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特開2023-124336フィルターボックス及び換気システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124336
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】フィルターボックス及び換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/003 20210101AFI20230830BHJP
   F24F 7/08 20060101ALI20230830BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20230830BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20230830BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20230830BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20230830BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20230830BHJP
【FI】
F24F7/003
F24F7/08 Z
F24F8/108 210
F24F7/007 B
F24F13/28
F24F7/10 101D
B01D46/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028049
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】熊埜御堂 令
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】夜久 幸希
(72)【発明者】
【氏名】能登谷 美和子
【テーマコード(参考)】
3L056
4D058
【Fターム(参考)】
3L056BD06
4D058JA12
4D058KB06
4D058KB11
4D058PA04
4D058QA01
4D058QA11
4D058SA01
4D058UA25
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性を向上させることができるフィルターボックス及び換気システムを提供する。
【解決手段】全般換気システム1に用いられるフィルターボックス40であって、空気が流通可能な排気側空間S1(第一の流通経路)及び給気側空間S2(第二の流通経路)を有する筐体41と、筐体41の内部において排気側空間S1(第一の流通経路)と給気側空間S2(第二の流通経路)との間を区画する界壁部43と、排気側空間S1(第一の流通経路)においてRAフィルター44a(第一のフィルター)を脱着可能な第一取付部44(第一のフィルター取付部)と、給気側空間S2(第二の流通経路)において防虫フィルター45a及び除塵フィルター46a(第二のフィルター)を脱着可能な第二取付部45及び第三取付部46(第二のフィルター取付部)と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気システムに用いられるフィルターボックスであって、
空気が流通可能な第一の流通経路及び第二の流通経路を有する筐体と、
前記筐体の内部において前記第一の流通経路と前記第二の流通経路との間を区画する界壁部と、
前記第一の流通経路において第一のフィルターを脱着可能な第一のフィルター取付部と、
前記第二の流通経路において第二のフィルターを脱着可能な第二のフィルター取付部と、
を具備するフィルターボックス。
【請求項2】
前記筐体には、前記第一の流通経路に面する部分に、前記第一の流通経路への空気の入口になると共に開閉可能に形成された開閉部が設けられる、
請求項1に記載のフィルターボックス。
【請求項3】
前記界壁部は、前記開閉部を介して取り外し可能に形成される、
請求項2に記載のフィルターボックス。
【請求項4】
前記筐体のうち、前記第一の流通経路を有する第一部分と、前記第二の流通経路を有する第二部分とは、
一方向の幅の大小関係と前記一方向に直交する第二方向の幅の大小関係とが互いに逆となるように形成される、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のフィルターボックス。
【請求項5】
前記第一のフィルター及び前記第二のフィルターの少なくとも一方のフィルターは、空気の流通方向に対して傾斜する複数のフィルタ面を有する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のフィルターボックス。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のフィルターボックスを具備する換気システムであって、
前記第一のフィルター及び前記第二のフィルターの目詰まり検知を行う目詰まり検知手段を具備する、
換気システム。
【請求項7】
前記換気システムは、全般換気システムであって、
前記第一の流通経路には、屋内からの還気が導入され、
前記第二の流通経路には、屋外からの外気が導入される、
