(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124609
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】折畳式インキ容器ホルダー
(51)【国際特許分類】
B43L 27/00 20060101AFI20230830BHJP
B43M 99/00 20100101ALI20230830BHJP
B43K 23/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B43L27/00
B43M99/00 Z
B43K23/00 200Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028481
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】大池 英郎
(57)【要約】
【課題】折り畳むことでコンパクトな保管形態に変化させて保管が可能に構成するとともに、使用形態における安定性が向上する折畳式インキ容器ホルダーを提供すること。
【解決手段】上片3と、上片3に対して回動可能に連結する連結部材2と、連結部材2に対して回動可能に連結する下片4と、を有し、連結部材2は、上片3の回動を制限する上片規制部27と、下片4の回動を制限する下片規制部28と、を備え、上片3には、インキ容器Cが挿入される第一挿入口39を有し、上片3及び下片4を連結部材2に対して回動することにより保管形態への変形が可能に構成され、保管形態から上片3及び下片4を連結部材2に対して回動することにより、上片3が上片規制部27に当接するとともに下片4が下片規制部28に当接する使用形態への変形が可能に構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上片と、前記上片に対して回動可能に連結する連結部材と、前記連結部材に対して回動可能に連結する下片と、を有し、
前記連結部材は、前記上片の回動を制限する上片規制部と、前記下片の回動を制限する下片規制部と、を備え、
前記上片には、インキを収容可能なインキ容器が挿入される第一挿入口を有し、
前記上片及び前記下片を前記連結部材に対して回動することにより、前記上片と前記連結部材と前記下片とが平行且つ並んで配置される保管形態への変形が可能に構成され、
前記保管形態から前記上片及び前記下片を前記連結部材に対して回動することにより、前記上片が前記上片規制部に当接するとともに前記下片が前記下片規制部に当接し、前記上片と前記下片とが離間するとともに平行に配置される使用形態への変形が可能に構成されたことを特徴とする折畳式インキ容器ホルダー。
【請求項2】
前記下片に前記インキ容器が挿入されるの第二挿入口を備えたことを特徴とする請求項1に記載の折畳式インキ容器ホルダー。
【請求項3】
前記上片が、上片本体と該上片本体に対して着脱可能に装着された第一カラーを備え、前記第一カラーに前記第一挿入口を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の折畳式インキ容器ホルダー。
【請求項4】
前記下片が、下片本体と該下片本体に対して着脱可能に装着された第二カラーを備え、前記第二カラーに前記第二挿入口を形成したことを特徴とする請求項2または3に記載の折畳式インキ容器ホルダー。
【請求項5】
前記連結部材が凸レンズ部を有することを特徴とする請求項1ないし4に何れか一項に記載の折畳式インキ容器ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み可能なインキ容器ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、万年筆やマーカー類等の筆記具に用いられる複数色のインキ組成物を混合することで、ユーザの所望の色調のインキを調色することが行われている。例えば、調色に用いるインキ組成物として、イエロー色、マゼンタ色、シアン色の各々のインキを用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のようなインキ組成物の調合は、これまで製造メーカーで行われ、調合された筆記具用インキをユーザーに届けるものであったが、近年、ユーザー自身がインキ組成物を好きな色調になるよう調合して万年筆やマーカーなどの筆記具に使用されるケースが増えている。そうした状況のなか、ユーザー自身がインキを調合する際には、筆記具に付属されたインキ容器などを用いて調合作業をすることが発生するため、それらを安定して支持するためのインキ容器ホルダーが必要となり、個人での使用を考えると、不使用時にはコンパクトな状態に変形せられるものが要望されている。
