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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124613
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】電力システム及び検出方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J3/38 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028487
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】嶋本 啓
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA10
5G066HA13
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】 外部電源と接続するためのケーブルの誤接続を適切に検出する電力システム及び検出方法を提供する。
【解決手段】 電力システムは、外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器と、前記直流電力を交流電力に変換する第2変換器と、電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2変換器から出力される交流電力と前記第1変換器に入力される交流電力とを比較した場合の差異である比較差異に基づいて、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器と、
前記直流電力を交流電力に変換する第2変換器と、
電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第2変換器から出力される交流電力と前記第1変換器に入力される交流電力とを比較した場合の差異である比較差異に基づいて、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、電力システム。
【請求項2】
前記比較差異は、電圧、電流及び電力の中から選択された1以上の第1パラメータに関する比較差異であって、波形、位相、単位時間毎の増加幅及び単位時間毎の減少幅の中から選択された1以上の第2パラメータに関する比較差異である、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記第1パラメータは、所定サンプリング周期で取得される、請求項2に記載の電力システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記比較差異が閾値以内である場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記比較差異が前記閾値以内である結果が2以上の所定回数に亘って連続する場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、請求項4に記載の電力システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記施設が前記電力系統と連系される連系状態において、前記第1変換器に入力される交流電力が正弦波である場合に、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項7】
外部電源から出力される交流電力を第1変換器によって直流電力に変換するステップAと、
前記直流電力を第2変換器によって交流電力に変換するステップBと、
電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップCと、を備え、
前記ステップCは、前記第2変換器から出力される交流電力と前記第1変換器に入力される交流電力とを比較した場合の差異である比較差異に基づいて、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップを含む、検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力システム及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の需給バランスの安定化のために蓄電装置を利用する技術(例えば、VPP; Virtual Power Plant)が注目を集めている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、施設は、施設内の交流配線から交流電力を供給するためのソケット(以下、屋外ソケット)を有する。例えば、屋外ソケットは、施設の屋外に電力を供給可能な位置(例えば、建物の外壁)に設置される屋外ソケットなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/041010号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2016/084396号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者等は、電気車両(EV)などの外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する変換器を利用することによって、直流電力を有効に利用することに着目した。例えば、直流電力は、蓄電装置の充電に用いられてもよい。このようなケースにおいて、外部電源から出力される交流電力は、外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する変換器に接続されたコネクタを介して供給されてもよい。
