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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124697
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】エレベーターシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20230830BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B66B5/00 G
B66B3/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028629
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 陽介
(72)【発明者】
【氏名】京家 朝紀
【テーマコード(参考)】
3F303
3F304
【Fターム(参考)】
3F303CB24
3F303CB31
3F303EA01
3F303EA03
3F304EA35
3F304ED17
(57)【要約】
【課題】現場の状態に応じて直話発報への対応が可能なエレベーターシステムを提供する。
【解決手段】エレベーターからの直話発報を管制端末に接続可能なエレベーターシステムであって、エレベーターからの直話発報を保留する保留部と、保留部により保留されている直話発報が出力されたエレベーターに係る状態情報をエレベーターの構成情報をもとに定期的に取得する取得部と、取得部により取得されたエレベーターに係る状態情報をもとにエレベーターからの直話発報の優先度を設定する設定部と、を設けるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターからの直話発報を管制端末に接続可能なエレベーターシステムであって、
エレベーターからの直話発報を保留する保留部と、
前記保留部により保留されている直話発報が出力されたエレベーターに係る状態情報を前記エレベーターの構成情報をもとに定期的に取得する取得部と、
前記取得部により取得されたエレベーターに係る状態情報をもとに前記エレベーターからの直話発報の優先度を設定する設定部と、
を備えるエレベーターシステム。
【請求項2】
前記取得部は、前記保留部により保留されている直話発報が出力されたエレベーターに係る状態情報として、前記エレベーターのかごにおいて得られた音声データを取得し、
前記設定部は、前記音声データから前記かご内の人の有無を判定し、人がいないと判定した場合、第1の優先度を設定し、人がいると判定した場合、前記第1の優先度よりも高い優先度を示す第2の優先度を設定する、
請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記設定部は、前記かご内が撮影された画像データが前記取得部により取得された場合、前記画像データから前記かご内の人の有無を判定し、人がいると判定したときは、人がいないと判定したときよりも高い優先度を設定する、
請求項2に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記設定部は、前記エレベーターの稼働データが前記取得部により取得された場合、前記稼働データから前記エレベーターの異常の有無を判定し、異常があると判定したときは、異常がないと判定したときよりも高い優先度を設定する、
請求項2に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記設定部は、前記エレベーターからの異常発報が前記取得部により取得された場合、異常発報が取得されていないときの優先度よりも高い優先度を設定する、
請求項2に記載のエレベーターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、直話発報を管理するエレベーターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震等の広域な災害が発生したときは、災害が発生した地域に設置されているエレベーターの多くの監視装置から、閉じ込め等を知らせる発報が管制センタの管制サーバに一斉に飛んでくる。このとき、多数の発報が短時間に管制サーバで受電されるが、同時に受電可能な発報数は限られている。特に、エレベーターのかご内と管制センタの管制員とが直接に話すこと(直話)ができる直話発報の受電数は、管制員の人数および管制端末の台数に依るため、更に限られる。そのため、緊急性が高くない直話への対応によって、閉じ込め等の緊急性が高い直話への対応が遅れてしまう問題がある。
【0003】
この点、エレベーター制御盤に接続された地震波センサによって、一定以上の揺れを検出したとき、当該エレベーターの通報装置の通報モードを通常通報モードから通報制限モードに切替えて、緊急度が基準値以上の閉じ込め等の通報は即時に通報するが、緊急度が基準値に満たない照明異常等の通報は保留にする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-234255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、通報制限モード中、基準値以上の通報は全て即時通報として優先的に扱うことで、管制センタへの通報の集中を避けることができる。一方で、直話発報が短時間に集中した場合、直話発報に関しても同時受電数に制限があるため、管制員の人数以上の直話発報は対応待ちとなる。
