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特開2023-124447飲食物の酸化抑制具及び飲食物の酸化抑制方法
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  • 特開-飲食物の酸化抑制具及び飲食物の酸化抑制方法 図1
  • 特開-飲食物の酸化抑制具及び飲食物の酸化抑制方法 図2
  • 特開-飲食物の酸化抑制具及び飲食物の酸化抑制方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124447
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】飲食物の酸化抑制具及び飲食物の酸化抑制方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/72 20060101AFI20230830BHJP
   A47G 19/22 20060101ALI20230830BHJP
   A47G 19/12 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B65D85/72 200
A47G19/22 R
A47G19/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028211
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000147198
【氏名又は名称】株式会社成田製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000250144
【氏名又は名称】余合ホーム&モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】成田 秀一
(72)【発明者】
【氏名】余合 繁一
【テーマコード(参考)】
3B001
3E035
【Fターム(参考)】
3B001AA24
3B001BB10
3B001DB20
3E035AA03
3E035AB07
3E035BA04
3E035BB05
3E035BC02
3E035BD04
(57)【要約】
【課題】容器内の液体の飲食物の酸化を抑制する飲食物の酸化抑制具と飲食物の酸化抑制方法を提供する。
【解決手段】液体の飲食物20が収容された容器7内に挿入して使用する風船状の体積変化部材2と、該体積変化部材2に空気を供給する空気供給部3と、容器7内の飲食物20を排出する排出部14を有することを特徴とする飲食物の酸化抑制具。また、前記容器7内に、風船状の体積変化部材2を挿入し、前記空気供給部3により前記体積変化部材2内に空気を供給して、前記体積変化部材2を膨張させることにより、前記飲食物20の液面を上昇させるとともに、前記容器7内における飲食物と接触する空気の容量を減少させることで、前記飲食物の酸化を抑制する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の飲食物が収容された容器内に挿入して使用する風船状の体積変化部材と、
該体積変化部材に空気を供給する空気供給部と、
容器内の飲食物を排出する排出部を有することを特徴とする飲食物の酸化抑制具。
【請求項2】
前記容器内に、風船状の体積変化部材を挿入し、前記空気供給部により前記体積変化部材内に空気を供給して、前記体積変化部材を膨張させることにより、前記飲食物の液面を上昇させるとともに、前記容器内における飲食物と接触する空気の容量を減少させることで、前記飲食物の酸化を抑制することを特徴とする請求項1記載の飲食物の酸化抑制具。
【請求項3】
前記空気供給部により前記体積変化部材内に空気を供給して、前記体積変化部材を膨張させることにより、前記排出部より前記飲食物を排出するようにしたこと特徴とする請求項1又は2記載の飲食物の酸化抑制具。
【請求項4】
前記排出部は、逆流を抑制するとともに、空気の流入を抑制する開閉弁を有していることを特徴とする請求項3記載の飲食物の酸化抑制具。
【請求項5】
飲食物が収容された容器内に、風船状の体積変化部材を挿入し、
該体積変化部材を膨張させることにより、前記飲食物の液面を上昇させるとともに、容器内の空気容量を減少させることを特徴とする飲食物の酸化抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物の酸化抑制具及び飲食物の酸化抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に収容されたワインや日本酒等の酒、ジュース、醤油等の液体調味料等の液体の飲食物は、開封すると酸化により飲食物の品質が劣化してしまうため、空気よりも重い窒素ガスを、容器内に注入し飲食物の表面に窒素ガスの層を形成することにより、飲食物の酸化を抑制することが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の飲食物の酸化抑制方法では、窒素ガスを使用するため、窒素ガスを定期的に補充する必要となり、窒素ガスを定期的に購入する必要があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記従来技術よりも安価に、飲食物の酸化を抑制できる飲食物の酸化抑制具及び飲食物の酸化抑制方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本発明は、飲食物が収容された容器内に挿入して使用する風船状の体積変化部材と、
該体積変化部材に空気を供給する空気供給部と、
容器内の飲食物を排出する排出部を有することを特徴とする飲食物の酸化抑制具である。
