IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 財團法人工業技術研究院の特許一覧

特開2023-124766マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法
<>
  • 特開-マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法 図1
  • 特開-マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法 図2
  • 特開-マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法 図3
  • 特開-マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法 図4
  • 特開-マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法 図5
  • 特開-マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124766
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、ユーザ装置およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/12 20090101AFI20230830BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20230830BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20230830BHJP
【FI】
H04W36/12
H04W92/24
H04W88/14
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111206
(22)【出願日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】111106974
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王韋程
(72)【発明者】
【氏名】文國▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼村杰
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067DD57
5K067HH22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス及びユーザプレーン機能(UPF)切替方法を提供する。
【解決手段】リレーUPFモジュール、第1のUPFモジュール及び第2のUPFモジュールを含むMECデバイスと、MECデバイスの通知に基づいてUEに対応するUPF経路管理を実行するコアネットワークと、を含むマルチアクセスエッジコンピューティングシステムにおいて、UEがネットワークに接続すると、MECデバイスは、UEとリレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立し、UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ、第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、先ずUEに必要なサービスを第1のUPFモジュールからリレーUPFモジュールに切り替えることをコアネットワークのNEFモジュールに通知する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システムであって、
ユーザ装置(UE)と、
リレーユーザプレーン機能(UPF)モジュール、第1のUPFモジュール、および第2のUPFモジュールを含むMECデバイスと、
前記MECデバイスからの通知に基づいて前記UEに対応するUPF経路管理を実行するコアネットワークと、
を含み、
前記UEがネットワークに接続すると、前記MECデバイスが、前記UEと前記リレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立し、
前記MECデバイスが、前記UEに必要なサービスが記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ前記第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、前記MECデバイスは、先ず前記UEに必要なサービスを前記第1のUPFモジュールから前記リレーUPFモジュールに切り替えることを前記コアネットワークに通知する、MECシステム。
【請求項2】
トリガー条件が生じたか否かを前記MECデバイスが判断し、前記トリガー条件が生じると、前記MECデバイスは、前記UEに必要なサービスが前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要するか否かを判断し、前記UEに必要なサービスが前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要する場合、前記MECデバイスは、前記第2のUPFモジュールが起動されたか否かを判断する、請求項1に記載のMECシステム。
【請求項3】
前記第2のUPFモジュールが起動されたと前記MECデバイスが判断すると、前記MECデバイスは、前記UEに必要なサービスを前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記コアネットワークに通知する、請求項2に記載のMECシステム。
【請求項4】
前記第2のUPFモジュールが起動されていないと前記MECデバイスが判断すると、前記MECデバイスは、前記コアネットワークが前記第2のUPFモジュールを起動するのを待ち、前記第2のUPFモジュールが起動されると、前記MECデバイスは、前記UEに必要なサービスを前記リレーUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記コアネットワークに通知する、請求項2に記載のMECシステム。
【請求項5】
前記MECデバイスが前記UEに必要なサービスを前記リレーUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記コアネットワークに通知する前に、前記MECデバイスは非3GPPインターワーキング機能(N3IWF)モジュールにより前記UEを認証する、請求項4に記載のMECシステム。
【請求項6】
前記MECデバイスのアプリケーション機能(AF)モジュールが、通信インターフェースを介して前記コアネットワークのネットワークエクスポージャー機能(NEF)に、前記UEに対応する前記UPF経路管理を実行することを通知する、請求項1~5のいずれか1項に記載のMECシステム。
