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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012453
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】エアコンシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20230118BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20230118BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20230118BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20230118BHJP
【FI】
F24F7/06
F24F7/007 B
F24F11/46
F24F11/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111684
(22)【出願日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】110125712
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】500268432
【氏名又は名称】魏榮宗
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】魏榮宗
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD01
3L058BF07
3L260AB15
3L260CA03
3L260CA15
3L260CA17
3L260CA32
3L260CB55
3L260FC03
3L260FC12
(57)【要約】
【課題】外部から空気を導入する機能を持つエアコンシステムの提供。
【解決手段】外壁800の内側に囲まれる室内空間900に対して気体を供給するエアコンシステムであって、温度調整管路20を有し、室内空間900から空気を温度調整管路20内に吸い込み、該温度調整管路20内において温度を調整した空気を室内空間900に送り返す温度調整装置2と、外壁800の外側にある外部空間に直接に連通する第1の空気入口314と、温度調整管路20に直接に連通する第2の空気入口316と、室内空間900に連通する空気出口312と、第1の空気入口314と第2の空気入口316からの空気を空気出口312を経由して室内空間900に送り込む送気ファン34と、を有するように構成された送気装置3と、を備えたことを特徴とするエアコンシステム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁の内側に囲まれる室内空間に対して気体を供給するエアコンシステムであって、
温度調整管路を有し、前記室内空間から空気を前記温度調整管路内に吸い込み、該温度調整管路内において温度を調整した空気を前記室内空間に送り返す温度調整装置と、
前記外壁の外側にある外部空間に直接に連通する第1の空気入口と前記温度調整管路に直接に連通する第2の空気入口と前記室内空間に連通する空気出口とを有するように構成されたサポートウィンドパイプと、前記第1の空気入口と前記第2の空気入口からの空気を前記空気出口を経由して前記室内空間に送り込む送気ファンと、を有するように構成された少なくとも1つの送気装置と、を備えたことを特徴とするエアコンシステム。
【請求項2】
前記サポートウィンドパイプは、
前記第1の空気入口を有し、且つ、前記温度調整管路内に延伸する第1の管部と、
前記第2の空気入口を有し、且つ、前記温度調整管路内に延伸して前記第1の管部に連通する第2の管部と、
前記空気出口を有し、且つ、前記温度調整管路内に延伸して前記第1の管部及び前記第2の管部に連通する第3の管部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項3】
前記温度調整装置は、前記温度調整管路から温度を調整した空気を前記室内空間に送り返す供給開口を有し、
前記第3の管部の前記空気出口は、前記供給開口に隣接するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエアコンシステム。
【請求項4】
前記第2の空気入口は、前記温度調整装置の前記温度調整管路内において空気が流れる方向とは反対の方向に向かって開口するように配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエアコンシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの送気装置は、制御を受けて前記空気出口を遮断できるように前記第3の管部内に配置される第1のバルブを更に有することを特徴とする請求項2に記載のエアコンシステム。
【請求項6】