【0006】
また、前記容器内に、風船状の体積変化部材を挿入し、前記空気供給部により前記体積変化部材内に空気を供給して、前記体積変化部材を膨張させることにより、前記飲食物の液面を上昇させるとともに、前記容器内における体積変化部材内以外の空気容量を減少させることで、前記飲食物の酸化を抑制するようにしてもよい。
【0007】
また、前記空気供給部により前記体積変化部材内に空気を供給して、前記体積変化部材を膨張させることにより、前記排出部より前記飲食物を排出するようにしてもよい。
【0008】
また、前記排出部は、逆流を抑制するとともに、空気の流入を抑制する開閉弁を有してもよい。
【0009】
また、飲食物が収容された容器内に、風船状の体積変化部材を挿入し、
該体積変化部材を膨張させることにより、前記飲食物の液面を上昇させるとともに、容器内の空気容量を減少させることを特徴とする飲食物の酸化抑制方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、液状の飲食物が収容された容器内に風船状の体積変化部材を挿入し、空気供給部により体積変化部材に空気を供給して膨張させ、容器内の飲食物の液面を上昇させるとともに、容器内における飲食物と接触する空気の容量を減少させたことにより、容易で、かつ、安価に、飲食物が酸化することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例に係る飲食物の酸化抑制具の模式図。
図2】飲食物の酸化抑制具の使用方法を説明するための図。
図3図2の状態から体積変化部材を膨張させた状態の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る飲食物の酸化抑制具1の模式図である。飲食物の酸化抑制具1は、ラテックスやゴム等の伸縮性を有する風船状の体積変化部材2を有する。体積変化部材2の材質として、ワイン、日本酒等の酒や、ジュース等の飲料、醤油等の液体調味料等の飲食物に臭いの移らない分子構造的に安定しているものが用いられ、例えば、ナイロンやポリエチレン等の樹脂や、シリコンゴム等のゴムなどを用いることができる。
【0014】
体積変化部材2は、その内部に、手動又は電動のポンプ又はピストン等の空気供給部3により空気が供給され、空気供給部3により空気が供給されることにより体積が増加し膨張するようになっている。また、体積変化部材2を取り外す、又は、図示しない放出弁を開放することにより、体積変化部材2内の空気が排出され、体積変化部材2の体積が減少するようになっている。
【0015】
空気供給部3から体積変化部材2に空気を供給する流路4には、コック等の第1開閉弁5が設けられている。
【0016】
体積変化部材2は、図1図3に示すように、液体の飲食物が収容された瓶等の容器7内の底部に収納して使用する。容器7の開口部を密閉する栓8が設けられている。流路4が、栓8を貫通するとともに、容器7の内外に亘って設けられている。
【0017】
第2流路10が、栓8を貫通するとともに容器7の内外に亘って設けられている。第2流路10の一端部は、容器7内の上部に開口し、第2流路10の他端部には、排出弁11が設けられている。第2流路10と排出弁11により、容器内の飲食物を排出する排出部14を構成する。本実施例では、排出弁11として手動で開閉できるとともに、逆流を抑制し、かつ、空気の侵入を抑制する開閉弁を用いた。
【0018】
また、第2流路10には、コック等の第2開閉弁16が設けられている。
【0019】
次に、飲食物の酸化抑制具1について説明する。
【0020】
先ず、図2に示すように、容器7内の飲食物20を、飲んだり、使用した後に、飲食物20が収容されている容器7内に、体積変化部材2が底部に位置するまで挿入し、容器7の開口部を栓8で密閉する。
【0021】
次に、図3に示すように、第1開閉弁5、排出弁11、第2開閉弁16を開いた後に、空気供給部3により、体積変化部材2内に空気を供給し、飲食物20の下方で体積変化部材2を膨張させ、容器7内の飲食物の液面を上昇させるともに、容器7内における飲食物20と接触する空気の容量を減少させる。
【0022】
図1に示すように、排出弁11より飲食物20が排出されるまで、体積変化部材2を膨張させて、容器7内の飲食物の液面を栓8と当接するまで上昇させて、容器7内における飲食物20と接触する空気の容量をほぼなくすことができる。
【0023】
次に、第1開閉弁5、排出弁11、第2開閉弁16を閉じれば、容器7内に残存する空気はほぼない状態を維持でき、容器7内の飲食物20が酸化することを抑制し、飲食物20の品質が劣化することを抑制しながら保存できる。また、排出弁11として、逆流を抑制するとともに、空気の侵入を抑制する開閉弁を用いたことにより、容器7内に空気が侵入することを抑制でき、容器7内の飲食物20が酸化することをより抑制できる。
【0024】
本発明の飲食物の酸化抑制具1は、上記従来技術のものと比較して、構造を簡易に構成できるとともに、追加で窒素ガス等を購入する必要がなく、安価に製造することができる。
【0025】
また、飲食物20を再度、取り出す際には、第1開閉弁5、排出弁11、第2開閉弁16を開いた後に、空気供給部3により、体積変化部材2内に空気を供給することで、飲食物20を排出部14である排出弁11より取り出すことができる。
【0026】
容器7内に、体積変化部材2を挿入した後に、膨張させるだけでよいため、様々な容器の形状に対応することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 飲食物の酸化抑制具
2 体積変化部材
3 空気供給部
7 容器
14 排出部
20 飲食物
図1
図2
図3