(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124362
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20230830BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028087
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 治
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB25
(57)【要約】
【課題】振込業務の効率性および堅確性をより向上させることが可能な、新規かつ改良された技術を提供することにある。
【解決手段】振込依頼書に付された情報コードが読み取られてデコードされて得られた、振込に関する情報を含んだ振込データを取得する取得部と、前記振込に関する情報が妥当であるか否かを判定する判定部と、前記振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、ホストへの前記振込データの送信を制御する送信制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振込依頼書に付された情報コードが読み取られてデコードされて得られた、振込に関する情報を含んだ振込データを取得する取得部と、
前記振込に関する情報が妥当であるか否かを判定する判定部と、
前記振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、ホストへの前記振込データの送信を制御する送信制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記振込に関する情報は、振込先の第1の口座名義人名であり、
前記振込データは、前記第1の口座名義人名と振込先の口座を識別するための口座識別情報とを含み、
前記取得部は、前記口座識別情報に対応する第2の口座名義人名を、前記ホストから取得し、
前記判定部は、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致するか否かを判定することにより、前記第1の口座名義人名が妥当であるか否かを判定し、
前記送信制御部は、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致すると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記口座識別情報は、金融機関名、支店名、科目および口座番号を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記振込に関する情報は、振込金額であり、
前記判定部は、前記振込金額が閾値未満であるか否かを判定することにより、前記振込金額が妥当であるか否かを判定し、
前記送信制御部は、前記振込金額が閾値未満であると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記振込に関する情報は、前記振込金額および振込先の第1の口座名義人名であり、
前記振込データは、前記第1の口座名義人名と振込先の口座を識別するための口座識別情報とを含み、
前記取得部は、前記口座識別情報に対応する第2の口座名義人名を、前記ホストから取得し、
前記判定部は、前記振込金額が前記閾値未満であると判定したことに基づいて、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致するか否かを判定し、
前記送信制御部は、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致すると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記振込に関する情報は、第1の振込金額であり、
前記取得部は、前記振込依頼書の振込金額の記載欄から読み取られたイメージデータに対する文字認識処理により得られた第2の振込金額を取得し、
前記判定部は、前記第1の振込金額と前記第2の振込金額とが一致するか否かを判定することにより、前記第1の振込金額が妥当であるか否かを判定し、
前記送信制御部は、前記第1の振込金額と前記第2の振込金額とが一致すると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信制御部は、前記振込に関する情報が妥当ではないと判定されたことに基づいて、所定の警告情報の操作端末への送信を制御する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
振込依頼書に付された情報コードが読み取られてデコードされて得られた、振込に関する情報を含んだ振込データを取得することと、
前記振込に関する情報が妥当であるか否かを判定することと、
前記振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、ホストへの前記振込データの送信を制御することと、
を備える、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
振込依頼書に付された情報コードが読み取られてデコードされて得られた、振込に関する情報を含んだ振込データを取得する取得部と、
前記振込に関する情報が妥当であるか否かを判定する判定部と、
前記振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、ホストへの前記振込データの送信を制御する送信制御部と、
を備える情報処理装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
営業店と集中センタとが連携して処理を行うシステムが各種存在する(例えば、特許文献1参照)。金融機関では、営業店および集中センタが連携することで振込処理が行われる。例えば、依頼人が金融機関の営業店を訪れ、依頼人が所定の振込依頼書に必要事項を記入して当該振込依頼書を窓口に提出すると、窓口の受付端末のスキャナにより振込依頼書が読み取られ、当該読み取りにより得られた振込データが集中センタに送信される。そして、集中センタにおいて振込データに基づいて仕向電文が生成され、当該仕向電文がホストに送信されることで、振込が実行される。
