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特開2023-124611受信装置、送信装置、送受信システム、受信方法、送出方法、およびプログラム
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  • 特開-受信装置、送信装置、送受信システム、受信方法、送出方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124611
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】受信装置、送信装置、送受信システム、受信方法、送出方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/435 20110101AFI20230830BHJP
   H04N 21/443 20110101ALI20230830BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20230830BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20230830BHJP
【FI】
H04N21/435
H04N21/443
H04H40/18
H04H60/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028485
(22)【出願日】2022-02-25
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】西垣 智夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 幸一
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164FA06
5C164MA08S
5C164UA03S
5C164UB10P
5C164UB41S
5C164UB51P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】視聴者が選局してから映像を表示するまでの時間を抑えることができる受信装置を提供すること。
【解決手段】テレビジョン放送の信号を受信するチューナ部と、コンテンツと、コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、チューナ部が受信した信号から取得する多重分離部と、DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出す制御部とを備える受信装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送の信号を受信するチューナ部と、
コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、前記信号から取得する多重分離部と、
前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出す制御部と
を備える受信装置。
【請求項2】
前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの名称を示す情報、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報を含む、請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの識別番号を示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む、請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記DASHプレイヤ情報は、前記コンテンツを再生可能な受信装置のカテゴリ、プロファイル、およびレベルの少なくとも1つを示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む、請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
DASHプレイヤ記憶部を備え、
前記制御部は、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持していないときは、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤの取得を前記多重分離部に指示し、
前記DASHプレイヤ記憶部は、前記多重分離部が取得したDASHプレイヤを保持する、請求項2から請求項4のいずれかの項に記載の受信装置。
【請求項6】
他の装置とIP(Internet Protocol)ネットワークを介して通信する通信部を備え、
前記制御部は、
前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しておらず、かつ、前記通信部が前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを保持する前記他の装置と通信可能なときは、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤの取得を前記通信部に指示する、請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
DASHプレイヤ記憶部を備え、
前記DASHプレイヤ情報は、さらに最新のDASHプレイヤのバージョン番号を含み、
前記制御部は、前記最新のDASHプレイヤを自装置が保持していないときは、前記最新のDASHプレイヤの前記信号からの取得を前記多重分離部に指示し、
前記DASHプレイヤ記憶部は、前記多重分離部が取得したDASHプレイヤを保持する、請求項2から請求項4のいずれかの項に記載の受信装置。