【0006】
しかしながら、外部電源から交流電力を供給するためのコネクタの形状は屋外ソケットの形状と同じであることが想定され、外部電源とコネクタを接続するためのケーブルが屋外ソケットに接続される誤接続が想定される。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、外部電源と接続するためのケーブルの誤接続を適切に検出する電力システム及び検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の一態様は、外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器と、前記直流電力を交流電力に変換する第2変換器と、電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2変換器から出力される交流電力と前記第1変換器に入力される交流電力とを比較した場合の差異である比較差異に基づいて、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出する、電力システムである。
【0009】
開示の一態様は、外部電源から出力される交流電力を第1変換器によって直流電力に変換するステップAと、前記直流電力を第2変換器によって交流電力に変換するステップBと、電力系統に接続され得る施設内の交流配線から交流電力を供給するための第1電力インタフェースと前記外部電源から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップCと、を備え、前記ステップCは、前記第2変換器から出力される交流電力と前記第1変換器に入力される交流電力とを比較した場合の差異である比較差異に基づいて、前記第1電力インタフェースと前記第2電力インタフェースとの間の誤接続を検出するステップを含む、検出方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外部電源と接続するためのケーブルの誤接続を適切に検出する電力システム及び検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る電力システム1を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る誤接続を説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る誤接続を説明するための図である。
図4図4は、実施形態に係る比較差異を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る比較差異を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る比較差異を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る比較差異を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る検出方法を示す図である。
図9図9は、変更例1に係る電力システム1を示す図である。
図10図10は、変更例2に係る電力システム1を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0013】
[実施形態]
(電力システム)
以下において、実施形態に係る電力システムについて説明する。図1に示すように、電力システム1は、太陽電池装置(以下、PV)110と、蓄電装置(以下、BT)120と、電気車両(以下、EV)130と、負荷140と、計測装置150と、を有する。電力システム1は、PCS(Power Conditioning System)200と、分電盤300と、を有する。電力システム1は、コネクタ400と、電力ソケット500と、を有する。
【0014】
特に限定されるものではないが、PV110、BT120、負荷140、PCS200、分電盤300、コネクタ400及び電力ソケット500は、施設を構成する建物の内側又は外側に設置されてもよい。EV130は、施設の敷地内に駐車可能であってもよい。
【0015】
PV110は、太陽光などの光に応じて発電をする分散電源である。例えば、PV110は、太陽光パネルによって構成される。実施形態では、PV110は、変換器210に接続され、変換器230から出力される直流電力が流れる直流電力線200Xに変換器210を通じて接続される。
【0016】
BT120は、電力の充電及び電力の放電をする分散電源である。例えば、BT120は、蓄電セルによって構成される。BT120は、EV130に搭載される蓄電装置と区別するために、定置蓄電装置と称されてもよい。実施形態では、BT120は、変換器220に接続され、変換器230から出力される直流電力が流れる直流電力線200Xに変換器220を通じて接続される。
【0017】
EV130は、蓄電装置を有しており、蓄電装置から出力される電力によって駆動する車両である。実施形態では、EV130に搭載される蓄電装置は、外部電源の一例である。以下において、EV130に搭載される蓄電装置は、BT130と称されてもよい。BT130は、BT120と区別するために、車載蓄電装置と称されてもよい。
【0018】
負荷140は、電力を消費する機器である。負荷140は、映像機器、音響機器、冷蔵庫、洗濯機、エアーコンディショナ、パーソナルコンピュータなどを含んでもよい。負荷140は、施設内の交流配線300Xによって分電盤300と電気的に接続される。交流配線300Xは、宅内配線300Xと称されてもよい。
【0019】
計測装置150は、電力系統11から施設への潮流電力(交流電力)を計測する。計測装置150は、施設から電力系統11への逆潮流電力(交流電力)を計測してもよい。計測装置150は、施設から電力系統11への逆潮流電力を防止するための逆潮防止センサであってもよい。
