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特開2023-124688エネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124688
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】エネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230830BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028620
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 徹
【テーマコード(参考)】
5G064
5L049
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AA04
5G064AC08
5G064BA02
5G064BA07
5G064CB06
5G064DA06
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、設備における無駄な使用電力量の有無を把握することである。
【解決手段】エネルギー管理システム1は、取得部102と、比較部103と、判定部104と、推定部105と、通知部106と、を備える。取得部102は、空間に設けられた少なくとも1つの設備の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。比較部103は、使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。判定部104は、比較部103の比較結果を用いて少なくとも1つの設備の稼働状態を判定する。推定部105は、少なくとも1つの設備の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備を使用する使用者の行動を推定する。通知部106は、推定部105の推定結果を通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間に設けられた少なくとも1つの設備の使用電力量を表す使用電力情報を取得する取得部と、
前記使用電力情報が表す前記使用電力量と、前記少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果を用いて前記少なくとも1つの設備の稼働状態を判定する判定部と、
前記少なくとも1つの設備の前記稼働状態に基づいて、前記少なくとも1つの設備を使用する使用者の行動を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果を通知する通知部と、を備える、
エネルギー管理システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの設備の設備情報を受け付ける情報受付部を更に備える、
請求項1に記載のエネルギー管理システム。
【請求項3】
前記使用電力情報が表す前記使用電力量は、所定の夜間時間帯での使用電力量であり、
前記基準値は、過去における複数日において前記所定の夜間時間帯と同一の時間帯での前記少なくとも1つの設備の使用電力量のうち最も少ない使用電力量に設定値を乗算して得られる値である、
請求項1又は2に記載のエネルギー管理システム。
【請求項4】
前記使用電力情報が表す前記使用電力量は、所定の昼間時間帯での使用電力量であり、
前記基準値は、過去における複数日において前記所定の昼間時間帯と同一の時間帯での前記少なくとも1つの設備の使用電力量のうち最も多い使用電力量に設定値を乗算して得られる値である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項5】
前記過去における複数日は、比較対象となる前記使用電力量を取得した日を基準とした直近の連続する複数日である、
請求項3又は4に記載のエネルギー管理システム。
【請求項6】
前記通知部の通知を受けた者から前記推定結果が誤りである場合に前記推定結果が誤りであることを表す訂正要求情報を受け付ける訂正要求受付部と、
前記訂正要求受付部が前記訂正要求情報を受け付けると、前記設定値を変更する変更部と、を更に備える、
請求項3~5のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項7】
前記空間には、種別が異なる複数の前記設備が設けられており、
前記取得部は、前記複数の設備のそれぞれの前記使用電力情報を取得し、
前記比較部は、前記複数の設備のそれぞれについて、当該設備について前記取得部が取得した前記使用電力情報が表す前記使用電力量と、当該設備に対応する前記基準値とを比較し、
前記判定部は、前記複数の設備のそれぞれについて、当該設備に対する前記比較結果を用いて当該設備の前記稼働状態を判定し、
前記推定部は、前記複数の設備にそれぞれ対応する複数の前記稼働状態の組み合わせに基づいて、前記複数の設備を使用する前記使用者の行動を推定する、
請求項1~6のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項8】
前記複数の設備は、照明機器、空調機器及びコンセントに接続されるコンセント機器を含み、
前記推定部は、前記照明機器、前記空調機器及び前記コンセント機器にそれぞれ対応する複数の前記稼働状態の組み合わせに基づいて、前記使用者の行動を推定する、
請求項7に記載のエネルギー管理システム。
【請求項9】
前記推定部は、前記少なくとも1つの設備の前記稼働状態と、前記使用者の行動とを対応付けたテーブルを基に、前記使用者の前記行動を推定する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項10】
前記通知部は、前記推定部が推定した前記使用者の前記行動に対するアドバイスを更に通知する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項11】
空間に設けられた少なくとも1つの設備の使用電力量を表す使用電力情報を取得する取得ステップと、
前記使用電力情報が表す前記使用電力量と、前記少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果を用いて前記少なくとも1つの設備の稼働状態を判定する判定ステップと、
前記少なくとも1つの設備の前記稼働状態に基づいて、前記少なくとも1つの設備を使用する使用者の行動を推定する推定ステップと、
前記推定ステップでの推定結果を通知する通知ステップと、を含む、
エネルギー管理方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11に記載のエネルギー管理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にエネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びプログラムに関し、より詳細には設備の使用電力量を表す使用電力情報を取得するエネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気負荷(設備)が稼働中であるか否かを判定するエネルギー管理装置(エネルギー管理システム)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のエネルギー管理装置は、複数の電気負荷に対応して給電する複数の給電路において、給電路ごとに規定の計測時間毎の電力量を電力使用量として取得する取得部と、給電路ごとの電力使用量を取得した日時に対応付けて保存する履歴記憶部と、履歴記憶部に保存された所定の対象期間における電力使用量の大きさについて度数分布を求め相対度数が規定の閾値以上である電力使用量を待機電力と推定し、かつ待機電力を基準値に用いて当該基準値と電力使用量の大きさとを比較することにより給電路ごとに対応する電気負荷が動作中か否かを判定する機能を有する分析部と、分析部による判定結果を報知手段に提示させる出力処理部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/080619号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のエネルギー管理装置を用いることで、電気負荷(設備)で使用される電力使用量(使用電力量)が無駄な電力量であるか否かを判定結果の提示を受けた者は把握することができない。