【請求項8】
他の装置とIP(Internet Protocol)ネットワークを介して通信する通信部を備え、
前記制御部は、
前記最新のDASHプレイヤを自装置が保持しておらず、かつ、前記通信部が前記最新のDASHプレイヤを保持する前記他の装置と通信可能なときは、前記最新のDASHプレイヤの取得を前記通信部に指示する、請求項7に記載の受信装置。
【請求項9】
コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報と多重して、1つのストリームを生成する多重部と、
前記ストリームを、テレビジョン放送の信号にして送出する送出部と
を備える送信装置。
【請求項10】
前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの名称を示す情報、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報を含む、請求項9に記載の送信装置。
【請求項11】
前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの識別番号を示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む、請求項9に記載の送信装置。
【請求項12】
前記DASHプレイヤ情報は、前記コンテンツを再生可能な受信装置のカテゴリ、プロファイル、およびレベルの少なくとも1つを示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む、請求項9に記載の送信装置。
【請求項13】
請求項1に記載の受信装置と、請求項9に記載の送信装置とを含む送受信システム。
【請求項14】
受信装置による受信方法であって、
テレビジョン放送の信号を受信するステップと、
コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、前記信号から取得するステップと、
前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出すステップと
を有する受信方法。
【請求項15】
送信装置による送出方法であって、
コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報と多重して、1つのストリームを生成するステップと、
前記ストリームを、テレビジョン放送の信号にして送出するステップと
を有する送出方法。
【請求項16】
コンピュータを、
テレビジョン放送の信号を受信するチューナ部、
コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、前記信号から取得する多重分離部、
前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出す制御部
として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報と多重して、1つのストリームを生成する多重部、
前記ストリームを、テレビジョン放送の信号にして送出する送出部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、送信装置、送受信システム、受信方法、送出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネットにおけるビデオオンデマンド(VOD)などの動画のストリーミング配信に、標準規格であるMPEG(Moving Picture Experts Group)-DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)(ISO/IEC23009-1)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このMPEG-DASHを、次世代の地上デジタル放送などのテレビジョン放送網においても使用することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-022898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、MPEG-DASHにおいては、動画の受信にDASHプレイヤと呼ばれるプログラムが必要であるが、視聴者が選局してから、各放送局が放送波で配信しているDASHプレイヤを受信すると、DASHプレイヤを受信する時間のために、選局してから映像を表示するまでに時間を要してしまうことがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、視聴者が選局してから映像を表示するまでの時間を抑えることができる受信装置、送信装置、送受信システム、受信方法、送出方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様は、テレビジョン放送の信号を受信するチューナ部と、コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、前記信号から取得する多重分離部と、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出す制御部とを備える受信装置である。
【0007】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置であって、前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの名称を示す情報、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報を含む。
