(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124484
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】縫縮クリップ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/122 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
A61B17/122
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028268
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】506087705
【氏名又は名称】学校法人産業医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】村石 純一
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD02
4C160DD16
4C160DD19
4C160MM32
(57)【要約】
【課題】内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)潰瘍などの縫縮において、ループクリップ内視鏡により、2本のクリップを使用する場合、これらのクリップが適当ではない場合、潰瘍辺縁にクリッピングをしたとしてもナイロンループ自体の距離ができるため、不完全な縫縮となる可能性がある。本発明は、縫縮に適したクリップを提供することを目的とする。
【解決手段】基部21側に取り付けられ、クリップの先端部24側に移動させることができる締付リング3と、締付リング3をクリップの先端が閉じる締付位置に移動させたとき、締付リング3近傍から基部21側に配置されたループ部41と、を有する縫縮クリップ11。ループ部41が、締付位置よりも基部21側のクリップ本体部に取り付けられたものとすることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部側に取り付けられ、クリップの先端部側に移動させることができる締付リングと、
前記締付リングを前記クリップの先端が閉じる締付位置に移動させたとき、締付リング近傍から前記基部側に配置されたループ部と、を有する縫縮クリップ。
【請求項2】
前記ループ部が、前記締付位置よりも基部側のクリップ本体部に取り付けられたものである、請求項1に記載の縫縮クリップ。
【請求項3】
前記ループ部が、前記締付リングに取り付けられたものである、請求項1に記載の縫縮クリップ。
【請求項4】
基部側に取り付けられた紐部を有し、
前記締付リングを、前記締付位置に移動させたとき、前記紐部は前記締付リングの内側に配置され、前記クリップに沿って固定され、前記締付リング近傍に、前記ループ部が形成される請求項1に記載の縫縮クリップ。
【請求項5】
前記ループ部が、直径2~5mmである、請求項1~4のいずれかに記載の縫縮クリップ。
【請求項6】
前記ループ部が、視認しやすい色である、請求項1~5のいずれかに記載の縫縮クリップ。
【請求項7】
前記ループ部が、前記クリップから5mm以内の位置に配置されたものである、請求項1~6のいずれかに記載の縫縮クリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縫縮クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡手術の手技において、様々なクリップも使用されている。内視鏡手術を利用するものの一つである内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)は、食道や胃、十二指腸、大腸などの早期癌などの切除を行う手術方法である。これらの切除後の術部の潰瘍に対して、縫縮クリップで縫縮されている。
【0003】
特許文献1は、クリップと、このクリップに嵌着して装着することにより該クリップを閉成する締付リングと、この締付リング内に挿入可能で、前記クリップと係合する連結部材と、前記クリップと締付リングとを収納可能な導入管と、この導入管内に進退自在に挿通された操作部材と、前記締付リングもしくは導入管の少なくとも一方に設けられ、前記クリップ及び締付リングが前記導入管の前方に突出した際に前記導入管と前記締付リングとを係合させ、該締付リングが導入管内に再度収納されることを禁止する係合手段と、を具備することを特徴とする生体組織のクリップ装置を開示している。
