶縁膜ILD3の裏面において開口している。
【0024】
溝TR3の内部及びビアホールVH1の内部には、それぞれ配線WL2及びビアプラグVP1が埋め込まれている。配線WL2及びビアプラグVP1は、一体形成されている。配線WL2及びビアプラグVP1は、例えば銅又は銅合金により形成されている。ビアプラグVP1は、配線WL2とその下層にある配線とを電気的に接続している。
【0025】
層間絶縁膜ILD4は、最上層の層間絶縁膜ILD3上に配置されている。層間絶縁膜ILD4は、例えばシリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD4には、ビアホールVH2が形成されている。ビアホールVH2は、層間絶縁膜ILD4を厚さ方向に沿って貫通している。ビアホールVH2の内部には、ビアプラグVP2が埋め込まれている。ビアプラグVP2は、例えば銅又は銅合金により形成されている。ビアプラグVP2の下端は、最上層の配線WL2に電気的に接続されている。
【0026】
配線WL3は、層間絶縁膜ILD4上に配置されている。配線WL3は、アルミニウム(Al)により形成されている。配線WL3は、アルミニウム合金により形成されていてもよい。配線WL3は、ビアプラグVP2の上端に電気的に接続されている。配線WL3は、ボンディングパッドBPを有している。バリアメタルBMは、配線WL3と層間絶縁膜ILD4との間に配置されている。キャップ膜CAPは、配線WL3の上面上に配置されている。バリアメタルBM及びキャップ膜CAPは、例えば窒化チタン(TiN)により形成されている。
【0027】
パッシベーション膜PVは、配線WL3及びキャップ膜CAPを覆うように、層間絶縁膜ILD4上に配置されている。パッシベーション膜PV及びキャップ膜CAPには、開口部OPが形成されている。開口部OPは、パッシベーション膜PV及びキャップ膜CAPを厚さ方向に沿って貫通している。開口部OPからは、配線WL3の上面が露出している。無電解めっき膜OPMは、開口部OPから露出している配線WL3の上面上に配置されている。無電解めっき膜OPMは、開口部OPの周囲にあるパッシベーション膜PV上にも配置されている。無電解めっき膜OPMは、無電解めっきにより形成されている膜である。
図1には示されていないが、無電解めっき膜OPMの上面には、ボンディングワイヤBWが接合される。
【0028】
<半導体装置DEV1の詳細構成>
図2は、ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV1の断面図である。
図2に示されるように、パッシベーション膜PVは、第1パッシベーション膜PV1と、第2パッシベーション膜PV2とを有している。第1パッシベーション膜PV1は、配線WL3及びキャップ膜CAPを覆うように層間絶縁膜ILD4上に配置されている。第2パッシベーション膜PV2は、第2パッシベーション膜PV2は、第1パッシベーション膜PV1上に配置されている。第2パッシベーション膜PV2は、開口部OPの内壁面上にも配置されている。
【0029】
第2パッシベーション膜PV2は、第1パッシベーション膜PV1と異なる材料により形成されている。第1パッシベーション膜PV1は例えばシリコン酸化物により形成されており、第2パッシベーション膜PV2は例えばシリコン窒化物(SiN)により形成されている。
【0030】
開口部OPから露出している配線WL3の上面は、第1領域R1と、第2領域R2とを有している。第1領域R1上には、遮蔽膜SFが配置されている。遮蔽膜SFは、第2パッシベーション膜PV2と同一材料により形成されている。遮蔽膜SFは、第2領域R2上には配置されていない。このことを別の観点から言えば、遮蔽膜SFの間からは、配線WL3の上面が露出している。
【0031】
無電解めっき層OPMは、例えば、ニッケル層OPM1と、パラジウム層OPM2と、金層OPM3とを有している。ニッケル層OPM1は、無電解めっきにより形成されているニッケル(Ni)の層である。パラジウム層OPM2は、無電解めっきにより形成されているパラジウム(Pd)の層である。金層OPM3は、無電解めっきにより形成されている金(Au)の層である。ニッケル層OPM1は、遮蔽膜SF上及び第2領域R2上に配置されている。パラジウム層OPM2は、ニッケル層OPM1上に配置されている。金層OPM3は、パラジウム層OPM2上に配置されている。但し、無電解めっき層OPMの層構成は、これに限られるものではない。
【0032】
遮蔽膜SFの厚さの幅を、Xとする。遮蔽膜SFの厚さを、Yとする。無電解めっき膜OPMの厚さを、Zとする。X、Y及びZは、Y<ZかつX≦(Z-Y)×0.5との関係を満たしていることが好ましい。無電解めっき膜OPMは、先ずは、第2領域R2上に成長する。無電解めっき膜OPMがある程度成長すると、無電解めっき膜OPMは、遮蔽膜SF上においても成長する。その結果、上記の関係が満たされている場合、複数の第2領域R2の各々から成長した無電解めっき膜OPMが遮蔽膜SF上において接触し、一体化されることになる。
【0033】
<半導体装置DEV1の製造方法>
以下に、半導体装置DEV1の製造方法を説明する。
【0034】
図3は、半導体装置DEV1の製造方法を示す工程図である。