前記サポートウィンドパイプは、
前記外壁を貫通するように配置されて前記外部空間と前記室内空間の両方を連通し、且つ、前記第1の空気入口及び前記空気出口を有するメイン管部と、
前記第2の空気入口を有し且つ前記温度調整管路に連通すると共に、前記第1の管部に延伸して前記第1の管部に連通する第2の管部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの送気装置は、制御を受けて前記空気出口を遮断できるように前記メイン管部内に配置される第1のバルブを更に有することを特徴とする請求項6に記載のエアコンシステム。
【請求項8】
前記エアコンシステムは、前記送気ファン及び前記第1のバルブをそれぞれ制御可能に構成されている制御ユニットを更に備えたことを特徴とする請求項5または請求項7に記載のエアコンシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの送気装置は、前記室内空間内に人間が居るか否かを感知する人感センサーを更に有し、
前記制御ユニットは、前記人感センサーの感知結果に基づいて前記送気ファン及び前記第1のバルブをそれぞれ制御することを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項10】
前記温度調整装置の前記温度調整管路は、複数の前記室内空間に対して、温度を調整した空気をそれぞれ送り込むことができる複数の供給管を有しており、
また、各前記室内空間に対応して、それぞれ1つの前記送気装置が前記供給管に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項11】
各前記少なくとも1つの送気装置は、各前記室内空間内に人間が居るか否かを感知する人感センサーを更に有し、
前記制御ユニットは、各前記人感センサーの感知結果に基づいて、各前記送気装置がそれぞれ有する前記送気ファン及び前記第1のバルブをそれぞれ制御することを特徴とする請求項10に記載のエアコンシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの送気装置は、前記制御ユニットからの制御を受けて前記第2の空気入口を遮断できるように前記第2の管部内に配置される第2のバルブを更に有することを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項13】
前記エアコンシステムは、前記外部空間に配置されて環境パラメータを検知する外部環境センサーを更に備えており、
前記制御ユニットは、前記外部環境センサーの感知結果に基づいて、前記少なくとも1つの送気装置の前記送気ファンを制御することを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項14】
前記温度調整装置の前記温度調整管路は、複数の前記室内空間に対して、温度を調整した空気をそれぞれ送り込むことができる複数の供給管を有しており、
また、各前記室内空間に空気を送り込む各前記供給管内に、それぞれ1つの前記送気装置が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの送気装置は、前記室内空間に配置されて前記室内空間内の酸素濃度を検知する酸素センサーを更に有し、
前記エアコンシステムは、前記酸素センサーの検知結果に基づいて前記送気ファンを制御する制御ユニットを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの送気装置は、制御を受けて前記第2の空気入口を遮断できるように前記第2の管部内に配置される第2のバルブを更に有し、前記第2のバルブは、開口幅を段階的に調整可能、且つ、開口幅が最小になると前記第2の空気入口を遮断するように構成されており、
前記エアコンシステムは、前記外部空間に配置されて前記外部空間の温度を検知する温度センサーを更に備えており、
前記エアコンシステムは、前記温度センサーにより検知される前記外部空間の温度データに基づいて、前記第2のバルブの前記開口幅を段階的に制御する制御ユニットを更に備えたことを特徴とする請求項2または請求項6に記載のエアコンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアコンシステムに関し、特に、外部から空気を導入する機能を持つエアコンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば特許文献1に記載されたもののように、多くのエアコンディショナー、略してエアコン装置は室内(車内を含む)の空気を熱交換して循環させるのみであり、外気との入れ替えは行われていなく、また通常、エアコン装置の稼働中は室内を密閉にする。従って、長時間の使用により、室内の酸素の濃度が低下し、室内にいる人間の脳の働きが鈍ってしまって、注意力散漫や仕事の能率が落ちる問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第CN111336673A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題点に鑑みて、本発明は外部から空気を導入する機能を持つエアコンシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的に達成すべく、本発明は、外壁の内側に囲まれる室内空間に対して気体を供給するエアコンシステムであって、
