(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124701
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】会議参加者スキルマップ自動生成システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20230830BHJP
G06Q 10/0639 20230101ALI20230830BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
G06Q10/06 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028636
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】瀬下 史人
(72)【発明者】
【氏名】須藤 智幸
(72)【発明者】
【氏名】飛彈 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】小林 直輝
(72)【発明者】
【氏名】大川 祐司
(72)【発明者】
【氏名】中條 佑美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】会議の発言者の役割に応じた評価をする。
【解決手段】会議情報に基づいて、参加者の役割を特定し、役割が特定された参加者のそれぞれについて、役割が特定された参加者以外の参加者による当該参加者に対する反応を示す評価情報を、会議情報を用いて分析し、分析した評価情報と、それぞれの役割が特定された参加者ごとに定められた所定の評価基準とに基づいて、役割が特定された参加者に関するスキルマップを生成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータにより、会議の参加者を評価し、前記参加者のスキルマップを生成する会議参加者スキルマップ生成システムであって、
前記プロセッサは、
会議情報に基づいて、前記参加者の役割を特定し、
前記役割が特定された参加者のそれぞれについて、前記役割が特定された参加者以外の参加者による当該参加者に対する反応を示す評価情報を、前記会議情報を用いて分析し、
前記分析した前記評価情報と、それぞれの前記役割が特定された参加者ごとに定められた所定の評価基準とに基づいて、前記役割が特定された参加者に関するスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の会議参加者スキルマップ生成システムであって、
前記プロセッサは、
前記会議情報に基づいて特定した役割が、前記会議で用いられる資料の作成者である場合、
前記資料の分かりやすさに関する前記評価情報を、前記所定の評価基準として定められた、少なくとも、曖昧と判定される用語、前記資料に記載された文字と図とのバランス、前記資料に記載された文字及び/または図の色彩度合い、について分析し、
前記分析の結果を含む前記資料の作成者についてのスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システム。
【請求項3】
請求項1に記載の会議参加者スキルマップ生成システムであって、
前記プロセッサは、
前記会議情報に基づいて特定した役割が、前記会議で用いられる資料の作成者である場合、
前記資料の記載内容の根拠の整備度に関する前記評価情報を、前記所定の評価基準として定められた、少なくとも、資料内の数値データおよび/またはグラフの割合、資料内の引用元の情報および/またはリンク先情報が記載されている割合、について分析し、
前記分析の結果を含む前記資料の作成者についてのスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システム。
【請求項4】
請求項1に記載の会議参加者スキルマップ生成システムであって、
前記プロセッサは、
前記会議情報に基づいて特定した役割が、前記会議で用いられる資料の作成者である場合、
前記会議における意見の引き出し度合いに関する前記評価情報を、前記所定の評価基準として定められた、少なくとも、前記会議における発言数および/または前記発言の傾向、について分析し、
前記分析の結果を含む前記資料の作成者についてのスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システム。
【請求項5】
請求項1に記載の会議参加者スキルマップ生成システムであって、
前記プロセッサは、
前記会議情報に基づいて特定した役割が、前記会議において発言されたアイデアの発案者である場合、
前記発案者の発言に対する他の参加者の反応に基づいて当該発案者の得意分野を判定し、前記発案者のアイデアの総数と当該アイデアの採用数とに基づいて、判定した当該得意分野における前記発案者の発言について定量分析を行い、
前記得意分野について、前記定量分析の結果を含む前記アイデアの発案者についてのスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システム。
【請求項6】
請求項5に記載の会議参加者スキルマップ生成システムであって、
前記プロセッサは、
前記得意分野について、前記会議後に前記会議参加者スキルマップ生成システムに入力された、前記アイデアの発案者のプロジェクトに対する貢献度を含む、前記アイデアの発案者についてのスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システム。
【請求項7】
請求項1に記載の会議参加者スキルマップ生成システムであって、
前記プロセッサは、
前記会議情報に基づいて特定した役割が、前記会議における決定事項についての意思決定者である場合、
前記意思決定者の発言に対する他の参加者の反応に基づいて当該意思決定者の得意分野を判定し、
前記得意分野について、前記会議後に前記会議参加者スキルマップ生成システムに入力された前記意思決定者のプロジェクトに対する貢献度を含む、前記意思決定者についてのスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システム。
【請求項8】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータにより、会議の参加者を評価し、前記参加者のスキルマップを生成する会議参加者スキルマップ生成システムで行われる会議参加者スキルマップ生成方法であって、
会議情報に基づいて、前記参加者の役割を特定し、
前記役割が特定された参加者のそれぞれについて、前記役割が特定された参加者以外の参加者による当該参加者に対する反応を示す評価情報を、前記会議情報を用いて分析し、
前記分析した前記評価情報と、それぞれの前記役割が特定された参加者ごとに定められた所定の評価基準とに基づいて、前記役割が特定された参加者に関するスキルマップを生成する、
ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
会議参加者スキルマップ自動生成システム、会議参加者スキルマップ自動生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会議支援システムとして例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、「発言者の発言により他の発言者の発言を引き出した場合の発言者の発言の評価を行う」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会議に出席する発言者にはそれぞれの役割があり、役割毎に貢献が異なる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、発言者の役割について考慮されていない。発言者の役割に応じて、発言者の評価方法を変える必要がある。
【0005】
