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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124620
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/245 20180101AFI20230830BHJP
   F21S 43/239 20180101ALI20230830BHJP
   F21S 43/30 20180101ALI20230830BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230830BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20230830BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20230830BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20230830BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20230830BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20230830BHJP
   F21W 106/00 20180101ALN20230830BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230830BHJP
【FI】
F21S43/245
F21S43/239
F21S43/30
F21S2/00 435
F21S2/00 440
F21V7/00 350
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:55
F21W103:00
F21W106:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028496
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】坂下 麻美
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244AA09
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA10
3K244EA01
3K244EA12
3K244EA17
3K244EA21
3K244EA34
3K244ED03
3K244ED06
3K244ED07
3K244ED13
3K244FA07
3K244FA08
(57)【要約】
【課題】 簡素な構成による設計の自由度の向上を図った上で光源の非点灯時における被視認性及び意匠性の向上を図る。
【解決手段】 光源からの光が入射される入射面と一端部に形成された出射面とを有し入射面に入射された光を導き出射面から出射する導光体と、導光体の他端部を覆い少なくとも反射面が着色されたリフレクターとを備え、導光体には光を内面反射するレンズステップが形成され、光源の非点灯時に導光体に入射される自然光の一部が反射面で反射されレンズステップと出射面へ向かう。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光が入射される入射面と一端部に形成された出射面とを有し前記入射面に入射された光を導き前記出射面から出射する導光体と、
前記導光体の他端部を覆い少なくとも反射面が着色されたリフレクターとを備え、
前記導光体には光を内面反射するレンズステップが形成され、
前記光源の非点灯時に前記導光体に入射される自然光の一部が前記反射面で反射され前記レンズステップと前記出射面へ向かう
車輌用灯具。
【請求項2】
前記リフレクターと前記導光体の他端部とがエクステンションによって遮蔽された
請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記導光体には所定の方向に延び前記光源から入射された光を導く導光部と前記導光部の外周面に連続された板状の出射部とが設けられ、
前記導光部は前記出射部の厚み方向と同じ方向における幅が前記出射部の厚みより大きくされ、
前記導光部が前記リフレクターによって覆われ、
前記レンズステップが前記出射部に形成された
請求項1又は請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
光源からの光が入射される入射面と一端部に形成された出射面とを有し前記入射面に入射された光を導き前記出射面から出射する導光体を備え、
前記導光体に着色部が一体に設けられ、
前記導光体には光を内面反射するレンズステップが形成され、
前記光源の非点灯時に前記導光体に入射される自然光の一部が前記着色部で反射され又は前記着色部を透過され前記レンズステップと前記出射面へ向かう
車輌用灯具。
【請求項5】
前記着色部がエクステンションによって遮蔽された