【請求項7】
前記通信インターフェースがN33インターフェースである、請求項6に記載のMECシステム。
【請求項8】
リレーユーザプレーン機能(UPF)モジュールと、
ユーザ装置(UE)がネットワークに接続すると、前記UEと前記リレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立し、かつ前記UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要するか否かを判断するアプリケーション機能(AF)モジュールと、
を含むマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)デバイスであって、
前記AFモジュールが、前記UEに必要なサービスが前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ前記第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、前記AFモジュールは、先ず前記UEに必要なサービスを前記第1のUPFモジュールから前記リレーUPFモジュールに切り替えることをコアネットワークに通知する、MECデバイス。
【請求項9】
トリガー条件が生じたか否かを判断する制御回路をさらに含み、前記トリガー条件が生じると、前記AFモジュールが、前記UEに必要なサービスが前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要するか否かを判断し、前記UEに必要なサービスが前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要すると前記AFモジュールが判断した場合、前記AFモジュールは、前記第2のUPFモジュールが起動されたか否かを判断する、請求項8に記載のMECデバイス。
【請求項10】
前記第2のUPFモジュールが起動されたと前記AFモジュールが判断すると、前記AFモジュールは、前記UEに必要なサービスを前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記コアネットワークに通知する、請求項9に記載のMECデバイス。
【請求項11】
前記第2のUPFモジュールが起動されていないと前記AFモジュールが判断すると、前記AFモジュールは前記コアネットワークが前記第2のUPFモジュールを起動するのを待ち、前記第2のUPFモジュールが起動されると、前記AFモジュールは、前記UEに必要なサービスを前記リレーUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えること前記コアネットワークに通知する、請求項9に記載のMECデバイス。
【請求項12】
非3GPPインターワーキング機能(N3IWF)モジュールをさらに含み、前記AFモジュールが前記UEに必要なサービスを前記リレーUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記コアネットワークに通知する前に、前記AFモジュールは前記N3IWFモジュールに前記UEを認証するよう指示する、請求項11に記載のMECデバイス。
【請求項13】
前記AFモジュールが通信インターフェースを介して前記コアネットワークのネットワークエクスポージャー機能(NEF)に、前記UEに対応するUPF経路管理を実行することを通知する請求項8~12のいずれか1項に記載のMECデバイス。
【請求項14】
前記通信インターフェースがN33インターフェースである、請求項13に記載のMECデバイス。
【請求項15】
受信装置と、
処理装置と
を含むユーザ装置(UE)であって、
マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)デバイスが、前記UEに必要なサービスが第1のユーザプレーン機能(UPF)モジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ前記第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、前記受信装置が第1の指示をコアネットワークから受け取り、前記第1の指示に基づき前記処理装置がリレーUPFモジュールに切り替えて前記サービスが実行される、ユーザ装置(UE)。
【請求項16】
前記第2のUPFモジュールが起動されると、前記受信装置が第2の指示を前記コアネットワークから受け取り、前記第2の指示に基づき前記処理装置が前記第2のUPFモジュールに切り替えて前記サービスが実行される、請求項15に記載のUE。
【請求項17】
マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システムに適用されるユーザプレーン機能(UPF)切替方法であって、
前記MECシステムのユーザ装置(UE)がネットワークに接続すると、前記MECシステムのMECデバイスが前記UEとリレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立すること、および
前記UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ前記第2のUPFモジュールが起動されていないと前記MECデバイスが判断すると、前記MECデバイスは、先ず前記UEに必要なサービスを前記第1のUPFモジュールから前記リレーUPFに切り替えることを前記MECシステムのコアネットワークに通知すること、
を含むUPF切替方法。
【請求項18】
トリガー条件が生じたか否かを前記MECデバイスが判断するステップ、
前記トリガー条件が生じたときに、前記UEに必要なサービスが前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要するか否かを前記MECデバイスが判断するステップ、および
前記UEに必要なサービスが前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えられることを要する場合、前記第2のUPFモジュールが起動されたか否かを前記MECデバイスが判断するステップ、
をさらに含む請求項17に記載のUPF切替方法。
【請求項19】
前記第2のUPFモジュールが起動されたと前記MECデバイスが判断すると、前記UEに必要なサービスを前記第1のUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記MECデバイスが前記コアネットワークに通知するステップをさらに含む請求項18に記載のUPF切替方法。
【請求項20】
前記第2のUPFモジュールが起動されていないと前記MECデバイスが判断すると、前記コアネットワークが前記第2のUPFモジュールを起動することを前記MECデバイスが待つステップ、および
