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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124562
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】電力システム及び検出方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20230830BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20230830BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230830BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230830BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20230830BHJP
   B60L 53/60 20190101ALI20230830BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J1/00 309W
H02J1/00 309N
H02J1/00 306L
H02J7/00 B
H02J1/00 309Q
H02J7/35 K
H02J7/00 P
H02J3/38 130
B60L55/00
B60L53/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028388
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】嶋本 啓
【テーマコード(参考)】
5G066
5G165
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G066AA10
5G066HA13
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G165AA03
5G165BB04
5G165BB06
5G165BB11
5G165DA06
5G165DA07
5G165DA08
5G165EA02
5G165EA03
5G165EA06
5G165HA01
5G165HA07
5G165HA09
5G165HA16
5G165JA07
5G165JA09
5G165LA01
5G165LA03
5G165MA01
5G165MA02
5G165NA10
5G503AA01
5G503AA04
5G503AA06
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CC08
5G503DA07
5G503FA03
5G503FA06
5G503FA07
5G503GB01
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD04
5H125AA01
5H125AC11
5H125AC24
5H125BC24
5H125BE01
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】 外部電源と接続するためのケーブルの誤接続を適切に検出する電力システム及び検出方法を提供する。
【解決手段】 電力システムは、外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器と、前記直流電力を交流電力に変換する第2変換器と、電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電力系統から供給される交流電力に関する値、前記第1変換器から出力される直流電力に関する値及び前記第2変換器から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減が特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器と、
前記直流電力を交流電力に変換する第2変換器と、
電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記電力系統から供給される交流電力に関する値、前記第1変換器から出力される直流電力に関する値及び前記第2変換器から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減が特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、電力システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記施設が前記電力系統と連系する連系状態において、前記電力系統から供給される交流電力に関する値の増減が前記特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1変換器から出力される直流電力が流れる直流電力線に接続される特定分散電源が設置される場合に、前記特定分散電源が停止している期間において、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する手順を実行する、請求項1又は請求項2に記載の電力システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記施設が前記電力系統と連系する連系状態において、前記電力系統から供給される交流電力に関する値の増減及び前記第1変換器から出力される直流電力に関する値の増減が前記特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、請求項3に記載の電力システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記施設が前記電力系統から解列される解列状態において、前記第2変換器から出力される交流電力に関する値の増減が前記特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1変換器から出力される直流電力が流れる直流電力線に接続される特定分散電源が設置される場合に、前記特定分散電源が停止している期間において、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する手順を実行し、