請求項6に記載の換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターボックス及び換気システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の換気システムにおいて、粉塵等を捕集するフィルターを設置するためにフィルターボックスを設ける技術が公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の技術においては、建物の居住空間と、給気ファン及び排気ファンを有する換気装置本体と、の間にフィルターボックスが設けられ、当該フィルターボックスに粉塵除去フィルターが設けられる。これにより、居住空間から換気装置本体へと、また換気装置本体から居住空間へと粉塵が流通するのを抑制することができる。また、換気装置本体の内部において、建物の外壁に設けられた空気取り込み口と連通する部分には不織布フィルターが設けられる。これにより、屋外空間から換気装置本体へと粉塵が流通するのを抑制することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、各種のフィルター(粉塵除去フィルターや不織布フィルター)が互いに異なる場所に設けられるため、メンテナンス性の観点から不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-199156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、メンテナンス性を向上させることができるフィルターボックス及び換気システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、換気システムに用いられるフィルターボックスであって、空気が流通可能な第一の流通経路及び第二の流通経路を有する筐体と、前記筐体の内部において前記第一の流通経路と前記第二の流通経路との間を区画する界壁部と、前記第一の流通経路において第一のフィルターを脱着可能な第一のフィルター取付部と、前記第二の流通経路において第二のフィルターを脱着可能な第二のフィルター取付部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記筐体には、前記第一の流通経路に面する部分に、前記第一の流通経路への空気の入口になると共に開閉可能に形成された開閉部が設けられるものである。
【0010】
請求項3においては、前記界壁部は、前記開閉部を介して取り外し可能に形成されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記筐体のうち、前記第一の流通経路を有する第一部分と、前記第二の流通経路を有する第二部分とは、一方向の幅の大小関係と前記一方向に直交する第二方向の幅の大小関係とが互いに逆となるように形成されるものである。
【0012】
請求項5においては、前記第一のフィルター及び前記第二のフィルターの少なくとも一方のフィルターは、空気の流通方向に対して傾斜する複数のフィルタ面を有するものである。
【0013】
請求項6においては、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のフィルターボックスを具備する換気システムであって、前記第一のフィルター及び前記第二のフィルターの目詰まり検知を行う目詰まり検知手段を具備するものである。
【0014】
請求項7においては、前記換気システムは、全般換気システムであって、前記第一の流通経路には、屋内からの還気が導入され、前記第二の流通経路には、屋外からの外気が導入されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
本願発明においては、メンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第一実施形態に係るフィルターボックスを具備する全般換気システムの構成を示した概略図。
図2】同じく、ブロック図。
図3】(a)フィルターボックスの平面断面模式図。(b)同じく、側面断面模式図。(c)同じく、正面模式図。
図4】ファンの電流値とフィルターを設置してからの経過時間との関係の一例を示すグラフ。
図5】(a)フィルターボックスの筐体における、貫流熱量及び屋外からの外気の温度上昇の一例を示す図。(b)フィルターボックスの界壁部における、貫流熱量及び屋外からの外気の温度上昇の一例を示す図。
図6】(a)第一の別例に係るフィルターボックスの平面断面模式図。(b)第二の別例に係るフィルターボックスの平面断面模式図。
図7】(a)第二実施形態に係るフィルターボックスの平面断面模式図。(b)同じく、正面模式図。
図8】(a)第三実施形態に係るフィルターボックスの正面断面模式図。(b)同じく、底面模式図。
図9】(a)第三実施形態に係るフィルターボックスを建物の天井裏に具備する全般換気システムの構成を示した概略図。(b)同じく、建物の壁部内に具備する全般換気システムの構成を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図1から図6を用いて、本発明の第一実施形態に係るフィルターボックス40を具備する全般換気システム1について説明する。なお以下では、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0019】
全般換気システム1は、建物の室内からの排気と室内への給気を適切に行うためのものである。本実施形態において全般換気システム1は、前記建物として例えば戸建住宅(住宅H)に設けられる。全般換気システム1は、排気ダクト10、給気ダクト20、熱交換装置30、フィルターボックス40及び制御部50を具備する。