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、設備における無駄な使用電力量の有無の把握を可能とするエネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るエネルギー管理システムは、取得部と、比較部と、判定部と、推定部と、通知部と、を備える。前記取得部は、空間に設けられた少なくとも1つの設備の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。前記比較部は、前記使用電力情報が表す前記使用電力量と、前記少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。前記判定部は、前記比較部の比較結果を用いて前記少なくとも1つの設備の稼働状態を判定する。前記推定部は、前記少なくとも1つの設備の前記稼働状態に基づいて、前記少なくとも1つの設備を使用する使用者の行動を推定する。前記通知部は、前記推定部の推定結果を通知する。
【0008】
本開示の一態様に係るエネルギー管理方法は、取得ステップと、比較ステップと、判定ステップと、推定ステップと、通知ステップと、を含む。前記取得ステップは、空間に設けられた少なくとも1つの設備の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。前記比較ステップは、前記使用電力情報が表す前記使用電力量と、前記少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。前記判定ステップは、前記比較ステップでの比較結果を用いて前記少なくとも1つの設備の稼働状態を判定する。前記推定ステップは、前記少なくとも1つの設備の前記稼働状態に基づいて、前記少なくとも1つの設備を使用する使用者の行動を推定する。前記通知ステップは、前記推定ステップでの推定結果を通知する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、前記のエネルギー管理方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、設備における無駄な使用電力量の有無を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るエネルギー管理システムとしてのエネルギー管理装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上のエネルギー管理装置を備える管理システム2の構成を示すシステム構成図である。
図3図3は、同上のエネルギー管理装置の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、以下の実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(実施形態)
以下、実施形態に係るエネルギー管理システム1について、図1図3を用いて説明する。
【0014】
(1)概要
本実施形態の管理システム2は、図2に示すように、エネルギー管理システム1としてのエネルギー管理装置10と、計測装置21と、を備える。計測装置21は、施設5の空間に設けられた複数(図示例では、3つ)の設備50のそれぞれの使用電力を計測する。ここでいう「施設」は、電力の供給を受けるビル等の施設を意味しており、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受ける施設だけでなく、太陽光発電設備等の発電設備から電力の供給を受ける施設も含む。例えば、本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス(オフィスビル)、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、施設5は、マンション等の住宅施設であってもよいし、オフィスビル等の非住宅施設であってもよい。さらに、施設5は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。本実施形態では、施設5が、オフィスビルである場合を想定する。
【0015】
複数の設備50は、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cを含む。コンセント機器50bは、施設5に設けられたコンセント(アウトレット)と接続して使用する電気機器であり、例えばパーソナルコンピュータ、プリンタ及びテレビである。本実施形態では、設備の種別が異なる複数の設備50が、施設5に設けられている。
【0016】
本実施形態のエネルギー管理装置10(エネルギー管理システム1)は、ルータ7、及びインターネット等のネットワークNT1を介して、情報端末6と通信可能に構成されている。ここで、情報端末6は、スマートフォン、タブレット端末及びパーソナルコンピュータ等の端末である。
【0017】
本実施形態のエネルギー管理装置10(エネルギー管理システム1)は、図1に示すように、取得部102と、比較部103と、判定部104と、推定部105と、通知部106と、を備える。取得部102は、空間に設けられた少なくとも1つの設備50の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。比較部103は、使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備50の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。判定部104は、比較部103の比較結果を用いて少なくとも1つの設備50の稼働状態を判定する。推定部105は、少なくとも1つの設備50の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備50を使用する使用者の行動を推定する。通知部106は、推定部105の推定結果を通知する。
【0018】
この構成によると、推定された使用者の行動を基に、設備50における無駄な使用電力量を把握することができる。
【0019】
(2)構成
(2.1)管理システム
管理システム2は、図2に示すように、エネルギー管理システム1としてのエネルギー管理装置10と、計測装置21と、電流センサ23a~23dと、を備えている。また、施設5には、系統電源9に電気的に接続される受変電設備61(キュービクル)が設けられている。
【0020】
計測装置21は、電流センサ23a~23dに電気的に接続されている。電流センサ23aは、受変電設備61の一次側に設けられ、幹線を流れる電流の値を計測する。電流センサ23b~23dは、複数の分岐ブレーカ62に対応して設けられ、複数の分岐回路に流れる電流の値をそれぞれ計測する。ここでいう「分岐回路」は、受変電設備61及び複数の分岐ブレーカ62にて幹線から分岐された各回路を意味する。分岐回路は、分岐ブレーカ62に接続される配線、照明機器等の機器、コンセント、壁スイッチ等を含んでいる。
【0021】