前記第2のUPFモジュールが起動されたときに、前記UEに必要なサービスを前記リレーUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記MECデバイスが前記コアネットワークに通知するステップ、
をさらに含む請求項18に記載のUPF切替方法。
【請求項21】
前記UEに必要なサービスを前記リレーUPFモジュールから前記第2のUPFモジュールに切り替えることを前記MECデバイスが前記コアネットワークに通知する前に、前記MECデバイスが非3GPPインターワーキング機能(N3IWF)モジュールにより前記UEを認証するステップをさらに含む請求項20に記載のUPF切替方法。
【請求項22】
前記MECデバイスのアプリケーション機能(AF)モジュールが、通信インターフェースを介して、前記コアネットワークのネットワークエクスポージャー機能(NEF)に、前記UEに対応するUPF経路管理を実行することを通知するステップをさらに含む請求項17~21のいずれか1項に記載のUPF切替方法。
【請求項23】
前記通信インターフェースがN33インターフェースである、請求項22に記載のUPF切替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年2月25日に出願された台湾特許出願第111106974号の優先権を主張し、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概してユーザプレーン機能(UPF)技術に関し、より詳細には、UPF切替が生じたときに、リレーUPFを用い、ユーザ装置(UE)に必要なサービス中断を回避するUPF切替技術に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイルデバイスの利用がより普及し始め、かつネットワークサービスの応用(例えば、ビデオストリーム、バーチャルリアリティ、自律車両など)が進むにつれて、データトラフィックへの需要が高まっている。よって、データトラフィックの需要と計算(computations)のために、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)が5G通信において用いられている。MECは、モバイルネットワークのエッジにクラウドコンピューティングの能力および情報技術(IT)環境を提供するために用いられる。その主な目的は、コアネットワーク装置により実行されるコンピューティングを減らすこと、およびカスタマー向けに特定のモバイル体験プラットフォームを構築するにあたりオペレーターをアシストすることにある。
【0004】
しかしながら、5G MECの構造において、ユーザプレーン機能(UPF)が切替を要する(例えば、ハンドオーバーがユーザ装置(UE)で行われる)とき、UPF切替のためにUEのサービスが中断されてしまうことがある。その結果、ユーザ体験が犠牲となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム、MECデバイス、およびユーザプレーン機能(UPF)切替方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態はマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システムを提供する。MECシステムは、ユーザ装置(UE)、MECデバイス、およびコアネットワークを含む。MECデバイスは、リレーユーザプレーン機能(UPF)モジュール、第1のUPFモジュール、および第2のUPFモジュールを含む。コアネットワークは、MECデバイスの通知に基づいて、UEに対応するUPF経路管理を実行する。UEがネットワークに接続する(attaches)と、MECデバイスがUEとリレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立する。MECデバイスが、UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、MECデバイスは、先ずUEに必要なサービスを第1のUPFモジュールからリレーUPFモジュールに切り替えることをコアネットワークに通知する。
【0007】
本開示の一実施形態はマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)デバイスを提供する。MECデバイスはリレーユーザプレーン機能(UPF)モジュールおよびアプリケーション機能(AF)モジュールを含む。UEがネットワークに接続すると、AFモジュールはユーザ装置(UE)とリレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立する。加えて、AFモジュールは、UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要するか否かを判断する。AFモジュールが、UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、AFモジュールは、先ずUEに必要なサービスを第1のUPFモジュールからリレーUPFモジュールに切り替えることをコアネットワークに通知する。
【0008】
本開示の一実施形態はユーザ装置(UE)を提供する。UEは受信装置および処理装置を含む。マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)装置が、UEに必要なサービスが第1のユーザプレーン機能(UPF)モジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、受信装置がコアネットワークから第1の指示を受け取り、第1の指示に基づき処理装置がリレーUPFモジュールに切り替えてサービスが実行される。
【0009】
本開示の一実施形態は、ユーザプレーン機能(UPF)の切替方法を提供する。UPF切替方法はマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システムに適用される。UPF切替方法は次のステップを含む。MECシステムのユーザ装置(UE)がネットワークに接続すると、MECシステムのMECデバイスがUEとリレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立する。MECデバイスが、UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、MECデバイスはMECシステムのコアネットワークに、先ずUEに必要なサービスを第1のUPFモジュールからリレーUPFモジュールに切り替えることを通知する。
【0010】
MECシステム、MECデバイス、UEおよびUPF切替方法の特定の実施形態についての以下の記載から、本開示の別の態様および特徴が、当該技術分野において通常の知識を