【0020】
PCS200は、PV110、BT120及びBT130に対応するパワーコンディショナである。具体的には、PCS200は、変換器210と、変換器220と、変換器230と、変換器240と、制御部250と、スイッチ群(スイッチ261~スイッチ263、スイッチ271~スイッチ273)と、を有する。
【0021】
変換器210は、PV110から出力される直流電力の電圧を変換する。変換器210は、片方向DC/DCコンバータと称されてもよい。
【0022】
変換器220は、BT120から出力される直流電力の電圧を変換する。変換器220は、変換器210、変換器230及び変換器240から出力される直流電力の電圧を変換する。変換器220は、双方向DC/DCコンバータと称されてもよい。
【0023】
変換器230は、コネクタ400から入力される交流電力を直流電力に変換する。変換器230は、AC/DCコンバータと称されてもよい。実施形態では、コネクタ400とBT130とが正しく接続されている場合に、変換器230は、BT130から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器を構成する。
【0024】
特に限定されるものではないが、変換器230は、変換器210、変換器220又は変換器240から出力される直流電力を交流電力に変換する機能を有していてもよい。このようなケースにおいて、変換器230は、双方向インバータと称されてもよい。
【0025】
変換器240は、変換器210、変換器220又は変換器230から出力される直流電力を交流電力に変換する。変換器240は、電力系統11から供給される交流電力を直流電力に変換する。変換器240は、双方向インバータと称されてもよい。実施形態では、変換器240は、変換器230から出力される直流電力を交流電力に変換する第2変換器を構成する。
【0026】
ここで、変換器210、変換器220、変換器230及び変換器240は、直流電力が流れる直流電力線200Xによって電気的に接続される。直流電力線200Xは、DCリンク部200Xと称されてもよい。
【0027】
制御部250は、PCS200を制御する。制御部250は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された2以上の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(Discrete Circuits)など)によって構成されてもよい。
【0028】
例えば、制御部250は、変換器220、変換器230及び変換器240と信号線によって接続されていてもよい。信号線は、有線であっても、無線であってもよい。制御部250は、変換器220、変換器230及び変換器240に対して制御コマンドを送信してもよい。制御部250は、変換器220、変換器230及び変換器240から各種情報を取得してもよい。
【0029】
実施形態では、制御部250は、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する制御部を構成する。制御部250は、変換器240から出力される交流電力と変換器230に入力される交流電力とを比較した場合の差異である比較差異に基づいて、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する。例えば、比較差異は、電圧、電流及び電力の中から選択された1以上の第1パラメータに関する比較差異である。より詳細に説明すると、比較差異は、第1パラメータの特徴を表す値である第2パラメータで比較した場合の差異であり、第2パラメータとしては、波形、位相、単位時間毎の増加幅及び単位時間毎の減少幅の中からいずれか1以上を選択してもよい。誤接続の検出の詳細については後述する。
【0030】
特に限定されるものではないが、制御部250は、PCSの筐体内に設置されるコントローラであってもよく、PCSの筐体外に設置されるコントローラであってもよい。制御部250は、PCS200とは別体として設置される装置(例えば、EMS; Energy Management System)であってもよい。
【0031】
スイッチ261は、PV110と変換器210との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ262は、BT120と変換器220との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ263は、コネクタ400と変換器230との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。
【0032】
スイッチ271は、後述するELB310(電力系統11)と変換器240との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ272は、後述する施設内ブレーカ320と変換器240との間の電気的な接続状態を切り替えるスイッチである。スイッチ273は、施設が電力系統11と連系された連系状態と施設が電力系統11から解列された解列状態とを切り替えるスイッチである。
【0033】
分電盤300は、ELB(Earth Leakage Breaker)310と、施設内ブレーカ320と、を有する。
【0034】
ELB310は、漏電が発生した場合に、漏電を遮断するブレーカである。ELB310は、電力系統11と電気的に接続される。ELB310は、漏電ブレーカと称されてもよい。
【0035】
施設内ブレーカ320は、宅内配線300Xの電流が閾値を超えた場合に、宅内配線300Xを遮断するブレーカである。施設内ブレーカ320は、宅内配線300Xに接続される。施設内ブレーカ320は、安全ブレーカと称されてもよく、サーキットブレーカと称されてもよい。
