(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124893
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】防臭装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20230831BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20230831BHJP
A01K 1/01 20060101ALI20230831BHJP
B65F 7/00 20060101ALN20230831BHJP
【FI】
A61L9/00 C
B01D53/26 100
A01K1/01 801H
B65F7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028748
(22)【出願日】2022-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】300093179
【氏名又は名称】株式会社 ユニプラン
(71)【出願人】
【識別番号】000110125
【氏名又は名称】トキワ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149696
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正明
【テーマコード(参考)】
2B101
3E025
4C180
4D052
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
2B101BB09
3E025CA11
3E025CA13
3E025DF03
3E025EA01
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3E025EB07
4C180AA02
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4D052AA09
4D052BA04
4D052BA06
4D052BB01
4D052BB08
4D052GA01
4D052GB08
(57)【要約】
【課題】収容体内に収容されている臭気発生源からの臭気の拡散を防ぐ防臭装置を提供する。
【解決手段】防臭装置(1)は、臭気発生源を収容する収容体(10)に接続される空気循環路と、収容体の内部閉鎖空間内の空気を当該空気循環路に取り出してその内部閉鎖空間内に戻すよう循環させる循環送風機(11)と、当該空気循環路に設けられており、循環する空気を除湿する除湿部(12)と、当該空気循環路における除湿部よりも下流に設けられており、循環する空気から臭い成分を除去する消臭部(13、14)とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭気発生源を収容する収容体に接続される空気循環路と、
前記収容体の内部閉鎖空間内の空気を前記空気循環路に取り出して該内部閉鎖空間内に戻すよう循環させる循環送風機と、
前記空気循環路に設けられており、循環する空気を除湿する除湿部と、
前記空気循環路における前記除湿部よりも下流に設けられており、循環する空気から臭い成分を除去する消臭部と、
を備える防臭装置。
【請求項2】
前記除湿部は、
前記空気循環路に突出しており、循環する空気に含まれる水分が付着可能に形成されている突出部を含み、
前記突出部を氷点下となるように冷却する第一動作モード又は前記突出部を氷点下よりも高くして前記突出部に付着した氷を融解させる第二動作モードに切替え可能に構成されており、
前記除湿部が前記第二動作モードで動作する際には、前記循環送風機が停止されている、
請求項1に記載の防臭装置。
【請求項3】
前記除湿部及び前記消臭部を内部に収容している本体部、
を更に備え、
前記本体部において、前記除湿部及び前記消臭部は、前記空気循環路を循環する空気が前記除湿部では下方に向けて流れ前記消臭部では上方に向けて流れるように、横並びに配置されており、
前記消臭部は、光触媒及び光源を有する光触媒部と、粒状の他の触媒が集積された粒状触媒部とを含み、
前記本体部内において、前記光触媒部及び前記粒状触媒部は上下方向に積み重ねられている、
請求項1又は2に記載の防臭装置。
【請求項4】
前記空気循環路における前記消臭部の上方に設けられたHEPAフィルタ、
を更に備え、
