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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124796
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】防振機構
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/04 20060101AFI20230830BHJP
   F16F 3/00 20060101ALI20230830BHJP
   F16F 3/087 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
F16F15/04 F
F16F3/00
F16F3/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191954
(22)【出願日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2022028282
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】近藤 貴士
【テーマコード(参考)】
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
3J048AA01
3J048BA02
3J048BC01
3J048BD01
3J048DA01
3J048EA07
3J048EA13
3J059AE04
3J059BA01
3J059BA11
3J059BA41
3J059BB03
3J059BB04
3J059BC01
3J059BC04
3J059BC06
3J059BD01
3J059GA30
(57)【要約】
【課題】防振性能を確保しつつ、よりコンパクトに設置することが可能な防振機構を提供する。
【解決手段】床面F上に設置される防振機構10であって、床面Fの上方に位置する機器Kと床面Fとの間に配置された中間プレート14と、中間プレート14のうち、床面Fよりも機器Kにより近い位置に設けられた第1部分21と床面Fとの間に配置された第1防振体16と、中間プレート14のうち、機器Kよりも床面Fにより近い位置に設けられた第2部分22と機器Kとの間に配置された第2防振体18と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面上に設置され、前記設置面の上方に位置する機器の動作に由来して発生する振動を抑える防振機構であって、
前記機器と前記設置面との間に配置されたプレートと、
前記プレートのうち、前記設置面よりも前記機器に近い位置に設けられた第1部分と、前記設置面との間に配置された第1防振体と、
前記プレートのうち、前記機器よりも前記設置面に近い位置に設けられた第2部分と、前記機器との間に配置された第2防振体と、
を備える防振機構。
【請求項2】
前記プレートは、折れ曲がり部を有し、
前記折れ曲がり部は、前記プレートにおいて、前記第1部分及び前記第2部分の間に位置し、且つ、前記第1部分及び前記第2部分の各々と交差しており、
前記第1部分、前記第2部分、及び前記折れ曲がり部は、一体化し、且つ連続している、請求項1に記載の防振機構。
【請求項3】
鉛直方向において、前記第1防振体が配置された範囲と、前記第2防振体が配置された範囲と、が重複している、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項4】
前記プレートの上方には、前記機器が有する複数の脚が配置され、
前記複数の脚のうち、隣り合う2つの脚が並ぶ方向において、前記第1防振体及び前記第2防振体の各々が、前記2つの脚よりも外側に位置している、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項5】
前記プレートは、多角形の平面形状を有し、
前記第1部分は、前記プレートの角部分であり、
前記第2部分は、前記プレートにおいて前記角部分に隣り合う部分である、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項6】
前記プレートは、多角形の平面形状を有し、
前記第2部分は、前記プレートの角部分であり、
前記第1部分は、前記プレートにおいて前記角部分に隣り合う部分である、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項7】
前記第1防振体及び前記第2防振体の各々は、弾性体又は粘弾性体によって構成される、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項8】
前記プレートには前記第1部分が複数設けられ、
それぞれの前記第1部分と前記設置面との間に、前記第1防振体が少なくとも1つ配置されている、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項9】
前記プレートには前記第2部分が複数設けられ、
1つ以上の前記第2部分と前記機器との間に、前記第2防振体が少なくとも1つ配置されている、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項10】
前記第1防振体及び前記第2防振体は、鉛直方向において同一の高さを有する、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項11】