【0004】
特許文献2は、先端に挟持部を有し基端部より延出する両腕部を備える金属製板バネの自己拡開性クリップ本体と、締付リングとからなり、該自己拡開性クリップ本体はクリップ基端部に第一凹部、及び該第一凹部とクリップ先端部との間に第二凹部をそれぞれ有し、該第二凹部はクリップ先端部の板幅より小さい板材とすることで該第二凹部の先端側に段差を設けたものであり、該締付リングは該第一凹部に装着されると共に、第一凹部の装着位置から外力によりスライド移動して該第二凹部に装着されて該クリップ本体の先端の挟持部を閉成する内視鏡を介して生体組織を挟持する用途に用いることを特徴とするクリップを開示している。
【0005】
特許文献3は、外力が作用しない状態で先端側が開脚して配置された一対の第1アーム部、および該第1アーム部の基端側の連結部に外嵌され、先端側にスライドさせることにより該第1アーム部を閉脚させる締め付けリングを有するリングスライド型クリップと、一対の第2アーム部、および該第2アーム部間に設けられ、外力が作用しない状態では該第2アーム部の先端側が近接して閉脚し、該第2アーム部の後端側を互いに近接するように押圧することにより該第2アーム部の先端側が離間して開脚するように付勢する付勢バネ部を備えるピンチ型クリップと、一端が前記リングスライド型クリップに連結され、他端が前記ピンチ型クリップに連結された牽引バネと、を有する内視鏡用牽引クリップを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-191609号公報
【特許文献2】特許第4502134号公報
【特許文献3】特開2020-65637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
内視鏡手術において、特許文献1、2等にも例示されているように、各種の生体組織のクリップ装置が利用されている。また、特許文献3のように、剥離した病変部が切開の邪魔にならないように、病変部に予め牽引力をかけて、剥離した病変部をつり上げながら、病変部全体を切開するという手技に用いられる牽引クリップなども知られている。
【0008】
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、早期悪性腫瘍に対して、病変部を一括切除するための治療法である。胃・十二指腸、食道、大腸の治療は、保険収載され、標準的治療となっている。一方で、術後出血や、遅発性選好などの偶発症が生じる場合がある。この偶発症の予防のために、縫縮術の重要度が増している。
【0009】
ESD切除後の縫縮術の一つとして、留置スネアを用いた巾着縫合術がある。しかし、ESDは通常1チャンネルで行い、巾着縫合は2チャンネルの内視鏡が必要であり、切替が必要となるなど施設や操作の負担が大きい。
【0010】
また、ESDの切除後の術部の潰瘍に対しては、縫縮クリップを用いるループクリップ内視鏡も用いられている。シングルチャンネル内視鏡で使用できる縫縮として、ループクリップ内視鏡は重要である。しかし、ループクリップ内視鏡においても、ループの位置などは十分に検討されておらず、切除後の術部を完全縫縮に適したものが求められている。
【0011】
ESD後潰瘍の縫縮において、ループクリップ内視鏡により、2本のクリップを使用する場合、これらのクリップが適当ではない場合、潰瘍辺縁にクリッピングをしたとしてもナイロンループ自体の距離ができるため、不完全な縫縮となる可能性がある。係る状況下、本発明の目的は、縫縮に適したクリップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0013】
<1> 基部側に取り付けられ、クリップの先端部側に移動させることができる締付リングと、前記締付リングを前記クリップの先端が閉じる締付位置に移動させたとき、締付リング近傍から前記基部側に配置されたループ部と、を有する縫縮クリップ。
<2> 前記ループ部が、前記締付位置よりも基部側のクリップ本体部に取り付けられたものである、前記<1>に記載の縫縮クリップ。
<3> 前記ループ部が、前記締付リングに取り付けられたものである、前記<1>に記載の縫縮クリップ。
<4> 基部側に取り付けられた紐部を有し、前記締付リングを、前記締付位置に移動させたとき、前記紐部は前記締付リングの内側に配置され、前記クリップに沿って固定され、前記締付リング近傍に、前記ループ部が形成される前記<1>に記載の縫縮クリップ。
<5> 前記ループ部が、直径2~5mmである、前記<1>~<4>のいずれかに記載の縫縮クリップ。
<6> 前記ループ部が、視認しやすい色である、<1>~<5>のいずれかに記載の縫縮クリップ。