前記循環送風機は、前記消臭部の下方に配置されており、
前記空気循環路は、前記循環送風機が動作している状態においては、該空気循環路における該循環送風機から前記HEPAフィルタ間の静圧が該循環送風機の上流側よりも高くなるように形成されている、
請求項3に記載の防臭装置。
【請求項5】
前記収容体の上方開口を閉鎖可能な蓋部の開閉状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記蓋部の開閉状態に基づいて、前記循環送風機の起動及び停止を制御する制御手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記蓋部が開放状態となる場合には前記循環送風機を停止させ、前記蓋部が閉鎖状態となる場合には前記循環送風機を動作させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の防臭装置。
【請求項6】
前記除湿部及び前記消臭部を内部に収容している本体部と、
前記収容体の上方開口を閉鎖可能な蓋部に先端部が接続されているアーム部と、
前記本体部に設けられており、前記アーム部の基端側の回動軸を中心にして前記アーム部が回動可能となるように前記アーム部を支持するアーム支持部と、
を更に備え、
前記空気循環路は、
前記収容体の前記内部閉鎖空間との境界となる吸引口及び吐出口と、
前記除湿部よりも上流側に位置し前記吸引口を介して前記収容体の前記内部閉鎖空間と連通する吸引側空気路と、
前記消臭部よりも下流側に位置し前記吐出口を介して前記収容体の前記内部閉鎖空間と連通する吐出側空気路と、
を有し、
前記吸引側空気路及び前記吐出側空気路は共に、前記アーム部及び前記アーム支持部の内部に設けられている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の防臭装置。
【請求項7】
前記除湿部及び前記消臭部を内部に収容している本体部と、
前記収容体の上方開口を閉鎖可能な蓋部に先端部が接続されているアーム部と、
前記本体部に設けられており、前記アーム部の基端側の回動軸を中心にして前記アーム部が回動可能となるように前記アーム部を支持するアーム支持部と、
前記収容体の側周面に対して着脱自在であり、該側周面に止着されている状態において前記収容体に対する前記本体部の相対位置を固定可能な固定部材と、
を更に備える請求項1から6のいずれか一項に記載の防臭装置。
【請求項8】
ベルトと、
前記アーム部を回動させるための動力を出力可能なアクチュエータと、
前記アクチュエータから出力される動力を前記ベルトを介して前記アーム部に伝達する回動機構と、
補助紐と、
前記補助紐に対して張力を付与する付勢手段と、
を更に備え、
前記アーム部は、前記アーム部の基端側を形成する円筒状の部材であって、自身の円筒中心軸が前記アーム部の前記回動軸となるアーム基端部を含み、
前記ベルトは、前記アーム基端部の外周面の全周にわたり形成された環状溝に嵌め込まれるようにして該外周面に巻き掛けられており、
前記ベルト及び前記環状溝は、前記蓋部又は前記アーム部に対して所定の大きさの外力が付与されることにより、前記ベルトが前記環状溝上を滑り得るように形成されており、
前記補助紐の一方の端は、前記付勢手段の前記張力により前記アーム基端部の回転トルクが生じるように、前記アーム基端部の外周面に固定されている、
請求項7に記載の防臭装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容体に収容される臭気発生源から生じる臭気の拡散を防ぐ防臭技術に関する。
本明細書における「臭気」とは、人や動物の排泄物や生ゴミ等から生じるにおいのような人間にとって嫌なにおい(悪臭等と呼ばれる)を示し、その具体的なにおいの種類やその成分等を限定するものではない。
【背景技術】
【0002】
人の生活環境には、様々な臭気発生源が存在し、そのような臭気発生源を収容する様々な収容体が利用されている。当該収容体として、例えば、ゴミ箱、オムツ収容容器、ペットである猫が出入りする猫トイレ等がある。
【0003】
このような収容体は、蓋により臭気の拡散を防ぐものが一般的である。例えば、下記特許文献1には、室内に排泄物による臭気が漏出するのを防ぐことができるペット用トイレが開示されている。このペット用トイレは、上面側が開放された箱状の便器と、その便器の上面側を塞ぐ便蓋と、ペットの接近を検知するペット検知手段と、便蓋を開閉するための便蓋駆動手段とを備えており、便蓋駆動手段が、ペット検知手段の検知に基づいて便蓋を開け、更に、ペット検知手段の非検知に基づいて便蓋を閉じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような収容体において蓋のみではどうしても漏れ出す臭気を防ぎきれない。
