(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124411
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】火災受信機
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
G08B17/00 E
G08B17/00 C
G08B17/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028152
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 知弘
【テーマコード(参考)】
5G405
【Fターム(参考)】
5G405AA06
5G405AB01
5G405AB02
5G405AB03
5G405AB05
5G405AD06
5G405AD07
5G405BA01
5G405CA26
5G405CA51
5G405FA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】連動設定用治具を用いず、更に、連動要因と連動先とを一目で認識することができる火災受信機を提供する。
【解決手段】火災受信機10は、信号線を介して種々の防災装置に接続され、該信号線に接続される該防災装置を連動制御する火災受信機であって、筐体10aと、筐体に設けられ、連動設定として、連動元となる連動要因の信号線を個別に、又は/及び同種の信号線を一括に、連動要因に対応する移報先である連動先に設定可能であり、信号線から信号を受信した際に連動設定で設定された連動先へ移報する制御部14と、連動要因を示す連動要因操作部21と、連動先を示す連動先操作部22と、を表示可能とし、種々の連動要因操作部と、種々の連動先操作部とを用いて連動設定の設定を可能とするとともに、連動要因操作部及び連動先操作部を一覧で表示することを可能とした表示部13と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線を介して種々の防災装置に接続され、該信号線に接続される該防災装置を連動制御する火災受信機であって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、
連動設定として、連動元となる連動要因の前記信号線を個別に、又は/及び同種の前記信号線を一括に、前記連動要因に対応する移報先である連動先に設定可能であり、前記信号線から信号を受信した際に前記連動設定で設定された前記連動先へ移報する制御部と、
前記連動要因を示す連動要因操作部と、前記連動先を示す連動先操作部とを表示可能とし、
種々の前記連動要因操作部と、種々の前記連動先操作部とを用いて前記連動設定の設定を可能とするとともに、前記連動要因操作部及び前記連動先操作部を一覧で表示することを可能とした表示部と、
を備えることを特徴とする火災受信機。
【請求項2】
前記表示部は、液晶であり、
前記連動要因又は/及び前記連動先操作部を選択することで、設定された前記連動設定の前記連動要因又は/及び前記連動先の情報を表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の火災受信機。
【請求項3】
前記表示部上において、前記連動要因操作部を前記連動先操作部へスライド移動することによって、該連動要因操作部に設定された連動要因と、該連動先操作部に設定された連動先とを紐づけ、前記連動設定の設定を可能とする
ことを特徴とする請求項2記載の火災受信機。
【請求項4】
前記表示部は、
前記連動要因操作部又は/及び前記連動先操作部を、種別ごとに表示形態を変更できる
ことを特徴とする請求項2又は3記載の火災受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号線に接続される防災装置を連動制御する火災受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災受信機に信号線を介して種々の防災装置に接続され、信号線に接続される防災装置を連動制御することが知られている。防災装置としては、例えば感知器又は音響装置が挙げられる。火災受信機は、連動設定として、連動要因である信号線を個別又は/及び一括に、連動要因に対応する移報先である連動先に設定可能である。
【0003】
