(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124682
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】釣竿用スペーサ及び釣竿用スペーサの製造方法
(51)【国際特許分類】
A01K 87/00 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
A01K87/00 640Z
A01K87/00 630P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028603
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA01
2B019AA06
2B019AF06
2B019AF10
(57)【要約】
【課題】軽量化を図ることができる釣竿用スペーサを提供することを課題とする。
【解決手段】釣竿の竿杆に被取付部材を取り付けるための釣竿用スペーサ1であって、軸方向に延在する第一中空部5を備え、円筒状を呈する内壁部2と、内壁部2よりも大径であり、円筒状を呈する外壁部3と、内壁部2と外壁部3との間に形成された第二中空部7と、を備えていることを特徴とする。本発明によれば、内壁部2と外壁部3との間に第二中空部7を備えているため、軽量化を図ることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材を取り付けるための釣竿用スペーサであって、
軸方向に延在する第一中空部を備え円筒状を呈する内壁部と、
前記内壁部と同心で当該内壁部よりも大径であり、円筒状を呈する外壁部と、
前記内壁部と前記外壁部との間に形成された第二中空部と、を備えていることを特徴とする釣竿用スペーサ。
【請求項2】
前記内壁部と前記外壁部との間を径方向に連結するとともに、軸方向に延在する縦リブを備え、
前記第二中空部は、前記縦リブに沿って軸方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項3】
前記内壁部と前記外壁部との間を径方向に連結するとともに、周方向に延在する横リブを備え、
前記第二中空部は、前記横リブに沿って周方向に延在していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項4】
両端側のうち少なくとも一方は、前記内壁部と前記外壁部との間が閉塞されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項5】
3Dプリンタを用いた釣竿用スペーサの製造方法であって、
前記釣竿用スペーサは、
軸方向に延在する第一中空部を備え円筒状を呈する内壁部と、
前記内壁部と同心で当該内壁部よりも大径であり、円筒状を呈する外壁部と、
前記内壁部と前記外壁部との間に形成された第二中空部と、を備え、
溶融された樹脂を、前記3Dプリンタのテーブルに対して垂直方向に積層させつつ前記内壁部及び前記外壁部を前記釣竿用スペーサの軸方向に沿って成形することを特徴とする釣竿用スペーサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿用スペーサ及び釣竿用スペーサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リールシートやグリップを釣竿の竿杆に取り付ける場合には、リールシートやグリップの内周面と竿杆の外周面との間隙を埋めるための間隙部材として、円筒状のスペーサを介在させている。スペーサとリールシート等及び竿杆とはそれぞれ接着剤で接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
釣竿は、長時間に亘る釣りや操作性を考慮すると、さらなる軽量化が求められている。本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、軽量化を図ることができる釣竿用スペーサを提供することを課題とする。また、容易に製造できるとともに製造効率が高い釣竿用スペーサの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、被取付部材を取り付けるための釣竿用スペーサであって、軸方向に延在する第一中空部を備え円筒状を呈する内壁部と、前記内壁部と同心で当該内壁部よりも大径であり、円筒状を呈する外壁部と、前記内壁部と前記外壁部との間に形成された第二中空部と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、第一中空部に加え、内壁部と外壁部との間に第二中空部を備えているため、軽量化を図ることができる。