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面を参照にしながら、以下の詳細な説明を参照することにより、本開示をより十分に理解することができる。
図1】本開示の一実施形態によるマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム100のブロック図である。
図2】本開示の一実施形態によるMECデバイス140およびコアネットワーク150のブロック図である。
図3】本開示の一実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。
図4】本開示の別の実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。
図5】本開示の別の実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。
図6】本開示の一実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載は、本開示を実施するものとして考えられる最良の形態の記載である。この記載は、本開示の基本的な原理を説明する目的でなされるものであり、限定の意味に解釈されてはならない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することにより判断されなければならない。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態によるマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム100のブロック図である。図1に示されるように、MECシステム100は、ユーザ装置(UE)110、第1のアクセスネットワーク120、第2のアクセスネットワーク130、MECデバイス140およびコアネットワーク150を含み得る。なお、図1は、本開示に関連する構成要素のみが図示された簡潔化したブロック図を示しているという点に留意されたい。しかしながら、本開示は、図1に示されたものに限定はされない。
【0014】
本開示の一実施形態によれば、UE110は、スマートフォン、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ページング装置、ノートブック、デスクトップコンピュータ、無線携帯装置または無線通信インターフェースを有する任意の計算装置であり得る。
【0015】
本開示の一実施形態によれば、第1のアクセスネットワーク120は非3GPPアクセスネットワーク、例えばWi-Fiアクセスポイント(AP)であり得るが、本開示はこれに限定されることはない。加えて、本開示の一実施形態によれば、第2のアクセスネットワーク130は3GPPアクセスネットワーク、例えば基地局(例としてgNB)であり得るが、本開示はこれに限定されない。
【0016】
図2は、本開示の一実施形態によるMECデバイス140およびコアネットワーク150のブロック図である。図2に示されるように、MECデバイスは、リレーユーザプレーン機能(UPF)モジュール141、UPFモジュール142、非3GPPインターワーキング機能(N3IWF)モジュール143、制御回路144、アプリケーション機能(AF)モジュール145およびアクセスネットワークサービスモジュール146を含み得る。なお、図2は、本開示に関連する構成要素のみが示された簡潔化したブロック図を示しているという点に留意されたい。しかしながら、本開示は、図2に示されるものに限定されることはない。MECデバイス140はまた、その他の構成要素および機能モジュールを含んでいてもよい。加えて、図2ではUPFモジュール142が1つあるだけであるが、本開示はこれに限定されることはない。MECデバイス140に複数のUPFモジュールが構築されてもよい。各UPFモジュールは1つまたは複数のUEにサービスを提供することができる。さらに、本開示における“UPF”は中間(intermediate)UPF(I-UPF)と見なすことができる。
【0017】
加えて、図2に示されるように、コアネットワーク150は、アクセスおよびモビリティ機能(Access and Mobility Function,AMF)モジュール151、セッション管理機能(Session Management Function,SMF)モジュール152およびネットワークエクスポージャー機能(Network Exposure Function,NEF)モジュール153を含んでいてよい。なお、図2は、本開示に関連する構成要素のみが図示された簡潔化したブロック図を示しているという点に留意されたい。しかしながら、本開示は、図2に示されるものに限定はされない。コアネットワーク150はその他の構成要素および機能モジュールも含み得る。本開示の一実施形態によれば、AMFモジュール151は、UE110の登録および認証動作を管理することができる。SMFモジュール152はUE110のセッションを管理すると共に、UPFモジュールの構成(configurations)および構築(establishments)をコントロールすることができる。SMFモジュール152はN4インターフェースを介してリレーUPFモジュール141およびUPFモジュール142と通信することができる。NEFモジュール153はN33インターフェースを介してAFモジュール145と通信することができる。
【0018】
本開示の一実施形態によれば、UE110は第1のアクセスネットワーク120または第2のアクセスネットワーク130を介してネットワークに接続し、AFモジュール145はNEFモジュール153に、UE110とリレーUPFモジュール141との間にアイドルセッションを確立することを通知し得る。
【0019】
加えて、UE110が第1のアクセスネットワーク120または第2のアクセスネットワーク130を介してネットワークに接続すると、UE110はUPFモジュール142を用いてネットワークエンドとデータ伝送を行うと共に、ネットワークエンドからサービス(アクセスネットワークサービスモジュール146に対応するアプリケーション)を得ることができる。本開示の一実施形態によれば、UE110が3GPPアクセスネットワーク(例えば、第2のアクセスネットワーク130)を介してコアネットワーク150と通信すると、コアネットワーク150はUPFモジュール142を介してUE110と直接通信することができるようになる。本開示の別の実施形態によれば、UE110が非3GPPアクセスネットワーク(例えば、第1のアクセスネットワーク120)を介してコアネットワーク150と通信するとき、UE110はN3IWFモジュール143を介してコアネットワーク150と通信する必要がある。なお、図2中ではUPFモジュール142が1つしかないが、本開示はこれに限定されることはないという点に留意されたい。第1のアクセスネットワーク120または第2のアクセスネットワーク130はそれぞれ異なるUPFモジュールに対応していてよい。