【0020】
排気ダクト10は、屋内の還気(RA)を取り込んで排気(EA)として屋外へ導出するための空気の経路である。排気ダクト10は、上端側端部が室内に配置され、その他の大部分が住宅Hの天井裏に設けられる。本実施形態において、排気ダクト10の径は、150mmに形成される。排気ダクト10の空気の流通方向中途部には、熱交換装置30が接続される。なお以下では、空気の流通方向を基準として上流側及び下流側をそれぞれ定義する。また排気ダクト10のうち、熱交換装置30よりも上流側を「上流側排気ダクト11」と称し、熱交換装置30よりも下流側を「下流側排気ダクト12」と称する。
【0021】
上流側排気ダクト11は、上流側端部がフィルターボックス40を介して室内と連通され、下流側端部が熱交換装置30と連通される。また下流側排気ダクト12は、上流側端部が熱交換装置30と連通され、下流側端部が屋外と連通される。上流側排気ダクト11及び下流側排気ダクト12は、熱交換装置30の内部において、所定の排気経路を介して互いに連通される。
【0022】
給気ダクト20は、屋外の外気(OA)を取り込んで給気(SA)として屋内へ導入するための空気の経路である。給気ダクト20は、大部分が住宅Hの天井裏に設けられる。本実施形態において、給気ダクト20の径は、150mmに形成される。給気ダクト20の空気の流通方向中途部には、熱交換装置30が接続される。
【0023】
なお以下では、給気ダクト20のうち、熱交換装置30よりも上流側を「上流側給気ダクト21」と称し、熱交換装置30よりも下流側を「下流側給気ダクト22」と称する。上流側給気ダクト21の空気の流通方向中途部は、室内に位置すると共に、フィルターボックス40に接続される。なお以下では、上流側給気ダクト21のうち、フィルターボックス40よりも上流側を「上流側第一給気ダクト21a」と称し、フィルターボックス40よりも下流側を「上流側第二給気ダクト21b」と称する。上流側第一給気ダクト21aの下流側端部及び上流側第二給気ダクト21bの上流側端部は、それぞれ室内に位置する。
【0024】
上流側第一給気ダクト21aは、上流側端部が屋外と連通され、下流側端部がフィルターボックス40と連通される。また上流側第二給気ダクト21bは、上流側端部がフィルターボックス40と連通され、下流側端部が熱交換装置30と連通される。また下流側給気ダクト22は、上流側端部が熱交換装置30と連通され、下流側端部が室内と連通される。また上流側給気ダクト21(上流側第二給気ダクト21b)及び下流側給気ダクト22は、熱交換装置30の内部において所定の給気経路を介して互いに連通される。
【0025】
熱交換装置30は、住宅Hの天井裏に設けられる。熱交換装置30の内部には、前記排気経路と前記給気経路とが、互いに交差するように設けられる。こうして、熱交換装置30は、上流側排気ダクト11からの還気と、上流側第一給気ダクト21aからの外気と、の間で、熱交換を行うことができる。また熱交換装置30は、給気用の給気ファン34、及び、排気用の排気ファン33を有する。
【0026】
こうして、熱交換装置30は、排気ダクト10を介して屋内の還気を排気として屋外へ導出することができる。また熱交換装置30は、給気ダクト20を介して屋外の外気を給気として室内へ導入することができる。こうして、熱交換装置30により、換気と外気との熱交換を行いながら換気を行うことができ、省エネルギー化を図りつつ、住宅H内の適切な室内環境を維持することができる。
【0027】
フィルターボックス40は、各種のフィルターを収容するものである。フィルターボックス40は、例えば住宅Hの廊下の壁に設けられる。フィルターボックス40は、筐体41、扉部42、界壁部43、第一取付部44(RAフィルター44a)、第二取付部45(防虫フィルター45a)、第三取付部46(除塵フィルター46a)、筒状部47及び圧力センサ48を具備する。なお図1に示すフィルターボックス40は概略図であるため、当該フィルターボックス40の構成要素の位置関係や大きさ等については、図3を用いて説明を行う。
【0028】
筐体41は、前側が開口された略箱状に形成される。筐体41の内部には、空気の流通経路が形成され、各種のフィルターが収容される。筐体41は、略立方体形状の外郭を有する。筐体41は、例えば押出法発泡ポリスチレンを含む、断熱性能を有する発泡プラスチックにより形成される。本実施形態においては、筐体41の左右幅が500mm、上下幅が500mm、前後幅が400mmに形成される。また筐体41の壁の厚みは、後述する結露防止視点に基づいて10mmに形成される。
【0029】
扉部42は、筐体41の前側の開口部に開閉可能に設けられる。扉部42は、板面を前後方向へ向けた略板状に形成される。扉部42は、筐体41と同様の材料により形成される。扉部42は、複数のスリット42aを有する。複数のスリット42aは、それぞれ扉部42を前後方向に貫通すると共に、上下方向に延びるように形成される。こうして、筐体41の内部と外部(室内)とは、扉部42(スリット42a)を介して連通される。扉部42は、後述する排気側空間S1への空気の入口となる。なお扉部42は、開閉可能ではなく、筐体41に脱着可能に設けられてもよい。
【0030】