本発明は、会議の発言者の役割に応じた評価をすることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる会議参加者スキルマップ生成システムは、プロセッサとメモリとを有したコンピュータにより、会議の参加者を評価し、前記参加者のスキルマップを生成する会議参加者スキルマップ生成システムであって、前記プロセッサは、会議情報に基づいて、前記参加者の役割を特定し、前記役割が特定された参加者のそれぞれについて、前記役割が特定された参加者以外の参加者による当該参加者に対する反応を示す評価情報を、前記会議情報を用いて分析し、前記分析した前記評価情報と、それぞれの前記役割が特定された参加者ごとに定められた所定の評価基準とに基づいて、前記役割が特定された参加者に関するスキルマップを生成する、ことを特徴とする会議参加者スキルマップ生成システムとして構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、会議の発言者の役割に応じた評価をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】各アクタごとの個別スキルマップのうち、資料作成者についての図である。
【
図3】各アクタごとの個別スキルマップのうち、発案者についての図である。
【
図4】各アクタごとの個別スキルマップのうち、意思決定者についての図である。
【
図5】スキルマップ自動生成システムの物理的モデル図である。
【
図6】スキルマップ自動生成システムの論理的モデル図である。
【
図7】スキルマップ自動生成の一連の処理の流れを示す図である。
【
図8】スキルマップ自動生成のうち、資料作成者の処理の流れを示す図である。
【
図9】スキルマップ自動生成のうち、発案者の処理の流れを示す図である。
【
図10】スキルマップ自動生成のうち、意思決定者の処理の流れを示す図である。
【
図11】会議後に出力される資料作成者についての評価結果画面である。
【
図12】会議後に出力される発案者についての評価結果画面である。
【
図13】会議後に出力される意思決定者についての評価結果画面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る一実施形態を、
図1ないし
図13を用いて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0010】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0011】
以下の説明では、「データベース」、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いた場合、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0012】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0013】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでいてもよい。
【0014】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。 具体的には
図5を用いて後述するが、本システムで用いられる端末やサーバは、例えば、
図14(コンピュータ概略図)に示すような、CPU1601と、メモリ1602と、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置1603と、CD(Compact Disk)やUSBメモリ等の可搬性を有する記憶媒体1608に対して情報を読み書きする読書装置1607と、キーボードやマウス等の入力装置1606と、ディスプレイ等の出力装置1605と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置1604と、これらを連結するシステムバス等の内部通信線(システムバスという)1609と、を備えた一般的なコンピュータ1600により実現できる。
【0015】
また、各端末やサーバに記憶され、あるいは処理に用いられる様々なデータは、CPU1601がメモリ1602または外部記憶装置1603から読み出して利用することにより実現可能である。また、各端末やサーバが有する各機能部(例えば、会議情報受付部601、資料作成者判定部602、会議情報参照部603等、
図6に示す各機能部)は、CPU1601が外部記憶装置1603に記憶されている所定のプログラムをメモリ1602にロードして実行することにより実現可能である。
【0016】
上述した所定のプログラムは、読書装置1607を介して記憶媒体1608から、あるいは、通信装置1604を介してネットワークから、外部記憶装置1603に記憶(ダウンロード)され、それから、メモリ1602上にロードされて、CPU1601により実行されるようにしてもよい。また、読書装置1607を介して、記憶媒体1608から、あるいは通信装置1604を介してネットワークから、メモリ1602上に直接ロードされ、CPU1601により実行されるようにしてもよい。
【0017】
以下では、本システムが、ある1つのコンピュータにより構成される場合を例示するが、これらの機能の全部または一部が、クラウドのような1または複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して互いに通信することにより同様の機能を実現してもよい。
【0018】
先ず、
図1を用いて本実施形態に係るスキルマップの全体像を説明する。
フェーズ列101では、会議を進行する上で区切りとなるフェーズを示している。一般的に会議は事前準備フェーズ104から始まり、会議開始後は導入フェーズ105、進行フェーズ106、議論発散フェーズ107、議論収束フェーズ108を経て会議終了となり、会議終了後フェーズ109へと移行する。スキル名列102では、会議を円滑に進めるために各フェーズごとに必要となるスキルを示している。スキルを有するアクタ列103では、各スキルを有するべきアクタを示している。
図1では例として各フェーズごとに幾つかのスキルを挙げている。本実施例ではこれらの内、アクタに関して資料作成者、発案者、および意思決定者についてのスキルマップ自動生成技術を説明する。
【0019】
次に、
図2ないし
図4を用いて各アクタごとの個別スキルマップについて説明する。
【0020】
図2は資料作成者についての個別スキルマップを示している。評価観点列201では、資料作成者のスキルを評価する上での観点を示している。
図2では例として、資料の解り易さ202、記載内容の根拠度合203、意見引き出し度合204の3つの大区分観点を挙げている。これら大区分観点はそれぞれ小区分観点へ更に詳細化されている。各小区分観点については、後述の
図8に関する記載において詳細に説明する。評価観点列201の項目はあらかじめ定められ、具体的に設定される内容については後述する
図8に示す処理で行われる。
【0021】
図3は発案者についての個別スキルマップを示している。評価観点列301では、発案者のスキルを評価する上での観点を示している。
図3では例として、得意分野302、得意工程303、定量分析304、PJ貢献度305を挙げている。PJとはプロジェクトの略称である。これら大区分観点はそれぞれ小区分観点へ更に詳細化されている。各小区分観点については、後述の
図9に関する記載において詳細に説明する。評価観点列301の項目はあらかじめ定められ、具体的に設定される内容については後述する
図9に示す処理で行われる。
【0022】
図4は意思決定者についての個別スキルマップを示している。評価観点列401では、意思決定者のスキルを評価する上での観点を示している。
図4では例として、得意分野402、得意工程403、PJ貢献度404を挙げている。これら大区分観点はそれぞれ小区分観点へ更に詳細化されている。各小区分観点については、後述の
図10に関する記載において詳細に説明する。評価観点列401の項目はあらかじめ定められ、具体的に設定される内容については後述する
図10に示す処理で行われる。
【0023】
次に、
図5を用いて本実施形態に係るスキルマップ自動生成システムの物理的モデルについて説明する。本実施形態に係るスキルマップ自動生成システムの物理的モデルにおいては、ユーザAが所有するPC(Personal Computer)501と、ユーザBが所有するスマートフォン502と、それらとネットワークで接続された分析エッジサーバ503と、インターネットを経由して繋がっている分析サーバ504と、評価結果DB505とが存在する。ここでは一例として、ユーザAはPCを用いて会議へ参加するユーザを表し、ユーザBはスマートフォンを用いて会議へ参加するユーザを表している。すなわち、本実施形態では会議に参加可能な手段であればデバイスの形態は問わないとする。
【0024】