前記特定分散電源は、前記第1変換器から出力される直流電力が流れる直流電力線に接続される蓄電装置以外の分散電源である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記施設が前記電力系統から解列される解列状態において、前記第2変換器から出力される交流電力に関する値の増減及び前記第1変換器から出力される直流電力に関する値の増減が前記特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、請求項6に記載の電力システム。
【請求項8】
前記第1変換器から出力される直流電力は、前記第1変換器から出力される直流電力が交流電力に変換されることなく、蓄電装置の充電に用いられる、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項9】
前記外部電源は、電気車両に搭載される車載蓄電装置である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項10】
外部電源から出力される交流電力を第1変換器によって直流電力に変換するステップAと、
前記直流電力を第2変換器によって交流電力に変換するステップBと、
電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップCと、を備え、
前記ステップCは、前記電力系統から供給される交流電力に関する値、前記第1変換器から出力される直流電力に関する値及び前記第2変換器から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減が特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップを含む、検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力システム及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の需給バランスの安定化のために蓄電装置を利用する技術(例えば、VPP; Virtual Power Plant)が注目を集めている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、施設は、施設内の交流配線から交流電力を供給するためのソケット(以下、屋外ソケット)を有する。例えば、屋外ソケットは、施設の屋外に電力を供給可能な位置(例えば、建物の外壁)に設置される屋外ソケットなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/041010号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2016/084396号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者等は、電気車両(EV)などの外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する変換器を利用することによって、直流電力を有効に利用することに着目した。例えば、直流電力は、蓄電装置の充電に用いられてもよい。このようなケースにおいて、外部電源から出力される交流電力は、外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する変換器に接続されたコネクタを介して供給されてもよい。
【0006】
しかしながら、外部電源から交流電力を供給するためのコネクタの形状は屋外ソケットの形状と同じであることが想定され、外部電源とコネクタを接続するためのケーブルが屋外ソケットに接続される誤接続が想定される。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、外部電源と接続するためのケーブルの誤接続を適切に検出する電力システム及び検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の一態様は、外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器と、前記直流電力を交流電力に変換する第2変換器と、電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電力系統から供給される交流電力に関する値、前記第1変換器から出力される直流電力に関する値及び前記第2変換器から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減が特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、電力システムである。
【0009】
開示の一態様は、外部電源から出力される交流電力を第1変換器によって直流電力に変換するステップAと、前記直流電力を第2変換器によって交流電力に変換するステップBと、電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップCと、を備え、前記ステップCは、前記電力系統から供給される交流電力に関する値、前記第1変換器から出力される直流電力に関する値及び前記第2変換器から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減が特定パターンとして検出される場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップを含む、検出方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外部電源と接続するためのケーブルの誤接続を適切に検出する電力システム及び検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る電力システム1を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る誤接続を説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る誤接続を説明するための図である。
図4図4は、実施形態に係る検出方法を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る検出方法を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る検出方法を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る検出方法を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る検出方法を示す図である。