【0003】
昨今、金融機関では、伝票作成ツールを用いて発行された振込依頼書を為替システムと連携して処理するケースが増えている。より詳細に、依頼人は、伝票作成ツールを用いて、振込データがコード化された情報コードを振込依頼書に埋め込むとともに、各項目に対応する記載欄に情報を記載し、振込依頼書を窓口に提出する。窓口の受付端末のスキャナは、振込依頼書を読み取ってイメージデータを得るとともに、イメージデータに存在する情報コードをデコードして振込データを得る。振込データおよびイメージデータは集中センタに送信される。
【0004】
集中センタにおいて、振込データおよび各項目のイメージデータが表示されると、オペレータは、表示された振込データおよび各項目のイメージデータを目視しながら、振込データに改竄がないかを確認する。これによって、データエントリの効率化が図られている。振込データに改竄がないことが確認された場合には、集中センタにおいて振込データに基づいて仕向電文が生成され、当該仕向電文がホストに送信されることで、振込が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、かかる技術では、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに振込データが折角存在しているにも関わらず、集中センタにおいてオペレータが振込データおよび各項目のイメージデータを目視確認する必要がある。そのため、かかる技術では、データエントリの効率化が十分ではないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、振込業務の効率性および堅確性をより向上させることが可能な、新規かつ改良された技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、振込依頼書に付された情報コードが読み取られてデコードされて得られた、振込に関する情報を含んだ振込データを取得する取得部と、前記振込に関する情報が妥当であるか否かを判定する判定部と、前記振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、ホストへの前記振込データの送信を制御する送信制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0009】
前記振込に関する情報は、振込先の第1の口座名義人名であり、前記振込データは、前記第1の口座名義人名と振込先の口座を識別するための口座識別情報とを含み、前記取得部は、前記口座識別情報に対応する第2の口座名義人名を、前記ホストから取得し、前記判定部は、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致するか否かを判定することにより、前記第1の口座名義人名が妥当であるか否かを判定し、前記送信制御部は、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致すると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御してもよい。
【0010】
前記口座識別情報は、金融機関名、支店名、科目および口座番号を含んでもよい。
【0011】
前記振込に関する情報は、振込金額であり、前記判定部は、前記振込金額が閾値未満であるか否かを判定することにより、前記振込金額が妥当であるか否かを判定し、前記送信制御部は、前記振込金額が閾値未満であると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御してもよい。
【0012】
前記振込に関する情報は、前記振込金額および振込先の第1の口座名義人名であり、前記振込データは、前記第1の口座名義人名と振込先の口座を識別するための口座識別情報とを含み、前記取得部は、前記口座識別情報に対応する第2の口座名義人名を、前記ホストから取得し、前記判定部は、前記振込金額が前記閾値未満であると判定したことに基づいて、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致するか否かを判定し、前記送信制御部は、前記第1の口座名義人名と前記第2の口座名義人名とが一致すると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御してもよい。
【0013】
前記振込に関する情報は、第1の振込金額であり、前記取得部は、前記振込依頼書の振込金額の記載欄から読み取られたイメージデータに対する文字認識処理により得られた第2の振込金額を取得し、前記判定部は、前記第1の振込金額と前記第2の振込金額とが一致するか否かを判定することにより、前記第1の振込金額が妥当であるか否かを判定し、前記送信制御部は、前記第1の振込金額と前記第2の振込金額とが一致すると判定されたことに基づいて、前記ホストへの前記振込データの送信を制御してもよい。
【0014】
前記送信制御部は、前記振込に関する情報が妥当ではないと判定されたことに基づいて、所定の警告情報の操作端末への送信を制御してもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、振込依頼書に付された情報コードが読み取られてデコードされて得られた、振込に関する情報を含んだ振込データを取得することと、前記振込に関する情報が妥当であるか否かを判定することと、前記振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、ホストへの前記振込データの送信を制御することと、を備える、情報処理方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、振込依頼書に付された情報コードが読み取られてデコードされて得られた、振込に関する情報を含んだ振込データを取得する取得部と、前記振込に関する情報が妥当であるか否かを判定する判定部と、前記振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、ホストへの前記振込データの送信を制御する送信制御部と、を備える情報処理装置として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明した本発明によれば、振込業務の効率性および堅確性をより向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による為替システムの構成を示す説明図である。