【0004】
これらを解決するものとして、例えば特許文献2のように、試験管を立てるための折り畳み式試験管立てに関する技術が開示されている。
この特許文献2の構造では、試験管立て本体の左右又は前後の両面を開閉片により開閉可能に設けるととものに、両開閉片を閉じることにより直方体形状が維持され、両開閉片を開くことにより本体の上面と下面及び内挿体が平行移動し偏平に下り畳めるように構成されており、必要な時には組み立てて試験管立てとなり、使用が終わったら折り畳んでスペースを取らずに保管が可能となっている。
【0005】
しかしながら、特許文献2の構造では、薄い紙状のものを箱形態に組み上げて使用するため、安定性が不足する懸念があった。また、試験管を支える差し込み穴には菊座状の複数の押え片を設けることで試験管の大きさが異なるものも支えることができるが、複数の押さえ片で支えられるため、個々の押さえ片の曲がり方にばらつきが出るため試験管を垂直に立てるのが困難なものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-10823号公報
【特許文献2】実用新案登録第3102034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の背景をもとになされたものであり、その目的とするところは、折り畳むことでコンパクトな保管形態に変化させて保管可能に構成するとともに、使用形態における安定性が向上する折畳式インキ容器ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
上片と、前記上片に対して回動可能に連結する連結部材と、前記連結部材に対して回動可能に連結する下片と、を有し、
前記連結部材は、前記上片の回動を制限する上片規制部と、前記下片の回動を制限する下片規制部と、を備え、
前記上片には、インキを収容可能なインキ容器が挿入される第一挿入口を有し、
前記上片及び前記下片を前記連結部材に対して回動することにより、前記上片と前記連結部材と前記下片とが平行且つ並んで配置される保管形態への変形が可能に構成され、
前記保管形態から前記上片及び前記下片を前記連結部材に対して回動することにより、前記上片が前記上片規制部に当接するとともに前記下片が前記下片規制部に当接し、前記上片と前記下片とが離間するとともに平行に配置される使用形態への変形が可能に構成されたことを特徴とする折畳式インキ容器ホルダーである。
【0009】
本発明の折畳式インキ容器ホルダーによれば、連結部材に対して上片および下片を回動させることで、上片と連結部材と下片とが平行且つ並んで配置される保管形態に変形させることが可能なため、不使用時はコンパクトな状態に折り畳めることから、最低限のスペースでの保管が可能となる。また、保管形態から上片及び下片を連結部材に対して回動することにより、上片が上片規制部に当接することで該上片の回動が制限されて停止し、同時に下片が下片規制部に当接することで該下片の回動が制限されて停止する。このため、上片及び下片が規制部に当接した状態が使用状態となることから、使用時に上片及び下片に触れても元の保管状態に戻り難くなるため、使用形態時の折畳式インキ容器ホルダーの安定性が向上する。
【0010】
また、下片にインキ容器が挿入されるの第二挿入口を備えていてもよく、この場合、インキ容器をインキ容器ホルダーに挿入して支持したときに、上片の第一挿入口と下片の第二挿入口の2カ所でインキ容器を支えることができるため、挿入したインキ容器を安定して支持できることから好適である。そして、第一挿入口と第二挿入口の軸線位置を調整することで、挿入したインキ容器の傾きを垂直に支持する状態と、傾斜した状態で支持する状態と、を選択することができる。
【0011】
また、上片が、上片本体と該上片本体に対して着脱可能に装着された第一カラーを備え、第一カラーに第一挿入口を形成してもよく、この場合、第一カラーを第一挿入口の内径が異なる別の第一カラーに交換することで、外径等の仕様の異なるインキ容器を挿入して支持することができる。
【0012】
また、下片が、下片本体と該下片本体に対して着脱可能に装着された第二カラーを備え、第二カラーに第二挿入口を形成してもよく、この場合、第二カラーの第二挿入口を内径の異なる別の第二カラーに交換することで、外径等の仕様の異なるインキ容器をより安定させた状態で支持することができるため好適である。
【0013】