界壁部43は、板面を前後方向へ向けた略板状に形成される。界壁部43は、筐体41と同様の材料により形成される。界壁部43の厚みは、後述する熱交換防止視点に基づいて40mmに形成される。界壁部43は、筐体41の内部の前後方向中途部において脱着可能に設けられる。これにより、界壁部43は、筐体41の内部に取り付けられた状態で、当該内部を互いに連通不能となるように前後に区画する。なお以下では、界壁部43により区画された筐体41の内部(空間)のうち、前側(扉部42側)の空間を「排気側空間S1」と称し、後側(反扉部42側)の空間を「給気側空間S2」と称する。なお界壁部43は、脱着可能ではなく、筐体41に開閉可能に設けられてもよい。
【0031】
第一取付部44は、後述するRAフィルター44aを取り付けるための部分である。第一取付部44は、排気側空間S1において扉部42に隣接して設けられる。第一取付部44は、RAフィルター44aを脱着可能に構成される。
【0032】
RAフィルター44aは、比較的目の粗いプレフィルターである。RAフィルター44aは、第一取付部44に取り付けられた状態で、筐体41の排気側空間S1において扉部42に近接して設けられる。RAフィルター44aは、フィルタ面を前後方向へ向けることにより、扉部42の複数のスリット42aと対向するように設けられる。こうして、扉部42を介して屋内の還気が筐体41の排気側空間S1へ流通した場合、RAフィルター44aは当該還気に含まれた粗い塵埃を捕集することができる。
【0033】
第二取付部45は、後述する防虫フィルター45aを取り付けるための部分である。第二取付部45は、給気側空間S2の左右方向中途部に設けられる。第二取付部45は、防虫フィルター45aを脱着可能に構成される。
【0034】
防虫フィルター45aは、虫の侵入を抑制するフィルターである。防虫フィルター45aは、例えば金網状に形成される。防虫フィルター45aは、第二取付部45に取り付けられた状態で、筐体41の給気側空間S2の左右方向中途部において、フィルタ面を左右方向へ向けて設けられる。
【0035】
第三取付部46は、後述する除塵フィルター46aを取り付けるための部分である。第二取付部45は、給気側空間S2の左右方向中途部であって、第二取付部45の右方に設けられる。第二取付部45は、除塵フィルター46aを脱着可能に構成される。
【0036】
除塵フィルター46aは、比較的目の細かい高性能フィルターである。除塵フィルター46aは、第三取付部46に取り付けられた状態で、筐体41の給気側空間S2の左右方向中途部(防虫フィルター45aの右方)において、防虫フィルター45aに隣接して設けられる。除塵フィルター46aは、フィルタ面を左右方向へ向けて設けられる。
【0037】
このように、防虫フィルター45a及び除塵フィルター46aは、筐体41の給気側空間S2を互いに連通可能となるように左右に区画する。また後述するように、左右に区画された給気側空間S2においては、左側から右側へと屋外からの外気が流通する。なお以下では、前記区画された筐体41の給気側空間S2のうち、左側の空間を「給気上流側空間S2a」と称し、右側の空間を「給気下流側空間S2b」と称する。こうして、防虫フィルター45a及び除塵フィルター46aを介して筐体41の給気上流側空間S2aから給気下流側空間S2bへと屋外からの外気が流通した場合(図1参照)、防虫フィルター45aにより虫を捕集すると共に、除塵フィルター46aにより当該外気に含まれた細かい塵埃を捕集することができる。
【0038】
筒状部47は、筐体41と各種のダクトとを接続する部分である。筒状部47は、筐体41の天板に開口された開口部(不図示)から上方へ突出するように形成される。本実施形態において筒状部47の径は、150mmの径を有した排気ダクト10及び給気ダクト20が接続可能な大きさに形成される。なお筒状部47の径は、例えば100mmの径を有するダクトが接続可能な大きさにするなど、適宜変更可能である。
【0039】
筒状部47は、複数(本実施形態においては、3つ)設けられる。具体的には、3つの筒状部47には、排気側空間S1の天板に設けられる排気側筒状部61と、給気上流側空間S2aの天板に設けられる給気上流側筒状部62と、給気下流側空間S2bの天板に設けられる給気下流側筒状部63と、が含まれる。
【0040】
図1に示すように、排気側筒状部61には、上流側排気ダクト11の上流側端部が接続される。こうして、室内からの還気は、扉部42を介して排気側空間S1に流入した後、排気側筒状部61を介して上流側排気ダクト11へと流通する。
【0041】
また給気上流側筒状部62には、上流側第一給気ダクト21aの下流側端部が接続される。こうして、上流側第一給気ダクト21aを流通した屋外からの外気は、給気上流側筒状部62を介して給気上流側空間S2aに流入する。また、給気上流側空間S2aに流入した屋外からの外気は、防虫フィルター45a及び除塵フィルター46aを介して給気上流側空間S2aから給気下流側空間S2bへと流入する。
【0042】
また給気下流側筒状部63には、上流側第二給気ダクト21bの上流側端部が接続される。こうして、給気上流側空間S2aから給気下流側空間S2bへと流入した屋外からの外気は、給気下流側筒状部63を介して上流側第二給気ダクト21bへと流入する。
【0043】
圧力センサ48は、筒状部47の内部の圧力を検知する。圧力センサ48は、3つの筒状部47(排気側筒状部61、給気上流側筒状部62及び給気下流側筒状部63)のそれぞれに設けられる。こうして、排気側筒状部61に設けられた圧力センサ48は、RAフィルター44aを介して室内から排気側空間S1へと流通した後の、室内からの還気の圧力を検知することができる。また給気上流側筒状部62に設けられた圧力センサ48は、屋外からの外気の圧力を検知することができる。また給気下流側筒状部63に設けられた圧力センサ48は、防虫フィルター45a及び除塵フィルター46aを介して給気上流側空間S2aから給気下流側空間S2bへと流通した後の、屋外からの外気の圧力を検知することができる。