【
図4】本発明の実施形態による為替サーバの構成を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施形態による操作端末の構成を示す説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る為替サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る確認画面の具体例を示す説明図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る為替サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る確認画面の具体例を示す説明図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係る為替サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第4の実施形態に係る為替サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第4の実施形態に係る確認画面の具体例を示す説明図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る操作端末の例としての情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0021】
<1.為替システムの概要>
本発明の実施形態は、金融機関に適用される為替システムに関する。まず、
図1~
図5を参照し、本発明の実施形態に係る為替システムの概要を説明する。
【0022】
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る為替システムの構成を示す説明図である。
図1に示したように、本発明の実施形態に係る為替システム1は、営業店に配置される構成、集中センタに配置される構成、およびホスト30を有する。営業店と集中センタはネットワークを介して接続されている。営業店に配置される構成は、スキャナ11および営業店端末12を含む。集中センタに配置される構成は、為替サーバ20、操作端末25および通信ゲートウェイ29を含む。
【0023】
スキャナ11は、書面の読み取り、および書面に記載された情報コードのデコードを行う。例えば、スキャナ11は、振込の依頼人により必要事項が記入された振込依頼書の読み取り、および振込依頼書に埋め込まれた情報コードのデコードを行う。その結果、振込依頼書のイメージデータ、および情報コードのデコードにより得られる振込データが得られる。ここで、
図2を参照して振込依頼書の具体例を説明する。
【0024】
図2は、振込依頼書40の具体例を示す説明図である。
図2に示したように、振込依頼書40は、複数の項目それぞれの記載欄を含む。例えば、複数の項目は、依頼人に関する各項目(例えば、依頼人電話番号、依頼人科目、依頼人口座番号、依頼人名など)、受取人に関する各項目(例えば、受取人名、振込先金融機関名、振込先支店名など)、および、振込金額などを含む。その他、複数の項目は、振込期日となる振込指定日などを含んでもよい。この複数の項目には、振込業務における重要項目(例えば、依頼人科目、依頼人口座番号、振込金額など)が含まれ得る。
【0025】
また、振込依頼書40は、振込依頼時に依頼人口座の残高が振込に必要な金額以上であることが確認され、当該振込に必要な金額が確保(拘束)されているか否かを示す、資金確保状況に関する欄を含む。振込に必要な金額が確保済みである確保済み状況においては資金確保済みマーク欄42が行員によりマークされ、振込に必要な金額が未確保である未確保状況においては資金未確保マーク欄43が行員によりマークされる。また、振込依頼書40には、振込データがコード化された情報コードC1が埋め込まれている。
【0026】
ここでは、情報コードC1が二次元コードである場合を主に想定する。しかし、情報コードC1の種類は限定されない。例えば、情報コードC1は、1次元コードなどであってもよい。
【0027】
例えば、スキャナ11は、振込依頼書40のイメージデータに基づいて、振込依頼書40に埋め込まれた情報コードC1のデコードを行う。これによって、スキャナ11は振込データを得る。営業店端末12は、営業店での窓口業務に従事する行員により利用される端末である。振込データには、依頼人によって入力された各項目に対応するデータが含まれる。営業店端末12は、スキャナ11により得られた振込依頼書40のイメージデータおよび振込データを集中センタに送信する。
【0028】
また、行員は、営業店端末12を用いて依頼人口座の残高を確認し、依頼人口座の残高が振込に必要な金額以上である場合には、営業店端末12を介してホスト30に振込資金の確保を要求する。振込資金を確保できた場合、行員は上述したように資金確保済みマーク欄42をマークし、振込資金が未確保である場合、行員は資金未確保マーク欄43をマークする。
【0029】
なお、営業店端末12は、
図1に示したように例えばPC(Pesonal Computer)であってもよい。また、
図1においてはスキャナ11と営業店端末12が別の装置である例を示したが、スキャナ11と営業店端末12の機能は1つの装置で一体的に実現されてもよい。
【0030】
為替サーバ20は、営業店端末12から送信された振込データを記憶する振込管理装置の一例である。為替サーバ20は、操作端末25などへの振込データの配信を管理する。例えば、為替サーバ20は、振込依頼書40のイメージデータから各項目の記載欄を切り出すことによって、各項目に対応する切り出しイメージを得る。為替サーバ20は、各項目に対応する切り出しイメージおよび振込データを操作端末25に送信する。
