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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124378
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】車両用スライドドア開閉装置
(51)【国際特許分類】
E05F 15/643 20150101AFI20230830BHJP
B60J 5/06 20060101ALI20230830BHJP
E05F 15/655 20150101ALI20230830BHJP
【ＦＩ】
E05F15/643
B60J5/06 H
B60J5/06 A
E05F15/655
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022028111
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】石垣 浩
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 直也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋
【テーマコード（参考）】
2E052
【Ｆターム（参考）】
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA16
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA15
2E052KA16
(57)【要約】
【課題】車幅方向の寸法を小さくしつつ、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の組付性が向上した車両用スライドドア開閉装置を提供する。
【解決手段】車両用スライドドア開閉装置１０は、ベルトガイド３０に掛け回された無端ベルト５０と、無端ベルト５０に固定されるベルト接続具６０と、スライドドア８に固定され、ベルト接続具６０と係合するセンターガイドローラユニット８０ｃと、を備える。ベルト接続具６０は、無端ベルト５０に固定されるブラケット部６１と、無端ベルト５０の車外側で車外側を向くブラケット部６１の車外側壁部６１１ａ、６１ａに形成された係合部６２と、を備える。センターガイドローラユニット８０ｃは、ベルト接続具６０の係合部６２に係合する固定部８３を備える。固定部８３は、無端ベルト５０の車外側で係合部６２に係合する。
【選択図】図１２
【解決手段】車両用スライドドア開閉装置１０は、ベルトガイド３０に掛け回された無端ベルト５０と、無端ベルト５０に固定されるベルト接続具６０と、スライドドア８に固定され、ベルト接続具６０と係合するセンターガイドローラユニット８０ｃと、を備える。ベルト接続具６０は、無端ベルト５０に固定されるブラケット部６１と、無端ベルト５０の車外側で車外側を向くブラケット部６１の車外側壁部６１１ａ、６１ａに形成された係合部６２と、を備える。センターガイドローラユニット８０ｃは、ベルト接続具６０の係合部６２に係合する固定部８３を備える。固定部８３は、無端ベルト５０の車外側で係合部６２に係合する。
【選択図】図１２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平方向に長手方向が延在するように車体に取り付けられるベルトガイドと、
前記ベルトガイドの前記長手方向の一端部及び他端部に掛け回された無端ベルトと、
前記無端ベルトに固定されるベルト接続具と、
スライドドアに固定され、前記ベルト接続具と係合するガイドローラユニットと、
前記無端ベルトを前記ベルトガイドの前記長手方向に沿って循環移動させるベルト駆動モジュールと、を備える、車両用スライドドア開閉装置であって、
前記ベルト接続具は、
前記無端ベルトに固定されるブラケット部と、
前記ガイドローラユニットが係合する係合部と、を備え、
前記ブラケット部は、前記無端ベルトの車外側で、車外側を向く車外側壁部を有し、
前記係合部は、前記車外側壁部に形成されており、
前記ガイドローラユニットは、前記ベルト接続具の前記係合部に係合する固定部を備え、
前記固定部は、前記無端ベルトの車外側で前記係合部に係合する、車両用スライドドア開閉装置。
前記ベルトガイドの前記長手方向の一端部及び他端部に掛け回された無端ベルトと、
前記無端ベルトに固定されるベルト接続具と、
スライドドアに固定され、前記ベルト接続具と係合するガイドローラユニットと、
前記無端ベルトを前記ベルトガイドの前記長手方向に沿って循環移動させるベルト駆動モジュールと、を備える、車両用スライドドア開閉装置であって、
前記ベルト接続具は、
前記無端ベルトに固定されるブラケット部と、
前記ガイドローラユニットが係合する係合部と、を備え、
前記ブラケット部は、前記無端ベルトの車外側で、車外側を向く車外側壁部を有し、
前記係合部は、前記車外側壁部に形成されており、
前記ガイドローラユニットは、前記ベルト接続具の前記係合部に係合する固定部を備え、
前記固定部は、前記無端ベルトの車外側で前記係合部に係合する、車両用スライドドア開閉装置。
【請求項2】
請求項１に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記ブラケット部は、
前記無端ベルトの車外側面と対向し、前記車外側壁部及び前記係合部が形成された第１ブラケット部と、
前記無端ベルトの車内側面と対向し、前記第１ブラケット部と係合する、第２ブラケット部と、を有し、
前記ブラケット部は、前記第１ブラケット部と前記第２ブラケット部とが前記無端ベルトを車両左右方向に挟持することによって、前記無端ベルトに固定されており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部が形成されており、
前記係合部は、前記車外側壁部の車両前後方向両端部に前後一対形成されており、
前記被係合部は、前記固定部の車両前後方向両端部に前後一対形成されている、車両用スライドドア開閉装置。
前記ブラケット部は、
前記無端ベルトの車外側面と対向し、前記車外側壁部及び前記係合部が形成された第１ブラケット部と、
前記無端ベルトの車内側面と対向し、前記第１ブラケット部と係合する、第２ブラケット部と、を有し、
前記ブラケット部は、前記第１ブラケット部と前記第２ブラケット部とが前記無端ベルトを車両左右方向に挟持することによって、前記無端ベルトに固定されており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部が形成されており、
前記係合部は、前記車外側壁部の車両前後方向両端部に前後一対形成されており、
前記被係合部は、前記固定部の車両前後方向両端部に前後一対形成されている、車両用スライドドア開閉装置。
【請求項3】
請求項２に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記第１ブラケット部は、前記被係合部を車幅方向に挟持することによって、前記被係合部と係合しており、
前記車外側壁部及び前記固定部の一方には、前記車外側壁部及び前記固定部の他方に向かって突出する凸部が設けられており、
前記固定部が前記係合部に係合した状態において、前記凸部は、前記車外側壁部及び前記固定部の前記他方を、車幅方向において前記車外側壁部と前記固定部とが離れる側に押圧する、車両用スライドドア開閉装置。
前記第１ブラケット部は、前記被係合部を車幅方向に挟持することによって、前記被係合部と係合しており、
前記車外側壁部及び前記固定部の一方には、前記車外側壁部及び前記固定部の他方に向かって突出する凸部が設けられており、
前記固定部が前記係合部に係合した状態において、前記凸部は、前記車外側壁部及び前記固定部の前記他方を、車幅方向において前記車外側壁部と前記固定部とが離れる側に押圧する、車両用スライドドア開閉装置。
【請求項4】
請求項１に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記係合部は、前記車外側壁部から車外側に延出しており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部が形成されており、
前記被係合部は、前記係合部に係合する係合溝である、車両用スライドドア開閉装置。
前記係合部は、前記車外側壁部から車外側に延出しており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部が形成されており、
前記被係合部は、前記係合部に係合する係合溝である、車両用スライドドア開閉装置。
【請求項5】
請求項４に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記係合溝の前縁部及び後縁部の少なくとも一方には、前記係合溝の前後方向中央に向かって延出する係合爪が設けられている、車両用スライドドア開閉装置。
前記係合溝の前縁部及び後縁部の少なくとも一方には、前記係合溝の前後方向中央に向かって延出する係合爪が設けられている、車両用スライドドア開閉装置。
【請求項6】
請求項４又は５に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記係合部は、
前記車外側壁部から車外側に向かって柱状に延出し、前記係合溝に侵入する柱状部と、
前記柱状部の先端部に設けられ、前記柱状部の側面から外側に向かってフランジ状に延出して前記固定部の車外側面と対向する係止部と、を有する、車両用スライドドア開閉装置。
前記係合部は、
前記車外側壁部から車外側に向かって柱状に延出し、前記係合溝に侵入する柱状部と、
前記柱状部の先端部に設けられ、前記柱状部の側面から外側に向かってフランジ状に延出して前記固定部の車外側面と対向する係止部と、を有する、車両用スライドドア開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のスライドドアを開閉させる車両用スライドドア開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、引き戸式のスライドドアが搭載された車両が知られている。特に、ワンボックスカー、ワゴン、バン等の車両に引き戸式のスライドドアが搭載されていることが多い。近年、スライドドアが搭載された車両においては、スライドドアの開閉動作の自動化が図られてきている。
【0003】
例えば、特許文献１には、車両のボディパネルに取り付けられ、無端ベルトが循環するようにガイドするベルトモジュールと、無端ベルトを駆動させるモータモジュールと、を有し、スライドドアを自動開閉させる車両用スライドドア開閉装置が開示されている。
【0004】
スライドドアを自動開閉させるこの種の車両用スライドドア開閉装置においては、スライドドアを開閉動作するために、スライドドアに取り付けられたガイドローラユニットと無端ベルトに固定されたベルト接続具とを接続する必要がある。特許文献１に記載の車両用スライドドア開閉装置は、無端ベルトに固定されたベルト接続具をガイドローラユニットのガイドローラ軸に嵌め合いネジで固定することによって、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続している。しかしながら、この方法では、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の作業量が多く、組付性に改善の余地があった。
【0005】
そして、特許文献２には、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の作業量を削減した車両用スライドドア開閉装置が開示されている。特許文献２に記載の車両用スライドドア開閉装置は、無端ベルトに固定されたベルト接続具としてのクリップと、ガイドローラユニットと一体にスライドドアの連結部材を構成するクリップホルダと、を備えている。さらに、クリップホルダは、無端ベルトの延伸方向に離間して設けられた２本の第１係合片と、これらの各第１係合片の間の位置に設けられた第２係合片と、を備えている。そして、これらの各第１係合片と当該各第１係合片から無端ベルトの厚み方向に離間した第２係合片との間に無端ベルトに固定されたクリップを挟み込む態様で、クリップホルダ及びクリップが、車両上下方向、すなわち、無端ベルトの幅方向に嵌合するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開２０２１－０９５７６１号公報