温度調整管路を有し、前記室内空間から空気を前記温度調整管路内に吸い込み、該温度調整管路内において温度を調整した空気を前記室内空間に送り返す温度調整装置と、
前記外壁の外側にある外部空間に直接に連通する第1の空気入口と、前記温度調整管路に直接に連通する第2の空気入口と、前記室内空間に連通する空気出口と、前記第1の空気入口と前記第2の空気入口からの空気を前記空気出口を経由して前記室内空間に送り込む送気ファンと、を有するように構成された送気装置と、を備えたことを特徴とするエアコンシステムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
上記構成により、本発明のエアコンシステムは、送気装置を備えることにより、外壁の外側にある外部空間から空気を取り込み空気出口を経由して室内空間に送り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のエアコンシステムの第1の実施形態の一部の構成が示される説明図である。
図2】本発明のエアコンシステムの第1の実施形態において、制御を行う制御ユニットの各部品に対する制御関係が示されるブロック図である。
図3】本発明のエアコンシステムの第2の実施形態の一部構成が示される説明図である。
図4】本発明のエアコンシステムの第3の実施形態の一部構成が示される説明図である。
図5】本発明のエアコンシステムの第4の実施形態の一部構成が示される説明図である。
図6】本発明のエアコンシステムの第5の実施形態の一部構成が示される説明図である。
図7】本発明のエアコンシステムの第5の実施形態において、制御を行う制御ユニットの各部品に対する制御関係が示されるブロック図である。
図8】本発明のエアコンシステムの第6の実施形態の一部構成が示される説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下は図面を参照して本発明のエアコンシステム100の各実施形態について詳しく説明する。
【0009】
図1に本発明のエアコンシステム100の第1の実施形態の構成の一部が示されている。図示のように、本発明のエアコンシステム100の第1の実施形態は、外壁800の内側(図中の右側)に囲まれる室内空間900に対して気体を供給するエアコンシステム100である。
【0010】
ちなみに、室内空間900は建物内部に限らず、例えば自動車の車内空間も室内空間900として適用可能であり、この場合での外壁800は車体となる。
【0011】
本発明のエアコンシステム100の第1の実施形態は、温度調整装置2と、送気装置3と、外部環境センサー4と、制御ユニット5(図2参照)と、温度センサー6(図2参照)を備えているが、制御ユニット5及び温度センサー6を配置する場所については特に限定されていないので、図1では省略されている。
【0012】
図示のように、温度調整装置2は温度調整管路20を有し、この第1の実施形態において、温度調整装置2が有する温度調整管路20は中空に形成されたパイプであり、該中空のパイプには室内空間900に向かって開口する供給開口21が形成されている。そして、温度調整装置2は、室内空間900から空気を温度調整管路20内に吸い込み、該温度調整管路20内において温度を調整した空気を室内空間900に送り返すためのものである。
【0013】
なお、空調設備における温度調整装置は本発明における重点ではないので、ここでは詳述を省く。
【0014】
送気装置3はサポートウィンドパイプ31を有する。サポートウィンドパイプ31は、外壁800の外側(図中の上側)にある外部空間に直接に連通する第1の空気入口314と、温度調整管路20に直接に連通する第2の空気入口316と、室内空間900に連通する空気出口312と、第1の空気入口314と第2の空気入口316からの空気を空気出口312を経由して室内空間900に送り込む送気ファン34と、を有するように構成され、具体的には、この第1の実施形態では、サポートウィンドパイプ31は、第1の空気入口314を有し、且つ、温度調整管路20内に延伸する第1の管部313と、第2の空気入口316を有し、且つ、温度調整管路20内に延伸して第1の管部313に連通する第2の管部315と、空気出口312を有し、且つ、温度調整管路20内に延伸して第1の管部313及び第2の管部315に連通する第3の管部311と、を有している。
【0015】
この第1の実施形態において、送気装置3の第3の管部311の空気出口312は、供給開口21に隣接するように配置されており、そして送気装置3の第2の空気入口316は、温度調整装置2の温度調整管路20内において空気の流れる方向とは反対の方向に向かって開口するように配置されている。