【0008】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置であって、前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの識別番号を示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む。
【0009】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置であって、前記DASHプレイヤ情報は、前記コンテンツを再生可能な受信装置のカテゴリ、プロファイル、およびレベルの少なくとも1つを示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む。
【0010】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置であって、DASHプレイヤ記憶部を備え、前記制御部は、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持していないときは、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤの取得を前記多重分離部に指示し、前記DASHプレイヤ記憶部は、前記多重分離部が取得したDASHプレイヤを保持する。
【0011】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置であって、他の装置とIP(Internet Protocol)ネットワークを介して通信する通信部を備え、前記制御部は、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しておらず、かつ、前記通信部が前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを保持する前記他の装置と通信可能なときは、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤの取得を前記通信部に指示する。
【0012】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置であって、DASHプレイヤ記憶部を備え、前記DASHプレイヤ情報は、さらに最新のDASHプレイヤのバージョン番号を含み、前記制御部は、前記最新のDASHプレイヤを自装置が保持していないときは、前記最新のDASHプレイヤの前記信号からの取得を前記多重分離部に指示し、前記DASHプレイヤ記憶部は、前記多重分離部が取得したDASHプレイヤを保持する。
【0013】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置であって、他の装置とIP(Internet Protocol)ネットワークを介して通信する通信部を備え、前記制御部は、前記最新のDASHプレイヤを自装置が保持しておらず、かつ、前記通信部が前記最新のDASHプレイヤを保持する前記他の装置と通信可能なときは、前記最新のDASHプレイヤの取得を前記通信部に指示する。
【0014】
また、本発明の他の一態様は、コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報と多重して、1つのストリームを生成する多重部と、前記ストリームを、テレビジョン放送の信号にして送出する送出部とを備える送信装置である。
【0015】
また、本発明の他の一態様は、上述の送信装置であって、前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの名称を示す情報、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報を含む。
【0016】
また、本発明の他の一態様は、上述の送信装置であって、前記DASHプレイヤ情報は、前記DASHプレイヤの識別番号を示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む。
【0017】
また、本発明の他の一態様は、上述の送信装置であって、前記DASHプレイヤ情報は、前記コンテンツを再生可能な受信装置のカテゴリ、プロファイル、およびレベルの少なくとも1つを示す情報と、前記コンテンツを再生可能な前記DASHプレイヤのバージョン番号の範囲を示す情報とを含む。
【0018】
また、本発明の他の一態様は、上述の受信装置と、上述送信装置とを含む送受信システムである。
【0019】
また、本発明の他の一態様は、受信装置による受信方法であって、テレビジョン放送の信号を受信するステップと、コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、前記信号から取得するステップと、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出すステップとを有する。
【0020】
また、本発明の他の一態様は、送信装置による送出方法であって、コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報と多重して、1つのストリームを生成するステップと、前記ストリームを、テレビジョン放送の信号にして送出するステップとを有する。
【0021】
また、本発明の他の一態様は、コンピュータを、テレビジョン放送の信号を受信するチューナ部、コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、前記信号から取得する多重分離部、前記DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出す制御部として機能させるためのプログラムである。
【0022】