図9図9は、変更例1に係る電力システム1を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0013】
[実施形態]
(電力システム)
以下において、実施形態に係る電力システムについて説明する。図1に示すように、電力システム1は、太陽電池装置(以下、PV)110と、蓄電装置(以下、BT)120と、電気車両(以下、EV)130と、負荷140と、計測装置150と、を有する。電力システム1は、PCS(Power Conditioning System)200と、分電盤300と、を有する。電力システム1は、コネクタ400と、電力ソケット500と、を有する。
【0014】
特に限定されるものではないが、PV110、BT120、負荷140、PCS200、分電盤300、コネクタ400及び電力ソケット500は、施設を構成する建物の内側又は外側に設置されてもよい。EV130は、施設の敷地内に駐車可能であってもよい。
【0015】
PV110は、太陽光などの光に応じて発電をする分散電源である。例えば、PV110は、太陽光パネルによって構成される。実施形態では、PV110は、変換器210に接続され、変換器230から出力される直流電力が流れる直流電力線200Xに変換器210を通じて接続される特定分散電源の一例である。特定分散電源は、PV110及び変換器210を含むと考えてもよい。
【0016】
BT120は、電力の充電及び電力の放電をする分散電源である。例えば、BT120は、蓄電セルによって構成される。BT120は、EV130に搭載される蓄電装置と区別するために、定置蓄電装置と称されてもよい。実施形態では、BT120は、変換器220に接続され、変換器230から出力される直流電力が流れる直流電力線200Xに変換器220を通じて接続される特定分散電源の一例である。特定分散電源は、BT120及び変換器220を含むと考えてもよい。但し、BT120は、電力系統11から施設が解列された解列状態において特定分散電源に含まれないと考えてもよい。
【0017】
EV130は、蓄電装置を有しており、蓄電装置から出力される電力によって駆動する車両である。実施形態では、EV130に搭載される蓄電装置は、外部電源の一例である。以下において、EV130に搭載される蓄電装置は、BT130と称されてもよい。BT130は、BT120と区別するために、車載蓄電装置と称されてもよい。
【0018】
負荷140は、電力を消費する機器である。負荷140は、映像機器、音響機器、冷蔵庫、洗濯機、エアーコンディショナ、パーソナルコンピュータなどを含んでもよい。負荷140は、施設内の交流配線300Xによって分電盤300と電気的に接続される。交流配線300Xは、宅内配線300Xと称されてもよい。
【0019】
計測装置150は、電力系統11から施設への潮流電力(交流電力)を計測する。計測装置150は、施設から電力系統11への逆潮流電力(交流電力)を計測してもよい。計測装置150は、施設から電力系統11への逆潮流電力を防止するための逆潮防止センサであってもよい。
【0020】
PCS200は、PV110、BT120及びBT130に対応するパワーコンディショナである。具体的には、PCS200は、変換器210と、変換器220と、変換器230と、変換器240と、制御部250と、スイッチ群(スイッチ261~スイッチ263、スイッチ271~スイッチ273)と、を有する。
【0021】
変換器210は、PV110から出力される直流電力の電圧を変換する。変換器210は、片方向DC/DCコンバータと称されてもよい。
【0022】
変換器220は、BT120から出力される直流電力の電圧を変換する。変換器220は、変換器210、変換器230及び変換器240から出力される直流電力の電圧を変換する。変換器220は、双方向DC/DCコンバータと称されてもよい。
【0023】
変換器230は、コネクタ400から入力される交流電力を直流電力に変換する。変換器230は、AC/DCコンバータと称されてもよい。実施形態では、コネクタ400とBT130とが正しく接続されている場合に、変換器230は、BT130から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器を構成する。
【0024】
特に限定されるものではないが、変換器230は、変換器210、変換器220又は変換器240から出力される直流電力を交流電力に変換する機能を有していてもよい。このようなケースにおいて、変換器230は、双方向インバータと称されてもよい。
【0025】
変換器240は、変換器210、変換器220又は変換器230から出力される直流電力を交流電力に変換する。変換器240は、電力系統11から供給される交流電力を直流電力に変換する。変換器240は、双方向インバータと称されてもよい。実施形態では、変換器240は、変換器230から出力される直流電力を交流電力に変換する第2変換器を構成する。
【0026】
ここで、変換器210、変換器220、変換器230及び変換器240は、直流電力が流れる直流電力線200Xによって電気的に接続される。直流電力線200Xは、DCリンク部200Xと称されてもよい。
【0027】
制御部250は、PCS200を制御する。制御部250は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された2以上の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(Discrete Circuits)など)によって構成されてもよい。
【0028】
例えば、制御部250は、変換器220、変換器230及び変換器240と信号線によって接続されていてもよい。信号線は、有線であっても、無線であってもよい。制御部250は、変換器220、変換器230及び変換器240に対して制御コマンドを送信してもよい。制御部250は、変換器220、変換器230及び変換器240から各種情報を取得してもよい。
【0029】
実施形態では、制御部250は、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する制御部を構成する。制御部250は、電力系統11から供給される交流電力に関する値、変換器230から出力される直流電力に関する値及び変換器240から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する。誤接続の検出の詳細については後述する。