また、連結部材が凸レンズ部を有していてもよく、この場合、凸レンズ部を通してインキ容器を拡大して視ることができるように構成することで、インキ容器Cにインキを注入する際、インキを注入する状態の観察がし易くなるため好適である。また、インキ容器を中部が透ける透過性の容器として形成した場合、レンズ部材に計量用のメモリを設けることで注入量を管理し易くすることも可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、折り畳むことでコンパクトな保管形態に変化させて保管が可能に構成するとともに、使用形態における安定性が向上する折畳式インキ容器ホルダーを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の折畳式インキ容器ホルダーの使用形態における斜視図であり、インキ容器を挿入した状態を示す図である。
【
図2】実施形態における折畳式インキ容器ホルダーの使用形態の外観図である。
【
図5】
図2の状態から上片を折り畳んだ状態を示す外観図である。
【
図6】
図5の状態から下片を折り畳んだ保管形態を示す外観図である。
【
図7】
図2の使用形態において、インキ容器を挿入した状態を示す外観図である。
【
図10】第一カラー及び第二カラーを交換することを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、本実施形態では、
図1の使用形態における折畳式インキ容器ホルダーの上片がある側を上方と表現し、下片がある側を下方と表現する。
【0017】
(第一実施形態)
図1は、本発明の実施形態の折畳式インキ容器ホルダーの使用形態における斜視図であり、インキ容器を挿入した状態を示す図であり、
図2は、実施形態における折畳式インキ容器ホルダーの使用形態の外観図であり、
図3は、
図2における右側面図であり、
図4は、
図2の縦断面図であり、
図5は、
図2の状態から上片を折り畳んだ状態を示す外観図であり、
図6は、
図5の状態から下片を折り畳んだ保管形態を示す外観図であり、
図7は、
図2の使用形態において、インキ容器を挿入した状態を示す外観図であり、
図8は、
図7の縦断面図であり、
図9は、
図7における右側面図であり、
図10は、第一カラー及び第二カラーを交換することを説明するための説明図である。
【0018】
図1に示すように、折畳式インキ容器ホルダー1は、フレーム状に形成された連結部材2と、連結部材2の一端部に回動可能に連結された板状の上片3と、連結部材2の他端部に回動可能に連結された板状の下片4と、により構成されている。そして、上片3は着脱可能な第一カラー33を有し、下片4は着脱可能な第二カラー43を有しており、連結部材には凸レンズ部29aを有するレンズ部材29が装着されている。また、第一カラー33に形成した第一挿入口39と第二カラー43に形成した第二挿入口49にはインキ容器Cが挿入されている。
【0019】
図2から
図4に示すように、連結部材2は、例えば金属材料であるアルミ、黄銅、亜鉛などを用いてフレーム部21を形成してあり、フレーム部21の内方にはレンズ取付穴22が形成されている。レンズ取付穴22には凸レンズ部29aを有するレンズ部材29が着脱不能に装着され連結部材2に一体化されている。このレンズ部材29により、折畳式インキ容器ホルダー1に挿入したインキ容器Cの側部を拡大して視ることが可能となっている。また、フレーム部21の一端部(上方部)には、フレーム部21の上部両側端から上方へ突出するように形成された上片連結部23が2ヶ所形成され、2つの上片連結部23には同軸上に貫通された上片連結孔24が形成されている。更に、フレーム部21の他端部(下方部)には、フレーム部21の下部両側端から側方(
図2における右方向)へ突出するように形成された下片連結部25が2ヶ所形成され、2つの下片連結部25には同軸上に貫通された下片連結孔26が形成されている。
また、連結部材2のフレーム部21の上部には、上片3の当接部37と当接して上片3の回動を規制する上片規制部27を有しており、フレーム部2bの下部には、下片4の当接部47と当接して下片4の回動を規制する下片規制部28を有している。
【0020】
上片3は、例えば金属材料であるアルミ、黄銅、亜鉛などをを用いて板状に形成された上片本体31と、上片本体31の一端から突出するように形成された第一連結部32と、上片本体31の中心部に
図2における上下方向に沿って貫通する第一カラー取付孔34と、第一カラー取付孔34に着脱自在に装着された第一カラー33と、を有しおり、第一連結部32には、第一カラー取付孔34と直交する方向に延びる第一連結孔35を有している。そして、第一連結部32は、連結部材2の2ヶ所の上片連結部23の間に配置されており、この際、上片連結孔24と第一連結孔35との軸線を一致させ、両連結孔を貫通するように第一連結棒5を挿入することで、第一連結棒5を軸にして、上片3を連結部材2に対して回動可能に連結させてある。また、第一カラー取付孔34には内段部36が形成され、