また、本発明の他の一態様は、コンピュータを、コンテンツと、前記コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報と多重して、1つのストリームを生成する多重部、前記ストリームを、テレビジョン放送の信号にして送出する送出部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、視聴者が選局してから映像を表示するまでの時間を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】この発明の第1の実施形態によるテレビジョン放送の送受信システム10の構成例を示す概略ブロック図である。
図2】同実施形態におけるテレビジョン放送の信号の例を説明する模式図である。
図3】同実施形態におけるMPTの構成例を示すテーブルである。
図4】同実施形態におけるDASHプレイヤ情報の構成を示すテーブルである。
図5】同実施形態におけるブラウザ部106による受信開始処理を説明するフローチャートである。
図6】この発明の第2の実施形態におけるDASHプレイヤ情報の構成を示すテーブルである。
図7】同実施形態における本実施形態におけるブラウザ部106による受信開始処理を説明するフローチャートである。
図8】この発明の第3の実施形態におけるDASHプレイヤ情報の構成を示すテーブルである。
図9】同実施形態におけるテレビジョン放送の信号の例を説明する模式図である。
図10】同実施形態における本実施形態におけるブラウザ部106による受信開始処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。第1の実施形態におけるテレビジョン放送の送受信システム10は、地上波放送網、衛星放送網、ケーブルテレビ網などによるテレビジョン放送網と、インターネットなどのIP(Internet Protocol)ネットワークによるコンテンツ配信の両方を含む。本実施形態では、従来からIPネットワークで用いられていたMEPG-DASHによるストリーミング配信が、テレビジョン放送網においても用いられる。MPEG-DASHでは、DASHプレイヤと呼ばれる、Javascriptなどで記述されたプログラムを受信側が実行することで、コンテンツの受信、再生を制御する。
【0026】
図1は、この発明の第1の実施形態によるテレビジョン放送の送受信システム10の構成例を示す概略ブロック図である。送受信システム10は、受信装置100、送信装置(放送システム)200、ネットワーク300、DASHサーバ400、ストリーミングサーバ500、表示装置600を備える。受信装置100は、送信装置200によるテレビジョン放送と、ストリーミングサーバ500によるストリーミング配信との両方のサービスを受信可能な受信装置である。受信装置100は、例えば、テレビジョン放送の視聴者の住居などに設置される。送信装置200は、地上波放送網、衛星放送網、ケーブルテレビ網などによるテレビジョン放送の信号を送出する。この信号は、例えば、映像、音声、クローズドキャプション、制御情報(Signaling Information)などが多重されたMMT(MPEG Media Transport)のストリームである。なお、MMTは、MPEG-H Part1として、ISO/IEC 23008-1により標準化されている。また、送信装置200は、例えば、テレビジョン放送を行う放送事業者に設置される。
【0027】
ネットワーク300は、インターネットなどのIPネットワークである。DASHサーバ400は、受信装置100からの要求に応じて、ネットワーク300を介してDASHプレイヤを受信装置100に送信する。ストリーミングサーバ500は、受信装置100へのMEPG-DASHによるストリーミング配信を、ネットワーク300を介して行う。表示装置600は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの映像表示手段と、スピーカなどの音声出力手段を有し、受信装置100が出力した映像信号および音声信号に従い、映像の表示と音声の出力とを行う。なお、本実施形態では、表示装置600は、受信装置100と別れているが、受信装置100に内蔵されていてもよい。
【0028】
受信装置100は、チューナ部101、多重分離部102、デコーダ部103、DASHプレイヤ記憶部104、ネットワークI/F部105、ブラウザ部106、DASHプレイヤ実行部107を備える。チューナ部101は、送信装置200が放送したテレビジョン放送の信号を受信する。
【0029】
多重分離部102は、コンテンツと、コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、チューナ部101が受信した信号から分離し、取得する。コンテンツには、映像、音声、クローズドキャプションのいずれかが少なくとも含まれる。また、DASHプレイヤ情報は、例えば、MPT(MMT Package Table)、SDT(Service Description Table)などの制御情報に配置される。また、DASHプレイヤ情報は、対応するコンテンツを再生可能なDASHプレイヤの名称(ファイル名)、バージョン番号を示す情報を含む。対応するコンテンツがいずれであるかは、例えば、制御情報内のDASHプレイヤ情報が配置される位置により示されてもよい。例えば、DASHプレイヤ情報が、MPT内に配置されるときは、該MPTに記載されたMMTパッケージIDが示すコンテンツが、対応するコンテンツである。また、多重分離部102は、ブラウザ部106(制御部)からの指示に基づき、チューナ部101が受信した信号から、DASHプレイヤを分離し、取得する。
【0030】
DASHプレイヤ記憶部104は、多重分離部102が取得したDASHプレイヤを保持する。また、DASHプレイヤ記憶部104は、ブラウザ部106からの要求に基づき、保持しているDASHプレイヤを供給する。ネットワークI/F部105(通信部)は、ネットワーク300を介して、DASHサーバ400およびストリーミングサーバ500と通信する。
【0031】