【0031】
操作端末25は、集中センタのオペレータによって利用される端末である。操作端末25の確認画面には、為替サーバ20から配信された切り出しイメージおよび振込データが項目名に対応付けて表示される。操作端末26のオペレータは、項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、その項目に対応する振込データが(例えば、情報コードの改竄により)誤っていると判断すれば、営業店に連絡する。
【0032】
図3は、確認画面50の具体例を示す説明図である。
図3に示したように、確認画面50には、振込依頼書に含まれる複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび振込データが表示される。例えば、切り出しイメージは、対応するイメージ表示欄に表示され、振込データは、対応する項目データ表示欄に表示される。
【0033】
一例として、依頼人電話番号の切り出しイメージは、依頼人電話番号のイメージ表示欄500に表示され、依頼人電話番号の振込データは、依頼人電話番号の項目データ表示欄520に表示される。他の一例として、一例として、受取人名の切り出しイメージは、受取人名のイメージ表示欄531に表示され、受取人名の振込データは、受取人名の項目データ表示欄532に表示される。
【0034】
図3に示した例では、項目「受取人名」に対応する切り出しイメージ表示欄531には、切り出しイメージ「オキ ハナコ」が表示されているのに対し、項目「受取人名」に対応する項目データ表示欄532には、振込データ「オキ タロウ」が表示されている。そして、オペレータが、この振込データの誤りに気付かずに、営業店への連絡を行わなかった場合を想定する。
【0035】
例えば、オペレータによる「送信」ボタンの押下に基づいて、操作端末25から為替サーバ20に振込要求が送信される。為替サーバ20は、振込要求が受信されたことに基づいて、振込データを含んだ仕向電文を、通信ゲートウェイ29を介してホスト30に発信する。このとき、ホスト30が仕向電文の受信に基づいて振込を実行することにより、一件分の振込が完了する。
【0036】
(背景)
しかし、集中センタにおいてオペレータが振込データおよび各項目のイメージを必ず目視確認する場合には、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに振込データが折角存在しているにも関わらず、データエントリの効率化が十分ではなくなってしまう。
【0037】
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態による為替システムを創作するに至った。本発明の実施形態による為替システム1は、振込業務の効率性および堅確性をより向上させることが可能である。以下、このような本発明の実施形態による為替システム1に関する構成および動作を順次詳細に説明する。
【0038】
以上、本発明の実施形態による為替システム1の概要について説明した。
【0039】
<2.為替サーバの構成>
図4は、本発明の実施形態による為替サーバ20の構成を示す説明図である。
図4に示したように、為替サーバ20は、制御部220、記憶部230および通信部240を有する。
【0040】
制御部220は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、記憶部230により記憶されているプログラムがCPUによりRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部220は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0041】
ここで、
図4に示されるように、制御部220は、取得部221、処理部222および送信制御部223を備える。処理部222は、判定部の例として機能し得る。制御部220が有する、これらの各機能部の詳細については、後に説明する。
【0042】
記憶部230は、制御部220を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部230は、制御部220の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0043】
通信部240は、通信インタフェースによって構成され、ネットワークを介して営業店の営業店端末12と通信を行う。
【0044】
以上、本発明の実施形態による為替サーバ20の構成を説明した。
【0045】
<3.操作端末の構成>
図5は、本発明の実施形態による操作端末25の構成を示す説明図である。
図5に示したように、操作端末26は、入力部261、制御部262、記憶部266、通信部267および表示部268を有する。
【0046】
入力部261は、オペレータによる操作を受け付ける。本発明の実施形態では、入力部261がマウスおよびキーボードである場合を主に想定する。しかし、入力部261の種類は限定されない。例えば、入力部261は、タッチパネルであってもよいし、電子ペンであってもよいし、他の入力装置であってもよい。
【0047】
制御部262は、CPUなどを含み、記憶部266により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部262は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0048】
ここで、
図5に示されるように、制御部262は、取得部263、処理部264および出力制御部265を備える。制御部262が有する、これらの各機能部の詳細については、後に説明する。
【0049】
記憶部266は、制御部262を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部266は、制御部262の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0050】
通信部267は、通信インタフェースによって構成され、集中センタ内のネットワークを介して、為替サーバ20と通信を行う。