【0006】
ここで、特許文献1に記載の技術では、実際に乗客が閉じ込められていて迅速な救出が必要な場合であるのか、通報はしたが乗客は自力で脱出できたために救出作業が不要な場合であるのか等が管制センタ側ではわからない。よって、現場の状態にかかわらず、直話発報を受電した順番で直話が行われてしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、現場の状態に応じて直話発報を管理し得るエレベーターシステム等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明においては、エレベーターからの直話発報を管制端末に接続可能なエレベーターシステムであって、エレベーターからの直話発報を保留する保留部と、前記保留部により保留されている直話発報が出力されたエレベーターに係る状態情報を前記エレベーターの構成情報をもとに定期的に取得する取得部と、前記取得部により取得されたエレベーターに係る状態情報をもとに前記エレベーターからの直話発報の優先度を設定する設定部と、を設けるようにした。
【0009】
上記構成によれば、例えば、優先度が最大の直話発報が管制端末に自動接続されることで、管制員は、優先度が最大の直話発報への対応を適切かつ迅速に実施できるようになる。また、例えば、上記構成によれば、直話発報の優先度の情報が管制端末において表示される場合、管制員は、優先度の高い直話発報から通話をすることができる。また、例えば、上記構成では、保留されている直話発報が出力されたエレベーターの状態情報が定期的に取得されて当該直話発報の優先度が設定されるので、管制員は、現在の現場の状態が良くないエレベーターからの直話発報に対して順次に対応することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現場の状態に応じて直話発報への対応が可能なエレベーターシステムを実現することができる。上記以外の課題、構成、および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態によるエレベーターシステムに係る構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施の形態による直話発報処理の一例を示す図である。
図3】第1の実施の形態による優先度設定処理の一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態による保留情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(I)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本実施の形態は、エレベーターシステムに関し、例えば、地震等の災害時の直話発報が多発する環境下において、早急に救出が必要な現場からの対応が可能となるエレベーターシステムに関する。
【0013】
本実施の形態に係るエレベーターシステムは、災害が発生したときに、エレベーターからの直話発報が管制センタのサーバ装置において対応待ちとなった場合、サーバ装置から定期的に当該エレベーターに係る状態情報を、エレベーター毎に順番に取得するポーリング監視を実施する。ポーリング監視において、エレベーターシステムは、エレベーターに係る状態情報として、当該エレベーターのかご内の音声データと、当該エレベーターのかご内のカメラ映像(画像データ)と、当該エレベーターの稼働データと、当該エレベーターの発報データとの少なくとも1つを取得する。
【0014】
例えば、サーバ装置は、ポーリング監視によって定期的に取得したかご内の音声データおよび/または画像データから、かご内の人の有無を判定して優先度を設定する。また、例えば、サーバ装置は、ポーリング監視によって定期的に取得したエレベーターの稼働データおよび/または発報データから閉じ込め等の異常の有無を判定して優先度を設定してもよい。また、サーバ装置は、エレベーターに係る状態情報を組み合わせて、より正確な優先度に補正してもよい。
【0015】
より具体的には、本エレベーターシステムは、一般公衆回線に接続可能なエレベーターと通信可能なサーバ装置であって、エレベーターからの直話発報の処理を行うサーバ装置である管制サーバを備える。管制サーバには、エレベーターのかご内と実際に通話を行うために管制員が操作する1以上の管制端末が接続されている。各管制端末には、管制員が通話に使用するためのヘッドセットが接続されている。
【0016】
上記構成では、例えば、地震等の災害において、予め定められている管制端末数(回線数であってもよい)以上の直話発報を管制サーバが受電した場合に、直話発報を出力したエレベーターのかご内の音声データを管制サーバがポーリング監視により取得する。管制サーバは、取得した音声データに対して、エレベーターのかご内の人の有無をもとに優先度を定期的に算出(設定)する。なお、管制サーバは、例えば、画像データと稼働データと発報データとによって優先度を補正し、より正確な優先度を求めてもよい。この場合、例えば、かご内に人がいて、閉じ込め異常が発生しているエレベーターからの直話発報を優先的に対応することができる。