ブラウザ部106は、HTML(Hyper Text Markup Language)、BML(Broadcast Markup Language)などのブラウザであり、DASHプレイヤの取得に関する制御も行う。例えば、ブラウザ部106は、多重分離部102が取得したDASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置(DASHプレイヤ記憶部104)が保持しているときは、保持しているDASHプレイヤを読み出して、DASHプレイヤ実行部107に実行させる。また、ブラウザ部106は、DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置(DASHプレイヤ記憶部104)が保持していないときは、テレビジョン放送の信号またはDASHサーバ400から、該DASHプレイヤをダウンロードする。
【0032】
DASHプレイヤ実行部107は、DASHプレイヤを実行して、取得する映像、音声、クローズドキャプションを、多重分離部102およびネットワークI/F部105に指示する。DASHプレイヤ実行部107は、多重分離部102およびネットワークI/F部105を介して取得した映像、音声、クローズドキャプションを、デコーダ部103は、多重分離部102およびネットワークI/F部105を介して取得した映像、音声、クローズドキャプションを復号して生成した映像、音声の信号を表示装置600に出力する。
【0033】
送信装置200は、コンテンツ生成部201、SI(Signaling Information)生成部202、多重部203、送出部204を備える。コンテンツ生成部201は、映像、音声、クローズドキャプションなどのコンテンツを生成する。なお、DASHプレイヤが、コンテンツに含まれていてもよい。SI生成部202は、DASHプレイヤ情報を含む制御情報を生成する。例えば、SI生成部202は、MPT、SDT、PAT(Package Access Table)などのMMT-SI形式の制御情報を生成する。多重部203は、コンテンツ生成部201が生成したコンテンツ、SI生成部202が生成した制御情報を多重して、1つのストリームを生成する。送出部204は、多重部203が生成したストリームを、テレビジョン放送の信号にして、受信装置100に送出する。
【0034】
図2は、本実施形態におけるテレビジョン放送の信号の例を説明する模式図である。図2おける各矩形は、データを格納したパケットを示す。パケットVは、符号化された映像を格納する。パケットAは、符号化された音声を格納する。パケットVは、符号化された映像を格納する。パケットDは、DASHプレイヤを格納する。パケットMは、DASHプレイヤ情報を含むMPTなどの制御情報を格納する。本実施形態におけるテレビジョン放送の信号は、MMTなどのストリームであり、図2に示すように、それぞれが映像、音声、DASHプレイヤ、制御情報などを格納したパケットにより構成される。図2では、映像、音声、DASHプレイヤ、制御情報を格納したパケットを示したが、これらの他のデータを格納したパケットを含んでいてもよいし、映像または音声を格納したパケットを含んでいなくてもよい。また、パケットの大きさ(時間長)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0035】
このように、DASHプレイヤを格納したパケットは、時間間隔を置いて繰り返し配信される。このため、受信装置100は、視聴者が選局したタイミングで、テレビジョン放送の信号からDASHプレイヤを取得する場合、DASHプレイヤが格納されたパケットが配信されるまで待たないと、取得することができない。また、DASHプレイヤは、複数のパケットに分割されて格納されていることも有り得る。この場合は、受信装置100は、DASHプレイヤが分割して格納された複数のパケット全てが配信されるまで待たないと、取得することができない。そこで、本実施形態では、DASHプレイヤを、パッケージ(チャネル、サービス)内では同じものを使用するなど、イベント(番組、コンテンツ)間で同じものを使用するようにし、一度取得したものをDASHプレイヤ記憶部104に格納しておく。
【0036】
そして、放送を行う事業者は、パッケージ単位で配信されているMPTに、そのときのイベントを再生するのに必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報を含めておく。ブラウザ部106は、このDASHプレイヤ情報を参照し、自装置内のDASHプレイヤ記憶部104に該当するDASHプレイヤが格納されているときには、DASHプレイヤ記憶部104から読み出して、該DASHプレイヤをDASHプレイヤ実行部107に実行させる。これにより、DASHプレイヤ記憶部104に該当するDASHプレイヤが格納されていれば、DASHプレイヤの配信を待たずに、コンテンツを表示させることができる。
【0037】
図3は、本実施形態におけるMPTの構成例を示すテーブルである。図3は、MPTの構成のうち、先頭からの途中までを抜粋したものである。図3において、データ構造の欄は、MPTを構成するデータ構造の名称を示す。ビット数の欄は、各データ構造のビット数を示す。データ表記の欄は、各データ構造のデータ表記を示す。データ表記の“uimsbf”は、「符号なし整数、最上位ビット先頭(unsigned integer most significant bit first)」の略である。“bslbf”は、「ビット列、左端ビット先頭(bit string, left bit first)」の略である。“char”は、「文字(character)」の略である。
【0038】