図3に示されるように、半導体装置DEV1の製造方法は、配線形成工程S1と、第1パッシベーション膜形成工程S2と、第1エッチング工程S3と、第2パッシベーション膜形成工程S4と、第2エッチング工程S5と、無電解めっき工程S6とを有している。
【0035】
図示されていないが、配線形成工程S1が行われる前に、配線WL3よりも下層にある半導体装置DEV1の構造を形成するための工程が行われる。これらの工程は、従来公知の方法により行われればよいため、ここでは説明を省略する。
【0036】
図4は、配線形成工程S1を説明する断面図である。
図4に示されるように、配線形成工程S1では、バリアメタルBM、配線WL3及びキャップ膜CAPが形成される。配線形成工程S1では、第1に、バリアメタルBM、配線WL3及びキャップ膜CAPの構成材料が層間絶縁膜ILD4上に順次成膜される。バリアメタルBM、配線WL3及びキャップ膜CAPの構成材料の成膜は、例えば、スパッタリングにより行われる。第2に、成膜されたバリアメタルBM、配線WL3及びキャップ膜CAPの構成材料がパターンニングされる。このパターンニングは、フォトリソグラフィを用いてパターンニングされたフォトレジストをマスクとするエッチングにより行われる。
【0037】
図5は、第1パッシベーション膜形成工程S2を説明する断面図である。
図5に示されるように、第1パッシベーション膜形成工程S2では、キャップ膜CAP及び配線WL3を覆うように第1パッシベーション膜PV1が形成される。第1パッシベーション膜PV1の形成は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により行われる。
【0038】
図6は、第1エッチング工程S3を説明する断面図である。
図6に示されるように、第1エッチング工程S3では、第1パッシベーション膜PV1及びキャップ膜CAPに、開口部OPが形成される。開口部OPの形成は、フォトリソグラフィを用いてパターンニングされたフォトレジストをマスクとするエッチングにより行われる。
【0039】
図7は、第2パッシベーション膜形成工程S4を説明する断面図である。
図7に示されるように、第2パッシベーション膜形成工程S4では、第1パッシベーション膜PV1上に第2パッシベーション膜PV2が形成される。この際、第1パッシベーション膜PV1は、開口部OPの内壁面上及び開口部OPから露出している配線WL3の上面上にも形成される。第2パッシベーション膜PV2の形成は、例えば、CVDにより行われる。
【0040】
図8は、第2エッチング工程S5を説明する断面図である。
図8に示されるように、第2エッチング工程S5では、開口部OPから露出している配線WL3の上面上に配置されている第2パッシベーション膜PV2がパターンニングされる。このパターンニングは、フォトリソグラフィを用いてパターンニングされたフォトレジストをマスクとするエッチングにより行われる。開口部OPから露出している配線WL3の上面上に配置されている第2パッシベーション膜PV2は、パターンニングされることにより遮蔽膜SFとなる。
【0041】
無電解めっき工程S6では、ニッケルの無電解めっき、パラジウムの無電解めっき及び金の無電解めっきが順次行われることにより、遮蔽膜SF上、第2領域R2上及び開口部OPの周囲にあるパッシベーション膜PV上に、無電解めっき膜OPMが形成される。以上により、
図1及び
図2に示される構造の半導体装置DEV1が形成される。
【0042】
<半導体装置DEV1の効果>
以下に、半導体装置DEV1の効果を比較例と対比しながら説明する。比較例に係る半導体装置を、半導体装置DEV2とする。
【0043】
図9は、ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV2の断面図である。
図9に示されるように、半導体装置DEV2では、開口部OPから露出しているボンディングパッドBPの上面上に、遮蔽膜SFが配置されていない。その他の点に関して、半導体装置DEV2の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0044】
配線WL3はアルミニウム又はアルミニウム合金により形成されているため、ボンディングパッドBPの上面が露出された状態で熱が加わることにより、ボンディングパッドBPの上面にヒロックが形成されてしまうことがある。ヒロックが形成された状態でボンディングパッドBPの上面上に無電解めっき膜OPMが形成されると、無電解めっき膜OPMの上面にノジュールが形成されてしまう。このようなノジュールは、ボンディングワイヤBWとの接合強度を低下させる原因となる。半導体装置DEV2では、開口部OPから露出しているボンディングパッドBPの上面の面積が大きいためにヒロックが発生しやすく、ひいてはボンディングワイヤBWとの接合強度が低下しやすい。
【0045】
他方で、半導体装置DEV1では、開口部OPから露出しているボンディングパッドBPの上面が第1領域R1と第2領域R2とに区分されており、第1領域R1上に遮蔽膜SFが配置されている。そのため、半導体装置DEV1では、第1領域R1においてヒロックが発生しがたく、無電解めっき膜OPMの上面にノジュールが形成されがたい。このように、半導体装置DEV1では、無電解めっき膜OPMの上面におけるノジュールが抑制される結果、ボンディングワイヤBWとの接合強度を確保することが可能となる。