請求項4に記載の車輌用灯具。
【請求項6】
前記導光体には所定の方向に延び前記光源から入射された光を導く導光部と前記導光部の外周面に連続された板状の出射部とが設けられ、
前記導光部は前記出射部の厚み方向と同じ方向における幅が前記出射部の厚みより大きくされ、
前記着色部が前記導光部に連続して設けられ、
前記レンズステップが前記出射部に形成された
請求項4又は請求項5に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射された光を導いて出射する導光体を有する車輌用灯具についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用灯具には光源から出射された光を導光体によって導いて導光体の出射面から出射するタイプがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された車輌用灯具においては、所定の方向に延びる丸軸状の導光体が設けられ、入射面から導光体に入射された光が導かれ出射面から出射される構成にされている。
【0003】
このような導光体が用いられた構成においては、導光体の形状や長さ等によって出射面からの出射範囲を広範囲にすることや出射方向の自由度を高めることが可能であるため、簡素な構成によって車輌用灯具における設計の自由度の向上を図ることができる。
【0004】
一方、近年、光源の非点灯時においても被視認性や意匠性(デザイン性)の観点から車輌用灯具の内部構造が色付いて視認されることも望まれている。
【0005】
そこで、車輌用灯具には、光源の非点灯時において車輌用灯具の内部構造が色付いて視認可能にされたものがある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された車輌用灯具においては、光源が搭載された基板に印刷によって着色層が形成され、光源の非点灯時にカバーの外側から入射される光(自然光)をカバーに設けられたプリズム部によって屈折させて着色層とリフレクターで反射させ、反射した光がカバーを透過されることにより車輌用灯具の内部構造が色付いて視認されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-183143号公報
【特許文献2】特開2015-65035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、光源の非点灯時に内部構造が色付いて視認される車輌用灯具において、内部構造における複数の部分が色付いて視認されることにより、被視認性や意匠性を一層高くすることが可能である。
【0008】
一方、上記した特許文献2に記載された車輌用灯具においては、導光体が用いられていないため、導光体を用いた場合のような簡素な構成による設計の自由度の向上を図り難い。
【0009】
そこで、本発明車輌用灯具は、簡素な構成による設計の自由度の向上を図った上で光源の非点灯時における被視認性及び意匠性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る車輌用灯具は、光源からの光が入射される入射面と一端部に形成された出射面とを有し前記入射面に入射された光を導き前記出射面から出射する導光体と、前記導光体の他端部を覆い少なくとも反射面が着色されたリフレクターとを備え、前記導光体には光を内面反射するレンズステップが形成され、前記光源の非点灯時に前記導光体に入射される自然光の一部が前記反射面で反射され前記レンズステップと前記出射面へ向かうものである。
【0011】
別の本発明に係る車輌用灯具は、光源からの光が入射される入射面と一端部に形成された出射面とを有し前記入射面に入射された光を導き前記出射面から出射する導光体を備え、前記導光体に着色部が一体に設けられ、前記導光体には光を内面反射するレンズステップが形成され、前記光源の非点灯時に前記導光体に入射される自然光の一部が前記着色部で反射され又は前記着色部を透過され前記レンズステップと前記出射面へ向かうものである。
【0012】
これにより、本発明及び別の本発明に係る車輌用灯具において、光源の点灯時に光源から出射された光が導光体によって導かれて出射面から出射されると共に光源の非点灯時にレンズステップと出射面が色付いた状態で視認可能にされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光源の点灯時に光源から出射された光が導光体によって導かれて出射面から出射されると共に光源の非点灯時にレンズステップと出射面が色付いた状態で視認可能にされるため、簡素な構成による設計の自由度の向上を図った上で光源の非点灯時における被視認性及び意匠性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図2乃至図9と共に本発明車輌用灯具の第1の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略断面図である。
図2】導光体と光源の斜視図である。
図3】光源の非点灯時における光路等を示す図である。