図4に示すように、上部の内径に比べ下部の内径が小さくなるよう形成されている。
【0021】
下片4は、例えば金属材料であるアルミ、黄銅、亜鉛などをを用いて板状に形成された下片本体41と、下片本体41の他端(下端部)から
図2における側方に突出するように形成された第二連結部42と、下片本体41の中心部に
図2における上下方向に貫通する第二カラー取付孔44と、第ニカラー取付孔44に着脱自在に装着された第二カラー43と、を有しおり、第二連結部42には、第二カラー取付孔44と直交する方向に延びる第二連結孔45を有している。そして、第二連結部42は、連結部材2の2ヶ所の下片連結部25の間に配置され、この際、下片連結孔26と第二連結孔45との軸線を一致させ、両連結孔を貫通するように第二連結棒6を挿入することで、第二連結棒6を軸にして、下片4を連結部材2に対して回動可能に連結させてある。そして、下片本体41の側端部には該下片本体41の長手方向(
図2における横方向)に対して傾斜して形成され、且つ、連結部材2の下片規制部28と当接する当接部47が形成されている。また、第二カラー取付孔44には内段部46が形成され、上片3と同様に
図4において上部の内径に比べ下部の内径が小さくなるよう形成されている。
【0022】
第一カラー33は、例えばポリアセタール、ポリカーボネート、合成ゴムなどを用いて円筒状に形成されている。第一カラー33の外周部には外段部38が形成され、中心にはインキ容器Cが挿入される第一挿入口39が形成されている。また、第一カラー33は、上片3の第一カラー取付孔34に着脱可能に挿入されており、軽い圧入嵌合により係止されている。尚、第一カラー33を挿入する際、外段部38が第二カラー取付孔34の内段部36に当接することで、第一カラー33は下方へ抜けることなく装着される。
【0023】
第二カラー43は、第一カラー33と同様に、例えばポリアセタール、ポリカーボネート、合成ゴムなどを用いて円筒状に形成されている。第二カラー43の外周部には外段部48が形成され、中心にはインキ容器Cの先端が挿入される第二挿入孔49が形成されている。また、第二カラー43は、上片3と同様に下片4の第二カラー取付孔44に着脱可能に挿入されており、軽い圧入嵌合により係止されている。尚、第二カラー43を挿入する際、外段部48が第二カラー取付孔44の内段部46に当接することで、第二カラー43は下方へ抜けることなく装着される。
【0024】
次に、
図2、
図5及び
図6を用いて、上片3及び下片4を連結部材2に対して回動することにより、折畳式インキ容器ホルダー1の使用形態から保管形態、保管形態から使用形態への切り替えを行う方法を説明する。
【0025】
図2は、折畳式インキ容器ホルダー1の使用形態を示しており、その状態から、まず上片3を第一連結棒5を軸にして、
図2における上向(右回り)に回転させると、当接部37と上片規制部27との当接状態が解除されて離間し、約270度回転したところで
図5に示すように、上片3とフレーム部21が当接して回転が止まる。そして、下片4を第二連結棒6を軸にして、
図2における下向(左回り)に回転させると、当接部47と下片規制部28との当接状態が解除されて離間し、約270度回転したところで下片4と上片3とが当接して下片4の回転が止まり、
図6に示す保管形態となる。
尚、上片3及び下片4が折り畳まれた
図6の保管形態では、上片3と連結部材2と下片4とが平行且つ並んで配置されるため、コンパクトな状態となり、保管場所に使用するスペースを削減できるとともに、上片3と連結部材2及び上片3と下片4が互いに広く面接触しているため、外部から力が掛かっても破損し難く、耐久性が向上するため保管に適した形態となる。
【0026】
また、
図6の保管形態から使用形態へと戻す際は、まず下片4を
図6における右方向(右回り)に回転さると、270度回転したところで当接部47と下片規制部28とが再び当接して下片4の回転が停止する
図5の状態となる。そして、
図5の状態から上片3を
図5における右方向(左回り)に回転させると、270度回転したところで当接部37と上片規制部27とが当接して上片3の回転が停止し、
図2の使用状態に戻すことができる。尚、
図2の使用形態では、上片3と下片4とが平行且つ離間して配置されるとともに、連結部材2に対して直交する状態となる。
【0027】
次に、
図2の使用形態において、
図1及び
図7から
図9を用いてインキを収容するインキ容器Cを折畳式インキ容器ホルダー1に挿入して支持する状態を説明する。
【0028】