<7> 前記ループ部が、前記クリップから5mm以内の位置に配置されたものである、<1>~<6>のいずれかに記載の縫縮クリップ。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、縫縮に適したクリップを提供するものである。本発明のクリップは、ループ部が、締付リング近傍から前記基部側に配置されている。このため、例えば、病変を切除した潰瘍辺縁にクリッピングに用いることで、辺縁同士を正確に密につなぎ合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来の締付リングを有する内視鏡用のクリップを示す図である。
【
図2】従来のクリップで止血するためにクリッピングする概要を示す図である。
【
図3】本発明の縫縮クリップの第一の実施形態例を示す図である。
【
図4】縫縮クリップを用いて潰瘍辺縁をクリッピングする概要を示す図である。
【
図5】本発明の縫縮クリップの第二の実施形態例を示す図である。
【
図6】本発明の縫縮クリップの第三の実施形態例を示す図である。
【
図7】本発明の縫縮クリップの第四の実施形態例を示す図である。
【
図8】本発明の縫縮クリップの第五の実施形態例を示す図である。
【
図9】本発明の縫縮クリップの第六の実施形態例を示す図である。
【
図10】本発明の縫縮クリップの第七の実施形態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0017】
[本発明の縫縮クリップ]
本発明の縫縮クリップは、基部側に取り付けられ、クリップの先端部側に移動させることができる締付リングと、前記締付リングを前記クリップの先端が閉じる締付位置に移動させたとき、締付リング近傍から前記基部側に配置されたループ部と、を有する。本発明の縫縮クリップは、内視鏡手術の縫縮に適したクリップである。ループ部を、基部よりに設けることで、縫縮の不完全さが解消され、少ないクリップで縫縮することができる。
【0018】
[内視鏡用のクリップ]
図1は、内視鏡用の一般的なクリップの概要を説明するためのものである。クリップ10は、基部21で接続され、拡幅部22を介して両側に幅が拡がり、腕部23で所定の長さに伸ばし、内向きのかぎ状の先端部24を有している。クリップ10は、
図1(a)に示すように、連結部から外れた状態などでは、締付リング3が基部21側に配置され、拡幅部22が両側に開いた状態である。
【0019】
図1(b)に示すように、操作時は、基部から締付リング3をはめ込んであり、例えば、連結部9を介して、内視鏡に連結されている。連結部9等から押出手段(図示せず)で、締付リング3を先端部24側に押し込むと、拡幅部22が締付リングで拡幅部22が締まり、
図1(c)のように先端部24が近接する閉じた状態となる。
【0020】
図2は、従来のクリップで止血するためにクリッピングする概要を示す図である。
図2(a)に示すように、内視鏡手術で、止血対象の部分が小さい場合などは、止血対象の切断部83の両端となる辺縁81と、辺縁82に、拡幅部が開いた状態の両方の先端部24を置く。そして、
図2(b)に示すように、締付リング3を下げて、先端部24の両側を中央に寄せることで、切断部93を閉じて、止血することができる。手術工程などで、前述の特許文献3のように牽引するときもクリップ10を任意の位置に固定するときも、同様に締付リングで先端部24でしっかりと内皮などを把持することができる。
【0021】
[第一の実施形態(縫縮クリップ11)]
図3は、本発明の縫縮クリップの第一の実施形態例を示す図である。縫縮クリップ11は、潰瘍などを縫縮するためのクリップである。縫縮クリップ11は、基部21と、拡幅部22と、腕部23と、先端部24を有するクリップ本体を有する。また、拡幅部22を締める締付リング3を有する。これらの構成は、前述の
図1に係るクリップ10に準じるものとすることができる。さらに、取付部411により、ループ部41を拡幅部22に取り付けている。
【0022】
図3(a)に示すように、締付リング3は、基部21側に取り付けられ、
図3(b)に示すように、クリップの先端部24側に移動させることができる。ループ部41は、締付リング3をクリップの先端が閉じる締付位置に移動させたとき、締付リング3近傍から基部21側に配置されている。
【0023】