図4】光源の非点灯時における視認状態を示す斜視図である。
図5】着色ベースが配置された例を示す断面図である。
図6】複数の出射部が設けられた導光体について光源の非点灯時における光路等を示す図である。
図7】複数の異なる色が付されたリフレクターの例を示す斜視図である。
図8】別の導光体と光源の斜視図である。
図9】別の導光体とリフレクターを示す断面図である。
図10図11乃至図14と共に本発明車輌用灯具の第2の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略断面図である。
図11】着色部が別の位置に設けられた導光体を示す断面図である。
図12】光源の非点灯時における光路等を示す図である。
図13】着色部がまた別の位置に設けられた導光体を示す断面図である。
図14】別の導光体等を光路とともに示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0016】
以下には、車輌用灯具からの光の照射方向を前方として前後上下左右の方向を説明する。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0017】
尚、本発明車輌用灯具は、例えば、車体の前端側に取り付けられる場合にはクリアランスランプやターンシグナルランプやデイタイムランニングランプとして用いられることが好適であり、車体の後端側に取り付けられる場合にはテールランプやターンシグナルランプとして用いられることが好適である。また、本発明車輌用灯具は、例えば、自動運転時の表示灯や室内灯やドアハンドルに内蔵される照明灯等の他の車輌用の灯具としても適用することが可能である。
【0018】
<第1の実施の形態>
先ず、第1の実施の形態に係る車輌用灯具1について説明する(図1乃至図9参照)。
【0019】
車輌用灯具1は前方又は前方から側方に亘って開口されたランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0020】
灯室5には図示しない基板に搭載された光源6と光源6から出射された光を導く導光体7と導光体7の一部を前側から遮蔽するエクステンション8と光を反射するリフレクター9とが配置されている(図1及び図2参照)。尚、灯室5には光源6と導光体7とエクステンション8とリフレクター9の他にシェード等の各部材が配置されていてもよい。
【0021】
光源6としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられている。光源6は導光体7の側方に位置されている。
【0022】
導光体7は所定の方向、例えば、左右方向に延びる導光部10と導光部10の外周面10aに連続された板状の出射部11とによって構成され、導光部10と出射部11が透明な樹脂材料又はガラス材料によって一体に形成されている。
【0023】
導光部10は長手方向に直交する方向における断面形状が、例えば、円形状にされ、丸軸状に形成されている。導光部10は長手方向において光源6側の端面が入射面10bとして形成され、入射面10bが光源6に対向した状態で位置されている。入射面10bには光源6から出射される光が入射される。
【0024】
尚、導光部10の形状は丸軸状に限られることはなく、長手方向に直交する方向における断面形状が、例えば、矩形状や楕円形状等の他の形状にされていてもよい。
【0025】
但し、導光部10の長手方向に直交する方向における断面形状が円形状に形成されることにより、導光部10の形状が角張った形状にならず入射面10bの外形を過度に大きくすることなく面積を大きくすることが可能になり、導光部10を簡素な形状に形成した上で光の入射効率の向上を図ることができる。
【0026】
出射部11は導光部10の外周面10aの一部に連続されている。出射部11は平板状、例えば、長方形状に形成され、一方の長辺が導光部10の外周面10aに連続されている。尚、出射部11の形状は平板状に限られることはなく曲板状等の他の形状に形成されていてもよい。出射部11は、例えば、前方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜されている。但し、出射部11は前方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜されていてもよい。
【0027】
出射部11の厚みTは導光部10の上下方向における幅Hより小さくされている(図3参照)。従って、導光部10は出射部11の厚み方向と同じ方向における幅Hが出射部11の厚みTより大きくされている。
【0028】
出射部11は先端面が前方を向く出射面11aとして形成されている(図2及び図3参照)。出射面11aからは導光部10で導かれた光が出射される。
【0029】
出射部11には複数のレンズステップ12が形成されている。複数のレンズステップ12は出射部11の下面に形成され、例えば、前後左右に互い違いに離隔し千鳥状の配列状態にされている。尚、複数のレンズステップ12は同じ大きさにされていてもよく異なる大きさにされていてもよい。レンズステップ12は出射部11の内部で進行する光を全反射(内面反射)させる機能を有している。