分析エッジサーバ503は本実施形態に係るスキルマップ自動生成における分析速度を向上させるためのものであり、ここでは一例として、ユーザと同じネットワークセグメント内に配置している。ユーザ側のネットワークセグメント内に設置する場合、この分析エッジサーバは任意のユーザのデバイスと同居させることも可能である。また、クラウド等インターネット外に設置することも可能である。また、分析エッジサーバ自体を設置しないことも可能である。すなわち、本実施形態では分析エッジサーバの設置位置は問わないとする。
【0025】
分析サーバ504は本実施形態に係るスキルマップ自動生成を担う部分である。分析サーバによって出力される評価結果は、評価結果DB505内に格納されている各アクタごとのスキルマップへ反映され、蓄積されていく。
【0026】
次に、
図6を用いて本実施形態に係るスキルマップ自動生成システムの論理的モデルについて説明する。これは
図5における分析サーバ504および分析エッジサーバ503の内部を示すものである。分析サーバ504においては、会議情報受付部601と、資料作成者判定部602と、会議情報参照部603と、資料判定部604と、発案者判定部605と、意思決定者判定部606と、発案者得意分野・工程判定部607と、意思決定者得意分野・工程判定部608と、ユーザ入力受付部609と、外部機能連携部610と、資料作成者評価部611と、発案者評価部612と、意思決定者評価部613と、スキルマップ生成部614と、スキルマップ格納部615と、過去評価比較部616と、評価結果出力部617、会議情報保持部618とが存在する。これらの内、スキルマップ生成部614と、スキルマップ格納部615と、過去評価比較部616と、評価結果出力部617は、分析サーバ固有のモジュールである。これら以外のモジュールについては、分析エッジサーバも同じものを有する。これは、スキルマップの生成、過去評価結果との比較、スキルマップの格納といった機能は、評価結果DB505と直結する分析サーバ504が行うためである。逆に、各アクタの評価といった機能までは、分析速度を向上させるために分析エッジサーバにも同じものが搭載される。
【0027】
ここで、分析サーバ504が会議情報を受け取ってから各アクタへ評価結果を返すまでの流れを
図6の論理的モデル図を用いて説明する。
【0028】
会議情報受付部601は、会議情報を受け付けるモジュールである。会議情報とは、会議中に音声デバイスから得られる会議参加者の参加者会話情報、カメラデバイスから得られる会議参加者の目線や表情や姿勢といった参加者表面情報、会議中に参照される会議参照資料情報、会議開催に際して出された会議案内メールといった会議案内情報、その他当該会議体が属するプロジェクトに関するPJ資料など、会議に関する様々な情報を指す。なお、会議情報はPC501やスマートフォン502から取得するものであり、会議情報保持部618へキャッシュとして一時的に保存されるものである。ここで各種会議情報の概要と取得方法について詳細に説明する。
【0029】
参加者会話情報は会議参加者各々が所有するPCやスマートフォンや専用マイクといった収音可能デバイスを通じて得られる音声情報や、TeamsやZoomといった会議媒体内におけるチャット機能から得られるチャット履歴情報を指す。
【0030】
参加者表面情報は会議参加者各々が所有するPCやスマートフォンや専用カメラといった映像認識デバイスを通じれ得られる映像情報であり、目線や表情や姿勢など参加者の表面的な状態を表す情報を指す。
【0031】
会議参照資料情報は参加者間でメール機能や共有フォルダを介して共有される資料や、会議中に任意の参加者から会議媒体を通じて投影される資料であり、当該会議に関係する資料を指す。そのため、会議情報受付部601は、当該会議に関係するメールや共有フォルダや会議中の投影情報を参照することができる。
【0032】
会議案内情報は当該会議の開催にあたり任意の参加者から各員へ出された会議案内であり、Outlook等のメール機能やZoomといった会議媒体を介して出される情報を指す。そのため、会議情報受付部601は、会議参照資料情報と同様に、当該会議に関係するメールを参照することができる。
【0033】
PJ資料情報は当該会議体が属するプロジェクトに関する資料であり、工程資料や懸案表やタスク一覧表といったプロジェクト運営に必要となる資料を指す。これらの資料は、当該会議に関係するメールで共有される場合や共有フォルダに格納されている場合があるため、会議情報受付部601は、当該会議に関係するメールや共有フォルダを参照することができる。なお、これらは当該会議の開催前のみならず、会議後においても更新されるものである。
【0034】
資料作成者判定部602は、会議情報受付部601で得られた会議情報から、会議中に参照される会議参照資料情報の作成者を確認し、当該会議における資料作成者を判別するモジュールである。
【0035】
会議情報参照部603は、会議情報受付部601で得られた会議情報から後述の発案者判定や意思決定者判定に必要な情報を参照するモジュールである。
【0036】
資料判定部604は、当該会議における資料作成者と判別された会議参加者が作成した資料を特定するモジュールである。
【0037】
発案者判定部605は、会議情報参照部603が参照する当該会議の会議情報を基に、会議において発言されたアイデアについて、各アイデアごとの発案者を判別するモジュールである。
【0038】
意思決定者判定部606は、会議情報参照部603が参照する当該会議の会議情報を基に、会議における決定事項について、各決定事項ごとの意思決定者を判別するモジュールである。
【0039】
発案者得意分野・工程判定部607は、当該会議において発言されたアイデアの発案者の得意分野および得意工程を判定するモジュールである。ここで判定された評価結果は、
図3で示した発案者の個別スキルマップにおける評価観点の得意分野302および得意工程303へ反映される。発案者得意分野・工程判定部607は、判定に必要な情報の参照元として会議情報参照部603から参照される会議情報の他に、ユーザ入力受付部609を介してユーザからの直接入力を受け付けることができる。また、得意分野の判定に際し、外部機能連携部610を介してシソーラスといった外部機能を引用することができる。これは会議で使用される専門用語や業界用語について、シソーラスを用いてその用語の上位概念を参照し、得意分野として抽出するための機能である。
【0040】
意思決定者得意分野・工程判定部608は、当該会議における決定事項の意思決定者の得意分野および得意工程を判定するモジュールである。ここで判定された評価結果は、
図4で示した意思決定者の個別スキルマップにおける評価観点の得意分野402および得意工程403へ反映される。意思決定者得意分野・工程判定部608は、発案者得意分野・工程判定部607と同様、判定に必要な情報の参照元として会議情報参照部603から参照される会議情報の他に、ユーザ入力受付部609を介してユーザからの直接入力を受け付けることができる。得意分野の判定に際し、外部機能連携部610を介してシソーラスといった外部機能を引用することができる。これは会議で使用される専門用語や業界用語について、シソーラスを用いてその用語の上位概念を参照し、得意分野として抽出するための機能である。
【0041】
資料作成者評価部611は、資料判定部604で参照する資料作成者が作成した会議資料を基に、資料作成者の評価を行うモジュールである。ここで判定された評価結果は、
図2で示した資料作成者の個別スキルマップにおける評価観点の資料の解り易さ202、記載内容の根拠度合203、意見引き出し度合204へ反映される。評価に際し、外部機能連携部610を介してシソーラスといった外部機能を引用することができる。これは資料の評価にあたり曖昧言葉について、シソーラスなどのライブラリを参照し、曖昧言葉として判定するための機能である。また、曖昧言葉の判定については、ユーザ入力受付部609を介してユーザからの直接入力を受け付けることができる。これはシソーラスなどのライブラリには載っていない当該会議体が属するプロジェクト独自の用語や言い回しについても判定を可能とするためである。
【0042】
発案者評価部612は、会議情報参照部603で参照する会議情報を基に、発案者判定部605で判定した発案者の評価を行うモジュールである。ここで判定された評価結果は、
図3で示した発案者の個別スキルマップにおける評価観点の定量分析304、PJ貢献度305へ反映される。
【0043】
意思決定者評価部613は、会議情報参照部603で参照する会議情報を基に、意思決定者判定部606で判定した意思決定者の評価を行うモジュールである。ここで判定された評価結果は、
図4で示した発案者の個別スキルマップにおける評価観点のPJ貢献度404へ反映される。