【0017】
上記構成によれば、例えば、優先度の高い直話発報から管制端末での対応を可能とすることができる。また、例えば、対応待ちとなった直話発報に対して、優先度を定期的に更新することで、直話発報の受電後の現地の状態の変化に対応することができる。
【0018】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は、文脈毎に用いられ、1つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0019】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は、単数でも複数でも構わない。なお、以下の説明では、図面において同一要素については、同じ番号を付し、説明を適宜省略する。
【0020】
図1は、本実施の形態におけるエレベーターシステム100に係る構成の一例を示す図である。
【0021】
エレベーターシステム100は、エレベーター101と管制センタシステム102とを備える。エレベーター101と管制センタシステム102とは、一般公衆回線、インターネット回線等のネットワーク103を介して通信可能に接続されている。
【0022】
エレベーター101は、かご、釣り合いおもり、制御装置等を含んで構成され、かご内に設けられている非常用通報装置(例えば、非常用ボタン)が操作された場合、管制センタシステム102に対して直話発報を出力する。また、例えば、エレベーター101は、かご内に設けられている非常用通報装置(例えば、マイク)から入力された音声の音声データを管制サーバ110に送信したり、管制サーバ110から出力された音声データの音声を非常用通報装置(例えば、スピーカ)から出力したりする。
【0023】
ここで、エレベーター101のかご内には、例えば、かご内を撮影可能なカメラが設けられていてもよい。カメラは、所定のタイミングで、かご内が撮影(撮像)された画像データを、管制サーバ110、図示は省略するエレベーター監視装置等の情報処理装置に送信する。所定のタイミングとは、定期的であってもよいし、予め指定された時間であってもよいし、情報処理装置が画像データを要求したタイミングであってもよいし、その他のタイミングであってもよい。
【0024】
また、例えば、エレベーター101は、稼働データを常時取得し、所定のタイミングで、管制サーバ110等の情報処理装置に対して稼働データを送信してもよい。稼働データには、エレベーター101のかごの積載荷重、かごの位置、各種スイッチのオンまたはオフ、かごドアの開閉の有無、作動している安全装置等を示す情報が含まれている。
【0025】
また、例えば、エレベーター101は、異常を検出した場合に、管制サーバ110等の情報処理装置に対して発報データ(異常発報)を送信してもよい。発報データには、閉じ込め、緊急停止、起動不能、ドア開閉異常、予め定められたその他の異常等を示す情報が含まれている。
【0026】
管制センタシステム102は、直話発報を受電して管理する管制サーバ110と、エレベーター101のかご内の人との通話に係る操作を管制員が行うための管制端末120と、管制員がエレベーター101のかご内の人と通話するための音声インターフェースであるヘッドセット130とを備える。
【0027】
管制サーバ110は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、ノートパソコン、サーバ装置等である。管制サーバ110は、図示は省略する構成要素として、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール等の通信装置等を含んで構成される。
【0028】
管制サーバ110の機能(受電部111、保留部112、取得部113、設定部114、出力部115等)は、例えば、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。なお、管制サーバ110の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。また、管制サーバ110の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、管制サーバ110の機能の一部は、管制サーバ110と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
【0029】
受電部111は、エレベーター101からの直話発報を受電する。保留部112は、直話発報を保留する。取得部113は、直話発報を出力したエレベーター101に係る状態情報を取得する。設定部114は、状態情報に基づいて直話発報の優先度を設定する。出力部115は、直話発報の優先度を示す情報を管制端末120に出力する。なお、エレベーター101に係る状態情報は、エレベーター101に係る状態を示す情報であって、優先度を設定するために用いる情報であり、音声データ、画像データ、稼働データ、発報データ等である。
【0030】