従来、火災受信機の盤面で連動設定が行われる際、特定の符号を組み合わせて設定されるため、現場において設定ミスが発生する原因となっている。また、PC(パーソナルコンピュータ)上で設定を組み、火災受信機にメモリを挿入することによって設定することも可能であるが、PCでの設定画面は、火災受信機の盤面と表示方法が異なる上、別途PCが必要となるため、現場において対応することが困難となる。特に、P型受信機の場合、あまり詳しくない人が連動設定を行うことは難しく、所望の動作を行うように設定することができなかったり設定を間違えたりして、実際の火災時等に想定と異なる動作が行われる懸念がある。また、施工後、取扱説明書を紛失すると、現場において連動設定を行うことができない。
【0004】
特許文献1には、所定の2か所と接触可能な端部を有する導電材を使用して、導電材の一方を連動要因である感知器回線地区回路の共通線接続部に接続し、導電材の他方を感知器回線地区回路の感知器回線接続部及び連動設備機器回路の導通部に接触させて連動設定を行う火災受信機が開示されている。特許文献1は、導電材として、連動設定用治具であるコンタクト用リードピンが使用されている。特許文献1は、連動設定を行う上で、コンタクト用リードピンを用いて直接導通部に接触させることによって、連動設定を簡易に行おうとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された火災受信機は、連動設定用治具を用いる必要があり、また、回路を見ただけでは、連動要因と連動先とを一義的に理解することができない。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、連動設定用治具を用いず、更に、連動要因と連動先とを一目で認識することができる火災受信機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る火災受信機は、信号線を介して種々の防災装置に接続され、該信号線に接続される該防災装置を連動制御する火災受信機であって、筐体と、筐体に設けられ、連動設定として、連動元となる連動要因の信号線を個別に、又は/及び同種の信号線を一括に、連動要因に対応する移報先である連動先に設定可能であり、信号線から信号を受信した際に連動設定で設定された連動先へ移報する制御部と、連動要因を示す連動要因操作部と、連動先を示す連動先操作部とを表示可能とし、種々の連動要因操作部と、種々の連動先操作部とを用いて連動設定の設定を可能とするとともに、連動要因操作部及び連動先操作部を一覧で表示することを可能とした表示部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示部に表示された連動要因操作部と連動先操作部とを用いて連動設定の設定を行うことができる。即ち、連動設定を行う上で、連動設定用治具が不要である。また、表示部は、連動要因操作部と連動先操作部とを一覧で表示することができる。このため、連動設定用治具を用いず、更に、連動要因と連動先とを一目で認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る火災報知設備を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る火災感知器を示す機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る火災受信機を示す機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る表示部を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る表示部を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る表示部における連動設定の解除を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る表示部における連動設定を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る表示部13における連動要因に設定された連動先の表示を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る火災受信機10の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る火災報知設備1を示す模式図である。
図1に示すように、火災報知設備1は、火災を感知して警報を出力するものであり、例えばマンション、ビル地下街等の地下施設等の防火対象物である建築物2に設置される。
図1では、火災報知設備1が地上施設である建築物2に設置された場合について例示している。火災報知設備1は、防災装置3と、防災装置3と信号線7を介して接続された火災受信機10とを有している。ここで、防災装置3は、例えば複数の火災感知器4と、複数の防排煙機器5と、複数の音響装置6とを有している。