【特許文献2】特開２０２１－０８０６５６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献２の車両用スライドドア開閉装置は、ガイドローラユニットと一体にスライドドアの連結部材を構成するクリップホルダの一部である第２係合片が、無端ベルトとベルトガイドとの間に介在することとなる。
【0008】
したがって、特許文献２の車両用スライドドア開閉装置は、第１係合片がベルトガイドに衝突しないようにするためには、無端ベルトとベルトガイドとの間の空間を広く確保する必要がある。そのため、特許文献１の車両用スライドドア開閉装置は、車幅方向の寸法を小さくすることが困難であり、車両の車室の車幅方向の寸法が小さくなってしまうという課題があった。
【0009】
また、特許文献２の車両用スライドドア開閉装置は、第１係合片を無端ベルトとベルトガイドとの間に挿入してクリップホルダとクリップとを嵌合する必要があるため、クリップホルダとクリップとを嵌合する際に第１係合片を視認しにくく、組付性に改善の余地があった。
【0010】
本発明は、車幅方向の寸法を小さくしつつ、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の組付性が向上した車両用スライドドア開閉装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
略水平方向に長手方向が延在するように車体に取り付けられるベルトガイドと、
前記ベルトガイドの前記長手方向の一端部及び他端部に掛け回された無端ベルトと、
前記無端ベルトに固定されるベルト接続具と、
スライドドアに固定され、前記ベルト接続具と係合するガイドローラユニットと、
前記無端ベルトを前記ベルトガイドの前記長手方向に沿って循環移動させるベルト駆動モジュールと、を備える、車両用スライドドア開閉装置であって、
前記ベルト接続具は、
前記無端ベルトに固定されるブラケット部と、
前記ガイドローラユニットが係合する係合部と、を備え、
前記ブラケット部は、前記無端ベルトの車外側で、車外側を向く車外側壁部を有し、
前記係合部は、前記車外側壁部に形成されており、
前記ガイドローラユニットは、前記ベルト接続具の前記係合部に係合する固定部を備え、
前記固定部は、前記無端ベルトの車外側で前記係合部に係合する。
略水平方向に長手方向が延在するように車体に取り付けられるベルトガイドと、
前記ベルトガイドの前記長手方向の一端部及び他端部に掛け回された無端ベルトと、
前記無端ベルトに固定されるベルト接続具と、
スライドドアに固定され、前記ベルト接続具と係合するガイドローラユニットと、
前記無端ベルトを前記ベルトガイドの前記長手方向に沿って循環移動させるベルト駆動モジュールと、を備える、車両用スライドドア開閉装置であって、
前記ベルト接続具は、
前記無端ベルトに固定されるブラケット部と、
前記ガイドローラユニットが係合する係合部と、を備え、
前記ブラケット部は、前記無端ベルトの車外側で、車外側を向く車外側壁部を有し、
前記係合部は、前記車外側壁部に形成されており、
前記ガイドローラユニットは、前記ベルト接続具の前記係合部に係合する固定部を備え、
前記固定部は、前記無端ベルトの車外側で前記係合部に係合する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車幅方向の寸法を小さくしつつ、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の組付性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置が搭載された車両の概略側面図である。
【図3】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置の前方斜視図である。
【図4】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置の後方斜視図である。
【図5】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置のベルトガイド及び無端ベルトの後方斜視図である。
【図6】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置のベルト駆動モジュール連結ユニット及び無端ベルトを車内側から見た斜視図である。
【図10】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置のベルト接続具及びセンターガイドローラユニットの後方斜視図である。
【図11】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置のベルト接続具の後方斜視図である。
【図12】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置のベルト接続具と、センターガイドローラユニットの固定プレートと、の後方斜視図である。
【図14】本発明の第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置のベルト接続具の変形例の前方図である。
【図15】車両用スライドドア開閉装置のベルト駆動モジュール周辺の拡大斜視図である。
【図16】車両用スライドドア開閉装置のベルト駆動モジュールの周辺を、ケーシングを外した状態で見た拡大斜視図である。
【図17】車両用スライドドア開閉装置のベルト駆動モジュールを、第１免振部材及び第２免振部材を外した状態で見た拡大斜視図である。
【図18】本発明の第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置のベルト接続具及びセンターガイドローラユニットの後方斜視図である。
【図19】本発明の第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置のセンターガイドローラユニットの固定プレートの要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の車両用スライドドア開閉装置が搭載された車両の各実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下、並びに、車内側及び車外側の各方向は、車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をＦｒ、後方をＲｒ、左方をＬ、右方をＲ、上方をＵ、下方をＤ、として示す。また、左右方向を車幅方向ともいう。
【0015】
【0016】
＜車両＞
図１に示すように、本実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０は、車両１を構成する車体２の左側面に取り付けられる。車体２の左側面には、前後方向にスライドして開閉可能に支持されたスライドドア８が配置されており、車両用スライドドア開閉装置１０は、スライドドア８を前後方向にスライドさせて開閉する。以下の説明において、車外側というときは左側を指し、車内側というときは右側を指す。
図１に示すように、本実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０は、車両１を構成する車体２の左側面に取り付けられる。車体２の左側面には、前後方向にスライドして開閉可能に支持されたスライドドア８が配置されており、車両用スライドドア開閉装置１０は、スライドドア８を前後方向にスライドさせて開閉する。以下の説明において、車外側というときは左側を指し、車内側というときは右側を指す。
【0017】
車体２の左側面には、車体２のドア開口部の上部で前後方向に延びるように、アッパーレール９０ｕが固定されている。車体２の左側面には、車体２のドア開口部の下部で前後方向に延びるように、ロアレール９０ｄが固定されている。車体２の左側面には、ドア開口部の後方で前後方向に延びるように、センターレール９０ｃが固定されている。センターレール９０ｃは、車体２の左側面のドア開口部の後方で車体２の左後部側面を構成するリアクオータパネル３に固定されている。リアクオータパネル３の下端部には、タイヤハウス４が形成されている。リアクオータパネル３には、タイヤハウス４のやや上方に給油口５が設けられている。センターレール９０ｃは、上下方向において、タイヤハウス４と給油口５との間に配置され、リアクオータパネル３に固定されている。アッパーレール９０ｕ、ロアレール９０ｄ、及びセンターレール９０ｃは、いずれも鋼材で形成されている。リアクオータパネル３には、センターレール９０ｃが配置される位置のやや上方に、後述するベルト駆動モジュール連結ユニット４０の迂回部４２が車外側から挿入される挿入孔６（図２参照）が設けられている。
【0018】
車両用スライドドア開閉装置１０は、スライドドア８を前後方向にスライドさせて自動開閉する装置である。車両用スライドドア開閉装置１０は、車体２のリアクオータパネル３に取り付けられる。車両用スライドドア開閉装置１０は、車両１に搭載された状態において、車体２と同色のフィニッシャー７によって車外側が覆われ、車外側から実質的に見えないように配置される。
【0019】
スライドドア８の上前部には、アッパーガイドローラユニット８０ｕが取り付けられている。スライドドア８の下前部には、ロアガイドローラユニット８０ｄが取り付けられている。スライドドア８の中央後部には、センターガイドローラユニット８０ｃが取り付けられている。スライドドア８のアッパーガイドローラユニット８０ｕは、車体２のアッパーレール９０ｕに前後方向に移動自在に装着される。スライドドア８のロアガイドローラユニット８０ｄは、車体２のロアレール９０ｄに前後方向に移動自在に装着される。スライドドア８のセンターガイドローラユニット８０ｃは、車体２のセンターレール９０ｃに前後方向に移動自在に装着される。スライドドア８は、アッパーガイドローラユニット８０ｕ、ロアガイドローラユニット８０ｄ、及びセンターガイドローラユニット８０ｃが、それぞれ車体２のアッパーレール９０ｕ、ロアレール９０ｄ、及びセンターレール９０ｃに支持されながら、前後方向にスライドして開閉する。
【0020】
図２～図４に示すように、車体２のリアクオータパネル３に固定されているセンターレール９０ｃは、略水平方向に長手方向が延在し、前後方向に略直線状に延在する直線部９１と、直線部９１の前端から連続的に車内側に湾曲しながら前方に延在する湾曲部９２と、を有する。センターレール９０ｃは、例えば、鋼材で形成されている。センターレール９０ｃの直線部９１及び湾曲部９２は、延在方向から見て、断面形状が車外側に開口する角型の変形Ｃ字形状を有している。アッパーレール９０ｕ及びロアレール９０ｄは、公知の構造であってよく、本発明に直接関係しないため、本明細書において、アッパーレール９０ｕ及びロアレール９０ｄの詳細な説明は省略する。
【0021】
【0022】
＜車両用スライドドア開閉装置＞
図３及び図４に示すように、車両用スライドドア開閉装置１０は、センターレール９０ｃの上部に配置されるベルトモジュール２０と、ベルトモジュール２０の後述する無端ベルト５０を循環移動させるベルト駆動モジュール７０と、を備える。
図３及び図４に示すように、車両用スライドドア開閉装置１０は、センターレール９０ｃの上部に配置されるベルトモジュール２０と、ベルトモジュール２０の後述する無端ベルト５０を循環移動させるベルト駆動モジュール７０と、を備える。
【0023】
ベルトモジュール２０は、センターレール９０ｃに沿って略水平方向に長手方向が延在するように車体に取り付けられるベルトガイド３０と、後述するベルト駆動モジュール７０が組み付けられるベルト駆動モジュール連結ユニット４０と、ベルトガイド３０の長手方向の前端部３０ａ及び後端部３０ｂに掛け回され、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０を通ってベルトガイド３０の長手方向に循環移動する無端ベルト５０と、無端ベルト５０に固定され、スライドドア８に接続されるベルト接続具６０と、を有する。
【0024】
ベルト駆動モジュール７０は、無端ベルト５０をベルトガイド３０の長手方向に沿って循環移動させる。ベルト駆動モジュール７０は、ベルトモジュール２０のベルト駆動モジュール連結ユニット４０に組付けられる。