そこで、上記特許文献1に係るペット用トイレは、更に、便器の内部から外部へと延びる排気通路を有し、その排気通路内に排気ファンと臭気処理フィルタとを備えている。
しかしながら、便器内の空気を臭気処理フィルタを介して排気したとしても、臭気処理フィルタによる臭気の低減には限度があるため、周辺には臭気が拡散してしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、収容体内に収容されている臭気発生源からの臭気の拡散を防ぐ防臭装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る防臭装置は、臭気発生源を収容する収容体に接続される空気循環路と、収容体の内部閉鎖空間内の空気を当該空気循環路に取り出してその内部閉鎖空間内に戻すよう循環させる循環送風機と、当該空気循環路に設けられており、循環する空気を除湿する除湿部と、当該空気循環路における除湿部よりも下流に設けられており、循環する空気から臭い成分を除去する消臭部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収容体内に収容されている臭気発生源からの臭気の拡散を防ぐ防臭装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置の利用形態を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置のアーム部及びアーム支持部並びにそれらの周辺構造を示す分解図である。
【
図3】本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置のアーム部及びアーム支持部の断面図である。
【
図4】本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置の本体部の内部構成を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置の本体部の内部構成の一部を示す模式図である。
【
図6】本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置の消臭効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0011】
本実施形態の詳細を説明する前に、まず、本実施形態に係る防臭装置の特徴の概要を説明する。
本実施形態に係る防臭装置は、少なくとも、空気循環路、循環送風機、除湿部及び消臭部を備えており、臭気発生源を収容する収容体からの臭気の拡散を防ぐ。
空気循環路は、臭気発生源を収容する収容体に接続されており、収容体内の空気を循環させる空気通路である。
循環送風機は、収容体の内部閉鎖空間内の空気を空気循環路に取り出してその内部閉鎖空間内に戻すよう循環させる送風機である。循環送風機は、空気を循環させることができればよく、ファンであってもよいし、ブロアであってもよい。
【0012】
ここで、対象となる収容体及び臭気発生源は制限されない。後述する例では、収容体として猫トイレが例示されており、臭気発生源として猫の糞尿が該当する。
収容体は、臭気発生源を内部に収容し得るものであればよく、オムツ収容容器やゴミ箱であってもよいし、動物園で飼育されている動物やペット或いは家畜等の排泄物を収容する部屋やボックスなどであってもよい。
また、収容体の内部閉鎖空間は、常時閉鎖されている空間でなくてもよく、蓋や扉等により収容体の開口が閉鎖されることで収容体及び蓋や扉等により画定され得る空間であって、収容体の内部空間を含む空間であればよい。また、当該内部閉鎖空間は、完全密閉された空間でなくてもよい。
【0013】
また、空気循環路は、収容体の内部閉鎖空間と連通していればよく、収容体との接続形態については特に限定されない。例えば、空気循環路の入口となる吸引口を形成する入口側の管と、空気循環路からの出口となる吐出口を形成する出口側の管とが、収容体の開口から内部へ挿入された形態であってもよいし、収容体の開口を閉鎖可能な蓋や扉に当該二つの管が接続された形態であってもよいし、当該二つの管が収容体の側周面に接続された形態であってもよい。
【0014】