【0013】
(火災感知器4)
図2は、本発明の実施の形態1に係る火災感知器4を示す機能ブロック図である。火災感知器4は、例えば建築物2の天井等に設けられており、設置される火災感知器4が監視する防護範囲内で火災を感知した際に信号線7を介して発報信号を火災受信機10に送信するものである。
図2に示すように、火災感知器4は、感知部41、感知器記憶部42、感知器送受信部43、感知器制御部44を有している。感知部41は、設置場所の火災に起因する物理現象(例えば、煙、熱、赤外線放射、紫外線放射、燃焼ガス、等)を検出することによって火災を感知するものである。
【0014】
感知器記憶部42は、感知器制御部44を動作させるためのプログラム及び機器固有の識別子としてのアドレスが格納されている。アドレスは、例えば複数の火災感知器4同士で重複しないように付与された番号からなっている。感知器送受信部43は、火災受信機10に対して信号を送信し、火災受信機10から送信された信号を受信するものであって、感知器制御部44により制御されている。感知器制御部44は、感知器記憶部42に記憶された制御プログラムに従い火災感知器4全体の動作を制御するものである。
【0015】
(防排煙機器5)
防排煙機器5は、例えば防火戸又は防火ダンパである。防火戸は、例えば建築物2の壁面等に設けられるものであり、通常は人の通行が可能であるが、火災時に閉まることによって、他の防護区画に火災が広がることを防止する。防火戸は防火扉とも呼称され、シャッタ形式の場合は防火シャッタとも呼称される。防火ダンパは、例えば建築物2の空気調和又は換気を目的とするダクト(管)の内側に設置されるものである。防火ダンパは、火災時の延焼防止及び熱い空気の噴出を防ぐために取り付けられた羽根状の扉又は板状の扉である。防火ダンパは、ダクトが建築物2の防火区画を貫通する場合に取り付けられる。
【0016】
(音響装置6)
音響装置6は、火災が発生した際に火災が発生した旨を音又は音声によって報知するものである。音響装置6は、例えば非常ベルやスピーカーである。
【0017】
(火災受信機10)
図3は、本発明の実施の形態1に係る火災受信機10を示す機能ブロック図である。火災受信機10は、信号線7を介して種々の防災装置3に接続され、信号線7に接続される防災装置3を連動制御するものである。
図3に示すように、火災受信機10は、筐体10aと、受信手段送受信部11、受信手段記憶部12、表示部13、制御部14、受信手段通信部15、電源部16を備えている。
【0018】
筐体10aは、外郭を構成するものであり、内部に受信手段送受信部11、受信手段記憶部12、制御部14、受信手段通信部15、電源部16が収納されている。筐体10aの前面には、表示部13が設けられている。受信手段送受信部11は、火災感知器4と通信を行うものであって、各火災感知器4に対して信号を送信し、各火災感知器4から送信された信号を受信するものである。受信手段記憶部12は、制御部14を動作させるためのプログラムが記憶されているとともに、各火災感知器4のアドレスが記憶されている。
【0019】
表示部13は、例えば液晶を用いたタッチパネルからなり、火災感知器4が感知した火災に関する情報や火災感知器4の状態等を表示するなど、各種情報を表示する表示部としての機能、さらに、火災受信機10又は火災報知設備1全体に対するオペレータからの操作を受け付けるとともに、作業者が表示部13を直接触れることにより所定の操作ができる操作部としての機能を有する。したがって、表示部13には所定の画面が表示されるとともに、作業者が該画面を触れることにより、制御部14に所定の選択信号が出力される。なお、本実施の形態1では、表示部13がタッチパネルからなる場合について例示しているが、表示部13はタッチパネルに限らず表示装置と操作装置とがそれぞれ設けられているものでもよい。
【0020】
制御部14は、受信手段記憶部12に記憶された制御プログラム等に基づき、受信手段送受信部11、表示部13、受信手段通信部15等、火災受信機10全体又は火災報知設備1全体の動作を制御するものである。
【0021】
ここで、制御部14の機能について詳細に説明する。制御部14は、連動設定として、連動要因である信号線7を個別に、又は/及び同種の信号線7を一括に、連動要因に対応する移報先である連動先に設定可能である。そして、制御部14は、信号線7から信号を受信した際に連動設定で設定された連動先へ移報する。受信手段通信部15は、制御部14に制御されて防排煙機器5及び音響装置6に対して信号を送信する。
【0022】