前記第1防振体及び前記第2防振体は、鉛直方向において異なる高さを有する、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項12】
前記機器が載置される載置プレートをさらに有し、
前記第2防振体は、前記第2部分と前記載置プレートとの間に挟まれている、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項13】
前記プレートの揺れを抑制する抑制部材をさらに有し、
前記抑制部材は、水平方向において、前記プレートの外縁部と対向する部材と、前記プレートの外縁部との間に挟まれている、請求項1又は2に記載の防振機構。
【請求項14】
前記機器が載置される載置プレートと、前記設置面上に設置される設置プレートと、をさらに有し、
前記載置プレート及び前記設置プレートのうちの少なくとも一方は、前記プレートの外縁部と対向する対向部分を有し、
前記抑制部材は、水平方向において、前記対向部分と前記プレートの外縁部との間に挟み込まれている、請求項13に記載の防振機構。
【請求項15】
前記対向部分及び前記プレートの外縁部のそれぞれは、鉛直方向に沿って延出している、請求項14に記載の防振機構。
【請求項16】
前記載置プレート及び前記設置プレートのそれぞれが前記対向部分を有し、
前記載置プレートの前記対向部分は、水平方向において、前記設置プレートの前記対向部分とは反対側で前記プレートの外縁部と対向し、
前記抑制部材は、
水平方向において、前記載置プレートの前記対向部分と前記プレートの外縁部との間に挟み込まれている第1抑制部材と、
水平方向において、前記設置プレートの前記対向部分と前記プレートの外縁部との間に挟み込まれている第2抑制部材と、を備える、請求項15に記載の防振機構。
【請求項17】
前記抑制部材は、減衰材によって構成されている、請求項13に記載の防振機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振機構に係り、特に、設置面の上方で作動する機器の振動を抑える防振機構に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内において洗濯機等の機器が利用される際、その機器の動作に伴って振動が発生し、特に、鉛直成分を有する振動が発生することがある。このような機器由来の振動が建物の床又は壁等に伝播されると、騒音や揺れが発生する虞がある。その対策として、機器と床面との間に防振機構を設置することは、よく知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、防振機構の一例として、洗濯機用の振動低減装置100が記載されている(図13参照)。振動低減装置100は、振動発生源となる可動体を収納する第1の筐体110と、第1の筐体内にて上記の可動体を支持するダンパー120と、第1の筐体の下方に配置された第2の筐体130と、第1の筐体と第2の筐体との間に配置されて筐体同士を連結する連結部140と、第2の筐体の下方に配置された支持部150とを有する。連結部140及び支持部150は、ゴムやバネ等によって構成される。特許文献1に記載された振動低減装置100によれば、比較的簡易な構成により、床面に伝播する振動を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-139106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の振動低減装置100では、第1の筐体110と、連結部140と、第2の筐体130と、支持部150とが、この順で床面上に積み重なって配置されている。そのため、これらの部品の高さを合計した分の設置スペースを、上下方向(鉛直方向)において確保する必要がある。この場合、防振機構の設置スペースが大きくなり、その分、防振対象の機器が床面(設置面)から離れた位置、すなわち、より上方の位置に置かれるようになり、これにより、防振対象の機器又はその周辺機器の利用に支障をきたす虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、防振性能を確保しつつ、よりコンパクトに設置可能な防振機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、本発明の防振機構によれば、設置面上に設置され、設置面の上方に位置する機器の動作に由来して発生する振動を抑える防振機構であって、機器と設置面との間に配置されたプレートと、プレートのうち、設置面よりも機器により近い位置に設けられた第1部分と、設置面との間に配置された第1防振体と、プレートのうち、機器よりも設置面により近い位置に設けられた第2部分と、機器との間に配置された第2防振体と、を備えることにより解決される。
【0008】
上記のように構成された本発明の防振機構では、設置面と機器との間隔をより小さくすることができる。つまり、本発明の防振機構であれば、防振性能を確保しつつ、設置面と機器との間において、よりコンパクトに設置することができる。
【0009】
また、本発明の防振機構において、プレートは、折れ曲がり部を有し、折れ曲がり部は、プレートにおいて、第1部分及び第2部分の間に位置し、且つ、第1部分及び第2部分の各々と交差してもよい。この場合、第1部分、第2部分、及び折れ曲がり部は、一体化し、且つ連続しているとよい。
上記の構成によれば、プレートの加工又は成形によってプレート内に折り曲げ部を設けることで、プレートにおいて第1部分及び第2部分を容易に設けることができる。