計測装置21は、電気的に接続された電流センサ23a~23dの出力を用いて、施設5における消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測する。計測装置21は、計測された計測値(実測値)を、エネルギー管理装置10に出力する。ここで、実測値は、瞬時電力を表す消費電力であってもよいし、あるいは一定時間における電力の消費量(使用量)を表す消費電力量であってもよい。また、実測値は、消費電力と消費電力量との両方であってもよい。本実施形態では一例として、実測値は、一定時間(例えば正時から1分間隔)ごとの消費電力を所定の単位期間(例えば、30分)で積算した消費電力量(使用電力量)である。例えば、計測装置21は、複数の設備50の各々で使用される消費電力量の値を、設備50ごとに計測する。さらに、計測装置21は、受変電設備61に流れる電力量の値を計測する。
【0022】
エネルギー管理装置10は、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれの使用電力情報を取得する。エネルギー管理装置10は、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれについて、使用電力情報が表す使用電力量と、機器(設備50)に対応する基準値とを比較する。エネルギー管理装置10は、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれについて、比較結果を用いて稼働状態を判定する。エネルギー管理装置10は、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれの稼働状態の組み合わせに基づいて、使用者の行動を推定する。エネルギー管理装置10は、推定部105の推定結果を通知する。例えば、エネルギー管理装置10は、ルータ7及びネットワークNT1を介して、推定結果を情報端末6に送信する。
【0023】
(2.2)エネルギー管理装置
ここでは、エネルギー管理システム1としてのエネルギー管理装置10の構成について説明する。
【0024】
エネルギー管理装置10は、図1に示すように、第1通信部11と、第2通信部12と、記憶部13と、制御部14と、を備える。
【0025】
エネルギー管理装置10は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部14として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0026】
第1通信部11は、計測装置21と通信を行うための通信インタフェースを有している。なお、第1通信部11と計測装置21との通信は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0027】
第2通信部12は、ルータ7と通信を行うための通信インタフェースを有している。第2通信部12は、ルータ7及びネットワークNT1を介して情報端末6と通信可能である。なお、第2通信部12とルータ7との通信は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0028】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。
【0029】
記憶部13は、複数の設備50のそれぞれの設備情報を記憶する。ここで、設備情報は、対応する設備50を識別する識別子を含む。
【0030】
記憶部13は、上述した基準値を算出する際に用いられる設定値を設備50ごとに予め記憶する。具体的には、記憶部13は、照明機器50aに対する設定値(照明用設定値)、コンセント機器50bに対する設定値(コンセント用設定値)、及び空調機器50cに対する設定値(空調用設定値)を記憶する。すなわち、記憶部13は、設備情報ごとに、設定値を記憶する。
【0031】
記憶部13は、過去の所定期間(例えば、1年間)に計測された使用電力量を設備50ごとに時系列で記憶する。具体的には、記憶部13は、過去の所定期間(例えば、1年間)に電流センサ23b~23dのそれぞれで計測された使用電力量を設備情報と対応付けて記憶する。すなわち、記憶部13は、過去の所定期間において、照明機器50aで使用された使用電力量、コンセント機器50bで使用された使用電力量及び空調機器50cで使用された使用電力量を、対応する設備情報と対応付けて記憶する。また、記憶部13は、受変電設備61で計測された、過去1年間分の電力量(実績値)を記憶する。
【0032】
記憶部13は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)の稼働状態の組み合わせと、人の行動とを対応付けた関係表(テーブル)を記憶している。関係表の一例を、以下の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1における“オン”、“オフ”は、設備50の稼働状態を表す。例えば、“オン”は設備50が稼働中であることを、“オフ”は設備50が停止中であることを表す。表1における“推定行動”は、複数の設備50の稼働状態の組み合わせに応じた行動であって使用者の行動として推定される1つ以上の行動を表す。また、表1における“中間期判定”は、対応する複数の設備50の稼働状態の組み合わせが中間期における状態の組み合わせであるか否かを表す。ここで、中間期は、1年のうち空調機器50cを使用しない期間(例えば、4~6月)である。1年において、空調機器50cを使用しない期間(中間期)があるため、中間期を考慮しない場合には空調機器50cの稼働状態が“オフ”であるとき、この稼働状態は、“オン”から“オフ”に切り替わった状態であるのか常時“オフ”であるのかを判断することができない。そこで、中間期を考慮することで、空調機器50cの稼働状態が“オフ”である場合は、“オン”から“オフ”に切り替わった状態であるのか常時“オフ”であるのかを判断することができる。例えば、中間期において空調機器50cの稼働状態が“オフ”であるときには、この稼働状態は常時“オフ”であると判断することができる。また、中間期以外の期間において空調機器50cの稼働状態が“オフ”であるときには、空調機器50cの稼働状態が“オン”から“オフ”に切り替わっていると判断することができる。なお、中間期判定における“-”は、対応する複数の設備50の稼働状態の組み合わせは、中間期であるか否かを考慮しないことを表す。
【0035】
例えば、照明機器50aの稼働状態が“オン”、空調機器50cの稼働状態が“オフ”、コンセント機器50bの稼働状態が“オフ”及び中間期判定が“中間期以外”である場合、設備50の稼働状態の組み合わせに応じた行動であり、かつ中間期以外における行動として推定される推定行動として“照明消し忘れ”が対応付けられている。この場合、空調機器50cについては稼働状態が“オン”から“オフ”に切り替わっていると判断できるため、空調機器50cの稼働状態が“オン”から“オフ”に変化した際には使用者が空間に存在していたと推定できる。そのため、空調機器50cの稼働状態を“オフ”として使用者が作業を行っていた可能性は低いため、照明機器50aについては使用者による消し忘れと推定される。
【0036】
また、照明機器50aの稼働状態が“オン”、空調機器50cの稼働状態が“オフ”、コンセント機器50bの稼働状態が“オフ”及び中間期判定が“中間期”である場合、設備50の稼働状態の組み合わせに応じた行動であり、かつ中間期における行動として推定される推定行動として“夜間作業or照明消し忘れ”が対応付けられている。この場合、空調機器50cについては稼働状態が常時“オフ”となっているため、使用者が空間に存在すると判断すること、及びいないと判断することは困難である。そのため、照明機器50aについては使用者による消し忘れ、又は使用者が夜間作業を行っていると推定される。ここで、夜間作業とは、設備50の点検等である。
【0037】
また、照明機器50aの稼働状態が“オン”、空調機器50cの稼働状態が“オン”、及びコンセント機器50bの稼働状態が“オフ”である場合、コンセント機器が使用されていないので、空間に存在する使用者の行動は、設備50の点検等の夜間作業と推定される。照明機器50aの稼働状態が“オン”、空調機器50cの稼働状態が“オン”、及びコンセント機器50bの稼働状態が“オン”である場合、コンセント機器50bが使用されているので、空間に存在する使用者の行動は、残業と推定される。