図3に示すように、MPTの先頭には、このテーブルがMPTであることを示す8ビットの“table_id”が配置されている。続いて、当該MPTのバージョンを示す8ビットの“version”、当該MPTの長さ(バイト数)を示す16ビットの“length”、リザーブされている6ビットの“reserved”が配置され、MPTがサブセットに分割されているときの処理順を示す2ビットの“MPT_mode”が配置され、MMTパッケージIDの長さ(バイト数)を示す8ビットの“MMT_package_id_length”が配置され、MMTパッケージIDを構成する各バイトを示す“MMT_package_id_byte”がMMTパッケージIDの長さ分配置され、MPT記述子の長さ(バイト数)を示す16ビットの“MPT_descriptors_length”が配置され、MPT記述子を構成する各バイトを示す“MPT_descriptors_byte”がMPT記述子の長さ分配置され、アセットの数を示す8ビットの“number_of_assets”が配置されている。続いて、“number_of_assets”で示された数のアセットの情報が配置されているが、ここでは詳細の説明を省く。
【0039】
ここでは、DASHプレイヤ情報を、MPT記述子として配置する例を説明する。すなわち、第1ループとも呼ばれる、図3の“MPT_descriptors_byte”で構成される領域に配置する例を説明する。図4は、本実施形態におけるDASHプレイヤ情報の構成を示すテーブルである。本実施形態において、DASHプレイヤ情報は、MPT記述子であるMPEG_DASH_Player記述子(MPEG_DASH_Player_Descriptor)である。MPEG_DASH_Player記述子には、図4に示すように、“descriptor_tag”、“descriptor_length”、“MPEG_DASH_Player_Name_length”、“MPEG_DASH_Player_Name_byte”、“MPEG_DASH_Player_Version_length”、“MPEG_DASH_Player_Latest_Version_byte”、“MPEG_DASH_Player_Capability_Version_byte”が配置されている。なお、図4に示すビット数、データ表記は、一例であり、他のビット数、データ表記であってもよい。また、MPEG_DASH_Player記述子に含まれる項目の順番も一例であり、他の順であってもよいし、また、全ての項目を含んでいなくてもよい。
【0040】
“descriptor_tag”は、当該記述子がMPEG_DASH_Player記述子であることを示す。“descriptor_length”は、当該記述子の長さ(バイト数)を示す。“MPEG_DASH_Player_Name_length”は、DASHプレイヤの名称(ファイル名)の長さ(バイト数)を示す。“MPEG_DASH_Player_Name_byte”は、DASHプレイヤの名称の長さ分だけ配置され、当該記述子が格納されているMPTに対応する番組を再生可能なDASHプレイヤの名称が格納される。
【0041】
“MPEG_DASH_Player_Version_length”は、DASHプレイヤのバージョン番号の長さ(バイト数)を示す。“MPEG_DASH_Player_Latest_Version_byte”は、DASHプレイヤのバージョン番号の長さ分だけ配置され、DASHプレイヤの最新のバージョン番号が格納される。“MPEG_DASH_Player_Capability_Version_byte”は、DASHプレイヤのバージョン番号の長さ分だけ配置され、当該記述子が格納されているMPTに対応する番組を再生可能なDASHプレイヤの最も古い(小さい)バージョン番号を示す。
【0042】
図5は、本実施形態におけるブラウザ部106による受信開始処理を説明するフローチャートである。視聴者がパッケージを選局するなどして、受信装置100がテレビジョン放送の受信を開始すると、ブラウザ部106は、DASHプレイヤ情報を取得する(ステップSa1)。なお、このDASHプレイヤ情報は、多重分離部102が、チューナ部101が受信した信号から分離したものである。
【0043】
次に、ブラウザ部106は、DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤの名称と、名称が一致するDASHプレイヤをDASHプレイヤ記憶部104が保持しているか否かを判定する(ステップSa2)。一致するDASHプレイヤを保持していると判定したときは(ステップSa2-Yes)、ブラウザ部106は、ステップSa2で一致すると判定したDASHプレイヤのバージョン番号が、DASHプレイヤ情報が示す再生可能なDASHプレイヤの最も古い(小さい)バージョン番号と同じ、または、より新しいバージョン番号であるか否かを判定する(ステップSa3)。
【0044】
同じ、または、より新しいバージョン番号であるかと判定したときは(ステップSa3-Yes)、ブラウザ部106は、そのDASHプレイヤをDASHプレイヤ記憶部104から取得し、DASHプレイヤ実行部107に実行させることで、パッケージの受信、再生を開始する(ステップSa5)。
【0045】
一方、ステップSa2において、名称が一致するDASHプレイヤをDASHプレイヤ記憶部104が保持していないと判定したとき(ステップSa2-No)、および、ステップSa3において、同じ、または、より新しいバージョン番号でないと判定したとき(ステップSa3-No)は、ブラウザ部106は、DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤをダウンロードする(ステップSa4)。このダウンロードは、ブラウザ部106が、多重分離部102に指示して、テレビジョン放送の信号から行うようにしてもよいし、ネットワークI/F部105を介して、DASHサーバ400から行うようにしてもよい。テレビジョン放送の信号と、DASHサーバ400のどちらを優先するかは、視聴者が設定できるようにしてもよいし、テレビジョン放送の信号を優先するようにしてもよいし、DASHサーバ400を優先するようにしてもよい。また、ダウンロードするDASHプレイヤは、最新のバージョン番号のものとしてもよいが、再生可能なバージョン番号であればいずれでもよい。DASHプレイヤがダウンロードされると、ブラウザ部106は、そのDASHプレイヤをDASHプレイヤ実行部107に実行させることで、パッケージの受信、再生を開始する(ステップSa5)。なお、ダウンロードされたDASHプレイヤを、その名称、バージョン番号と対応付けて、DASHプレイヤ記憶部104が保持する。