【0044】
スキルマップ生成部614は、前述の資料作成者評価部611、発案者評価部612、意思決定者評価部613の評価結果を基に、各アクタごとの個別スキルマップへ反映するモジュールである。
【0045】
スキルマップ格納部615はスキルマップ生成部614で生成されたスキルマップを評価結果DB505へ格納するモジュールである。また、評価結果DBから過去のスキルマップを参照するモジュールでもある。
【0046】
過去評価比較部616は、スキルマップ生成部614で生成されたスキルマップと、スキルマップ格納部615から参照される過去のスキルマップを比較するモジュールである。
【0047】
評価結果出力部617は、生成されたスキルマップを基に、各アクタへ当該会議における当人の評価を返すモジュールである。各アクタへの評価結果画面の例は、
図11ないし
図12ないし
図13で説明する。
【0048】
次に、
図7を用いて本実施形態に係るスキルマップ自動生成の一連の処理の流れについて、
図6の論理的モデル図と関連付けながら説明する。
会議情報受付701は、
図6における会議情報受付部601の機能に相当する。ここでは分析サーバが会議情報を受け付ける。会議情報については先述の通りで、参加者会話情報、参加者表面情報、会議参照資料情報、会議案内情報、PJ資料情報等が挙げられる。
【0049】
アクタ判定702は、
図6における資料作成者判定部602および会議情報参照部603および資料判定部604および発案者判定部605および意思決定者判定部606の機能に相当する。ここでは会議情報受付701で得た会議情報を基に、各アクタを判定する。具体的には後述するが、例えば、アクタ判定702は、上記参加者会話情報に含まれる音声を解析し、上記参加者表面情報に含まれる個々のアクタを判別したり、あるいは、上記会議案内情報や上記PJ資料などに含まれるアクタの氏名を読み取る等、従来から知られている技術を用いてよい。
【0050】
アクタ別得意分野・工程判定703は、
図6における発案者得意分野・工程判定部607および意思決定者得意分野・工程判定部608の機能に相当する。ここではアクタ判定702で判定された発案者および意思決定者の得意分野および得意工程を判定する。具体的には後述するが、例えば、アクタ別得意分野・工程判定703は、上記会議情報に含まれるアクタの発言や上記会議案内情報や上記PJ資料などに含まれる用語を読み取り、シソーラスを用いた概念検索を行うことで、上記発言したアクタの得意分野を解析する等、従来から知られている技術を用いてよい。
【0051】
アクタ別評価704は、
図6における資料作成者評価部611および発案者評価部612および意思決定者評価部613の機能に相当する。ここではアクタ判定702で判定された資料作成者および発案者および意思決定者の評価を行う。具体的な評価の方法については、
図8~
図10を用いて後述する。
【0052】
スキルマップ生成705は、
図6におけるスキルマップ生成部614の機能に相当する。ここではアクタ別評価704の評価結果を基に、各アクタ別にスキルマップを生成する。具体的な評価の方法については、
図8~
図10を用いて後述する。
【0053】
スキルマップDBへの格納706は、
図6におけるスキルマップ格納部615の機能に相当する。ここではスキルマップ生成705で生成された各アクタのスキルマップを評価結果DB506へ格納する。
【0054】
過去評価との比較707は、
図6における過去評価比較部616の機能に相当する。ここではスキルマップ生成705で生成された各アクタのスキルマップと、評価結果DB内に存在する過去のスキルマップとを比較する。
【0055】
評価結果出力708は、
図6における評価結果出力部617の機能に相当する。ここでは、スキルマップ生成部614および過去評価比較部616の評価結果を、各アクタへ出力する。具体的な評価結果の例については、
図11~
図13を用いて後述する。
【0056】
次に、
図8、
図9ないし
図10を用いて各アクタごとのスキルマップ自動生成の一連の処理の流れと詳細について説明する。なおこれらは、
図7におけるアクタ判定702からスキルマップ生成705までの処理を、それぞれ各アクタごとに詳細に説明するものである。
【0057】
図8は資料作成者に関するスキルマップ自動生成の一連の処理の流れである。
会議情報の参照801は、
図7における会議情報受付701にて分析サーバが受け取った会議情報を参照する機能である。
【0058】
資料作成者の判定802は、会議情報の参照801で参照される会議情報を基に、当該会議における資料作成者を判定する機能である。ここで主に参照される会議情報には、参加者会話情報や、会議参照資料情報が挙げられる。参加者会話情報を参照する場合、例えば投影中の会議資料についての内容を読み上げている参加者が資料作成者の候補になる。一般的に会議において、資料の説明をする者は、当該資料の作成者本人である場合や、当該資料を作成した者の上司やレビュアーである場合が多い。後者については、直接資料作成をしていないにせよ、資料作成方針の決定や修正事項の指摘など、間接的に資料作成に寄与していることを考慮し、資料作成者の候補として扱うものとするが、必ずしもこの限りではない。会議参照資料情報を参照する場合、例えば当該資料の作成者情報やタイムスタンプ等から得られる最終更新者が資料作成者の候補になる。参加者会話情報から得られる資料作成者の候補と、会議参照資料情報から得られる資料作成者の候補が異なる場合や、複数存在する場合、絞込み基準は実装者の自由に設定することができる。本実施例では便宜上、資料作成者は1名であると定義する。
【0059】
ここからは
図2で示した資料作成者の個別スキルマップにおける評価観点201ごとに処理が分岐する。
【0060】
資料の解り易さの判定803は、会議情報の参照801で参照した会議情報を基に、資料作成者の判定802で資料作成者と判定された参加者について、
図2における評価観点のうちの資料の解り易さ202に対応する評価を出力する機能である。
【0061】
曖昧ワード判定804は、資料の中に「すごく」や「とても」や「少し」等の曖昧な言葉が含まれていないか判別する機能である。これらの曖昧な言葉の判定には、シソーラスといった曖昧ワードライブラリを参照することができる。また、外部ライブラリには載っていない当該会議体が属するプロジェクト独自の用語や言い回しの判定も可能にするべく、ユーザからの直接入力も受け付け反映させることができる。抽出された曖昧ワードの総計は、資料作成者のスキルマップに反映される。
図2では例として、今回の会議においては曖昧ワードは0件となっており、前回の会議においては2件となっている。
【0062】
文字と図のバランス判定805は、資料内の文字と、図やグラフなどのオブジェクトとのバランスを判定する機能である。一般的に文字だけの資料は読み辛く、とはいえオブジェクトのみの資料でも説明内容が伝わらない。このバランスについては、実装者で自由に定義することができる。
図2では例として、今回の会議においては、資料における文字の割合と当該資料におけるオブジェクトとの割合が一定の基準に保たれてバランス良好となっており、前回の会議においては文字過多となっている。
【0063】
色彩判定806は、資料内の文字や図やグラフや文字強調などのエフェクトの色彩を判定する機能である。例えば、文字の強調エフェクトに使われる色が赤だけでない多様な原色で塗り分けられている場合、どの文字が重要なのか解りにくくなるとされている。また、図やグラフが色相関係において近い色同士で構成される場合、境界が解りにくくなるとされている。このバランスについては、実装者で自由に定義することができる。
図2では例として、今回の会議においては、資料における上記エフェクトの色彩の割合と当該資料における上記エフェクト以外の色彩との割合が一定の基準に保たれて色彩良好となっており、前回の会議においては原色強めとなっている。
【0064】
記載内容の根拠の整備度の判定807は、会議情報参照801で参照した会議情報を基に、資料作成視野の判定802で資料作成者と判定された参加者について、
図2における評価観点のうちの記載内容の根拠度合203に対応する評価を出力する機能である。
【0065】
数値データ・グラフ判定808は、資料内の数値データやグラフを判定する機能ある。例えば、資料内に数値データやグラフが存在しない場合、定量性に欠けるといえる。また、数値データやグラフだけの資料の場合、説明内容が伝わらない。このバランスについては、実装者で自由に定義することができる。