【0030】
特に限定されるものではないが、制御部250は、PCSの筐体内に設置されるコントローラであってもよく、PCSの筐体外に設置されるコントローラであってもよい。制御部250は、PCS200とは別体として設置される装置(例えば、EMS; Energy Management System)であってもよい。
【0031】
スイッチ261は、PV110と変換器210との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ262は、BT120と変換器220との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ263は、コネクタ400と変換器230との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。
【0032】
スイッチ271は、後述するELB310(電力系統11)と変換器240との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ272は、後述する施設内ブレーカ320と変換器240との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ273は、施設が電力系統11と連系された連系状態と施設が電力系統11から解列された解列状態とを切り替えるスイッチである。
【0033】
分電盤300は、ELB(Earth Leakage Breaker)310と、施設内ブレーカ320と、を有する。
【0034】
ELB310は、漏電が発生した場合に、漏電を遮断するブレーカである。ELB310は、電力系統11と電気的に接続される。ELB310は、漏電ブレーカと称されてもよい。
【0035】
施設内ブレーカ320は、宅内配線300Xの電流が閾値を超えた場合に、宅内配線300Xを遮断するブレーカである。施設内ブレーカ320は、宅内配線300Xに接続される。施設内ブレーカ320は、安全ブレーカと称されてもよく、サーキットブレーカと称されてもよい。
【0036】
コネクタ400は、PCS200(具体的には、変換器230)に電気的に接続されるインタフェースである。コネクタ400は、BT130とPCS200とを接続するためのケーブル611の一端を構成するコネクタ612が差し込まれる接続インタフェースである。ケーブル611の他端を構成するプラグ613は、BT130に電気的に接続された電力ソケットに差し込まれる。実施形態では、コネクタ400は、BT130から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースを構成する。
【0037】
特に限定されるものではないが、コネクタ400は、施設を構成する建物の外壁に配置されてもよい。
【0038】
ここで、コネクタ612は、コネクタ400と接続可能な形状を有していればよい。従って、コネクタ612は、汎用的なプラグ(例えば、A型プラグ)の形状を有していなくてもよく、PCS200に専用の形状を有していてもよい。一方で、プラグ613は、EV130などが有する汎用的な電力ソケットに差込可能な形状を有しており、汎用的なプラグ(例えば、A型プラグ)の形状を有してもよい。
【0039】
電力ソケット500は、宅内配線300Xに電気的に接続されるインタフェースである。負荷140Xを接続するためのケーブル711の一端を構成するプラグ713が差し込まれる接続インタフェースである。ケーブル711の他端は、負荷140Xに電気的に接続される。負荷140Xは、電力ソケット500に接続され得る負荷であり、上述した負荷140と便宜的に区別する。実施形態では、電力ソケット500は、宅内配線300Xから交流電力を供給するための第1電力インタフェースを構成する。
【0040】
特に限定されるものではないが、電力ソケット500は、施設を構成する建物の外壁に配置されてもよい。電力ソケット500は、施設を構成する建物の外壁においてコネクタ400の近傍に配置されてもよい。
【0041】
ここで、プラグ713は、汎用的な電力ソケット500に差込可能な形状を有しており、汎用的なプラグ(例えば、A型プラグ)の形状を有してもよい。すなわち、ケーブル711のプラグ713は、ケーブル611のプラグ613と同様の形状を有していてもよい。
【0042】
以上説明したように、実施形態では、電力システム1は、変換器220とDCリンク部200Xによって接続された変換器230及びコネクタ400を有するため、コネクタ400とBT130とをケーブル611によって接続することによって、BT130からBT120への充電が実現される。すなわち、変換器230から出力される直流電力は、変換器230から出力される直流電力が交流電力に変換されることなく、BT120の充電に用いられる。
【0043】
また、電力システム1は、変換器240とDCリンク部200Xによって接続された変換器230及びコネクタ400を有するため、コネクタ400とBT130とをケーブル611によって接続することによって、BT130から宅内配線300Xへの電力供給が実現される。
【0044】
(誤接続)
以下において、実施形態に係る誤接続について説明する。上述したように、ケーブル611のプラグ613は、電力ソケット500に差し込まれ得るプラグ713と同じ形状を有する。従って、ケーブル611のプラグ613が電力ソケット500に差し込まれる誤接続、すなわち、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を想定する。
【0045】
特に限定されるものではないが、ケーブル611がPCS200(又は、BT120)の駆動電力を供給するためのケーブルであると勘違いされ、PCS200(又は、BT120)の駆動電力を電力ソケット500から得ようとするケースなどが想定されてもよい。
【0046】
第1に、施設が電力系統11と連系された連系状態における誤接続について、図2を参照しながら説明する。図2に示すように、ケーブル611のコネクタ612がコネクタ400と接続され、ケーブル611のプラグ613が電力ソケット500に差し込まれる。ここでは、説明の簡略化のために、PV110及びBT120の動作が停止しているケースにおいて、電力変換に伴う損失がないものとして説明する。
【0047】
(1A)電力系統11から負荷140に対して負荷電力(例えば、1kW)が供給される。
【0048】
(1B)変換器230は、ケーブル611を介して交流電力の波形を検出するため、BT130から電力が供給されていると誤認する。変換器230は、コネクタ400から引込電力(例えば、0.5kW)を引き込み、引込電力(交流電力)を直流電力に変換し、直流電力をDCリンク部200Xに出力する。