【0046】
<変形例>
図10は、ボンディングパッドBP近傍の変形例に係る半導体装置DEV1の断面図である。
図10に示されるように、半導体装置DEV1では、Y<ZかつX>(Z-Y)×0.5との関係が満たされていてもよい。すなわち、半導体装置DEV1では、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMが一体化されていなくてもよい。なお、Y<ZかつX≦(Z-Y)×0.5との関係が満たされている場合(すなわち、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMが一体化されている場合)、ボンディングワイヤBWとの接合面積が増加するため、ボンディングワイヤBWとの接合強度が改善されることになる。
【0047】
<遮蔽膜SFのレイアウト例>
図11Aは、遮蔽膜SFの第1レイアウト例である。
図11Aに示されるように、遮蔽膜SFは、複数の部分に分割されていてもよい。遮蔽膜SFの複数の部分は、第1方向D1に沿って並んでいる。遮蔽膜SFの複数の部分の各々は、平面視において、第2方向D2に沿って延びている。第2方向D2は、第1方向D1に直交している方向である。このことを別の観点から言えば、第2領域R2は複数の帯状領域に区分されており、この複数の帯状領域は、第1方向D1に沿って並んでいる。
【0048】
図11Bは、遮蔽膜SFの第2レイアウト例である。
図11Bに示されるように、第2領域R2は、複数の領域に分割されていてもよい。第2領域R2の複数の領域の各々は、平面視において、格子状に配列されていてもよい。
【0049】
図11Cは、遮蔽膜SFの第3レイアウト例である。なお、
図11C中では、無電解めっき膜OPMに接合されているボンディングワイヤBWの周縁部の位置が、点線により示されている。
図11Cに示されるように、遮蔽膜SFは、平面視において円環状になっている部分(円環部SFa)を有していてもよい。円環部SFaは、平面視において、無電解めっき膜OPMに接合されているボンディングワイヤBWの周縁部の位置よりも内側にある。
【0050】
平面視におけるボンディングパッドBPの幅を、幅Wとする。幅Wは、平面視におけるボンディングパッドBPの幅である。平面視においてボンディングパッドBPに長手方向がある場合、幅Wは、当該長手方向において測定される。円環部SFaと無電解めっき膜OPMに接合されているボンディングワイヤBWの周縁部の位置との間の距離を、距離DISとする。距離DISを幅Wで除した値は、好ましくは、0.2以下である。
【0051】
無電解めっき膜OPMの上面にあるノジュールが無電解めっき膜OPMに接合されているボンディングワイヤBWの周縁部の近傍にあると、ボンディングワイヤBWの剥離が特に生じやすい。円環部SFaの上方にある無電解めっき膜OPMの上面には、ノジュールが形成されにくい。そのため、距離DISを幅Wで除した値が0.2以下である場合、ボンディングワイヤBWの剥離をさらに抑制することが可能である。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置を説明する。第2実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV3とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0053】
<半導体装置DEV3の構成>
以下に、半導体装置DEV3の構成を説明する。
【0054】
図12は、ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV3の断面図である。
図12に示されるように、半導体装置DEV3では、遮蔽膜SFが、第1層SF1と、第2層SF2と、第3層SF3とを有している。第1層SF1は、第1領域R1上に配置されている。第1層SF1は、キャップ膜CAPと同一材料により形成されている。第2層SF2は、第1層SF1上に配置されている。第2層SF2は、第1パッシベーション膜PV1と同一材料により形成されている。第3層SF3は、第2層SF2上に配置されている。第3層SF3は、第2パッシベーション膜PV2と同一材料により形成されている。
【0055】
その他の点に関して、半導体装置DEV3の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。なお、半導体装置DEV3でも、Y<ZかつX≦(Z-Y)×0.5との関係が満たされており、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMが一体化されている。
【0056】
<半導体装置DEV3の製造方法>
以下に、半導体装置DEV3の製造方法を説明する。
【0057】
図13は、半導体装置DEV3の製造方法を示す工程図である。