【0010】
また、本発明の防振機構では、鉛直方向において、第1防振体が配置された範囲と、第2防振体が配置された範囲と、が重複していると、より好適である。
上記の構成によれば、設置面と機器との間隔をより小さくすることができ、設置面と機器との間において、防振機構をよりコンパクトに設置することができる。
【0011】
また、本発明の防振機構において、プレートの上方には、機器が有する複数の脚が配置され、複数の脚のうち、隣り合う2つの脚が並ぶ方向において、第1防振体及び第2防振体の各々が、2つの脚よりも外側に位置しているとよい。
上記の構成によれば、第1防振体及び第2防振体の各々に機器の荷重が適切に作用するため、防振機構が良好に防振性能を発揮できる。
【0012】
また、本発明の防振機構において、プレートは、多角形の平面形状を有し、第1部分は、プレートの角部分であり、第2部分は、プレートにおいて角部分に隣り合う部分でもよい。
あるいは、プレートは、多角形の平面形状を有し、第2部分は、プレートの角部分であり、第1部分は、プレートにおいて角部分に隣り合う部分であってもよい。
上記の構成によれば、第1防振体及び第2防振体のうちの一方が、プレートの角部分に配置され、他方が角部分の周辺に配置されるため、防振機構の防振性能がより良好に発揮される。
【0013】
また、本発明の防振機構において、第1防振体及び第2防振体の各々は、弾性体又は粘弾性体によって構成されてもよい。
上記の構成によれば、第1防振体及び第2防振体が比較的簡単な構造であるため、防振機構の構成をより簡素なものとすることができる。
【0014】
また、本発明の防振機構において、プレートには第1部分が複数設けられ、それぞれの第1部分と設置面との間に、第1防振体が少なくとも1つ配置されてもよい。
上記の構成によれば、複数の第1部分のそれぞれに対して、1つ以上の第1防振体が割り当てられるため、機器の荷重を複数の第1防振体に分散させることができ、これにより、防振機構の防振性能がより良好に発揮される。
【0015】
また、本発明の防振機構において、プレートには第2部分が複数設けられ、1つ以上の第2部分と機器との間に、第2防振体が少なくとも1つ配置されてもよい。
上記の構成によれば、1つ以上の第2部分に対して、1つ以上の第2防振体が割り当てられるため、機器の荷重を複数の第2防振体に分散させることができ、これにより、防振機構の防振性能がより良好に発揮される。
【0016】
また、本発明の防振機構において、第1防振体及び第2防振体は、鉛直方向において同一の高さを有してもよい。この場合には、第1防振体及び第2防振体を同じ仕様(サイズ)とすることができ、第1防振体と第2防振体とを使い分ける手間が不要となる分、防振機構の設置作業がより簡単になる。
あるいは、第1防振体及び第2防振体は、鉛直方向において異なる高さを有してもよい。この場合には、防振機構を設置する際に、第1防振体及び第2防振体を容易に見分けることができる。
【0017】
また、本発明の防振機構において、機器が載置される載置プレートをさらに有し、第2防振体は、第2部分と載置プレートとの間に挟まれてもよい。
上記の構成によれば、機器由来の振動が載置プレートを通じて第2防振体に伝達されるため、第2防振体が適切に振動を受けるため、防振機構の防振性能がより良好に発揮される。
【0018】
また、本発明の防振機構において、プレートの揺れを抑制する抑制部材をさらに有し、抑制部材は、水平方向において、プレートの外縁部と対向する部材と、プレートの外縁部との間に挟まれてもよい。
上記の構成によれば、機器の作動に伴って生じるプレートの揺れを適切に抑えることができる。
【0019】
また、本発明の防振機構において、機器が載置される載置プレートと、設置面上に設置される設置プレートと、をさらに有し、載置プレート及び設置プレートのうちの少なくとも一方は、プレートの外縁部と対向する対向部分を有してもよい。この場合、抑制部材は、水平方向において、上記の対向部分とプレートの外縁部との間に挟み込まれているとよい。
上記の構成によれば、抑制部材を適切に配置することができるので、機器の作動に伴って生じるプレートの揺れをより適切に抑えることができる。
【0020】
また、本発明の防振機構において、上記の対向部分及びプレートの外縁部のそれぞれは、鉛直方向に沿って延出していると好適である。
上記の構成によれば、上記の対向部分及びプレートの外縁部の間に抑制部材を適切に挟み込むことができるので、機器の作動に伴って生じるプレートの揺れをより一層適切に抑えることができる。
【0021】
また、本発明の防振機構において、載置プレート及び設置プレートのそれぞれが対向部分を有し、載置プレートの対向部分は、水平方向において、設置プレートの対向部分とは反対側でプレートの外縁部と対向してもよい。抑制部材は、水平方向において、前記載置プレートの前記対向部分と前記プレートの外縁部との間に挟み込まれている第1抑制部材と、水平方向において、前記設置プレートの前記対向部分と前記プレートの外縁部との間に挟み込まれている第2抑制部材と、を備えると好適である。
上記の構成によれば、第1抑制部材及び第2抑制部材によって、機器の作動に伴って生じるプレートの揺れをさらに適切に抑えることができる。
【0022】
また、本発明の防振機構において、抑制部材は、減衰材によって構成されているとよい。