【0038】
制御部14は、図1に示すように、情報受付部101、取得部102、比較部103、判定部104、推定部105、通知部106、訂正要求受付部107及び変更部108を含む。
【0039】
情報受付部101は、設備50の設備情報を受け付ける。情報受付部101は、稼働状態を判定する対象となる設備50の設備情報を受け付ける。本実施形態では、情報受付部101は、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれの種別を、エネルギー管理装置10の操作者からの操作により受け付ける。すなわち、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれが稼働状態を判定する対象となる。情報受付部101は受け付けた設備情報を記憶部13に記憶する。なお、エネルギー管理装置10と設備50との通信により、当該設備50の設備情報を受け付けてもよい。
【0040】
取得部102は、空間に設けられた少なくとも1つの設備50の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。本実施形態では、取得部102は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれの使用電力情報を記憶部13から取得する。
【0041】
具体的には、取得部102は、複数の設備50のそれぞれに対して、所定の夜間時間帯での使用電力量を表す使用電力情報を記憶部13から取得する。より詳細には、取得部102は、複数の設備50のそれぞれに対して、前日における所定の夜間時間帯での使用電力量を表す使用電力情報を記憶部13から取得する。ここで、夜間とは、一例として、21:00~翌日5:00である。取得部102は、夜間のうち単位期間(例えば、30分)での使用電力量を表す使用電力情報を記憶部13から取得する。なお、取得部102は、前日以外の所定の夜間時間帯での使用電力量を表す使用電力情報を取得してもよい。すなわち、取得部102が取得する使用電力情報は、記憶部13が記憶している所定の夜間時間帯(単位期間)での使用電力量を表す情報である。また、取得部102は、夜間において連続する複数の単位期間を所定の夜間時間帯として、各単位期間の合計の使用電力量を表す使用電力情報を取得してもよい。
【0042】
比較部103は、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。比較部103は、少なくとも1つの設備50に対して、記憶部13で記憶されている使用電力量であって、前日よりも過去における複数日において所定の夜間時間帯と同一の時間帯での使用電力量のうち最も少ない使用電力量に、記憶部13が記憶する設定値を乗算して基準値を算出(取得)する。比較部103は、算出した基準値と、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、比較する。ここで、設定値は、1より大きい値である。なお、複数日は、例えば4日以上である。また、夜間において連続する複数の単位期間を所定の夜間時間帯とする場合には、比較部103は、過去における複数日において所定の夜間時間帯と同一の時間帯での使用電力量の合計値のうち最も少ない合計値に、設定値を乗算して基準値を算出(取得)する。
【0043】
本実施形態では、比較部103は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、上記基準値を算出する。比較部103は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、当該設備50について取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、当該設備50に対応する基準値とを比較する。
【0044】
ここで、過去における複数日は、例えば、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量が計測された曜日と同じ曜日である2日以上の複数の日であってもよい。例えば、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量が計測された日が2月10日木曜日である場合には、過去における複数の日は、同じ曜日である2月3日、1月27日、1月20日及び1月13日である。
【0045】
または、過去における複数日とは、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量が計測された日と過去の月ごとでの同じ日である2日以上の複数の日であってもよい。例えば、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量が計測された日が2月10日である場合には、過去における複数の日は、過去の月ごとでの同じ日として1月10日、12月10日、11月10日及び10月10日である。
【0046】
または、過去における複数日は、例えば、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量が計測された日、すなわち比較対象となる使用電力量を取得した日を基準とした直近の連続する複数日であってもよい。例えば、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量が計測された日が2月10日である場合には、直近の連続する複数日は、2月9日、2月8日、2月7日及び2月6日である。
【0047】
判定部104は、比較部103の比較結果を用いて少なくとも1つの設備50の稼働状態を判定する。本実施形態では、判定部104は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、当該設備50に対する比較結果を用いて当該設備50の稼働状態を判定する。判定部104は、記憶部13が記憶する設備情報ごとに、当該設備情報に対応する設備50の比較結果に基づいて、当該設備50に対応する使用電力情報が表す使用電力量が計測されたときの当該設備50の稼働状態を判定する。本実施形態では、記憶部13は、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれの設備情報を記憶しているので、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれの稼働状態を判定する。
【0048】
判定部104は、照明機器50aに対する使用電力情報が表す使用電力量の値が照明機器50aの基準値より大きいことを照明機器50aに対する比較結果が示している場合には、照明機器50aは稼働中と判定する。判定部104は、照明機器50aに対する使用電力情報が表す使用電力量の値が照明機器50aの基準値以下であることを照明機器50aに対する比較結果が示している場合には、照明機器50aは停止中と判定する。
【0049】
判定部104は、コンセント機器50bに対する使用電力情報が表す使用電力量の値がコンセント機器50bの基準値より大きいことをコンセント機器50bに対する比較結果が示している場合には、コンセント機器50bは稼働中と判定する。判定部104は、コンセント機器50bに対する使用電力情報が表す使用電力量の値がコンセント機器50bの基準値以下であることをコンセント機器50bに対する比較結果が示している場合には、コンセント機器50bは停止中と判定する。
【0050】
判定部104は、空調機器50cに対する使用電力情報が表す使用電力量の値が空調機器50cの基準値より大きいことを空調機器50cに対する比較結果が示している場合には、空調機器50cは稼働中と判定する。判定部104は、空調機器50cに対する使用電力情報が表す使用電力量の値が空調機器50cの基準値以下であることを空調機器50cに対する比較結果が示している場合には、空調機器50cは停止中と判定する。
