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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124738
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028712
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC02
2C088BC12
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】興趣を向上できる遊技機を提供する。
【解決手段】第1ボリューム3145は、第1ソフトウェア設定により音量調整に用いる設定値(調整値)が与えられる。第2ボリューム3146は、第2ソフトウェア設定により音量調整に用いる設定値(調整値)が与えられる。第3ボリューム3151は、第1操作入力と第2操作入力とにより音量調整に用いる設定値が与えられる。第1操作入力は、遊技機の裏面側に備えられる音量調節スイッチから入力された値にもとづいて設定する設定値である。第2操作入力は、遊技機の前面側に設けられた設定スイッチから入力された値にもとづいて設定する設定値である。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出装置の出力量を調整可能な遊技機であって、
遊技者を含めて前記出力量の調整操作を受付可能な第1操作手段と、
前記遊技者を除いて前記出力量の調整操作を受付可能な第2操作手段と、
前記出力量が第1の調整値で調整されているとき、前記第1操作手段により前記第1の調整値と異なる第2の調整値に調整可能であり、前記第1操作手段により調整された前記第2の調整値を前記第2操作手段により前記第2の調整値と異なる第3の調整値に調整可能な制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、
前記演出装置の第1出力を制御可能な第1出力制御部と、
前記演出装置の第2出力を制御可能な第2出力制御部と、
前記第1出力と前記第2出力を混合した混合出力を制御可能な混合出力制御部と、
前記第1出力の出力量と前記第2出力の出力量とを混合前に調整可能な混合前調整手段と、を含み、
前記第1操作手段および前記第2操作手段による調整対象を前記混合出力の出力量とする、
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機に設けたスピーカの音量、液晶装置やランプの輝度等を遊技者により調整可能にする遊技機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-25769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
提案された遊技機は、一様な調整しかおこなうことができず興趣が低下する虞があった。
1つの側面では、本発明は多様な調整により興趣を向上可能な遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、以下に示すような、演出装置の出力量を調整可能な遊技機が提供される。遊技機は、第1操作手段と、第2操作手段と、制御手段と、を含む。第1操作手段は、遊技者を含めて出力量の調整操作を受付可能である。第2操作手段は、遊技者を除いて出力量の調整操作を受付可能である。制御手段は、出力量が第1の調整値で調整されているとき、第1操作手段により第1の調整値と異なる第2の調整値に調整可能であり、第1操作手段により調整された第2の調整値を第2操作手段により第2の調整値と異なる第3の調整値に調整可能である。制御手段は、演出装置の第1出力を制御可能な第1出力制御部と、演出装置の第2出力を制御可能な第2出力制御部と、第1出力と第2出力を混合した混合出力を制御可能な混合出力制御部と、第1出力の出力量と第2出力の出力量とを混合前に調整可能な混合前調整手段と、を含み、第1操作手段および第2操作手段による調整対象を混合出力の出力量とする。
【発明の効果】
【0006】
1態様によれば、遊技機において興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
図2】第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
図3】第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。
図7】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。
図8】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。
図9】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。
図10】第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
図11】第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
図12】第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
図13】第1の実施形態の音源LSIの構成の一例を示す図である。
図14】第1の実施形態のチャンネルグループの一例(その1)を示す図である。
図15】第1の実施形態のチャンネルグループの一例(その2)を示す図である。
図16】第1の実施形態の音量調整に用いるボリューム設定手段の一例を示す図である。
図17】第1の実施形態の音量調整に用いる第1ボリュームのソフトウェア設定の一例(その1)を示す図である。
図18】第1の実施形態の音量調整に用いる第1ボリュームのソフトウェア設定の一例(その2)を示す図である。
図19】第1の実施形態の音量調整に用いる第2ボリュームのソフトウェア設定の一例(その1)を示す図である。
図20】第1の実施形態の音量調整に用いる第2ボリュームのソフトウェア設定の一例(その2)を示す図である。
図21】第1の実施形態の音量調整に用いる第3ボリュームのソフトウェア設定の一例(その1)を示す図である。
図22】第1の実施形態の音量調整に用いる第3ボリュームのソフトウェア設定の一例(その2)を示す図である。
図23】第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力と第2操作入力の有効/無効の切替状態の一例を示す図である。
図24】第1の実施形態の遊技盤とカバー部材の配置の一例を示す分解斜視図である。
図25】第1の実施形態の音量調節スイッチの配置の一例を示す図である。
図26】第1の実施形態の上皿ユニットに設けられる演出ボタンとオプション設定部の一例を示す図である。
図27】第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定内容とデフォルト値の一例を示す図である。
図28】第1の実施形態の設定値設定タイミングの一例と別例を示す図である。
図29】第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その1)を示す図である。
図30】第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その2)を示す図である。
図31】第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その3)を示す図である。
図32】第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その4)を示す図である。
図33】第1の実施形態の効果音とエラーの遊技中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)の一例を示す図である。
図34】第1の実施形態の効果音とエラーの強エラー中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)の一例を示す図である。
図35】第1の実施形態の効果音とエラーの弱エラー中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)の一例を示す図である。
図36】第1の実施形態の効果音とエラーの遊技中の音出力(第1操作入力が上限設定)の一例を示す図である。
図37】第1の実施形態の光量調整に用いるボリューム設定手段の一例を示す図である。
図38】第1の実施形態の光量調整に用いる第1ボリュームのソフトウェア設定の一例を示す図である。
図39】第1の実施形態の光量調整に用いる第2ボリュームのソフトウェア設定の一例を示す図である。
図40】第1の実施形態の光量調整に用いる第3ボリュームのソフトウェア設定の一例を示す図である。
図41】第1の実施形態の光量調整に用いる第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その1)を示す図である。
図42】第1の実施形態の光量調整に用いる第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その2)を示す図である。
図43】第1の実施形態の変動表示中の音量変更の一例(音量変更例A)を示す図である。
図44】第1の実施形態の変動表示中の音量変更の一例(音量変更例B)を示す図である。
図45】第1の実施形態の変動表示中の音量変更の一例(音量変更例C)を示す図である。
図46】第1の実施形態のゲーム表示画面の一例を示す図である。
図47】第1の実施形態の音量設定または光量設定をおこなう場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
図48】第1の実施形態の案内表示における対象操作と表示期間の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
【0009】
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に正面視で左側を軸着側、右側を開放側にして開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
【0010】
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ19(左上スピーカ19a1、右上スピーカ19a2)が設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ19(左下スピーカ19b1、右下スピーカ19b2)が設けられている。また、異常発生時はスピーカ19から音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
【0011】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。また、下皿23には、下皿23から遊技機外に遊技球を抜くための玉抜きレバー23aが設けられている。
【0012】
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
【0013】
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちのいずれか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29nと表している。
【0014】
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29n(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちのいずれか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19から放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
【0015】
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
【0016】
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。なお、表示装置41は、LEDによるドットマトリクス表示可能な表示画面を有する装置等、その他の表示装置、あるいは2以上の表示装置の組合せで構成されるものであってもよい。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0017】
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
【0018】
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
【0019】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置95の右部には、一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
【0020】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
【0021】
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40よりも下方位置であって、普図始動ゲート34の左部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、流入部分となる位置に可動部材37bが設けられる。可動部材37bは、普電ソレノイド37c(図3参照)によって前後方向にスライド移動して流入部分への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避して流入部分への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。可動部材37bは、常時は閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしてもよい。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
【0022】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右側には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、および特図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口1)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(可動片)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口1ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口1)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(特別遊技状態)中、および後述する特定領域96への入賞による大当り遊技状態(特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
【0023】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下側には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、および特図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口2)95が配設されている。特別変動入賞装置95は、開閉部材(開閉扉)95cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材95cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材95cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置95は、駆動装置としての大入賞口2ソレノイド95b(図3参照)により駆動される開閉部材95cによって開閉される大入賞口(大入賞口2)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
【0024】
また、特別変動入賞装置95は、入賞口内に入賞した遊技球を特定領域96に誘導するV流路を備える。特別変動入賞装置95は、特定領域96に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。なお、特定領域スイッチ38eにおける遊技球の検出(特定領域96への入賞)は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38を閉じた状態から開いた状態に変換する大当り遊技状態(特別遊技状態)の発生条件の1つとなっている。
【0025】
また、センターケース40は、ワープ流路を備えないが、ワープ流路を備えるようにしてもよい。たとえば、センターケース40の左側側部にワープ口(ワープ入口)を設け、ワープ口からワープ流路に流入した遊技球をセンターケース40内のステージ上を転動させ、その一部をワープ出口に案内するようにしてもよい。その場合、ワープ出口は、始動入賞口36の直上に位置するようにして、ワープ出口に案内された遊技球を始動入賞口36に入賞しやすくなるようにしてもよい。
【0026】
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(左側遊技領域に位置する)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,95、一般入賞口35(右側遊技領域に位置する)などへの入賞を狙うことができるようになっている。
【0027】
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0028】
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
【0029】
遊技機10は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38の近傍右側に右打ち案内表示装置91cを備える。右打ち案内表示装置91cは、遊技者に右打ちを案内するときに点灯し、その他の状態で消灯する。なお、右打ち案内表示装置91cは、盤装飾装置46に含まれる。
【0030】
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース40の右下に特図ゲーム変動表示状態表示装置98を備える。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、いわゆる第4図柄表示装置であって、2つのLEDで構成される。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、左側LEDにより特図1変動表示ゲームの変動表示状態を表示し、右側LEDにより特図2変動表示ゲームの変動表示状態を表示する。たとえば、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、点灯により特図変動表示ゲームの図柄停止状態を報知し、点滅により特図変動表示ゲームの図柄変動状態を報知する。なお、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、盤装飾装置46に含まれる。
【0031】