また、設定部114は、音声処理部116と、画像処理部117と、遠隔モニタリング部118と、状態監視部119とのうち少なくとも1つを含んで構成される。音声処理部116は、かご内の音声データからかご内の人の有無を検出等する。画像処理部117は、かご内の画像データからかご内の人の有無を検出等する。遠隔モニタリング部118は、エレベーター101の稼働データからエレベーター101の異常を検出等する。状態監視部119は、エレベーター101の発報データからエレベーター101の異常を検出等する。
【0031】
管制端末120は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、ノートパソコン、コンソール等である。管制端末120は、図示は省略する構成要素として、CPU、MPU、GPU等のプロセッサ、RAM、ROM、HDD、SSD等の記憶装置、NIC、無線通信モジュール、USBモジュール等の通信装置等を含んで構成される。
【0032】
ヘッドセット130は、音声入出力装置の一例であり、ヘッドホンまたはイヤホンとマイクロホンとが一体化した装置である。
【0033】
図2は、管制サーバ110が実行する直話発報に係る処理(直話発報処理)の一例を示す図である。直話発報処理は、所定のタイミングで実施される。所定のタイミングは、定期的であってもよいし、予め指定された時間であってもよいし、管制員が直話発報処理の実行を要求したタイミングであってもよいし、その他のタイミングであってもよい。
【0034】
S201では、管制サーバ110は、ネットワーク103を介して、エレベーター101からの直話発報を受電したか否かを判定する。管制サーバ110は、直話発報を受電したと判定した場合、S202に処理を移し、直話発報を受電していないと判定した場合、直話発報を受電するまでS201を繰り返す。
【0035】
S202では、管制サーバ110は、直話回線の使用率(例えば、管制端末120が直話により使用されている割合)が一定値以上であるか否かを判定する。管制サーバ110は、直話回線の使用率が一定値以上であると判定した場合、S203に処理を移し、直話回線の使用率が一定値未満であると判定した場合、S211に処理を移す。
【0036】
なお、管制サーバ110は、S202に代えて、災害が発生したか否かを判定し、災害が発生したと判定した場合、S203に処理を移し、災害が発生していないと判定した場合、S211に処理を移すようにしてもよい。また、管制サーバ110は、S202の判定を行わなくてもよい。
【0037】
S203では、管制サーバ110は、直話発報の優先度を初期化する。本実施の形態では、管制サーバ110は、直話発報の優先度を示す情報を含む保留情報を管理している。例えば、管制サーバ110は、直話発報に対応する保留情報がない場合は、保留番号を発番し、保留番号と直話発報を出力したエレベーター101のかごを識別可能な情報(かごID、機種番号、電話番号等)と優先度「0」と直話発報状態「保留中」とを対応付けた情報を生成し、生成した情報を保留情報(例えば、後述の保留テーブル400)に登録する。他方、直話発報に対応する保留情報がある場合は、管制サーバ110は、保留情報の優先度の値を「0」に更新する。なお、保留情報は、管制サーバ110の記憶装置、管制サーバ110と通信可能な記憶装置等に記憶されている。
【0038】
S204では、管制サーバ110は、優先度設定処理を実行する。優先度設定処理では、優先度が設定される。なお、優先度設定処理については図3を用いて後述する。
【0039】
S205では、管制サーバ110は、S204において設定した優先度が保留中の直話発報の優先度の中で最大であり、かつ、直話回線に空きがあるか否かを判定する。管制サーバ110は、設定した優先度が最大であり、かつ、直話回線に空きがあると判定した場合、S210に処理を移し、設定した優先度が最大でない、または、直話回線に空きがないと判定した場合、S206に処理を移す。
【0040】
S206では、管制サーバ110は、S204において設定した優先度で保留情報を更新する。この際、管制サーバ110は、S204において設定した優先度を示す情報を管制端末120に出力する。例えば、管制端末120は、S204において設定した優先度を示す情報をディスプレイに表示し、管制員により選択された直話発報の通話を開始するための通話開始ボタンの操作を受け付ける。なお、管制端末120は、全ての保留中の直話発報の優先度を示す情報を優先度の降順で表示してもよいし、全ての保留中の直話発報のうち優先度が最大の直話発報を示す情報を表示してもよいし、その他の態様で表示してもよい。
【0041】
S207では、管制サーバ110は、通話開始ボタンが押下されたか否かを判定する。管制サーバ110は、通話開始ボタンが押下されたと判定した場合、S210に処理を移し、通話開始ボタンが押下されていないと判定した場合、S208に処理を移す。
【0042】
S208では、管制サーバ110は、優先度を設定してから一定時間が経過したか否かを判定する。管制サーバ110は、優先度を設定してから一定時間が経過したと判定した場合、現在のエレベーター101の状態に合った優先度を設定するために、S203に処理を移し、優先度を設定してから一定時間が経過していないと判定した場合、S209に処理を移す。
【0043】
S209では、管制サーバ110は、直話発報を受電してから一定時間が経過したか否かを判定する。管制サーバ110は、直話発報を受電してから一定時間が経過したと判定した場合、S212に処理を移し、直話発報を受電してから一定時間が経過していないと判定した場合、S207に処理を移す。