【0044】
なお圧力センサ48は、筒状部47(すなわち、フィルターボックス40)に設けられるのではなく、ダクト(上流側排気ダクト11や、上流側第一給気ダクト21a、上流側第二給気ダクト21b)に設けられてもよい。なお以下では、排気側筒状部61、給気上流側筒状部62及び給気下流側筒状部63に設けられた圧力センサ48を、それぞれ「排気側圧力センサ71」、「給気上流側圧力センサ72」及び「給気下流側圧力センサ73」と称する場合がある。
【0045】
上述の如き構成のフィルターボックス40においては、全般換気システム1において使用される全て(3つ)のフィルターを筐体41に収容している。またRAフィルター44aが目詰まりした場合は、扉部42を開けて当該RAフィルター44aの掃除や交換を行うことができる。また防虫フィルター45aや除塵フィルター46a(以下では単に「除塵フィルター46a等」と称する場合がある)が目詰まりした場合は、扉部42を開け、RAフィルター44aを一旦取り外すと共に界壁部43を開けて当該除塵フィルター46a等の掃除や交換を行うことができる。
【0046】
このように、フィルターボックス40においては、全てのフィルターのメンテナンスを一箇所(本実施形態においては、廊下の壁)で済ますことができ、さらにフィルターボックス40の正面から行うことができるため、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0047】
なお本実施形態においては、各種のフィルターの掃除や交換のタイミング(目詰まりの有無)は、後述する制御部50の処理(以下では「目詰まり検知処理」と称する)により、住宅Hの居住者に報知される。
【0048】
図2に示す制御部50は、RAM、ROM、HDD等の記憶部や、CPU等の演算処理部等を具備する。制御部50の記憶部には、各種の情報やプログラム等が記憶されている。なお前記プログラムには、目詰まり検知処理を実行するためのプログラムが含まれる。また制御部50はは、各種の操作が可能な操作部(例えばボタンやキーボード等)や、各種の情報の表示が可能な表示部51(例えばランプやモニター等)を有する。
【0049】
また制御部50は、圧力センサ48(排気側圧力センサ71、給気上流側圧力センサ72及び給気下流側圧力センサ73)と接続され、当該圧力センサ48からの信号を受信可能に構成される。こうして、制御部50は、圧力センサ48の検知結果を取得することができる。制御部50は、目詰まり検知処理を圧力センサ48の検知結果に基づいて実行する。具体的には、制御部50は、目詰まり検知処理により、所定箇所間の差圧に基づいてRAフィルター44a及び除塵フィルター46a等の目詰まりを検知する。以下では目詰まり検知処理の内容について詳細に説明する。
【0050】
制御部50は、RAフィルター44aの目詰まりを検知するために、屋外(外部フード)から除塵フィルター46a等までの経路の圧力と、RAフィルター44aから熱交換装置30までの経路の圧力と、を比較する。すなわち、制御部50は、給気上流側圧力センサ72及び排気側圧力センサ71の検知結果に基づいて上記2つの経路(便宜上「第一経路」と称する)の現状の差圧と初期差圧とを比較する。ここで、初期差圧とは、未使用のRAフィルター44aをフィルターボックス40に設置した際の上記第一経路の差圧を指す。
【0051】
ここで、RAフィルター44aの目詰まりが進行すると、屋外(外部フード)から除塵フィルター46a等までの経路と、RAフィルター44aから熱交換装置30までの経路との差圧が徐々に大きくなる。そこで、制御部50は、上記第一経路において現状の差圧が初期差圧に対して所定の閾値(例えば、150%)を越えると、掃除を推奨するとして表示部51に掃除を促す表示を行う。また、制御部50は、上記第一経路において現状の差圧が初期差圧に対して所定の閾値(例えば、200%)を越えると、掃除では回復不可能のため交換を推奨するとして表示部51に交換を促す表示を行う。
【0052】
また制御部50は、除塵フィルター46a等の目詰まりを検知するために、屋外(外部フード)から除塵フィルター46a等までの経路の圧力と、除塵フィルター46a等から熱交換装置30までの経路の圧力と、を比較する。すなわち、制御部50は、給気上流側圧力センサ72及び給気下流側圧力センサ73の検知結果に基づいて上記2つの経路(便宜上「第二経路」と称する)の現状の差圧と初期差圧とを比較する。
【0053】
そして、制御部50は、RAフィルター44aの場合と同様に、制御部50は、上記第二経路において現状の差圧が初期差圧に対して所定の閾値(例えば、150%)を越えると、掃除を推奨するとして表示部51に掃除を促す表示を行う。また、制御部50は、上記第二経路において現状の差圧が初期差圧に対して所定の閾値(例えば、200%)を越えると、掃除では回復不可能のため交換を推奨するとして表示部51に交換を促す表示を行う。
【0054】
このように、制御部50により実行される目詰まり検知処理により、複数のフィルターのうちどのフィルターで目詰まりが発生しているかを特定できる。すなわち、特定のフィルターの掃除や交換を適切なタイミングで行うことができるため、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0055】