上記の構成によれば、減衰材からなる抑制部材によって、機器の作動に伴って生じるプレートの揺れを抑えるとともに、機器由来の振動を低減することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、防振性能を確保しつつ、よりコンパクトに設置することが可能な防振機構が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る防振機構及び防振対象の機器を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る防振機構の機器分解図である。
図3】本発明の一実施形態に係る防振機構の平面図であり、各防振体の配置位置を示す図である。
図4】本発明の第1変形例に係る防振機構の平面図であり、各防振体の配置位置を示す図である。
図5】本発明の第1変形例に係る防振機構の図である。
図6】本発明の第2変形例に係る防振機構の平面図であり、各防振体の配置位置を示す図である。
図7】本発明の第2変形例に係る防振機構の図である。
図8】本発明の第3変形例に係る防振機構の平面図であり、各防振体の配置位置を示す図である。
図9】本発明の第3変形例に係る防振機構の図である。
図10】本発明の第4変形例に係る防振機構の図である。
図11】本発明の第5変形例に係る防振機構の図である。
図12】本発明の第5変形例に係る防振機構の効果についての説明図であり、抑制部材を備えない防振機構の構成を示す図である。
図13】従来例に係る防振機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、図1、5、7、9及び10は、防振機構及び防振対象の機器を正面側から見た図であるが、防振機構については、その断面(詳しくは、図3のI-I面に相当する切断面)を示している。
また、図3、4、6及び8は、載置プレートを外した状態の防振機構を上方から見た図であり、これらの各図においては、本来、防振対象の機器の脚が図示できないが、防振機構の各部品と機器の脚との位置関係を示すため、便宜上、機器の脚を黒丸にて図示している。また、中間プレート14の下方に位置する第1防振体16を、破線にて表している。
また、各図では、説明を分かり易くするために幾分簡略化及び模式化して各部材を図示している。また、図中に示す各部材のサイズ(寸法)及び部材間の間隔等についても、実際のものとは異なっている。
【0026】
また、以下の説明において、「平面視」とは、鉛直方向において対象の部材を真上から見ることを意味し、「平面形状」とは、対象の部材を平面視したときの当該部材の形状を意味する。
また、以下の説明において、「同じ」及び「同一」という文言には、本発明が属する技術分野で一般的に許容される誤差の範囲が含まれ得る。
また、以下の説明では、特に断る場合を除き、各機器又は各部材を使用している状況(換言すると、本発明を実施している状況)を想定し、その状況での各機器又は各部材の位置、形状及び状態等について説明することとする。
【0027】
<<本実施形態に係る防振機構について>>
本実施形態の防振機構(以下、防振機構10)は、住宅又は施設等の建物内で使用され、図1に示すように、設置面と防振対象の機器(以下、機器K)との間に配置される。
設置面は、例えば、機器Kが配置される部屋の床面、又は床面上に載置された台の上面であり、平坦(フラット)な面であり、水平方向に展開している。以下では、設置面が床面Fであるケースを想定して説明することとする。
【0028】
機器Kは、床面Fの上方に位置した状態で利用され、具体的には、防振機構10上に載せられた状態で作動する。機器Kは、内部に振動源を備え、機器Kが作動すると、振動源の動きに起因する振動が発生する。一例を挙げて説明すると、機器Kは、ドラム式洗濯機、より詳しくは、横型ドラム式洗濯機であり、振動源としての回転ドラムDを筐体C内に有する(図1参照)。回転ドラムDは、洗濯機の動作中、鉛直方向と直交する回転軸を中心に回転する。この回転ドラムDの回転により、振動、特に鉛直成分を有する振動が発生する。この振動は、機器Kの動作に由来して発生する振動であり、以下では、「機器由来の振動」と呼ぶこととする。
【0029】
横型ドラム式洗濯機である機器Kは、公知の機器と同じ構成であり、下部に4本の脚Lを備える。4本の脚Lは、機器Kを底側から見た際に、長方形における4つの頂点の位置に設けられている(図3参照)。
なお、機器Kは、横型ドラム式洗濯機に限定されず、鉛直方向に対して傾斜した回転軸を中心に回転する洗濯槽を有する斜めドラム式の洗濯機であってもよい。また、機器Kは、洗濯機に限定されず、鉛直方向と交差する回転軸を中心に回転する回転体を内部に備え、この回転体の回転動作に起因した振動(特に、鉛直成分の振動)を発生させるものであれば、洗濯機以外の機器でもよい。
【0030】
防振機構10は、床面F上に設置され、機器由来の振動を抑えるものであり、図1及び2に示すように、載置プレート12と、中間プレート14と、第1防振体16と、第2防振体18とを有する。防振機構10では、鉛直方向において、上方から、載置プレート12、第2防振体18、中間プレート14、及び第1防振体16が、この順で重ねられており、換言すると、直列状態で並べられている。
【0031】
載置プレート12は、機器Kが載置される板材であり、詳しくは、機器Kの脚Lが載置プレート12の上面に載せられる。本実施形態に係る載置プレート12は、図2に示すように、外縁が方形をなし、中央部には矩形状の穴が打ち抜かれている。ただし、載置プレート12の形状は、特に限定されず、中央部が打ち抜かれていなくてもよい。なお、載置プレート12は、防水パンとして兼用されてもよい。
【0032】