インキ収容ケースCは、インキを注入して保存したり、内部で混ぜ合わせても影響が出ない材質で形成され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラスなどを用いることができる。本実施形態では注入したインキが透視できるように透過性のあるポリエチレン樹脂により形成されている。また、インキ容器Cは、
図8に示すように有底且つ筒状に形成され一端にインキを注入するための開口部を有している。尚、インキ容器Cは、インキを混合又は保管するための試験管のような容器であってもよく、筆記具などに直接取り付けるためのカートリッジであってもよいが、カートリッジ形態の場合は、インキの補充や混合をカートリッジ内で直接できることから、余ったインキの保管や処分、インキの移し替えなどを考慮する必要がなくなるため、使い勝手がよいものとなる。
【0029】
ここで、
図2の状態から、インキ容器Cを折畳式インキ容器ホルダー1の第一挿入口39から挿入すると、インキ容器Cは第一挿入口39の下端から下方へ突出し、インキ容器Cの他端が第二挿入孔49に挿入され、第一挿入口39と第二挿入口49との2カ所でインキ容器Cが支持される
図1及び
図7の状態となる。本実施形態では第一挿入口39と第二挿入口49の軸方向が一致しており、インキ容器Cが上片3及び下片4に対して垂直に立つように支持される。尚、第二挿入口49がなくとも第一挿入口39のみによりインキ容器Cを支持することができるが、第二挿入口49を形成することで2ヶ所でインキ容器Cを支えることができるため、安定した状態で支持することができる。
【0030】
また、
図2の状態でインキ容器Cを挿入する際、手の一部が上方から上片に触れると上片には第一連結棒5を軸にして連結部材2に対して下方(左回転)の力が掛かり、下片には連結部材2を介して力が伝わることで第二連結棒6を軸にして連結部材2に対して上方(右回転)の力が掛かるが、上片3及び下片3の規制状態を解除するために回転させる向きとは逆方向であるため、上片及び下片が回転することはなく、安定した状態で
図2の使用状態が保たれる。このためインキ容器Cが意図せず傾くことなどを防止できる。
【0031】
そして、
図1及び
図7の状態から、インキ容器Cにインキを注入し、複数種類のインキを注入してして配合したり、インキの補充をすることができる。また、インキ容器Cを、内部のインキが透視できるように透明材料で形成した場合、インキの注入の際、
図9に示すようにレンズ部材29を介してインキ容器Cを視ることで拡大視することができることから、インキの配合するための注入量を管理したい場合や、配合されたインキの色合いを確認したいときなどに好適である。尚、
図9に示すように、レンズ部材29に計量用のメモリ29bを設けることで注入量が管理し易くなるためより好適である。
【0032】
本実施形態の折畳式インキ容器ホルダー1では、第一カラー33及び第二カラー43を着脱自在に構成しているため、
図10のように内径の異なる第一挿入口139及び第二挿入口149を有する第一カラー133及び下部カラー143に交換することで、外径の仕様の異なるインキ容器を挿入して支持することができる。
更に、本実施形態では、インキ容器Cを上片3および下片4に対して垂直に立つように支持しているが、本発明はこれに限定されることは無く、図示はしないが、使用する目的によって上部挿入孔7bと下部挿入孔8bの孔の方向と位置を調整することでインキ容器Cを斜めに支持するように構成してもよい。
更にまた、図示はしないが、連結部材2は、
図2の上下方向に伸縮するように伸縮部を有していてもよく、この場合、伸縮部の長さを調整することで長さの異なるインキ容器を安定した状態で支持することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…折畳式インキ容器ホルダー、
2…連結部材、
21…フレーム部、
22…レンズ取付穴、
23…上片連結部、
24…上片連結孔、
25…下片連結部、
26…下片連結孔、
27…上片規制部、
28…下片規制部、
29…レンズ部材
29a…凸レンズ部、
29b…メモリ、
3…上片、
31…上片本体、
32…第一連結部、
33…第一カラー、
34…第一カラー取付孔、
35…第一連結孔、
36…内段部、
37…当接部、
38…外段部、
39…第一挿入口、
4…下片、
41…下片本体、
42…第二連結部、
43…第二カラー、
44…第二カラー取付孔、
45…第二連結孔、
46…内段部、
47…当接部、
48…外段部、
49…第二挿入口、
5…第一連結棒、
6…第二連結棒、
133…第一カラー、
139…第一挿入口、
143…第二カラー、
149…第二挿入口、
C…インキ容器。