【0020】
本開示の一実施形態によれば、制御回路144はトリガー条件が生じたか否かを判断することができる。本開示の一実施形態によれば、トリガー条件には、UE110にハンドオーバーが実行される必要がある否か、UPFを更新するか否か、UPFリソースを割り当てるか否か、およびスライシングポリシー(slicing policy)がトリガーされるか否かが含まれ得るが、本開示はこれに限定されることはない。
【0021】
本開示の一実施形態によれば、制御回路144が、トリガー条件が生じた(例えば、UE110にハンドオーバーが実行される必要がある)と判断すると、制御回路144はAFモジュール145にトリガー条件が生じたことを通知し得る。AFモジュール145が通知を受け取った後、その通知に基づいて、AFモジュール145は、UE110に必要なサービスがUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えられることを要するか否かを判断し得る。
【0022】
AFモジュール145が、UE110に必要なサービスがUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えられることを要すると判断すると、AFモジュール145は新たなUPFが起動された(または新たなUPFモジュールが存在する)か否かを判断し得る。本開示の一実施形態によれば、新たなUPFが起動されている場合、AFモジュール145は、コアネットワーク150のNEFモジュール153に通知を送って、UE110に必要なサービスをUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えるようコアネットワーク150に指示することができる。
【0023】
本開示の一実施形態によれば、新たなUPFが起動されていない場合、AFモジュール145は、コアネットワーク150のNEFモジュール153に通知を送って、先ずはUE110に必要なサービスをUPFモジュール142からリレーUPFモジュール141に切り替えるようコアネットワーク150のSMFモジュール152に指示することができ、かつAFモジュール145は、新たなUPFが起動されたか否かを引き続き監視し得る。コアネットワーク150のSMFモジュール152がMECデバイス140に新たなUPFモジュールを構築すると、AFモジュール145はコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知を送って、UE110に必要なサービスをリレーUPFモジュール141から新たなUPFモジュールに切り替えるようSMFモジュール152に指示することができる。
【0024】
本開示の一実施形態によれば、新たなUPFモジュールが非3GPPアクセスネットワーク(例えば、第1のアクセスネットワーク120)に対応している場合、AFモジュール145はNEFモジュール153に通知を送って、UE110に必要なサービスをリレーUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替える前に、N3IWFモジュール143によりUE110および新たなUPFに対して認証および暗号化を実行するようSMFモジュール152に指示することができる。
【0025】
加えて、本開示の一実施形態によれば、新たなUPFモジュールが非3GPPアクセスネットワーク(例えば、第1のアクセスネットワーク120)に対応している場合、AFモジュール145がNEFモジュール153に通知を送って、UE110に必要なサービスをUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えるようSMFモジュール152に指示し得る前に、AFモジュール145は先ずUE110がN3IWFモジュール143から切り離されたか否かを判断することができる。UE110がN3IWFモジュール143から切り離されたとき、AFモジュール145はNEFモジュール153に通知を送って、UE110に必要なサービスをUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えるようSMFモジュール152に指示することができ、AFモジュール145は先ずUE110がN3IWFモジュール143から離脱したか否かを判断することができる。UE110がN3IWFモジュール143から離脱している場合、AFモジュール145は通知をNEFモジュール153に送って、UE110に必要なサービスをUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えるようSMFモジュール152に指示することができる。
【0026】
本開示の一実施形態によれば、UE110に必要なサービスが第1のUPFモジュール142から第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ第2のUPFモジュールが起動されていないとき、UE110の受信装置(図示せず)はコアネットワーク150から第1の指示を受信することができ、UE110の処理装置(図示せず)は第1の指示に基づいて先ずはUE110に必要なサービスをリレーUPFモジュールに切り替えることができる。第2のUPFモジュールが起動された後、UE110の受信装置はコアネットワーク150から第2の指示を受信することができ、UE110の処理装置は第2の指示に基づいて先ずはUE110に必要なサービスを第2のUPFモジュールに切り替えることができる。
【0027】
図3は、本開示の一実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。UPF切替方法はMECシステム100に適用され得る。加えて、この実施形態は、UE110が第2のアクセスネットワーク130から第1のアクセスネットワーク120にハンドオーバーされる(つまり、3GPPアクセスネットワークから非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバー)という状況に基づくものである。ステップS310において、UE110がネットワークに接続すると、AFモジュール145は、UE110とリレーUPFモジュール141との間にアイドルセッションを確立することをNEFモジュール153に通知し得る。ステップS320において、制御回路144はトリガー条件が生じたか否かを判断することができる。トリガー条件が生じていなければ、制御回路144は引き続きステップS320を実行し得る。
【0028】