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース40の右側に普図変動表示装置93と普図保留表示装置94を備える。普図変動表示装置93は、2つのLEDで構成され、交互点滅により普図ゲームの変動表示状態を報知し、点灯または消灯の組合せ態様により普図ゲームの変動表示結果を報知する。また、普図保留表示装置94は、2つのLEDで構成され、消灯、点灯、点滅の組合せ態様により0個から4個までの普図保留数を報知する。なお、普図変動表示装置93と普図保留表示装置94は、盤装飾装置46に含まれる。
【0032】
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
【0033】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0034】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
【0035】
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0036】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0037】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0038】
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
【0039】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
【0040】
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。当然、確率設定値表示装置136は、遊技場の管理者によって確認可能であり、遊技者からは確認不可能になっている。
【0041】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
【0042】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0043】
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0044】
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0045】
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
【0046】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0047】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0048】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0049】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
【0050】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38,95の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置95の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0051】
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
【0052】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
【0053】
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
【0054】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0055】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0056】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0057】
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0058】
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当りの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
【0059】
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
【0060】
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0063】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0064】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0065】
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口1)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口1ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置95(大入賞口2)の開閉部材95cを開閉させる大入賞口2ソレノイド95bの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
【0066】
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
【0067】
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0068】
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
【0069】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
【0070】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
【0071】
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
【0072】
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0073】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
【0074】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
【0075】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0076】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
【0077】
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0078】
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a(左上スピーカ19a1、右上スピーカ19a2)および前面枠12に設けられた下スピーカ19b(左下スピーカ19b1、右下スピーカ19b2)を駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介してスピーカ19から出力される。
【0079】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0080】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
【0081】
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29nと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29nと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
【0082】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカ19を駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0083】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
【0084】
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
【0085】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
【0086】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
【0087】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0088】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
【0089】
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
【0090】
また、第1の実施形態の遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームにおいて確率変動をおこなわないが、図変動表示ゲームにおいて確率変動をおこなうものであってもよい。たとえば、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0091】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
【0092】
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
【0093】
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
【0094】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
【0095】
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
【0096】
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
【0097】
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
【0098】
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
【0099】
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
【0100】
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0101】
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
【0102】
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
【0103】
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
【0104】
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
【0105】
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
【0106】
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
【0107】
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
【0108】
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
【0109】
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0110】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0111】
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0112】
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0113】
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
【0114】
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0115】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0116】
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
【0117】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
【0118】
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
【0119】
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
【0120】
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
【0121】
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
【0122】
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
【0123】
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
【0124】
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
【0125】
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
【0126】
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
【0127】
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
【0128】
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
【0129】
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
【0130】
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
【0131】
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
【0132】
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
【0133】
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
【0134】
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
【0135】
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
【0136】
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
【0137】
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
【0138】
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
【0139】
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
【0140】
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
【0141】
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
【0142】
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
【0143】
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
【0144】
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
【0145】
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
【0146】
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
【0147】
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19から音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
【0148】
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
【0149】
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
【0150】
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
【0151】
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
【0152】
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
【0153】
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
【0154】
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
【0155】
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
【0156】
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
【0157】
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
【0158】
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
【0159】
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0160】
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0161】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0162】
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0163】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
【0164】