図13に示されるように、半導体装置DEV3の製造方法は、配線形成工程S1と、第1パッシベーション膜形成工程S2と、第2パッシベーション膜形成工程S4と、無電解めっき工程S6とを有している。半導体装置DEV3の製造方法は、第1エッチング工程S3及び第2エッチング工程S5に代えて、第3エッチング工程S7を有している。半導体装置DEV3の製造方法では、第2パッシベーション膜形成工程S4が第1パッシベーション膜形成工程S2の後に行われ、第3エッチング工程S7が第2パッシベーション膜形成工程S4の後に行われ、無電解めっき工程S6が第3エッチング工程S7の後に行われる。
【0058】
図14は、第3エッチング工程S7を説明する断面図である。第3エッチング工程S7では、
図14に示されるように、第1パッシベーション膜PV1、第2パッシベーション膜PV2及びキャップ膜CAPのパターンニングが、一括して行われる。このパターンニングは、フォトリソグラフィを用いてパターンニングされたフォトレジストをマスクとするエッチングにより行われる。これにより、開口部OP及び遮蔽膜SFが、一括して形成されることになる。その他の点に関して、半導体装置DEV3の製造方法は、半導体装置DEV1の製造方法と同一である。
【0059】
<半導体装置DEV3の効果>
以下に、半導体装置DEV3の効果を説明する。
【0060】
半導体装置DEV1の製造工程では、開口部OP及び遮蔽膜SFを形成するために、2回のエッチング工程(第1エッチング工程S3及び第2エッチング工程S5)が必要となる。他方で、半導体装置DEV3の製造工程では、開口部OP及び遮蔽膜SFを形成するために、1回のエッチング工程(第3エッチング工程S7)が行われればよい。このように、半導体装置DEV3によると、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0061】
<変形例1>
図15は、ボンディングパッドBP近傍の変形例1に係る半導体装置DEV3の断面図である。
図15に示されるように、半導体装置DEV3では、Y<ZかつX>(Z-Y)×0.5との関係が満たされていてもよい。すなわち、半導体装置DEV3では、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMが一体化されていなくてもよい。
【0062】
<変形例2>
図16は、ボンディングパッドBP近傍の変形例2に係る半導体装置DEV3の断面図である。
図16に示されるように、半導体装置DEV3では、パッシベーション膜PVが第1パッシベーション膜PV1及び第2パッシベーション膜PV2を有していなくてもよい。すなわち、半導体装置DEV3では、パッシベーション膜PVが、デュアルパッシベーション構造ではなく、1層構造になっていてもよい。その結果、半導体装置DEV3では、遮蔽膜SFが第1層SF1及び第2層SF2により構成されており、第2層SF2がパッシベーション膜PVと同一材料により形成されていてもよい。
【0063】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る半導体装置を説明する。第3実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV4とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0064】
<半導体装置DEV4の構成>
以下に、半導体装置DEV4の構成を説明する。
【0065】
図17は、ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV4の断面図である。
図17に示されるように、半導体装置DEV4では、遮蔽膜SFが、キャップ膜CAPと同一材料により形成されている。
【0066】
その他の点に関して、半導体装置DEV4の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。なお、半導体装置DEV4でも、Y<ZかつX≦(Z-Y)×0.5との関係が満たされており、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMが一体化されている。
【0067】
<半導体装置DEV4の製造方法>
図18は、半導体装置DEV4の製造方法を示す工程図である。
図18に示されるように、半導体装置DEV4の製造方法は、配線形成工程S1と、第1パッシベーション膜形成工程S2と、第2パッシベーション膜形成工程S4と、無電解めっき工程S6とを有している。半導体装置DEV4の製造方法は、第1エッチング工程S3及び第2エッチング工程S5に代えて、第4エッチング工程S8及び第5エッチング工程S9を有している。
【0068】
半導体装置DEV4の製造方法では、第2パッシベーション膜形成工程S4が第1パッシベーション膜形成工程S2の後に行われ、第4エッチング工程S8が第2パッシベーション膜形成工程S4の後に行われる。半導体装置DEV4の製造方法では、第5エッチング工程S9が第4エッチング工程S8の後に行われ、無電解めっき工程S6が第5エッチング工程S9の後に行われる。
【0069】
図19は、第4エッチング工程S8を説明する断面図である。第4エッチング工程S8では、
図19に示されるように、第1パッシベーション膜PV1及び第2パッシベーション膜PV2のパターンニングが、一括して行われる。このパターンニングは、フォトリソグラフィを用いてパターンニングされたフォトレジストをマスクとするエッチングにより行われる。