図2では例として、今回の会議においては、資料における上記数値データやグラフの割合と当該資料における上記数値データやグラフ以外との割合が一定の基準に保たれて良好となっており、前回の会議においては少ないとなっている。
【0066】
引用ソース記載判定809は、資料内の引用元の情報やリンク先情報を判定する機能である。ここでは資料内で使われている図やグラフなどのオブジェクトについて、引用元の情報やリンク先情報を記載しているかどうかを確認し、図やグラフの量に対してどの程度記載されているかのバランスを測る。このバランスについては、実装者で自由に定義することができる。
図2では例として、今回の会議においては、資料における上記引用元の情報やリンク先情報が記載されている割合と当該資料における上記引用元の情報やリンク先情報が記載されていない割合が一定の基準に保たれて良好となっており、前回の会議においては少ないとなっている。
【0067】
意見引き出し度合の判定810は、会議情報参照801で参照した会議情報を基に、資料作成視野の判定802で資料作成者と判定された参加者について、当該会議においてどれほど参加者の反応として意見の引き出しに貢献できたかを判定する機能である。
【0068】
資料内頻出ワードの抽出811は、当該資料の中で一定の回数以上、頻繁に出る言葉を抽出し、一時保持する機能である。ここで抽出する言葉は、以降のモジュールにおいて紐づけのためのキーワードとしての役割を担う。そのため、当該会議が属するプロジェクト独自の用語や言い回しであっても問題ない。すなわち、ここでシソーラスといった外部ライブラリを参照する必要はない。
【0069】
頻出ワードを含む発言の抽出812は、資料内頻出ワードの抽出811で抽出された頻出ワードを基に、参加者会話情報を参照し、当該ワードを含む発言を抽出する機能である。これにより、当該資料の内容に関しての発言を判定することができる。本実施例では、これらの発言は当該資料の存在によって引き出されたものとしている。
【0070】
発言数の算出813は、頻出ワードを含む発言の抽出812で抽出された発言の数を算出する機能である。
図2では例として、今回の会議においては8件、前回の会議においては5件としている。
【0071】
発言の傾向の分析814は、頻出ワードを含む発言の抽出812で抽出された発言について、その発言ごとの傾向、すなわち発言した参加者の反応を分析し、プラスのものと、マイナスのものとに分別する機能である。本実施例では、プラスの傾向を、当該発言に対して賛同する発言や、補足する発言や、当該発言を引用しての発言と定義している。また、マイナスの傾向を、当該発言に対して反対する発言や、批判する発言、ダメ出しをする発言と定義している。
図2では例として、今回の会議においてはプラスが7件、マイナスが1件、前回の会議においてはプラスが4件、マイナスが1件としている。なお、このプラスとマイナスの和は、必ずしも発言数の算出813で算出された発言数と一致するとは限らない。これは、プラスともマイナスとも受け取られない中立的な発言もあるからである。
スキルマップへの反映815は、これまで行われた各判定結果をスキルマップへ反映させる機能である。
【0072】
図9は発案者に関するスキルマップ自動生成の一連の処理の流れである。
【0073】
会議情報の参照901は、
図7における会議情報受付701にて分析サーバが受け取った会議情報を参照する機能である。
【0074】
会議の決定事項の確認902は、会議情報の参照901で参照される会議情報を基に、当該会議における決定事項を判別する機能である。ここで主に参照される会議情報には、参加者会話情報や、参加者表面情報が挙げられる。参加者会話情報を参照する場合、例えば会議中の任意の発言について、当該発言者以外の参加者の参加者会話情報から、当該発言の評価を判定する。これら当該発言者以外の参加者の参加者会話情報から、賛同や、肯定や、補足など、当該発言に対してプラスの評価をしていると判定できる場合、当該発言が会議の決定事項の候補になる。参加者表面情報を参照する場合、例えば会議中の任意の発言について、当該発言者以外の参加者の参加者表面情報から、当該発言の評価を判定する。これら当該発言者以外の参加者の参加者表面情報から、頷きや、前のめりの姿勢や、表情が笑顔など、当該発言に対してプラスの評価をしていると判定できる場合、当該発言が会議の決定事項の候補になる。参加者会話情報から得られる会議の決定事項の候補と、参加者表面情報から得られる会議の決定事項の候補が異なる場合や、複数存在する場合、絞込み基準は実装者の自由に設定することができる。本実施例では便宜上、会議の決定事項は複数あるものと定義し、各決定事項についてそれぞれ発案者がいるものとする。
【0075】
発案者の判定903は、会議の決定事項の確認902で判定した会議の決定事項について、その発案者を判別する機能である。
【0076】
ここからは
図3で示した発案者の個別スキルマップにおける評価観点301ごとに処理が分岐する。
【0077】
発案者の発言における頻出ワードの抽出904から得意分野の判定907までの処理は、
図3における評価観点のうちの得意分野302に対応する評価を出力する流れである。
【0078】
発案者の発言における頻出ワードの抽出904は、発案者の判定903で発案者と判定された参加者について、当該発案者の参加者会話情報から、頻出なキーワードを抽出する機能である。キーワードの抽出にあたっては、単語別分解といった一般的な技術を用い、分解された単語のうち名詞を一時的にライブラリ等へ保持し、当該会議中での出現数をカウントし、頻出度を算出し、最も頻出度の高い名詞を頻出ワードとする。ここで名詞のみを候補にしているのは、動詞や接続詞といった名詞以外の語句は、ごく一般的に会話の中で多く出現する可能性が高いからである。
【0079】
頻出ワード含有発言における他参加者の反応分析905は、発案者の発言における頻出ワードの抽出904で判定した頻出ワードについて、当該頻出ワードが含まれる発言について、会議情報の参照901で参照される会議情報を基に、当該発言者以外の参加者の反応を分析する機能である。ここで主に参照される会議情報には、参加者会話情報や、参加者表面情報が挙げられる。参加者会話情報を参照する場合、例えば当該頻出ワードが含まれる発言について、当該発言者以外の参加者の参加者会話情報から、当該発言の評価を判定する。参加者表面情報を参照する場合、例えば当該頻出ワードが含まれる発言について、当該発言者以外の参加者の参加者表面情報から、当該頻出ワードが含まれる発言の評価を判定する。
【0080】
得意分野キーの設定906は、頻出ワード含有発言における他参加者の反応分析905で分析された頻出ワードについて、当該発案者の得意分野を判定するためのキーを設定する機能である。頻出ワード含有発言における他参加者の反応分析905において、参加者会話情報を参照した場合において、当該発言者以外の参加者の参加者会話情報から、賛同や、肯定や、補足など、当該頻出ワードが含まれる発言に対してプラスの評価をしていると判定できる場合、当該頻出ワードは、当該発案者の得意分野を判定するための得意分野キーと設定する。また、参加者表面情報を参照した場合において、当該発言者以外の参加者の参加者表面情報から、頷きや、前のめりの姿勢や、表情が笑顔など、当該発言に対してプラスの評価をしていると判定できる場合、当該頻出ワードは、当該発案者の得意分野を判定するための得意分野キーと設定する。ここでいずれもプラスの評価を得ているもののみを得意分野キーと設定しているのは、マイナスの評価を得ている場合当該発案者が的外れな事を言っている可能性が高く、得意分野として判定するには危ういからである。マイナスの評価を得ている場合、当該頻出ワードは得意分野キーとは成り得ないため、発案者の発言における頻出ワードの抽出904に戻り、再度頻出ワードの抽出から行う。なお、参加者会話情報から得られる得意分野キーの候補と、参加者表面情報から得られる得意分野キーの候補が異なる場合や、複数存在する場合、絞込み基準は実装者の自由に設定することができる。本実施例では便宜上、得意分野キーは複数あるものと定義する。
【0081】
得意分野の判定907は、得意分野キーの設定906で設定された得意分野キーを基に、当該発案者の得意分野を判定する機能である。得意分野の判定にあたっては、外部機能連携部610を介してシソーラスといった外部機能を引用することができる。これは会議で使用される専門用語や業界用語について、シソーラスを用いてその用語の上位概念を参照し、得意分野として抽出するための機能である。また、ユーザ入力受付部609を介してユーザからの直接入力を受け付けることができる。これはシソーラスなどのライブラリには載っていない当該会議体が属するプロジェクト独自の用語や言い回しについても判定を可能とするためである。