中間プレート14は、鉛直方向において、機器Kと床面Fとの間に配置された板材(プレート)であり、詳しくは、図1に示すように、載置プレート12よりも下方に位置し、第1防振体16と第2防振体18との間に介在する。中間プレート14は、図2に示すように、平面視で方形をなし、中央部には矩形状の穴が打ち抜かれている。つまり、中間プレート14は、多角形(詳しくは、長方形)の平面形状を有し、4つの角部分を備える。なお、中間プレート14の平面形状は、多角形であれば、特に限定されず、長方形以外の四角形、あるいは四角形以外の多角形でもよい。
【0033】
平面視での中間プレート14のサイズは、平面視での載置プレート12のサイズと略同一である。そして、防振機構10を平面視した際に中間プレート14の外縁と載置プレート12の外縁とが一致するように、中間プレート14及び載置プレート12が上下方向に重ねられて配置される(図1参照)。
【0034】
本実施形態において、中間プレート14は、一枚の木板、金属板又は樹脂プレートからなり、換言すると、中間プレート14の各部分(詳しくは、後述する第1部分21、第2部分22、折れ曲がり部分23)は、一体化し、且つ連続している。ただし、これに限定されるのではなく、複数の板片を1つのプレートとなるように接合して中間プレート14を構成してもよい。
【0035】
また、中間プレート14は、角部分周辺で折り曲げられることで、図2に示すような三次元形状を有する。詳しく説明すると、中間プレート14が備える4つの角部分のそれぞれは、平面視で方形状の部分であり、それぞれの角部分における四辺のうち、内側(載置プレート12の中央により近い側)で互いに直交する二辺に相当する箇所に折れ曲がり部分23を有する。折れ曲がり部分23は、鉛直方向に延出し、中間プレート14の上面及び下面に対して直交する。
【0036】
中間プレート14では、各角部分がそれ以外の部分よりも上方に位置するように折れ曲がり部分23が設けられている。これにより、中間プレート14において、4つの角部分のそれぞれが、床面Fよりも機器Kにより近い位置に設けられた部分(以下、第1部分21)となる。また、中間プレート14において、角部分以外の部分、つまり、角部分と隣り合う部分が、機器Kよりも床面Fにより近い位置に設けられた部分(以下、第2部分22)となる。
【0037】
第1部分21及び第2部分22は、いずれも水平方向に延出した水平部分である。第1部分21及び第2部分22は、折れ曲がり部分23を挟んで互いに反対側に位置している。すなわち、折れ曲がり部分23は、中間プレート14において、第1部分21及び第2部分22の間に位置し、且つ、第1部分21及び第2部分22の各々と交差(厳密には、略直交)している。
【0038】
折れ曲がり部分23の高さ、換言すると、第1部分21と第2部分22との高低差は、第1防振体16及び第2防振体18の各々の厚みや剛性(硬さ)に応じて適切な寸法に設計されるとよい。
【0039】
第1防振体16は、図1に示すように、鉛直方向において、中間プレート14の第1部分21と床面Fとの間に配置される部材である。本実施形態では、中間プレート14には第1部分21が複数(例えば、4つ)設けられ、それぞれの第1部分21と床面Fとの間に、第1防振体16が1つずつ配置されている。また、本実施形態では、各第1防振体16が、第1部分21の下面及び床面Fに接し、第1部分21と床面Fとの間に挟まれた状態で配置されている。
【0040】
なお、それぞれの第1部分21と床面Fとの間に配置される第1防振体16の個数は、少なくとも1つであればよく、2つ以上でもよい。
【0041】
第2防振体18は、図1に示すように、鉛直方向において、中間プレート14の第2部分22と機器Kとの間に配置される部材である。本実施形態では、中間プレート14には第2部分22が複数(例えば、4つ)設けられ、そのうち、対角位置にある2つの第2部分22と機器Kとの間に、第2防振体18が2つずつ配置される。本実施形態では、図3に示すように、中間プレート14の各角部分に配置された第1防振体16に対して1つの第2防振体18が隣り合うように、複数(具体的には4つ)の第2防振体18が配置されている。
【0042】
また、本実施形態では、各第2防振体18が、第2部分22の上面及び載置プレート12の下面に接し、第2部分22と載置プレート12との間に挟まれた状態で配置されている。第2防振体18が配置された状態では、図1に示すように、鉛直方向において、載置プレート12が中間プレート14(詳しくは、第1部分21)よりも上方に位置し、中間プレート14から幾分離れた位置に配置される。
【0043】
なお、第2部分22と機器Kとの間に配置される第2防振体18の個数は、少なくとも1つであればよく、2つ以上でもよい。また、複数の第2部分22のうち、1つ以上の第2部分22と機器Kとの間に第2防振体18が配置されればよく、例えば、複数の第2部分22のそれぞれと機器Kの間に第2防振体18が配置されてもよい(図7、9参照)。また、第2防振体18と第2部分22との間、及び/又は第2防振体18と載置プレート12との間に、合板等からなるスペーサ(不図示)が差し込まれてもよい。
【0044】
第1防振体16及び第2防振体18の各々は、弾性体又は粘弾性体によって構成される。これにより、第1防振体16及び第2防振体18が比較的簡単な構造となり、防振機構10の構成がより簡素なものとなる。弾性体としては、スプリングばね及び板ばね等が利用可能である。粘弾性体としては、防振ゴム、防振性を有するプラスチック材、若しくはその他の高分子材料等が利用可能である。ただし、これらの材料に限定されるものではなく、機器K(厳密には載置プレート12)と床面Fとの間に配置されて防振性能を発揮するものであれば、上記以外の材料で防振体が構成されてもよい。