【0051】
表示部268は、制御部262による制御に従って各種情報の表示を行う機能を有する。例えば、表示部268は、確認画面を表示することが可能である。ここで、表示部268の形態は特に限定されない。例えば、表示部268は、液晶ディスプレイ(LCD)装置であってもよいし、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置であってもよいし、ランプなどの表示装置であってもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態による操作端末25の構成を説明した。
【0053】
<4.第1の実施形態>
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。まず、依頼人は、伝票作成ツールを用いて振込データがコード化された情報コードを振込依頼書に埋め込むとともに、各項目に対応する記載欄に情報を記載し、振込依頼書を窓口に提出する。行員は、スキャナ11に振込依頼書を読み込ませる。スキャナ11は、振込依頼書を読み取ることによってイメージデータを得るとともに、イメージデータに存在する情報コードをデコードして振込データを得る。受付端末12は、振込データおよびイメージデータを為替サーバ20に送信する。
【0054】
なお、振込データは、振込に関する情報を含む。より詳細に、振込データは、複数の項目それぞれに対応するデータを含み得る。例えば、複数の項目は、依頼人に関する各項目(例えば、依頼人電話番号、依頼人科目、依頼人口座番号、依頼人名など)、受取人に関する各項目(例えば、受取人名、振込先金融機関名、振込先支店名など)、および、振込金額などを含む。その他、複数の項目は、振込期日となる振込指定日などを含んでもよい。この複数の項目には、振込業務における重要項目(例えば、依頼人科目、依頼人口座番号、振込金額など)が含まれ得る。
【0055】
(動作)
図6は、本発明の第1の実施形態に係る為替サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
図6に示されるように、為替サーバ20において、取得部221は、通信部240によって受信された振込データおよびイメージデータを取得する(S11)。処理部222は、振込データに含まれる振込依頼書40のイメージデータを記憶部230に記憶させるとともに、イメージデータから各項目の記載欄を切り出すことによって、各項目に対応する切り出しイメージを生成する(S12)。
【0056】
処理部222は、各項目に対応する切り出しイメージを記憶部230に記憶させる。処理部222は、振込データに含まれる振込に関する情報が妥当であるか否かを判定する。そして、送信制御部223は、振込に関する情報が妥当であると判定された場合には、振込に関する情報が妥当であると判定されたことに基づいて、振込データを含んだ仕向電文の通信部240によるホスト30への送信を制御する。このとき、ホスト30が仕向電文の受信に基づいて振込を実行することにより、一件分の振込が完了する。
【0057】
一方、送信制御部223は、振込に関する情報が妥当ではないと判定された場合には、振込に関する情報が妥当ではないと判定されたことに基づいて、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、ホスト30への口座名義人名の照会結果と、警告メッセージとの、通信部240による操作端末25への送信を制御する。なお、警告メッセージは、警告情報の一例である。
【0058】
より詳細に、ホスト30は、口座識別情報と口座名義人名(第2の口座名義人名)とを対応付けて記憶している。そこで、取得部221は、振込データに含まれる振込先の口座を識別するための口座識別情報に対応する口座名義人名をホスト30から取得する(S13)。なお、口座識別情報は、振込先金融機関名、支店名、科目および口座番号を含んでよいが、口座を一意に識別可能な情報であればよい。
【0059】
処理部222は、振込データに含まれる受取人名(第1の口座名義人名)と、ホスト30から取得した口座名義人名とが一致するか否かを判定することにより、(振込に関する情報の一例としての)受取人名が妥当であるか否かを判定する(S14)。送信制御部223は、振込データに含まれる受取人名と、ホスト30から取得した口座名義人名とが一致すると判定された場合には(S15において「YES」)、振込データを含んだ仕向電文の通信部240によるホスト30への送信を制御する(S17)。
【0060】
一方、送信制御部223は、振込データに含まれる受取人名と、ホスト30から取得した口座名義人名とが一致しないと判定された場合には(S15において「NO」)、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、ホスト30への口座名義人名の照会結果と、警告メッセージとの、通信部240による操作端末25への送信を制御する(S16)。
【0061】
操作端末25において、取得部263は、通信部267によって受信された、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、ホスト30への口座名義人名の照会結果と、警告メッセージとを取得する。出力制御部265は、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、ホスト30への口座名義人名の照会結果と、警告メッセージとを含んだ確認画面を表示するように表示部268を制御する。
【0062】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る確認画面50の具体例を示す説明図である。
図7に示したように、確認画面50には、振込依頼書に含まれる複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび振込データが表示される。
図3に示した例と同様に、項目「受取人名」に対応する切り出しイメージ表示欄531には、切り出しイメージ「オキ ハナコ」が表示されているのに対し、項目「受取人名」に対応する項目データ表示欄532には、振込データ「オキ タロウ」が表示されている。