【0025】
車両用スライドドア開閉装置１０は、車体２のリアクオータパネル３に取り付けられる前は、ベルトモジュール２０と、ベルト駆動モジュール７０と、の２つのモジュールに分割されている。車両用スライドドア開閉装置１０は、車体２のリアクオータパネル３に取り付ける際、ベルトモジュール２０を車外側からリアクオータパネル３に取り付けた後、リアクオータパネル３の車内側からベルト駆動モジュール７０をベルトモジュール２０のベルト駆動モジュール連結ユニット４０に組み付ける。
【0026】
【0027】
図３及び図４に示すように、ベルトガイド３０は、センターレール９０ｃの直線部９１の上部で、センターレール９０ｃの直線部９１に沿って前後方向略水平に略直線状に延在する直線ガイド部３０１と、直線ガイド部３０１の前端から連続的に、センターレール９０ｃの湾曲部９２の上部で、センターレール９０ｃの湾曲部９２に沿って車内側に湾曲しながら略水平に前方に延在する湾曲ガイド部３０２と、を有する。
【0028】
図５に示すように、ベルトガイド３０は、前端部３０ａから後端部３０ｂに亘って直線ガイド部３０１及び湾曲ガイド部３０２に設けられたガイド壁部３１１と、底壁部３１２と、車外側上壁部３１３と、車内側上壁部３１４と、を有する。ガイド壁部３１１は、ベルトガイド３０の前端部３０ａから後端部３０ｂに亘って上下方向に延在する。底壁部３１２は、ベルトガイド３０の前端部３０ａから後端部３０ｂに亘って、ガイド壁部３１１の下端部３１１ｄから車内側に向かって延在する。車外側上壁部３１３は、ガイド壁部３１１の上端部３１１ｕから車外側に向かって延在する。車内側上壁部３１４は、ガイド壁部３１１の上端部３１１ｕと下端部３１１ｄとの間、本実施形態ではガイド壁部３１１の上下方向略中央部分から、車内側に向かって延在する。
【0029】
図３及び図５に示すように、ベルトガイド３０の前端部３０ａには、前反転プーリ３２１が支持されている。前反転プーリ３２１は、回転軸が上下方向となる向きで回転自在にベルトガイド３０に支持されている。前反転プーリ３２１は、無端ベルト５０が掛け回されることで、ベルトガイド３０の前端部３０ａで、ベルトガイド３０の長手方向における無端ベルト５０の移動方向を反転させる。ベルトガイド３０の前端部３０ａには、前ブラケット３００ａが連結されている。前ブラケット３００ａは、前反転プーリ３２１の回転軸を中心に回動可能にベルトガイド３０に連結されるとともに、ボルト等の締結部材により車体２に固定される。
【0030】
図４及び図５に示すように、ベルトガイド３０の後端部３０ｂには、後反転プーリ３２２が支持されている。後反転プーリ３２２は、回転軸が上下方向となる向きで回転自在にベルトガイド３０に支持されている。後反転プーリ３２２は、無端ベルト５０が掛け回されることで、ベルトガイド３０の後端部３０ｂで、ベルトガイド３０の長手方向における無端ベルト５０の移動方向を反転させる。ベルトガイド３０の後端部３０ｂには、後ブラケット３００ｂが連結されている。後ブラケット３００ｂは、後反転プーリ３２２の回転軸を中心に回動可能にベルトガイド３０に連結されるとともに、ボルト等の締結部材により車体２に固定される。
【0031】
図５に示すように、ベルトガイド３０には、無端ベルト５０に対して所定の張力を付与する複数のテンションプーリ３３が支持されている。本実施形態では、テンションプーリ３３は、直線ガイド部３０１の前後方向略中央に配置されたテンションプーリ３３１と、ベルトガイド３０の湾曲ガイド部３０２の後端部近傍に配置されたテンションプーリ３３２と、ベルトガイド３０の長手方向においてテンションプーリ３３２と前反転プーリ３２１との間に配置されたテンションプーリ３３３と、を有する。テンションプーリ３３１、３３２、３３３はいずれも、ガイド壁部３１１よりも車内側で、回転軸が略上下方向となる向きで回転自在にベルトガイド３０に支持されている。
【0032】
ベルトガイド３０の車内側上壁部３１４には、車内側に突出してテンションプーリ３３１の上面を覆う上壁側突出支持部３１４ａが設けられている。ベルトガイド３０の底壁部３１２には、車内側に突出してテンションプーリ３３１の下面を覆う底壁側突出支持部３１２ａが設けられている。テンションプーリ３３１は、上端部が車内側上壁部３１４の上壁側突出支持部３１４ａでベルトガイド３０に支持されており、下端部が底壁部３１２の底壁側突出支持部３１２ａでベルトガイド３０に支持されている。
【0033】
ベルトガイド３０の車内側上壁部３１４には、車内側に突出してテンションプーリ３３２の上面とテンションプーリ３３３の上面とを覆う上壁側突出支持部３１４ｂが設けられている。ベルトガイド３０の底壁部３１２には、車内側に突出してテンションプーリ３３２の下面とテンションプーリ３３３の下面とを覆う底壁側突出支持部３１２ｂが設けられている。上壁側突出支持部３１４ｂは、テンションプーリ３３２の上面からテンションプーリ３３３の上面に亘ってベルトガイド３０の長手方向に沿って車内側に湾曲して延在している。底壁側突出支持部３１２ｂは、テンションプーリ３３２の下面からテンションプーリ３３３の下面に亘ってベルトガイド３０の長手方向に沿って車内側に湾曲して延在している。テンションプーリ３３２及びテンションプーリ３３３は、上端部が車内側上壁部３１４の上壁側突出支持部３１４ｂでベルトガイド３０に支持されており、下端部が底壁部３１２の底壁側突出支持部３１２ｂでベルトガイド３０に支持されている。
【0034】
ベルトガイド３０には、所定の張力を付与して無端ベルト５０を車内側に迂回させる前後一対の迂回プーリ３４が支持されている。前後一対の迂回プーリ３４は、ベルトガイド３０の長手方向において、テンションプーリ３３１とテンションプーリ３３２との間であり、直線ガイド部３０１の前端部近傍に配置されている。前後一対の迂回プーリ３４は、いずれも回転軸が上下方向となる向きで回転自在にベルトガイド３０に支持されている。
【0035】
ベルトガイド３０の車内側上壁部３１４には、車内側に突出して前後一対の迂回プーリ３４の上面を覆う上壁側突出支持部３１４ｃが設けられている。ベルトガイド３０の底壁部３１２には、車内側に突出して前後一対の迂回プーリ３４の下面を覆う底壁側突出支持部３１２ｃが設けられている。前後一対の迂回プーリ３４は、上端部が車内側上壁部３１４の上壁側突出支持部３１４ｃでベルトガイド３０に支持されており、下端部が底壁部３１２の底壁側突出支持部３１２ｃでベルトガイド３０に支持されている。
【0036】
ベルトガイド３０には、ベルトガイド３０を貫通する水抜孔３５が、ベルトガイド３０の長手方向に沿って複数設けられている。
【0037】
図６～図８に示すように、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０は、リアクオータパネル３の挿入孔６を車外側から覆うようにベルトガイド３０に固定される組付座４１と、組付座４１の下部から車内側に突出するように設けられており、無端ベルト５０の一部がベルトガイド３０に設けられた迂回プーリ３４から車内側に迂回して内部を通る迂回部４２と、を有する。
【0038】
組付座４１は、リアクオータパネル３の挿入孔６（図２参照）の孔形状に沿った略矩形状である。前後方向に延びる鉛直な平面状を有する下部４１ｄと、下部の上端から車外側に屈曲し、上方に向かって車外側に傾斜して前後方向に延びる平面状を有する上部４１ｕと、を有する。
【0039】
組付座４１は、第１ボルト挿通孔４１１ａと、第２ボルト挿通孔４１１ｂと、ガイドピン４１２と、矩形孔４１３と、を有する。前述したように、組付座４１は、略矩形状の組付座４１における上方に向かって車外側に傾斜して前後方向に延びる上部４１ｕを有している。第１ボルト挿通孔４１１ａは、車幅方向から見て、上部４１ｕの前下隅部と後下隅部とに前後一対設けられた車幅方向に貫通する孔である。第２ボルト挿通孔４１１ｂは、車幅方向から見て、上部４１ｕの前上隅部と後上隅部とに前後一対設けられた車幅方向に貫通する孔である。ガイドピン４１２は、組付座４１の車外側の面に形成された突起である。本実施形態では、ガイドピン４１２は、組付座４１の車外側の面において、上下方向中央よりも上方で、前後方向略中央の位置に設けられている。矩形孔４１３は、車幅方向に貫通する孔である。本実施形態では、矩形孔４１３は、車幅方向から見て、上下方向よりも前後方向に長い略角丸矩形状を有し、上辺が組付座４１の上下方向略中央で前後方向に延びている。
【0040】
迂回部４２は、ベルトガイド３０から車内側に迂回した無端ベルト５０が内部を通る迂回部ケース４２１を備える。迂回部ケース４２１は、組付座４１の車外側の面に沿って延在し、組付座４１の車外側の面に当接する当接座部４２１ａと、当接座部４２１ａから組付座４１の矩形孔４１３と、リアクオータパネル３の挿入孔６とを挿通して組付座４１の車内側に突出し、上面及び車外側の側面が開口した薄板箱状の収容部４２１ｂと、を有する。迂回部４２の迂回部ケース４２１は、樹脂で形成されており、当接座部４２１ａと収容部４２１ｂとは、一体に成形されている。
【0041】
迂回部４２は、収容部４２１ｂの上面の開口部分を覆う天板４２２をさらに備える。
【0042】
迂回部ケース４２１の当接座部４２１ａには、車幅方向に貫通する前後一対の第１ボルト挿通孔４２１ｃと、車幅方向に貫通する前後一対の第２ボルト挿通孔４２１ｄと、が設けられている。前後一対の第１ボルト挿通孔４２１ｃは、組付座４１に設けられた前後一対の第１ボルト挿通孔４１１ａと重なる位置にそれぞれ設けられている。前後一対の第２ボルト挿通孔４２１ｄは、組付座４１に設けられた前後一対の第２ボルト挿通孔４１１ｂと重なる位置にそれぞれ設けられている。前後一対の第１ボルト挿通孔４２１ｃの内周面には、それぞれ雌ねじ筒４２３ｃが嵌合されている。
【0043】
迂回部ケース４２１の当接座部４２１ａに設けられた前後一対の第２ボルト挿通孔４２１ｄには、車外側から不図示のボルトが挿通する。第２ボルト挿通孔４２１ｄを挿通するボルトは、組付座４１に設けられた第２ボルト挿通孔４１１ｂと、リアクオータパネル３に設けられた不図示の挿通孔と、を挿通して、リアクオータパネル３の車内側で、不図示のナットに螺合する。そして、迂回部ケース４２１の当接座部４２１ａと、組付座４１と、リアクオータパネル３とが、ボルト及びナットによって共締めされる。これにより、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の組付座４１及び迂回部ケース４２１は、車体２のリアクオータパネル３に固定される。
【0044】
迂回部ケース４２１の収容部４２１ｂの車内側の端面には、車内側に突出した突出部４２１ｅが形成されている。突出部４２１ｅには、上下方向に貫通する第３ボルト挿通孔４２１ｆが設けられている。第３ボルト挿通孔４２１ｆの内周面には、雌ねじ筒４２３ｆが嵌合されている。
【0045】
迂回部４２の収容部４２１ｂと天板４２２とによって囲まれた空間には、駆動プーリ４３と、前述したベルトガイド３０に支持された前後一対の迂回プーリ３４と、が収容されている。
【0046】
ベルトガイド３０に支持された前後一対の迂回プーリ３４は、上下方向から見て、収容部４２１ｂの車外側の側面の開口部分から車外側に一部が突出するようにして、収容部４２１ｂの車外側の側面の開口部分の前部と後部とに配置されている。
【0047】
駆動プーリ４３は、上下方向から見て、前後一対の迂回プーリ３４よりも車内側で、収容部４２１ｂの略中央に配置されている。駆動プーリ４３は、収容部４２１ｂの底面と天板４２２とによって、回転軸が上下方向となる向きで回転自在に支持されている。本実施形態では、駆動プーリ４３は、前後方向において、駆動プーリ４３の回転軸が前後一対の迂回プーリ３４の回転軸の間に位置するように配置されている。駆動プーリ４３は、上下方向に延びる軸部４３ａを有する。軸部４３ａは、駆動プーリ４３の回転軸を中心軸とする中空の略円筒形状を有する。軸部４３ａの中空の内周面には、内歯セレーションが設けられている。
【0048】
駆動プーリ４３は、ベルト駆動モジュール７０の後述する回転電機７１の動力によって回転駆動する。
【0049】
天板４２２は、駆動プーリ４３の軸部４３ａを露出させ、駆動プーリ４３の軸部４３ａ以外の部分の収容部４２１ｂの上方を覆っており、迂回部ケース４２１にボルト止めされている。
【0050】