【0030】
出射部11は厚み方向においてレンズステップ12が形成されていない側の面が出光面11bとして形成されている。
【0031】
尚、出射部11の前後方向における幅は灯室5の大きさや灯室5に配置される他の部材との関係により任意の大きさにすることが可能である。例えば、出射部11の前後方向における幅が導光部10の長手方向において変化する形状に形成することも可能である。
【0032】
エクステンション8は導光体7の導光部10を前側から遮蔽する機能を有し、エクステンション8には横長の形状にされた挿通孔8aが形成されている(図1参照)。エクステンション8の挿通孔8aには出射部11における導光部10側の端部が挿通されている。従って、導光部10はエクステンション8の後側に位置され、エクステンション8によって前側から遮蔽されている。
【0033】
リフレクター9は、例えば、横長の半円筒状に形成され、導光部10を後側から覆う状態で位置されている。従って、リフレクター9はエクステンション8の後側に位置され、エクステンション8によって導光部10とともに前側から遮蔽されている。リフレクター9の内面は反射面9aとして形成されている。リフレクター9は、例えば、青色や緑色等の所定の色に着色されている。リフレクター9が着色されている状態を図3に梨子地で示す。
【0034】
尚、リフレクター9は少なくとも反射面9aが着色されていればよい。また、リフレクター9に付された色は光源6から出射される光の色より淡色にされている。
【0035】
上記のように構成された車輌用灯具1において、光源6から光が出射されると、出射された光が入射面10bから入射されて導光部10で導かれ、導光部10で導かれた光が全反射(内面反射)しながら出射面11a又はレンズステップ12へ向かい、出射面11a又は出光面11bから出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0036】
尚、光源6から出射された光が導光部10で導かれるときには、一部の光が導光部10から出射されリフレクター9へ向かい、リフレクター9の反射面9aで反射された光が再び導光部10に入射され、出射面11a又は出光面11bから出射される可能性がある。このとき、光源6から入射され導光部10で全反射されて出射面11a又は出光面11bから出射される光の色にリフレクター9に付された色が混じる可能性があるが、上記したように、リフレクター9に付された色が光源6から出射される光の色より淡色にされている。従って、反射面9aで反射された光が出射面11a又は出光面11bから出射される光の色に影響を及ぼし難く、出射面11a又は出光面11bからは予め定められた適正な色の光が出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0037】
一方、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1の外部の自然光がカバー3を透過されて出射部11の出射面11aから導光体7に入射される(図3の光線A参照)。出射面11aから導光体7に入射された光の一部は全反射されて導光部10からリフレクター9へ向けて出射され、反射面9aで反射されて再び導光部10に入射され、出射面11aから出射される(図3の光線A及び図4の梨子地F参照)。
【0038】
従って、光源6の非点灯時には、視認者において出射面11aがリフレクター9に付された色で色付いて視認される。
【0039】
同時に、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1の外部の自然光がカバー3を透過されて出射部11の出光面11bから導光体7に入射される(図3の光線B参照)。出光面11bから導光体7に入射された光の一部はレンズステップ12で全反射されて導光部10からリフレクター9へ向けて出射され、反射面9aで反射されて再び導光部10に入射され、レンズステップ12で全反射されて出光面11bから出射される(図3の光線B及び図4の梨子地G参照)。
【0040】
従って、光源6の非点灯時には、視認者においてレンズステップ12の存在する部分がリフレクター9に付された色で色付いて視認される。
【0041】
上記したように、導光体7には所定の方向に延び光源6から出射された光を導く導光部10と導光部10の外周面10aに連続された板状の出射部11とが設けられ、導光部10は出射部11の厚みT方向と同じ方向における幅Hが出射部11の厚みより大きくされている。
【0042】
従って、幅Hが出射部11の厚みTより大きくされた導光部10で導かれた光が出射部11の出射面11aから出射されるため、光源6から出射された光の入射面10bへの入射量が多くなり、光の利用効率を高めた上で被視認性及び意匠性の向上を図ることができる。
【0043】
尚、上記のような構成においては、例えば、導光体7の下側に黒色等の暗色に着色された着色ベース50が配置されていてもよい(図5参照)。
【0044】