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
【0165】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0166】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
【0167】
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
【0168】
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
【0169】
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
【0170】
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
【0171】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
【0172】
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
【0173】
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
【0174】
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0175】
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
【0176】
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
【0177】
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)に続いて、いわゆる2種ゲームに関する処理をおこなう2種ゲーム処理(ステップS830)を実行し、その後に普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
【0178】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
【0179】
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0180】
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
【0181】
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
【0182】
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
【0183】
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
【0184】
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
【0185】
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
【0186】
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
【0187】
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
【0188】
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
【0189】
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
【0190】
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
【0191】
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
【0192】
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
【0193】
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
【0194】
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
【0195】
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ19からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
【0196】
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
【0197】
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
【0198】
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
【0199】
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
【0200】
次に、遊技機10における音源LSI314の構成について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の音源LSIの構成の一例を示す図である。音源LSI314(図4参照)は、音声ROM327に記憶された音声データ(各種のメロディや効果音等)をスピーカ19a1,19a2,19b1,19b2から再生させるため音の出力を制御する。音源LSI314は、スピーカ19a1,19a2,19b1,19b2から出力する音の音量を3つのボリュームにより調整可能にしている。
【0201】
音源LSI314は、32個のデコーダと、第1ボリューム3145と、第2ボリューム3146と、上下定位部3147と左右定位部3148と、ミキサ3149と、エフェクタ3150と、第3ボリューム3151とを含む。32個のデコーダは、それぞれが独立して音声データをデコード処理し、対応するチャンネルから音声を再生可能にする。なお、32個のデコーダは、01CHから32CHまでの割り当てがあるが、説明を簡単にするために1以上のチャンネルに機能的に割り当てられたデコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143、デコーダ(エラー_CH)3144を代表的に図示する。
【0202】
デコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143、デコーダ(エラー_CH)3144のそれぞれは、1つのチャンネルから構成されるものであってもよいし、2以上のチャンネルから構成されたチャンネルグループであってもよい。また、デコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143、デコーダ(エラー_CH)3144は、割当例の1つであって、チャンネルグループの構成はこれに限るものでなくてもよい。たとえば、デコーダ(BGM_CH)3141は、1つのチャンネルに1つの楽器演奏が割り当てられた複数のチャンネル(ギター演奏が割り当てられたチャンネル、ピアノ演奏が割り当てられたチャンネル、ドラム演奏が割り当てられたチャンネル等)を含むチャンネルグループである。
【0203】
なお、デコーダ(BGM_CH)3141は、BGMに相当する音再生に割り当てられるチャンネルである。デコーダ(効果音_CH)3142は、効果音に相当する音再生に割り当てられるチャンネルである。デコーダ(台詞_CH)3143は、音声等の台詞に相当する音再生に割り当てられるチャンネルである。デコーダ(エラー_CH)3144は、エラー報知に相当する音再生に割り当てられるチャンネルである。
【0204】
各チャンネルからは、それぞれUL信号、UR信号、DL信号、DR信号が出力される。UL信号は、遊技機10の左上部に配置されるスピーカ19a1から出力される信号である。UR信号は、遊技機10の右上部に配置されるスピーカ19a2から出力される信号である。DL信号は、遊技機10の左下部に配置されるスピーカ19b1から出力される信号である。DR信号は、遊技機10の右下部に配置されるスピーカ19b2から出力される信号である。
【0205】
各チャンネルから出力されたUL信号、UR信号、DL信号、DR信号は、第1ボリューム3145で第1の音量調整がおこなわれる。第1の音量調整がおこなわれたUL信号、UR信号、DL信号、DR信号は、第2ボリューム3146で第2の音量調整がおこなわれる。第2の音量調整がおこなわれたUL信号、UR信号、DL信号、DR信号は、上下定位部3147で上下方向の音像の定位調整をおこなう。上下方向の音像の定位調整をおこなわれたUL信号、UR信号、DL信号、DR信号は、左右定位部3148で左右方向の音像の定位調整をおこなう。
【0206】
このようにして、各チャンネルから出力されたUL信号、UR信号、DL信号、DR信号は、ボリューム調整と定位調整を経てミキサ3149に入力され、ミキサ3149により混合された混合出力(混合UL信号、混合UR信号、混合DL信号、混合DR信号)を得る。ミキサ3149により混合された混合出力は、エフェクタ3150により各種エフェクト処理がおこなわれる。各種エフェクト処理がおこなわれた混合出力は、第3ボリューム3151で第3の音量調整がおこなわれる。第3の音量調整がおこなわれた混合出力は、アンプ回路337(図4参照)で増幅されたのちにスピーカ19a1,19a2,19b1,19b2に出力される。
【0207】
このように、遊技機10は、スピーカ19a1,19a2,19b1,19b2の音出力の音量調整を、第1ボリューム3145、第2ボリューム3146、第3ボリューム3151の3つの音量調整手段により実現している。第1ボリューム3145と第2ボリューム3146は、チャンネルごとのUL信号、UR信号、DL信号、DR信号の音量調整手段として機能し、第3ボリューム3151は、混合UL信号、混合UR信号、混合DL信号、混合DR信号の音量調整手段として機能している。なお、第1ボリューム3145、第2ボリューム3146、第3ボリューム3151における音量調整は、線形に調整可能なものであってもよいし、非線形に調整可能なものであってもよい。
【0208】
第1ボリューム3145は、第1ボリューム3145、第2ボリューム3146、第3ボリューム3151のうちの最前段にあってチャンネルごとのUL信号、UR信号、DL信号、DR信号の音量調整を担うことから、第2ボリューム3146や第3ボリューム3151の音量調整によらずに、チャンネルごとの音量比やチャンネルごとのUL信号、UR信号、DL信号、DR信号の音量比を制御できる。たとえば、第1ボリューム3145によって音量が無音に調整されると、後段の第2ボリューム3146や第3ボリューム3151の音量調整によらずに無音が出力されることとなる。
【0209】
第2ボリューム3146は、第1ボリューム3145の後段にあってチャンネルごとのUL信号、UR信号、DL信号、DR信号の音量調整を担うことから、チャンネルごとの音量比制御から解放されて当該チャンネル内の音量調整をおこなうことができる。たとえば、第2ボリューム3146は、チャンネル(01CHから32CH)ごとのフェードインやフェードアウトなどの音量制御をおこなうことができる。なお、上下定位部3147は、チャンネルごとに上下別(UL信号とUR信号、DL信号とDR信号)のフェードインやフェードアウトなどの定位制御をおこなうことができる。また、左右定位部3148は、チャンネルごとに左右別(UL信号とDL信号、UR信号とDR信号)のフェードインやフェードアウトなどの定位制御をおこなうことができる。
【0210】
第3ボリューム3151は、第1ボリューム3145、第2ボリューム3146、第3ボリューム3151のうちの最後段にあって混合UL信号、混合UR信号、混合DL信号、混合DR信号の音量調整を担うことから、チャンネルごとの音量制御をおこなうことができないが、聴取者が感得可能な音量調整をおこなうことができる。
【0211】
次に、チャンネルグループの構成例について図14図15を用いて説明する。図14は、第1の実施形態のチャンネルグループの一例(その1)を示す図である。図15は、第1の実施形態のチャンネルグループの一例(その2)を示す図である。
【0212】
32個のデコーダは、01CHから32CHまでの割り当てがあり、1以上のチャンネルに機能的に割り当てられたデコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143、デコーダ(エラー_CH)3144がある。
【0213】
たとえば、BGMに用いる楽曲次第では必要なチャンネル数が異なるので、デコーダ(BGM_CH)3141に割り当てられるチャンネル数は、フレキシブルに変更可能である。効果音や台詞についても同様であり、デコーダ(効果音_CH)3142やデコーダ(台詞_CH)3143に割り当てられるチャンネル数もまたフレキシブルに変更可能である。一方で、エラーに用いる音声は、あらかじめ定める所定数のチャンネル(たとえば、1つ、または2つ)が用意されれば十分である。
【0214】
そこで、遊技機10は、図14に示すようにデコーダ(エラー_CH)3144で用いるチャンネルを32CHに固定し、残りの01CHから31CHをデコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143に割り当てる。これにより、遊技機10は、常時、デコーダ(エラー_CH)3144で用いるチャンネルを確保して時機に遅れないエラー報知をより確実なものにすることができる。
【0215】
なお、デコーダ(エラー_CH)3144は、エラー音を出力しない通常時には必要とされないことから、図15(1)に示すように、通常にはデコーダ(エラー_CH)3144へのチャンネルの割り当てをおこなわないようにしてもよい。これにより、遊技機10は、通常時において01CHから32CHをデコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143に割り当てることができ、より高い表現力のある音声出力をもって遊技演出をおこなうことができる。
【0216】
なお、エラー音の出力を必要とする非通常時には、図15(2)に示すように、デコーダ(エラー_CH)3144に32CHを割り当てて、残りの01CHから31CHをデコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143に割り当てるようにしてもよい。また、デコーダ(エラー_CH)3144に割り当てるチャンネルは、01CHから32CHのうちの空きチャンネルから割り当てるものであってもよいし、デコーダ(BGM_CH)3141、デコーダ(効果音_CH)3142、デコーダ(台詞_CH)3143に割り当てられているチャンネルのうちからあらかじめ定める優先順位にしたがい解放したチャンネルを割り当てるようにしてもよい。
【0217】
次に、第1ボリューム3145、第2ボリューム3146、第3ボリューム3151のそれぞれに音量調整に用いる設定値を与える設定手段について図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の音量調整に用いるボリューム設定手段の一例を示す図である。
【0218】
第1ボリューム3145は、第1ソフトウェア設定により音量調整に用いる設定値(調整値)が与えられる。第1ソフトウェア設定は、PROM321(図4参照)から読み出したデータにもとづいてCPU311(図4参照)が設定する値である。調整値は、0から100の範囲にあり、0(0%)のときに無音(消音)、100(100%)のときに最大音量として設定され得る。
【0219】
第2ボリューム3146は、第2ソフトウェア設定により音量調整に用いる設定値(調整値)が与えられる。第2ソフトウェア設定もまた、PROM321から読み出したデータにもとづいてCPU311が設定する値である。調整値は、0から100の範囲にあり、0(0%)のときに無音(消音)、100(100%)のときに入力に対する最大音量として設定され得る。
【0220】
第3ボリューム3151は、第1操作入力と第2操作入力とにより音量調整に用いる設定値が与えられる。設定値は、1から10の10段階の値を取り得る。調整値は、0から100の範囲にあり、0(0%)のときに無音(消音)、100(100%)のときに入力に対する最大音量として設定され得る。各設定値には、具体的な調整値が対応付けられる。たとえば、設定1を調整値10、設定2を調整値20、…、設定10を調整値100とする。
【0221】
第1操作入力は、遊技機10の裏面側に備えられる音量調節スイッチ335(図4参照)から入力された値にもとづいてCPU311が設定する設定値である。音量調節スイッチ335は、遊技者によって操作困難な位置にあり、遊技場係員による操作が期待される入力装置である。第2操作入力は、遊技機10の前面側にあるオプション設定部29(図1参照)に設けられた設定スイッチ29n(図4参照)から入力された値にもとづいてCPU311が設定する設定値である。設定スイッチ29nは、遊技者によって操作容易な位置にあり、遊技者による操作あるいは遊技場係員による操作が期待される入力装置である。
【0222】
次に、遊技機10の音量調整に用いる第1ボリューム3145のソフトウェア設定について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1ボリュームのソフトウェア設定の一例(その1)を示す図である。
【0223】
第1ボリューム3145のソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態に対応してチャンネルグループごとに設定される。第1ボリューム3145のソフトウェア設定において遊技機10の制御状態は、電源投入A、電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中D、安全装置作動中Eに区分される。なお、遊技中は、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中Dと重複し得る。これらの制御状態は、第1ボリューム3145のソフトウェア設定において遊技中に優先する制御状態である。
【0224】
電源投入Aは、電源投入後において、RAMクリアした後に初期化処理(たとえば、ステップD11からステップD17:第12図参照)が実行される前の制御状態である。電源投入Aにおいて、デコーダ(BGM_CH)3141(以下、BGM_CH)は、調整値0、デコーダ(効果音_CH)3142(以下、効果音_CH)は、調整値0、デコーダ(台詞_CH)3143(以下、台詞_CH)は、調整値0、デコーダ(エラー_CH)3144(以下、エラー_CH)は、調整値0である。すなわち、電源投入Aは、すべてのチャンネルグループにおいて無音が設定される。
【0225】
電源投入Bは、初期化処理が実行されてから遊技制御装置100からの指示に従った処理の実行前(たとえば、所要のコマンドの受信前)の制御状態である。電源投入Bにおいて、BGM_CHは、調整値100、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値100、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、電源投入Bは、すべてのチャンネルグループにおいて最大音量での出力が許可される。
【0226】
電源投入Cは、遊技制御装置100からの指示に従った処理の実行後(たとえば、RAMクリア音の報知タイミング)の制御状態である。電源投入Cにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、電源投入Cは、エラー_CHにおいて最大音量での出力が許可され、その余のチャンネルグループにおいて無音が設定される。
【0227】