【0036】
コネクタ400は、PCS200(具体的には、変換器230)に電気的に接続されるインタフェースである。コネクタ400は、BT130とPCS200とを接続するためのケーブル611の一端を構成するコネクタ612が差し込まれる接続インタフェースである。ケーブル611の他端を構成するプラグ613は、BT130に電気的に接続された電力ソケットに差し込まれる。実施形態では、コネクタ400は、BT130から出力される交流電力を受け取るための第2電力インタフェースを構成する。
【0037】
特に限定されるものではないが、コネクタ400は、施設を構成する建物の外壁に配置されてもよい。
【0038】
ここで、コネクタ612は、コネクタ400と接続可能な形状を有していればよい。従って、コネクタ612は、汎用的なプラグ(例えば、A型プラグ)の形状を有していなくてもよく、PCS200に専用の形状を有していてもよい。一方で、プラグ613は、EV130などが有する汎用的な電力ソケットに差込可能な形状を有しており、汎用的なプラグ(例えば、A型プラグ)の形状を有してもよい。
【0039】
電力ソケット500は、宅内配線300Xに電気的に接続されるインタフェースである。負荷140Xを接続するためのケーブル711の一端を構成するプラグ713が差し込まれる接続インタフェースである。ケーブル711の他端は、負荷140Xに電気的に接続される。負荷140Xは、電力ソケット500に接続され得る負荷であり、上述した負荷140と便宜的に区別する。実施形態では、電力ソケット500は、宅内配線300Xから交流電力を供給するための第1電力インタフェースを構成する。
【0040】
特に限定されるものではないが、電力ソケット500は、施設を構成する建物の外壁に配置されてもよい。電力ソケット500は、施設を構成する建物の外壁においてコネクタ400の近傍に配置されてもよい。
【0041】
ここで、プラグ713は、汎用的な電力ソケット500に差込可能な形状を有しており、汎用的なプラグ(例えば、A型プラグ)の形状を有してもよい。すなわち、ケーブル711のプラグ713は、ケーブル611のプラグ613と同様の形状を有していてもよい。
【0042】
以上説明したように、実施形態では、電力システム1は、変換器220とDCリンク部200Xによって接続された変換器230及びコネクタ400を有するため、コネクタ400とBT130とをケーブル611によって接続することによって、BT130からBT120への充電が実現される。すなわち、変換器230から出力される直流電力は、変換器230から出力される直流電力が交流電力に変換されることなく、BT120の充電に用いられる。
【0043】
また、電力システム1は、変換器240とDCリンク部200Xによって接続された変換器230及びコネクタ400を有するため、コネクタ400とBT130とをケーブル611によって接続することによって、BT130から宅内配線300Xへの電力供給が実現される。
【0044】
(誤接続)
以下において、実施形態に係る誤接続について説明する。上述したように、ケーブル611のプラグ613は、電力ソケット500に差し込まれ得るプラグ713と同じ形状を有する。従って、ケーブル611のプラグ613が電力ソケット500に差し込まれる誤接続、すなわち、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を想定する。
【0045】
特に限定されるものではないが、ケーブル611がPCS200(又は、BT120)の駆動電力を供給するためのケーブルであると勘違いされ、PCS200(又は、BT120)の駆動電力を電力ソケット500から得ようとするケースなどが想定されてもよい。
【0046】
第1に、施設が電力系統11と連系された連系状態における誤接続について、図2を参照しながら説明する。図2に示すように、ケーブル611のコネクタ612がコネクタ400と接続され、ケーブル611のプラグ613が電力ソケット500に差し込まれる。ここでは、説明の簡略化のために、PV110及びBT120の動作が停止しているケースにおいて、電力変換に伴う損失がないものとして説明する。
【0047】
(1A)電力系統11から負荷140に対して負荷電力(例えば、1kW)が供給される。
【0048】
(1B)変換器230は、ケーブル611を介して交流電力の波形を検出するため、BT130から電力が供給されていると誤認する。変換器230は、コネクタ400から引込電力(例えば、0.5kW)を引き込み、引込電力(交流電力)を直流電力に変換し、直流電力をDCリンク部200Xに出力する。
【0049】
(1C)電力系統12から供給される潮流電力が負荷電力及び引込電力の合計(例えば、1.5kW)に対して不足するため、潮流電力が増加する。
【0050】
(1D)PCS200の変換器240が交流電力(例えば、0.5kW)を出力する。変換器240が出力する交流電力の増加に応じて、電力系統12から施設に供給される潮流電力が減少する。
【0051】
(1E)コネクタ400から引き込む引込電力が減少するため、DCリンク部200Xの電圧(例えば、変換器230の出力端の電圧)が閾値(例えば、320V)よりも減少する。閾値は、上限(例えば、375V)及び下限(例えば、305V)で定義される範囲で表されてもよい。例えば、DCリンク部200Xの電圧が下限(例えば、305V)よりも減少する。
【0052】
(1F)PCS200の変換器240が出力する交流電力が減少する。変換器240が出力する交流電力の減少に応じて、電力系統12から施設に供給される潮流電力が増加する。
【0053】