電源部16は、外部から供給される交流電源を火災受信機10に必要な電源に変換するものであって、二次電池から成る予備電源を備えた予備電源部16aを備えている。そして、停電が生じた場合、予備電源部16aから電源が供給される。なお、予備電源の容量は、少なくとも、所定時間(1時間)の火災監視ができるものであり、火災感知器4が火災を感知した場合には例えば10分間の火災警報動作ができるように規格上定められた容量になっている。
【0023】
図4は、本発明の実施の形態1に係る表示部13を示す模式図である。次に、表示部13について詳細に説明する。
図4に示すように、表示部13は、上端部に複数のタブが設けられ、連動のタブから連動設定を可能としている。また、タブとして、例えば、信号線7の用途を設定する設備区分、音響装置6の鳴動設定を行う音響設定といった項目が設けられており、タブを選択することで、種々の設定用画面へ表示を切り替えることができる。
【0024】
表示部13は、連動設定に用いる連動要因を示す連動要因操作部21と、連動先を示す連動先操作部22とを表示可能である。表示部13は、種々の連動要因操作部21と、種々の連動先操作部22とを用いて連動設定の設定を可能にする。また、表示部13は、連動要因操作部21と連動先操作部22とを一覧表示することを可能とする。さらに、連動要因操作部21又は/及び連動先操作部22を選択することで、設定された連動設定の連動要因又は/及び連動先の情報を表示することも可能である。
【0025】
連動要因操作部21は、連動関係を設定する際に、連動元となる信号線7の一覧(全て)を表示できるようになっており、後述する連動関係の設定を信号線単位で行う。図示の例では、表示部13の下部に設けられており、連動要因となる、個々の回線である信号線7を示したアイコンが表示される。例えば、火災を感知する際等に使用される感知器回線L1、L2、・・・、Ln(以下まとめて、感知器回線Lという)、防排煙機器5の作動を知らせる信号を送信する際に使用される防排煙応答DA1、DA2、・・・、DAn(以下まとめて、防排煙応答DAという)、火災以外の機器の故障等が発生した際に使用される諸表示入力LX1、LX2、・・・、LXn(以下まとめて、諸表示入力LXという)が表示される。
【0026】
連動先操作部22は、図示の例では、表示部13の上部に設けられており、連動要因の移報先を示したアイコンが表示される。例えば、移報先となる区画を示す移報設定F1、F2、・・・、Fn(以下まとめて、移報設定Fという)、防排煙機器5を作動させる際に使用される防排煙D1、D2、・・・、Dn(以下まとめて、防排煙Dという)が表示される。
【0027】
一方、制御部14では、連動要因となる信号線7のうち同一種類の信号線7を、ステータス信号として、一括して制御可能としている。つまり、同一種類の信号線7を一括して連動設定可能とし、例えば、感知器回線Lをすべて連動要因とする場合に、個別に連動設定する必要がなく、ステータス信号として一括して連動設定することが可能である。このステータス信号を、表示部13では、
図4、
図5に示すように、連動要因操作部21の表示を切替可能とする連動要因表示切替部23を表示させ、個別の信号線7の表示と、ステータス信号の表示とを切替可能としている。その際、連動先操作部22の表示は切り替わることなく、連動要因操作部21の表示のみを切替可能としている。ステータス信号は、例えば、火災用の感知器回線Lを一括制御可能としたC-L(火)代表、表示機の音響の鳴動を一括に制御可能とした表示機音響、防排煙連動感知器用の感知器回線Lを一括に制御可能としたC-L(防)代表などが表示される。また、ステータス信号のアイコンとは別に、例えば、ユーザが所望する機能を適宜設定することができるオプション機能を設けることを可能とし、
図5の例では、OP1、などと表示される。
【0028】
ここで、連動設定が行われた後の一連の流れについて説明する。以下では信号線をまとめて記載しているが、いずれも連動設定に対応した信号線が動作するものである。例えば火災感知器4が火災を感知すると、火災受信機10は、その作動した火災感知器4のある感知回線Lが火災となったことを判別する。火災受信機10は、その火災となった感知器回線Lが連動元となっている連動先の機器(音響装置等)を作動させるよう制御信号を送信する。そして、防排煙を感知する機器から信号が送信されると、防排煙連動感知器用の感知器回線Lが作動して、防排煙Dによって防排煙機器5を作動させる。その後、防排煙応答DAによって、防排煙機器5が作動したことが報知される。
【0029】
図6は、本発明の実施の形態1に係る表示部13における連動設定の解除を示す模式図である。次に、連動設定について詳細に説明する。
図6では、連動先の移報接点F6に、連動要因の感知器回線L3が予め設定されている場合について例示する。