図３～図７に示すように、無端ベルト５０は、ベルトガイド３０の長手方向に沿って内側面に歯部が形成された環状の歯付ベルトである。無端ベルト５０の内側面に形成された歯部は、ベルトガイド３０の長手方向に対して略垂直な方向（すなわち上下方向）に延在する山部及び谷部がベルトガイド３０の長手方向に沿って交互に配列されることによって形成されている。
【0051】
無端ベルト５０は、前反転プーリ３２１及び後反転プーリ３２２に掛け回され、ベルトガイド３０の長手方向に沿って、上下方向から見て、ベルトガイド３０のガイド壁部３１１を取り囲んで循環する。ベルトガイド３０のガイド壁部３１１は、長手方向から見て、無端ベルト５０の車外側を移動する部分の車内側の側方を覆っており、且つ、無端ベルト５０の車内側を移動する部分の車外側の側方を覆っている。また、ベルトガイド３０の底壁部３１２は、無端ベルト５０の車内側を移動する部分の下方を覆っている。
【0052】
無端ベルト５０は、テンションプーリ３３及び前後一対の迂回プーリ３４の車外側、すなわち、ベルトガイド３０のガイド壁部３１１とテンションプーリ３３及び前後一対の迂回プーリ３４との間を通るように掛け回される。無端ベルト５０は、前後一対の迂回プーリ３４の間で車内側に迂回して、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の駆動プーリ４３に掛け回される。
【0053】
無端ベルト５０は、テンションプーリ３３によって所定の張力が付与され、車内側に弛むことなくベルトガイド３０の長手方向に沿って掛け回される。無端ベルト５０は、前後一対の迂回プーリ３４によって所定の張力が付与された状態で車内側に迂回して、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の駆動プーリ４３に掛け回される。
【0054】
無端ベルト５０は、駆動プーリ４３がベルト駆動モジュール７０の後述する回転電機７１の動力によって回転駆動することによって、ベルトガイド３０の長手方向に沿って、上下方向から見て、ベルトガイド３０のガイド壁部３１１を取り囲んで循環移動する。
【0055】
（センターガイドローラユニット及びベルト接続具）
図９に示すように、スライドドア８の中央後部に取り付けられたセンターガイドローラユニット８０ｃは、スライドドア８にボルト等の締結部材で固定されるベース部８１と、上下方向の軸線回りに回転自在にベース部８１に支持された前後２個の第１ガイドローラ８２１と、前後２個の第１ガイドローラ８２１の間に配置され、水平方向の軸線回りに回転自在にベース部８１に支持された第２ガイドローラ８２２と、有する。センターガイドローラユニット８０ｃは、前後２個の第１ガイドローラ８２１及び第２ガイドローラ８２２がセンターレール９０ｃの変形Ｃ字形状の内部に転動自在に装着されることによって、センターレール９０ｃに支持される。センターガイドローラユニット８０ｃは、前後２個の第１ガイドローラ８２１及び第２ガイドローラ８２２がセンターレール９０ｃの変形Ｃ字形状の内部を転動しながら、センターレール９０ｃの直線部９１及び湾曲部９２をスライド自在となっている。
図９に示すように、スライドドア８の中央後部に取り付けられたセンターガイドローラユニット８０ｃは、スライドドア８にボルト等の締結部材で固定されるベース部８１と、上下方向の軸線回りに回転自在にベース部８１に支持された前後２個の第１ガイドローラ８２１と、前後２個の第１ガイドローラ８２１の間に配置され、水平方向の軸線回りに回転自在にベース部８１に支持された第２ガイドローラ８２２と、有する。センターガイドローラユニット８０ｃは、前後２個の第１ガイドローラ８２１及び第２ガイドローラ８２２がセンターレール９０ｃの変形Ｃ字形状の内部に転動自在に装着されることによって、センターレール９０ｃに支持される。センターガイドローラユニット８０ｃは、前後２個の第１ガイドローラ８２１及び第２ガイドローラ８２２がセンターレール９０ｃの変形Ｃ字形状の内部を転動しながら、センターレール９０ｃの直線部９１及び湾曲部９２をスライド自在となっている。
【0056】
【0057】
ブラケット部６１は、無端ベルト５０の車外側面と対向する第１ブラケット部６１１と、無端ベルト５０の車内側面と対向し、第１ブラケット部６１１と係合する第２ブラケット部６１２と、を有する。第１ブラケット部６１１は、無端ベルト５０の車外側から第２ブラケット部６１２に係合し、第２ブラケット部６１２は、無端ベルト５０の車内側から第１ブラケット部６１１に係合する。そして、ブラケット部６１は、第１ブラケット部６１１と第２ブラケット部６１２とが係合することによって、無端ベルト５０を車両左右方向に挟持する。これにより、ブラケット部６１は、無端ベルト５０に固定される。
【0058】
第１ブラケット部６１１は、無端ベルト５０の車外側で、無端ベルト５０の車外側面と対向する車外側壁部６１１ａを有する。車外側壁部６１１ａは、前後方向及び上下方向に略平板状に延在する。車外側壁部６１１ａは、無端ベルト５０の車外側面と対向して車内側を向く挟持面６１１ｂと、挟持面６１１ｂの裏面であり、車外側を向く車外側壁面６１１ｃと、を有する。車外側壁部６１１ａの上側領域には、車外側壁部６１１ａを車幅方向に貫通する上部係合孔６１１ｄが前後一対形成されている。車外側壁部６１１ａの下側領域には、車外側壁部６１１ａを車幅方向に貫通する下部係合孔６１１ｅが前後方向略中央部に形成されている。
【0059】
第２ブラケット部６１２は、無端ベルト５０の車内側で、無端ベルト５０の車内側面と対向する車内側壁部６１２ａを有する。車内側壁部６１２ａは、無端ベルト５０を挟んで第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａと対向し、前後方向及び上下方向に略平板状に延在する。車内側壁部６１２ａは、無端ベルト５０の車内側面と対向して車外側を向く噛合面６１２ｂと、噛合面６１２ｂの裏面であり、車内側を向く車内側壁面６１２ｃと、を有する。第２ブラケット部６１２には、車内側壁部６１２ａの上端から車外側に向かって延出し、車内側から第１ブラケット部６１１の上部係合孔６１１ｄを挿通して、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの車外側壁面６１１ｃに係止する上側係合部６１２ｄが前後一対形成されている。第２ブラケット部６１２には、車内側壁部６１２ａの下端から車外側に向かって延出し、車内側から第１ブラケット部６１１の下部係合孔６１１ｅを挿通して、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの車外側壁面６１１ｃに係止する下側係合部６１２ｅが前後方向略中央部に形成されている。噛合面６１２ｂには、無端ベルト５０の内側面と対向するように歯部６１２ｆが形成されている。
【0060】
ベルト接続具６０は、第２ブラケット部６１２の噛合面６１２ｂに設けられた歯部６１２ｆを無端ベルト５０の内側面に形成されている歯部と噛み合わせて、第２ブラケット部６１２の前後一対の上側係合部６１２ｄを、車内側から第１ブラケット部６１１の上部係合孔６１１ｄに挿通させて、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの車外側壁面６１１ｃに係止し、第２ブラケット部６１２の下側係合部６１２ｅを、車内側から第１ブラケット部６１１の下部係合孔６１１ｅに挿通させて、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの車外側壁面６１１ｃに係止する。これにより、第１ブラケット部６１１の挟持面６１１ｂと第２ブラケット部６１２の噛合面６１２ｂとで無端ベルト５０を挟み込んで、第１ブラケット部６１１と第２ブラケット部６１２とが係合し、ベルト接続具６０は、強固に無端ベルト５０に固定される。
【0061】
係合部６２は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａに形成されている。本実施形態では、係合部６２は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの車両前後方向両端部に前後一対形成されている。前側の係合部６２は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの前端から前方に延出して、車外側に円弧状に湾曲して、後方に延在し、その後端部に挟持部６２ａが設けられている。前側の係合部６２は、上下方向から見て、後方に向かって開口した略Ｕ字形状を有する。前側の係合部６２の挟持部６２ａは、車幅方向から見て、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａと重なる位置に形成され、車外側壁面６１１ｃと対向している。後側の係合部６２は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの後端から後方に延出して、車外側に円弧状に湾曲して、前方に延在し、その前端部に挟持部６２ａが設けられている。後側の係合部６２は、上下方向から見て、前方に向かって開口した略Ｕ字形状を有する。後側の係合部６２の挟持部６２ａは、車幅方向から見て、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａと重なる位置に形成され、車外側壁面６１１ｃと対向している。
【0062】
図１０及び図１２に示すように、センターガイドローラユニット８０ｃは、ベルト接続具６０の係合部６２に係合する固定部８３が設けられた固定プレート８４をさらに備える。固定プレート８４は、前後方向及び上下方向に延在する略平板状である。固定部８３は、固定プレート８４の上端から上方に延出し、前後方向及び上下方向に略平板状に延在する。固定部８３には、ベルト接続具６０の係合部６２と係合する被係合部８３ａが形成されている。被係合部８３ａは、固定部８３の前後方向両端部に前後一対形成されている。前側の被係合部８３ａは、固定部８３の前端部において、固定部８３の上端から所定長さ下方に向かって延在し、且つ、固定部８３の前端から所定長さ後方に向かって延在する、車内側に窪んだ凹部である。後側の被係合部８３ａは、固定部８３の後端部において、固定部８３の上端から所定長さ下方に向かって延在し、且つ、固定部８３の後端から所定長さ前方に向かって延在する、車内側に窪んだ凹部である。
【0063】
そして、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０を車外側に引き出して、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２の挟持部６２ａと、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａとの間に、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に形成された被係合部８３ａを、被係合部８３ａの上端側及び第１ブラケット部６１１の下端側から嵌挿させる。そして、第１ブラケット部６１１は、係合部６２の挟持部６２ａと車外側壁部６１１ａとで、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に形成された被係合部８３ａを左右方向に挟持することによって、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に形成された被係合部８３ａと係合する。
【0064】
このようにして、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３は、無端ベルト５０の車外側で第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合する。
【0065】
これにより、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３と、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２とを、無端ベルト５０の車外側で容易に視認しながら係合することができるので、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続する際の組付性が向上する。
【0066】