【0063】
さらに、
図7に示された例では、項目「受取人名」に対応する照会結果表示欄533に、ホスト30への口座名義人名の照会結果「オキ ハナコ」が表示されている。また、
図7に示された例では、コメント表示欄540に、警告メッセージ「情報コードと照会結果との間で受取人名が相違しています」が表示されている。
【0064】
オペレータは、項目「受取人名」に対応する切り出しイメージ表示欄531に表示された切り出しイメージ「オキ ハナコ」と、項目「受取人名」に対応する項目データ表示欄532に表示された振込データ「オギ タロウ」とが一致していないことを確認する。オペレータは、振込依頼書40に埋め込まれた情報コードC1(
図2)が改竄されていると判断し、営業店に連絡を行い、営業店の行員に依頼人によるデータ改竄の疑いがあることを知らせる。
【0065】
(効果)
本発明の第1の実施形態によれば、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに基づいて得られる口座識別情報に基づいて口座照会が行われる。そして、照会結果として得られる口座名義人名と振込依頼書に埋め込まれた情報コードに基づいて得られる受取人名とが一致している場合に、仕向電文がホストに自動発信される。これによって、集中センタにおけるエントリレス化が図られるため、運用効率の優れた為替システムが提供され得る。
【0066】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0067】
<5.第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0068】
本発明の第2の実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様に、振込依頼書が依頼人によって窓口に提出され、スキャナ11によって振込依頼書が読み込まれ、振込データおよびイメージデータが得られる。そして、受付端末12から為替サーバ20に対して、振込データおよびイメージデータが送信される。
【0069】
(動作)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る為替サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
図8に示されるように、S11およびS12が実行される。S11およびS12は、本発明の第1の実施形態によって実行されるS11およびS12(
図6)と同様である。
【0070】
為替サーバ20において、取得部221は、振込データに含まれる振込金額を取得する(S21)。そして、処理部222は、振込データから取得した振込金額と、あらかじめ設定された閾値とを比較することにより、(振込に関する情報の一例としての)振込金額が妥当であるか否かを判定する(S22)。
【0071】
送信制御部223は、振込データに含まれる振込金額が閾値未満であると判定された場合には(S22において「YES」)、振込データを含んだ仕向電文の通信部240によるホスト30への送信を制御する(S17)。S17は、本発明の第1の実施形態によって実行されるS17(
図6)と同様である。
【0072】
一方、送信制御部223は、振込データに含まれる振込金額が閾値以上であると判定された場合には(S22において「NO」)、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、警告メッセージとの、通信部240による操作端末25への送信を制御する(S23)。
【0073】
操作端末25において、取得部263は、通信部267によって受信された、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、警告メッセージとを取得する。出力制御部265は、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、警告メッセージとを含んだ確認画面を表示するように表示部268を制御する。
【0074】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る確認画面50の具体例を示す説明図である。
図9に示したように、確認画面50には、振込依頼書に含まれる複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび振込データが表示される。項目「振込金額」に対応する切り出しイメージ表示欄551には、切り出しイメージ「650,000」が表示されているのに対し、項目「振込金額」に対応する項目データ表示欄552には、振込データ「100,000,000」が表示されている。
【0075】
また、
図9に示された例では、コメント表示欄540に、警告メッセージ「情報コードに含まれる振込金額が高額なので確認を要します」が表示されている。オペレータは、項目ごとに切り出しイメージと振込データとが一致するかを確認する。
【0076】
オペレータは、切り出しイメージと振込データとが一致しない項目があると判断した場合には、振込依頼書40に埋め込まれた情報コードC1(
図2)が改竄されていると判断し、営業店に連絡を行い、営業店の行員に依頼人によるデータ改竄の疑いがあることを知らせる。
【0077】
一方、オペレータは、全項目について切り出しイメージと振込データとが一致すると判断した場合には、振込依頼書40に埋め込まれた情報コードC1(
図2)が改竄されていないと判断し、「送信」ボタンを押下する。そして、オペレータによる「送信」ボタンの押下に基づいて、操作端末25から為替サーバ20に振込要求が送信される。
【0078】
為替サーバ20は、振込要求が受信されたことに基づいて、振込データを含んだ仕向電文を、通信ゲートウェイ29を介してホスト30に発信する。このとき、ホスト30が仕向電文の受信に基づいて振込を実行することにより、一件分の振込が完了する。
【0079】
(効果)