【0049】
(1C)電力系統12から供給される潮流電力が負荷電力及び引込電力の合計(例えば、1.5kW)に対して不足するため、潮流電力が増加する。
【0050】
(1D)PCS200の変換器240が交流電力(例えば、0.5kW)を出力する。変換器240が出力する交流電力の増加に応じて、電力系統12から施設に供給される潮流電力が減少する。
【0051】
(1E)コネクタ400から引き込む引込電力が減少するため、DCリンク部200Xの電圧(例えば、変換器230の出力端の電圧)が閾値(例えば、320V)よりも減少する。閾値は、上限(例えば、375V)及び下限(例えば、305V)で定義される範囲で表されてもよい。例えば、DCリンク部200Xの電圧が下限(例えば、305V)よりも減少する。
【0052】
(1F)PCS200の変換器240が出力する交流電力が減少する。変換器240が出力する交流電力の減少に応じて、電力系統12から施設に供給される潮流電力が増加する。
【0053】
(1G)以降において、上述した(1B)~(1F)の動作(すなわち、引込電力の増加、変換器240の出力電力の増加、潮流電力の減少、引込電力の減少、DCリンク部200Xの電圧の減少、変換器240の出力電力の減少、潮流電力の増加、DCリンク部200Xの電圧の増加)が繰り返される。例えば、上述した(1B)~(1F)の動作は、所定期間(3msec)内において生じる。
【0054】
以上説明したように、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じても、誤接続が検出されることなく運転が継続する。一方で、上述した説明では、電力変換に伴う損失がないものとしたが、実際には電力変換に伴う損失が生じる。従って、変換器240を介した電力のループによって、変換器230及び変換器240における不必要な電力変換に伴う損失が生じ続ける。上述した誤接続を放置することは、電力の節約という観点で不適切である。
【0055】
第2に、施設が電力系統11から解列された解列状態における誤接続について、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、ケーブル611のコネクタ612がコネクタ400と接続され、ケーブル611のプラグ613が電力ソケット500に差し込まれる。ここでは、説明の簡略化のために、PV110の動作が停止しているケースにおいて、電力変換に伴う損失がないものとして説明する。
【0056】
(2A)変換器220は、BT120から出力される直流電力の電圧を変換し、直流電力をDCリンク部200Xに出力する。変換器240は、直流電力を交流電力に変換し、交流電力を出力する。従って、PCS200から負荷140に対して負荷電力(例えば、1kW)が供給される。
【0057】
(2B)変換器230は、ケーブル611を介して交流電力の波形を検出するため、BT130から電力が供給されていると誤認する。変換器230は、コネクタ400から引込電力(例えば、0.5kW)を引き込み、引込電力(交流電力)を直流電力に変換し、直流電力をDCリンク部200Xに出力する。
【0058】
(2C)PCS200の出力電力(交流電力)が負荷電力及び引込電力の合計(例えば、1.5kW)に対して不足するため、DCリンク部200Xの電圧(例えば、変換器230の出力端の電圧)が閾値(例えば、320V)よりも減少する。閾値は、上限(例えば、375V)及び下限(例えば、305V)で定義される範囲で表されてもよい。例えば、DCリンク部200Xの電圧が下限(例えば、305V)よりも減少する。
【0059】
(2D)変換器220は、DCリンク部200Xの電圧の減少に応じて、変換器220の出力電力を増加する。従って、DCリンク部200Xの電圧が増加する。
【0060】
(2E)変換器230は、DCリンク部200Xの電圧の増加に応じて、コネクタ400から引き込む引込電力を増加する。引込電力の増加幅は、所定幅(例えば、0.5kW)であってもよい。
【0061】
(2F)以降において、上述した(2B)~(2E)の動作(すなわち、引込電力の増加、変換器240の出力電力の増加、DCリンク部200Xの電圧の減少、変換器220の出力電力の増加、DCリンク部200Xの電圧の増加)が繰り返される。例えば、上述した(2B)~(2E)の動作は、所定期間(3msec)内において生じる。
【0062】
(2G)変換器240の出力電力が最大定格電力(例えば、5kW)に達すると、変換器230は、引込電力の増加を停止する。
【0063】
以上説明したように、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じても、誤接続が検出されることなく運転が継続する。一方で、上述した説明では、電力変換に伴う損失がないものとしたが、実際には電力変換に伴う損失が生じる。従って、変換器240を介した電力のループによって、変換器230及び変換器240における不必要な電力変換に伴う損失が生じ続ける。上述した誤接続を放置することは、電力の節約という観点で不適切である。
【0064】
(検出方法)
以下において、誤接続の検出方法について説明する。以下においては、制御部250の動作について主として説明する。
【0065】
図4に示すように、ステップS11において、制御部250は、特定パターンが検出されたか否かを判定する。制御部250は、所定期間(3msec)内に特定パターンが生じるか否かを判定してもよい。制御部250は、所定期間(3msec)内に生じる特定パターンが所定回数に亘って繰り返されるかを判定してもよい。制御部250は、特定パターンが検出された場合に、ステップS12の処理を実行する。制御部250は、特定パターンが検出されない場合に、一連の処理を終了する。
【0066】
特定パターンは、電力系統11から供給される交流電力に関する値、変換器230から出力される直流電力に関する値及び変換器240から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減によって定義される。
【0067】
ステップS12において、制御部250は、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する。制御部250は、誤接続が生じている旨をユーザに通知してもよい。
【0068】
ここで、誤接続の検出に用いる特定パターンの検出としては、以下に示すオプションが考えられる。
【0069】
(オプション1)