設定変更中/設定確認中は、設定変更中または設定確認中の制御状態である。設定変更中/設定確認中において、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、設定変更中/設定確認中は、エラー_CHにおいて最大音量での出力が許可され、その余のチャンネルグループにおいて無音が設定される。
【0228】
遊技中は、通常遊技状態(ただし、客待ち状態を除く)とされる制御状態であり、遊技者に対して高い演出効果の発揮が期待される遊技状態である。遊技中において、BGM_CHは、調整値100、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値100、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、遊技中は、エラー_CHにおいて無音が設定され、その余のチャンネルグループにおいて最大音量での出力が許可される。
【0229】
客待ち中Aは、客待ち状態のうち客待ち状態遷移から所定時間経過前の制御状態であり、遊技中と同様に遊技者に対して高い演出効果の発揮が期待される遊技状態である。客待ち中Aにおいて、BGM_CHは、調整値100、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値100、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、客待ち中Aは、エラー_CHにおいて無音が設定され、その余のチャンネルグループにおいて最大音量での出力が許可される。
【0230】
客待ち中Bは、客待ち状態のうち客待ち状態遷移から所定時間経過後の制御状態であり、遊技中と異なり消費電力低減や遊技場環境の向上のため音出力の抑制が期待される遊技状態である。客待ち中Bにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値0である。すなわち、客待ち中Bは、すべてのチャンネルグループにおいて無音が設定される。
【0231】
強エラーは、強エラーに分類されるエラーが発生している制御状態である。強エラーは、強エラー発生前の制御状態に優先する。強エラーに分類されるエラーは、弱エラーに分類されるエラーよりも報知強度が強いエラー(たとえば、磁石検知や振動検知、枠開放エラー等の不正監視に関するエラー)である。強エラーにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、強エラーは、エラー_CHにおいて最大音量での出力が許可され、その余のチャンネルグループにおいて無音が設定される。強エラーの発生中は、遊技者による遊技が継続できない蓋然性が高い。第1ボリュームにおける当該設定は、演出効果に優先する報知効果の向上に好適である。
【0232】
弱エラーは、弱エラーに分類されるエラーが発生している制御状態である。弱エラーは、弱エラー発生前の制御状態に優先する。弱エラーに分類されるエラーは、強エラーに分類されるエラーよりも報知強度が弱いエラー(たとえば、玉抜きエラー等の不正監視に関しないエラー)である。弱エラーにおいて、BGM_CHは、調整値50、効果音_CHは、調整値50、台詞_CHは、調整値50、エラー_CHは、調整値70である。すなわち、弱エラーは、エラー_CHにおいて70%程度の音量での出力が許可され、その余のチャンネルグループにおいて50%程度の音量での出力が許可される。弱エラーの発生中は、遊技者による遊技が継続している蓋然性が高い。第1ボリュームにおける当該設定は、演出効果と報知効果のバランスを保つうえで好適である。
【0233】
安全装置作動予告は、弱エラーと同様の制御状態である。安全装置作動予告は、安全装置作動予告前の制御状態に優先する。安全装置作動予告は、安全装置の作動が近いことを音声および表示により予告する制御状態である。安全装置は、所定契機(たとえば、獲得遊技球数0、ただし0を下限にして負数とならない)から遊技者が獲得した遊技球数が所定数(たとえば、95000)に達したときに遊技機10における遊技を停止し、当該遊技の停止を報知する機能を有する。なお、安全装置は、遊技制御装置100により実現される。安全装置作動予告は、所定条件(たとえば、獲得遊技球数90000に到達)成立時に安全装置の作動を予告する制御状態である。安全装置作動予告において、BGM_CHは、調整値50、効果音_CHは、調整値50、台詞_CHは、調整値50、エラー_CHは、調整値70である。すなわち、安全装置作動予告は、エラー_CHにおいて70%程度の音量での出力が許可され、その余のチャンネルグループにおいて50%程度の音量での出力が許可される。安全装置作動予告の発生中は、遊技者による遊技が継続している蓋然性が高い。第1ボリュームにおける当該設定は、演出効果と報知効果のバランスを保つうえで好適である。
【0234】
安全装置作動中Aは、当り中ではない遊技状態において特定音(たとえば、デンジャー音、警報音、繰り返し音等)が出力中の制御状態である。安全装置作動中Aは、安全装置の作動を報知する報知音の出力前にあって特定音を出力可能にする。これにより、遊技機10は、当り中ではない遊技状態において、遊技者に対して安全装置の作動タイミングを案内する。安全装置作動中Aにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、安全装置作動中Aは、エラー_CHにおいて最大音量での出力が許可され、その余のチャンネルグループにおいて無音が設定される。安全装置作動中Aは、遊技者による遊技が継続できない蓋然性が高い。第1ボリュームにおける当該設定は、演出効果に優先する報知効果の向上に好適である。また、安全装置作動中Aは、特定音がエラーに関するものであれば音出力が担保され、エラーに関しないものであれば音出力が抑制される。これにより、安全装置作動中Aは、安全装置の作動を報知する報知音の出力前にあって当該報知音の報知効果を高めることができる。
【0235】
安全装置作動中Bは、当り中ではない遊技状態において特定音が非出力中の制御状態である。安全装置作動中Bは、安全装置の作動を報知する報知音の報知効果を高めるための好適環境を用意する。安全装置作動中Bにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値0である。すなわち、安全装置作動中Bは、すべてのチャンネルグループにおいて無音が設定される。これにより、安全装置作動中Bは、安全装置の作動を報知する報知音の出力前にあって当該報知音の報知効果を高めることができる。
【0236】
安全装置作動中Cは、当り中の遊技状態において所定の音出力(たとえば、当り演出に関する音出力、すべての音出力)が無音中の制御状態である。安全装置作動中Cは、安全装置の作動を報知する報知音の報知効果を高めるための好適環境を用意する。安全装置作動中Cにおいて、BGM_CHは、調整値50、効果音_CHは、調整値50、台詞_CHは、調整値50、エラー_CHは、調整値70である。すなわち、安全装置作動中Cは、エラー_CHにおいて抑制された音出力が設定され、その余のチャンネルグループにおいて一層抑制された音出力が設定される。これにより、安全装置作動中Cは、安全装置の作動を報知する報知音の出力前にあって当該報知音の報知効果を高めることができる。また、当り中の遊技状態において特定音の出力があった場合において、安全装置作動中Cは、特定音がエラーに関するものであれば抑制された音出力が担保され、エラーに関しないものであれば一層抑制された音出力が担保される。
【0237】
安全装置作動中Dは、当り中の遊技状態において所定の音出力(たとえば、当り演出に関する音出力、すべての音出力)がある制御状態である。安全装置作動中Dは、安全装置の作動を報知する報知音の報知効果に優先して当りに関する演出効果を高めるための好適環境を用意する。安全装置作動中Dにおいて、BGM_CHは、調整値100、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値100、エラー_CHは、調整値0である。すなわち、安全装置作動中Dは、エラー_CHにおいて無音が設定され、その余のチャンネルグループにおいて最大音量での出力が許可される。これにより、安全装置作動中Dは、安全装置の作動を報知する報知音の出力前にあって当りに関する演出効果を高めることができる。
【0238】
安全装置作動中Eは、安全装置が作動して遊技が停止され、当該遊技の停止が報知される制御状態である。安全装置作動中Eは、安全装置の作動を報知する報知音の出力中にあって安全装置の作動報知音を出力可能にする。これにより、遊技機10は、遊技者に対して安全装置の作動を案内する。安全装置作動中Eにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、安全装置作動中Eは、エラー_CHにおいて最大音量での出力が許可され、その余のチャンネルグループにおいて無音が設定される。安全装置作動中Eは、遊技者による遊技が継続できないので、エラー以外のチャンネルグループからの音出力を抑制して遊技ができないことを明確に案内できる。また、安全装置作動中Eは、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHからの音出力を抑制して遊技ができないことを明確に案内できる。また、安全装置作動中Eは、エラー_CHからの報知音の報知効果を高めることができる。
【0239】
なお、安全装置作動中Eに所定の復帰条件(たとえば、RAMクリアを伴う電源の再投入)があった場合には、各チャンネルグループの第1ボリューム3145のソフトウェア設定は、あらかじめ定める所定値(たとえば、0、90、100等)にして復帰するようにしてもよい。
【0240】
次に、遊技機10の音量調整に用いる第1ボリューム3145のソフトウェア設定の変形例について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1ボリュームのソフトウェア設定の一例(その2)を示す図である。
【0241】
図18に示す第1ボリューム3145のソフトウェア設定は、図17に示した第1ボリューム3145のソフトウェア設定と比較して、以下の点で相違する。
BGM_CHと効果音_CHと台詞_CHにおいては、電源投入Bと遊技中と客待ち中Aと安全装置作動中Dが調整値90である。また、エラー_CHにおいては、安全装置作動中Aと安全装置作動中Eが調整値90である。
【0242】
このようなソフトウェア設定は、騒音障害防止の観点から遊技場において営業時間中の遊技機10が過大な音量(たとえば、85dBを超える音量)で音出力することを抑制するものである。なお、不正抑止の観点から、エラー_CHにおける電源投入Bと電源投入Cと設定変更中/設定確認中と、強エラーについては、調整値100である。なお、より一層徹底した騒音障害防止の観点から、すべての設定において調整値90を上限にしてもよいし、その他適当な調整値としてもよい。
【0243】
次に、遊技機10の音量調整に用いる第2ボリューム3146のソフトウェア設定について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の音量調整に用いる第2ボリュームのソフトウェア設定の一例(その1)を示す図である。
【0244】
第2ボリューム3146のソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態に対応してチャンネルグループごとに設定される。第2ボリューム3146のソフトウェア設定において遊技機10の制御状態は、電源投入A、電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、強エラー/弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中ABC、安全装置作動中D、安全装置作動中Eに区分される。なお、遊技中は、強エラー/弱エラー、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中Dと重複し得る。これらの制御状態は、第1ボリューム3145のソフトウェア設定において遊技中に優先する制御状態である。また、遊技中は、リーチ前、リーチコール、リーチコール+プッシュボタン、SPリーチ、当落報知演出、当りファンファーレ、当りラウンド、当り昇格、当りV入賞、普電サポートに詳細区分される。
【0245】
電源投入Aにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値0である。すなわち、電源投入Aは、すべてのチャンネルグループにおいて無音が設定される。
【0246】
電源投入Bにおいて、BGM_CHは、調整値100、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値100、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、電源投入Bは、すべてのチャンネルグループにおいて最大音量での出力が設定される。
【0247】
電源投入Cにおいて、BGM_CHは、調整値100、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値100、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、電源投入Cは、すべてのチャンネルグループにおいて最大音量での出力が設定される。
【0248】
設定変更中/設定確認中において、BGM_CHは、調整値100、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値100、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、電源投入Bは、すべてのチャンネルグループにおいて最大音量での出力が設定される。
【0249】
リーチ前は、リーチ演出の実行前の制御状態である。リーチ前において、BGM_CHは、調整値30、効果音_CHは、調整値50、台詞_CHは、調整値40、エラー_CHは、調整値100である。
【0250】
リーチコールは、リーチ演出中の制御状態である。リーチコールにおいて、BGM_CHは、調整値20、効果音_CHは、調整値60、台詞_CHは、調整値50、エラー_CHは、調整値100である。
【0251】
リーチコール+プッシュボタンは、プッシュボタン演出を伴うリーチ演出中の制御状態である。リーチコール+プッシュボタンにおいて、BGM_CHは、調整値10、効果音_CHは、調整値70、台詞_CHは、調整値20、エラー_CHは、調整値100である。
【0252】
SPリーチは、スペシャルリーチ演出の実行中の制御状態である。SPリーチにおいて、BGM_CHは、調整値30、効果音_CHは、調整値50、台詞_CHは、調整値60、エラー_CHは、調整値100である。
【0253】
当落報知演出は、当落報知演出の実行中の制御状態である。当落報知において、BGM_CHは、調整値10、効果音_CHは、調整値80、台詞_CHは、調整値10、エラー_CHは、調整値100である。
【0254】
当りファンファーレは、当り演出におけるファンファーレ演出の実行中の制御状態である。当りファンファーレにおいて、BGM_CHは、調整値10、効果音_CHは、調整値70、台詞_CHは、調整値40、エラー_CHは、調整値100である。
【0255】
当りラウンドは、当り演出におけるラウンド演出の実行中の制御状態である。当りラウンドにおいて、BGM_CHは、調整値60、効果音_CHは、調整値40、台詞_CHは、調整値10、エラー_CHは、調整値100である。
【0256】
当り昇格は、当り演出における昇格演出の実行中の制御状態である。当り昇格において、BGM_CHは、調整値10、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値10、エラー_CHは、調整値100である。
【0257】
当りV入賞は、当り演出におけるV入賞演出の実行中の制御状態である。当りV入賞において、BGM_CHは、調整値10、効果音_CHは、調整値100、台詞_CHは、調整値10、エラー_CHは、調整値100である。
【0258】
普電サポートは、普電サポート中の制御状態である。なお、普電サポート中の制御状態は、リーチ前に限られるものであってもよい。普電サポート中において、BGM_CHは、調整値30、効果音_CHは、調整値50、台詞_CHは、調整値40、エラー_CHは、調整値100である。
【0259】
このように、遊技中の制御状態は、演出効果を発揮できるようにチャンネルグループごとの調整値を詳細に設定できる。また、遊技中の制御状態は、どのような制御状態に詳細区分されていてもエラー_CHにおいて最大音量での出力が設定され、エラー_CHの音量100を対照にしてBGM_CH、効果音_CH、台詞_CHの音量が設定される。
【0260】
客待ち中Aにおいて、BGM_CHは、調整値30、効果音_CHは、調整値50、台詞_CHは、調整値40、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、客待ち中Aにおいて、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHは、遊技中と同程度の音量が設定される。これにより、遊技機10は、客待ち中Aにおける遊技者の音量変更操作を遊技中における遊技者の音量変更操作と同様の環境とすることができる。
【0261】
客待ち中Bにおいて、BGM_CHは、調整値0、効果音_CHは、調整値0、台詞_CHは、調整値0、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、客待ち中Bにおいて、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHは、遊技中や客待ち中Aよりも抑制された音量(無音)が設定される。
【0262】
強エラー/弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中ABCにおいて、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHは、遊技中の値であり、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、強エラー/弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中ABCにおいて、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHは、第1ボリュームによる制約を受けながらも遊技中と同等の演出効果を発揮し得る。
【0263】
安全装置作動中Dにおいて、BGM_CHは、調整値60、効果音_CHは、調整値40、台詞_CHは、調整値10、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、安全装置作動中Dにおいて、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHは、当り中と同等の演出効果を発揮し得る。
【0264】
安全装置作動中Eにおいて、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHは、直前の値(安全装置作動中Eに遷移前の制御状態における値)であり、エラー_CHは、調整値100である。すなわち、安全装置作動中Eにおいて、BGM_CH、効果音_CH、台詞_CHは、第1ボリュームによる制約を受けながらも安全装置作動中Eに遷移前の制御状態と同等の演出効果を発揮し得る。
【0265】
なお、安全装置作動中Eに所定の復帰条件(たとえば、RAMクリアを伴う電源の再投入)があった場合には、各チャンネルグループの第2ボリューム3146のソフトウェア設定は、あらかじめ定める所定値(たとえば、0、90、100等)にして復帰するようにしてもよい。
【0266】