【0045】
また、第1防振体16及び第2防振体18は、同じ材料によって構成されてもよく、あるいは、互いに異なる材料によって構成されてもよい。
【0046】
また、第1防振体16及び第2防振体18の各々は、鉛直方向において、厚み(高さ)を有する。複数の第1防振体16のそれぞれの厚みは、第1防振体16間で揃っており、また、複数の第2防振体18のそれぞれの厚みは、第2防振体18間で揃っている。第1防振体16及び第2防振体18の各々の厚みは、機器Kの作動中に生じる機器荷重が各防振体に対して作用した際の変形量、つまり振動時の沈み込み量に応じて適切な厚みに設計されるとよい。
【0047】
また、第1防振体16及び第2防振体18は、互いに同一の厚み(高さ)を有してもよい。この場合、第1防振体16及び第2防振体18として、同じ仕様(サイズ)の部品、より具体的には同じ種類の部品を用いることができる。これにより、防振機構10を設置する際には、第1防振体16と第2防振体18とを使い分ける手間が不要となり、その分、防振機構10の設置作業がより簡単になる。
【0048】
あるいは、第1防振体16及び第2防振体18は、互いに異なる厚み(高さ)を有してもよい。この場合には、防振機構10を設置する際に、第1防振体16及び第2防振体18を容易に見分ける(使い分ける)ことができる。
【0049】
なお、一つの第1防振体16は、一部品によって構成されてもよく、又は、複数の部品を組み合わせて(例えば、積層体の形態で)構成されてもよい。同様に、第2防振体18の各々は、一部品によって構成されてもよく、又は、複数の部品を組み合わせて(例えば、積層体の形態で)構成されてもよい。
【0050】
上述したように、防振機構10では、第1防振体16と第2防振体18とが鉛直方向に並べて(直列に)配置されている。具体的には、中間プレート14の下方に第1防振体16が配置され、中間プレート14の上方に第2防振体18が配置される。このように鉛直方向に複数の防振体を直列状態で並べることで良好な防振性能を確保することができる。
【0051】
また、中間プレート14には、鉛直方向において互いに異なる位置に第1部分21と第2部分22とが設けられており、第1部分21と床面Fとの間に第1防振体16が配置され、第2部分22と機器Kとの間に第2防振体18が配置される。これにより、従来よりもコンパクトに防振機構10が設置することができ、具体的には、防振機構10の設置に必要な床面Fと機器Kとの間隔(スペース)をより小さくすることができる。
【0052】
より詳しく説明すると、従来の防振機構(例えば、図13に示す振動低減装置100)では、機器の筐体110と、連結部140と、第2の筐体130と、支持部150とが、この順で床面F上に積み重なって配置されている。ここで、第2の筐体130において、連結部140が載る上面と、支持部150と接する下面とは、それぞれ平坦面である。したがって、振動低減装置100の設置スペースとしては、連結部140、第2の筐体130、及び支持部150のそれぞれの高さを足し合わせた分の空間(隙間)を、床面Fと機器の筐体110との間に確保する必要がある。
【0053】
つまり、従来の防振機構では、複数の防振体(具体的には、連結部140及び支持部150)を単純に上下に重ねた構成であり、その分、鉛直方向において防振機構の設置スペースが大きくなる。そして、防振機構の設置スペースが大きくなることで、防振対象の機器が床面Fから離れ、より上方の位置に置かれるようになる。この結果、その機器又は周辺機器の利用に支障をきたし、例えば、機器がその上方に配置された棚等と干渉したり、あるいは、機器の配置位置が上昇することで給水ホース又は配管等を機器に繋ぎ込み難くなる場合がある。
【0054】
これに対して、本実施形態では、図1に示すように、中間プレート14を折り曲げて、異なる高さの第1部分21及び第2部分22を設けることで、鉛直方向において、第1防振体16を機器K側に近付け、第2防振体18を床面F側に近付けている。換言すると、鉛直方向において、第1防振体16が配置された範囲と、第2防振体18が配置された範囲とが重複している。ここで、「第1防振体16が配置された範囲と、第2防振体18が配置された範囲とが重複する」とは、第1防振体16の一部(第1防振体16の上端から所定の範囲に渡った部分)と、第2防振体18の一部(第2防振体18の下端から所定の範囲に渡った部分)とが、鉛直方向において同じ位置に配置されていることである。
【0055】
以上により、本実施形態では、第1防振体16と第2防振体18とを上下に並べて(直列に)配置しながらも、第1防振体16及び第2防振体18の配置スペース、すなわち機器Kと床面Fとの間隔を小さくすることができる。この結果、防振機構10をよりコンパクトに設置することができる。例えば、本実施形態では、上記の効果により、一般的な洗濯機を防振対象の機器Kとする場合の防振機構10の高さ、換言すると、機器Kと床面Fとの間隔を200mm程度以下に設定することができる。
【0056】
また、本実施形態では、第1防振体16及び第2防振体18が平面視で図3に示す位置に配置されている。より具体的に説明すると、機器Kが有する複数の脚Lのうち、隣り合う2つの脚Lが並ぶ方向、例えば、機器Kの前後方向において、第2防振体18が2つの脚Lよりも外側に位置している。ここで、「2つの脚Lよりも外側に位置する」とは、2つの脚Lよりも中間プレート14の外縁により近い位置にあることを意味する。
また、機器Kの前後方向において、第1防振体16が、前後に並ぶ2つの脚Lよりも外側に位置しており、且つ、機器Kの横幅方向において、第1防振体16が、機器Kの横幅に沿って2つの脚Lよりも外側に位置している。