【0046】
ステップSa5において、パッケージの受信、再生を開始した後、ブラウザ部106は、実行させたDASHプレイヤが、DASHプレイヤ情報が示す最新のバージョンと一致しているか否か判定する(ステップSa6)。一致していると判定したときは(ステップSa6-Yes)、ブラウザ部106は、受信開始処理を終了する。一方、一致していないと判定したときは(ステップSa6-No)、ブラウザ部106は、DASHプレイヤ情報が示す最新のバージョン番号のDASHプレイヤをダウンロードする(ステップSa7)。
【0047】
このダウンロードは、ステップSa4と同様に、テレビジョン放送の信号から行うようにしてもよいし、DASHサーバ400から行うようにしてもよい。テレビジョン放送の信号と、DASHサーバ400のどちらを優先するかは、視聴者が設定できるようにしてもよいし、テレビジョン放送の信号を優先するようにしてもよいし、DASHサーバ400を優先するようにしてもよい。DASHプレイヤをダウンロードした後、ブラウザ部106は、受信開始処理を終了する。なお、ダウンロードされたDASHプレイヤを、その名称、バージョン番号と対応付けて、DASHプレイヤ記憶部104が保持する。
【0048】
このように、本実施形態における受信装置100は、テレビジョン放送の信号を受信するチューナ部101と、コンテンツと、コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを示すDASHプレイヤ情報とを、テレビジョン放送の信号から取得する多重分離部102と、DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、自装置が保持しているDASHプレイヤを実行させるブラウザ部106とを備える。これにより、コンテンツの再生に必要なDASHプレイヤを自装置が保持しているときは、ダウンロードする必要がないため、視聴者が選局してから映像を表示するまでの時間を抑えることができる。
【0049】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、DASHプレイヤ情報がDASHプレイヤの名称を含む場合を説明した。第2の実施形態では、DASHプレイヤ情報がDASHプレイヤの識別番号を含む場合を説明する。以下では、本実施形態において、第1の実施形態とは異なる部分のみを説明する。その他の部分は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
図6は、本実施形態におけるDASHプレイヤ情報の構成を示すテーブルである。本実施形態においても、図4と同様にDASHプレイヤ情報はMPEG_DASH_Player記述子であるが、16ビットの“MPEG_DASH_Player_ID”を有する。なお、図4の場合に有していた、“MPEG_DASH_Player_Name_length”と“MPEG_DASH_Player_Name_byte”は有さない。なお、“MPEG_DASH_Player_ID”は、DASHプレイヤを識別するための識別番号である。この識別番号には、テレビジョン放送のチャンネルの識別番号、あるいは、テレビジョン放送の事業体の識別番号を用いるようにしてもよい。なお、図6に示すビット数、データ表記は、一例であり、他のビット数、データ表記であってもよい。また、MPEG_DASH_Player記述子に含まれる項目の順番も一例であり、他の順であってもよいし、また、全ての項目を含んでいなくてもよい。
【0051】
図7は、本実施形態における本実施形態におけるブラウザ部106による受信開始処理を説明するフローチャートである。図7のフローチャートは、ステップSa2に変えて、ステップSb2を有する点のみが異なる。ステップSb2では、ブラウザ部106は、DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤの識別番号と、識別番号が一致するDASHプレイヤをDASHプレイヤ記憶部104が保持しているか否かを判定する。
【0052】
このように、本実施形態では、DASHプレイヤの名称に変えて、識別番号を用いている。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、視聴者が選局してから映像を表示するまでの時間を抑えることができる。
また、識別番号に、テレビジョン放送のチャンネルの識別番号、あるいは、テレビジョン放送の事業体の識別番号を用いることができるので、テレビジョン放送のチャンネルの間、あるいは、事業体の間で、DASHプレイヤを容易に識別することができる。
【0053】
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、DASHプレイヤ情報がDASHプレイヤの名称を含む場合を説明した。第2の実施形態では、DASHプレイヤ情報がDASHプレイヤの識別番号を含む場合を説明した。第3の実施形態では、DASHプレイヤ情報が、コンテンツを再生可能な受信装置のカテゴリ、プロファイル、およびレベルを含む場合を説明する。以下では、本実施形態において、第1の実施形態とは異なる部分のみを説明する。その他の部分は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
図8は、本実施形態におけるDASHプレイヤ情報の構成を示すテーブルである。本実施形態においても、図4と同様にDASHプレイヤ情報はMPEG_DASH_Player記述子であるが、8ビットの“MPEG_DASH_Player_Category”、8ビットの“MPEG_DASH_Player_Profile”、8ビットの“MPEG_DASH_Player_Level”を有する。なお、図4の場合に有していた、“MPEG_DASH_Player_Name_length”と“MPEG_DASH_Player_Name_byte”は有さない。