次に、遊技機10の音量調整に用いる第2ボリューム3146のソフトウェア設定の変形例について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の音量調整に用いる第2ボリュームのソフトウェア設定の一例(その2)を示す図である。
【0267】
図20に示す第2ボリューム3146のソフトウェア設定は、図19に示した第2ボリューム3146のソフトウェア設定と比較して、以下の点で相違する。
BGM_CHと効果音_CHと台詞_CHにおいては、強エラー/弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中ABC、安全装置作動中Eが調整値0である。このように、ソフトウェア設定における無音出力タイミングは、第1ボリューム3145だけに委ねることをせず、第2ボリューム3146によって確実なものにするものであってもよい。
【0268】
次に、遊技機10の音量調整に用いる第3ボリューム3151のソフトウェア設定について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の音量調整に用いる第3ボリュームのソフトウェア設定の一例(その1)を示す図である。
【0269】
第3ボリューム3151のソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態に対応して混合出力に設定される。すなわち、第3ボリューム3151は、最終的な音量を決定するトータルボリュームとして機能する。なお、第3ボリューム3151のソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態と第1操作入力と第2操作入力とにより決定される。
【0270】
第3ボリューム3151のソフトウェア設定において遊技機10の制御状態は、電源投入A、電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中D、安全装置作動中Eに区分される。なお、遊技中は、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中Dと重複し得る。これらの制御状態は、第3ボリューム3151のソフトウェア設定において遊技中に優先する制御状態である。
【0271】
電源投入Aにおいて、トータルボリュームは、調整値0であり、第1操作入力と第2操作入力のいずれにもよらずに無音が設定される。電源投入Bにおいて、トータルボリュームは、操作入力依存であり、第1操作入力と第2操作入力とにより決定される。なお、電源投入Bにおいて、第2操作入力は期待できないので実質的に第1操作入力によって決定される。
【0272】
電源投入Cと設定変更中/設定確認中と強エラーと弱エラーと安全装置作動予告と安全装置作動中Aと安全装置作動中Bと安全装置作動中Cと安全装置作動中Eにおいて、トータルボリュームは、調整値100であり、第1操作入力と第2操作入力のいずれにもよらずに最大音量が設定される。
【0273】
遊技中と客待ち中Aと客待ち中Bと安全装置作動中Eにおいて、トータルボリュームは、操作入力依存であり、第1操作入力と第2操作入力とにより決定される。なお、遊技機10は、客待ち中Bにおける第2操作入力により客待ち中Aに遷移することにより、客待ち中における遊技者の音量変更操作を遊技中における遊技者の音量変更操作と同様の環境とすることができる。
【0274】
このように、遊技機10は、遊技機10の制御状態に応じて第1操作入力と第2操作入力の有効/無効を切り替えて、トータルボリュームの無音設定、最大音量設定、操作入力依存設定をおこなうことができる。これにより、遊技機10は、遊技場や遊技者のニーズに応えながら公正かつ安全な遊技環境を提供できる。
【0275】
次に、遊技機10の音量調整に用いる第3ボリューム3151のソフトウェア設定の変形例について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の音量調整に用いる第3ボリュームのソフトウェア設定の一例(その2)を示す図である。
【0276】
図22に示す第3ボリューム3151のソフトウェア設定は、図21に示した第3ボリューム3151のソフトウェア設定と比較して、以下の点で相違する。
電源投入Cと設定変更中/設定確認中と強エラーと弱エラーと安全装置作動予告と安全装置作動中Aと安全装置作動中Bと安全装置作動中Cと安全装置作動中Eにおいて、トータルボリュームは、操作入力依存であり、第1操作入力と第2操作入力とにより決定される。このように、トータルボリュームにおける操作入力依存は、広く許容されるものであってもよい。
【0277】
また、トータルボリュームにおける操作入力依存の有無や、第1ボリューム3145のソフトウェア設定、第2ボリューム3146のソフトウェア設定にかかわらず、トータルボリュームにおける最大音量は、騒音障害防止の観点から調整値90を上限にしてもよいし、その他適当な調整値を上限としてもよい。
【0278】
次に、制御状態に応じた第1操作入力と第2操作入力の有効/無効の切替について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力と第2操作入力の有効/無効の切替状態の一例を示す図である。
【0279】
第3ボリューム3151のソフトウェア設定は、第1操作入力と第2操作入力の有効/無効の組合せ状態として状態A、状態B、状態C、状態Dがある。状態Aは、第1操作入力と第2操作入力がともに有効とされる状態である。状態Bは、第1操作入力は有効とされ、第2操作入力が無効とされる状態である。状態Cは、第1操作入力は無効とされ、第2操作入力が有効とされる状態である。状態Dは、第1操作入力と第2操作入力がともに無効とされる状態である。
【0280】
状態A、状態B、状態C、状態Dには具体的な制御状態が割り当てられる。たとえば、図21に示した電源投入A、電源投入C、設定変更中/設定確認中、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中Eは、トータルボリュームがあらかじめ決められた値で固定されていることから状態Dに割り当てられている。また、電源投入B、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、安全装置作動中Dは、状態Aが割り当てられている。なお、電源投入Bは、第2操作入力は期待できないので状態Bが割り当てられるものであってもよい。
【0281】
また、図22に示した電源投入Aは、トータルボリュームがあらかじめ決められた値で固定されていることから状態Dに割り当てられている。電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中D、安全装置作動中Eは、状態Aが割り当てられている。なお、電源投入Bや電源投入Cは、第2操作入力が期待できないので状態Bが割り当てられるものであってもよい。また、強エラーや安全装置作動中Eは、第2操作入力が期待できるとしても遊技者による操作が望ましくないとして状態Bが割り当てられるものであってもよい。また、遊技中は、遊技者による操作が望ましいとして状態Cが割り当てられるものであってもよい。
【0282】
なお、制御状態への状態A、状態B、状態C、状態Dの割当は、一例であって、遊技場と遊技者の双方のニーズ、公正かつ安全な遊技環境を踏まえて任意の組合せとすることができる。
【0283】
次に、第1操作入力として音量調整に用いられる音量調節スイッチ335について図24図25を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の遊技盤とカバー部材の配置の一例を示す分解斜視図である。図25は、第1の実施形態の音量調節スイッチの配置の一例を示す図である。
【0284】
音量調節スイッチ335は、遊技機10の裏面側であって遊技盤30の背面に配設された演出制御装置300に設けられる。遊技盤30は、裏面側に演出制御装置300と、その下方に遊技制御装置100を配設する。カバー部材830は、演出制御装置300と遊技制御装置100のコネクタ接続部を覆う。これにより、カバー部材は、演出制御装置300と遊技制御装置100に対する遊技球等の衝突防止を図るとともに、悪意ある第三者による不正を困難にする。また、カバー部材830は、透明な樹脂製であり、カバー部材830越しに演出制御装置300に備えられる制御基板の部品実装面を視認可能にして保守メンテナンスを容易にする。演出制御装置300に備えられる制御基板の部品実装面には、音量調節スイッチ335が設けられ、音量調節スイッチ335もまたカバー部材830越しに視認可能である。カバー部材830は、複数のスリット831を有し、演出制御装置300の放熱に貢献する。
【0285】
また、音量調節スイッチ335は、拡大部CAに示すように、スリット831の1つから外部に臨む。音量調節スイッチ335は、10ポジションのロータリーディップスイッチであり、つまみ部の回転調整により第1操作入力として10段階の音量調整を受付可能にしている。音量調節スイッチ335は、つまみ部の頭部にドライバ溝を有し、カバー部材830を外すことなくスリット831越しに、ドライバによる音量調整を可能にしている。このように、音量調節スイッチ335は、遊技者がアクセス困難な遊技機10の裏面側に設けられ、かつカバー部材830に覆われたままではスリット831越しの工具操作が求められることから多重に遊技者操作を困難にしている。一方で、音量調節スイッチ335は、スリット831越しの工具操作を許すことから遊技場係員の操作を妨げるものではない。また、カバー部材830は、遊技制御装置100のコネクタ接続部を覆う舌片832を有し、悪意ある第三者による遊技制御装置100の入出力に関する不正を困難にする。
【0286】
次に、上皿ユニットに設けられる演出ボタンとオプション設定部について図26を用いて説明する。図26は、第1の実施形態の上皿ユニットに設けられる演出ボタンとオプション設定部の一例を示す図である。
【0287】
まず、図26(1)に示す上皿ユニット807の平面図と、図26(2)に示すオプション設定部29の拡大図とを用いて、演出ボタン25とオプション設定部29を説明する。
【0288】
上皿ユニット807は、平面視で略半円形状であり、弦に相当する面で前面枠ベース806と接続し、弧に相当する面を遊技者側に向ける。上皿ユニット807は、中央部に演出ボタン25を配設し、前面枠ベース806側であって演出ボタン25の左側に上皿21を配設し、前面枠ベース806側であって演出ボタン25の右側に球抜きレバー808とスマートフォン載置部809を配設する。球抜きレバー808は、上皿21から下皿23に遊技球を抜く時の操作レバーである。スマートフォン載置部809は、載置面に載置したスマートフォンを上皿ユニット807上に保持可能にする。スマートフォン載置部809は、載置面に角度と長さを違えた3つのリブを突設して、形状が異なるスマートフォンの載置に対応する。なお、遊技機10は、スマートフォン載置部809に載置されたスマートフォンのカメラに対応する位置に表示装置を設け、スマートフォン載置部809に載置されたスマートフォンから所要の情報を読み取り可能にしてもよい。
【0289】
また、上皿ユニット807は、プリペイドカードの残高を表示可能なカード残高表示部810と、プリペイドカードの残高の範囲内での遊技貸出操作を受け付け可能な貸出ボタン811と、プリペイドカードの返却操作を受け付け可能な返却ボタン812とを演出ボタン25の右側に配設する。
【0290】
また、上皿ユニット807は、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29を演出ボタン25の右側に配設する。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチ29a,29b,29c,29dと、オプション設定部29の中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチ29eと、音量を大きくする調整操作を受け付け可能なプラス調整ボタン29fと、音量を小さくする調整操作を受け付け可能なマイナス調整ボタン29gとを含む。プラス調整ボタン29fとマイナス調整ボタン29gは、第2操作入力として機能する。
【0291】
なお、オプション設定部29は、十字カーソルが硬質素材により一体成型されて4方向の入力操作と決定操作を択一的に入力可能にしている。またこれにより、オプション設定部29は、遊技者が注意を払わずにオプション設定部29の全体を押下したときに中央スイッチ29eからの操作検出を容易にしている。
【0292】
なお、オプション設定部29は、十字カーソルを軟質素材により一体成型したり、各操作部を別体成型して4方向の入力操作と決定操作のうち2以上の同時入力を可能にする構成としてもよい。
【0293】
なお、上皿ユニット807は、円形の演出ボタン25を囲むように操作パネル813を配設する。操作パネル813は、メッキ処理が施され、演出ボタン25を装飾する装飾光を反射可能にしている。このように、操作パネル813は、演出ボタン25の装飾効果の向上に寄与する。
【0294】
なお、遊技機10は、十字カーソルスイッチ29aをプラス調整ボタン29fと同様に音量を大きくする調整操作を受け付け可能な第2操作入力として機能するようにしてもよい。また、遊技機10は、十字カーソルスイッチ29bをマイナス調整ボタン29gと同様に音量を小さくする調整操作を受け付け可能な第2操作入力として機能するようにしてもよい。
【0295】
また、遊技機10は、十字カーソルスイッチ29dを光量を大きくする調整操作を受け付け可能な光量操作入力として機能するようにしてもよい。また、遊技機10は、十字カーソルスイッチ29cを光量を小さくする調整操作を受け付け可能な光量操作入力として機能するようにしてもよい。また、遊技機10は、演出ボタン25の押下操作を、十字カーソルスイッチ29a,29b,29c,29dによる音量調整または光量調整を受付可能にする条件としてもよい。なお、プラス調整ボタン29fとマイナス調整ボタン29gは、演出ボタン25の押下操作を条件とせずに音量調整を可能にする。
【0296】
次に、第1操作入力の設定内容とデフォルト値について図27を用いて説明する。図27は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定内容とデフォルト値の一例を示す図である。第3ボリューム3151のソフトウェア設定におけるデフォルト値は、第1操作入力によって決定される。第1操作入力の設定内容には、デフォルト設定と上限値設定がある。デフォルト設定は、第3ボリューム3151の設定範囲を10段階に固定したうえで設定値をデフォルト値とする設定である。たとえば、デフォルト設定における設定値5は、第3ボリューム3151の設定範囲を10段階のうちデフォルト値を5とするものである。上限値設定は、設定値を上限値として第3ボリューム3151の設定範囲を可変にする設定である。たとえば、上限値設定における設定値5は、第3ボリューム3151の設定範囲を1から5にするものである。また、上限値設定におけるデフォルト値は、上限値と所定値がある。上限値設定においてデフォルト値が上限値は、第3ボリューム3151の設定範囲の上限値(最大値)がデフォルト値である。たとえば、デフォルト値(上限値)における設定値5は、デフォルト値が5である。また、上限値設定においてデフォルト値は、あらかじめ定める所定値であってもよい。
【0297】
このように、第3ボリューム3151の設定値は、第1操作入力からの操作受付によりデフォルト値が決定される。なお、第3ボリューム3151の設定値は、第2操作入力からの操作受付によりデフォルト値を他の値に変更可能である。また、第3ボリューム3151の設定値は、第1操作入力からの操作受付によりデフォルト値を変更可能である。
【0298】
次に、設定値設定タイミングについて図28を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の設定値設定タイミングの一例と別例を示す図である。第1操作入力からの操作受付にもとづく設定値設定タイミングと第2操作入力からの操作受付にもとづく設定値設定タイミングとは異なる。第1操作入力からの操作受付は、音量調節スイッチ335からの入力信号として所定周期で読み出される。第2操作入力からの操作受付もまた、プラス調整ボタン29fおよびマイナス調整ボタン29gからの入力信号として所定周期で読み出される。しかしながら、読み出された入力信号が設定値として設定されるタイミングは、限定される。なお、第1操作入力から読み出す信号は、レベル信号であり、第2操作入力から読み出す信号は、エッジ信号である。したがって、第1操作入力からは、無操作であっても操作受付可能であるが、第2操作入力からは、無操作であっては操作受付不能である。
【0299】
設定値設定タイミングは、初期化処理の実行時と、第1操作入力からの設定操作時、第2操作入力からの設定操作時、復帰条件検出時とがある。図28(1)に示す初期化処理の実行時は、演出制御装置300が初期化処理を実行したときであり、初期化処理を実行時にレベル信号を受付可能な音量調節スイッチ335からの入力値を第3ボリューム3151の設定値とする。なお、初期化処理を実行時にエッジ信号を受け付けることがないプラス調整ボタン29fおよびマイナス調整ボタン29gからの操作受付はない。したがって、初期化処理を実行時には、第1操作入力からの受け付けた入力値を設定する。なお、初期化処理を実行時に第1操作入力から受け付けた入力値は、所定の記憶領域に電源遮断まで保持される。したがって、初期化処理の実行以降に第1操作入力から受け付けた入力値は、設定値として用いられない。これにより、遊技機10は、遊技場稼働中の保守メンテナンス作業における音量調節スイッチ335の誤操作にもとづく設定変更を抑止する。
【0300】
第2操作入力からの設定操作時、すなわち、第2操作入力からの受け付けた入力値に変化があった場合、プラス調整ボタン29fの変化であれば上限値を上回らない範囲で現在の設定値をインクリメント更新するインクリメント操作が受け付けられる。また、マイナス調整ボタン29gの変化であれば下限値を下回らない現在の設定値をデクリメント更新するデクリメント操作として受け付けられる。
【0301】
遊技機10は、所定の復帰条件(たとえば、客待ちBへの遊技状態遷移、あるいは安全装置作動中Eへの遊技状態遷移)を検出して、第2操作入力にもとづいて変更された設定値を初期化処理時に第1操作入力から受け付けた入力値にもとづくデフォルト値に復帰させる。所定の復帰条件は、遊技者の交代に伴うデフォルト値の再設定を狙ったもので、当該設定変更を所望した遊技者の遊技終了とみなせるような条件であることが望ましい。
【0302】
図28(2)に示す初期化処理の実行時は、演出制御装置300が初期化処理を実行したときであり、初期化処理を実行時にレベル信号を受付可能な音量調節スイッチ335からの入力値を第3ボリューム3151の設定値とする。なお、初期化処理を実行時にエッジ信号を受け付けることがないプラス調整ボタン29fおよびマイナス調整ボタン29gからの操作受付はない。したがって、初期化処理を実行時には、第1操作入力からの受け付けた入力値を設定する。なお、初期化処理を実行時に第1操作入力から受け付けた入力値は、所定の記憶領域に保持されるが、入力値に変更があれば随時更新される。これにより、遊技機10は、遊技場係員による設定変更があれば随時に設定値が変更されるので確認作業を容易にする。
【0303】
第2操作入力からの設定操作時、すなわち、第2操作入力からの受け付けた入力値に変化があった場合、プラス調整ボタン29fの変化であれば上限値を上回らない範囲で現在の設定値をインクリメント更新するインクリメント操作が受け付けられる。また、マイナス調整ボタン29gの変化であれば下限値を下回らない現在の設定値をデクリメント更新するデクリメント操作として受け付けられる。
【0304】
遊技機10は、所定の復帰条件(たとえば、客待ちBへの遊技状態遷移、あるいは安全装置作動中Eへの遊技状態遷移)を検出して、第2操作入力にもとづいて変更された設定値を第1操作入力から受け付けた入力値にもとづくデフォルト値に復帰させる。
【0305】