【0016】
また、送気装置3は、サポートウィンドパイプ31及び第3の管部311に配置される上述の送気ファン34の他に、第1の管部313内に配置される温度調整手段32及びフィルタ33と、制御ユニット5からの制御を受けて空気出口312を遮断できるように第3の管部311内に配置される第1のバルブ35と、制御ユニット5からの制御を受けて第2の空気入口316を遮断できるように第2の管部315内に配置される第2のバルブ36と、室内空間900内に配置されて室内空間900内に人間が居るか否かを感知する人感センサー37(図2参照)と、室内空間900に配置されて室内空間900内の酸素濃度を検知する酸素センサー38とを更に有している。
【0017】
温度調整手段32としては、例えばペルティエ素子を用いて、第1の空気入口314から第1の管部313に進入した空気の温度を調整するものであり、フィルタ33はPM2.5とも称される微小粒子状物質などの進入を阻止するために用いられるものである。
【0018】
送気ファン34は第1の空気入口314または第2の空気入口316からの空気を空気出口312を経由して室内空間900に送り込む空気の流れを作るためのものである。第1のバルブ35と第2のバルブ36を設けることにより、送気装置3が作動しないときに空気の流れを遮断することができる。また、第2のバルブ36は、開口幅を段階的に調整可能、且つ、開口幅が最小になると第2の空気入口316を遮断するように構成されることによって、制御ユニット5は、温度センサー6により検知される外部空間の温度データに基づいて、第2のバルブ36の開口幅を段階的に制御することが可能となる。
【0019】
具体的には、制御ユニット5は、温度センサー6により検知される外部空間の温度データの上昇に伴い、第2のバルブ36の開口幅を段階的に大きくするよう制御する。
【0020】
人感センサー37と酸素センサー38とを設けることにより、制御ユニット5は人感センサー37や酸素センサー38の検知結果に基づいて、温度調整装置2もしくは送気装置3の各部品を適切に制御することができる。人感センサー37としては、例えば赤外線センサーや温度センサーを用いることができる。
【0021】
なお、上記温度調整手段32、フィルタ33、送気ファン34、第1のバルブ35、第2のバルブ36、人感センサー37、酸素センサー38に関する具体的構成については、いずれも従来技術を適用することができるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0022】
図2には制御ユニット5の各部品に対する制御関係がブロック図で示されている。図示のように、制御ユニット5は、外部環境センサー4や送気装置3が有する人感センサー37と酸素センサー38、及び温度センサー6の感知結果に基づいて、温度調整装置2のインペラ28、送気装置3が有する温度調整手段32、送気ファン34、第1のバルブ35、第2のバルブ36などの各部品を制御する。
【0023】
例えば、制御ユニット5は、室内空間900内に人間が居るとの人感センサー37の感知結果に基づいて、温度調整装置2及び送気装置3が有する送気ファン34を起動し、且つ第1のバルブ35を開かせるように制御する。
【0024】
具体的には、人感センサー37は室内空間900内に人間が居ると感知すると、人間が居ることを意味する信号を生成し、制御ユニット5は該信号の受信により、送気ファン34を起動する。
【0025】
あるいは、室内空間900に配置される酸素センサー38により室内空間900内の酸素濃度が低下したと検知されると、制御ユニット5は送気ファン34を起動し、もしくは送気ファン34の回転数を上げるように制御することなどができる。
【0026】
なお、制御ユニット5の温度調整装置2や送気装置3、外部環境センサー4などとの接続は電線による電気的に接続に限らず、無線通信による信号的通信に基づく制御も可能である。
【0027】
外部環境センサー4及び温度センサー6は外部空間に配置され、外部空間の温度や湿度、微小粒子状物質の濃度、二酸化炭素の濃度、一酸化炭素の濃度、そのほか毒性物質の濃度などの環境パラメータを検知するためのものであり、外部環境センサー4及び温度センサー6に関する具体的構成については、従来技術を適用することができるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0028】
具体的には、外部環境センサー4により検知される環境パラメータがある空気利用条件に満たさないと判断すると、送気ファン34の作動を停止する。
【0029】
図3は本発明のエアコンシステム100の第2の実施形態の一部の構成が示される説明図である。
【0030】
図示のように、この第2の実施形態において、送気装置3が有するサポートウィンドパイプ31は、第1の空気入口314及び空気出口312を有し、且つ、外壁800を貫通するように配置されて前記外部空間と室内空間900の両方を連通し、且つ、温度調整管路20外に延伸するメイン管部317と、第2の空気入口316を有し、且つ、温度調整管路20に連通するようにメイン管部317に連通する第2の管部315と、を有し、送気ファン34はメイン管部317内に配置されている。