締付位置は、クリップを締め付けるための位置である。締付リング3を、締付リング3の内径よりも広がっている、拡幅部22に移動させると、徐々に拡幅部は内側に寄せられる。締付リング3は、腕部23の手前程度まで移動させれば、十分に締め付けることができて先端部24が寄り把持することができる。この先端部24が把持する位置を、締付位置とする。なお、締付リング3は、クリップを締め付けることができればよく、完全に閉じたリングのみでなく、適宜、ループ部41をすり抜けさせるためのスリットなどを設けておいてもよい。
【0024】
ループ部41は、締付位置よりも基部側のクリップ本体部に取り付けられたものである。縫縮クリップ11において、ループ部41は、拡幅部の中途に設けられている。締付リング3が、拡幅部22と腕部23との連接部付近まで移動したところが、締付位置である。締付リング3が、この締付位置まで移動すると、ループ部41は、締付リング3の内側を通り、締付リング3よりも基部21寄りの位置に配置されたものとなる。
【0025】
図4は、縫縮クリップ11を用いて潰瘍辺縁をクリッピングする概要を示す図である。縫縮クリップ11は、クリップ10のような他のクリップと併用して、内視鏡手術により、比較的大きい止血対象の部分を縫縮するために用いられる。例えば、潰瘍などの大きな組織の切除を行ったときなどに用いられる。
【0026】
図4(a)に示すような、辺縁94、辺縁95間の切断部96を縫縮する例を説明する。まず
図4(b)に示すように、辺縁95に縫縮クリップ11を締付リング3を締め付けて、先端部24を固定する。このとき、ループ部41が、切断部96側に向くように留めるほうが好ましい。
【0027】
次に、
図4(c)に示すように、縫縮クリップ11のループ部41に、他のクリップ10の先端部24の一方を通す。そして、クリップ10を、辺縁94側に引っ張るように移動させるこれにより、ループ部41を介して縫縮クリップ11が固定されている辺縁95を辺縁94側に寄せることができる。そして、
図4(e)に示すように、辺縁94直上までクリップ10を移動させたら、クリップ10を辺縁94に固定させるように下げる。そして、
図4(f)に示すように、締付リングを締付けて辺縁94に固定する。これにより、大きい切断部96も縫縮することができる。
【0028】
本発明の縫縮クリップは、ループ部が、締付リングをクリップの先端が閉じる締付位置に移動させたとき、締付リング近傍から基部側に配置されたものである。このため、縫縮クリップを引き寄せるときのループ部に、他の移動用のクリップの先端部を通しやすく、かつ、縫縮クリップを移動させて、切断部の辺縁がしっかりと近い状態となるように縫縮できる。これにより切断部を十分に閉じた完全縫縮とすることができる。
【0029】
[ループ部]
ループ部は、腕部の先端が通過できる程度のループ径であればよい。このようなループ部として、好ましくは直径2~5mmや、2.5~4.0mm程度のもの等することができる。このようなループ部とすることで、潰瘍などの切断部の辺縁を密に縫合することができる。
【0030】
ループ部は、クリップ本体に取り付けられている。ループ部とクリップの最も近いところの距離が、5mm以内の位置に配置とすることが好ましい。このような距離は辺縁を密に縫合する事にも寄与することができる。また、このようなループ部とすることで、縫合部位の視野を妨げないで手技を行うことができる。
【0031】
クリップはハの字状のアーム部と、これを締め付ける締付リングを有している。締付リングは、はじめ基部にあり、これを、使用時に先端側に移動させて、締め付ける。このとき、ループ部が干渉しないほうが、より操作しやすい。また、クリップを見下ろしたとき、ループの開口が見やすいように取り付ける事で、内視鏡画面からループを確認しやすいものとすることができる。
【0032】
ループ部は、ナイロンや、ポリエチレンフタレート、ポリフッ化エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、生分解性ポリエステル、サプライロン(登録商標)、PTFE/ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトンなどを用いて成形したものを用いることができる。非吸収で、強さや組織反応性が低いナイロンやサプライロン(登録商標)、生分解性ポリエステルの糸を用いてループを形成したものを用いることがより好ましい。また、血液やプラークが付着しにくいように、適宜、表面等にフッ素樹脂加工や、シリコン加工を行ったものを用いることができる。ループ部は、太さ0.1mm~0.2mm程度の、マルチフィラメントやモノフィラメントなどを用いることができる。水分過多環境でも形状が保たれ、細菌が入り込みにくいモノフィラメントを用いることがより好ましい。ループ部は、各実施形態の取付位置に結び付けたり、接合したりして取付けることができる。