【0044】
このように、管制端末120は、直話回線に空きがあって直話発報の優先度が受電中の直話発報のうちで最大になるか、管制員により直話発報の通話開始ボタンが押されるか、直話発報の受電から一定時間経過するまで、直話発報を保留した状態とする。
【0045】
S210では、管制サーバ110は、通話が開始されたエレベーター101に対応する情報を保留情報から除外する。例えば、管制端末120は、通話が開始されたエレベーター101から出力された直話発報に対応するレコードを後述の保留テーブル400から削除する。なお、管制サーバ110は、当該レコードの直話発報状態の値を、保留対象から除外したことを示す情報「直話」に更新してもよい。
【0046】
S211では、管制サーバ110は、エレベーター101と管制端末120とを通話可能に接続する。例えば、管制サーバ110は、S202においてNOであると判定した場合、直話発報を出力したエレベーター101と直話回線が空いている管制端末120とを通話可能に接続する。また、例えば、管制サーバ110は、S205においてYESであると判定した場合、優先度が最大の直話発報を出力したエレベーター101と直話回線が空いている管制端末120とを通話可能に接続する。また、例えば、管制サーバ110は、S207においてYESであると判定した場合、通話開始ボタンの操作を受け付けた管制端末120と管制員により選択された直話発報を出力したエレベーター101とを通話可能に接続する。これにより、管制員は、当該管制端末120に接続されているヘッドセット130を介して、直話発報を出力したエレベーター101のかご内の人と通話することができる。
【0047】
S212では、管制サーバ110は、保留情報を更新する。例えば、管制端末120は、後述の保留テーブル400を参照し、受電から一定時間が経過した直話発報に対応するレコードの直話発報状態の値を「終話」に更新する。
【0048】
図3は、優先度設定処理の一例を示す図である。
【0049】
S301では、管制サーバ110は、直話発報を保留したエレベーター101のかご(以下、対象かごと記す)内への呼びかけを実行する。例えば、管制サーバ110は、自動音声を出力するように対象かごに指示する。対象かごは、当該指示を受けた場合、自動音声を出力する。なお、自動音声は、対象かご内に人がいるかを確認するための質問、対象かごの状態(例えば、異常)を確認するための質問等であり、任意の内容を採用できる。
【0050】
S302では、管制サーバ110は、対象かご内から回答があったか否かを判定する。例えば、管制サーバ110は、対象かご内から一定時間の音声データを受信し、受信した音声データを解析(音声認識)し、質問に対する回答、救助を求める回答等があるか否かを判定する。管制サーバ110は、対象かご内から回答があったと判定した場合、S303に処理を移し、対象かご内から回答がなかったと判定した場合、S304に処理を移す。
【0051】
S303では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごにカメラが設けられているか否かを判定する。管制サーバ110は、対象かごにカメラが設けられていると判定した場合、S305に処理を移し、対象かごにカメラが設けられていないと判定した場合、S306に処理を移す。
【0052】
S304では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごにカメラが設けられているか否かを判定する。管制サーバ110は、対象かごにカメラが設けられていると判定した場合、S305に処理を移し、対象かごにカメラが設けられていないと判定した場合、S307に処理を移す。このように、管制サーバ110は、音声データから対象かご内の人の有無を判定できない場合、画像データを取得可能であるときは、画像データを用いて対象かご内の人の有無を判定する。上記構成によれば、音声データから対象かご内の人の有無を判定できない場合であっても、画像データから対象かご内の人の有無を判定することができる。
【0053】
S305では、管制サーバ110は、対象かご内に人がいるか否かを判定する。例えば、管制サーバ110は、対象かごのカメラにより対象かご内が撮影された画像データを取得し、取得した画像データに対して画像処理(人物検出)を行い、対象かご内に人がいるか否かを判定する。管制サーバ110は、対象かご内に人がいると判定した場合、S306に処理を移し、対象かご内に人がいないと判定した場合、S307に処理を移す。なお、画像データの取得先は、対象かごのカメラであってもよいし、画像データを記憶している記憶装置であってもよいし、画像データを取得しているエレベーター監視装置等の情報処理装置であってもよいし、その他の装置であってもよい。
【0054】
例えば、管制サーバ110は、S303に続いてS305を行う場合、つまり、音声データから対象かご内の人の有無を判定し、画像データを用いて対象かご内の人の有無を判定する場合、音声データに基づく対象かご内の人の有無の判定結果を、画像データに基づく対象かご内の人の有無の判定結果で補正することで、対象かご内の人の有無をより正確に判定することができる。
【0055】
S306では、管制サーバ110は、対象かごに人がいると判定したため、対象かごの直話発報の優先度を「1」加算し、S307に処理を移す。