(1G)以降において、上述した(1B)~(1F)の動作(すなわち、引込電力の増加、変換器240の出力電力の増加、潮流電力の減少、引込電力の減少、DCリンク部200Xの電圧の減少、変換器240の出力電力の減少、潮流電力の増加、DCリンク部200Xの電圧の増加)が繰り返される。例えば、上述した(1B)~(1F)の動作は、所定期間(3msec)内において生じる。
【0054】
以上説明したように、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じても、誤接続が検出されることなく運転が継続する。一方で、上述した説明では、電力変換に伴う損失がないものとしたが、実際には電力変換に伴う損失が生じる。従って、変換器240を介した電力のループによって、変換器230及び変換器240における不必要な電力変換に伴う損失が生じ続ける。上述した誤接続を放置することは、電力の節約という観点で不適切である。
【0055】
第2に、施設が電力系統11から解列された解列状態における誤接続について、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、ケーブル611のコネクタ612がコネクタ400と接続され、ケーブル611のプラグ613が電力ソケット500に差し込まれる。ここでは、説明の簡略化のために、PV110の動作が停止しているケースにおいて、電力変換に伴う損失がないものとして説明する。
【0056】
(2A)変換器220は、BT120から出力される直流電力の電圧を変換し、直流電力をDCリンク部200Xに出力する。変換器240は、直流電力を交流電力に変換し、交流電力を出力する。従って、PCS200から負荷140に対して負荷電力(例えば、1kW)が供給される。
【0057】
(2B)変換器230は、ケーブル611を介して交流電力の波形を検出するため、BT130から電力が供給されていると誤認する。変換器230は、コネクタ400から引込電力(例えば、0.5kW)を引き込み、引込電力(交流電力)を直流電力に変換し、直流電力をDCリンク部200Xに出力する。
【0058】
(2C)PCS200の出力電力(交流電力)が負荷電力及び引込電力の合計(例えば、1.5kW)に対して不足するため、DCリンク部200Xの電圧(例えば、変換器230の出力端の電圧)が閾値(例えば、320V)よりも減少する。閾値は、上限(例えば、375V)及び下限(例えば、305V)で定義される範囲で表されてもよい。例えば、DCリンク部200Xの電圧が下限(例えば、305V)よりも減少する。
【0059】
(2D)変換器220は、DCリンク部200Xの電圧の減少に応じて、変換器220の出力電力を増加する。従って、DCリンク部200Xの電圧が増加する。
【0060】
(2E)変換器230は、DCリンク部200Xの電圧の増加に応じて、コネクタ400から引き込む引込電力を増加する。引込電力の増加幅は、所定幅(例えば、0.5kW)であってもよい。
【0061】
(2F)以降において、上述した(2B)~(2E)の動作(すなわち、引込電力の増加、変換器240の出力電力の増加、DCリンク部200Xの電圧の減少、変換器220の出力電力の増加、DCリンク部200Xの電圧の増加)が繰り返される。例えば、上述した(2B)~(2E)の動作は、所定期間(3msec)内において生じる。
【0062】
(2G)変換器240の出力電力が最大定格電力(例えば、5kW)に達すると、変換器230は、引込電力の増加を停止する。
【0063】
以上説明したように、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じても、誤接続が検出されることなく運転が継続する。一方で、上述した説明では、電力変換に伴う損失がないものとしたが、実際には電力変換に伴う損失が生じる。従って、変換器240を介した電力のループによって、変換器230及び変換器240における不必要な電力変換に伴う損失が生じ続ける。上述した誤接続を放置することは、電力の節約という観点で不適切である。
【0064】
(比較差異)
以下において、比較差異について説明する。以下においては、第1パラメータが電圧であり、第2パラメータが周波数であるケースについて例示する。すなわち、本ケースの比較差異は、電圧の周波数に関して比較する場合の差異である。但し、第1パラメータは、電圧、電力及び電流の中から選択された1以上のパラメータであってもよい。第2パラメータは、波形、位相、単位時間毎の増加幅及び単位時間毎の減少幅の中から選択された1以上のパラメータであってもよい。
【0065】
第1に、連系状態においてコネクタ400にBT130が接続されるケース(誤接続が生じないケース)について説明する。
【0066】
このようなケースにおいて、変換器240から出力される交流電力の電圧波形(以下、第1波形)は、電力系統11から供給される交流電力の電圧波形に依存するため、電力系統11から供給される交流電力の電圧波形(正弦波)と同視することができる。一方で、変換器230に入力される交流電力の電圧波形(以下、第2波形)は、EV130に配置される変換器(例えば、DC/AC変換器)によって交流電力に変換されるため、変換器から出力される交流電力の電圧波形(疑似正弦波)である。EV130に配置される変換器は、双方向インバータであってもよい。
【0067】
ここで、第1波形が電力系統11から供給される電圧波形に依存するのに対し、第2波形が電力系統11から供給される電圧波形に依存することなく生成されることから、第1波形(正弦波)及び第2波形(疑似正弦波)の生成主体が異なるため、図4に示すように、第1波形は第2波形と一致しない可能性がある。例えば、第1波形の位相は、第2波形の位相と異なる。また、ある単位時間に着目すると、第1波形の単位時間毎の増加幅は、第2波形の単位時間毎の増加幅と異なり、第1波形の単位時間毎の減少幅は、第2波形の単位時間毎の減少幅と異なる。
【0068】