さらに、無端ベルト５０とベルトガイド３０との間に、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３を介在させずに、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続することができるので、無端ベルト５０とベルトガイド３０との間の空間を小さくすることができる。これにより、車両用スライドドア開閉装置１０の車幅方向の寸法を小さくすることができ、車両１の車幅方向寸法を大きくすることなく、車両１の車室の車幅方向寸法を大きくすることができる。
【0067】
したがって、本実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０は、車幅方向の寸法を小さくしつつ、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続する際の組付性が向上する。
【0068】
また、係合部６２は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの車両前後方向両端部に前後一対形成されており、被係合部８３ａは、固定部８３の前後方向両端部に前後一対形成されているので、固定部８３は、前後方向両端部でベルト接続具６０と接続する。これにより、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とをより強固に固定できる。
【0069】
図１２及び図１３に示すように、固定プレート８４の固定部８３には、固定部８３の上端から上方に延出し、前後方向及び上下方向に略平板状に延在する突出部８３ｅが設けられている。また、固定プレート８４の固定部８３には、左右方向に貫通する係止孔８３ｆが形成されている。
【0070】
突出部８３ｅは、ベルト接続具６０とセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが係合した状態において、第２ブラケット部６１２に設けられた前後一対の上側係合部６１２ｄの間に配置されるように設けられている。また、突出部８３ｅは、ベルト接続具６０とセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが係合した状態において、前後方向から見て、少なくとも一部が前後一対の上側係合部６１２ｄと重なる位置となるように設けられている。そして、突出部８３ｅは、ベルト接続具６０とセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが係合した状態において、突出部８３ｅとそれぞれの上側係合部６１２ｄとの間に形成される前後方向の隙間が最大限小さくなるように設けられている。
【0071】
したがって、センターガイドローラユニット８０ｃ及び／又はベルト接続具６０に、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とが前後方向に位置ずれするような荷重がかかった場合でも、突出部８３ｅと、第２ブラケット部６１２に設けられた前後いずれかの上側係合部６１２ｄと、が当接するため、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とが前後方向に位置ずれすることを抑制できる。
【0072】
係止孔８３ｆは、ベルト接続具６０とセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが係合した状態において、第２ブラケット部６１２の下側係合部６１２ｅの少なくとも一部が挿通するように形成されている。そして、係止孔８３ｆは、ベルト接続具６０とセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが係合した状態のとき、第２ブラケット部６１２の下側係合部６１２ｅの前端面及び後端面が、係止孔８３ｆの壁面８３ｇと摺接するように形成されている。したがって、第２ブラケット部６１２の下側係合部６１２ｅは、固定部８３に設けられた係止孔８３ｆに係合する。
【0073】
したがって、センターガイドローラユニット８０ｃ及び／又はベルト接続具６０に、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とが前後方向に位置ずれするような荷重がかかった場合でも、係止孔８３ｆの壁面８３ｇと、第２ブラケット部６１２に設けられた下側係合部６１２ｅの前端面及び後端面とが摺接しているため、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とが前後方向に位置ずれすることを抑制できる。
【0074】
このように、ベルト接続具６０とセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが係合した状態において、センターガイドローラユニット８０ｃ及び／又はベルト接続具６０に、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とが前後方向に位置ずれするような荷重がかかった場合でも、固定部８３の突出部８３ｅとベルト接続具６０の前側の上側係合部６１２ｄ、固定部８３の突出部８３ｅとベルト接続具６０の後側の上側係合部６１２ｄ、及び、固定部８３に形成された係止孔８３ｆの壁面８３ｇとベルト接続具６０の下側係合部６１２ｅ、の３点で支持される。これにより、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とが前後方向に位置ずれすることをより抑制できる。
【0075】
このようにして、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して、無端ベルト５０とスライドドア８とは互いに接続する。これにより、無端ベルト５０が上方から見て時計回りに循環移動すると、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０が前方に移動するので、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して無端ベルト５０に接続されたスライドドア８は、前方、すなわち閉方向へ移動する。さらに、無端ベルト５０が上方から見て反時計回りに循環移動すると、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０が後方に移動するので、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して無端ベルト５０に接続されたスライドドア８は、後方、すなわち開方向へ移動する。
【0076】
（ベルト接続具の変形例）
図１４に示すように、ベルト接続具６０の第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａには、車外側に向かって突出する凸部６１１ｆが設けられていてもよい。この場合、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３が、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合した状態において、凸部６１１ｆは、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に向かって突出する。そして、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３が、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合した状態において、凸部６１１ｆは、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３によって車内側に押圧される。そして、凸部６１１ｆは、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３によって車内側に押圧された反力と、ベルト接続具６０に固定された無端ベルト５０の弾性力と、によって、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３を車外側、すなわち、車幅方向において第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａとセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが離れる側に押圧する。
図１４に示すように、ベルト接続具６０の第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａには、車外側に向かって突出する凸部６１１ｆが設けられていてもよい。この場合、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３が、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合した状態において、凸部６１１ｆは、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に向かって突出する。そして、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３が、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合した状態において、凸部６１１ｆは、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３によって車内側に押圧される。そして、凸部６１１ｆは、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３によって車内側に押圧された反力と、ベルト接続具６０に固定された無端ベルト５０の弾性力と、によって、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３を車外側、すなわち、車幅方向において第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａとセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが離れる側に押圧する。
【0077】
これにより、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３によって凸部６１１ｆが車内側に押圧されることで第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａに生じる反力と、ベルト接続具６０に固定された無端ベルト５０の弾性力と、によって、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３は、車外側に向かって押圧された状態で、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合する。これにより、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とベルト接続具６０の第１ブラケット部６１１とを、ガタつきなく接続することができる。
【0078】
【0079】
図１５に示すように、ベルト駆動モジュール７０は、無端ベルト５０を循環移動させる動力を出力する回転電機７１と、回転電機７１の動力の回転速度を減速して出力する減速機７２と、回転電機７１及び減速機７２を収容するケーシング７３と、を有する。
【0080】
図１６に示すように、回転電機７１は、ケーシング７３に固定されている。回転電機７１は、不図示のロータ及びステータを有する。回転電機７１には、回転電機７１から下方に突出し、前述のロータと一体に回転する出力軸７１１が取り付けられている。出力軸７１１は、回転電機７１から下方に突出した部分の外周面が外歯車状になっている。回転電機７１には、不図示の電力線が接続されており、電力線から供給される電力によって、回転電機７１のロータと出力軸７１１とが一体に回転する。
【0081】
減速機７２は、第１ギヤ７２１と、第２ギヤ７２２と、を備える。第１ギヤ７２１及び第２ギヤ７２２は、いずれも回転軸が上下方向となる向きで回転自在にケーシング７３に支持されている。
【0082】
第１ギヤ７２１は、外歯車である大径歯車７２１ａと、大径歯車７２１ａの上面から上方に突出し、大径歯車７２１ａと同軸の外歯車であり大径歯車７２１ａよりも小径の小径歯車７２１ｂと、を備える。大径歯車７２１ａは、回転電機７１の外歯車状の出力軸７１１と噛合する。