【0056】
管制サーバ110は、画像データを用いることができる場合、対象かご内の状態をより正確に判定することができるようになる。例えば、管制サーバ110は、対象かご内に人がいるか否かを判定することに加えて、対象かご内の人の数、対象かご内の人の年齢、対象かごの異常の有無等を加味して優先度を設定してもよい。例えば、管制サーバ110は、対象かご内に、所定の年齢を満たす人がいる(80歳以上の人がいる、3歳以下の人がいる等)と判定した場合、優先度を「1」加算してもよい。
【0057】
S307では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごの稼働データの取得(例えば、モニタリング)が可能であるか否かを判定する。管制サーバ110は、稼働データのモニタリングが可能であると判定した場合、S308に処理を移し、稼働データのモニタリングが可能でないと判定した場合、S313に処理を移す。
【0058】
S308では、管制サーバ110は、対象かごの稼働データを解析し、対象かごに人が閉じ込められていることを示す閉じ込め異常があるか否かを判定する。管制サーバ110は、閉じ込め異常があると判定した場合、S309に処理を移し、閉じ込め異常がないと判定した場合、S310に処理を移す。
【0059】
S309では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごにカメラが設けられているか否かを判定する。管制サーバ110は、対象かごにカメラが設けられていると判定した場合、S311に処理を移し、対象かごにカメラが設けられていないと判定した場合、S312に処理を移す。
【0060】
S310では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごにカメラが設けられているか否かを判定する。管制サーバ110は、対象かごにカメラが設けられていると判定した場合、S311に処理を移し、対象かごにカメラが設けられていないと判定した場合、S313に処理を移す。
【0061】
S311では、管制サーバ110は、対象かご内に人がいるか否かを判定する。管制サーバ110は、対象かご内に人がいると判定した場合、S312に処理を移し、対象かご内に人がいないと判定した場合、S313に処理を移す。
【0062】
S312では、管制サーバ110は、対象かごに人が閉じ込められていると判定したため、対象かごの直話発報の優先度を「1」加算し、S313に処理を移す。
【0063】
S313では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごを含むエレベーター101が発報データを検出可能であるか否かを判定する。管制サーバ110は、発報データを検出可能であると判定した場合、S314に処理を移し、発報データを検出可能でないと判定した場合、優先度設定処理を終了する。
【0064】
S314では、管制サーバ110は、対象かごが緊急停止している、対象かごが起動不能であること等を示す未復旧の発報データがあるか否かを判定する。管制サーバ110は、未復旧の発報データがあると判定した場合、S315に処理を移し、未復旧の発報データがないと判定した場合、S316に処理を移す。
【0065】
S315では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごの稼働データのモニタリングが可能であるか否かを判定する。管制サーバ110は、稼働データのモニタリングが可能であると判定した場合、S317に処理を移し、稼働データのモニタリングが可能でないと判定した場合、S318に処理を移す。
【0066】
S316では、管制サーバ110は、エレベーター101の構成を示す構成情報を用いて、対象かごの稼働データのモニタリングが可能であるか否かを判定する。管制サーバ110は、稼働データのモニタリングが可能であると判定した場合、S317に処理を移し、稼働データのモニタリングが可能でないと判定した場合、優先度設定処理を終了する。
【0067】
S317では、管制サーバ110は、対象かごの稼働データを解析し、対象かごが乗場外で停止していることを示す停止異常があるか否かを判定する。管制サーバ110は、停止異常があると判定した場合、S318に処理を移し、停止異常がないと判定した場合、優先度設定処理を終了する。
【0068】
S318では、管制サーバ110は、対象かごの復旧が未だ行われていない(停止異常がある)と判定したため、対象かごの直話発報の優先度を「1」加算し、優先度設定処理を終了する。
【0069】
このように、管制サーバ110は、一定周期でポーリング監視を実施し、毎周期、対象かごの状態情報を取得して現在の対象かごの状態に応じて直話発報の優先度を設定する。
【0070】
図4は、保留情報の一例(保留テーブル400)を示す図である。
【0071】
保留テーブル400は、保留情報を示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、保留テーブル400は、保留番号401と、かごID402と、優先度403と、直話発報状態404との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0072】