以下において、第2波形が第1波形と関連なく生成された結果として異なる電圧波形を有するケース、又は、第2波形が第1電圧波形そのものに依存することなく生成されるケースについて、第1波形及び第2波形の生成主体が異なると考えてもよい。一方で、第2波形が第1波形と同じ電圧波形に依存して生成された電圧波形を有するケース、又は、第2波形が第1波形そのものに依存して生成されるケースについて、第1波形及び第2波形の生成主体が同じであると考えてもよい。
【0069】
第2に、解列状態においてコネクタ400にBT130が接続されるケース(誤接続が生じないケース)について説明する。
【0070】
このようなケースにおいて、第1波形は、変換器240によって交流電力に変換されるため、変換器240から出力される交流電力の電圧波形(疑似正弦波)である。第2波形は、EV130に配置される変換器によって交流電力に変換されるため、変換器から出力される交流電力の電圧波形(疑似正弦波)である。
【0071】
ここで、第1波形(疑似正弦波)及び第2波形(疑似正弦波)の生成主体が異なるため、図5に示すように、第1波形は第2波形と一致しない可能性がある。例えば、第1波形の位相は、第2波形の位相と異なる。また、ある単位時間に着目すると、第1波形の単位時間毎の増加幅は、第2波形の単位時間毎の増加幅と異なり、第1波形の単位時間毎の減少幅は、第2波形の単位時間毎の減少幅と異なる。
【0072】
第3に、連系状態においてコネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じるケースについて説明する。
【0073】
このようなケースにおいて、第1波形は、電力系統11から供給される交流電力の電圧波形に依存するため、電力系統11から供給される交流電力の電圧波形(正弦波)と同視することができる。第2波形は、電力ソケット500からコネクタ400を介して変換器230に交流電力が入力されるため、電力ソケット500から供給される交流電力(すなわち、電力系統11から供給される交流電力)の電圧波形(正弦波)と同視することができる。
【0074】
ここで、第1波形(正弦波)及び第2波形(正弦波)の生成主体が同じであるため、図6に示すように、第1波形は第2波形と一致する。例えば、第1波形の位相は、第2波形の位相と同じである。また、ある単位時間に着目すると、第1波形の単位時間毎の増加幅は、第2波形の単位時間毎の増加幅と同じであり、第1波形の単位時間毎の減少幅は、第2波形の単位時間毎の減少幅と同じである。
【0075】
第4に、解列状態においてコネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じるケースについて説明する。
【0076】
このようなケースにおいて、第1波形は、変換器240によって交流電力に変換されるため、変換器240から出力される交流電力の電圧波形(疑似正弦波)である。第2波形は、電力ソケット500からコネクタ400を介して変換器230に交流電力が入力されるため、電力ソケット500から供給される交流電力(すなわち、変換器240から出力される交流電力)の電圧波形(疑似正弦波)と同じである。
【0077】
ここで、第1波形(疑似正弦波)及び第2波形(疑似正弦波)の生成主体が同じであるため、図7に示すように、第1波形は第2波形と一致する。例えば、第1波形の位相は、第2波形の位相と同じである。また、ある単位時間に着目すると、第1波形の単位時間毎の増加幅は、第2波形の単位時間毎の増加幅と同じであり、第1波形の単位時間毎の減少幅は、第2波形の単位時間毎の減少幅と同じである。
【0078】
(検出方法)
以下において、誤接続の検出方法について説明する。以下においては、制御部250の動作について主として説明する。
【0079】
図8に示すように、ステップS11において、制御部250は、変換器240から出力される交流電力と変換器230に入力される交流電力との比較差異が閾値以内であるか否かを判定する。制御部250は、比較差異が閾値以内である場合に、ステップS12の処理を実行する。制御部250は、比較差異が閾値以内でない場合に、一連の処理を終了する。
【0080】
ここで、閾値は、第1波形及び第2波形が完全に一致していなくても、誤接続の検出を可能とするための閾値である。例えば、閾値は、±1[V]の電圧の差、±9°の位相の差、±5[V]の単位時間毎の増加幅/減少幅の差、第1波形と第2波形との±0.5msecの時間差などによって定義されてもよい。
【0081】
ステップS12において、制御部250は、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する。制御部250は、誤接続が生じている旨をユーザに通知してもよい。
(作用及び効果)
【0082】
実施形態では、制御部250は、変換器240から出力される交流電力と変換器230に入力される交流電力との比較差異に基づいて、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出する。このような構成によれば、汎用的な電力ソケット500と同様の形状の電力ソケットを有する外部電源(例えば、EV130)を電力供給源として活用する新たな利用シーンを想定した場合に、コネクタ400と電力ソケット500との誤接続を適切に検出することができる。
【0083】
実施形態では、誤接続の検出において、変換器240から出力される交流電力及び変換器230に入力される交流電力を用いるため、PV110、BT120などの動作を停止する必要がないため、電力システム1の動作を中断することなく誤接続を検出することができる。
【0084】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0085】
変更例1では、変換器240から出力される交流電力を計測する計測装置(以下、第1計測装置)及び変換器230に入力される交流電力を計測する計測装置(以下、第2計測装置)の配置のバリエーションについて説明する。