図6に示すように、表示部13上において、ユーザは、移報接点F6に設定されている感知器回線L3を押下して、何も表示されていない部分にスライド移動する(
図6の破線矢印)。これにより、連動先の移報接点F6と、連動要因の感知器回線L3との連動設定が解除される。
【0030】
図7は、本発明の実施の形態1に係る表示部13における連動設定を示す模式図である。
図6において、連動先の移報接点F6と、連動要因の感知器回線L3との連動設定が解除された後、連動先の移報接点F6と、連動要因の感知器回線L1との連動設定が設定される場合について例示する。
図7に示すように、表示部13上において、ユーザは、感知器回線L1を押下し、そのまま、移報接点F6から開く枠内へスライド移動する。これにより、連動要因の感知器回線L1と、連動先の移報接点F6とが紐づけされる。このように、表示部13を直接触れて連動要因操作部21を連動先操作部22へスライド移動されることによって、連動要因操作部21に設定された連動要因と、連動先操作部22に設定された連動先とを紐づけたり解除させたりすることができ、特定の符号や別途治具等を用いることなく、容易に連動設定の設定を可能とする。
【0031】
次に、連動設定のステータス表示について説明する。
図7において、表示部13上で連動要因の感知器回線L1と、連動先の移報接点F6とが紐づけされる。この状態で、ユーザが移報接点F6を選択すると、連動要因として感知器回線L1が設定されていることを確認できる。つまり、ユーザは、連動先操作部22を選択することで該連動先操作部22に、どの連動要因が設定されているかを一目で認識することができる。即ち、ユーザは、連動設定後でも容易に設定内容を確認することができるうえ、ユーザ自身で連動設定の内容を記憶しておく必要がない。
【0032】
図8は、本発明の実施の形態1に係る表示部13における連動要因に設定された連動先の表示を示す模式図である。前述では、表示部13上の連動先操作部22を選択することで、設置される連動要因を確認可能としたが、連動要因操作部21を選択することで、設定される連動先を核にすることも可能とする。例えば
図8のように、表示部13に表示される連動要因操作部21であるC-L(火)代表を選択すると、設定される連動先操作部22のアイコンが表示される。これにより、ユーザは、現在、連動先である移報接点F2、移報接点F3、移報接点F4に、連動要因であるC-L(火)代表が設定されていることを一目で認識することができる。
【0033】
なお、表示部13は、連動要因操作部21又は/及び連動先操作部22を、種別ごとに表示形態を変更できる。例えば、連動要因(防災装置3)によって色分け又はアイコン形状を変更することができる。また、火災受信機10の連動設定をPCで行う場合、PCの画面の表示内容と、火災受信機10の表示部13の表示内容とを同一にしておけば、PCでの連動設定も簡便である。
【0034】
本実施の形態1によれば、表示部13に表示された連動要因操作部21と連動先操作部22とを用いて、表示部13を直接触れるようにして連動設定の設定を行うことができる。即ち、連動設定を行う上で、別途機器が不要である。また、表示部13は、連動要因操作部21と連動先操作部22とを一覧で表示することができる。このため、連動設定用治具を用いず、更に、連動要因と連動先とを一目で認識することができる。このように、本実施の形態1の火災受信機10は、連動設定を視覚的及び感覚的に行うことができる。このため、連動設定を理解し易く間違えにくい上、取扱説明書がなくても行うことができる。
【0035】
また、火災受信機10に複数の火災感知器4が信号線7を介して接続され、信号線7を信号線単位で火災監視する火災報知設備1について、更に説明する。火災報知設備1は、火災受信機10の表示部13には、連動設定を行う際、連動元となる感知器信号線が全てアイコン表示される。それと共に、火災受信機10の表示部13には、連動先となる防排煙信号線が全てアイコン表示される。火災報知設備1は、表示部13に表示された感知器信号線及び防排煙信号線のアイコン表示を操作して連動関係を設定することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 火災報知設備、2 建築物、3 防災装置、4 火災感知器、5 防排煙機器、6 音響装置、7 信号線、10 火災受信機、10a 筐体、11 受信手段送受信部、12 受信手段記憶部、13 表示部、14 制御部、15 受信手段通信部、16 電源部、16a 予備電源部、21 連動要因操作部、22 連動先操作部、23 連動要因表示切替部、41 感知部、42 感知器記憶部、43 感知器送受信部、44 感知器制御部。