保留番号401の情報は、エレベーター101から出力された直話発報が保留されたときに発番される番号であって、保留されている直話発報を識別可能な情報である。かごID402の情報は、当該直話発報を出力したエレベーター101のかごを識別可能な情報である。優先度403の情報は、当該直話発報の優先度を示す情報である。直話発報状態404の情報は、当該直話発報の状態を示す情報である。
【0073】
本実施の形態によれば、地震等の災害が発生したとき等に、管制端末で同時に対応しきれない数の直話発報を管制サーバが受電した場合に、実際に人がエレベーターのかご内に閉じ込められていて、いち早く救出が必要な現場からの対応が可能となるため、エレベーターの利用者の満足度の向上に貢献できる。
【0074】
(II)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
【0075】
上述の実施の形態においては、本発明をエレベーターシステムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0076】
また、上述の実施の形態においては、S201において直話発報がない場合、管制サーバ110は、S201を繰り返す場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、管制サーバ110は、S201において直話発報がない場合、直話発報処理を終了してもよい。また、例えば、管制サーバ110は、S201の処理を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、直話発報処理は、管制サーバ110が直話発報を受電するごとに開始される。
【0077】
また、上述の実施の形態においては、優先度設定処理は、S204において呼び出される場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、優先度設定処理は、直話発報処理とは非同期に定期的に実行され、S204では、最新の優先度が取得されるようにしてもよい。
【0078】
また、上述の実施の形態においては、例えば、S303、S304、S309、およびS310のうちの少なくとも1つを省略してもよい。例えば、S303を省略する場合、管制サーバ110は、S302の判定の結果が肯定(YES)であるとき、S306に処理を移し、S302の判定の結果が否定(NO)であるとき、S304に処理を移す。また、例えば、S304を省略する場合、管制サーバ110は、S302の判定の結果が肯定(YES)であるとき、S303に処理を移し、S302の判定の結果が否定(NO)であるとき、S307に処理を移す。また、例えば、S309を省略する場合、管制サーバ110は、S308の判定の結果が肯定(YES)であるとき、S312に処理を移し、S308の判定の結果が否定(NO)であるとき、S310に処理を移す。また、例えば、S310を省略する場合、管制サーバ110は、S308の判定の結果が肯定(YES)であるとき、S309に処理を移し、S308の判定の結果が否定(NO)であるとき、S313に処理を移す。
【0079】
また、上述の実施の形態においては、例えば、S307~S312を省略してもよい。
【0080】
また、上述の実施の形態においては、例えば、S313~S318を省略してもよい。
【0081】
また、上述の実施の形態においては、例えば、S315およびS316のうちの少なくとも1つを省略してもよい。例えば、S315を省略する場合、管制サーバ110は、S314の判定の結果が肯定(YES)であるとき、S318に処理を移し、S314の判定の結果が否定(NO)であるとき、S316に処理を移す。また、例えば、S316を省略する場合、管制サーバ110は、S314の判定の結果が肯定(YES)であるとき、S315に処理を移し、S314の判定の結果が否定(NO)であるとき、優先度設定処理を終了する。
【0082】
また、上述の実施の形態において、プログラムの一部またはすべては、プログラムソースから、管制サーバ110を実現するコンピュータのような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、ネットワークで接続されたプログラム配布サーバまたはコンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、上述の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0083】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0084】
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、エレベーターシステムに係る情報を、テーブルを用いて説明したが、データ構造はテーブルに限定されるものではない。エレベーターシステムに係る情報は、XML(Extensible Markup Language)、YAML(YAML Ain't a Markup Language)、ハッシュテーブル、木構造等、テーブル以外のデータ構造によって表現されてもよい。
【0085】