本発明の第2の実施形態によれば、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに基づいて得られる振込金額が閾値未満であるか否かが判定される。そして、振込金額が閾値未満であると判定された場合に、データ改竄の可能性があまり高くないこと、データ改竄による被害があまり高くないことなどが考えられるため、仕向電文がホストに自動発信される。これによって、集中センタにおけるエントリレス化が図られるため、運用効率の優れた為替システムが提供され得る。
【0080】
また、本発明の第2の実施形態によれば、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに基づいて得られる振込金額が閾値以上である場合に(すなわち、依頼人によって依頼された振込が高額振込の場合に)、情報コードに含まれる受取人名以外の項目(例えば、振込金額など)に対する改竄の可能性が低減され得る。特に、情報コードに含まれる振込金額に対する高額金額への改竄の可能性が低減され得る。
【0081】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0082】
<6.第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0083】
本発明の第3の実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様に、振込依頼書が依頼人によって窓口に提出され、スキャナ11によって振込依頼書が読み込まれ、振込データおよびイメージデータが得られる。そして、受付端末12から為替サーバ20に対して、振込データおよびイメージデータが送信される。
【0084】
(動作)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る為替サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
図10に示されるように、S11およびS12が実行される。S11およびS12は、本発明の第1の実施形態によって実行されるS11およびS12(
図6)と同様である。
【0085】
為替サーバ20において、処理部222は、振込データに含まれる振込金額を取得する(S21)。そして、処理部222は、振込データから取得した振込金額と、あらかじめ設定された閾値とを比較することにより、(振込に関する情報の一例としての)振込金額が妥当であるか否かを判定する(S22)。
【0086】
振込データに含まれる振込金額が閾値以上であると判定された場合には(S22において「NO」)、S23が実行される。S23は、本発明の第2の実施形態によって実行されるS23(
図8)と同様である。
【0087】
一方、振込データに含まれる振込金額が閾値未満であると判定された場合には(S22において「YES」)、S13~S17が実行される。S13~S17は、本発明の第1の実施形態によって実行されるS13~S17(
図6)と同様である。
【0088】
(効果)
本発明の第3の実施形態によれば、本発明の第2の実施形態と同様に、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに基づいて得られる振込金額が閾値未満であるか否かが判定される。そして、振込金額が閾値未満であると判定された場合に、データ改竄の可能性があまり高くないこと、データ改竄による被害があまり高くないことなどが考えられるため、本発明の第1の実施形態と同様に、照会結果として得られる口座名義人名と振込依頼書に埋め込まれた情報コードに基づいて得られる受取人名とが一致している場合に、仕向電文がホストに自動発信される。
【0089】
これによって、振込金額に応じてエントリレス化とオペレータによる確認とに振込業務が振り分けられる。そのため、本発明の第3の実施形態によれば、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに対する改竄の可能性の低減と振込業務の効率化とを両立させることが可能な為替システムが提供され得る。
【0090】
以上、本発明の第3の実施形態について説明した。
【0091】
<7.第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0092】
本発明の第4の実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様に、振込依頼書が依頼人によって窓口に提出され、スキャナ11によって振込依頼書が読み込まれ、振込データおよびイメージデータが得られる。さらに、本発明の第4の実施形態において、スキャナ11は、振込依頼書40のイメージデータに対する文字認識によって、複数の項目それぞれに対応する文字認識結果を得る。そして、受付端末12から為替サーバ20に対して、振込データとイメージデータと複数の項目それぞれに対応する文字認識結果とが送信される。
【0093】
(動作)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る為替サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
図11に示されるように、為替サーバ20において、取得部221は、通信部240によって受信された振込データとイメージデータと複数の項目それぞれに対応する文字認識結果とを取得する(S31)。処理部222は、振込データに含まれる振込依頼書40のイメージデータを記憶部230に記憶させるとともに、イメージデータから各項目の記載欄を切り出すことによって、各項目に対応する切り出しイメージを生成する(S12)。
【0094】
為替サーバ20において、取得部221は、振込データに含まれる振込金額(第1の振込金額)を取得する(S21)。そして、取得部221は、項目「振込金額」に対応する文字認識結果から振込金額を取得する(S32)。より詳細に、取得部221は、項目「振込金額」に対応する文字認識結果を数値に変換することによって振込金額(第2の振込金額)を得る。
【0095】
処理部222は、振込データから取得した振込金額と、項目「振込金額」に対応する文字認識結果から取得した振込金額とが一致するか否かを判定することにより、(振込に関する情報の一例としての)振込金額(第1の振込金額)が妥当であるか否かを判定する(S33)。