【0083】
第２ギヤ７２２は、第１ギヤ７２１の小径歯車７２１ｂよりも大径の外歯車である大径歯車７２２ａと、大径歯車７２２ａの下面から下方に突出し、大径歯車７２２ａの回転軸に沿って延びるセレーション軸７２２ｂと、を備える。大径歯車７２２ａは、第１ギヤ７２１の小径歯車７２１ｂと噛合する。セレーション軸７２２ｂは、外周面に外歯セレーションが設けられている。
【0084】
図１５～図１７に示すように、ケーシング７３は、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の組付座４１の車内側に配置される。ケーシング７３は、センターケーシング７３ｃと、センターケーシング７３ｃの上面に取り付けられるアッパーケーシング７３ｕと、センターケーシング７３ｃの下面に取り付けられるロアケーシング７３ｄと、を備える。センターケーシング７３ｃは、回転電機７１の下部と、第１ギヤ７２１の小径歯車７２１ｂと、第２ギヤ７２２の大径歯車７２２ａと、を収容する。アッパーケーシング７３ｕは、回転電機７１の上部を収容する。ロアケーシング７３ｄは、回転電機７１から下方に突出する出力軸７１１と、第１ギヤ７２１の大径歯車７２１ａと、第２ギヤ７２２のセレーション軸７２２ｂの上部と、を収容する。セレーション軸７２２ｂの下部は、ロアケーシング７３ｄから下方に突出しており、ケーシング７３の外部に露出している。
【0085】
アッパーケーシング７３ｕは、センターケーシング７３ｃに設けられた係合爪部にアッパーケーシング７３ｕの係合部が係合してセンターケーシング７３ｃに固定されている。ロアケーシング７３ｄは、センターケーシング７３ｃにボルト止めされて、センターケーシング７３ｃに固定されている。
【0086】
ロアケーシング７３ｄには、車内側に突出する第１脚部７３１と、下方に突出する前後一対の第２脚部７３２と、が形成されている。第１脚部７３１は、迂回部ケース４２１の突出部４２１ｅの上面と対向する位置に配置される。第１脚部７３１には、車内側に向かって開口する第１切欠溝７３１ａが設けられている。第１切欠溝７３１ａは、迂回部ケース４２１の突出部４２１ｅに設けられた第３ボルト挿通孔４２１ｆと重なる位置に設けられている。前後一対の第２脚部７３２は、組付座４１と対向する位置に配置される。前後一対の第２脚部７３２には、それぞれ第２切欠溝７３２ａが設けられている。前方の第２脚部７３２に設けられた第２切欠溝７３２ａは、後方に向かって開口しており、前方の第２脚部７３２に設けられた第２切欠溝７３２ａは、前方に向かって開口している。前後一対の第２脚部７３２に設けられた第２切欠溝７３２ａは、組付座４１に設けられた前後一対の第１ボルト挿通孔４１１ａ、及び、迂回部ケース４２１の当接座部４２１ａに設けられた前後一対の第１ボルト挿通孔４２１ｃと重なる位置にそれぞれ設けられている。
【0087】
図１５に戻って、第１脚部７３１に設けられた第１切欠溝７３１ａには、円環状の第１免振部材７４１が嵌合される。前後一対の第２脚部７３２に設けられた第２切欠溝７３２ａには、それぞれに円環状の第２免振部材７４２が嵌合される。
【0088】
第１切欠溝７３１ａに第１免振部材７４１が嵌合された第１脚部７３１は、第１ボルト７５１が上方から第１免振部材７４１の円環内部を挿通して、迂回部ケース４２１の第３ボルト挿通孔４２１ｆに嵌合した雌ねじ筒４２３ｆに螺合することによって、第１免振部材７４１を介して迂回部ケース４２１の上面に固定される。
【0089】
第２切欠溝７３２ａに嵌合された第２免振部材７４２の円環内部には、車内側の斜め上方から第２ボルト７５２が挿通する。第２ボルト７５２は、第２免振部材７４２の円環内部と、リアクオータパネル３に設けられた不図示の挿通孔と、組付座４１の第１ボルト挿通孔４１１ａと、を挿通して、迂回部ケース４２１の当接座部４２１ａに設けられた第１ボルト挿通孔４２１ｃに嵌合した雌ねじ筒４２３ｃ（図８参照）に螺合する。そして、第２脚部７３２と、第２免振部材７４２と、組付座４１と、リアクオータパネル３と、迂回部ケース４２１の当接座部４２１ａとが、第２ボルト７５２によって共締めされる。これにより、ベルト駆動モジュール７０のケーシング７３が、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の組付座４１及び迂回部ケース４２１に固定されるとともに、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の組付座４１及び迂回部ケース４２１と、ベルト駆動モジュール７０のケーシング７３とが、車体２のリアクオータパネル３に固定される。
【0090】
このようにして、ベルト駆動モジュール７０のケーシング７３は、第１免振部材７４１及び第２免振部材７４２を介して、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の組付座４１及び迂回部ケース４２１に固定される。したがって、ベルト駆動モジュール７０のケーシング７３は、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の組付座４１及び迂回部ケース４２１とは直接接触せずに固定される。これにより、ベルト駆動モジュール７０で生じる振動等が、車体２及びベルトモジュール２０に伝わることを防止でき、車体２及びベルトモジュール２０で生じる振動等が、ベルト駆動モジュール７０に伝わることを防止できる。
【0091】
ベルト駆動モジュール７０のケーシング７３が、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の組付座４１及び迂回部ケース４２１に固定されることによって、ベルト駆動モジュール７０は、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０に固定される。ベルト駆動モジュール７０がベルト駆動モジュール連結ユニット４０に固定された状態において、ベルト駆動モジュール７０の第２ギヤ７２２のセレーション軸７２２ｂに設けられた外歯セレーションは、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０の駆動プーリ４３の軸部４３ａの内周面に設けられた内歯セレーションに係合する（図１６参照）。
【0092】
このように、ベルト駆動モジュール連結ユニット４０にベルト駆動モジュール７０が連結されることによって、回転電機７１の動力が、出力軸７１１から減速機７２の第１ギヤ７２１に伝達され、第１ギヤ７２１及び第２ギヤ７２２によって減速されて、第２ギヤ７２２のセレーション軸７２２ｂからベルト駆動モジュール連結ユニット４０の駆動プーリ４３に伝達され、駆動プーリ４３は、回転電機７１の動力によって回転駆動する。
【0093】
本実施形態では、回転電機７１が正転駆動して、出力軸７１１が上方から見て時計回りに回転すると、駆動プーリ４３は、上方から見て時計回りに回転駆動して、無端ベルト５０を上方から見て時計回りに循環移動させる。これにより、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０が前方に移動するので、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して無端ベルト５０に接続されたスライドドア８は、前方、すなわち閉方向へ移動する。このようにして、車両用スライドドア開閉装置１０は、ベルト駆動モジュール７０において、回転電機７１を正転駆動させることによって、スライドドア８を閉方向へ移動させる。
【0094】
また、回転電機７１が逆転駆動して、出力軸７１１が上方から見て反時計回りに回転すると、駆動プーリ４３は、上方から見て反時計回りに回転駆動して、無端ベルト５０を上方から見て反時計回りに循環移動させる。これにより、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０が後方に移動するので、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して無端ベルト５０に接続されたスライドドア８は、後方、すなわち開方向へ移動する。このようにして、車両用スライドドア開閉装置１０は、ベルト駆動モジュール７０において、回転電機７１を逆転駆動させることによって、スライドドア８を閉方向へ移動させる。
【0095】
［第２実施形態］
続いて、本発明の第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０について図１８及び図１９を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、ブラケット部６１は、第１ブラケット部６１１と第２ブラケット部６１２とを有するものとしたが、第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、ブラケット部６１は、第１ブラケット部６１１と第２ブラケット部６１２とに分割されていない。また、第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、係合部６２は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの前後方向両端部に前後一対形成されており、被係合部８３ａは、固定部８３の前後方向両端部に前後一対形成されているものとしたが、第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、係合部６２は、ブラケット部６１の前後方向略中央部に１つ形成されており、被係合部８３ｂは、固定部８３の前後方向略中央部に１つ形成されている。以下、第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０と第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０との相違点について詳細に説明する。
続いて、本発明の第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０について図１８及び図１９を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、ブラケット部６１は、第１ブラケット部６１１と第２ブラケット部６１２とを有するものとしたが、第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、ブラケット部６１は、第１ブラケット部６１１と第２ブラケット部６１２とに分割されていない。また、第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、係合部６２は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａの前後方向両端部に前後一対形成されており、被係合部８３ａは、固定部８３の前後方向両端部に前後一対形成されているものとしたが、第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０では、係合部６２は、ブラケット部６１の前後方向略中央部に１つ形成されており、被係合部８３ｂは、固定部８３の前後方向略中央部に１つ形成されている。以下、第１実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０と第２実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０との相違点について詳細に説明する。
【0096】
図１８及び図１９に示すように、ベルト接続具６０は、無端ベルト５０を車幅方向に挟持して無端ベルト５０に固定されるブラケット部６１と、センターガイドローラユニット８０ｃが係合する係合部６２と、を備える。本実施形態では、ベルト接続具６０は、樹脂によって形成されている。
【0097】
ブラケット部６１は、無端ベルト５０の車外側面と対向する車外側壁部６１ａと、無端ベルト５０の車内側面と対向する車内側壁部６１ｂと、無端ベルト５０の上面と対向する上壁部６１ｃと、を有する。車外側壁部６１ａ及び車内側壁部６１ｂの下端部には、車外側壁部６１ａ及び車内側壁部６１ｂのそれぞれの下端部から車内側に向かって突出する係止爪６１ｄが設けられている。
【0098】