着色ベース50が配置された構成においては、光源6の非点灯時に着色ベース50の存在によって導光体7が視認され難くなり、視認者においてはリフレクター9に付された色で色付いて視認される出射面11aとレンズステップ12の存在する部分とが黒色の背景の中に浮いた状態で認識される。
【0045】
従って、光源6の非点灯時における一層の被視認性の向上及び意匠性の向上を図ることができる。
【0046】
また、車輌用灯具1においては導光部10の異なる面に連続する複数の出射部11が設けられた構成にされていてもよい(図6参照)。この場合には、光源6の非点灯時に導光体7に入射された車輌用灯具1の外部の自然光がリフレクター9の反射面9aで反射されて再び導光部10に入射され、視認者において複数の出射部11の出射面11aとレンズステップ12の存在する部分とがリフレクター9に付された色で色付いて視認される。
【0047】
従って、光源6の非点灯時におけるより一層の被視認性の向上及び意匠性の向上を図ることができると共に光源6の点灯時における光の有効活用及び輝度の向上を図ることができる。
【0048】
さらに、車輌用灯具1においては、リフレクター9に複数の異なる色が付された部分を形成してもよい(図7参照)。例えば、反射面9aが複数の異なる色が付された部分P、P、・・・を有するように構成し、部分P、P、・・・が左右方向において離隔した状態又は連続した状態で位置されてもよい。尚、部分P、P、・・・は少なくとも二つの部分において異なる色が付されている。
【0049】
このような構成にされることにより、光源6の非点灯時に視認者において各部が異なる色で色付いて視認されるため、意匠性の一層の向上を図ることができる。
【0050】
上記には、導光部10と出射部11を有する導光体7の例を示したが、導光体7に代えて導光体13が用いられてもよい(図8及び図9参照)。導光体13は各種の形状に形成され一方の側面が入射面とされたライトガイド(異形ライトガイド)と称される導光体であり、以下には、例として、緩やかに湾曲された形状に形成された導光体13を示す。尚、導光体13の形状は下記に示す形状以外の他の形状に形成されていてもよい。
【0051】
導光体13は透明な樹脂材料又はガラス材料によって形成されている。導光体13は一方の側面が入射面13aとして形成され、入射面13aが複数の光源6に対向した状態で位置されている。複数の光源6は入射面13aの長手方向において離隔して位置され、入射面13aには複数の光源6から出射される光が入射される。
【0052】
導光体13は、例えば、前方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜されている。但し、導光体13は前方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜されていてもよい。
【0053】
導光体13は先端面が前方を向く出射面13bとして形成されている。導光体13には複数のレンズステップ12が形成されている。複数のレンズステップ12は導光体13の下面に形成され、例えば、前後左右に互い違いに離隔し千鳥状の配列状態にされている。レンズステップ12は導光体13の内部で進行する光を全反射(内面反射)させる機能を有している。
【0054】
導光体13は厚み方向においてレンズステップ12が形成されていない側の面が出光面13cとして形成されている。尚、導光体13の前後方向における幅は灯室5の大きさや灯室5に配置される他の部材との関係により任意の大きさにすることが可能である。
【0055】
導光体13の後端部はエクステンション8の後側に位置され、エクステンション8によって前側から遮蔽されている。
【0056】
エクステンション8の後側にはリフレクター14が配置されている。リフレクター14は、例えば、略左右方向に延びる形状にされ、長手方向に直交する方向における断面形状がコ字状に形成され、導光体13の後端部を覆う状態で位置されている。従って、リフレクター14はエクステンション8によって導光体13の後端部とともに前側から遮蔽されている。リフレクター14の内面は反射面14aとして形成されている。リフレクター14は、例えば、青色や緑色等の所定の色に着色されている。リフレクター14が着色されている状態を図9に梨子地で示す。
【0057】
尚、リフレクター14は少なくとも反射面14aが着色されていればよい。また、リフレクター14に付された色は光源6から出射される光の色より淡色にされている。
【0058】
導光体13を有する構成において、光源6から光が出射されると、出射された光が入射面13aから入射されて導光体13で導かれ、導光体13で導かれた光が全反射(内面反射)しながら出射面13b又はレンズステップ12へ向かい、出射面13b又は出光面13cから出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0059】