なお制御部50により実行される目詰まり検知処理は、上述の如く圧力センサ48を用いた処理に限定されない。具体的には、制御部50は、熱交換装置30が有する給気ファン34及び排気ファン33の電流値を取得することにより、目詰まり検知処理を実行することもできる。なお制御部50が給気ファン34及び排気ファン33の電流値を取得する手法は、特に限定されない。
【0056】
ここで、図4は、各ファン(給気ファン34又は排気ファン33)の電流値と、各種のフィルターを設置してからの経過時間と、の関係の一例を示すグラフである。図4によれば、各種のフィルターの設置後、経過時間が長くなるに従って(すなわち、目詰まりの進行に伴って圧力損失が大きくなるに従って)電流値も大きくなることが分かる。すなわち、RAフィルター44aの目詰まりが進行すると、排気ファン33の電流値が大きくなる。また除塵フィルター46a等の目詰まりが進行すると、給気ファン34の電流値が大きくなる。なお図4において、電流値が一旦下がった時(例えば6月)は、掃除を行ったことにより圧力損失が一旦小さくなって電流値も小さくなったことを示す。
【0057】
こうして、制御部50は、給気ファン34又は排気ファン33の電流値が初期値に対して所定の閾値を越えると、掃除を推奨するとして表示部51に掃除を促す表示を行う。また、制御部50は、給気ファン34又は排気ファン33の電流値が初期値に対して所定の閾値(例えば、初期値の2倍)を越えると、掃除では回復不可能のため交換を推奨するとして表示部51に交換を促す表示を行う。これにより、各種のフィルターの掃除や交換を適切なタイミングで行うことができるため、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0058】
なお上述の如く制御部50は、圧力センサ48の検知結果に基づいて目詰まり検知処理を実行するだけでなく、別の検知処理を実行することもできる。例えば制御部50は、圧力センサ48の検知結果に基づいて、各種のフィルターの上流側の経路と下流側の経路との現状の差圧が初期差圧に対して所定の閾値(例えば、10%)以下であると判断した場合、給気ファン34又は排気ファン33の運転が停止中であると判断することができる。
【0059】
また上述の如く、フィルターボックス40は、筐体41の内部において、界壁部43を隔てて隣り合う空間(排気側空間S1及び給気側空間S2)を、屋外からの外気と室内からの還気とが流通するように構成される。このような構成では、屋外からの外気と室内からの還気とが界壁部43を介して互いに熱交換を行ってしまう場合がある。こうして、例えば冬期において、室内からの還気の温度が屋外からの外気の温度に応じて低下すると、熱交換装置30の熱交換効率が低下するため望ましくない。また、屋外からの外気の温度に応じて筐体41自体の温度が低下すると、結露が発生し易くなるため望ましくない。
【0060】
そこで、本実施形態に係るフィルターボックス40においては、結露防止視点及び熱交換防止視点という2つの視点に基づいて、筐体41及び界壁部43の断熱性能が設定されている。具体的には、本実施形態において、寒冷地である北海道の最低外気温を参考にした環境条件に基づいて、筐体41の断熱性能である熱抵抗値は、0.38mK/W以上に設定され、界壁部43の断熱性能である熱抵抗値は、1.00mK/W以上に設定されている。
【0061】
このような筐体41の断熱性能により、結露が発生するのを抑制することができる。また界壁部43の断熱性能により、屋外からの外気の温度上昇を0.1度未満とし、室内からの還気の温度低下を抑制することによって、熱交換装置30の熱交換効率が低下するのを抑制することができる。
【0062】
ここで、図5(a)は、筐体41の熱抵抗値を0.38mK/Wに設定した場合、図5(b)は、界壁部43の熱抵抗値を1.00mK/Wに設定した場合における、貫流熱量及び屋外からの外気の温度上昇の一例を示す図である。なお前提となる環境条件として、外気の温度が-13.4度、相対湿度が80%とされ、室内の温度が20度、相対湿度が60%、露点温度が12度とされている。
【0063】
このような場合、上述の如き断熱性能を有する筐体41において、貫流熱量が17.78Wであり、当該筐体41から熱交換装置30へと流通する屋外からの外気(熱交換装置30を流通する前の給気)の温度が-13.21度(すなわち、上昇温度が0.19度)となっている。
【0064】
また上述の如き断熱性能を有する界壁部43において、貫流熱量が6.68Wであり、当該筐体41から熱交換装置30へと流通する屋外からの外気(熱交換装置30を流通する前の給気)の温度が-13.33度(すなわち、上昇温度が0.07度)となっている。このように、熱交換装置30を流通する前の給気の温度上昇を、0.1度未満に抑えることができる。
【0065】
なお第一実施形態に係るフィルターボックス40においては、図6に示すように、除塵フィルター46aの構成を適宜変更可能である。具体的には、図6(a)に示すように、除塵フィルター46aを平面視において略くの字状に形成することができる。また図6(b)に示すように、除塵フィルター46aを平面視においてジグザグ状に形成することができる。このように、除塵フィルター46aは、空気の流通方向(図6においては、左右方向)に対して、平面視において傾斜する複数のフィルタ面を有する。
【0066】
このような構成により、除塵フィルター46aのフィルタ面の表面積を増加させ、当該除塵フィルター46aを通過する屋外からの外気の圧力損失を低減させることができる。また図6(a)及び(b)に示す除塵フィルター46aは、それぞれ一体成型されているため、フィルターボックス40の手前側に容易に引き出すことができ、メンテナンスの向上を図ることができる。