除湿部は、空気循環路に設けられており、空気循環路を循環する空気を除湿する。除湿部は、循環する空気を除湿することができれば、その具体的な形態は制限されない。除湿部の具体的な形態は、収容体の内部閉鎖空間の容量等に応じて適宜選択されればよい。例えば、除湿部は、後述の例のようなペルチェ素子を用いた形態として実現されてもよいし、コンプレッサや冷媒を用いる形態として実現されてもよいし、乾燥剤或いは除湿剤を用いた形態として実現されてもよいし、それらの複数を組合せで用いてもよい。
【0015】
消臭部は、空気循環路における除湿部よりも下流に設けられており、循環する空気から臭い成分を除去する。消臭部についても、循環する空気から臭い成分を除去することができれば、その具体的な形態は制限されない。消臭部の具体的な形態は、対象となる臭い成分や収容体の内部閉鎖空間の容量等に応じて適宜選択されればよい。例えば、消臭部は、オゾンに接触させて酸化分解させる形態、触媒に接触させて化学分解させる形態、光触媒を用いて酸化分解させる形態、臭気を吸着させる形態等として実現されてもよいし、それらの複数を組み合わせた形態として実現されてもよい。
【0016】
本発明者は、人や動物の排泄物、生ゴミ等の乾燥が進むにつれ、臭気が低減することに着目して実験を繰り返すことにより、臭気発生源から生じる臭い成分を含む空気を除湿することで、当該空気から臭い成分を減らすことができることを見出した。
そこで、本実施形態では、上述したとおり、臭気発生源を収容する収容体の内部閉鎖空間内の空気を循環送風機により空気循環路に循環させつつ、循環する空気をその空気循環路に設けられた除湿部で除湿するようにしている。
このように除湿部が設けられた空気循環路において空気を循環させることにより除湿効果を高めることができ、結果として、空気中の臭い成分の低減を実現することができる。
【0017】
更に、本発明者は、実験を繰り返すことにより、空気の除湿だけでは臭気の拡散を十分に防ぐことができないことを見出し、除湿された空気から更に臭い成分を除去する必要性を新たに見出した。
そこで、本実施形態では、循環する空気を除湿部で除湿したうえで、除湿部よりも下流側に設けられた消臭部で臭い成分を除去するようにしている。
これにより、本実施形態によれば、収容体の内部閉鎖空間内の空気から臭い成分を十分に除去することができ、収容体外への臭気の拡散を適切に防ぐことができる。
【0018】
以下、本発明の一実施形態として猫トイレ用防臭装置を例示して、本実施形態をより詳細に説明する。但し、以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。以降、本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置を本装置と略称する場合がある。
【0019】
図1は、本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置1の利用形態を示す図である。
本装置1は、猫トイレTに近接する位置に置かれ、猫トイレT内の猫の糞尿から生じる臭気の拡散を防止する。
本装置1に関する以降の説明において、各構成要素の相対的な位置関係を特定するために、猫トイレT側を正面又は前方、猫トイレTとは反対側を背面又は後方、猫トイレT側から視た右側及び左側を側面等と表記する。また、上下方向は使用態様を基準に示す。
【0020】
猫トイレTは、楕円柱状の箱体であり、上方に猫が出入りするための開口(猫の出入口)を有している。但し、猫トイレTの形状や開口は、
図1に示される例に限定されない。猫トイレTは、直方体或いは立方体の形状であってもよい。また、その開口は、
図1に示されるように猫トイレTの上面の一部に形成されていてもよいし、その上面がなく上方領域のすべてが開口されていてもよい。また、その開口は側周面に設けられていてもよい。
【0021】
本装置1は、本体部10、検知センサ3、猫トイレTの上方開口(猫の出入口)を閉鎖可能な蓋部Fに接続されているアーム部5、本体部10に設けられておりアーム部5を支持するアーム支持部7、猫トイレTに対する本体部10の相対位置を固定可能な固定部材9等を備えている。
【0022】
検知センサ3は、猫トイレTへの猫の出入りを検知するためのセンサである。本実施形態における検知センサ3は、猫トイレTの上方開口付近に存在する物体を検知可能な位置(本体部10の上方)及び向きで設置されている。