次に、第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値との関係について図29から図32を用いて説明する。図29は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その1)を示す図である。図30は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その2)を示す図である。図31は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その3)を示す図である。図32は、第1の実施形態の音量調整に用いる第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その4)を示す図である。
【0306】
図29に示す対応表は、第1操作入力の設定内容がデフォルト設定のときの第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応関係を示す。第1操作入力の設定範囲は、1から10である。第2操作入力の設定範囲もまた1から10である。
【0307】
対応表は、第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値との組み合わせから調整値が特定可能になっている。第1操作入力の設定が1のとき、第2操作入力の設定によらずに、調整値は0となっている。これは、第1操作入力の設定1を消音設定として機能させているためである。第1操作入力の設定が2から10のときはいずれも、第2操作入力の設定1のときに調整値10、第2操作入力の設定2のときに調整値20、第2操作入力の設定3のときに調整値30、第2操作入力の設定4のときに調整値40、第2操作入力の設定5のときに調整値50、第2操作入力の設定6のときに調整値60、第2操作入力の設定7のときに調整値70、第2操作入力の設定8のときに調整値80、第2操作入力の設定9のときに調整値85、第2操作入力の設定10のときに調整値90となっている。
【0308】
また、対応表に図示する網掛け表示は、第1操作入力の設定値ごとのデフォルト値となっている。すなわち、第1操作入力の設定1のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定2のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定3のときに第2操作入力の設定2、第1操作入力の設定4のときに第2操作入力の設定3、第1操作入力の設定5のときに第2操作入力の設定4、第1操作入力の設定6のときに第2操作入力の設定5、第1操作入力の設定7のときに第2操作入力の設定6、第1操作入力の設定8のときに第2操作入力の設定7、第1操作入力の設定9のときに第2操作入力の設定8、第1操作入力の設定10のときに第2操作入力の設定9となっている。
【0309】
図30に示す対応表は、第1操作入力の設定内容が上限値設定であり、デフォルト値が上限値設定のときの第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応関係を示す。第1操作入力の設定範囲は、1から10である。第2操作入力の設定範囲は第1操作入力の設定範囲に対応して1から最大9である。
【0310】
対応表は、第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値との組み合わせから調整値が特定可能になっている。第1操作入力の設定が1のとき、第2操作入力の設定は1しかとり得ず、調整値は0となっている。これは、第1操作入力の設定1を消音設定として機能させているためである。第1操作入力の設定が2のとき、第2操作入力の設定は1しかとり得ず、調整値は10となっている。これは、第1操作入力の設定2を微音設定として機能させているためである。第1操作入力の設定が3のとき、第2操作入力の設定は1と2が設定可能である。第1操作入力の設定が4のとき、第2操作入力の設定は1から3の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が5のとき、第2操作入力の設定は1から4の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が6のとき、第2操作入力の設定は1から5の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が7のとき、第2操作入力の設定は1から6の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が8のとき、第2操作入力の設定は1から7の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が9のとき、第2操作入力の設定は1から8の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が10のとき、第2操作入力の設定は1から9の範囲で設定可能である。
【0311】
第1操作入力の設定が2から10のときはいずれも、第2操作入力の設定1のときに調整値10、第2操作入力の設定2のときに調整値20、第2操作入力の設定3のときに調整値30、第2操作入力の設定4のときに調整値40、第2操作入力の設定5のときに調整値50、第2操作入力の設定6のときに調整値60、第2操作入力の設定7のときに調整値70、第2操作入力の設定8のときに調整値80、第2操作入力の設定9のときに調整値85となっている。
【0312】
また、対応表に図示する網掛け表示は、第1操作入力の設定値ごとのデフォルト値となっている。すなわち、第1操作入力の設定1のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定2のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定3のときに第2操作入力の設定2、第1操作入力の設定4のときに第2操作入力の設定3、第1操作入力の設定5のときに第2操作入力の設定4、第1操作入力の設定6のときに第2操作入力の設定5、第1操作入力の設定7のときに第2操作入力の設定6、第1操作入力の設定8のときに第2操作入力の設定7、第1操作入力の設定9のときに第2操作入力の設定8、第1操作入力の設定10のときに第2操作入力の設定9となっている。
【0313】
遊技機10は、所定の復帰条件(たとえば、客待ちBへの遊技状態遷移、あるいは安全装置作動中Eへの遊技状態遷移)を検出して、第2操作入力にもとづいて変更された設定値を第1操作入力から受け付けた入力値にもとづくデフォルト値に復帰させる。
【0314】
図31(1)に示す対応表は、第1操作入力の設定内容がデフォルト設定のときの第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応関係を示す。ただし、調整値は、10分率表記ではなく、音の強度レベルを単位dBを用いて表記する。第1操作入力の設定範囲は、1から10である。第2操作入力の設定範囲もまた1から10である。
【0315】
対応表は、第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値との組み合わせから調整値が特定可能になっている。第1操作入力の設定が1のとき、第2操作入力の設定によらずに、調整値は0dBとなっている。これは、第1操作入力の設定1を消音設定として機能させているためである。第1操作入力の設定が2から10のときはいずれも、第2操作入力の設定1のときに調整値73dB、第2操作入力の設定2のときに調整値76dB、第2操作入力の設定3のときに調整値79dB、第2操作入力の設定4のときに調整値82dB、第2操作入力の設定5のときに調整値85dB、第2操作入力の設定6のときに調整値88dB、第2操作入力の設定7のときに調整値91dB、第2操作入力の設定8のときに調整値93dB、第2操作入力の設定9のときに調整値95dB、第2操作入力の設定10のときに調整値97dBとなっている。
【0316】
また、対応表に図示する網掛け表示は、第1操作入力の設定値ごとのデフォルト値となっている。すなわち、第1操作入力の設定1のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定2のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定3のときに第2操作入力の設定2、第1操作入力の設定4のときに第2操作入力の設定3、第1操作入力の設定5のときに第2操作入力の設定4、第1操作入力の設定6のときに第2操作入力の設定5、第1操作入力の設定7のときに第2操作入力の設定6、第1操作入力の設定8のときに第2操作入力の設定7、第1操作入力の設定9のときに第2操作入力の設定8、第1操作入力の設定10のときに第2操作入力の設定9となっている。
【0317】
なお、各設定値に対応する調整値は、トータルボリュームの最大値を規定するものであるが音量の目安となるものにすぎない。したがって、トータルボリュームの最大値を厳密に測定した場合、トータルボリュームの最大値は、測定方法や測定環境、遊技機10の個体差等により測定誤差を含み得る。ただし、各設定値に対応する調整値は、測定誤差が所定の許容範囲内に収まるように設計される。
【0318】
図31(2)に示す表は、調整値ごとの最大音量の許容範囲を規定する。たとえば、調整値73dBは、許容範囲70~76dBに収まるように設計され、調整値76dBは、許容範囲74~79dBに収まるように設計され、調整値79dBは、許容範囲76~82dBに収まるように設計され、調整値82dBは、許容範囲79~85dBに収まるように設計され、調整値85dBは、許容範囲82~88dBに収まるように設計され、調整値88dBは、許容範囲85~91dBに収まるように設計され、調整値91dBは、許容範囲88~94dBに収まるように設計され、調整値93dBは、許容範囲91~95dBに収まるように設計され、調整値95dBは、許容範囲93~97dBに収まるように設計され、調整値97dBは、許容範囲95~99dBに収まるように設計される。なお、設定値が異なる調整値の間で許容範囲が重なる範囲があるが、1つの遊技機10において設定値の大小関係と調整値の大小関係が逆転することのないように設計される。
【0319】
図32に示す対応表は、第1操作入力の設定内容が上限値設定であり、デフォルト値が上限値設定のときの第1操作入力の設定内容がデフォルト設定のときの第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値と調整値の対応関係を示す。ただし、調整値は、10分率表記ではなく、音の強度レベルを単位dBを用いて表記する。第1操作入力の設定範囲は、1から10である。第2操作入力の設定範囲は第1操作入力の設定範囲に対応して1から最大9である。
【0320】
対応表は、第1操作入力の設定値と第2操作入力の設定値との組み合わせから調整値が特定可能になっている。第1操作入力の設定が1または2のとき、第2操作入力の設定は1だけが設定可能である。第1操作入力の設定が3のとき、第2操作入力の設定は1と2が設定可能である。第1操作入力の設定が4のとき、第2操作入力の設定は1から3の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が5のとき、第2操作入力の設定は1から4の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が6のとき、第2操作入力の設定は1から5の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が7のとき、第2操作入力の設定は1から6の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が8のとき、第2操作入力の設定は1から7の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が9のとき、第2操作入力の設定は1から8の範囲で設定可能である。第1操作入力の設定が10のとき、第2操作入力の設定は1から9の範囲で設定可能である。
【0321】
第1操作入力の設定が2から10のときはいずれも、第2操作入力の設定1のときに調整値73dB、第2操作入力の設定2のときに調整値76dB、第2操作入力の設定3のときに調整値79dB、第2操作入力の設定4のときに調整値82dB、第2操作入力の設定5のときに調整値85dB、第2操作入力の設定6のときに調整値88dB、第2操作入力の設定7のときに調整値91dB、第2操作入力の設定8のときに調整値93dB、第2操作入力の設定9のときに調整値95dBとなっている。
【0322】
また、対応表に図示する網掛け表示は、第1操作入力の設定値ごとのデフォルト値となっている。すなわち、第1操作入力の設定1のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定2のときに第2操作入力の設定1、第1操作入力の設定3のときに第2操作入力の設定2、第1操作入力の設定4のときに第2操作入力の設定3、第1操作入力の設定5のときに第2操作入力の設定4、第1操作入力の設定6のときに第2操作入力の設定5、第1操作入力の設定7のときに第2操作入力の設定6、第1操作入力の設定8のときに第2操作入力の設定7、第1操作入力の設定9のときに第2操作入力の設定8、第1操作入力の設定10のときに第2操作入力の設定9となっている。なお、調整値ごとの最大音量の許容範囲の規定は、図31(2)に示した表と同様である。
【0323】
次に、効果音とエラーの具体的な音出力例について図33から図36を用いて説明する。なお、ここでいう音出力は、説明を簡単にするために0を最小にして100を最大とする0から100の範囲の音量レベルを用いる。音量レベルは、0から100の範囲で具体的に対応する音出力が線形変化するものであってもよいし、非線形変化するものであってもよい。図33は、第1の実施形態の効果音とエラーの遊技中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)の一例を示す図である。図34は、第1の実施形態の効果音とエラーの強エラー中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)の一例を示す図である。図35は、第1の実施形態の効果音とエラーの弱エラー中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)の一例を示す図である。図36は、第1の実施形態の効果音とエラーの遊技中の音出力(第1操作入力が上限設定)の一例を示す図である。
【0324】
まず、効果音とエラーの遊技中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)について図33を用いて説明する。効果音_CHから音量(音量レベル)80のチャンネル出力があり、第1ボリュームが100%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量80となり、第2ボリュームが50%出力を設定しているとき第2ボリュームからの調整出力は音量40となる。また、第1操作入力が50%出力をデフォルト設定しているときに第2操作入力によっても50%出力設定であれば、トータルボリューム(第3ボリューム)としての調整出力は音量20となる。
【0325】
また、エラー_CHから音量100のチャンネル出力があり、第1ボリュームが0%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量0となり、第2ボリュームが100%出力を設定しているとき第2ボリュームからの調整出力は音量0となる。また、第1操作入力が50%出力をデフォルト設定しているときに第2操作入力によって50%出力設定であっても、トータルボリュームとしての調整出力は音量0となる。
【0326】
次に、効果音とエラーの強エラー中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)について図34を用いて説明する。効果音_CHから音量80のチャンネル出力があり、第1ボリュームが0%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量0となり、第2ボリュームが50%出力を設定していても第2ボリュームからの調整出力は音量0となる。また、第1操作入力が50%出力をデフォルト設定しているときに第2操作入力によって50%出力設定であっても、トータルボリュームとしての調整出力は音量0となる。
【0327】
また、エラー_CHから音量100のチャンネル出力があり、第1ボリュームが100%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量100となり、第2ボリュームが100%出力を設定しているとき第2ボリュームからの調整出力は音量100となる。また、第1操作入力が50%出力をデフォルト設定しているときに第2操作入力によって50%出力設定であっても操作入力非依存で100%出力設定であれば、第1操作入力と第2操作入力は無効になり、100%出力設定が有効になるので、トータルボリュームとしての調整出力は音量100となる。
【0328】
次に、効果音とエラーの弱エラー中の音出力(第1操作入力がデフォルト設定)について図35を用いて説明する。効果音_CHから音量80のチャンネル出力があり、第1ボリュームが50%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量40となり、第2ボリュームが30%出力を設定しているとき第2ボリュームからの調整出力は音量12となる。また、第1操作入力が50%出力をデフォルト設定しているときに第2操作入力によって50%出力設定であっても操作入力非依存で100%出力設定であれば、第1操作入力と第2操作入力は無効になり、100%出力設定が有効になるので、トータルボリュームとしての調整出力は音量12となる。
【0329】
また、エラー_CHから音量100のチャンネル出力があり、第1ボリュームが70%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量70となり、第2ボリュームが100%出力を設定しているとき第2ボリュームからの調整出力は音量70となる。また、第1操作入力が50%出力をデフォルト設定しているときに第2操作入力によって50%出力設定であっても操作入力非依存で100%出力設定であれば、第1操作入力と第2操作入力は無効になり、100%出力設定が有効になるので、トータルボリュームとしての調整出力は音量70となる。
【0330】
次に、効果音とエラーの遊技中の音出力(第1操作入力が上限設定)について図33を用いて説明する。効果音_CHから音量(音量レベル)80のチャンネル出力があり、第1ボリュームが100%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量80となり、第2ボリュームが50%出力を設定しているとき第2ボリュームからの調整出力は音量40となる。また、第1操作入力が85dB出力を上限設定しているときに第2操作入力が79dB出力を上限設定していれば、トータルボリュームとしての調整出力は最大音量が79dBに調整された音量40となる。
【0331】
また、エラー_CHから音量100のチャンネル出力があり、第1ボリュームが0%出力を設定しているとき第1ボリュームからの調整出力は音量0となり、第2ボリュームが100%出力を設定しているとき第2ボリュームからの調整出力は音量0となる。また、第1操作入力が85dB出力を上限設定しているときに第2操作入力が79dB出力を上限設定していれば、トータルボリュームとしての調整出力は最大音量が79dBに調整された音量0となる。
【0332】