【0007】
また、前記内壁部と前記外壁部との間を径方向に連結するとともに、軸方向に延在する縦リブを備え、前記第二中空部は、前記縦リブに沿って軸方向に延在していることが好ましい。
また、前記内壁部と前記外壁部との間を径方向に連結するとともに、周方向に延在する横リブを備え、前記第二中空部は、前記横リブに沿って周方向に延在していることが好ましい。
【0008】
本発明によれば、縦リブ又は横リブを備えているため強度を高めることができる。
【0009】
また、両端側のうち少なくとも一方は、前記内壁部と前記外壁部との間が閉塞されていることが好ましい。
【0010】
ここで、例えば、特許文献1の形態では、スペーサの端部において径方向に貫通するスリットを備えている。当該形態であると、接着剤で接着する際に、スリットに接着剤が充填されてしまい重くなってしまうという問題がある。また、スリットの内部に接着剤が入ってしまうため、接着剤が適切な接着面に届かず、接着不良が起こるおそれもある。また、スリット以外の部分は中実であるため、スペーサ自体がそもそも重い。
これに対し、本発明によれば、両端側のうち少なくとも一方において、内壁部と外壁部との間が閉塞されているため、内壁部と外壁部の間に接着剤が入るのを防ぐことができる。これにより、接着剤を適切な接着面に流入させることができるとともに、内壁部と外壁部の間に設けられた第一中空部で軽量化を図ることができる。
【0011】
また、本発明は、3Dプリンタを用いた釣竿用スペーサの製造方法であって、前記釣竿用スペーサは、軸方向に延在する第一中空部を備え円筒状を呈する内壁部と、前記内壁部と同心で当該内壁部よりも大径であり、円筒状を呈する外壁部と、前記内壁部と前記外壁部との間に形成された第二中空部と、を備え、溶融された樹脂を、前記3Dプリンタのテーブルに対して垂直方向に積層させつつ前記内壁部及び前記外壁部を前記釣竿用スペーサの軸方向に沿って成形することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、3Dプリンタを用いて釣竿用スペーサを容易に製造することができる。また、釣竿用スペーサの軸方向に沿って成形するため、1個当たりの成形面積(成形に要する面積)を小さくすることができる。これにより、一回の成形サイクルで多くの釣竿用スペーサを製造できるため、製造効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る釣竿用スペーサによれば、軽量化を図ることができる。また、本発明に係る釣竿用スペーサの製造方法によれば、容易に製造することができるとともに製造効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る釣竿用スペーサを一端側から見た斜視図である。
【
図2】第一実施形態に係る釣竿用スペーサを他端側から見た斜視図である。
【
図3】第一実施形態に係る釣竿用スペーサの側面図である。
【
図7】釣竿用スペーサとリールシートとを組付ける状態を示す側断面図である。
【
図8】釣竿用スペーサと竿杆とを組み付ける状態を示す側断面図である。
【
図9】釣竿用スペーサ、リールシート及び竿杆を組付けた状態を示す側断面図である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る釣竿用スペーサの製造方法の初期段階を示す斜視図である。
【
図11】第一実施形態に係る釣竿用スペーサの製造方法の終期段階を示す斜視図である。
【
図12】比較例に係る釣竿用スペーサの製造方法を示す斜視図である。
【
図13】本発明の第二実施形態に係る釣竿用スペーサを一端側から見た斜視図である。
【
図14】第二実施形態に係る釣竿用スペーサを他端側から見た斜視図である。
【
図15】第二実施形態に係る釣竿用スペーサの側面図である。
【
図19】本発明の第三実施形態に係る釣竿用スペーサを一端側から見た斜視図である。
【
図20】第三実施形態に係る釣竿用スペーサを他端側から見た斜視図である。
【
図21】第三実施形態に係る釣竿用スペーサの側面図である。
【