検知センサ3は、猫トイレTへの猫の出入りを検知可能であればよく、赤外線センサ、光電センサ、感圧センサ等、様々なセンサが利用可能である。また、検知センサ3の設置位置及び設置形態についても
図1の例に限定されない。例えば、検知センサ3に感圧センサが利用される場合には、猫トイレTの上面に検知センサ3が配置されてもよい。また、光電センサが検知センサ3として利用される場合には、猫トイレTの上方開口の近辺に発光素子と受光素子とを対向させて配置させてもよい。
【0023】
但し、猫トイレTへの猫の出入り以外の誤検知を防ぐために、検知センサ3の周囲を筒状体で覆う等、検知センサ3のセンシング範囲を限定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、猫が猫トイレT内に入っている状態も検知するために、検知センサ3が猫トイレTの振動も検知可能としている。具体的には、
図1に示されるように、本体部10の上面から上方に延びる細長い棒状体の上方に検知センサ3を支持することで、猫トイレTの振動が後述の固定部材9及び本体部10並びにその棒状体を介して検知センサ3に伝わり易いようにしている。このように本実施形態における検知センサ3は、猫トイレTへの猫の出入りのみでなく、猫トイレTの振動も検知可能なセンサとなっている。
これにより、猫が猫トイレT内に入っている際に蓋部Fが閉鎖することで猫を驚かせてしまうのを防ぐことができる。
【0024】
固定部材9は、本体部10の猫トイレTに対向する面に突設された2つのアーム状の部材であり、それぞれ先端部に吸盤を有している。固定部材9は、各吸盤を両サイドから挟み込むように猫トイレTの側周面にそれぞれ吸着させることで、猫トイレTに対する本体部10の相対位置を固定することができる。また、各吸盤を猫トイレTの側周面から剥がすことにより、猫トイレTから本体部10の位置をずらすことができる。
このように固定部材9により猫トイレTに対する本体部10の相対位置を固定することにより、アーム部5に接続される蓋部Fで猫トイレTの上方開口を適切に閉鎖することができる。
【0025】
但し、固定部材9の構造は
図1に示される例に限定されない。例えば、固定部材9は、本体部10の左右側面から突出するように設けられていてもよい。また、固定部材9の先端部には吸盤ではなくシール等の粘着剤が設けられていてもよいし、当該先端部は吸着することなく猫トイレTの側周面に当接するだけであり、両サイドからの挟み込む力により本体部10の相対位置を固定するようにしてもよい。また、固定部材9は、猫トイレTの側周面に巻き掛け可能なベルト状の部材で形成されていてもよい。
【0026】
図2は、本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置1のアーム部5及びアーム支持部7並びにそれらの周辺構造を示す分解図である。
アーム部5は、
図2に示されるように、アーム先端部51、アーム管部52及びアーム基端部53から構成されている。
アーム支持部7は、本体部10の上面を形成する支持プレート100から上方に立設された2つの立設体であり、上述したとおりアーム基端部53が回動可能となるように、アーム基端部53の軸方向の両端からアーム基端部53を支持する。
【0027】
アーム先端部51は蓋部Fに接続されている。本実施形態におけるアーム先端部51は、先端ボックス部511及び先端板部512を有しており、先端板部512が蓋部Fの内面側(猫トイレTの内部空間側の面)から先端ボックス部511が蓋部Fの外面側(猫トイレTの外側の面)から蓋部Fを挟持する。但し、アーム先端部51の蓋部Fとの接続形態はこのような例に限定されない。アーム先端部51は、磁力や粘着剤等の粘着力により蓋部Fに接合されていてもよい。
【0028】
アーム管部52は、アーム基端部53とアーム先端部51との間に延びる管状部材である。本実施形態におけるアーム管部52は、
図2に示されるように、相互に離間した二本の棒形状を有している。但し、アーム管部52は一本の棒状の部材として実現されてもよい。
【0029】
アーム基端部53は、円筒状の部材であり、その外周面にアーム管部52の基端部が接続されている。また、アーム基端部53自身は、自身の円筒中心軸を中心に回動可能となるようにアーム支持部7に支持されており、アーム部5の可動軸となっている。このため、アーム基端部53が円筒中心軸を中心に回動することにより、アーム基端部53の外周面から延びるアーム管部52が回動し、アーム先端部51に接続されている蓋部Fが猫トイレTの上方開口に対して開閉動作を行う。
【0030】