尚、光源6から出射された光が導光体13で導かれるときには、一部の光が導光体13の後端部から出射されリフレクター14へ向かい、リフレクター14の反射面14aで反射された光が再び導光体13に入射され、出射面13b又は出光面13cから出射される可能性がある。このとき、光源6から入射され導光体13で全反射されて出射面13b又は出光面13cから出射される光の色にリフレクター14に付された色が混じる可能性があるが、上記したように、リフレクター14に付された色が光源6から出射される光の色より淡色にされている。従って、反射面14aで反射された光が出射面13b又は出光面13cから出射される光の色に影響を及ぼし難く、出射面13b又は出光面13cからは予め定められた適正な色の光が出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0060】
一方、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1の外部の自然光がカバー3を透過されて出射面13bから導光体13に入射される。出射面13bから導光体13に入射された光の一部は全反射されて導光体13からリフレクター14へ向けて出射され、反射面14aで反射されて再び導光体13に入射され、全反射されて出射面13bから出射される。
【0061】
従って、光源6の非点灯時には、視認者において出射面13bがリフレクター14に付された色で色付いて視認される。
【0062】
同時に、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1の外部の自然光がカバー3を透過されて出光面13cから導光体13に入射される。出光面13cから導光体13に入射された光の一部はレンズステップ12で全反射されて導光体13からリフレクター14へ向けて出射され、反射面14aで反射されて再び導光体13に入射され、レンズステップ12で全反射されて出光面13cから出射される。
【0063】
従って、光源6の非点灯時には、視認者においてレンズステップ12の存在する部分がリフレクター14に付された色で色付いて視認される。
【0064】
以上に記載した通り、第1の実施の形態に係る車輌用灯具1においては、入射された光を導き出射面11a、13bから出射する導光体7、13と、導光体7、13の他端部を覆い少なくとも反射面9a、14aが着色されたリフレクター9、14とを備え、導光体7、13には光を内面反射するレンズステップ12が形成され、光源6の非点灯時に導光体7、13に入射される自然光の一部が反射面9a、14aで反射されレンズステップ12と出射面11a、13bへ向かう構成にされている。
【0065】
従って、光源6の点灯時に光源6から出射された光が導光体7、13によって導かれて出射面11a、13bから出射されると共に光源6の非点灯時にレンズステップ12と出射面11a、13bが色付いた状態で視認可能にされるため、簡素な構成による設計の自由度の向上を図った上で光源6の非点灯時における被視認性及び意匠性の向上を図ることができる。
【0066】
また、リフレクター9、14と導光体7、13の他端部とがエクステンション8によって遮蔽されているため、車輌の外部から車輌用灯具1の内部が視認された状態において色付いて視認させるための構成が視認されないため、車輌用灯具1の見栄えの向上及び意匠性の向上を図ることができる。
【0067】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る車輌用灯具1Aについて説明する(図10乃至図14参照)。
【0068】
尚、以下に示す車輌用灯具1Aは、上記した車輌用灯具1と比較して、リフレクターが設けられていないこと及び着色された部分が導光体に一体に形成されていることのみが相違するため、車輌用灯具1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については車輌用灯具1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0069】
灯室5には光源6と導光体21とエクステンション8が配置されている(図10参照)。
【0070】
導光体21は導光部10と導光部10に一体に設けられた着色部22と出射部11とによって構成され、導光部10と着色部22と出射部11が樹脂材料又はガラス材料によって一体に形成されている。車輌用灯具1Aにおいては、リフレクター9が設けられていない。
【0071】
着色部22は、例えば、二色成形により導光部10と一体に形成され、青色や緑色等の所定の色に着色されている。尚、着色部22に付された色は光源6から出射される光の色より淡色にされている。
【0072】
着色部22は導光部10の外周面10aにおける後側の略半分の部分に連続されている。着色部22は、例えば、導光部10から後側に突出した状態で設けられている。着色部22はリフレクターとしての機能を有している。但し、着色部22は光の透過が可能にされている。
【0073】
尚、導光体21は、導光部10と着色部22を合わせた形状が長手方向に直交する方向における断面形状において円形状にされていてもよい(図11参照)。このような構成により、着色部22が導光部10から突出されない形状にされるため、導光体21の小型化を図ることができる。
【0074】