図3では例として、システム基盤、ストレージとなっている。これは例えば、得意分野キーとして抽出された言葉が任意のベンダーが製造するストレージ製品の名前であり、当該得意分野キーを基に判定された上位概念がシステム基盤ないしストレージであったという流れである。
【0082】
会議案内情報の参照908から得意工程の判定910までの処理は、
図3における評価観点のうちの得意工程303に対応する評価を出力する流れである。
会議案内情報の参照908は、会議情報の参照901で参照される会議情報のうち、会議案内情報を参照する機能である。
【0083】
工程判別ワードの抽出909は、会議案内情報の参照908で参照する会議案内情報を基に、当該会議がプロジェクトにおけるどの工程に位置するかを判別するための工程判別ワードを抽出する機能である。一般的にプロジェクトは、業種や業界に関わらず幾つかの工程あるいはフェーズから成る。便宜上、本実施例ではシステム開発における一般的なウォーターフォールモデルを例に挙げて説明するが、勿論これらは業種はおろか企業体質によっても多種多様であるため、この限りではない。ウォーターフォール型のシステム開発においては、案件受注に向けたプリセールス工程から始まり、案件受注後の要件定義工程、基本設計工程、詳細設計工程、開発工程、単体テスト工程、結合テスト工程、総合テスト工程、運用テスト工程、システムリリース工程、運用・保守工程から形成される。これら各工程中の会議は、他工程や他プロジェクトとの判別を容易にするために、会議案内メール等の件名に、現在行われている工程を判別できる工程判別ワードが記載されていることが多い。例えば、プリセールス工程中の会議においては、「プレ定例」や「プレWG」といった工程判別ワードが含まれる。ここで定例とは定例会議を指しており、WGとはワーキングを指している。また例えば、開発工程中の会議においては、「開発定例」や「開発WG」などの工程判別ワードが含まれる。工程判別ワードの抽出909では、会議案内情報からこれらのような工程判別ワードを抽出する。
【0084】
得意工程の判定910は、工程判別ワードの抽出909で抽出した工程判別ワードを基に、当該発案者の得意工程を判別する機能である。例えば工程判別ワードの抽出909で抽出した工程判別ワードが「プレ定例」であった場合、当該発案者の得意工程は「プリセールス工程」として判定される。
図2では例として、要件定義工程が判定されている。
【0085】
発案者の発言状況の参照911から採用率の分析913までの処理は、
図3における評価観点のうちの定量分析304に対応する評価を出力する流れである。
発案者の発言状況の参照911は、会議情報の参照901で参照される会議情報を基に、当該会議における発案者の発言を参照する機能である。
【0086】
総数・採用数の分析912は、発案者の発言状況の参照911で参照した参加者会話情報を基に、
図3における評価観点のうちの定量分析304のうちのアイデア総数と、アイデア採用数に対応する評価を分析する機能である。
【0087】
定量分析304のうち、アイデア総数とは、当該発案者が当該会議の中で発案した総数である。この判定には、参加者会話情報を用いる。まず、参加者会話情報のうち、当該発案者の発言を参照する。次に当該発言の前の発言について、一般的な文脈分析AIを用いて当該発言との文脈的繋がりを分析する。例えば、当該発言とその前の発言が、文脈的に同じ話題を示している場合、当該発案者の当該発言は、発案ではなく、前の発言への補足や便乗の発言と判定できる。逆に、当該発言の前の発言が、例えば「何か意見はありますか?」のように他者への発言を促している場合、当該発案者の当該発言は、発案と判定できる。このよう発案として判定された発言の総数が、当該発案者のアイデア総数となる。
図3では例として、今回の会議においてはアイデア総数は5となっている。
【0088】
定量分析304のうち、アイデア採用数とは、当該発案者が当該会議の中で発案したもののうち、採用された数を示す。これは、会議の決定事項の確認902で判定された会議の決定事項のうち、当該発案者の発言である数と同値である。
図3では例として、アイデア採用数は2となっている。
【0089】
採用率の分析913は、総数・採用数の分析912で算出されたアイデア総数とアイデア採用数を基に、
図3における評価観点のうちの定量分析304のうちの採用率に対応する評価を分析する機能である。採用率とは、アイデア採用数をアイデア総数で割った数値である。
図3では例として、アイデア総数が5であるのに対し、アイデア採用数が2であることから、採用率は40%となっている。
【0090】
スキルマップへの反映914は、これまで行われた各判定結果をスキルマップへ反映させる機能である。ここで、
図3における評価観点のうちのPJ貢献度305に対応する評価は、この段階ではされていない。これはPJ貢献度は会議の事後にはじめて評価が可能となる評価観点であるからである。すなわちスキルマップへの反映914は、
図3における評価観点のうちのPJ貢献度305以外のものに対して、スキルマップへ反映させる機能である。
【0091】
PJ資料の参照915から課題解決への寄与度分析916までの処理は、
図3における評価観点のうちのPJ貢献度305対応する評価を出力する流れである。このPJ貢献度は、当該会議中では評価できない評価観点である。そのため、前述のスキルマップ反映914で当該会議における評価をスキルマップへ反映させたのち、後述の通りPJ貢献度を評価し、スキルマップへ再度反映させる。
【0092】
PJ資料の参照915は、会議情報の参照901で参照した会議情報のうち、当該会議体が属するプロジェクトに関する資料(PJ資料)を参照する機能である。
【0093】
課題解決への寄与度分析916は、PJ資料の参照915で参照したPJ資料を基に、当該発案者について、
図3における評価観点のうちのPJ貢献度305に対応する評価を行う機能である。ここで、PJ資料とは工程資料や、懸案表や、タスク一覧表といったプロジェクト運営に必要となる資料を指していることを改めて確認しておく。これらの資料は、例えば、外部のPJを評価するシステムを介して、会議における決定事項などに基づいて更新されるため、会議後に更新されることが一般的である。
【0094】
PJ貢献度305のうち、課題解決数とは、前述のようなPJ資料において、更新された項目の数を指す。例えば、タスク一覧表における任意のタスクについて、当該会議後にタスクが完了状態へ遷移した場合、当該会議の決定事項による完了状態へ遷移したと判断できる。このようにしてカウントされる、PJ資料におけるタスクや懸案項目のうちの、当該会議後に完了状態へ遷移した項目の総数を、課題解決数として定義する。
図3では例として、前回の会議におけるPJ貢献度305のうちの課題解決数は3となっている。これは例えば、前回会議後に完了状態へ遷移した懸案項目ないしタスク項目が、3項目あったということになる。
【0095】
PJ貢献度305のうち、課題遅延数とは、前述の課題解決数と同様、参照されるPJ資料のうち、当該会議後に遅延状態へ遷移した、あるいは当該会議以前から遅延状態であり当該会議をもってしても完了へ遷移しなかった懸案項目ないしタスク項目の総数である。ここで、懸案ないしタスクの状態が現在進行形、あるいは検討中の状態であり、期限が未だ先の項目を算定しないことに注意したい。これらの項目は、当該会議の出来高に関係なく、そもそも当該会議では完了できない項目であるからである。
図3では例として、前回の会議におけるPJ貢献度305のうちの課題遅延数は1となっている。これは例えば、前回会議後に遅延状態へ遷移した項目、あるいは前回会議以前から遅延状態であり前回会議をもってしても完了へ遷移しなかった懸案項目ないしタスク項目が、1項目あったということになる。
【0096】
スキルマップ反映(後日)917は、PJ資料の参照915から課題解決への寄与度分析916で行われた各判定結果をスキルマップへ反映させる機能である。
【0097】
図10は意思決定者に関するスキルマップ自動生成の一連の処理の流れである。
【0098】
会議情報の参照1001は、
図7における会議情報受付701にて分析サーバが受け取った会議情報を参照する機能である。
【0099】
会議の決定事項の確認1002は、会議情報の参照1001で参照される会議情報を基に、当該会議における決定事項を判別する機能であり、
図9における会議の決定事項の確認902と同じ機能であり、決定事項については
図9のものと
図10のものでは整合性が取れるものである。