制御回路144が、UE110が第2のアクセスネットワーク130から第1のアクセスネットワーク120へのハンドオーバーを必要とする(つまり、トリガー条件が生じた)と判断すると、ステップS330が実行される。ステップS330において、制御回路144は、UE110のハンドオーバーが実行されることをAFモジュール145に通知し得る。ステップS340において、AFモジュール145は、UE110に必要なサービスが現在のUPFモジュール(つまり、UPFモジュール142)から新たなUPFモジュール(図示せず)に切り替えられることを要とするか否かを判断し得る。UE110に必要なサービスがUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えられることを要しない場合、方法はステップS320に戻る。UE110に必要なサービスがUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えられることを要とする場合、ステップS350が実行される。ステップS350において、AFモジュール145は、新たなUPFモジュールが起動されたか否かを判断し得る(または新たなUPFが存在するか否かを判断し得る)。
【0029】
新たなUPFモジュールが起動されている場合、ステップS360が実行される。ステップS360において、AFモジュール145は、UE110に必要なサービスをUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。新たなUPFモジュールが起動されていない場合、ステップS370が実行される。ステップS370において、AFモジュール145は、先ずUE110に必要なサービスをUPFモジュール142からリレーUPFモジュール141に切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。ステップS380において、AFモジュール145は、新たなUPFモジュールが起動されたか否かを引き続き監視(または判断)することができる。新たなUPFモジュールが起動されていない場合、AFモジュール145は引き続きステップS380を行うことができる。
【0030】
コアネットワーク150のSMFモジュール152がMECデバイス140に新たなUPFモジュールを構築すると、ステップS390が実行される。ステップS390において、AFモジュール145は、UE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されたか否かを判断し得る。具体的には、ステップS390において、SMFモジュール152は先ずUE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されたか否かを判断し、次いでその判断結果をNEFモジュール153に伝送することができる。そして、NEFモジュール153は、SMFモジュール152が生じた判断結果をAFモジュール145に伝送することができる。このようにして、AFモジュール145はUE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されたか否かを判断できるようになる。UE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されていない場合、AFモジュール145は引き続きステップS390を実行し得る。UE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されると、ステップS360が実行される。AFモジュール145は、コアネットワーク150のNEFモジュール153に、UE110に必要なサービスを新たなUPFモジュールに切り替えることを通知し得る。
【0031】
なお、UE110が第2のアクセスネットワーク130から別の3GPPアクセスネットワークにハンドオーバーされる(つまり、3GPPアクセスネットワークから別の3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバー)という状況では、ステップS390が実行される必要はないという点に留意されたい。すなわち、この状況において、コアネットワーク150のSMFモジュール152がMECデバイス140に新たなUPFモジュールを構築すると、AFモジュール145は、UE110に必要なサービスを新たなUPFモジュールに切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に直接通知することができる。
【0032】
図4は、本開示の別の実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。UPF切替方法はMECシステム100に適用され得る。加えて、この実施形態は、UE110が第1のアクセスネットワーク120から第2のアクセスネットワーク130にハンドオーバーされる(つまり、非3GPPアクセスネットワークから3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバー)という状況に基づくものである。ステップS410において、UE110がネットワークに接続すると、AFモジュール145は、UE110とリレーUPFモジュール141との間にアイドルセッションを確立することをNEFモジュール153に通知し得る。ステップS420において、制御回路144はトリガー条件が生じたか否かを判断することができる。トリガー条件が生じていなければ、制御回路144は引き続きステップS420を行うことができる。
【0033】
制御回路144が、UE110が第1のアクセスネットワーク120から第2のアクセスネットワーク130へのハンドオーバーを必要とする(つまり、トリガー条件が生じた)と判断すると、ステップS430が実行される。ステップS430において、制御回路144は、UE110のハンドオーバーが実行されることをAFモジュール145に通知し得る。ステップS440において、AFモジュール145は、UE110に必要なサービスがUPFモジュール142から新たなUPFモジュール(図示せず)に切り替えられることを要するか否かを判断し得る。UE110に必要なサービスがUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えられることを要さない場合、方法はステップS420に戻る。UE110に必要なサービスがUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えられることを要する場合、ステップS450が実行される。ステップS450において、AFモジュール145は、新たなUPFモジュールが起動されたか否かを判断し得る(または新たなUPFが存在するか否かを判断し得る)。
【0034】
新たなUPFモジュールが起動されている場合、ステップS460が実行される。ステップS460において、AFモジュール145は、UE110に必要なサービスをUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。新たなUPFモジュールが起動されていない場合は、ステップS470が実行される。ステップS470において、AFモジュール145は、先ずはUE110に必要なサービスをUPFモジュール142からリレーUPFモジュール141に切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。ステップS480において、AFモジュール145は、新たなUPFモジュールが起動されたか否かを引き続き監視し得る。新たなUPFモジュールが起動されていない場合、AFモジュール145は引き続きステップS480を実行することができる。