なお、遊技機10は、スピーカ19における音量調整の他にも枠装飾装置18や盤装飾装置46が有するLED(発光装置)の光量(輝度)調整をおこなうことができる。次に、光量調整に用いる設定値を与える設定手段について図37を用いて説明する。図37は、第1の実施形態の光量調整に用いるボリューム設定手段の一例を示す図である。光量調整に用いるボリューム設定手段もまた、第1ボリューム、第2ボリューム、第3ボリュームを有する。第1ボリューム、第2ボリューム、第3ボリュームのそれぞれで光量調整に用いる設定値を与える設定手段について図37を用いて説明する。図37は、第1の実施形態の光量調整に用いるボリューム設定手段の一例を示す図である。
【0333】
第1ボリュームは、第1ソフトウェア設定により光量調整に用いる設定値(調整値)が与えられる。第1ソフトウェア設定は、PROM321(図4参照)から読み出したデータにもとづいてCPU311(図4参照)が設定する値である。調整値は、0から100の範囲にあり、0(0%)のときに消灯、100(100%)のときに最大光量として設定され得る。
【0334】
第2ボリュームは、第2ソフトウェア設定により光量調整に用いる設定値(調整値)が与えられる。第2ソフトウェア設定もまた、PROM321から読み出したデータにもとづいてCPU311が設定する値である。調整値は、0から100の範囲にあり、0(0%)のときに消灯、100(100%)のときに入力に対する最大光量として設定され得る。
【0335】
第3ボリュームは、音量調整に用いた第1操作入力に相当する操作入力がなく、音量調整に用いた第2操作入力に相当する操作入力がある。第3ボリュームもまた、第2操作入力により光量調整に用いる設定値が与えられる。各設定値には、具体的な調整値が対応付けられる。調整値は、0から100の範囲にあり、0(0%)のときに消灯、100(100%)のときに入力に対する最大光量として設定され得る。
【0336】
操作入力は、遊技機10の前面側にあるオプション設定部29(図1参照)に設けられた設定スイッチ29n(図4参照)から入力された値にもとづいてCPU311が設定する設定値である。設定スイッチ29nは、遊技者によって操作容易な位置にあり、遊技者による操作あるいは遊技場係員による操作が期待される入力装置である。
【0337】
なお、音量調整に用いた第1操作入力に相当する操作入力を有しないとしたが、有するものであってもよい。その場合、第1操作入力に相当する操作入力は、遊技機10の裏面側に備えられる光量調節スイッチから入力された値にもとづいてCPU311が設定する設定値とし、光量調節スイッチは、遊技者によって操作困難な位置にあり、遊技場係員による操作が期待される入力装置とする。
【0338】
次に、遊技機10の光量調整に用いる第1ボリュームのソフトウェア設定について図38を用いて説明する。図38は、第1の実施形態の光量調整に用いる第1ボリュームのソフトウェア設定の一例を示す図である。
【0339】
第1ボリュームのソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態に対応して制御される発光演出ごとに設定される。なお、発光演出は、たとえば通常演出とイベント報知とエラー報知とがある。通常演出は、遊技制御にしたがう一連の発光演出であり、イベント報知は、所定の入力を契機にスポット的に実行される発光演出であり、エラー報知は、エラー状態でエラーを報知する発光演出である。
【0340】
第1ボリュームのソフトウェア設定において遊技機10の制御状態は、電源投入A、電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中D、安全装置作動中Eに区分される。なお、遊技中は、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中Dと重複し得る。これらの制御状態は、第1ボリュームのソフトウェア設定において遊技中に優先する制御状態である。なお、各制御状態は、第17図を用いて説明した制御状態と同様である。
【0341】
電源投入Aにおいて、通常演出は、調整値0、イベント報知は、調整値0、エラー報知は、調整値0である。すなわち、電源投入Aは、すべての発光演出において消灯が設定される。
【0342】
電源投入Bにおいて、通常演出は、調整値100、イベント報知は、調整値100、エラー報知は、調整値100である。すなわち、電源投入Bは、すべての発光演出において最大光量での出力が許可される。
【0343】
電源投入C、設定変更中/設定確認中、強エラー、安全装置作動中A、安全装置作動中Eにおいて、通常演出は、調整値0、イベント報知は、調整値0、エラー報知は、調整値100である。すなわち、電源投入C、設定変更中/設定確認中。強エラー、安全装置作動中A、安全装置作動中Eは、エラー報知において最大光量での出力が許可され、その余の発光演出において消灯が設定される。
【0344】
遊技中、客待ち中A、安全装置作動中Dにおいて、通常演出は、調整値100、イベント報知は、調整値100、エラー報知は、調整値0である。すなわち、遊技中、客待ち中A、安全装置作動中Dは、エラー報知において消灯が設定され、その余の発光演出において最大光量での出力が許可される。
【0345】
客待ち中Bは、客待ち状態のうち客待ち状態遷移から所定時間経過後の制御状態であり、遊技中と異なり消費電力低減や遊技場環境の向上のため光出力の抑制が期待される遊技状態である。客待ち中Bにおいて、通常演出は、調整値70、イベント報知は、調整値70、エラー報知は、調整値0である。すなわち、遊技中、客待ち中A、安全装置作動中Dは、エラー報知において消灯が設定され、その余の発光演出において最大光量での出力が許可される。
【0346】
弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中Cにおいて、通常演出は、調整値70、イベント報知は、調整値70、エラー報知は、調整値70である。すなわち、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中Cは、すべての発光演出において70%程度の光量での出力が許可される。弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中Cは、遊技者による遊技が継続している蓋然性が高い。第1ボリュームにおける当該設定は、演出効果と報知効果のバランスを保つうえで好適である。
【0347】
次に、遊技機10の光量調整に用いる第2ボリュームのソフトウェア設定について図39を用いて説明する。図39は、第1の実施形態の光量調整に用いる第2ボリュームのソフトウェア設定の一例を示す図である。
【0348】
第2ボリュームのソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態に対応して制御される発光演出ごとに設定される。第2ボリュームのソフトウェア設定において遊技機10の制御状態は、電源投入A、電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、強エラー/弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中ABC、安全装置作動中D、安全装置作動中Eに区分される。なお、遊技中は、強エラー/弱エラー、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中Dと重複し得る。これらの制御状態は、第1ボリュームのソフトウェア設定において遊技中に優先する制御状態である。また、遊技中は、リーチ前、リーチコール、リーチコール+プッシュボタン、SPリーチ、当落報知演出、当りファンファーレ、当りラウンド、当り昇格、当りV入賞、普電サポートに詳細区分される。
【0349】
電源投入Aにおいて、通常演出は、調整値0、イベント報知は、調整値0、エラー報知は、調整値0である。すなわち、電源投入Aは、すべての発光演出において消灯が設定される。電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中において、通常演出は、調整値100、イベント報知は、調整値100、エラー報知は、調整値100である。すなわち、電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中は、すべての発光演出において最大光量での出力が許可される。
【0350】
リーチ前、普電サポートにおいて、通常演出は、調整値70、イベント報知は、調整値80、エラー報知は、調整値100である。リーチコール、当りラウンドにおいて、通常演出は、調整値80、イベント報知は、調整値80、エラー報知は、調整値100である。リーチコール+プッシュボタン、SPリーチ、当落報知演出、当り昇格、当りV入賞において、通常演出は、調整値90、イベント報知は、調整値80、エラー報知は、調整値100である。当りファンファーレにおいて、通常演出は、調整値100、イベント報知は、調整値80、エラー報知は、調整値100である。
【0351】
このように、遊技中の制御状態は、演出効果を発揮できるように発光演出ごとの調整値を詳細に設定できる。また、遊技中の制御状態は、どのような制御状態に詳細区分されていてもエラー報知において最大光量での出力が設定され、エラー報知の光量100を対照にして通常演出、イベント報知の光量が設定される。
【0352】
客待ち中A、安全装置作動中Dにおいて、通常演出は、調整値60、イベント報知は、調整値60、エラー報知は、調整値100である。客待ち中Bにおいて、通常演出は、調整値0、イベント報知は、調整値0、エラー報知は、調整値100である。
【0353】
強エラー/弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中ABCにおいて、通常演出とイベント報知は、遊技中の値であり、エラー報知は、調整値100である。すなわち、強エラー/弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中ABCにおいて、通常演出とイベント報知は、第1ボリュームによる制約を受けながらも遊技中と同等の演出効果を発揮し得る。
【0354】
安全装置作動中Eにおいて、通常演出とイベント報知は、直前の値(安全装置作動中Eに遷移前の制御状態における値)であり、エラー報知は、調整値100である。すなわち、安全装置作動中Eにおいて、通常演出とイベント報知は、第1ボリュームによる制約を受けながらも安全装置作動中Eに遷移前の制御状態と同等の演出効果を発揮し得る。
【0355】
なお、安全装置作動中Eに所定の復帰条件(たとえば、RAMクリアを伴う電源の再投入)があった場合には、各チャンネルグループの第2ボリューム3146のソフトウェア設定は、あらかじめ定める所定値(たとえば、0、90、100等)にして復帰するようにしてもよい。
【0356】
次に、遊技機10の光量調整に用いる第3ボリュームのソフトウェア設定について図40を用いて説明する。図40は、第1の実施形態の光量調整に用いる第3ボリュームのソフトウェア設定の一例を示す図である。
【0357】
第3ボリュームのソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態に対応して混合出力に設定される。すなわち、第3ボリュームは、最終的な光量を決定するトータルボリュームとして機能する。なお、第3ボリュームのソフトウェア設定は、遊技機10の制御状態と第2操作入力とにより決定される。混合出力は、通常演出とイベント報知とエラー報知の合成発光態様とすることができる。なお、混合出力に代えて、通常演出にイベント報知が優先し、イベント報知にエラー報知が優先する優先発光態様としてもよい。
【0358】
第3ボリュームのソフトウェア設定において遊技機10の制御状態は、電源投入A、電源投入B、電源投入C、設定変更中/設定確認中、遊技中、客待ち中A、客待ち中B、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中D、安全装置作動中Eに区分される。なお、遊技中は、強エラー、弱エラー、安全装置作動予告、安全装置作動中A、安全装置作動中B、安全装置作動中C、安全装置作動中Dと重複し得る。これらの制御状態は、第3ボリュームのソフトウェア設定において遊技中に優先する制御状態である。
【0359】
電源投入Aにおいて、トータルボリュームは、調整値0であり、第2操作入力によらずに消灯が設定される。電源投入Bにおいて、トータルボリュームは、調整値100であり、第2操作入力によらずに最大光量が設定される。
【0360】
電源投入Cと設定変更中/設定確認中と強エラーと弱エラーと安全装置作動予告と安全装置作動中Aと安全装置作動中Bと安全装置作動中Cと安全装置作動中Eにおいて、トータルボリュームは、調整値100であり、第2操作入力によらずに最大光量が設定される。
【0361】
遊技中と客待ち中Aと客待ち中Bと安全装置作動中Eにおいて、トータルボリュームは、操作入力依存であり、第2操作入力により決定される。なお、遊技機10は、客待ち中Bにおける第2操作入力により客待ち中Aに遷移することにより、客待ち中における遊技者の光量変更操作を遊技中における遊技者の光量変更操作と同様の環境とすることができる。
【0362】
このように、遊技機10は、遊技機10の制御状態に応じて第2操作入力の有効/無効を切り替えて、トータルボリュームの消灯設定、最大光量設定、操作入力依存設定をおこなうことができる。これにより、遊技機10は、遊技場や遊技者のニーズに応えながら公正かつ安全な遊技環境を提供できる。
【0363】
次に、光量調整に用いる第2操作入力の設定値と調整値の対応表について図41図42を用いて説明する。図41は、第1の実施形態の光量調整に用いる第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その1)を示す図である。図42は、第1の実施形態の光量調整に用いる第2操作入力の設定値と調整値の対応表の一例(その2)を示す図である。
【0364】
図41(1)に示す対応表は、第2操作入力による光量調整が10段階でおこなえるときの第2操作入力の設定値と調整値の対応関係を示す。第2操作入力の設定範囲は、1から10である。調整値は、最大光量を100としたときの出力比として設定される。
【0365】
対応表は、第2操作入力の設定値(1から10)から調整値(10から10刻みに100まで)が特定可能になっている。第2操作入力の設定1のときに調整値10、第2操作入力の設定2のときに調整値20、第2操作入力の設定3のときに調整値30、第2操作入力の設定4のときに調整値40、第2操作入力の設定5のときに調整値50、第2操作入力の設定6のときに調整値60、第2操作入力の設定7のときに調整値70、第2操作入力の設定8のときに調整値80、第2操作入力の設定9のときに調整値90、第2操作入力の設定10のときに調整値100となっている。また、対応表に図示する網掛け表示は、デフォルト値となっている。すなわち、第2操作入力の設定6に対応する調整値60がデフォルト値となっている。なお、トータルボリュームの最小調整値は、設定1のときの10であり、発光装置が点灯しているときに発光装置を消灯させることまではできない。
【0366】
図41(2)に示す対応表は、第2操作入力による光量調整が5段階でおこなえるときの第2操作入力の設定値と調整値の対応関係の別例を示す。第2操作入力の設定範囲は、1から5である。調整値は、最大光量を100としたときの出力比として設定される。
【0367】
対応表は、第2操作入力の設定値(1から5)から調整値(20から20刻みに100まで)が特定可能になっている。第2操作入力の設定1のときに調整値20、第2操作入力の設定2のときに調整値40、第2操作入力の設定3のときに調整値60、第2操作入力の設定4のときに調整値80、第2操作入力の設定5のときに調整値100となっている。また、対応表に図示する網掛け表示は、デフォルト値となっている。すなわち、第2操作入力の設定3に対応する調整値60がデフォルト値となっている。なお、トータルボリュームの最小調整値は、設定1のときの20であり、発光装置が点灯しているときに発光装置を消灯させることまではできない。
【0368】
図42(1)に示す対応表は、第2操作入力による光量調整が10段階でおこなえるときの第2操作入力の設定値と調整値の対応関係の別例を示す。第2操作入力の設定範囲は、1から10である。調整値は、最大光量を255としたときのデューティー比として設定される。
【0369】
対応表は、第2操作入力の設定値(1から10)から調整値が特定可能になっている。第2操作入力の設定1のときに調整値10、第2操作入力の設定2のときに調整値35、第2操作入力の設定3のときに調整値60、第2操作入力の設定4のときに調整値85、第2操作入力の設定5のときに調整値110、第2操作入力の設定6のときに調整値135、第2操作入力の設定7のときに調整値160、第2操作入力の設定8のときに調整値185、第2操作入力の設定9のときに調整値210、第2操作入力の設定10のときに調整値255となっている。また、対応表に図示する網掛け表示は、デフォルト値となっている。すなわち、第2操作入力の設定6に対応する調整値135がデフォルト値となっている。なお、トータルボリュームの最小調整値は、設定1のときの10であり、発光装置が点灯しているときに発光装置を消灯させることまではできない。
【0370】
図42(2)に示す対応表は、第2操作入力による光量調整が10段階でおこなえるときの第2操作入力の設定値と調整値の対応関係の別例を示す。第2操作入力の設定範囲は、1から10である。調整値は、最大光量を255としたときのデューティー比として設定される。
【0371】
対応表は、第2操作入力の設定値(1から5)から調整値が特定可能になっている。第2操作入力の設定1のときに調整値10、第2操作入力の設定2のときに調整値70、第2操作入力の設定3のときに調整値130、第2操作入力の設定4のときに調整値190、第2操作入力の設定5のときに調整値255となっている。また、対応表に図示する網掛け表示は、デフォルト値となっている。すなわち、第2操作入力の設定3に対応する調整値130がデフォルト値となっている。なお、トータルボリュームの最小調整値は、設定1のときの10であり、発光装置が点灯しているときに発光装置を消灯させることまではできない。
【0372】
ここまで、遊技機10における音量調整と光量調整について説明したが、同様にしてその他の演出装置(たとえば、振動装置や可動装置等)において出力調整をおこなうようにしてもよい。
【0373】
次に、変動表示中の音量変更について図43から図45を用いて説明する。図43は、第1の実施形態の変動表示中の音量変更の一例(音量変更例A)を示す図である。図44は、第1の実施形態の変動表示中の音量変更の一例(音量変更例B)を示す図である。図45は、第1の実施形態の変動表示中の音量変更の一例(音量変更例C)を示す図である。
【0374】
音量変更例Aは、タイミングt01に変動表示を開始してタイミングt03に変動表示を終了する変動表示中に、音量(トータル音量)設定がタイミングt02において第2操作入力にもとづいて100から50に変更された様子を示す。タイミングt02を跨いでデンジャー音Aが出力中であったとき、タイミングt02の音量設定の変更に伴いデンジャー音Aの音量がv1からv2(<v1)に変更される。デンジャー音Aは、特定音を反復出力する警報音であり、遊技者にとって音量変更を感得しやすい特定音の1つである。なお、デンジャー音Aは、操作入力依存で音量が変更可能な音であり、たとえば遊技中(SPリーチ等)の演出音の一態様である。
【0375】
音量変更例Bは、タイミングt11に変動表示を開始してタイミングt13に変動表示を終了する変動表示中に、音量(トータル音量)設定がタイミングt12において第2操作入力にもとづいて100から50に変更された様子を示す。タイミングt12を跨いでデンジャー音Bが出力中であったとき、タイミングt12の音量設定の変更があるにもかかわらずデンジャー音の音量がv1のままである。デンジャー音Bもまた、特定音を反復出力する警報音であり、遊技者にとって音量変更を感得しやすい特定音の1つである。なお、デンジャー音Bは、操作入力に依存して音量を変更できない音であり、たとえばエラー中や安全装置作動中の警報音の一態様である。