図9同様に、会議の決定事項の確認1002でも主に参照される会議情報には、参加者会話情報や、参加者表面情報が挙げられる。具体的な処理については
図9において説明済みのため、ここではこれらの説明を省略するが、
図9同様に、会議の決定事項は複数あるものと定義し、各決定事項についてそれぞれ発案者や、意思決定者がいるものとする。
【0100】
意思決定者の判定1003は、会議の決定事項の確認1002で判定した会議の決定事項について、会議情報の参照1001で参照される会議情報を基に、その意思決定者を判別する機能である。会議の決定事項の確認1002同様に、ここで参照される会議情報には、参加者会話情報や、参加者表面情報が挙げられる。参加者会話情報を参照する場合、例えば会議の決定事項が含まれる発言の後続の発言について、一般的な文脈分析AIを用いて分析する。当該発言の中に、承認や推進を促すワードが含まれる場合、当該発言は意思決定と判定でき、当該発言者は意思決定者と判定することができる。承認や推進を促すワードには、例えば、「OK」や「認めます」や「決まりです」や「それで行こう」などが挙げられる。また、ユーザ入力受付部609を介してユーザからの直接入力を受け付けることができる。これは例えば、当該会議において暗黙の認知で意思決定者が決まっている場合などに対応するためである。
【0101】
ここからは
図4で示した意思決定者の個別スキルマップにおける評価観点401ごとに処理が分岐する。
【0102】
意思決定者の発言における頻出ワードの抽出1004から得意分野の判定1007までの処理は、
図4における評価観点のうちの得意分野402に対応する評価を出力する流れであり、
図9における発案者の発言における頻出ワードの抽出904から得意分野の判定907までの処理と同じ流れである。
【0103】
意思決定者の発言における頻出ワードの抽出1004は、意思決定者の判定1003で意思決定者と判定された参加者について、当該意思決定者の参加者会話情報から、頻出なキーワードを抽出する機能である。キーワードの抽出にあたっては、単語別分解といった一般的な技術を用い、分解された単語のうち名詞を一時的にライブラリ等へ保持し、当該会議中での出現数をカウントし、頻出度を算出し、最も頻出度の高い名詞を頻出ワードとする。ここで名詞のみを候補にしているのは、動詞や接続詞といった名詞以外の語句は、ごく一般的に会話の中で多く出現する可能性が高いからである。
【0104】
頻出ワード含有発言における他参加者の反応分析1005は、意思決定者の発言における頻出ワードの抽出1004で判定した頻出ワードについて、当該頻出ワードが含まれる発言について、会議情報の参照1001で参照される会議情報を基に、当該発言者以外の参加者の反応を分析する機能である。具体的な処理は、
図9に示した処理905と同様であるため説明を省略するが、当該処理における発案者を意思決定者と読み替えればよい。
【0105】
得意分野キーの設定1006は、頻出ワード含有発言における他参加者の反応分析1005で分析された頻出ワードについて、当該意思決定者の得意分野を判定するためのキーを設定する機能である。具体的な処理は、
図9に示した処理906と同様であるため説明を省略するが、当該処理における発案者を意思決定者と読み替えればよい。
【0106】
得意分野の判定1007は、得意分野キーの設定1006で設定された得意分野キーを基に、当該意思決定者の得意分野を判定する機能である。具体的な処理は、
図9に示した処理907と同様であるため説明を省略するが、当該処理における発案者を意思決定者と読み替えればよい。
【0107】
会議案内情報の参照1008から得意工程の判定1010までの処理は、
図4における評価観点のうちの得意工程403に対応する評価を出力する流れであり、
図9における会議案内情報の参照908から得意分野の判定910までの処理と同じ流れである。
会議案内情報の参照1008は、会議情報の参照1001で参照される会議情報のうち、会議案内情報を参照する機能である。
【0108】
工程判別ワードの抽出1009は、会議案内情報の参照1008で参照する会議案内情報を基に、当該会議がプロジェクトにおけるどの工程に位置するかを判別するための工程判別ワードを抽出する機能である。具体的な処理は、
図9に示した処理909と同様であるため説明を省略するが、当該処理における発案者を意思決定者と読み替えればよい。
【0109】
得意工程の判定1010は、工程判別ワードの抽出1009で抽出した工程判別ワードを基に、当該発案者の得意工程を判別する機能である。例えば工程判別ワードの抽出1009で抽出した工程判別ワードが「プレ定例」であった場合、当該発案者の得意工程は「プリセールス工程」として判定される。
図4では例として、要件定義工程が判定されている。
【0110】
スキルマップへの反映1011は、これまで行われた各判定結果をスキルマップへ反映させる機能である。ここで、
図4における評価観点のうちのPJ貢献度404に対応する評価は、この段階ではされていない。これはPJ貢献度は会議の事後にはじめて評価が可能となる評価観点であるからである。すなわちスキルマップへの反映1011は、
図4における評価観点のうちのPJ貢献度404以外のものに対して、スキルマップへ反映させる機能である。
【0111】
PJ資料の参照1012から課題解決への寄与度分析1013までの処理は、
図4における評価観点のうちのPJ貢献度404に対応する評価を出力する流れである。このPJ貢献度は、当該会議中では評価できない評価観点である。そのため、前述のスキルマップ反映1011で当該会議における評価をスキルマップへ反映させたのち、後述の通りPJ貢献度を評価し、スキルマップへ再度反映させる。
PJ資料の参照1012は、会議情報の参照1001で参照した会議情報のうち、当該会議体が属するプロジェクトに関する資料(PJ資料)を参照する機能である。
【0112】
課題解決への寄与度分析1013は、PJ資料の参照1013で参照したPJ資料を基に、当該発案者について、
図4における評価観点のうちのPJ貢献度404に対応する評価を行う機能である。ここで、PJ資料とは工程資料や、懸案表や、タスク一覧表といったプロジェクト運営に必要となる資料を指していることを改めて確認しておく。これらの資料は、例えば、外部のPJを評価するシステムを介して、会議における決定事項などに基づいて更新されるため、会議後に更新されることが一般的である。
【0113】
PJ貢献度404のうち、課題解決数とは、前述のようなPJ資料において、更新された項目の数を指す。例えば、タスク一覧表における任意のタスクについて、当該会議後にタスクが完了状態へ遷移した場合、当該会議の決定事項による完了状態へ遷移したと判断できる。このようにしてカウントされる、PJ資料におけるタスクや懸案項目のうちの、当該会議後に完了状態へ遷移した項目の総数を、課題解決数として定義する。
図4では例として、前回の会議におけるPJ貢献度404のうちの課題解決数は3となっている。これは例えば、前回会議後に完了状態へ遷移した懸案項目ないしタスク項目が、3項目あったということになる。
【0114】
PJ貢献度404のうち、課題遅延数とは、前述の課題解決数と同様、参照されるPJ資料のうち、当該会議後に遅延状態へ遷移した、あるいは当該会議以前から遅延状態であり当該会議をもってしても完了へ遷移しなかった懸案項目ないしタスク項目の総数である。ここで、懸案ないしタスクの状態が現在進行形、あるいは検討中の状態であり、期限が未だ先の項目を算定しないことに注意したい。これらの項目は、当該会議の出来高に関係なく、そもそも当該会議では完了できない項目であるからである。
図4では例として、前回の会議におけるPJ貢献度404のうちの課題遅延数は1となっている。これは例えば、前回会議後に遅延状態へ遷移した項目、あるいは前回会議以前から遅延状態であり前回会議をもってしても完了へ遷移しなかった懸案項目ないしタスク項目が、1項目あったということになる。
【0115】
スキルマップ反映(後日)1014は、PJ資料の参照1012から課題解決への寄与度分析1013で行われた各判定結果をスキルマップへ反映させる機能である。
【0116】
次に、
図11ないし
図12ないし
図13を用いて各アクタへ会議の評価結果を出力した画面の例を説明する。なおこれらは、
図2ないし
図3ないし
図4までで説明した各アクタごとの個別スキルマップの内容を各アクタの端末画面に投影したものである。
【0117】
図11は資料作成者に関する会議の評価結果画面の例である。
【0118】