【0096】
振込データから取得した振込金額と、項目「振込金額」に対応する文字認識結果から取得した振込金額とが一致すると判定された場合には(S33において「YES」)、S16が実行される。S16は、本発明の第1の実施形態によって実行されるS16(
図6)と同様である。
【0097】
一方、送信制御部223は、振込データから取得した振込金額と、項目「振込金額」に対応する文字認識結果から取得した振込金額とが一致しないと判定された場合には(S33において「NO」)、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、警告メッセージとの、通信部240による操作端末25への送信を制御する(S23)。
【0098】
操作端末25において、取得部263は、通信部267によって受信された、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、警告メッセージとを取得する。出力制御部265は、振込データと、各項目に対応する切り出しイメージと、警告メッセージとを含んだ確認画面を表示するように表示部268を制御する。
【0099】
図12は、本発明の第4の実施形態に係る確認画面50の具体例を示す説明図である。
図12に示したように、確認画面50には、振込依頼書に含まれる複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび振込データが表示される。項目「振込金額」に対応する切り出しイメージ表示欄551には、切り出しイメージ「650,000」が表示されているのに対し、項目「振込金額」に対応する項目データ表示欄552には、振込データ「100,000,000」が表示されている。
【0100】
また、
図12に示された例では、コメント表示欄540に、警告メッセージ「情報コードと記載欄との間で振込金額が相違しています」が表示されている。
【0101】
オペレータは、項目「振込金額」に対応する切り出しイメージ表示欄551に表示された切り出しイメージ「650,000」と、項目「振込金額」に対応する項目データ表示欄552に表示された振込データ「100,000,000」とが一致していないことを確認する。オペレータは、振込依頼書40に埋め込まれた情報コードC1(
図2)が改竄されていると判断し、営業店に連絡を行い、営業店の行員に依頼人によるデータ改竄の疑いがあることを知らせる。
【0102】
(効果)
本発明の第4の実施形態によれば、振込依頼書に埋め込まれた情報コードに基づいて得られる振込金額と振込依頼書の項目「振込金額」から読み取られたイメージデータから認識された文字認識結果とが一致している場合に、仕向電文がホストに自動発信される。これによって、集中センタにおけるエントリレス化が図られるため、運用効率の優れた為替システムが提供され得る。
【0103】
<8.ハードウェア構成>
続いて、本発明の実施形態に係る操作端末25のハードウェア構成例について説明する。以下では、本発明の実施形態に係る操作端末25のハードウェア構成例として、情報処理装置900のハードウェア構成例について説明する。為替サーバ20それぞれのハードウェア構成も、操作端末25のハードウェア構成と同様に実現され得る。
【0104】
なお、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成例は、操作端末25のハードウェア構成の一例に過ぎない。したがって、操作端末25のハードウェア構成は、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成から不要な構成が削除されてもよいし、新たな構成が追加されてもよい。
【0105】
図13は、本発明の実施形態に係る操作端末25の例としての情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0106】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0107】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0108】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0109】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。
【0110】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0111】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0112】
以上、本発明の実施形態に係る操作端末25の例としての情報処理装置900のハードウェア構成例について説明した。
【0113】
<9.むすび>
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0114】
例えば、上記では、金融機関向けの為替システムに本発明の実施形態が適用される例を説明したが、ホストが保有する口座情報に基づいて処理を行う他のシステム全般にも本発明の実施形態を適用可能である。
【0115】
さらに、上記では、為替サーバ20から操作端末25に警告メッセージが通知され、操作端末25のオペレータによって警告メッセージが確認された後、オペレータから営業店に連絡が行われる例を説明した。しかし、警告メッセージは、為替サーバ20から受付端末12に直接通知されてもよい。このとき、受付端末12によって警告メッセージが表示されれば、行員は、警告メッセージによって、依頼人によるデータ改竄の疑いがあることを知ることが可能となる。
【0116】
また、本明細書の為替システムの処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、為替システムの処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1 為替システム
20 為替サーバ
221 取得部
222 処理部
223 送信制御部
25 操作端末
263 取得部
264 処理部
265 出力制御部