【0051】
推定部105は、少なくとも1つの設備50の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備50を使用する使用者の行動を推定する。推定部105は、少なくとも1つの設備50の稼働状態と、使用者の行動とを対応付けたテーブルを基に、使用者の行動を推定する。本実施形態では、推定部105は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)にそれぞれ対応する複数の稼働状態の組み合わせに基づいて、複数の設備50を使用する使用者の行動を推定する。より詳細には、推定部105は、記憶部13が記憶する関係表(テーブル)を用いて、複数の稼働状態の組み合わせに応じた使用者の行動を推定する。
【0052】
通知部106は、推定部105の推定結果を通知する。本実施形態では、通知部106は、情報端末6に推定結果を通知する。
【0053】
訂正要求受付部107は、通知部106の通知を受けた者から推定結果が誤りである場合に推定結果が誤りであることを表す訂正要求情報を受け付ける。
【0054】
変更部108は、訂正要求受付部107が訂正要求情報を受け付けると、設定値を変更する。本実施形態では、変更部108は、複数の設備50に対応する複数の設定値のうち、誤りと判定された推定結果に応じた設定値を変更する。
【0055】
例えば、誤りと判定された推定結果が“照明消し忘れ”である場合、変更部108は、記憶部13が記憶している照明機器50aに対する照明用設定値よりも大きい値を新たな照明用設定値として更新(変更)する。誤りと判定された推定結果が“コンセント機器消し忘れ”である場合、変更部108は、コンセント機器50bに対するコンセント用設定値よりも大きい値を新たなコンセント用設定値として更新(変更)する。誤りと判定された推定結果が“空調消し忘れ”である場合、変更部108は、空調機器50cに対する空調用設定値よりも大きい値を新たな空調用設定値として更新(変更)する。誤りと判定された推定結果が“夜間作業”である場合、変更部108は、稼働中と判定された設備50に対する設定値よりも小さい値を新たな設定値として更新する。誤りと判定された推定結果が“残業”である場合、変更部108は、稼働中と判定された設備50に対する設定値よりも小さい値を新たな設定値として更新する。
【0056】
(2.3)情報端末
情報端末6は、エネルギー管理装置10は、図2に示すように、表示部6aを備える。
【0057】
情報端末6は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが情報端末6の機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0058】
情報端末6は、ネットワークNT1を介して、エネルギー管理装置10と通信可能に構成されている。情報端末6は、ネットワークNT1を介して、エネルギー管理装置10から推定結果を受け取る。情報端末6は、エネルギー管理装置10から受け取った推定結果を表示部6aに表示する。
【0059】
(3)動作
ここでは、エネルギー管理装置10(エネルギー管理システム1)の動作について、図3を用いて説明する。なお、ここでは、記憶部13は、電流センサ23b~23dのそれぞれで計測された使用電力量を設備情報と対応付けて記憶している。
【0060】
取得部102は、空間に設けられた少なくとも1つの設備50の使用電力量を表す使用電力情報を取得する(ステップS1)。具体的には、取得部102は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれの所定の夜間時間帯での使用電力量を表す使用電力情報を記憶部13から取得する。より詳細には、取得部102は、複数の設備50のそれぞれに対して、前日における所定の夜間時間帯での使用電力量を表す使用電力情報を記憶部13から取得する。
【0061】
比較部103は、比較処理を行う(ステップS2)。比較部103は、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。比較部103は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、記憶部13で記憶されている当該設備50の使用電力量であって、前日よりも過去における複数日において所定の夜間時間帯と同一の時間帯での使用電力量のうち最も少ない当該設備50の使用電力量に、記憶部13が記憶する当該設備50に対応する設定値を乗算して基準値を算出(取得)する。比較部103は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、当該設備50について取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、当該設備50に対応する基準値とを比較する。
【0062】
判定部104は、判定処理を行う(ステップS3)。判定部104は、比較部103の比較結果を用いて少なくとも1つの設備50の稼働状態を判定する。具体的には、判定部104は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、当該設備50に対する比較結果を用いて当該設備50の稼働状態を判定する。すなわち、判定部104は、記憶部13が記憶する設備情報ごとに、当該設備情報に対応する設備50の比較結果に基づいて、当該設備50の稼働状態を判定する。判定部104は、設備50に対する使用電力情報が表す使用電力量の値が設備50の基準値より大きいことを比較結果が示している場合には、設備50は稼働中と判定する。判定部104は、設備50に対する使用電力情報が表す使用電力量の値が設備50の基準値以下であることを比較結果が示している場合には、設備50は停止中と判定する。
【0063】
推定部105は、推定処理を行う(ステップS4)。推定部105は、少なくとも1つの設備50の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備50を使用する使用者の行動を推定する。具体的には、推定部105は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)にそれぞれ対応する複数の稼働状態の組み合わせに基づいて、複数の設備50を使用する使用者の行動を推定する。より詳細には、推定部105は、記憶部13が記憶する関係表を用いて、複数の稼働状態の組み合わせに応じた使用者の行動を推定する。
【0064】
通知部106は、推定部105の推定結果を通知する通知処理を行う(ステップS5)。具体的には、通知部106は、情報端末6に推定結果を通知する。推定結果を受け取った情報端末6は、情報端末6が備える表示部6aに推定結果を表示する。
【0065】
変更部108は、訂正要求受付部107が通知部106の通知を受けた者から訂正要求情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS6)。
【0066】
訂正要求情報を訂正要求受付部107が受け付けたと判断する場合(ステップS6における「Yes」)、変更部108は変更処理を行う(ステップS7)。変更部108は、複数の設備50に対応する複数の設定値のうち、誤りと判定された推定結果に応じた設定値を変更する。
【0067】
訂正要求情報を訂正要求受付部107が受け付けていないと判断する場合(ステップS6における「No」)、処理は終了する。
【0068】
(4)効果