オプション1では、連系状態における誤接続の検出方法について説明する。オプション1では、特定パターンは、電力系統11から供給される交流電力に関する値によって定義される。
【0070】
図5に示すように、ステップS21において、制御部250は、電力系統11から供給される潮流電力の増加を検出する。交流電力は、計測装置150によって計測されてもよい。交流電力は、変換器240の出力端側に配置される計測装置によって測定されてもよい。
【0071】
ステップS22において、制御部250は、電力系統11から供給される潮流電力の減少を検出する。
【0072】
ステップS23において、制御部250は、ステップS21及びステップS22が特定パターンとして検出されるか否かを検出する。制御部250は、所定期間(3msec)内に生じる特定パターンが所定回数に亘って繰り返されるかを判定してもよい。
【0073】
上述したように、オプション1では、制御部250は、連系状態において、電力系統11から供給される潮流電力に関する値の増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0074】
オプション1では、PV110及びBT120の動作が停止していない期間において誤接続の検出が実行されてもよい。但し、PV110及びBT120の動作が停止している期間において誤接続の検出が実行されてもよい。
【0075】
(オプション2)
オプション2では、連系状態における誤接続の検出方法について説明する。オプション2では、特定パターンは、電力系統11から供給される交流電力に関する値及び変換器230から出力される直流電力に関する値によって定義される。ここでは、変換器230から出力される直流電力として、DCリンク部200Xの電圧(以下、DCリンク電圧)が用いられるケースについて例示する。
【0076】
図6に示すように、ステップS31において、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続に伴って引込電力が増加する。すなわち、変換器230は、BT130から電力が供給されていると誤認する。制御部250は、引込電力の増加を検出してもよく、引込電力の増加を検出しなくてもよい。引込電力は、変換器230によって検出されてもよい。
【0077】
ステップS32において、引込電力の増加に伴って変換器240の出力電力が増加する。制御部250は、変換器240の出力電力の増加を検出してもよく、変換器240の出力電力の増加を検出しなくてもよい。出力電力は、変換器240によって検出されてもよい。
【0078】
ステップS33において、変換器240の出力電力の増加に伴って、電力系統11から供給される潮流電力が減少する。制御部250は、電力系統11から供給される潮流電力の減少を検出する。交流電力は、計測装置150によって計測されてもよい。交流電力は、変換器240の出力端側に配置される計測装置によって測定されてもよい。
【0079】
ステップS34において、潮流電力の減少に伴って引込電力が減少する。制御部250は、引込電力の減少を検出してもよく、引込電力の減少を検出しなくてもよい。
【0080】
ステップS35において、引込電力の減少に伴ってDCリンク電圧が減少する。制御部250は、DCリンク電圧の減少を検出する。DCリンク電圧は、DCリンク部200X上に設けられた計測装置によって計測される。計測装置は、変換器220、変換器230及び変換器240の少なくともいずれか1つのDCリンク部200X側に設置されてもよい。
【0081】
ステップS36において、負荷電力及び引込電力の合計に対する電力の不足に伴って潮流電力の増加が生じる。制御部250は、電力系統11から供給される潮流電力の増加を検出する。
【0082】
ステップS37において、電力系統11から供給される潮流電力の増加に伴って引込電力が増加する。制御部250は、引込電力の増加を検出してもよく、引込電力の増加を検出しなくてもよい。
【0083】
ステップS38において、引込電力の増加に伴ってDCリンク電圧が増加(回復)する。制御部250は、DCリンク電圧の増加を検出する。
【0084】
ステップS39において、制御部250は、ステップS32~ステップS38が特定パターンとして検出されるか否かを検出する。制御部250は、所定期間(3msec)内に生じる特定パターンが所定回数に亘って繰り返されるかを判定してもよい。
【0085】
上述したように、オプション2では、制御部250は、連系状態において、電力系統11から供給される潮流電力に関する値の増減及び変換器230から出力される直流電力に関する値(ここでは、DCリンク電圧)の増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0086】
オプション2において、制御部250が変換器240の出力電力に関する値の増減を検出可能である場合には、制御部250は、潮流電力に関する値の増減及びDCリンク電圧の増減に加えて、変換器240の出力電力に関する値の増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0087】
オプション2において、制御部250が変換器230の引込電力に関する値の増減を検出可能である場合には、制御部250は、潮流電力に関する値の増減及びDCリンク電圧の増減に加えて、変換器230の引込電力に関する値の増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0088】
オプション2では、特定分散電源(PV110及びBT120)の動作が停止している期間において誤接続の検出が実行されてもよい。例えば、PV110及びBT120の動作が停止している期間は、夜間などの期間であってもよい。或いは、PV110及びBT120の動作は、ケーブル611のコネクタ612がコネクタ400に接続された後の一定期間に亘って停止する前提下において、PV110及びBT120の動作が停止している期間は、このような一定期間であってもよい。
【0089】
(オプション3)
オプション3では、解列状態における誤接続の検出方法について説明する。オプション3では、特定パターンは、変換器240から出力される交流電力(出力電力)に関する値によって定義される。
【0090】
図7に示すように、ステップS41において、制御部250は、変換器240の出力電力の増加を検出する。出力電力は、変換器240によって計測されてもよく、変換器240の出力端側に設置された計測装置によって計測されてもよい。
【0091】
ステップS42において、制御部250は、変換器240の出力電力の減少を検出する。