【0031】
すなわち、送気装置3が有するサポートウィンドパイプ31は、温度調整装置2の温度調整管路20を通過するように構成する必要はなく、温度調整装置2から離れた場所を通過するように配置する構成も可能であるので、適用される室内空間900や外壁800の実際の状況に応じて設計できることが示されている。
【0032】
図4は本発明のエアコンシステムの第3の実施形態の一部構成が示される説明図である。図示のように、この第3の実施形態において、温度調整装置2は、温度調整管路20を囲む筐体26と、温度調整管路20内に配置されるインペラ28とを有し、筐体26には空気取込み口27と供給開口21とが形成されている。
【0033】
制御ユニット5により制御されるインペラ28の回転により空気の流れが作られ、この空気の流れによって、室内空間900から空気は筐体26に形成されている空気取込み口27を経由して温度調整管路20内に吸い込まれ、そして該温度調整管路20内において温度を調整した空気を供給開口21を経由して室内空間900に送り返す構成になっている。
【0034】
また、この第3の実施形態において、送気装置3が有するサポートウィンドパイプ31は、第1の実施形態と類似する構成を有しており、すなわち、この第3の実施形態において、送気装置3が有するサポートウィンドパイプ31は、第1の空気入口314を有し、且つ、温度調整管路20内に延伸する第1の管部313と、第2の空気入口316を有し、且つ、温度調整管路20内に延伸して第1の管部313に連通する第2の管部315と、空気出口312を有し、且つ、温度調整管路20内に延伸して第1の管部313及び第2の管部315に連通する第3の管部311と、を有している。
【0035】
この第3の実施形態において、送気装置3の第3の管部311の空気出口312は、温度調整装置2の供給開口21に隣接するように配置されており、そして送気装置3の第2の空気入口316は、温度調整装置2の温度調整管路20内においてインペラ28により作られる空気の流れる方向とは反対の方向に向かって開口し、インペラ28により作られる空気を受け入れるように配置されている。
【0036】
図5は本発明のエアコンシステムの第4の実施形態の一部構成が示される説明図である。図示のように、この第4の実施形態において、送気装置3のサポートウィンドパイプ31は第2の実施形態と類似する構成を有しており、すなわち、この第4の実施形態において、送気装置3が有するサポートウィンドパイプ31は、第1の空気入口314及び空気出口312を有し、且つ、外壁800を貫通するように配置されて前記外部空間と室内空間900の両方を連通し、且つ、温度調整管路20外に延伸するメイン管部317と、第2の空気入口316を有し、且つ、温度調整管路20に連通するようにメイン管部317に連通する第2の管部315と、を有し、送気ファン34はメイン管部317内に配置されている。
【0037】
この構成により、送気装置3はサポートウィンドパイプ31が第2の管部315は第2の空気入口316から空気を取り入れて第1の空気入口314からの外部の空気と共にメイン管部317の空気出口312を経由して900に送り込む構成になっている。
【0038】
図6は本発明のエアコンシステム100の第5の実施形態の構成が示される説明図であり、図7は本発明のエアコンシステム100の第5の実施形態において、制御を行う制御ユニット5の各部品に対する制御関係が示されるブロック図である。
【0039】
図6及び図7に示されているように、本発明のエアコンシステム100は複数の室内空間(部屋)900にも対応可能である。
【0040】
すなわち、本発明のエアコンシステム100の第5の実施形態において、温度調整装置2は、温度調整管路20と、温度調整管路20と連通するように設けられているエアコン本体25と、を有する。
【0041】
温度調整管路20は、複数の室内空間900に対して、エアコン本体25において温度を調整した空気をそれぞれ送り込むことができる複数の供給管23と、各室内空間900からそれぞれ空気を温度調整管路20に取り込む複数の空気取込み管22と、各供給管23とエアコン本体25との間、及び各空気取込み管22とエアコン本体25との間に介在するように構成される連通管24と、を有するように構成されている。この構成により、温度調整装置2はエアコン本体25により冷却もしくは加熱した空気を、各連通管24及び各供給管23を経由して各室内空間900に供給することができる。
【0042】
また、各室内空間900に対応して、各供給管23にそれぞれ1つの送気装置3が配置されている。
【0043】
なお、図6は温度調整管路20と各室内空間900との空気の連通関係が示される説明図であり、実際の場合での各部の大きさの関係を精確に示すものではない。
【0044】
また、図7に示されているように、制御ユニット5は、各室内空間900にそれぞれ配置される外部環境センサー4や送気装置3が有する人感センサー37と酸素センサー38の感知結果に基づいて、各室内空間900にそれぞれ対応する送気装置3が有する温度調整手段32、送気ファン34、第1のバルブ35、第2のバルブ36などの各部品を制御する。