車外側壁部６１ａは、前後方向及び上下方向に略平板状に延在する。車外側壁部６１ａは、無端ベルト５０の車外側面と対向して車内側を向く挟持面６１ｅと、挟持面６１ｅの裏面であり、車外側を向く車外側壁面６１ｆと、を有する。
【0099】
車内側壁部６１ｂは、無端ベルト５０を挟んで車外側壁部６１ａと対向し、前後方向及び上下方向に略平板状に延在する。車内側壁部６１ｂは、無端ベルト５０の車内側面と対向して車外側を向く噛合面６１ｇと、噛合面６１ｇの裏面であり、車内側を向く車内側壁面６１ｈと、を有する。噛合面６１ｇには、無端ベルト５０の内側面と対向するように不図示の歯部が形成されている。
【0100】
ベルト接続具６０は、ブラケット部６１の車外側壁部６１ａ及び車内側壁部６１ｂの下端部を車幅方向に拡開して、ブラケット部６１の車外側壁部６１ａと車内側壁部６１ｂとの間に、無端ベルト５０の上端側並びにブラケット部６１の車外側壁部６１ａ及び車内側壁部６１ｂの下端側から無端ベルト５０を嵌挿させ、噛合面６１ｇに設けられた不図示の歯部を無端ベルト５０の内側面に形成されている歯部と噛み合わせる。そして、車幅方向に拡開していたブラケット部６１の車外側壁部６１ａ及び車内側壁部６１ｂの下端部を元に戻し、車外側壁部６１ａ及び車内側壁部６１ｂのそれぞれの下端部に形成された係止爪６１ｄを無端ベルト５０の下面に係止する。これにより、ブラケット部６１の挟持面６１ｅと噛合面６１ｇとで無端ベルト５０を挟み込んで、ベルト接続具６０は、強固に無端ベルト５０に固定される。
【0101】
係合部６２は、ブラケット部６１の車外側壁部６１ａに形成されている。本実施形態では、係合部６２は、車外側壁部６１ａの車外側壁面６１ｆから車外側に延出している。係合部６２は、車外側壁部６１ａの車外側壁面６１ｆの前後方向及び上下方向の略中央部に形成されている。
【0102】
係合部６２は、車外側壁部６１ａの車外側壁面６１ｆから柱状に延出する柱状部６２ｂと、柱状部６２ｂの先端部に設けられ、柱状部６２ｂの側面から外側に向かってフランジ状に延出する係止部６２ｃと、を有する。
【0103】
センターガイドローラユニット８０ｃは、ベルト接続具６０の係合部６２に係合する固定部８３が設けられた固定プレート８４をさらに備える。固定プレート８４は、前後方向及び上下方向に延在する略平板状である。固定部８３は、固定プレート８４の上端から上方に延出し、前後方向及び上下方向に略平板状に延在する。固定部８３には、ベルト接続具６０の係合部６２と係合する被係合部８３ｂが形成されている。被係合部８３ｂは、固定部８３の前後方向略中央部に１つ形成されている。被係合部８３ｂは、固定部８３の上端から下方に切り欠かれた係合溝８３ｃである。
【0104】
係合溝８３ｃの前縁部の上端及び後縁部の上端には、係合溝８３ｃの前後方向中央に向かって延出する係合爪８３ｄがそれぞれ設けられている。
【0105】
そして、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０を車外側に引き出して、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３の係合溝８３ｃに係合部６２の柱状部６２ｂが侵入するように、ブラケット部６１に形成された係合部６２の係止部６２ｃと、ブラケット部６１の車外側壁部６１ａとの間に、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３を、固定部８３の上端側及びブラケット部６１の下端側から嵌挿させる。そして、係合部６２の柱状部６２ｂが固定部８３の係合溝８３ｃに侵入した状態で、係合部６２の係止部６２ｃがセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３の車外側面と係合し、ベルト接続具６０の係合部６２と、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが係合する。
【0106】
このようにして、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３は、無端ベルト５０の車外側でブラケット部６１に形成された係合部６２に係合する。
【0107】
これにより、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３と、ブラケット部６１に形成された係合部６２とを、無端ベルト５０の車外側で容易に視認しながら係合することができるので、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続する際の組付性が向上する。
【0108】
さらに、無端ベルト５０とベルトガイド３０との間に、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３を介在させずに、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続することができるので、無端ベルト５０とベルトガイド３０との間の空間を小さくすることができる。これにより、車両用スライドドア開閉装置１０の車幅方向の寸法を小さくすることができ、車両１の車幅方向寸法を大きくすることなく、車両１の車室の車幅方向寸法を大きくすることができる。
【0109】
したがって、本実施形態の車両用スライドドア開閉装置１０は、車幅方向の寸法を小さくしつつ、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続する際の組付性が向上する。
【0110】
また、車外側壁部６１ａの車外側壁面６１ｆから車外側に延出している係合部６２と、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に形成された係合溝８３ｃと、によって、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続することができるので、簡素な構造で、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続することができる。
【0111】
さらに、係合部６２は、柱状部６２ｂの側面から外側に向かってフランジ状に延出する係止部６２ｃを有するので、係合部６２の係止部６２ｃをセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３の車外側面に引っ掛けながら、ブラケット部６１に形成された係合部６２の係止部６２ｃと、ブラケット部６１の車外側壁部６１ａとの間に、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３を、固定部８３の上端側及びブラケット部６１の下端側から嵌挿させて、係合部６２の柱状部６２ｂを固定部８３の係合溝８３ｃに侵入させることができる。あるいは、ブラケット部６１は、車外側壁部６１ａを有するので、固定部８３の車内側面にブラケット部６１の車外側壁部６１ａを押し当てながら、固定部８３の上端側及びブラケット部６１の下端側から嵌挿させて、係合部６２の柱状部６２ｂを固定部８３の係合溝８３ｃに侵入させることができる。これにより、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続する際に、係合部６２の位置決めが容易となり、センターガイドローラユニット８０ｃとベルト接続具６０とを接続する際の組付性が向上する。
【0112】
係合爪８３ｄは、係合部６２の柱状部６２ｂが固定部８３の係合溝８３ｃの底部まで侵入した後、固定部８３の係合溝８３ｃから離脱するように上方に変位した場合に、係合部６２の柱状部６２ｂが引っ掛かる位置となるように形成される。
【0113】
したがって、係合溝８３ｃの前縁部の上端及び後縁部の上端に、係合溝８３ｃの前後方向中央に向かって延出する係合爪８３ｄがそれぞれ設けられていることによって、ベルト接続具６０の係合部６２と、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とを係合した後に、ベルト接続具６０の係合部６２が固定部８３の係合溝８３ｃから離脱することを抑制することができる。
【0114】
このようにして、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して、無端ベルト５０とスライドドア８とは互いに接続する。これにより、無端ベルト５０が上方から見て時計回りに循環移動すると、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０が前方に移動するので、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して無端ベルト５０に接続されたスライドドア８は、前方、すなわち閉方向へ移動する。さらに、無端ベルト５０が上方から見て反時計回りに循環移動すると、無端ベルト５０に固定されたベルト接続具６０が後方に移動するので、ベルト接続具６０及びセンターガイドローラユニット８０ｃを介して無端ベルト５０に接続されたスライドドア８は、後方、すなわち開方向へ移動する。
【0115】
以上、本発明の各実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0116】
例えば、第１実施形態では、ベルト接続具６０の第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａに、車外側に向かって突出する凸部６１１ｆが設けられているものとしたが、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に、車内側に向かって突出する凸部が設けられていてもよい。この場合、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３が、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合した状態において、固定部８３に設けられた凸部は、第１ブラケット部６１１に向かって突出する。そして、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３が、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合した状態において、固定部８３に設けられた凸部は、第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａを車内側、すなわち、車幅方向において第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａとセンターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とが離れる側に押圧する。
【0117】
これにより、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３に設けられた凸部によって第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａが車内側に押圧されることで第１ブラケット部６１１の車外側壁部６１１ａに生じる反力と、ベルト接続具６０に固定された無端ベルト５０の弾性力と、によって、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３は、車外側に向かって押圧された状態で、第１ブラケット部６１１に形成された係合部６２に係合する。これにより、センターガイドローラユニット８０ｃの固定部８３とベルト接続具６０の第１ブラケット部６１１とを、ガタつきなく接続することができる。
【0118】
また、例えば、第２実施形態では、係合爪８３ｄは、係合溝８３ｃの前縁部の上端及び後縁部の上端の双方に設けられているものとしたが、係合爪８３ｄは、係合溝８３ｃの前縁部及び後縁部のいずれか一方のみに設けられていてもよい。
【0119】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0120】
（１） 略水平方向に長手方向が延在するように車体（車体２）に取り付けられるベルトガイド（ベルトガイド３０）と、
前記ベルトガイドの前記長手方向の一端部（前端部３０ａ）及び他端部（後端部３０ｂ）に掛け回された無端ベルト（無端ベルト５０）と、
前記無端ベルトに固定されるベルト接続具（ベルト接続具６０）と、