【0067】
なお除塵フィルター46aだけでなく、他のフィルター(RAフィルター44aや防虫フィルター45a)も同様の構成を採用することができる。
【0068】
以下では、図7を用いて、本発明の第二実施形態に係るフィルターボックス40の構成について説明する。
【0069】
第二実施形態に係るフィルターボックス40が第一実施形態と大きく異なる点は、筐体(第二筐体141)の構成を変更することにより、界壁部(第二界壁部143)の面積(具体的には、排気側空間(排気側空間S1)及び給気側空間(給気側空間S2)に接する面積、以下では「断熱面積」と称する)を小さくしている点である。
【0070】
具体的には、第二実施形態に係るフィルターボックス40において、第二筐体141は左側の部分と右側の部分とで上下幅及び左右幅が互いに異なる。以下では、第二筐体141のうち上下幅が小さく、かつ、左右幅が大きい左側の部分を「筐体左部144」と称し、上下幅が大きく、かつ、左右幅が小さい右側の部分を「筐体右部145」と称する場合がある。
【0071】
第二筐体141においては、筐体左部144及び筐体右部145の前後幅が200mmに形成される。また筐体左部144の左右幅が500mm、上下幅が500mmに形成される。また筐体右部145の左右幅が300mm、上下幅が800mmに形成される。このように、筐体左部144及び筐体右部145においては、上下幅と左右幅の大小関係が互いに逆の関係となっている。
【0072】
これによれば、第二筐体141の筐体左部144及び筐体右部145の境界部分に設けられる第二界壁部143の伝熱面積は、(上下幅の500mm×前後幅の200mmにより算出される)100000mmに形成される。ここで、第一実施形態に係る界壁部43の電熱面積は、(上下幅の500mm×前後幅の500mmにより算出される)250000mmに形成される。すなわち、第二界壁部143の電熱面積は、第一実施形態に係る界壁部43の電熱面積から40%減少して形成される。またこの場合、電熱面積の減少に伴って、第二界壁部143の厚みは、第一実施形態に係る界壁部43の厚み(40mm)から、20mmへと薄くすることができる。
【0073】
こうして、第二界壁部143は、第一実施形態に係る界壁部43よりも電熱面積が小さく形成されるため、屋外からの外気と室内からの還気とが第二界壁部143を介して互いに熱交換を行うのを効果的に抑制することができる。また第二界壁部143は厚みの薄いものを採用することができるため、コスト削減を図ることができる。
【0074】
また第二筐体141においては、筐体右部145の上下幅を大きくすることによって、排気側空間S1の気積が第一実施形態に係る筐体41の排気側空間S1の気積と同一に形成される。ここで、仮に筐体右部145の排気側空間S1の気積が第一実施形態に係る排気側空間S1の気積よりも小さく形成された場合(すなわち、筐体右部145の上下幅が大きくない場合(例えば500mmである場合))、当該排気側空間S1を流通する空気の流れが速くなるため、屋外からの外気と室内からの還気とが第二界壁部143を介して互いに熱交換し易い環境となる。これに対して、筐体右部145においては、排気側空間S1を流通する空気の流れが速くなるのを抑制し、ひいては屋外からの外気と室内からの還気とが第二界壁部143を介して互いに熱交換し易い環境となるのを抑制している。
【0075】
このように、第二実施形態に係るフィルターボックス40においては、第一実施形態と比べて、排気側空間S1の気積を小さくすることなく、第二界壁部143の電熱面積を小さく形成しているため、屋外からの外気と室内からの還気とが第二界壁部143を介して互いに熱交換を行うのを効果的に抑制することができる。
【0076】
以下では、図8及び図9を用いて、本発明の第三実施形態に係るフィルターボックス40の構成について説明する。
【0077】
第三実施形態に係るフィルターボックス40が第一実施形態と大きく異なる点は、筐体(第三筐体241)の構成を変更することにより、天井裏又は壁の内側のいずれにも設置可能に形成された点である。
【0078】
具体的には、第三実施形態に係るフィルターボックス40においては、第三筐体241の下面に扉部42が設けられる。また排気側空間S1及び給気側空間S2は、第一実施形態とは異なり上下に区画される。また給気側空間S2には、2つの筒状部(以下では「給気側第一筒状部242」及び「給気側第二筒状部243」と称する)が設けられる。給気側第一筒状部242及び給気側第二筒状部243は、それぞれ給気側空間S2との連通状態を切り替え可能に構成される。給気側第一筒状部242は、第三筐体241の側面に設けられる。給気側第二筒状部243は、第三筐体241の天板(界壁部43と対向する部分)に設けられる。
【0079】
こうして、図9(a)に示すように、第三実施形態に係るフィルターボックス40が天井裏に設置された場合、給気側第一筒状部242及び給気側第二筒状部243のうち、給気側第一筒状部242が給気側空間S2と連通状態とされ、給気側第二筒状部243が給気側空間S2と非連通状態とされる。こうして、給気側第一筒状部242が上流側第一給気ダクト21aと接続され、上流側第一給気ダクト21aを介して屋外からの外気が給気側空間S2に流通される。
【0080】