【0045】
なお、図示のように、この第5の実施形態において、各室内空間900にそれぞれ対応する供給管23内には、それぞれ1つの第1の実施形態の送気装置3が配置されており、各送気装置3は、いずれも、第1の空気入口314を有し、且つ、対応する供給管23内に延伸する第1の管部313と、第2の空気入口316を有し、且つ、対応する供給管23内に延伸して第1の管部313に連通する第2の管部315と、空気出口312を有し、且つ、対応する供給管23内に延伸して第1の管部313及び第2の管部315に連通する第3の管部311と、を有し、送気ファン34は第3の管部311内に配置されている。
【0046】
図8は本発明のエアコンシステム100の第6の実施形態の構成が示される説明図である。
【0047】
図示のように、本発明のエアコンシステム100の第6の実施形態は第5の実施形態とほぼ同じ構成を有しながら、各室内空間900にそれぞれ対応する送気装置3は、対応する供給管23内ではなく、供給管23から離れた場所を通過するように第2の実施形態のエアコンシステムが有する送気装置3を配置する構成も可能であるので、適用される室内空間900や外壁800の実際の状況に応じて設計できることが示されている。
【0048】
以上をまとめると、本発明のエアコンシステムは、温度調整装置2の温度調整管路20に連通する送気装置3を配置することにより、外壁800の外側にある外部空間から空気を取り込み空気出口312を経由して室内空間900に送り込むことができるので、密閉状態でのエアコンシステムの長時間の使用により室内空間900の酸素の濃度が低下する問題点を解決することができる。
【0049】
特に、送気装置3は温度調整装置2の温度調整管路20に連通していることにより、外部から取り込む空気の温度は温度調整装置2の調整を受けられるので、室内空間900の温度が送気装置3の作動により急激に上下するような状況を回避することができる。
【0050】
また、制御ユニット5を外部環境センサー4、温度センサー6、人感センサー37や酸素センサー38などのセンサーの検知結果に基づいて温度調整装置2もしくは送気装置3の各部品を適切に制御するように構成することにより、より適切に温度調整装置2もしくは送気装置3を制御することができる。
【0051】
なお、制御ユニット5により行われる制御に関しては、各部品のON/OFFに限らず、例えば第1のバルブ35や第2のバルブ36の開口幅、もしくはインペラ28や送気ファン34の回転数の調整なども制御の対象とし得る。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、特に換気を必要とする空間において用いられる空調設備として有用である。
【符号の説明】
【0054】
100 エアコンシステム
2 温度調整装置
20 温度調整管路
21 供給開口
22 空気取込み管
23 供給管
24 連通管
25 エアコン本体
26 筐体
27 空気取込み口
28 インペラ
3 送気装置
31 サポートウィンドパイプ
311 第3の管部
312 空気出口
313 第1の管部
314 第1の空気入口
315 第2の管部
316 第2の空気入口
317 メイン管部
32 温度調整手段
33 フィルタ
34 送気ファン
35 第1のバルブ
36 第2のバルブ
37 人感センサー
38 酸素センサー
4 外部環境センサー
5 制御ユニット
6 温度センサー
700 外部空間
800 外壁
900 室内空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁の内側に囲まれる室内空間に対して気体を供給するエアコンシステムであって、
温度調整管路を有し、前記室内空間から空気を前記温度調整管路内に吸い込み、該温度調整管路内において温度を調整した空気を前記室内空間に送り返す温度調整装置と、
前記外壁の外側にある外部空間に直接に連通する第1の空気入口と前記温度調整管路に直接に連通する第2の空気入口と前記室内空間に連通する空気出口とを有するように構成されたサポートウィンドパイプと、前記第1の空気入口と前記第2の空気入口からの空気を前記空気出口を経由して前記室内空間に送り込む送気ファンと、を有するように構成された少なくとも1つの送気装置と、を備えたことを特徴とするエアコンシステム。
【請求項2】
前記サポートウィンドパイプは、
前記第1の空気入口を有し、且つ、前記温度調整管路内に延伸する第1の管部と、
前記第2の空気入口を有し、且つ、前記温度調整管路内に延伸して前記第1の管部に連通する第2の管部と、
前記空気出口を有し、且つ、前記温度調整管路内に延伸して前記第1の管部及び前記第2の管部に連通する第3の管部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項3】
前記温度調整装置は、前記温度調整管路から温度を調整した空気を前記室内空間に送り返す供給開口を有し、