【0092】
ステップS43において、制御部250は、ステップS41及びステップS42が特定パターンとして検出されるか否かを検出する。制御部250は、所定期間(3msec)内に生じる特定パターンが所定回数に亘って繰り返されるかを判定してもよい。
【0093】
上述したように、オプション3では、制御部250は、解列状態において、変換器240の出力電力に関する値の増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0094】
オプション3では、PV110の動作が停止していない期間において誤接続の検出が実行されてもよい。但し、PV110の動作が停止している期間において誤接続の検出が実行されてもよい。
【0095】
オプション3では、BT120の残量が閾値(例えば、SOC(State of Charge)の下限)以下である場合に、誤接続が検出されることなく、システムエラーとして検出されてもよい。
【0096】
(オプション4)
オプション4では、解列状態における誤接続の検出方法について説明する。オプション4では、特定パターンは、変換器240から出力される交流電力(出力電力)に関する値及び変換器230から出力される直流電力に関する値によって定義される。ここでは、変換器230から出力される直流電力として、DCリンク部200Xの電圧(以下、DCリンク電圧)が用いられるケースについて例示する。
【0097】
図8に示すように、ステップS51において、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続に伴って引込電力が増加する。すなわち、変換器230は、BT130から電力が供給されていると誤認する。制御部250は、引込電力の増加を検出してもよく、引込電力の増加を検出しなくてもよい。引込電力は、変換器230によって検出されてもよい。
【0098】
ステップS52において、引込電力の増加に伴って変換器240の出力電力が増加する。制御部250は、変換器240の出力電力の増加を検出してもよく、変換器240の出力電力の増加を検出しなくてもよい。出力電力は、変換器240によって検出されてもよい。
【0099】
ステップS53において、負荷電力及び引込電力の合計に対する変換器240の出力電力の不足に伴ってDCリンク電圧が減少する。制御部250は、DCリンク電圧の減少を検出する。DCリンク電圧は、DCリンク部200X上に設けられた計測装置によって計測される。計測装置は、変換器220、変換器230及び変換器240の少なくともいずれか1つのDCリンク部200X側に設置されてもよい。
【0100】
ステップS54において、DCリンク電圧の減少に伴って変換器220の出力電力が増加する。制御部250は、変換器220の出力電力の増加を検出してもよい。
ステップS55において、変換器220の出力電力の増加に伴ってDCリンク電圧が増加(回復)する。制御部250は、DCリンク電圧の増加を検出する。
【0101】
ステップS56において、DCリンク電圧の増加に伴って変換器240の出力電力が増加する。制御部250は、変換器240の出力電力の増加を検出してもよい。
【0102】
ステップS57において、変換器240の出力電力の増加に伴って引込電力が増加する。制御部250は、引込電力の増加を検出してもよく、引込電力の増加を検出しなくてもよい。
【0103】
ステップS58において、制御部250は、ステップS52~ステップS57が特定パターンとして検出されるか否かを検出する。制御部250は、所定期間(3msec)内に生じる特定パターンが所定回数に亘って繰り返されるかを判定してもよい。
【0104】
上述したように、オプション4では、制御部250は、解列状態において、変換器240から出力される交流電力(出力電力)に関する値の増減及び変換器230から出力される直流電力に関する値(ここでは、DCリンク電圧)の増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0105】
オプション4において、制御部250が変換器220の出力電力(直流電力)の増加を検出可能である場合には、制御部250は、変換器240の出力電力に関する値の増減及びDCリンク電圧の増減に加えて、変換器220の出力電力に関する値の増加が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0106】
オプション4において、制御部250が変換器230の引込電力の増加を検出可能である場合には、制御部250は、変換器240の出力電力に関する値の増減及びDCリンク電圧の増減に加えて、引込電力に関する値の増加が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0107】
オプション4では、特定分散電源(PV110)の動作が停止している期間において誤接続の検出が実行されてもよい。例えば、PV110の動作が停止している期間は、夜間などの期間であってもよい。或いは、PV110の動作は、ケーブル611のコネクタ612がコネクタ400に接続された後の一定期間に亘って停止する前提下において、PV110の動作が停止している期間は、このような一定期間であってもよい。
【0108】
(作用及び効果)
実施形態では、制御部250は、電力系統11から供給される交流電力に関する値、変換器230から出力される直流電力に関する値及び変換器240から出力される交流電力に関する値の少なくともいずれか1つの増減が特定パターンとして検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する。このような構成によれば、汎用的な電力ソケット500と同様の形状の電力ソケットを有する外部電源(例えば、EV130)を電力供給源として活用する新たな利用シーンを想定した場合に、コネクタ400と電力ソケット500との誤接続を適切に検出することができる。
【0109】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0110】
具体的には、実施形態では、PV110、BT120及びBT130に対応するPCS200について例示した。これに対して、変更例1では、BT130に専用のPCSについて例示する。
【0111】
図9に示すように、電力システム1は、PCS200に代えて、BT130に専用のPCS800を有する。PCS800は、変換器830及び変換器840を有する。特に限定されるものではないが、PCS800は、EV受電ユニットと称されてもよい。電力システム1は、制御部250に代えて、制御部850を有する。