図23】本発明の第四実施形態に係る釣竿用スペーサを一端側から見た斜視図である。
【
図24】第四実施形態に係る釣竿用スペーサを他端側から見た斜視図である。
【
図26】第四実施形態の変形例を示す断面図である。
【
図27】本発明の第五実施形態に係る釣竿用スペーサを示す斜視図である。
【
図30】本発明の第六実施形態に係る釣竿用スペーサを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係る釣竿用スペーサについて、適宜図面を参照して説明する。各実施形態はあくまで例示であって、各実施形態を適宜組み合わせて構成することができる。また、同一の部材については、符号や説明を省略する場合がある。
【0016】
図1及び
図2に示すように、釣竿用スペーサ1は、円筒状を呈している。釣竿用スペーサ1は、後記する釣竿の竿杆12(
図9参照)に対してリールシート11(
図9参照)やグリップ等の被取付部材を取り付ける際に使用されるものであり、竿杆12と被取付部材との間に接着剤を介して介設される。
【0017】
釣竿用スペーサ1は、樹脂により一体形成されている。樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ASA樹脂、PLA樹脂、PP樹脂、PET樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、また、これらの樹脂にカーボン繊維を含ませた樹脂等が挙げられる。釣竿用スペーサ1は、3Dプリンタ等により容易に製造することができる。
【0018】
釣竿用スペーサ1は、内壁部2と、外壁部3と、閉塞部4と、第一中空部5と、縦リブ6と、第二中空部7とを備えている。内壁部2は、円筒状を呈する。内壁部2の内側は、軸方向に延在する第一中空部5が形成されている。第一中空部5は、後記する竿杆12(
図9参照)が挿入される部位である。
【0019】
外壁部3は、円筒状を呈する。外壁部3は、内壁部2と同心で形成され、内壁部2よりも大径になっている。閉塞部4は、釣竿用スペーサ1の一端側において、内壁部2と外壁部3との間を周方向に亘って閉塞するリング状かつ板状を呈する部位である。
【0020】
縦リブ6は、
図3~6も参照するように、内壁部2と外壁部3との間を径方向に連結するとともに、軸方向に直線状かつ板状に延在する部位である。縦リブ6は、周方向に亘って一定の間隔で複数個配設されている。
【0021】
第二中空部7は、内壁部2、外壁部3及び周方向に隣り合う一対の縦リブ6,6で構成された空間である。第二中空部7は、周方向に亘って一定の間隔で複数個配設されている。第二中空部7は、軸方向に連通して形成されるとともに、一端側は閉塞部4によって閉塞され、他端側は開放されている。第二中空部7は、本実施形態では、横断面が略台形を呈するが、他の形状であってもよい。
【0022】
次に、
図7~9に示すように、釣竿用スペーサ1の組付け方法について説明する。まず、
図7に示すように、釣竿用スペーサ1とリールシート11とを組み付ける。リールシート11は、リール(図示省略)を着脱するための筒状部材である。リールシート11は、
図7~9では簡略化して描画している。リールシート11の内径は、釣竿用スペーサ1の外径よりも若干大きくなるように形成されている。リールシート11の内周面及び釣竿用スペーサ1の外周面の少なくとも一方に接着剤を塗布した後、リールシート11の中空部に、釣竿用スペーサ1の一端側(閉塞部4側)を挿入する。つまり、閉塞部4がリールシート11に対向するように組み付ける。
【0023】
次に、
図8に示すように、釣竿用スペーサ1と竿杆12とを組み付ける。竿杆12は、釣竿の主体となる筒状部材である。釣竿用スペーサ1の内壁部2の内周面及び竿杆12の外周面の少なくとも一方に接着剤を塗布した後、釣竿用スペーサ1の一端側(閉塞部4側)から竿杆12を挿入する。つまり、閉塞部4が竿杆12に対向するように組み付ける。
図9に示すように、最後に、釣竿用スペーサ1の両端にシール部材S,Sを設置して組付けが完了する。
【0024】
次に、
図10及び
図11に示すように、本実施形態に係る釣竿用スペーサの製造方法について説明する。釣竿用スペーサの製造方法では、3Dプリンタを用いて樹脂で一体形成する。ここでは、一回の成形サイクルで12個の釣竿用スペーサ1を成形する場合を例示する。一回の成形サイクルで成形できる個数は、3Dプリンタのテーブル(ベッド)Tの大きさや、釣竿用スペーサ1の外径に応じて適宜設定すればよい。