前記第3の管部の前記空気出口は、前記供給開口に隣接するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエアコンシステム。
【請求項4】
前記第2の空気入口は、前記温度調整装置の前記温度調整管路内において空気が流れる方向とは反対の方向に向かって開口するように配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエアコンシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの送気装置は、制御を受けて前記空気出口を遮断できるように前記第3の管部内に配置される第1のバルブを更に有することを特徴とする請求項2に記載のエアコンシステム。
【請求項6】
前記サポートウィンドパイプは、
前記外壁を貫通するように配置されて前記外部空間と前記室内空間の両方を連通し、且つ、前記第1の空気入口及び前記空気出口を有するメイン管部と、
前記第2の空気入口を有し且つ前記温度調整管路に連通すると共に、前記メイン管部に延伸して前記メイン管部に連通する第2の管部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの送気装置は、制御を受けて前記空気出口を遮断できるように前記メイン管部内に配置される第1のバルブを更に有することを特徴とする請求項6に記載のエアコンシステム。
【請求項8】
前記エアコンシステムは、前記送気ファン及び前記第1のバルブをそれぞれ制御可能に構成されている制御ユニットを更に備えたことを特徴とする請求項5または請求項7に記載のエアコンシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの送気装置は、前記室内空間内に人間が居るか否かを感知する人感センサーを更に有し、
前記制御ユニットは、前記人感センサーの感知結果に基づいて前記送気ファン及び前記第1のバルブをそれぞれ制御することを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項10】
前記温度調整装置の前記温度調整管路は、複数の前記室内空間に対して、温度を調整した空気をそれぞれ送り込むことができる複数の供給管を有しており、
また、各前記室内空間に対応して、それぞれ1つの前記送気装置が前記供給管に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項11】
各前記少なくとも1つの送気装置は、各前記室内空間内に人間が居るか否かを感知する人感センサーを更に有し、
前記制御ユニットは、各前記人感センサーの感知結果に基づいて、各前記送気装置がそれぞれ有する前記送気ファン及び前記第1のバルブをそれぞれ制御することを特徴とする請求項10に記載のエアコンシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの送気装置は、前記制御ユニットからの制御を受けて前記第2の空気入口を遮断できるように前記第2の管部内に配置される第2のバルブを更に有することを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項13】
前記エアコンシステムは、前記外部空間に配置されて環境パラメータを検知する外部環境センサーを更に備えており、
前記制御ユニットは、前記外部環境センサーの感知結果に基づいて、前記少なくとも1つの送気装置の前記送気ファンを制御することを特徴とする請求項8に記載のエアコンシステム。
【請求項14】
前記温度調整装置の前記温度調整管路は、複数の前記室内空間に対して、温度を調整した空気をそれぞれ送り込むことができる複数の供給管を有しており、
また、各前記室内空間に空気を送り込む各前記供給管内に、それぞれ1つの前記送気装置が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの送気装置は、前記室内空間に配置されて前記室内空間内の酸素濃度を検知する酸素センサーを更に有し、
前記エアコンシステムは、前記酸素センサーの検知結果に基づいて前記送気ファンを制御する制御ユニットを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のエアコンシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの送気装置は、制御を受けて前記第2の空気入口を遮断できるように前記第2の管部内に配置される第2のバルブを更に有し、前記第2のバルブは、開口幅を段階的に調整可能、且つ、開口幅が最小になると前記第2の空気入口を遮断するように構成されており、
前記エアコンシステムは、前記外部空間に配置されて前記外部空間の温度を検知する温度センサーを更に備えており、
前記エアコンシステムは、前記温度センサーにより検知される前記外部空間の温度データに基づいて、前記第2のバルブの前記開口幅を段階的に制御する制御ユニットを更に備えたことを特徴とする請求項2または請求項6に記載のエアコンシステム。