【0376】
音量変更例Cは、タイミングt21に変動表示を開始してタイミングt25に変動表示を終了する変動表示中に、音量(トータル音量)設定がタイミングt23において第2操作入力にもとづいて100から50に変更された様子を示す。タイミングt23を跨いでデンジャー音Aとデンジャー音Bが出力中であり、デンジャー音Bに先行してデンジャー音Aが出力中であったとき、タイミングt22のデンジャー音Bの出力開始に伴いデンジャー音Aの音量は、v1からv2に低下する。たとえば、遊技機10の制御状態が強エラー発生に伴い遊技中から強エラーに遷移したことにより、第1ボリューム3145、第2ボリューム3146の設定に変更があったことによる。デンジャー音Aの音量は、タイミングt23の音量設定の変更に伴いv2からv3(<v2)に変更される。また、デンジャー音Aの音量は、タイミングt24の強エラーからの復帰に伴いv3からv2に変更される。なお、デンジャー音Bの音量は、タイミングt23を跨いでもv1に固定される。
【0377】
なお、遊技機10は、第3ボリューム3151による音量変更があったときに出力する確認音にデンジャー音を用いてもよい。たとえば、プラス調整ボタン29fとマイナス調整ボタン29gの最初の押下操作は、設定変更操作として受け付けずに設定確認操作として現在設定中の音量でデンジャー音を出力し、2回目以降の操作で設定変更を受け付けて設定変更後の音量でデンジャー音を出力するようにしてもよい。
【0378】
ここで、遊技機10が変動表示をおこなうときのゲーム表示画面について図46を用いて説明する。図46は、第1の実施形態のゲーム表示画面の一例を示す図である。図46(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、特図1ゲーム(変動表示ゲーム)における変動表示終了後に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。なお、表示画面500は、遊技状態A(通常遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面500は、飾り図柄である大図柄群501と、同じく飾り図柄である小図柄群502と、特図1保留数表示(特図1小保留、特図1待機保留数字表示)503と、特図2保留数表示(特図2小保留、特図2待機保留数字表示)504と、保留表示(大保留、待機保留イメージ表示)505と、保留消化表示(消化保留イメージ表示)506とを表示する。
【0379】
なお、特図1ゲームまたは特図2ゲームにおける本特図は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53または特図2図柄表示部54に表示される図柄(LEDの点灯態様)であり、大図柄群501と小図柄群502は、本特図に対応した飾り図柄である。また、図示しないが、遊技機10は、特図1ゲームまたは特図2ゲームにおける図柄として、変動表示ゲームの結果態様の区別を示すことなしに変動状態と停止状態とを、たとえばLEDの点滅と点灯とによって示す第4図柄を有する。
【0380】
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
【0381】
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
【0382】
なお、大図柄群501と小図柄群502は、同タイミング(変動開始時にあらかじめ定まるタイミング、あるいは変動終了を指示するコマンドの受信にもとづいて定まるタイミング)で停止表示する。
【0383】
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
【0384】
また、小図柄群502は、変動開始時から所定速度(一定速度)で変動(定速変動表示)し、変動終了時に仮停止することなく停止表示する。なお、小図柄群502は、停止表示から所定速度に達するまでに所定の加速変動期間を設けて表示されてもよいし、設けずに表示されてもよい。また、小図柄群502は、定速変動表示から停止表示するまでに所定の減速変動期間を設けて表示されてもよいし、設けずに表示されてもよい。
【0385】
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
【0386】
図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
【0387】
保留表示(待機保留表示)505は、遊技状態に応じて特図1ゲームの保留数と特図2ゲームの保留数のうちいずれか一方の保留数を保留アイコン507により表示する。なお、表示画面500は、保留アイコンの表示によって特図1ゲームの保留数を示す。保留消化表示(消化保留表示)506は、保留消化アイコンの表示によって特図ゲームが変動中であることを示す遊技状態(遊技状態A)の表示画面である。表示画面500は、保留表示505によって特図1ゲームの保留記憶数または特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。また、表示画面500は、保留消化表示506によって、特に消化保留台座上に保留消化アイコンがないことによって、特図1ゲームまたは特図2ゲームが変動中でないことを示す。
【0388】
図46(2)に示す表示画面510は、変動表示ゲームを開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。なお、表示画面510は、遊技状態A(通常遊技状態)における表示画面の一例である。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0389】
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図1ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特図1ゲーム)の保留記憶数が「0」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
【0390】
なお、表示画面500や表示画面510は、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
【0391】
また、保留消化表示506は、特図ゲームの保留消化に対応する保留消化アイコン508が表示される様子を示す。保留消化アイコン508は、たとえば、球形状であり、保留消化アイコン508もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。
【0392】
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
【0393】
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、特図1ゲームの保留記憶数または特図2ゲームの保留記憶数が1以上になったときに変動表示を開始する。
【0394】
図46(3)に示す表示画面512は、表示画面510の後の図柄停止中の表示画面である。表示画面512は、特図1ゲームにおける変動表示終了後に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。また、表示画面512は、特図1ゲームと特図2ゲームのいずれにおいても保留記憶数を「0」にしている。
【0395】
なお、遊技機10は、特図1ゲームと特図2ゲームのいずれにおいても保留記憶数が「0」であることから、所定時間の間、当該画面を表示してから客待ち演出を開始する。そして、遊技機10は、特図2ゲームにおいて保留記憶数が「1」以上になった場合に特図2ゲームの変動表示を開始し、特図2ゲームにおいて保留記憶数が「0」かつ特図1ゲームにおいて保留記憶数が「1」以上になった場合に特図1ゲームの変動表示を開始する。
【0396】
次に、音量設定または光量設定をおこなう場合に表示される表示画面について図47を用いて説明する。図47は、第1の実施形態の音量設定または光量設定をおこなう場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0397】
図47(1)に示す画面521は、表示装置41の表示画面の1つであり、音量設定操作中における表示画面である。画面521は、音量設定操作(たとえば、第2操作入力として機能するプラス調整ボタン29f、マイナス調整ボタン29g、あるいは十字カーソルスイッチ29a,29bの押下操作検出)により、表示中の画面(たとえば、変動表示中画面や当り中画面、客待ち中画面等)に重畳表示される。画面521は、表示中の画面を切り替えて表示するものであってもよい。
【0398】
画面521は、音量設定表示522と操作部イメージ表示523と操作案内表示524とを含む。音量設定表示522は、音量設定に関する表示であり、数値表示(文字表示)とグラフ表示(イメージ表示)とで音量設定の設定値を表示する。音量設定表示522は、タイトル「音量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を横長の矩形の表示領域内に表示する。なお、音量設定表示522は、現在設定の明示に加えて、デフォルト設定や上限設定を明示するものであってもよい。操作部イメージ表示523は、設定変更の操作部となるオプション設定部29のイメージを表示する。操作案内表示524は、設定項目(音量設定、光量設定)に対応した設定変更の操作案内や操作説明等を表示する。
【0399】
図47(2)に示す画面525は、表示装置41の表示画面の1つであり、光量設定操作中における表示画面である。画面525は、光量設定操作(たとえば、第2操作入力として機能する十字カーソルスイッチ29c,29dの押下操作検出)により、表示中の画面(たとえば、変動表示中画面や当り中画面、客待ち中画面等)に重畳表示される。画面525は、表示中の画面を切り替えて表示するものであってもよい。
【0400】
画面525は、光量設定表示526と操作部イメージ表示523と操作案内表示524とを含む。光量設定表示526は、光量設定に関する表示であり、数値表示(文字表示)とグラフ表示(イメージ表示)とで光量設定の設定値を表示する。光量設定表示526は、タイトル「光量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を横長の矩形の表示領域内に表示する。なお、光量設定表示526は、現在設定の明示に加えて、デフォルト設定や上限設定を明示するものであってもよい。
【0401】
なお、画面521,525は、設定変更操作者に設定変更操作を案内する案内表示として機能する。案内表示は、第2操作入力による操作を対象とするものである、第1操作入力による操作を対象とするようにしてもよい。
【0402】
次に、案内表示における対象操作と表示期間について図48を用いて説明する。図48は、第1の実施形態の案内表示における対象操作と表示期間の一例を示す図である。
図48(1)に示す案内表示例1は、第2操作入力(たとえば、設定変更操作)があったときに案内表示をおこない、第1操作入力(たとえば、設定変更操作)があったときに案内表示をおこなわない。案内表示例1における案内表示の表示期間は、第2操作入力の受け付け開始から始まり、受付終了から所定期間経過(たとえば、5秒経過)までの期間である。これにより、案内表示例1は、第2操作入力をおこなう操作者に対して好適な操作環境を提供できる。
【0403】
図48(2)に示す案内表示例2は、第2操作入力(たとえば、設定変更操作)があったときに案内表示をおこない、第1操作入力(たとえば、設定変更操作)があったときに条件付きで案内表示をおこなう。案内表示例2における第2操作入力にもとづく案内表示の表示期間は、第2操作入力の受け付け開始から始まり、受付終了から所定期間経過(たとえば、5秒経過)までの期間である。案内表示例2における第1操作入力にもとづく案内表示の表示期間もまた、第2操作入力の受け付け開始から始まり、受付終了から所定期間経過(たとえば、5秒経過)までの期間である。すなわち、第1操作入力にもとづく案内表示は、第2操作入力にもとづく案内表示と重なる期間において表示され、第2操作入力なしには表示されない。これにより、案内表示例2は、第2操作入力をおこなう操作者に対して好適な操作環境を提供できる。また、案内表示例2は、第2操作入力を併せておこなうことを求めるが、第1操作入力をおこなう操作者に対しても好適な操作環境を提供できる。
【0404】
図48(3)に示す案内表示例3は、第2操作入力(たとえば、設定変更操作)があったときに案内表示をおこない、第1操作入力(たとえば、設定変更操作)があったときにも案内表示をおこなう。案内表示例2における第2操作入力にもとづく案内表示の表示期間は、第2操作入力の受け付け開始から始まり、受付終了から所定期間経過(たとえば、5秒経過)までの期間である。案内表示例2における第1操作入力にもとづく案内表示の表示期間は、第1操作入力の設定値変更契機から所定期間経過(たとえば、30秒経過)までの期間である。なお、第1操作入力にもとづく案内表示の表示期間は、確認に時間を要する虞があるため、第2操作入力にもとづく案内表示の表示期間よりも長く設定される。これにより、案内表示例3は、第1操作入力をおこなう操作者に対しても第2操作入力をおこなう操作者に対しても好適な操作環境を提供できる。
【0405】
また、上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。なお、従来の遊技機は、一様な調整しかおこなうことができず興趣が低下する虞があった。第1の実施形態の遊技機10は、興趣を向上可能な遊技機を提供する。
【0406】
(1)遊技機(たとえば、遊技機10)は、演出装置(たとえば、スピーカ19、枠演出装置18、盤演出装置44)の出力量(たとえば、音量、光量)を調整可能であって、第1操作手段と、第2操作手段と、制御手段と、を含む。第1操作手段(たとえば、第2操作入力)は、遊技者を含めて出力量の調整操作を受付可能である。第2操作手段(たとえば、第1操作入力)は、遊技者を除いて出力量の調整操作を受付可能である。制御手段は、出力量が第1の調整値で調整されているとき、第1操作手段により第1の調整値と異なる第2の調整値に調整可能であり、第1操作手段により調整された第2の調整値を第2操作手段により第2の調整値と異なる第3の調整値に調整可能である(たとえば、図28(2)参照)。
【0407】
(2)遊技機(たとえば、遊技機10)は、演出装置(たとえば、スピーカ19、枠演出装置18、盤演出装置44)の出力量(たとえば、音量、光量)を調整可能であって、第1操作手段と、第2操作手段と、制御手段と、を含む。第1操作手段(たとえば、第2操作入力)は、遊技者を含めて出力量の調整操作を受付可能である。第2操作手段(たとえば、第1操作入力)は、遊技者を除いて出力量の調整操作を受付可能である。制御手段は、出力量が第1の調整値で調整されているとき、第1操作手段により第1の調整値と異なる第2の調整値に調整可能であり、第1操作手段により調整された第2の調整値を第2操作手段により第2の調整値と異なる第3の調整値に調整可能である。演出装置は、変動表示ゲームにおける1回の変動表示中に特定音を複数回にわたって出力可能な音出力装置を含む(たとえば、図43から図45参照)。
【0408】
(3)遊技機(たとえば、遊技機10)は、演出装置(たとえば、スピーカ19、枠演出装置18、盤演出装置44)の出力量(たとえば、音量、光量)を調整可能であって、第1操作手段と、第2操作手段と、制御手段と、を含む。第1操作手段(たとえば、第2操作入力)は、遊技者を含めて出力量の調整操作を受付可能である。第2操作手段(たとえば、第1操作入力)は、遊技者を除いて出力量の調整操作を受付可能である。制御手段は、出力量が第1の調整値で調整されているとき、第1操作手段により第1の調整値と異なる第2の調整値に調整可能であり、第1操作手段により調整された第2の調整値を第2操作手段により第2の調整値と異なる第3の調整値に調整可能である。演出装置は、光量を調整可能な光出力装置と、音量を調整可能な音出力装置とを含む。第1操作手段は、第1操作部(たとえば、第1操作入力)と、第1操作部と異なる第2操作部(たとえば、第2操作入力)とを含む。制御手段は、音量を第1操作部と第2操作部のいずれによっても調整可能にして、光量を第2操作部によって調整可能にする(たとえば、図16図37参照)。
【0409】
(4)遊技機(たとえば、遊技機10)は、演出装置(たとえば、スピーカ19、枠演出装置18、盤演出装置44)の出力量(たとえば、音量、光量)を調整可能であって、第1操作手段と、第2操作手段と、制御手段と、を含む。第1操作手段(たとえば、第2操作入力)は、遊技者を含めて出力量の調整操作を受付可能である。第2操作手段(たとえば、第1操作入力)は、遊技者を除いて出力量の調整操作を受付可能である。制御手段は、出力量が第1の調整値で調整されているとき、第1操作手段により第1の調整値と異なる第2の調整値に調整可能であり、第1操作手段により調整された第2の調整値を第2操作手段により第2の調整値と異なる第3の調整値に調整可能である。制御手段は、演出装置の第1出力(たとえば、BGM_CHのUL信号、UR信号、DL信号、DR信号)を制御可能な第1出力制御部(たとえば、デコーダ(BGM_CH))と、演出装置の第2出力(たとえば、エラー_CHのUL信号、UR信号、DL信号、DR信号)を制御可能な第2出力制御部(たとえば、デコーダ(エラー_CH))と、第1出力と第2出力を混合した混合出力(たとえば、混合UL信号、混合UR信号、混合DL信号、混合DR信号)を制御可能な混合出力制御部(たとえば、ミキサ3149)と、第1出力の出力量と第2出力の出力量とを混合前に調整可能な混合前調整手段(たとえば、第1ボリューム3145、第2ボリューム3146)と、を含み、第1操作手段および第2操作手段による調整対象を混合出力の出力量とする(たとえば、図13参照)。
【0410】
(5)遊技機(たとえば、遊技機10)は、演出装置(たとえば、スピーカ19、枠演出装置18、盤演出装置44)の出力量(たとえば、音量、光量)を調整可能であって、第1操作手段と、第2操作手段と、制御手段と、を含む。第1操作手段(たとえば、第2操作入力)は、遊技者を含めて出力量の調整操作を受付可能である。第2操作手段(たとえば、第1操作入力)は、遊技者を除いて出力量の調整操作を受付可能である。制御手段は、出力量が第1の調整値で調整されているとき、第1操作手段により第1の調整値と異なる第2の調整値に調整可能であり、第1操作手段により調整された第2の調整値を第2操作手段により第2の調整値と異なる第3の調整値に調整可能である。演出装置は、光量を調整可能な光出力装置と、音量を調整可能な音出力装置とを含む。第1操作手段は、第1操作部(たとえば、第1操作入力)と、第1操作部と異なる第2操作部(たとえば、第2操作入力)とを含む。第2操作手段は、操作部(たとえば、音量調節スイッチ335)がカバー部材(たとえば、カバー部材830)によって覆われている(たとえば、図24図25参照)。
【0411】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
【0412】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0413】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0414】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【0415】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
【0416】
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0417】
10 遊技機
30 遊技盤
41 表示装置
100 遊技制御装置
300 演出制御装置
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