【0112】
変換器830は、変換器230と同様に、コネクタ400から入力される交流電力を直流電力に変換する。変換器830は、AC/DCコンバータと称されてもよい。変更例1では、コネクタ400とBT130とが正しく接続されている場合に、変換器830は、BT130から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器を構成する。
【0113】
特に限定されるものではないが、変換器830は、変換器840から出力される直流電力を交流電力に変換する機能を有していてもよい。このようなケースにおいて、変換器830は、双方向インバータと称されてもよい。
【0114】
変換器840は、変換器240と同様に、変換器830から出力される直流電力を交流電力に変換する。変換器840は、DC/ACコンバータと称されてもよい。変更例1では、変換器840は、変換器830から出力される直流電力を交流電力に変換する第2変換器を構成する。
【0115】
特に限定さるものではないが、変換器840は、電力系統11から供給される交流電力を直流電力に変換する機能を有していてもよい。このようなケースにおいて、変換器840は、双方向インバータと称されてもよい。
【0116】
ここで、変換器830及び変換器840は、直流電力線800X(DCリンク部800X)によって電気的に接続される。
【0117】
制御部850は、制御部250と同様に、コネクタ400と電力ソケット500との誤接続を検出する。制御部850は、PCS800のコントローラであってもよく、PCS900のコントローラであってもよく、EMSであってもよい。
【0118】
このような前提下において、BT120が併設される場合には、電力システム1は、BT120に専用のPCS900を有してもよい。また、PV110が併設される場合には、電力システム1は、PV110に専用のPCSを有してもよい。
【0119】
変更例1は、BT130及び分散電源(例えば、PV110、BT120など)が直流電力線で接続されない点、スイッチ271~スイッチ273がPCS800の外部に配置される点などを除いて、上述した実施形態と同様である。従って、コネクタ400と電力ソケット500との誤接続の検出が実行されることが好ましい。特に限定されるものではないが、スイッチ271及びスイッチ272は、PCS800内に配置されてもよく、スイッチ273は、分電盤300内に配置されてもよい。
【0120】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0121】
上述したオプション1において、制御部250は、電力系統11から供給される潮流電力に代えて、変換器240の出力電力を用いて、誤接続を検出してもよい。すなわち、制御部250は、変換器240の出力電力に関する値の増減が特定パターンで生じる場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0122】
上述したオプション1において、制御部250は、電力系統11から供給される潮流電力に代えて、DCリンク電圧を用いて、誤接続を検出してもよい。すなわち、制御部250は、DCリンク電圧の増減が特定パターンで生じる場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0123】
上述したオプション3において、制御部250は、変換器240の出力電力に代えて、DCリンク電圧を用いて、誤接続を検出してもよい。すなわち、制御部250は、DCリンク電圧の増減が特定パターンで生じる場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0124】
上述した開示では、外部電源として、EV130(BT130)を例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。外部電源は、エンジン発電機などの発電装置を含んでもよい。
【0125】
上述した開示では、施設に設置される分散電源として、PV110及びBT120について例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。施設に設置される分散電源は、燃料電池装置、風力発電装置、水力発電装置、地熱発電装置及びバイオマス発電装置の中から選択された1以上の分散電源を含んでもよい。
【0126】
上述した開示では特に触れていないが、電力に関する値の増減は、電圧の増減によって検出されてもよく、電流の増減によって検出されてもよく、電力の増減によって検知されてもよい。言い換えると、電力に関する値は、電流であってもよく、電圧であってもよく、電力であってもよい。
【0127】
上述した開示では特に触れていないが、解列状態は、自立状態と読み替えてもよい。増加は、上昇と読み替えてもよく、減少は、低下と読み替えてもよい。
【0128】
上述した開示では特に触れていないが、誤接続の検出は、定期的に実行されてもよい。誤接続の検出は、コネクタ400へのケーブル611の接続をトリガーとして実行されてもよい。
【0129】
上述した開示では特に触れていないが、変換器220、変換器230、変換器240、制御部250及び各種計測装置などのユニット間の通信は、所定プロトコル(例えば、RS485、ECHONET Lite(登録商標))に準拠して実行されてもよい。
【0130】
特に限定されるものではないが、コネクタ400及び電力ソケット500は、同一の形状を有していてもよい。
【0131】
上述した開示では特に触れていないが、変換器230が双方向インバータである場合には、EV130(BT130)の充電が実行されてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1…電力システム、11…電力系統、110…PV、120…BT、130…EV(BT)、140,140X…負荷、150…計測装置、200…PCS、200X…直流電力線(DCリンク部)、210…変換器、220…変換器、230…変換器、240…変換器、250…制御部、261~263…スイッチ、271~273…スイッチ、300…分電盤、300X…交流配線(宅内配線)、310…ELB、320…施設内ブレーカ、400…コネクタ、500…電力ソケット、611…ケーブル、612…コネクタ、613…プラグ、711…ケーブル、713…プラグ、800…PCS、800X…直流電力線(DCリンク部)、830…変換器、840…変換器、850…制御部、900…PCS、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9