【0025】
まず、テーブルTの上面に、溶融された樹脂を3Dプリンタのノズルから吐出して閉塞部4を成形する。全ての閉塞部4が成形されたら、テーブルTの上面に対して垂直となる方向に、内壁部2、外壁部3及び縦リブ6(第二中空部7)を所定の高さで各閉塞部4に対して積層させていく。換言すると、テーブルTの上面に対して垂直となる方向と、各釣竿用スペーサ1の軸方向とが平行となるように溶融された樹脂を積層させていく。
図11に示すように、内壁部2等が所定の高さに達したら釣竿用スペーサ1が完成する。
【0026】
ここで、
図12は、比較例に係る釣竿用スペーサの製造方法を示す斜視図である。比較例では、釣竿用スペーサ1の軸方向と、テーブルTの上面に対して垂直となる方向が直交している。つまり、テーブルTの上面に外壁部3の一部を直線状に成形した後、当該部位から周方向外側に広がるように成形していく。
図12の比較例に係る釣竿用スペーサの製造方法でも、釣竿用スペーサ1を成形することは可能である。
【0027】
しかし、比較例に係る釣竿用スペーサの製造方法であると、釣竿用スペーサ1の一個当たりの成形面積が大きくなるため、本比較例では一回の成形サイクルで3本しか成形できない。また、下側から上側にかけて周方向に広がるように成形する部位があるため、サポート材が必要になる。このため、成形工程が煩雑になるとともに、成形精度が低下し、さらには、製造効率も低いという問題がある。
【0028】
これに対し、本実施形態に係るスペーサの製造方法によれば、テーブルTの上面に対して垂直方向に樹脂を積層させていくだけであるため、サポート材が不要になるとともに、横断面形状が一定となり成形精度(真円度)も高くなる。また、一回の成形サイクルで12本の釣竿用スペーサ1を成形することができる。つまり、単位面積当たりの成形本数を多くすることができるため、製造効率を高めることができる。
【0029】
以上説明した本実施形態に係る釣竿用スペーサ1によれば、第一中空部5を備えるとともに、内壁部2と外壁部3の間に第二中空部7を備えているため、軽量化を図ることができる。第二中空部7は、軸方向の一部に中実となる部位があってもよいが、本実施形態では閉塞部4から他端側まで連通して中空となっているため、より軽量化を図ることができる。
【0030】
また、本実施形態では内壁部2と外壁部3とを連結するとともに、軸方向に延在する縦リブ6を設け、縦リブ6に沿って第二中空部7が延在してる。このように、縦リブ6を設けることで、釣竿用スペーサ1の強度を高めつつ、軽量化も図ることができる。
【0031】
また、釣竿用スペーサ1の一端側に閉塞部4を設けることで、リールシート11及び竿杆12と組み付ける際に、第二中空部7に接着剤が浸入するのを防ぐことができる。これにより、第二中空部7内に接着剤が入り込むことによって重量が嵩むのを防ぐことができる。また、第二中空部7内に接着剤が入り込まないため、接着面に適量の接着剤を流入させることができる。つまり、接着剤の流入をある程度制御しつつ、軽量化も図ることができる。
【0032】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、閉塞部4は、本実施形態では軸方向の端部に設けたが、端部から軸方向の内側にセットバックした位置に設けてもよい。つまり、請求項における「両端側」とは、釣竿用スペーサ1の端面と、端面からセットバックした位置とを含む意味である。また、閉塞部4を他端側にも設け、釣竿用スペーサ1の両端側に閉塞部4を設けてもよい。また、閉塞部4を一端側と他端側の両方に設けた場合、縦リブ6を設けず、一個の中空部としてもよい。
【0033】
逆に、縦リブ6を残しつつ、釣竿用スペーサ1の両端に閉塞部4を設けない形態としてもよい。この場合は、第二中空部7の内部に接着剤が多少入り込んでしまうが、内壁部2と外壁部3との間の第二中空部7によって軽量化を担保することができる。また、釣竿用スペーサ1の端部において、第二中空部7の内部に接着剤が入り込む分、接着面積が大きくなるので接合強度を高めることができる。
【0034】