【0057】
各防振体16、18と機器Kの脚Lとが上記の位置関係であることにより、第1防振体16及び第2防振体18の各々に機器の荷重が適切に作用し、この結果、防振機構10の防振性能が良好に発揮されるようになる。
【0058】
<<その他の実施形態について>>
以上までに、本発明の防振機構に関する一実施形態を例に挙げて説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【0059】
上記の実施形態では、中間プレート14の角部分が第1部分21であり、中間プレート14において角部分に隣り合う部分が第2部分22であることとした。つまり、上記の実施形態では、図1及び3に示すように、中間プレート14の角部分に第1防振体16が配置され、角部分付近に第2防振体18が配置されることとした。このような構成であれば、第1防振体16及び第2防振体18が、それぞれ、中間プレート14の角部分及びその周辺に配置されるため、防振機構10の防振性能が良好に発揮される。
一方、中間プレート14における第1部分21及び第2部分22の配置位置は、上記の位置に限定されない。例えば、図4及び5に示すように、第2部分22が中間プレート14の角部分であり、第1部分21が、中間プレート14において角部部分に隣り合う部分であってもよい。つまり、中間プレート14の角部分に第2防振体18が配置され、角部分付近に第1防振体16が配置されることとした。このような構成であっても、防振機構10の防振性能が良好に発揮される。
【0060】
また、図1及び3に示す構成では、中間プレート14における各角部分に配置された1つの第1防振体16に対して、1つの第2防振体18が隣り合うように配置されるが、図6及び7に示すように、1つの第1防振体16に対して、複数(例えば、2つ)の第2防振体18が隣り合うように配置されてもよい。なお、図6及び7に示す構成では、図1及び3に示す構成に比べて、第2防振体18の個数が増えるので、1つあたりの第2防振体18のサイズ(平面視でのサイズ)を小型化してもよい。
【0061】
また、図8及び9に示すように、1つの第2防振体18に対して、複数(例えば、2つ)の第1防振体16が隣り合うように配置されてもよい。なお、図8及び9に示す構成では、図4及び5に示す構成に比べて、第1防振体16の個数が増えるので、1つあたりの第1防振体16のサイズ(平面視でのサイズ)を小型化してもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、機器K(厳密には載置プレート12)と床面Fとの間に中間プレート14が1つ配置されていることとしたが、これに限定されるものではなく、図10に示すように、複数の中間プレート14が機器Kと床面Fとの間に配置されてもよい。この場合、中間プレート14、第1防振体16及び第2防振体18のセットが、上下に複数組設けられるとよい。つまり、各中間プレート14は、第1部分21及び第2部分22を有し、第1部分21と床面Fとの間には第1防振体16が配置され、第2部分22と機器Kとの間には第2防振体18が配置されるとよい。また、第1防振体16は、第1部分21と床面Fとの間、あるいは、第1部分21と直下に位置する中間プレート14との間に挟まれた状態で配置されるとよい。また、第2防振体18は、第2部分22と載置プレート12との間、あるいは、第2部分22と直上に位置する中間プレート14との間に挟まれた状態で配置されるとよい。
【0063】
また、中間プレート14、第1防振体16及び第2防振体18に加えて、図11に示す抑制部材30を備える防振機構10Xも考えられる。抑制部材30は、中間プレート14の揺れを抑制する目的で設置され、図11に示すように、水平方向において、中間プレート14の外縁部と対向する部材と、中間プレート14の外縁部との間に挟まれている。これにより、中間プレート14及びその上方に位置する各部材の揺れを抑えることができる。
【0064】
図11に示す防振機構10X(以下、単に防振機構10Xという)の構成について詳しく説明すると、防振機構10Xは、床面F上に設置される設置プレート40を有する。設置プレート40は、平面視で矩形又は方形状の板材であり、その上面には第1防振体16が載せられる。すなわち、防振機構10Xでは、鉛直方向において、第1防振体16が設置プレート40と中間プレート14の第1部分21との間に挟まれている。
【0065】
また、防振機構10Xでは、図11に示すように、載置プレート12、中間プレート14、及び設置プレート40の各々の外縁部が垂直に折れ曲がって鉛直方向に延出している。具体的に説明すると、中間プレート14の外縁部24、より詳しくは中間プレート14において第1部分21の外側に位置する部分は、第1部分21と略直交するように折れ曲がり、鉛直方向に沿って下側に延出してリブを形成している。
【0066】
また、設置プレート40の外縁部40aは、図11に示すように、外縁部40aより内側にある平坦部分に対して略垂直に立ち上がっており、鉛直方向に沿って上側に延出してリブを形成している。また、設置プレート40の外縁部40aは、水平方向において、中間プレート14の外縁部24(詳しくは、設置プレート40の外縁部40aと隣り合う外縁部24)よりも内側、すなわち第2部分22側に配置されている。さらに、設置プレート40の外縁部40aは、図11に示すように、その上端が鉛直方向において中間プレート14の外縁部24の下端より上方位置に至るように延出している。したがって、設置プレート40の外縁部40aは、水平方向において、中間プレート14の外縁部24よりも内側の位置で当該外縁部24と対向している。つまり、設置プレート40は、水平方向において中間プレート14と対向する部材に相当し、設置プレート40の外縁部24は、中間プレート14の外縁部24と対向する対向部分をなしている。