【0070】
図20は、第5エッチング工程S9を説明する断面図である。第5エッチング工程S9では、キャップ膜CAPがパターンニングされることにより、遮蔽膜SFとなる。このパターンニングは、フォトリソグラフィを用いてパターンニングされたフォトレジストをマスクとするエッチングにより行われる。その他の点に関して、半導体装置DEV3の製造方法は、半導体装置DEV1の製造方法と同一である。
【0071】
半導体装置DEV4では、遮蔽膜SFがキャップ膜CAPをパターンニングすることにより形成されているため、遮蔽膜SFの厚さ(Yの値)を、半導体装置DEV1及び半導体装置DEV3と比較して小さくすることができる。そのため、無電解めっき膜OPMの厚さ(Zの値)が小さい場合でも、Y<ZかつX≦(Z-Y)×0.5との関係を満たす(すなわち、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMを一体化する)ことが可能となる。
【0072】
<変形例>
図21は、ボンディングパッドBP近傍の変形例に係る半導体装置DEV4の断面図である。
図21に示されるように、半導体装置DEV1では、Y<ZかつX>(Z-Y)×0.5との関係が満たされていてもよい。すなわち、半導体装置DEV4では、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMが一体化されていなくてもよい。
【0073】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る半導体装置を説明する。第4実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV5とする。ここでは、半導体装置DEV3と異なる点を説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0074】
<半導体装置DEV5の構成>
以下に、半導体装置DEV5の構成を説明する。
【0075】
図22は、ボンディングパッドBP近傍の半導体装置DEV5の断面図である。
図22に示されるように、半導体装置DEV5では、ボンディングパッドBPが、複数の部分に分割されている。
図22に示される例では、ボンディングパッドBPが、第1部分BP1と第2部分BP2とに分割されている。その他の点に関して、半導体装置DEV4の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。なお、半導体装置DEV4でも、Y<ZかつX≦(Z-Y)×0.5との関係が満たされており、各々の第2領域R2から成長した無電解めっき膜OPMが一体化されている。
【0076】
上記においては、ボンディングパッドBPを複数の部分に分割する構成を半導体装置DEV3に適用して半導体装置DEV5とする例を示したが、ボンディングパッドBPを複数の部分に分割する構成は、半導体装置DEV1又は半導体装置DEV4に適用されてもよい。
【0077】
<半導体装置DEV5の効果>
ボンディングパッドBPの体積が大きくなるに伴って、開口部OPから露出しているボンディングパッドBPの上面にヒロックが発生しやすくなる。半導体装置DEV5では、ボンディングパッドBPが複数の部分に分割されているため、半導体装置DEV3と比較して、ボンディングパッドBPの各々の部分の体積が小さくなっている。そのため、半導体装置DEV5によると、ボンディングパッドBPの上面におけるヒロックの発生、ひいては無電解めっき膜OPMの上面におけるノジュールの発生をさらに抑制することが可能である。
【0078】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0079】
BM バリアメタル、BP ボンディングパッド、BP1 第1部分、BP2 第2部分、BW ボンディングワイヤ、CAP キャップ膜、CH コンタクトホール、CP コンタクトプラグ、D1 第1方向、D2 第2方向、DEV1,DEV2,DEV3,DEV4,DEV5 半導体装置、DIS 距離、DR ドレイン領域、DR1 第1部分、DR2 第2部分、G ゲート、GI ゲート絶縁膜、ILD1,ILD2,ILD3,ILD4 層間絶縁膜、OP 開口部、OPM1 ニッケル層、OPM2 パラジウム層、OPM3 金層、PV パッシベーション膜、PV1 第1パッシベーション膜、PV2 第2パッシベーション膜、R1 第1領域、R2 第2領域、S1 配線形成工程、S2 第1パッシベーション膜形成工程、S3 第1エッチング工程、S4 第2パッシベーション膜形成工程、S5 第2エッチング工程、S6 無電解めっき工程、S7 第3エッチング工程、S8 第4エッチング工程、S9 第5エッチング工程、SF 遮蔽膜、SF1 第1層、SF2 第2層、SF3 第3層、SFa 円環部、SR ソース領域、SR1 第1部分、SR2 第2部分、STI 素子分離膜、SUB 半導体基板、SWS サイドウォールスペーサ、TR1,TR2,TR3 溝、VH1,VH2 ビアホール、VP1,VP2 ビアプラグ、W 幅、WL1,WL2,WL3 配線、WR ウェル領域。