【0055】
“MPEG_DASH_Player_Category”は、当該DASHプレイヤ情報を用いてコンテンツを再生可能な受信装置100のカテゴリを示す。カテゴリは、受信装置100の種類(セットトップボックス、携帯型端末など)を示す。“MPEG_DASH_Player_Profile”は、当該DASHプレイヤ情報を用いてコンテンツを再生可能な受信装置100のプロファイルを示す。ここでプロファイルとは受信装置が有する機能(デコード可能な符号方式、ネット接続しているか否かなど)を示す。“MPEG_DASH_Player_Level”は、当該DASHプレイヤ情報を用いてコンテンツを再生可能な受信装置100のレベル(性能)を示す。
【0056】
“MPEG_DASH_Player_Category”、“MPEG_DASH_Player_Profile”、“MPEG_DASH_Player_Level”のそれぞれは、ビットマップ形式であってもよい。例えば、MPEG_DASH_Player_Category”を構成するビット各々が、1つのカテゴリに対応しており、複数のビットを1にすることで、複数のカテゴリを示すようにしてもよい。“MPEG_DASH_Player_Profile”と“MPEG_DASH_Player_Level”も同様である。
【0057】
なお、図8に示すビット数、データ表記は、一例であり、他のビット数、データ表記であってもよい。また、MPEG_DASH_player記述子に含まれる項目の順番も一例であり、他の順であってもよいし、また、全ての項目を含んでいなくてもよい。また、複数のMPEG_DASH_player記述子が、1つのコンテンツに対応するDASHプレイヤ情報として、MPT、SDTなどの制御情報内に配置されていてもよい。受信装置100のブラウザ部106は、自装置のカテゴリ/プロファイル/レベルと一致するMPEG_DASH_player記述子を参照して、再生可能なDASHプレイヤを判定する。
【0058】
図9は、本実施形態におけるテレビジョン放送の信号の例を説明する模式図である。図2とは、パケットDに変えて、パケットD1、D2が含まれている点が異なる。パケットD1に格納されているDASHプレイヤと、パケットD2に格納されているDASHプレイヤは異なっている。例えば、これらは、対象としている受信装置100のカテゴリ、プロファイル、レベルの少なくとも1つが異なっている。
【0059】
図10は、本実施形態における本実施形態におけるブラウザ部106による受信開始処理を説明するフローチャートである。図10のフローチャートは、ステップSa1に変えてステップSc1、Sc2を有する点と、ステップSa2に変えて、ステップSc3を有する点のみが異なる。ステップSc1では、ブラウザ部106は、受信装置100(自装置)のカテゴリ、プロファイル、レベルを取得する。ステップSc2では、ブラウザ部106は、自装置のカテゴリ、プロファイル、レベルと一致する、DASHプレイヤ情報を取得する。ステップSc3では、ブラウザ部106は、DASHプレイヤ情報が示すDASHプレイヤの識別番号と、識別番号が一致するDASHプレイヤをDASHプレイヤ記憶部104が保持しているか否かを判定する。
【0060】
このように、本実施形態では、DASHプレイヤの名称に変えて、カテゴリ、プロファイル、レベルを用いている。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、視聴者が選局してから映像を表示するまでの時間を抑えることができる。
また、受信装置100のカテゴリ、プロファイル、レベルに応じて、DASHプレイヤを変えることができる。
【0061】
また、図1における受信装置100、または送信装置200の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより受信装置100、または送信装置200を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、複数のコンピュータにより構成されていてもよく、また、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0062】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0063】
また、上述した図1における受信装置100、または送信装置200の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず、専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。ハイブリッド、モノリシックのいずれでも良い。一部は、ハードウェアにより、一部はソフトウェアにより機能を実現させても良い。
また、半導体技術の進歩により、LSIに代替する集積回路化等の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0064】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0065】
10…送受信システム
100…受信装置
101…チューナ部
102…多重分離部
103…デコーダ部
104…DASHプレイヤ記憶部
105…ネットワークI/F部
106…ブラウザ部
107…DASHプレイヤ実行部
200…送信装置
201…コンテンツ生成部
202…SI生成部
203…多重部
204…送出部
300…ネットワーク
400…DASHサーバ
500…ストリーミングサーバ
600…表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10