【0035】
コアネットワーク150のSMFモジュール152がMECデバイス140に新たなUPFモジュールを構築すると、ステップS490が実行される。ステップS490において、AFモジュール145は、UE110がN3IWFモジュール143から切り離された否かを判断し得る。具体的には、ステップS490において、SMFモジュール152は先ずUE110がN3IWFモジュール143から切り離されたか否かを判断し、次いでその判断結果をNEFモジュール153に伝送することができる。そして、NEFモジュール153は、SMFモジュール152が生じた判断結果をAFモジュール145に伝送することができる。このようにして、AFモジュール145は、UE110がN3IWFモジュール143から切り離されたか否かを判断することができるようになる。UE110がN3IWFモジュール143から切り離されていない場合、AFモジュール145は引き続きステップS490を実行することができる。UE110がN3IWFモジュール143から切り離されている場合、ステップS460が実行される。AFモジュール145は、UE110に必要なサービスを新たなUPFモジュールに切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。
【0036】
なお、UE110が第1のアクセスネットワーク120から別の非3GPPアクセスネットワーク130にハンドオーバーされる(つまり、非3GPPアクセスネットワークから別の非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバー)という状況では、ステップS480とステップS490との間にステップS390を実行することが要されるという点に留意されたい。すなわち、コアネットワーク150のSMFモジュール152がMECデバイス140に新たなUPFモジュールを構築した後、AFモジュール145は、先ずUE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されているか否かを判断し得る。具体的には、SMFモジュール152は、先ずUE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されているか否かを判断してから、その判断結果をNEFモジュール153に伝送することができる。次いで、NEFモジュール153は、SMFモジュール152が生じた判断結果をAFモジュール145に伝送することができる。このようにして、AFモジュール145はUE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されたか否かを判断できるようになる。UE110および新たなUPFモジュールがモジュールN3IWFモジュール143により認証および暗号化されるまで、ステップS490は実行されない。
【0037】
図5は、本開示の別の実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。UPF切替方法はMECシステム100に適用され得る。加えて、本実施形態は、UE110が低優先度のものであるという状況に基づくものである。ステップS510において、UE110がネットワークに接続すると、AFモジュール145は、UE110とリレーUPFモジュール141との間にアイドルセッションを確立することをNEFモジュール153に通知し得る。ステップS520において、制御回路144は、トリガー条件が生じたか否かを判断することができる。トリガー条件が生じていない場合、制御回路144は引き続きステップS520を実行し得る。
【0038】
制御回路144が、高優先度のUE(図示せず)のスライスに対応するUPFモジュール142のリソースが不足している(つまり、トリガー条件が生じた)と判断すると、ステップS530が実行される。ステップS530において、制御回路144は、低優先度のUE110が現在のUPFモジュール(つまり、UPFモジュール142)から除かれる必要があることをAFモジュール145に通知することができる。ステップS540において、AFモジュール145は、新たなUPFモジュールが起動されたか否かを判断することができる(または、新たなUPFが存在するか否かを判断することができる)。
【0039】
新たなUPFモジュールが起動されている場合、ステップS550が実行される。ステップS550において、AFモジュール145は、UE110に必要なサービスをUPFモジュール142から新たなUPFモジュールに切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。新たなUPFモジュールが起動されていない場合、ステップS560が実行される。ステップS560において、AFモジュール145は、先ずUE110に必要なサービスをUPFモジュール142からリレーUPFモジュール141に切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。ステップS570において、AFモジュール145は、新たなUPFモジュールが起動されたか否かを引き続き監視することができる。新たなUPFモジュールが起動されていない場合、AFモジュール145は引き続きステップS570を実行し得る。
【0040】
コアネットワーク150のSMFモジュール152がMECデバイス140に新たなUPFモジュールを構築すると、ステップS580が実行される。ステップS580において、AFモジュール145は、UE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されたか否かを判断し得る。具体的には、ステップS580において、SMFモジュール152は、先ずUE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されたか否かを判断してから、その判断結果をNEFモジュール153に伝送することができる。次いで、NEFモジュール153は、SMFモジュール152が生じた判断結果をAFモジュール145に伝送することができる。このようにして、AFモジュール145は、UE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されたか否かを判断できるようになる。UE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されていない場合、AFモジュール145は引き続きステップS580を実行し得る。UE110および新たなUPFモジュールがN3IWFモジュール143により認証および暗号化されると、ステップS550が実行される。AFモジュール145は、UE110に必要なサービスを新たなUPFモジュールに切り替えることをコアネットワーク150のNEFモジュール153に通知し得る。