以上説明したように、本実施形態に係るエネルギー管理システム1は、取得部102と、比較部103と、判定部104と、推定部105と、通知部106と、を備える。取得部102は、空間に設けられた少なくとも1つの設備50の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。比較部103は、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備50の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。判定部104は、比較部103の比較結果を用いて少なくとも1つの設備50の稼働状態を判定する。推定部105は、少なくとも1つの設備50の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備50を使用する使用者の行動を推定する。通知部106は、推定部105の推定結果を通知する。
【0069】
この構成によると、エネルギー管理システム1は、少なくとも1つの設備50の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備50を使用する使用者の行動を推定する。例えば、夜間において、全ての設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)が停止している場合には、使用者は通常の行動(全ての設備50の稼働状態をオフとする行動)を行っていると、エネルギー管理システム1は推定することができる。この場合、推定結果の通知を受けた者は、設備50における無駄な使用電力量はないと把握することができる。また、夜間において、コンセント機器50b及び空調機器50cが停止中にも関わらず照明機器50aが稼働中である場合には、エネルギー管理システム1は、使用者は行動として照明機器50aの消し忘れの行動を行っていると推定することができる。この場合、推定結果の通知を受けた者は、設備50における無駄な使用電力量が存在すると把握することができる。
【0070】
すなわち、推定結果の通知を受けた者は、推定結果を基に設備における無駄な使用電力量の有無を把握することができる。
【0071】
(5)変形例
以下に、変形例を列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0072】
(5.1)変形例1
上記実施形態では、エネルギー管理装置10は、夜間時間帯での使用電力情報を記憶部13から取得し、設備50の稼働状態を判定する構成としているが、この構成に限定されない。
【0073】
取得部102は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれに対して、所定の昼間時間帯での使用電力情報を記憶部13から取得してもよい。すなわち、使用電力量は、所定の昼間時間帯での使用電力量であってもよい。変形例1での取得部102、比較部103、判定部104及び推定部105について、以下説明する。
【0074】
比較部103は、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。比較部103は、少なくとも1つの設備50に対して、記憶部13で記憶されている使用電力量であって、前日よりも過去における複数日において所定の昼間時間帯と同一の時間帯での使用電力量のうち最も多い使用電力量に、記憶部13が記憶する設定値を乗算して基準値を算出(取得)する。すなわち、変形例1における基準値は、過去における複数日において所定の昼間時間帯と同一の時間帯での少なくとも1つの設備50の使用電力量のうち最も多い使用電力量に所定値を乗算して得られる値である。
【0075】
より詳細には、比較部103は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれに対して、記憶部13で記憶されている当該設備50の使用電力量であって、前日よりも過去における複数日において所定の昼間時間帯と同一の時間帯での当該設備50の使用電力量のうち最も多い使用電力量に、記憶部13が記憶する当該設備50に対応する設定値を乗算して当該設備50に対する基準値を算出する。ここで、変形例1における設定値は、1より小さい値である。
【0076】
比較部103は、算出した基準値と、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、比較する。
【0077】
判定部104は、比較部103の比較結果を用いて少なくとも1つの設備50の稼働状態を判定する。本実施形態では、判定部104は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、当該設備50に対する比較結果を用いて当該設備50の稼働状態を判定する。具体的には、判定部104は、記憶部13が記憶する設備情報ごとに、当該設備情報に対応する設備50の比較結果に基づいて、当該設備50の稼働状態を判定する。
【0078】
推定部105は、設備50に対する使用電力情報が表す使用電力量の値が当該設備50の基準値より大きいことを比較部103の比較結果が示している場合には、使用者の行動として設備50に対する使用電力を無駄に使用している行動を行っていると推定する。推定部105は、設備50に対する使用電力情報が表す使用電力量の値が当該設備50の基準値以下であることを比較部103の比較結果が示している場合には、使用者の行動として設備50に対する使用電力を無駄に使用していない行動を行っていると推定する。例えば、記憶部13は、設備50に対する使用電力情報が表す使用電力量の値と当該設備50の基準値との比較結果と使用者の行動とを対応付けたテーブルで記憶している。例えば、テーブルでは、設備50に対する使用電力情報が表す使用電力量の値が当該設備50の基準値より大きいことを表す比較結果と使用者の行動として設備50に対する使用電力を無駄に使用している行動とを対応付けている。テーブルでは、設備50に対する使用電力情報が表す使用電力量の値が当該設備50の基準値以下であることを表す比較結果と使用者の行動として設備50に対する使用電力を無駄に使用していない行動とを対応付けている。
【0079】
なお、エネルギー管理装置10は、夜間時間帯での設備50の稼働状態の判定、及び昼間時間帯での設備50の稼働状態の判定の双方を行ってもよい。この場合、記憶部13は、夜間時間帯での設備50の稼働状態の判定に用いる基準値の算出に用いる設定値を第1設定値として、昼間時間帯での設備50の稼働状態の判定に用いる基準値の算出に用いる設定値を第2設定値として、それぞれ記憶する。すなわち、記憶部13は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、第1設定値及び第2設定値を記憶する。
【0080】
(5.2)変形例2
通知部106は、推定部105が推定した使用者の行動に対するアドバイスを更に通知してもよい。
【0081】
例えば、推定部105は、推定部105が推定した使用者の行動が設備50の消し忘れである場合、当該設備50の使用電力情報が表す使用電力量と基準値との差分を基に、消し忘れで生じた電力料金を算出する。通知部106は、推定部105が推定した使用者の行動に対するアドバイスとして設備50の消し忘れを防止することで削減できるコスト(推定部105が算出した電力料金)を通知する。
【0082】
また、変形例1で説明したように昼間時間帯での使用電力情報を取得する場合には、単位期間の使用電力量の変化を基に、推定部105は空間に居る使用者の人数を推定してもよい。例えば、照明機器50aの単位期間の使用電力量が減少した場合、推定部105は、空間における使用者の人数が減少したと推定する。通知部106は、照明機器50aの使用電力の変化を基に空間における使用者の人数が減少したと推定部105が推定したにもかかわらず、空調機器50cの使用電力量に変化がない場合には、空調機器50cでの空調出力を低下するようアドバイスを通知する。
【0083】
(5.3)変形例3
エネルギー管理装置10は、表示部を備えてもよい。この場合、通知部106は、推定結果をエネルギー管理装置10の表示部に表示させてもよい。
【0084】
または、通知部106は、推定結果をエネルギー管理装置10の表示部に表示させ、かつ情報端末6の表示部6aにも推定結果を表示させてもよい。
【0085】
(5.4)変形例4