また、上述の実施の形態において、情報の出力は、ディスプレイへの表示に限るものではない。情報の出力は、スピーカによる音声出力であってもよいし、ファイルへの出力であってもよいし、印刷装置による紙媒体等への印刷であってもよいし、プロジェクタによるスクリーン等への投影であってもよいし、その他の態様であってもよい。
【0086】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0087】
上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を有する。
【0088】
(1)
エレベーター(例えば、エレベーター101)からの直話発報を管制端末(管制端末120)に接続可能なエレベーターシステム(例えば、エレベーターシステム100)であって、エレベーターからの直話発報を保留する保留部(例えば、保留部112、管制サーバ110、回路、管制サーバ110と通信可能な情報処理装置)と、上記保留部により保留されている直話発報が出力されたエレベーターに係る状態情報(例えば、音声データ、画像データ、稼働データ、発報データ)を上記エレベーターの構成情報をもとに定期的に取得する取得部(例えば、取得部113、管制サーバ110、回路、管制サーバ110と通信可能な情報処理装置)と、上記取得部により取得されたエレベーターに係る状態情報をもとに上記エレベーターからの直話発報の優先度を設定する設定部(例えば、設定部114、管制サーバ110、回路、管制サーバ110と通信可能な情報処理装置)と、を備える。
【0089】
上記構成によれば、例えば、優先度が最大の直話発報が管制端末に自動接続されることで、管制員は、優先度が最大の直話発報への対応を適切かつ迅速に実施できるようになる。また、例えば、上記構成によれば、直話発報の優先度の情報が管制端末において表示される場合、管制員は、優先度の高い直話発報から通話をすることができる。また、例えば、上記構成では、保留されている直話発報が出力されたエレベーターの状態情報が定期的に取得されて当該直話発報の優先度が設定されるので、管制員は、現在の現場の状態が良くないエレベーターからの直話発報に対して順次に対応することができる。
【0090】
(2)
上記取得部は、上記保留部により保留されている直話発報が出力されたエレベーターに係る状態情報として、上記エレベーターのかごにおいて得られた音声データを取得し、上記設定部は、上記音声データから上記かご内の人の有無を判定し、人がいないと判定した場合、第1の優先度を設定し、人がいると判定した場合、上記第1の優先度よりも高い優先度を示す第2の優先度を設定する(例えば、S302およびS306参照)。
【0091】
上記構成によれば、音声データをもとに判定したかご内の人の有無に基づいて優先度が設定されるので、例えば、管制員は、かご内に人がいるエレベーターからの直話発報を優先して対応することができる。
【0092】
(3)
上記設定部は、上記かご内が撮影された画像データが上記取得部により取得された場合、上記画像データから上記かご内の人の有無を判定し、人がいると判定したときは、人がいないと判定したときよりも高い優先度を設定する(例えば、S304~S306参照)。
【0093】
上記構成では、かご内が撮影された画像データをもとにかご内の人の有無が判定されるので、優先度をより正確に設定することができる。上記構成によれば、例えば、管制員は、通報した人が脱出できたために救出が不要になったことを判断でき、救出が必要な現場への対応が遅くなってしまう事態を回避することができる。
【0094】
(4)
上記設定部は、上記エレベーターの稼働データが上記取得部により取得された場合、上記稼働データから上記エレベーターの異常の有無を判定し、異常があると判定したときは、異常がないと判定したときよりも高い優先度を設定する(例えば、S308およびS312参照)。
【0095】
上記構成によれば、エレベーターの稼働データをもとに異常の有無が判定され、異常がある場合に優先度が高く設定されるので、例えば、管制員は、異常が発生しているエレベーターからの直話発報を優先して対応することができる。
【0096】
(5)
上記設定部は、上記エレベーターからの異常発報が上記取得部により取得された場合、異常発報が取得されていないときの優先度よりも高い優先度を設定する(例えば、S314およびS318参照)。
【0097】
上記構成によれば、エレベーターからの異常発報がある場合に優先度が高く設定されるので、例えば、管制員は、異常が検出されているエレベーターからの直話発報を優先して対応することができる。
【0098】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【0099】
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という形式におけるリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができると理解されたい。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形式においてリストされた項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができる。
【符号の説明】
【0100】
100……エレベーターシステム、101……エレベーター、112……保留部、113……取得部、114……設定部。
図1
図2
図3
図4