【0041】
UPFの更新またはリソースの割当に関するUPF切替方法のステップは、図5に示されているステップと類似する。よって、詳細を繰り返し説明しない。
【0042】
図6は、本開示の一実施形態によるUPF切替方法を説明するフローチャートである。UPF切替方法はMECシステム100に適用され得る。図6に示されるように、ステップS610において、MECシステム100のUEがネットワークに接続すると、MECシステム100のMECデバイスはUEとリレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立することができる。
【0043】
ステップS620において、MECシステム100のMECデバイスが、UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ第2のUPFモジュールが起動されていないと判断すると、MECシステム100のMECデバイスは、先ずUEに必要なサービスを第1のUPFからリレーUPFに切り替えることをMECシステム100のコアネットワークに示す。
【0044】
当該UPF切替方法において、MECシステム100のMECデバイスは、第2のUPFが起動されたか否かを判断し得る。MECシステム100のMECデバイスが、第2のUPFが起動されていると判断すると、MECデバイスは、UEに必要なサービスを第1のUPFから第2のUPFモジュールに切り替えることをMECシステム100のコアネットワークに示すことができる。
【0045】
本開示において提供されるUPF切替方法によれば、UEに必要なサービスが、あるUPFモジュールから別のUPFモジュールに切り替えられることを要するとき、MECデバイスは、先ずUEに必要なサービスをリレーUPFモジュールに切り替えるか否かを判断することができる。よって、本開示において提供されるUPF切替方法では、UEに必要なサービスが、あるUPFモジュールから別のUPFモジュールに切り替えられることを要するとき、UEに必要なサービスの中断が回避され得る。
【0046】
本開示および特許請求の範囲において、“第1”、“第2”、“第3”等のような順序を示す用語は説明のために使用されており、何らかの順序または関係の意味を単独で含むものではない。
【0047】
本明細書に開示された態様に関連して記載された方法のステップは、ハードウェアにおいて直接に、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または両者の組み合わせにおいて具体化され得る。ソフトウェアモジュール(例えば、実行可能命令および関連データを含む)およびその他のデータが、データメモリ、例えばRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当該分野において既知である任意のその他の形式のコンピュータ可読記憶媒体に常駐していてよい。サンプルの記憶媒体は、例えば、コンピュータ/プロセッサ(本明細書においては便宜上“プロセッサ”と称することがある)のような機器に結合することができ、これによりプロセッサは記憶媒体から情報(例えばコード)を読み取り、かつ記憶媒体に情報を書き込むことができるようになる。サンプルの記憶媒体はプロセッサには不可欠なものであり得る。プロセッサおよび記憶媒体はASICに常駐していてよい。ASICはユーザ装置に常駐していてよい。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体がディスクリートコンポーネントとしてユーザ装置に常駐していてもよい。また、いくつかの態様において、任意の適したコンピュータ-プログラム製品が、本開示の1つまたはそれ以上の態様に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含んでいてよい。いくつかの態様において、コンピュータプログラム製品は包装材を含み得る。
【0048】
上の段落は多くの態様について記載している。本開示の教示は、多くの方法により達成され得、かつ、開示された実施形態における任意の特定の構成および機能は、代表的な状態のみを表している。当業者は、本開示において開示された態様の全てが独立して、または組み入れられることにより、実施され得るということを、理解するであろう。
【0049】
例として、かつ好ましい実施形態の観点から本開示を説明したが、本開示はこれに限定されないということが理解されなければならない。当業者は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、様々な変更および修飾を加えることができる。よって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物により定義されると共に保護されるべきである。
【符号の説明】
【0050】
100 マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システム
110 ユーザ装置
120 第1のアクセスネットワーク
130 第2のアクセスネットワーク
140 MECデバイス
142 UPFモジュール
143 N3IWFモジュール
144 制御回路
145 AFモジュール
146 アクセスネットワークサービスモジュール
150 コアネットワーク
151 AMFモジュール
152 SMFモジュール
153 NEFモジュール
S310~S390、S410~S490、S510~S580、S610~S620 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項17
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項17】
マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システムに適用されるユーザプレーン機能(UPF)切替方法であって、
前記MECシステムのユーザ装置(UE)がネットワークに接続すると、前記MECシステムのMECデバイスが前記UEとリレーUPFモジュールとの間にアイドルセッションを確立すること、および
前記UEに必要なサービスが第1のUPFモジュールから第2のUPFモジュールに切り替えられることを要し、かつ前記第2のUPFモジュールが起動されていないと前記MECデバイスが判断すると、前記MECデバイスは、先ず前記UEに必要なサービスを前記第1のUPFモジュールから前記リレーUPFモジュールに切り替えることを前記MECシステムのコアネットワークに通知すること、
を含むUPF切替方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【外国語明細書】