【0086】
第1に、第1計測装置の配置のバリエーションにいて説明する。図9に示すように、第1計測装置は、スイッチ273と施設内ブレーカ320との間(図9では、S1A)に配置されてもよい。このような構成によれば、連系状態及び解列状態の双方に兼用の第1計測装置を1箇所に配置することができる。或いは、第1計測装置は、変換器240とスイッチ273との間(図9では、S1B1)に配置され、かつ、変換器240とスイッチ273との間の2箇所(図9では、S1B2の2箇所)に配置されてもよい。このような構成によれば、連系状態で用いる第1計測装置及び解列状態で用いる第1計測装置を2箇所に配置されてもよい。
【0087】
第2に、第2計測装置の配置のバリエーションについて説明する。図9に示すように、第2計測装置は、コネクタ400と変換器230との間(図9では、S2)に配置されてもよい。第2計測装置は、スイッチ263と変換器230との間に配置されてもよく、コネクタ400とスイッチ263との間に配置されてもよい。
【0088】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0089】
具体的には、実施形態では、PV110、BT120及びBT130に対応するPCS200について例示した。これに対して、変更例2では、BT130に専用のPCSについて例示する。
【0090】
図10に示すように、電力システム1は、PCS200に代えて、BT130に専用のPCS800を有する。PCS800は、変換器830及び変換器840を有する。特に限定されるものではないが、PCS800は、EV受電ユニットと称されてもよい。電力システム1は、制御部250に代えて、制御部850を有する。
【0091】
変換器830は、変換器230と同様に、コネクタ400から入力される交流電力を直流電力に変換する。変換器830は、AC/DCコンバータと称されてもよい。変更例2では、コネクタ400とBT130とが正しく接続されている場合に、変換器830は、BT130から出力される交流電力を直流電力に変換する第1変換器を構成する。
【0092】
特に限定されるものではないが、変換器830は、変換器840から出力される直流電力を交流電力に変換する機能を有していてもよい。このようなケースにおいて、変換器830は、双方向インバータと称されてもよい。
【0093】
変換器840は、変換器240と同様に、変換器830から出力される直流電力を交流電力に変換する。変換器840は、DC/ACコンバータと称されてもよい。変更例2では、変換器840は、変換器830から出力される直流電力を交流電力に変換する第2変換器を構成する。
【0094】
特に限定されるものではないが、変換器840は、電力系統11から供給される交流電力を直流電力に変換する機能を有していてもよい。このようなケースにおいて、変換器840は、双方向インバータと称されてもよい。
【0095】
ここで、変換器830及び変換器840は、直流電力線800X(DCリンク部800X)によって電気的に接続される。
【0096】
制御部850は、制御部250と同様に、コネクタ400と電力ソケット500との誤接続を検出する。制御部850は、PCS800のコントローラであってもよく、PCS900のコントローラであってもよく、EMSであってもよい。
【0097】
このような前提下において、BT120が併設される場合には、電力システム1は、BT120に専用のPCS900を有してもよい。また、PV110が併設される場合には、電力システム1は、PV110に専用のPCSを有してもよい。
【0098】
変更例2は、BT130及び分散電源(例えば、PV110、BT120など)が直流電力線で接続されない点、スイッチ271~スイッチ273がPCS800の外部に配置される点などを除いて、上述した実施形態と同様である。従って、コネクタ400と電力ソケット500との誤接続の検出が実行されることが好ましい。特に限定されるものではないが、スイッチ271及びスイッチ272は、PCS800内に配置されてもよく、スイッチ273は、分電盤300内に配置されてもよい。
【0099】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0100】
第1に、変更例3では、第1波形及び第2波形に関する第1パラメータ(例えば、電圧、電流又は電力)は、所定サンプリング周期で取得されてもよい。すなわち、制御部250は、変換器240から出力される交流電力に関する第1パラメータ及び変換器230に入力される交流電力に関する第1パラメータを所定サンプリング周期で取得してもよい。制御部250は、所定サンプリング周期で取得される第1パラメータの比較差異に基づいて、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0101】
特に限定されるものではないが、誤接続の検出で用いる所定サンプリング周期は、第1波形及び第2波形の形状を連続的に特定するためのサンプリング周期よりも短くてもよい。
【0102】
このような構成によれば、誤接続の検出で必要な処理負荷を軽減することができる。
【0103】
第2に、制御部250は、比較差異が閾値以内である結果が2回以上の所定回数に亘って連続する場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0104】
このような構成によれば、誤接続の検出精度の向上を図ることができる。
【0105】
第3に、制御部250は、図6で説明したように、連系状態において、変換器230に入力される交流電力(第2波形)が正弦波であるか否かを判定してもよい。制御部250は、連系状態において、変換器230に入力される交流電力(第2波形)が正弦波である場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続を検出してもよい。