【0067】
また、載置プレート12の外縁部12aは、図11に示すように、外縁部12aより内側にある平坦部分に対して略垂直に下がっており、鉛直方向に沿って下側に延出してリブを形成している。また、載置プレート12の外縁部12aは、水平方向において、中間プレート14の外縁部24(詳しくは、載置プレート12の外縁部12aと隣り合う外縁部24)よりも外側、すなわち第2部分22からより離れている側に配置されている。さらに、載置プレート12の外縁部12aは、図11に示すように、その下端が鉛直方向において中間プレート14の外縁部24の下端と同じ位置に至るように延出している。したがって、載置プレート12の外縁部12aは、水平方向において、中間プレート14の外縁部24よりも外側の位置、換言すると、設置プレート40の外縁部40aとは反対側で中間プレート14の外縁部24と対向している。つまり、載置プレート12は、水平方向において中間プレート14と対向する部材に相当し、載置プレート12の外縁部24は、中間プレート14の外縁部24と対向する対向部分をなしている。
【0068】
抑制部材30は、図11に示すように、第1抑制部材31と第2抑制部材32とを備えて構成されている。第1抑制部材31は、水平方向において、載置プレート12の外縁部12a(対向部分)と中間プレート14の外縁部24との間に挟み込まれている。第2抑制部材32は、水平方向において、設置プレート40の外縁部40a(対向部分)と中間プレート14の外縁部24との間に挟み込まれている。
【0069】
第1抑制部材31及び第2抑制部材32の各々は、減衰材によって構成されている。それぞれの抑制部材30を構成する減衰材は、粘弾性体からなり、具体的には、ゴム、エラストマー等からなる。
また、それぞれの抑制部材30の厚みは、載置プレート12の外縁部12aと中間プレート14の外縁部24との隙間の大きさ、及び、設置プレート40の外縁部40aと中間プレート14の外縁部24との隙間の大きさに応じて適宜設定されるとよい。また、第1抑制部材31の高さ(鉛直方向の長さ)は、鉛直方向において載置プレート12の外縁部12a及び中間プレート14の外縁部24の双方が存在する範囲の長さに応じて適宜設定されるとよい。同様に、第2抑制部材32の高さ(鉛直方向の長さ)は、鉛直方向において設置プレート40の外縁部40a及び中間プレート14の外縁部24の双方が存在する範囲の長さに応じて適宜設定されるとよい。
【0070】
以上のように構成された防振機構10Xでは、上述の抑制部材30を備えることにより、中間プレート14及びその上方に位置する各部材の揺れ(以下、説明の便宜上、中間プレート14の揺れという)を抑えることができる。中間プレート14の揺れとは、機器Kの作動に伴って生じる揺れである。より詳しく説明すると、横型ドラム式洗濯機である機器Kが作動すると、図12に示すように、機器K、中間プレート14、及びこれらの間に配置された載置プレート12と第2防振体18が、機器K内の回転機器の回転軸を中心にして時計回り又は反時計回りに揺動する。この挙動(揺動)が中間プレート14の揺れに該当する。
【0071】
防振機構10Xでは、抑制部材30により、中間プレート14の揺れを減衰させ、特に鉛直方向の揺れを抑えることができる。また、抑制部材30の振動減衰効果により、機器由来の振動(鉛直方向の振動)を低減することができる。これにより、防振機構10Xの防振性能をより一層向上させることができる。
なお、上記の観点から、抑制部材30(厳密には、第1抑制部材31及び第2抑制部材32の各々)の減衰係数は、第1防振体16及び第2防振体18のそれぞれの減衰係数よりも大きいことが好ましい。
【0072】
また、図11に示す防振機構10Xの構成では、載置プレート12の外縁部12a、及び設置プレート40の外縁部40aのそれぞれが、中間プレート14の外縁部24と対向しており、それぞれの外縁部同士の隙間に抑制部材30が挟み込まれていることとした。しかし、これに限定されず、載置プレート12及び設置プレート40のいずれか一方の外縁部のみが中間プレート14の外縁部24と対向し、その間に抑制部材30が挟み込まれてもよい。ただし、抑制部材30によって中間プレート14の揺れをより効果的に抑えることができる点においては、図11に示す防振機構10Xの構成がより好ましい。
【0073】
また、水平方向において中間プレート14の外縁部24と対向する部材は、載置プレート12及び設置プレート40に限定されず、他の部材、例えば、機器Kが設置されている部屋の壁でもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 防振機構
12 載置プレート
12a 外縁部(対向部分)
14 中間プレート(プレート)
16 第1防振体
18 第2防振体
21 第1部分
22 第2部分
23 折れ曲がり部分
24 外縁部
30 抑制部材
31 第1抑制部材
32 第2抑制部材
40 設置プレート
40a 外縁部(対向部分)
100 振動低減装置
110 筐体
120 ダンパー
130 第2の筐体
140 連結部
150 支持部
C 筐体
D 回転ドラム
F 床面(設置面)
K 機器
L 脚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13