実施形態では、照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのそれぞれは、1つである構成としているが、この構成に限定されない。照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50cのうち少なくとも1つの機器(設備50)は、複数台存在してもよい。すなわち、同一種別の設備50が複数台存在してもよい。
【0086】
例えば、照明機器50aが複数台存在する場合、判定部104は、照明機器50aごとに稼働状態を判定する。この場合、照明機器50aごとに、電流センサ23bが設けられている。複数の照明機器50aのうち少なくとも1つの照明機器50aが稼働中であると判定部104が判定した場合、複数の照明機器50aの全体の稼働状態として上述した表1において照明機器“オン”とする。複数の照明機器50aのうち全ての照明機器50aが稼働していない(停止中である)と判定部104が判定した場合、複数の照明機器50aの全体の稼働状態として上述した表1において照明機器“オフ”とする。
【0087】
コンセント機器50bが複数台存在する場合、判定部104は、コンセント機器50bごとに稼働状態を判定する。この場合、コンセント機器50bごとに、電流センサ23cが設けられている。複数のコンセント機器50bのうち少なくとも1つのコンセント機器50bが稼働中であると判定部104が判定した場合、複数のコンセント機器50bの全体の稼働状態として上述した表1においてコンセント機器“オン”とする。複数のコンセント機器50bのうち全てのコンセント機器50bが稼働していない(停止中である)と判定部104が判定した場合、複数のコンセント機器50bの全体の稼働状態として上述した表1においてコンセント機器“オフ”とする。
【0088】
空調機器50cが複数台存在する場合、判定部104は、空調機器50cごとに稼働状態を判定する。この場合、空調機器50cごとに、電流センサ23dが設けられている。複数の空調機器50cのうち少なくとも1つの空調機器50cが稼働中であると判定部104が判定した場合、複数の空調機器50cの全体の稼働状態として上述した表1において空調機器“オン”とする。複数の空調機器50cのうち全ての空調機器50cが稼働していない(停止中である)と判定部104が判定した場合、複数の空調機器50cの全体の稼働状態として上述した表1において空調機器“オフ”とする。
【0089】
同一種別の設備50が複数台存在する場合、判定部104は、同一種別の設備50の使用電力量の合計値を基に稼働状態を判定してもよい。この場合、取得部102は、同一種別の設備50の使用電力量の合計値を使用電力情報として取得する。比較部103は、過去における複数日において使用電力情報が表す使用電力量(同一種別の設備50の使用電力量の合計値)が計測された時間帯と同一の時間帯での使用電力量の合計値のうち最も少ない合計値に、設定値を乗算して基準値を算出(取得)する。
【0090】
(5.5)変形例5
判定部104は、全体の使用電力量から各設備50の稼働状態を判定してもよい。
【0091】
例えば、取得部102は、所定の夜間時間帯において電流センサ23aで計測された受変電設備61に流れる電力量(全体の使用電力量)を使用電力情報として記憶部13から取得する。
【0092】
比較部103は、記憶部13で記憶されている全体の使用電力量であって、前日よりも過去における複数日において所定の夜間時間帯と同一の時間帯での使用電力量のうち最も少ない使用電力量に、記憶部13が記憶する設定値を乗算して基準値を算出(取得)する。比較部103は、算出した基準値と、取得部102が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、比較する。ここで、設定値は、1より大きい値である。
【0093】
判定部104は、複数の設備50(照明機器50a、コンセント機器50b及び空調機器50c)のそれぞれについて、比較部103の比較結果を用いて当該設備50の稼働状態を判定する。
【0094】
判定部104は、使用電力情報が表す全体使用電力量の値が基準値以下であることを比較結果が示している場合には、複数の設備50の各々は停止中であると判定する。
【0095】
判定部104は、使用電力情報が表す全体使用電力量の値が基準値より大きいことを比較結果が示している場合には、複数の設備50のうち少なくとも1つの設備50は稼働中あると判定する。判定部104は、複数の設備50のそれぞれの稼働中における通常使用される使用電力量を基に、複数の設備50の稼働状態の複数の組み合わせのうち、使用電力情報が表す全体使用電力量に最も近い稼働状態の組み合わせを選択する。判定部104は、選択した稼働状態の組み合わせを基に、複数の設備50の各々の稼働状態を判定する。
【0096】
(5.6)変形例6
実施形態では、推定部105は関係表を用いて使用者の行動を推定する構成としているが、この構成に限定されない。
【0097】
推定部105は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて使用者の行動を推定してもよい。機械学習のアルゴリズムは一例としてニューラルネットワークである。ただし、機械学習のアルゴリズムは、ニューラルネットワークに限定されず、例えば、XGB(eXtreme Gradient Boosting)回帰、ランダムフォレスト(Random Forest)、決定木(decision tree)、ロジスティック回帰(Logistic Regression)、サポートベクターマシン(SVM:Support vector machine)、単純ベイズ(Naive Bayes)分類器、又はk近傍法(k-nearest neighbors)等であってもよい。さらに、機械学習のアルゴリズムは、例えば、混合ガウスモデル(GMM:Gaussian Mixture Model)、又はk平均法(k-means clustering)等であってもよい。また、学習済みモデルは、追加の学習を行うことで学習済みモデルを更新してもよい。
【0098】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0099】
また、エネルギー管理システム1と同様の機能は、エネルギー管理方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係るエネルギー管理方法は、取得ステップと、比較ステップと、判定ステップと、推定ステップと、通知ステップと、を含む。取得ステップは、空間に設けられた少なくとも1つの設備50の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。比較ステップは、使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備50の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。判定ステップは、比較ステップでの比較結果を用いて少なくとも1つの設備50の稼働状態を判定する。推定ステップは、少なくとも1つの設備50の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備を使用する使用者の行動を推定する。通知ステップは、推定ステップでの推定結果を通知する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述したエネルギー管理方法として機能させるためのプログラムである。
【0100】
本開示におけるエネルギー管理システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるエネルギー管理システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0101】