【0106】
このような構成によれば、連系状態に関する誤接続の検出を簡易な構成又は処理によって実現することができる。
【0107】
第4に、制御部250は、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が検出された場合に、変換器240の出力電圧を一定範囲で変化させるとともに、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が引き続き検出されるか否かを判定してもよい。例えば、一定範囲は、101[V]と102[V]との間の範囲であってもよい。例えば、制御部250は、101[V]、102[V]、101[V]…のように変換器240の出力電圧を変化させて誤接続が引き続き検出されるか否かを判定してもよい。制御部250は、誤接続が引き続き検出される場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じていると判定してもよい。制御部250は、誤接続が検出されなくなった場合に、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が生じていないと判定してもよい。
【0108】
このような構成によれば、誤接続の検出精度の向上を図ることができる。
【0109】
第5に、制御部250は、コネクタ400と電力ソケット500との間の誤接続が検出された場合に、誤接続が生じている旨の警報をユーザに通知してもよい。制御部250は、ユーザによって警報が解除された場合に、一定期間に亘って誤接続の検出を停止してもよい。さらに、制御部250は、ユーザによって解除された警報で用いた比較結果を記憶し、記憶された比較結果を誤接続ではない比較結果として管理してもよい。
【0110】
このような構成によれば、警報が繰り返される事態を回避するとともに、誤接続の検出精度の向上を図ることができる。
【0111】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0112】
上述した開示では、外部電源として、EV130(BT130)を例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。外部電源は、エンジン発電機などの発電装置を含んでもよい。
【0113】
上述した開示では、施設に設置される分散電源として、PV110及びBT120について例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。施設に設置される分散電源は、燃料電池装置、風力発電装置、水力発電装置、地熱発電装置及びバイオマス発電装置の中から選択された1以上の分散電源を含んでもよい。
【0114】
上述した開示では特に触れていないが、電力の増減は、電圧の増減によって検出されてもよく、電流の増減によって検出されてもよい。
【0115】
上述した開示では特に触れていないが、解列状態は、自立状態と読み替えてもよい。増加は、上昇と読み替えてもよく、減少は、低下と読み替えてもよい。
【0116】
上述した開示では特に触れていないが、誤接続の検出は、定期的に実行されてもよい。誤接続の検出は、コネクタ400へのケーブル611の接続をトリガーとして実行されてもよい。
【0117】
上述した開示では特に触れていないが、変換器220、変換器230、変換器240、制御部250及び各種計測装置などのユニット間の通信は、所定プロトコル(例えば、RS485、ECHONET Lite(登録商標))に準拠して実行されてもよい。
【0118】
上述した開示では特に触れていないが、第1波形及び第2波形を所定タイミングでサンプリングした値同士の相関性を示す相関係数に基づいて、第1波形と第2波形との比較が実行されてもよい。例えば、相関係数(-1~+1)の絶対値が所定閾値(例えば、0.99)よりも高い場合に、第1波形及び第2波形が類似すると判定され、誤接続が検出されてもよい。一方で、相関係数(-1~+1)の絶対値が所定閾値(例えば、0.99)よりも低い場合に、第1波形及び第2波形が類似していないと判定され、誤接続が検出されなくてもよい。相関係数の絶対値を用いることによって、A型プラグをソケットに差し込む向きによらずに、誤接続を検出することができる。
【0119】
上述した開示では特に触れていないが、第1波形及び第2波形は、コンデンサによって平滑化せずに、ダイオードブリッジなどを用いて全波整流されてもよい。このようなケースでは、第1波形及び第2波形は、+側の波形のみを含むと考えてもよい。
【0120】
特に限定されるものではないが、コネクタ400及び電力ソケット500は、同一の形状を有していてもよい。
【0121】
上述した開示では特に触れていないが、変換器230が双方向インバータである場合には、EV130(BT130)の充電が実行されてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1…電力システム、11…電力系統、110…PV、120…BT、130…EV(BT)、140,140X…負荷、150…計測装置、200…PCS、200X…直流電力線(DCリンク部)、210…変換器、220…変換器、230…変換器、240…変換器、250…制御部、261~263…スイッチ、271~273…スイッチ、300…分電盤、300X…交流配線(宅内配線)、310…ELB、320…施設内ブレーカ、400…コネクタ、500…電力ソケット、611…ケーブル、612…コネクタ、613…プラグ、711…ケーブル、713…プラグ、800…PCS、800X…直流電力線(DCリンク部)、830…変換器、840…変換器、850…制御部、900…PCS
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10