スライドドア（スライドドア８）に固定され、前記ベルト接続具と係合するガイドローラユニット（センターガイドローラユニット８０ｃ）と、
前記無端ベルトを前記ベルトガイドの前記長手方向に沿って循環移動させるベルト駆動モジュール（ベルト駆動モジュール７０）と、を備える、車両用スライドドア開閉装置（車両用スライドドア開閉装置１０）であって、
前記ベルト接続具は、
前記無端ベルトに固定されるブラケット部（ブラケット部６１）と、
前記ガイドローラユニットが係合する係合部（係合部６２）と、を備え、
前記ブラケット部は、前記無端ベルトの車外側で、車外側を向く車外側壁部（車外側壁部６１１ａ、６１ａ）を有し、
前記係合部は、前記車外側壁部に形成されており、
前記ガイドローラユニットは、前記ベルト接続具の前記係合部に係合する固定部（固定部８３）を備え、
前記固定部は、前記無端ベルトの車外側で前記係合部に係合する、車両用スライドドア開閉装置。
前記ベルトガイドの前記長手方向の一端部（前端部３０ａ）及び他端部（後端部３０ｂ）に掛け回された無端ベルト（無端ベルト５０）と、
前記無端ベルトに固定されるベルト接続具（ベルト接続具６０）と、
スライドドア（スライドドア８）に固定され、前記ベルト接続具と係合するガイドローラユニット（センターガイドローラユニット８０ｃ）と、
前記無端ベルトを前記ベルトガイドの前記長手方向に沿って循環移動させるベルト駆動モジュール（ベルト駆動モジュール７０）と、を備える、車両用スライドドア開閉装置（車両用スライドドア開閉装置１０）であって、
前記ベルト接続具は、
前記無端ベルトに固定されるブラケット部（ブラケット部６１）と、
前記ガイドローラユニットが係合する係合部（係合部６２）と、を備え、
前記ブラケット部は、前記無端ベルトの車外側で、車外側を向く車外側壁部（車外側壁部６１１ａ、６１ａ）を有し、
前記係合部は、前記車外側壁部に形成されており、
前記ガイドローラユニットは、前記ベルト接続具の前記係合部に係合する固定部（固定部８３）を備え、
前記固定部は、前記無端ベルトの車外側で前記係合部に係合する、車両用スライドドア開閉装置。
【0121】
（１）によれば、ガイドローラユニットの固定部と、ブラケット部の車外側壁部に形成された係合部とを、無端ベルトの車外側で容易に視認しながら係合することができるので、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の組付性が向上する。
さらに、無端ベルトとベルトガイドとの間に、ガイドローラユニットの固定部を介在させずに、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続することができるので、無端ベルトとベルトガイドとの間の空間を小さくすることができる。これにより、車両用スライドドア開閉装置の車幅方向の寸法を小さくすることができ、車両の車幅方向寸法を大きくすることなく、車両の車室の車幅方向寸法を大きくすることができる。
したがって、車両用スライドドア開閉装置は、車幅方向の寸法を小さくしつつ、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の組付性が向上する。
さらに、無端ベルトとベルトガイドとの間に、ガイドローラユニットの固定部を介在させずに、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続することができるので、無端ベルトとベルトガイドとの間の空間を小さくすることができる。これにより、車両用スライドドア開閉装置の車幅方向の寸法を小さくすることができ、車両の車幅方向寸法を大きくすることなく、車両の車室の車幅方向寸法を大きくすることができる。
したがって、車両用スライドドア開閉装置は、車幅方向の寸法を小さくしつつ、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の組付性が向上する。
【0122】
（２） （１）に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記ブラケット部は、
前記無端ベルトの車外側面と対向し、前記車外側壁部及び前記係合部が形成された第１ブラケット部（第１ブラケット部６１１）と、
前記無端ベルトの車内側面と対向し、前記第１ブラケット部と係合する、第２ブラケット部（第２ブラケット部６１２）と、を有し、
前記ブラケット部は、前記第１ブラケット部と前記第２ブラケット部とが前記無端ベルトを車両左右方向に挟持することによって、前記無端ベルトに固定されており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部（被係合部８３ａ）が形成されており、
前記係合部は、前記車外側壁部の車両前後方向両端部に前後一対形成されており、
前記被係合部は、前記固定部の車両前後方向両端部に前後一対形成されている、車両用スライドドア開閉装置。
前記ブラケット部は、
前記無端ベルトの車外側面と対向し、前記車外側壁部及び前記係合部が形成された第１ブラケット部（第１ブラケット部６１１）と、
前記無端ベルトの車内側面と対向し、前記第１ブラケット部と係合する、第２ブラケット部（第２ブラケット部６１２）と、を有し、
前記ブラケット部は、前記第１ブラケット部と前記第２ブラケット部とが前記無端ベルトを車両左右方向に挟持することによって、前記無端ベルトに固定されており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部（被係合部８３ａ）が形成されており、
前記係合部は、前記車外側壁部の車両前後方向両端部に前後一対形成されており、
前記被係合部は、前記固定部の車両前後方向両端部に前後一対形成されている、車両用スライドドア開閉装置。
【0123】
（２）によれば、係合部は、第１ブラケット部の車外側壁部の車両前後方向両端部に前後一対形成されており、被係合部は、固定部の前後方向両端部に前後一対形成されているので、固定部は、前後方向両端部でベルト接続具と接続する。これにより、ガイドローラユニットとベルト接続具とをより強固に固定できる。
【0124】
（３） （２）に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記第１ブラケット部は、前記被係合部を車幅方向に挟持することによって、前記被係合部と係合しており、
前記車外側壁部及び前記固定部の一方には、前記車外側壁部及び前記固定部の他方に向かって突出する凸部（凸部６１１ｆ）が設けられており、
前記固定部が前記係合部に係合した状態において、前記凸部は、前記車外側壁部及び前記固定部の前記他方を、車幅方向において前記車外側壁部と前記固定部とが離れる側に押圧する、車両用スライドドア開閉装置
前記第１ブラケット部は、前記被係合部を車幅方向に挟持することによって、前記被係合部と係合しており、
前記車外側壁部及び前記固定部の一方には、前記車外側壁部及び前記固定部の他方に向かって突出する凸部（凸部６１１ｆ）が設けられており、
前記固定部が前記係合部に係合した状態において、前記凸部は、前記車外側壁部及び前記固定部の前記他方を、車幅方向において前記車外側壁部と前記固定部とが離れる側に押圧する、車両用スライドドア開閉装置
【0125】
（３）によれば、固定部が係合部に係合した状態において、凸部は、車外側壁部及び固定部の他方を、車幅方向において車外側壁部と固定部とが離れる側に押圧するので、車外側壁部に生じる反力と、ベルト接続具に固定された無端ベルトの弾性力と、によって、ガイドローラユニットの固定部は、車外側に向かって押圧された状態で、第１ブラケット部に形成された係合部に係合する。これにより、ガイドローラユニットの固定部とベルト接続具の第１ブラケットとを、ガタつきなく接続することができる。
【0126】
（４） （１）に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記係合部は、前記車外側壁部から車外側に延出しており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部（被係合部８３ｂ）が形成されており、
前記被係合部は、前記係合部に係合する係合溝（係合溝８３ｃ）である、車両用スライドドア開閉装置。
前記係合部は、前記車外側壁部から車外側に延出しており、
前記固定部には、前記係合部と係合する被係合部（被係合部８３ｂ）が形成されており、
前記被係合部は、前記係合部に係合する係合溝（係合溝８３ｃ）である、車両用スライドドア開閉装置。
【0127】
（４）によれば、車外側壁部から車外側に延出している係合部と、ガイドローラユニットの固定部に形成された係合溝と、によって、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続することができるので、簡素な構造で、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続することができる。
【0128】
（５） （４）に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記係合溝の前縁部及び後縁部の少なくとも一方には、前記係合溝の前後方向中央に向かって延出する係合爪（係合爪８３ｄ）が設けられている、車両用スライドドア開閉装置。
前記係合溝の前縁部及び後縁部の少なくとも一方には、前記係合溝の前後方向中央に向かって延出する係合爪（係合爪８３ｄ）が設けられている、車両用スライドドア開閉装置。
【0129】
（５）によれば、係合溝の前縁部及び後縁部の少なくとも一方に、係合溝の前後方向中央に向かって延出する係合爪が設けられていることによって、ベルト接続具の係合部と、ガイドローラユニットの固定部とを係合した後に、ベルト接続具の係合部が固定部の係合溝から離脱することを抑制することができる。
【0130】
（６） （４）又は（５）に記載の車両用スライドドア開閉装置であって、
前記係合部は、
前記車外側壁部から車外側に向かって柱状に延出し、前記係合溝に侵入する柱状部（柱状部６２ｂ）と、
前記柱状部の先端部に設けられ、前記柱状部の側面から外側に向かってフランジ状に延出して前記固定部の車外側面と対向する係止部（係止部６２ｃ）と、を有する、車両用スライドドア開閉装置。
前記係合部は、
前記車外側壁部から車外側に向かって柱状に延出し、前記係合溝に侵入する柱状部（柱状部６２ｂ）と、
前記柱状部の先端部に設けられ、前記柱状部の側面から外側に向かってフランジ状に延出して前記固定部の車外側面と対向する係止部（係止部６２ｃ）と、を有する、車両用スライドドア開閉装置。
【0131】
（６）によれば、係合部は、柱状部の側面から外側に向かってフランジ状に延出する係止部を有する上に、ブラケット部に車外側壁部を有するので、係合部の係止部をガイドローラユニットの固定部の車外側面に引っ掛けながら、あるいは固定部の車内側面を車外側壁部に押し当てながら、柱状部を係合溝に侵入させることができる。これにより、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際に、係合部の位置決めが容易となり、ガイドローラユニットとベルト接続具とを接続する際の組付性が向上する。
【符号の説明】
【0132】
２ 車体
８ スライドドア
１０ 車両用スライドドア開閉装置
３０ ベルトガイド
３０ａ 前端部（一端部）
３０ｂ 後端部（他端部）
５０ 無端ベルト
６０ ベルト接続具
６１ ブラケット部
６１ａ 車外側壁部
６１１ 第１ブラケット部
６１１ａ 車外側壁部
６１１ｆ 凸部
６１２ 第２ブラケット部
６２ 係合部
６２ｂ 柱状部
６２ｃ 係止部
７０ ベルト駆動モジュール
８０ｃ センターガイドローラユニット（ガイドローラユニット）
８３ 固定部
８３ａ 被係合部
８３ｂ 被係合部
８３ｃ 係合溝
８３ｄ 係合爪
８ スライドドア
１０ 車両用スライドドア開閉装置
３０ ベルトガイド
３０ａ 前端部（一端部）
３０ｂ 後端部（他端部）
５０ 無端ベルト
６０ ベルト接続具
６１ ブラケット部
６１ａ 車外側壁部
６１１ 第１ブラケット部
６１１ａ 車外側壁部
６１１ｆ 凸部
６１２ 第２ブラケット部
６２ 係合部
６２ｂ 柱状部
６２ｃ 係止部
７０ ベルト駆動モジュール
８０ｃ センターガイドローラユニット（ガイドローラユニット）
８３ 固定部
８３ａ 被係合部
８３ｂ 被係合部
８３ｃ 係合溝
８３ｄ 係合爪
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】