また、縦リブ6及び第二中空部7は、本実施形態では直線状としたが、他の形状であってもよい。例えば、リブを螺旋状に配設することで螺旋状の中空部としてもよいし、リブを軸方向に対して傾斜状に配設することで傾斜状の中空部としてもよい。また、第二中空部7は軸方向に対して断続的に設けてもよい。つまり、第二中空部7は、内壁部2と外壁部3との間において、少なくとも一部に形成されているだけでもよい。また、第二中空部7は、縦リブ6と後記する横リブ8Eとを組み合わせ、縦リブ6と横リブ8Eとで格子状に構成された空間としてもよい。このように、第二中空部7(リブ)を様々な形状を組み合わせて形成することで、曲げや捩じりに対する強度も高めることができる。以下に、釣竿用スペーサのバリエーションについて具体的に説明する。
【0035】
<第二実施形態>
次に、
図13~18に示すように、本発明の第二実施形態に係る釣竿用スペーサ1Aについて説明する。釣竿用スペーサ1Aでは、閉塞部4Aの構成が第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0036】
釣竿用スペーサ1Aは、内壁部2と、外壁部3と、閉塞部4Aと、第一中空部5と、縦リブ6と、第二中空部7とを備えている。閉塞部4Aは、一端側において内壁部2と外壁部3との間を周方向に亘って閉塞する部位である。閉塞部4Aは、リング状を呈する。
図15~18に示すように、閉塞部4Aの内周面は、内壁部2の内周面と同径になっている。閉塞部4Aの外周面は、外壁部3の外周面と同径になっている。閉塞部4Aの内部は、中実になっている。閉塞部4Aは、内壁部2及び外壁部3と一体で成形してもよいし、閉塞部4Aだけを別体で作った後、溶着又は接着剤で接合してもよい。
【0037】
本実施形態に係る釣竿用スペーサ1Aによっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。なお、閉塞部4Aの内部を中空としてもよい。
【0038】
<第三実施形態>
次に、
図19~22に示すように、本発明の第三実施形態に係る釣竿用スペーサ1Bについて説明する。釣竿用スペーサ1Bでは、閉塞部4Bの構成が第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0039】
釣竿用スペーサ1Bは、内壁部2と、外壁部3と、閉塞部4Bと、第一中空部5と、縦リブ6と、第二中空部7とを備えている。閉塞部4Bは、一端側において内壁部2と外壁部3との間を周方向に亘って閉塞する部位である。閉塞部4Bは、リング状を呈する。
図22に示すように、閉塞部4Bの内周面は、内壁部2の内周面と同径になっている。閉塞部4Bの外周面は、外壁部3の外周面と同径になっている。閉塞部4Bの内部は、中実になっている。閉塞部4Bの外周面には、先端に向かうについて縮径する傾斜面21が形成されている。閉塞部4Bは、内壁部2及び外壁部3と一体で成形してもよいし、閉塞部4Bだけを別体で作った後、溶着又は接着剤で接合してもよい。
【0040】
本実施形態に係る釣竿用スペーサ1Bによっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、閉塞部4Bに傾斜面21が形成されているため、リールシート11等の被取付部材に釣竿用スペーサ1Bを組み付ける際、傾斜面21に沿って接着剤が接着面に入り込むことで適切な位置に接着剤を導入でき、接着強度を高めることができる。なお、閉塞部4Bの内部を中空としてもよい。
【0041】
<第四実施形態>
次に、
図23~25に示すように、本発明の第四実施形態に係る釣竿用スペーサ1Cについて説明する。本実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0042】
釣竿用スペーサ1Cは、本体部1Caと、蓋体閉塞部(閉塞部)4Caとで構成されている。本体部1Caは、第一実施形態の釣竿用スペーサ1と同じである。蓋体閉塞部4Caは、底部31と、内壁部32と、外壁部33とを備えている。底部31は、リング状かつ板状を呈する。内壁部32は、底部31の内周縁から垂直に延設された筒状部である。
【0043】
外壁部33は、底部31の外周縁から垂直に延設された筒状部である。外壁部33は、内壁部32よりも大径になっている。外壁部33の外径は、外壁部3の外径と同等になっている。内壁部32と外壁部33との間には、第二中空部37が形成されている。
図25に示すように、釣竿用スペーサ1Cを被取付部材及び竿杆12と組み付ける際には、本体部1Caの閉塞部4と、蓋体閉塞部4Caの底部31とを当接させる。本体部1Caと蓋体閉塞部4Caとは別体で成形してもよいし、一体成形してもよい。
【0044】