資料作成者1101は、当該会議における当人の役割を示したものであり、資料作成者についての評価結果画面であることを表す。
【0119】
資料の解り易さ1102は、
図2の資料の解り易さ202の内容に対応する。
図11では、評価結果は今回と過去平均の2列となっており、
図2における同じ列の値を引用している。
【0120】
記載内容の根拠度合1103についても、同様に
図2の記載内容の根拠度合203の内容に対応している。
【0121】
意見引き出し度合1104についても、同様に
図2の意見引き出し度合204の内容に対応している。
【0122】
図12は発案者に関する会議の評価結果画面の例である。
【0123】
発案者1201は、当該会議における当人の役割を示したものであり、発案者についての評価結果画面であることを表す。
【0124】
得意分野1202は、
図3の得意分野302の内容に対応する。こちらも
図11と同様、
図12では、評価結果は今回と過去平均の2列となっており、
図3における同じ列の値を引用している。
【0125】
得意工程1203についても、同様に
図3の得意工程303の内容に対応している。
【0126】
定量分析1204についても、同様に
図3の定量分析304の内容に対応している。
【0127】
PJ貢献度1205についても、同様に
図3のPJ貢献度305の内容に対応している。ただし、
図9の発案者に関する処理の流れでも説明した通り、PJ貢献度については会議後に対象となるPJ資料が更新されて初めて評価される項目である。そのため、会議直後に各アクタへ出力される評価結果画面では、今回列については斜線で非表示となっている。
【0128】
図13は意思決定者に関する会議の評価結果画面の例である。
【0129】
意思決定者1301は、当該会議における当人の役割を示したものであり、意思決定者についての評価結果画面であることを表す。
【0130】
得意分野1302は、
図4の得意分野402の内容に対応する。こちらも
図11ないし
図12と同様、
図13では、評価結果は今回と過去平均の2列となっており、
図4における同じ列の値を引用している。
【0131】
得意工程1303についても、同様に
図4の得意工程403の内容に対応している。
【0132】
PJ貢献度1304についても、同様に
図4のPJ貢献度404の内容に対応している。ただし、
図10の意思決定者に関する処理の流れでも説明した通り、PJ貢献度については会議後に対象となるPJ資料が更新されて初めて評価される項目である。そのため、会議直後に各アクタへ出力される評価結果画面では、今回列については斜線で非表示となっている。
【0133】
以上説明したように、本システムでは、プロセッサとメモリとを有したコンピュータにより、会議の参加者を評価し、上記参加者のスキルマップを生成する会議参加者スキルマップ生成システムにおいて、上記プロセッサは、
図7等を用いて説明したように、会議情報(上述した参加者会話情報、参加者表面情報、会議参照資料情報、会議案内情報、PJ資料など、会議に関する様々な情報)に基づいて、上記参加者の役割を特定し、上記役割が特定された参加者のそれぞれについて、上記役割が特定された参加者以外の参加者による当該参加者に対する反応を示す評価情報(例えば、資料作成者に対する、参加者の反応として意見の引き出しに貢献できたかについての評価、あるいは発案者や意思決定者に対する、発言者以外の参加者の参加者会話情報から得られる当該発言の評価)を、上記会議情報を用いて分析し(例えば、意見引き出し度合の判定810、他参加者の反応分析905、他参加者の反応分析1005を実行し)、上記分析した上記評価情報と、それぞれの上記役割が特定された参加者ごとに定められた所定の評価基準(例えば、評価観点列201~401の各項目)とに基づいて、上記役割が特定された参加者に関するスキルマップを生成する。これにより、参加者の役割に応じてスキルマップを生成することができ、会議の発言者の役割に応じた評価をすることができる。
【0134】
また、上記プロセッサは、
図8等を用いて説明したように、上記会議情報に基づいて特定した役割が、上記会議で用いられる資料の作成者である場合、処理803-806のように、上記資料の分かりやすさに関する上記評価情報を、上記所定の評価基準として定められた、少なくとも、曖昧と判定される用語、上記資料に記載された文字と図とのバランス、上記資料に記載された文字及び/または図の色彩度合い(例えば、資料の解り易さ202)、について分析し、上記分析の結果を含む上記資料の作成者についてのスキルマップ(例えば、
図2に示した資料の作成者についての個別スキルマップ)を生成する。これにより、資料の解り易さといった観点で、資料作成者の役割に応じてスキルマップを生成することができる。
【0135】
また、上記プロセッサは、
図8等を用いて説明したように、上記会議情報に基づいて特定した役割が、上記会議で用いられる資料の作成者である場合、処理807-809のように、上記資料の記載内容の根拠の整備度に関する上記評価情報を、上記所定の評価基準として定められた、少なくとも、資料内の数値データおよび/またはグラフの割合、資料内の引用元の情報および/またはリンク先情報が記載されている割合(例えば、記載内容の根拠度合203)、について分析し、上記分析の結果を含む上記資料の作成者についてのスキルマップ(例えば、
図2に示した資料の作成者についての個別スキルマップ)を生成する。これにより、記載内容根拠の整備度といった観点で、資料作成者の役割に応じてスキルマップを生成することができる。
【0136】
また、上記プロセッサは、
図8等を用いて説明したように、上記会議情報に基づいて特定した役割が、上記会議で用いられる資料の作成者である場合、処理810-814のように、上記会議における意見の引き出し度合いに関する上記評価情報を、上記所定の評価基準として定められた、少なくとも、上記会議における発言数および/または上記発言の傾向(例えば、意見引き出し度合204)、について分析し、上記分析の結果を含む上記資料の作成者についてのスキルマップ(例えば、
図2に示した資料の作成者についての個別スキルマップ)を生成する。これにより、意見引き出し度合といった観点で、資料作成者の役割に応じてスキルマップを生成することができる。
【0137】
また、上記プロセッサは、
図9等を用いて説明したように、上記会議情報に基づいて特定した役割が、上記会議において発言されたアイデアの発案者である場合、処理904-907、911-913のように、上記発案者の発言に対する他の参加者の反応に基づいて当該発案者の得意分野(例えば、得意分野302)を判定し、上記発案者のアイデアの総数と当該アイデアの採用数とに基づいて、判定した当該得意分野における上記発案者の発言について定量分析(例えば、定量分析304)を行い、上記得意分野について、上記定量分析の結果を含む上記アイデアの発案者についてのスキルマップ(例えば、
図3に示したアイデアの発案者についての個別スキルマップ)を生成する。これにより、得意分野や定量分析といった観点で、アイデアの発案者の役割に応じてスキルマップを生成することができる。
【0138】
また、上記プロセッサは、上記得意分野について、
図9の処理915~917等において説明したように、上記会議後に上記会議参加者スキルマップ生成システムに入力された、上記アイデアの発案者のプロジェクトに対する貢献度(例えば、PJ貢献度305)を含む、上記アイデアの発案者についてのスキルマップ(例えば、
図3に示したアイデアの発案者についての個別スキルマップ)を生成する。これにより、アイデアの発案者について、PJ貢献度を考慮したスキルマップを生成することができる。
【0139】
また、上記プロセッサは、
図10等を用いて説明したように、上記会議情報に基づいて特定した役割が、上記会議における決定事項についての意思決定者である場合、処理1004-1007、1012~1014のように、上記意思決定者の発言に対する他の参加者の反応に基づいて当該意思決定者の得意分野(例えば、得意分野402)を判定し、上記得意分野について、上記会議後に上記会議参加者スキルマップ生成システムに入力された上記意思決定者のプロジェクトに対する貢献度(例えば、PJ貢献度404)を含む、上記意思決定者についてのスキルマップ(例えば、
図4に示した意思決定者についての個別スキルマップ)を生成する。これにより、得意分野やPJ貢献度といった観点で、意思決定者の役割に応じてスキルマップを生成することができる。
【符号の説明】
【0140】
501:PC、
502:スマートフォン、
503:分析エッジサーバ、
504:分析サーバ、
505:評価結果DB