【0033】
ループ部は、視認しやすいものとすることが好ましい。例えば、白や、水色、青、黄緑、紫などの色のものが、使用状態で視認性が高いものとなる。彩度と明度が高い水色、青、黄緑がより好ましい。視認性が高いものとすることで、ループ部の太さが細く、ループ部の径が小さい場合でも、術者がストレスなく正確に縫縮することを可能とする。
【0034】
また、本発明の縫縮クリップのように、予めループ部が設けられた状態で、医療用として工業的に製造されることで、手術時間の短縮や、形状のばらつきの解消、清浄度の維持管理にも寄与できる。
【0035】
[第二の実施形態]
図5は、本発明の縫縮クリップの第二の実施形態例を示す図である。縫縮クリップ12は、縫縮クリップ11に準じる構成を有するものである。
図5(a)に示すように、ここではループ部42を、縫縮クリップ11よりもさらに基部21側に取付部421で取り付けており、締付リング3を移動させる前から締付リング3よりも上に設けられている。このような位置のループ部42を有する縫縮クリップ12も、縫縮クリップ11と同様の縫縮をすることができる。
図5(b)に示すように、締付リング3を締付位置に移動させることでクリップを閉じることができる。
【0036】
[第三の実施形態]
図6は、本発明の縫縮クリップの第三の実施形態例を示す図である。縫縮クリップ13は、縫縮クリップ11に準じる構成を有するものである。
図6(a)に示すように、ここでは、ループ部51が、締付リング3に取付部511で取り付けられたものである。締付リング3に取り付けられているため、締付リング3と同時に移動する。ここでは、拡幅部22の側部付近に配置されるものとなる。
図6(b)に示すように、締付リング3を締付位置に移動させることでクリップを閉じることができる。
【0037】
[第四の実施形態]
図7は、本発明の縫縮クリップの第四の実施形態例を示す図である。縫縮クリップ14は、縫縮クリップ13に準じる構成を有するものである。
図7(a)に示すように、ここでは、ループ部52が、締付リング3に取付部521で取り付けられたものである。縫縮クリップ13と同様に、締付リング3に取り付けられているため、締付リング3と同時に移動する。ここでは、クリップの開口面側に設けられている。
図7(b)に示すように、締付リング3を締付位置に移動させることでクリップを閉じることができる。
【0038】
[第五の実施形態]
図8は、本発明の縫縮クリップの第五の実施形態例を示す図である。縫縮クリップ15は、クリップ10に準じる構成である。縫縮クリップ15は、基部側に取付部611で取り付けられた紐部61を有している。紐部61は輪状である。締付リング3を、締付位置に移動させたとき、紐部61は締付リング3の内側に配置され、クリップに沿って固定される。そして締付リング3に沿って、
図8(b)に示すように締付リング3の近傍にループ部610が形成される。
【0039】
[第六の実施形態]
図9は、本発明の縫縮クリップの第六の実施形態例を示す図である。縫縮クリップ16は、縫縮クリップ15に準じる構成である。縫縮クリップ16は、基部に取付部621で取り付けられた紐部62を有しており、予めループとなっているループ部620を有している。締付リング3を、締付位置に移動させたとき、
図9(b)に示すように紐部62がクリップに沿って抑えられ、締付リング3の近傍にループ部620が形成される。
【0040】
[第七の実施形態]
図10は、本発明の縫縮クリップの第七の実施形態例を示す図である。縫縮クリップ17は、縫縮クリップ11に準じる構成である。縫縮クリップ17は、クリップ本体の拡幅部が交差するように配置されているものである。
図10(a)に示すように拡幅部220の交差位置の近くにループ部43が取付部431により取り付けられている。
図10(b)に示すように締付リングを締付位置に移動させたとき、ループ部43は締付リングの基部側にある状態となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、医療機器等に関する物の発明であり、治療方法等に該当しないことは明白であり、産業上有用である。
【符号の説明】
【0042】
10 クリップ
11、12、13、14、15、16、17 縫縮クリップ
21、210 基部
22、220 拡幅部
23、230 腕部
24、240 先端部
3 締付リング
41、42、51、52、610、620、43 ループ部
411、421、511、521、611、621、431 取付部
61 紐部
81、82、84、85 辺縁
83、86 切断部
9 連結部