上記のように構成された車輌用灯具1Aにおいて、光源6から光が出射されると、出射された光が入射面10bから入射されて導光部10で導かれ、導光部10で導かれた光が全反射(内面反射)しながら出射面11a又はレンズステップ12へ向かい、出射面11a又は出光面11bから出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0075】
尚、光源6から出射された光が導光部10で導かれるときには、一部の光が着色部22で反射されて出射面11a又は出光面11bから出射される可能性があるが、上記したように、着色部22に付された色が光源6から出射される光の色より淡色にされている。従って、着色部22で反射された光が出射面11a又は出光面11bから出射される光の色に影響を及ぼし難く、出射面11a又は出光面11bからは予め定められた適正な色の光が出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0076】
一方、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1Aの外部の自然光がカバー3を透過されて出射部11の出射面11aから導光体21に入射される(図12の光線C参照)。出射面11aから導光体21に入射された光の一部は全反射されて導光部10へ向かい、着色部22で反射されて出射面11aから出射される。
【0077】
従って、光源6の非点灯時には、視認者において出射面11aが着色部22に付された色で色付いて視認される。
【0078】
同時に、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1Aの外部の自然光がカバー3を透過されて出射部11の出光面11bから導光体21に入射される(図12の光線D参照)。出光面11bから導光体21に入射された光の一部はレンズステップ12で全反射されて導光部10へ向かい、着色部22で反射されレンズステップ12で全反射されて出光面11bから出射される。
【0079】
従って、光源6の非点灯時には、視認者においてレンズステップ12の存在する部分が着色部22に付された色で色付いて視認される。
【0080】
上記したように、導光体21には所定の方向に延び光源6から入射された光を導く導光部10と導光部10の外周面10aに連続された板状の出射部11とが設けられ、導光部10は出射部11の厚みT方向と同じ方向における幅Hが出射部11の厚みより大きくされている。
【0081】
従って、幅Hが出射部11の厚みTより大きくされた導光部10で導かれた光が出射部11の出射面11aから出射されるため、光源6から出射された光の入射面10bへの入射量が多くなり、光の利用効率を高めた上で被視認性及び意匠性の向上を図ることができる。
【0082】
尚、上記のような構成においては、車輌用灯具1と同様に、例えば、導光体21の下側に黒色等の暗色に着色された着色ベースが配置されていてもよい。
【0083】
このような構成においては、光源6の非点灯時に着色ベースの存在によって導光体21が視認され難くなり、視認者においては着色部22に付された色で色付いて視認される出射面11aとレンズステップ12の存在する部分とが黒色の背景の中に浮いた状態で認識される。
【0084】
従って、光源6の非点灯時における一層の被視認性の向上及び意匠性の向上を図ることができる。
【0085】
また、車輌用灯具1Aにおいては、着色部22が光の透過が可能であるため、灯室5において自然光が着色部22の後側から着色部22を透過されて導光部10から出射部11に入射される可能性がある。光源6の非点灯時に着色部22を透過されて出射部11に自然光が入射された場合には、入射された光の一部が出射面11aから出射されると共にレンズステップ12で全反射されて出光面11bから出射される。
【0086】
従って、光源6の非点灯時には、灯室5において着色部22を透過された自然光も出射面11a又は出光面11bから出射されることにより、出射面11aとレンズステップ12の存在する部分とが着色部22に付された色で色付いて視認される。
【0087】
さらに、車輌用灯具1Aにおいても車輌用灯具1と同様に、導光部10の異なる面に連続する複数の出射部11が設けられた構成にされていてもよい。この場合には、光源6の非点灯時に導光体21に入射された車輌用灯具1Aの外部の自然光が着色部22で反射され、視認者において複数の出射部11の出射面11aとレンズステップ12の存在する部分とが着色部22に付された色で色付いて視認される。
【0088】
従って、光源6の非点灯時における一層の被視認性の向上及び意匠性の向上を図ることができると共に光源6の点灯時における光の有効活用及び輝度の向上を図ることができる。
【0089】
さらにまた、車輌用灯具1Aにおいても車輌用灯具1のリフレクター9と同様に、着色部22に複数の異なる色が付された部分を形成してもよい。
【0090】
このような構成にされることにより、光源6の非点灯時に視認者において各部が異なる色で色付いて視認されるため、一層の意匠性の向上を図ることができる。
【0091】