また、図9(b)に示すように、第三実施形態に係るフィルターボックス40が壁の内側に設置される場合、図8に示す状態から横方向に寝かされた状態でフィルターボックス40が設置される。この場合、給気側第一筒状部242及び給気側第二筒状部243のうち、給気側第一筒状部242が給気側空間S2と非連通状態とされ、給気側第二筒状部243が給気側空間S2と連通状態とされる。こうして、給気側第二筒状部243が上流側第一給気ダクト21aと接続され、上流側第一給気ダクト21aを介して屋外からの外気が給気側空間S2に流通される。
【0081】
以上の如く、本実施形態においては、
全般換気システム1に用いられるフィルターボックス40であって、
空気が流通可能な排気側空間S1(第一の流通経路)及び給気側空間S2(第二の流通経路)を有する筐体41と、
前記筐体41の内部において前記排気側空間S1(第一の流通経路)と前記給気側空間S2(第二の流通経路)との間を区画する界壁部43と、
前記排気側空間S1(第一の流通経路)においてRAフィルター44a(第一のフィルター)を脱着可能な第一取付部44(第一のフィルター取付部)と、
前記給気側空間S2(第二の流通経路)において防虫フィルター45a及び除塵フィルター46a(第二のフィルター)を脱着可能な第二取付部45及び第三取付部46(第二のフィルター取付部)と、
を具備するものである。
【0082】
このような構成により、全般換気システム1に用いられる各種の(本実施形態においては、全ての)フィルターを一箇所に集中させることができるため、メンテナンス性を向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態において、
前記筐体41には、前記排気側空間S1(第一の流通経路)に面する部分に、前記排気側空間S1(第一の流通経路)への空気の入口になると共に開閉可能に形成された扉部42(開閉部)が設けられるものである。
【0084】
このような構成により、扉部42を介して排気側空間S1内のメンテナンスの向上を図ることができる。
【0085】
また、本実施形態において、
前記界壁部43は、前記扉部42(開閉部)を介して取り外し可能に形成されるものである。
【0086】
このような構成により、扉部42を介して給気側空間S2内のメンテナンスの向上を図ることができる。
【0087】
また、本(第二)実施形態において、
前記筐体41のうち、前記排気側空間S1(第一の流通経路)を有する筐体右部145(第一部分)と、前記給気側空間S2(第二の流通経路)を有する筐体左部144(第二部分)とは、
上下方向(一方向)の幅の大小関係と左右方向(前記一方向に直交する第二方向)の幅の大小関係とが互いに逆となるように形成されるものである。
【0088】
このような構成により、排気側空間S1の気積を小さくすることなく、第二界壁部143の電熱面積を小さく形成しているため、屋外からの外気と室内からの還気とが第二界壁部143を介して互いに熱交換を行うのを効果的に抑制することができる。
【0089】
また、本実施形態において、
除塵フィルター46a(前記第一のフィルター及び前記第二のフィルターの少なくとも一方のフィルター)は、空気の流通方向に対して傾斜する複数のフィルタ面を有するものである。
【0090】
このような構成により、フィルターを通過する空気の圧力損失を低減させることができる。
【0091】
また、本実施形態においては、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のフィルターボックス40を具備する全般換気システム1であって、
前記RAフィルター44a(第一のフィルター)及び前記防虫フィルター45a及び除塵フィルター46a(第二のフィルター)の目詰まり検知を行う目詰まり制御部50(検知手段)を具備するものである。
【0092】
このような構成により、メンテナンス性を向上させることができる。
【0093】
また、本実施形態においては、
前記換気システムは、全般換気システム1であって、
前記排気側空間S1(第一の流通経路)には、屋内からの還気が導入され、
前記給気側空間S2(第二の流通経路)には、屋外からの外気が導入されるものである。
【0094】
このような構成により、全般換気システム1においてメンテナンス性を向上させることができる。
【0095】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0096】
例えば、建物は住宅に限定するものではなく、マンション、オフィスビル、商業施設、学校等であってもよい。
【0097】
またフィルターボックス40が用いられる換気システムは、全般換気システムに限定されず、種々の換気システムに用いることができる。
【0098】
また本実施形態の説明に用いた数値(フィルターボックス40の大きさや閾値等)は一例であり、本願発明の適用場面に応じて変更することができる。
【0099】
またフィルターボックス40に収容される各種のフィルターの種類や数は、本実施形態に係るものに限定されず、本願発明の適用場面に応じて変更することができる。
【0100】
また表示部51は制御部50が具備するものではなく、例えば住宅Hの住人が所持するような携帯端末等であってもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 全般換気システム
40 フィルターボックス
41 筐体
43 界壁部
44 第一取付部
44a RAフィルター
45 第二取付部
45a 防虫フィルター
46 第三取付部
46a 除塵フィルター
H 住宅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9