また、エネルギー管理システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることはエネルギー管理システム1に必須の構成ではなく、エネルギー管理システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、エネルギー管理システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0102】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様のエネルギー管理システム(1)は、取得部(102)と、比較部(103)と、判定部(104)と、推定部(105)と、通知部(106)と、を備える。取得部(102)は、空間に設けられた少なくとも1つの設備(50)の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。比較部(103)は、使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備(50)の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。判定部(104)は、比較部(103)の比較結果を用いて少なくとも1つの設備(50)の稼働状態を判定する。推定部(105)は、少なくとも1つの設備(50)の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備(50)を使用する使用者の行動を推定する。通知部(106)は、推定部(105)の推定結果を通知する。
【0103】
この構成によると、推定結果の通知を受けた者は、推定結果を基に設備における無駄な使用電力量の有無を把握することができる。
【0104】
第2の態様のエネルギー管理システム(1)は、第1の態様において、少なくとも1つの設備(50)の設備情報を受け付ける情報受付部(101)を更に備える。
【0105】
この構成によると、稼働状態の判定の対象となる設備(50)を指定することができる。
【0106】
第3の態様のエネルギー管理システム(1)では、第1又は第2の態様において、使用電力情報が表す使用電力量は、所定の夜間時間帯での使用電力量である。基準値は、過去における複数日において所定の夜間時間帯と同一の時間帯での少なくとも1つの設備(50)の使用電力量のうち最も少ない使用電力量に設定値を乗算して得られる値である。
【0107】
この構成によると、過去の複数日での所定の夜間時間帯での複数の使用電力量のうち最も少ない使用電力量を基に上記少なくとも1つの設備(50)の稼働状態を判定することができる。
【0108】
第4の態様のエネルギー管理システム(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、使用電力情報が表す使用電力量は、所定の昼間時間帯での使用電力量である。基準値は、過去における複数日において所定の昼間時間帯と同一の時間帯での少なくとも1つの設備の使用電力量のうち最も多い使用電力量に設定値を乗算して得られる値である。
【0109】
この構成によると、所定の昼間時間帯での複数の使用電力量のうち最も少ない使用電力量を基に上記少なくとも1つの設備(50)の稼働状態を判定することができる。
【0110】
第5の態様のエネルギー管理システム(1)では、第3又は第4の態様において、過去における複数日は、比較対象となる使用電力量を取得した日を基準とした直近の連続する複数日である。
【0111】
この構成によると、直近の連続する複数日に基づいて、上記少なくとも1つの設備(50)の稼働状態を判定することができる。
【0112】
第6の態様のエネルギー管理システム(1)は、第3~第5のいずれかの態様において、訂正要求受付部(107)と、変更部(108)と、を更に備える。訂正要求受付部(107)は、通知部(106)の通知を受けた者から推定結果が誤りである場合に推定結果が誤りであることを表す訂正要求情報を受け付ける。変更部(108)は、訂正要求受付部(107)が訂正要求情報を受け付けると、設定値を変更する。
【0113】
この構成によると、設定値を変更するので、上記少なくとも1つの設備(50)の稼働状態の判定の精度を高めることができる。
【0114】
第7の態様のエネルギー管理システム(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、空間には、種別が異なる複数の設備(50)が設けられている。取得部(102)は、複数の設備(50)のそれぞれの使用電力情報を取得する。比較部(103)は、複数の設備(50)のそれぞれについて、当該設備(50)について取得部(102)が取得した使用電力情報が表す使用電力量と、当該設備に対応する前記基準値とを比較する。判定部(104)は、複数の設備(50)のそれぞれについて、当該設備(50)に対する比較結果を用いて当該設備(50)の前記稼働状態を判定する。推定部(105)は、複数の設備(50)にそれぞれ対応する複数の稼働状態の組み合わせに基づいて、複数の設備(50)を使用する使用者の行動を推定する。
【0115】
この構成によると、種別が異なる複数の設備(50)のそれぞれの稼働状態を基に、使用者の行動を推定することができる。
【0116】
第8の態様のエネルギー管理システム(1)では、第7の態様において、複数の設備(50)は、照明機器(50a)、空調機器(50c)及びコンセントに接続されるコンセント機器(50b)を含む。推定部(105)は、照明機器(50a)、空調機器(50c)及びコンセント機器(50b)にそれぞれ対応する複数の稼働状態の組み合わせに基づいて、使用者の行動を推定する。
【0117】
この構成によると、照明機器(50a)、空調機器(50c)及びコンセント機器(50b)のそれぞれの稼働状態を基に、使用者の行動を推定することができる。
【0118】
第9の態様のエネルギー管理システム(1)では、第1~第8のいずれかの態様において、推定部(105)は、少なくとも1つの設備(509)の稼働状態と、使用者の行動とを対応付けたテーブルを基に、使用者の行動を推定する。
【0119】
この構成によると、テーブルを基に、使用者の行動を推定することができる。
【0120】
第10の態様のエネルギー管理システム(1)では、第1~第9のいずれかの態様において、通知部(106)は、推定部(105)が推定した使用者の行動に対するアドバイスを更に通知する。
【0121】
この構成によると、推定結果の通知を受けた者は、無駄な使用電力量がある場合には、使用者の行動に対する対応を知ることができる。
【0122】
第11の態様のエネルギー管理方法は、取得ステップと、比較ステップと、判定ステップと、推定ステップと、通知ステップと、を含む。取得ステップは、空間に設けられた少なくとも1つの設備(50)の使用電力量を表す使用電力情報を取得する。比較ステップは、使用電力情報が表す使用電力量と、少なくとも1つの設備(50)の過去における使用電力量から得られる基準値とを比較する。判定ステップは、比較ステップでの比較結果を用いて少なくとも1つの設備(50)の稼働状態を判定する。推定ステップは、少なくとも1つの設備(50)の稼働状態に基づいて、少なくとも1つの設備(50)を使用する使用者の行動を推定する。通知ステップは、推定ステップでの推定結果を通知する。
【0123】
このエネルギー管理方法によると、推定結果の通知を受けた者は、推定結果を基に設備における無駄な使用電力量の有無を把握することができる。
【0124】
第12の態様のプログラムは、コンピュータに、第11の態様のエネルギー管理方法を実行させるためのプログラムである。
【0125】
このプログラムによると、推定結果の通知を受けた者は、推定結果を基に設備における無駄な使用電力量の有無を把握することができる。
【符号の説明】
【0126】
1 エネルギー管理システム
10 エネルギー管理装置
50 設備
50a 照明機器
50b コンセント機器
50c 空調機器
101 情報受付部
102 取得部
103 比較部
104 判定部
105 推定部
106 通知部
107 訂正要求受付部
108 変更部
図1
図2
図3