第四実施形態に係る釣竿用スペーサ1Cによっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、蓋体閉塞部(閉塞部)4Caに第二中空部37を設けるとともに、一方側に開放しているため、第二中空部37に接着剤を流入させることができる。これにより、被取付部材及び竿杆と12との接着面積を増やすことができ、接合強度を高めることができる。また、接着剤が第二中空部37に流入することで多少重くなるが、第二中空部7を備えているため、軽量化を図ることができる。また、蓋体閉塞部(閉塞部)4Caの底部31の深さを調整することで、接着剤の流入量(接着強度)を調整することができる。
【0045】
なお、第四実施形態において、例えば、本体部1Caの閉塞部4を省略しつつ、蓋体閉塞部4Caで第二中空部7を閉塞する形態であってもよい。また、
図26の第四実施形態の変形例に係る釣竿用スペーサ1CAとしてもよい。釣竿用スペーサ1CAは、閉塞部4Cを、一方側の端部から軸方向の内側にセットバックしている点で第一実施形態と相違する。このようにしても、接着剤を第二中空部7の内部に導けるため、第四実施形態と略同等の効果を奏することができる。
【0046】
<第五実施形態>
次に、
図27~29に示すように、本発明の第五実施形態に係る釣竿用スペーサ1Dについて説明する。釣竿用スペーサ1Dでは、複合構造になっている点で第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0047】
釣竿用スペーサ1Dは、閉塞部を備えておらず、内壁部2と、外壁部3と、第一中空部5と、縦リブ6と、第二中空部7とを備えている。また、釣竿用スペーサ1Dが軸方向に隙間をあけて複数個並設されることで、複合釣竿用スペーサとなっている。
【0048】
本実施形態に係る複合釣竿用スペーサによっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、複合釣竿用スペーサによれば、軸方向に隣り合う釣竿用スペーサ1D,1D間に隙間を設けることで、より軽量化を図ることができる。また、複合釣竿用スペーサを構成する釣竿用スペーサ1Dの個数を調整することで、様々な長さに対応することができる。
【0049】
<第六実施形態>
次に、
図30~33に示すように、本発明の第六実施形態に係る釣竿用スペーサ1Eについて説明する。釣竿用スペーサ1Eでは、横リブ8E及び第二中空部7Eが周方向に沿って延在している点で第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0050】
釣竿用スペーサ1Eは、内壁部2と、外壁部3と、閉塞部4Eと、第一中空部5と、縦リブ6Eと、第二中空部7Eと、横リブ8Eと、を備えている。閉塞部4Eは、釣竿用スペーサ1Eの両端において、内壁部2と外壁部3との間を周方向に亘って閉塞するように形成されている。
【0051】
縦リブ6Eは、
図31及び
図32に示すように、内壁部2と外壁部3との間を径方向に連結するとともに、板状に延在する部位である。縦リブ6Eは、閉塞部4E,4E間において軸方向に沿って形成されている。縦リブ6Eは省略してもよいが、本実施形態では対向する位置に二つ設けている。
【0052】
横リブ8Eは、
図31~
図33を参照するように、内壁部2と外壁部3との間を径方向に連結するとともに、周方向にリング状かつ板状に延在する部位である。横リブ8Eは、軸方向に亘って一定の間隔で複数個配設されている。第二中空部7Eは、内壁部2、外壁部3、縦リブ6E,6E及び軸方向に隣り合う一対の横リブ8E,8Eで構成された空間である。第二中空部7Eは、軸方向に亘って一定の間隔で複数個配設されている。
図31に示すように、第二中空部7Eは、縦断面が長四角形を呈するが、他の形状であってもよい。
【0053】
本実施形態においても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。つまり、複数の横リブ8Eを設けることで、釣竿用スペーサ1Eの強度を高めることができる。また、本実施形態では、閉塞部4E,4Eを軸方向の両端に設けているため、釣竿用スペーサ1Eのどちら側からリールシート11等の被取付部材及び竿杆12を挿入しても、接着剤が第二中空部7E内に浸入することがない。
【符号の説明】
【0054】
1 釣竿用スペーサ
2 内壁部
3 外壁部
4 閉塞部
5 第一中空部
6 縦リブ
7 第二中空部
8E 横リブ
T テーブル