また、上記には、着色部22が導光体21の後端部に設けられた例を示したが、導光体21は着色部22が、例えば、導光部10の前端に連続され導光部10と出射部11の間に設けられた構成にされていてもよい(図13参照)。この場合には、光源6の非点灯時に車輌用灯具1Aの外部から導光体21に入射される自然光が導光部10で反射され着色部22を透過されて出射面11a又は出光面11bから出射されることにより、出射面11aとレンズステップ12の存在する部分とが着色部22に付された色で色付いて視認される。
【0092】
上記には、導光部10と出射部11と着色部22を有する導光体21の例を示したが、導光体21に代えて導光体23が用いられてもよい(図14参照)。導光体23は導光体13と同様に、各種の形状に形成され一方の側面が入射面とされたライトガイド(異形ライトガイド)と称される導光体である。また、導光体23は後端部に着色部22が設けられていること以外は導光体13と同様の構成にされているため、導光体23の構成については簡単に説明する。
【0093】
導光体23は先端面が前方を向く出射面23aとして形成されている。導光体23は厚み方向においてレンズステップ12が形成されていない側の面が出光面23bとして形成されている。導光体23は後端部が着色部22として設けられている。
【0094】
導光体23は着色部22がエクステンション8の後側に位置され、着色部22がエクステンション8によって前側から遮蔽されている。
【0095】
導光体23を有する構成において、光源6から光が出射されると、出射された光が導光体23で導かれ、導光体23で導かれた光が全反射(内面反射)しながら出射面23a又はレンズステップ12へ向かい、出射面23a又は出光面23bから出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0096】
尚、光源6から出射された光が導光体23で導かれるときには、一部の光が着色部22で反射されて出射面23a又は出光面23bから出射される可能性があるが、上記したように、着色部22に付された色が光源6から出射される光の色より淡色にされている。従って、着色部22で反射された光が出射面23a又は出光面23bから出射される光の色に影響を及ぼし難く、出射面23a又は出光面23bからは予め定められた適正な色の光が出射されカバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
【0097】
一方、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1Aの外部の自然光がカバー3を透過されて出射面23aから導光体23に入射される。出射面23aから導光体23に入射された一部の光は着色部22で反射されて出射面23aから出射される。
【0098】
従って、光源6の非点灯時には、視認者において出射面23aが着色部22に付された色で色付いて視認される。
【0099】
同時に、光源6の非点灯時には、車輌用灯具1Aの外部の自然光がカバー3を透過されて出光面23bから導光体23に入射される。出光面23bから導光体23に入射された光の一部はレンズステップ12で全反射され、着色部22で反射されレンズステップ12で全反射されて出光面23bから出射される。
【0100】
従って、光源6の非点灯時には、視認者においてレンズステップ12の存在する部分が着色部22に付された色で色付いて視認される。
【0101】
以上に記載した通り、第2の実施の形態に係る車輌用灯具1Aにおいては、入射された光を導き出射面11a、23aから出射する導光体21、23を備え、導光体21、23に着色部22が一体に設けられ、導光体21、23には光を内面反射するレンズステップ12が形成され、光源6の非点灯時に導光体21、23に入射される自然光の一部が着色部22で反射され又は着色部22を透過されレンズステップ12と出射面11a、23aへ向かう構成にされている。
【0102】
従って、光源6の点灯時に光源6から出射された光が導光体21、23によって導かれて出射面11a、23aから出射されると共に光源6の非点灯時にレンズステップ12と出射面11a、23aが色付いた状態で視認可能にされるため、簡素な構成による設計の自由度の向上を図った上で光源6の非点灯時における被視認性及び意匠性の向上を図ることができる。
【0103】
また、着色部22がエクステンション8によって遮蔽されているため、車輌の外部から車輌用灯具1Aの内部が視認された状態において色付いて視認させるための構成が視認されないため、車輌用灯具1Aの見栄えの向上及び意匠性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0104】
1…車輌用灯具、6…光源、7…導光体、8…エクステンション、9…リフレクター、9a…反射面、10…導光部、10a…外周面、10b…入射面、11…出射部、11a…出射面、12…レンズステップ、13…導光体、13a…入射面、13b…出射面、14…リフレクター、14a…反射面、1A…車輌用灯具、21…導光体、22…着色部、23…導光体、23a…出射面
図1
図2
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