また、アーム基端部53の外周面における軸方向中央に全周にわたり環状溝531が形成されている。この環状溝531に嵌め込まれるようにしてベルト535がアーム基端部53の外周面に巻き掛けられている。ベルト535は、支持プレート100に設けられた細長い貫通孔に通されており、他方でプーリ537に巻き掛けられている。
これにより、プーリ537がアクチュエータ(図示せず)から出力される動力により回動することにより、その動力がベルト535によりアーム基端部53に伝達されて、ベルト535とアーム管部52の環状溝531との摩擦抵抗によりアーム基端部53が回動し、結果として、蓋部Fが開閉動作を行うことになる。
【0031】
プーリ537は、アクチュエータから出力される動力をベルト535を介してアーム部5に伝達する回動機構と表記することができ、アクチュエータは、アーム部5を回動させるための動力を出力可能な手段と表記することができる。本装置1は、このような回動機構及びアクチュエータを更に備えている。
但し、アクチュエータ及び回動機構は上述のような例に限定されない。アクチュエータは電気で動力を出力可能であれば、その種類は何ら限定されない。また、回動機構は、プーリ537以外の構成を含んでもよく、アクチュエータの出力動力の種類に合った既存の形態を有していればよい。
【0032】
上述のように本実施形態では、電動でアーム部5を回動させることで、蓋部Fの自動開閉動作を可能としている。具体的には、本装置1は、検知センサ3の検知信号に応じて猫が猫トイレTから出たと判断すると、アーム部5を回動させて蓋部Fにより猫トイレTの上方開口を閉鎖させる。
これにより、猫の糞尿から生じる臭気を猫トイレTの内部閉鎖空間内に閉じ込めて、臭気が猫トイレT外に漏れ出すことを防ぐことができる。なお、本装置1の制御方法の詳細は後述する。
【0033】
一方で、本実施形態において、蓋部Fは、このような自動開閉動作だけでなく、外力で開閉可能に構成されている。例えば、人が手で蓋部Fを開閉させる、或いは猫が内側から蓋部Fを押すことで蓋部Fが開くようにされている。
本装置1は、外力での蓋部Fの開閉を補助する構成として、補助プレート105、スライダ107、引張バネ108、補助紐538等を備えている。
【0034】
補助プレート105は、本体部10の支持プレート100の下面に設けられており、その下面から下方に向かって延びる板状部材である。補助プレート105には上下方向に長細いガイド孔106が設けられている。
スライダ107は、補助プレート105のガイド孔106に沿って上下方向に移動可能に設けられている。本実施形態においてスライダ107の上下方向の移動は、ガイド孔106の上下方向の長さに応じて規制されており、スライダ107は、スライド下限位置とスライド上限位置との間をスライド可能とされている。
【0035】
補助紐538は、蓋部Fが閉鎖状態においてアーム基端部53の外周面の一部に巻き掛けられている。補助紐538は、一方の端がアーム基端部53の外周面に固定されており、支持プレート100の貫通孔を通され、他方の端がスライダ107に固定されている。補助紐538は、スライダ107がスライダ上限位置に存在する際に蓋部Fが閉鎖状態となり、スライダ107がスライダ下限位置に存在する際に蓋部Fが開放状態となるように、アーム基端部53の外周面への固定位置及び長さが決められる。但し、補助紐538は、スライダ107がスライダ下限位置に存在する際には多少緩むような長さ及び当該固定位置とされてもよい。また、補助紐538の材質は何ら限定されない。
【0036】
引張バネ108は、スライダ107を下方に付勢する付勢手段であり、本実施形態では、上端がスライダ107に固定されており、下端が補助プレート105の下方に固定されている。本実施形態において引張バネ108は、スライダ107がスライド下限位置に存在する際にはスライダ107への付勢力(張力)がゼロとなり、スライダ107がスライド上限位置に存在する際にその付勢力(張力)が最大となるように設けられている。
【0037】
このように本実施形態において、引張バネ108はスライダ107を介して補助紐538に対して張力を付与している。そして、引張バネ108の張力によりアーム基端部53の回転トルクが生じるように、補助紐538の一方の端は、アーム基端部53の外周面に固定されている。
なお、スライダ107を省き、引張バネ108は、補助紐538の一端と直接連結されていてもよい。
【0038】
アーム部5及び蓋部Fの形状や重さ等により、アーム部5及び蓋部Fの重心は、その回動軸となるアーム基端部53の円筒中心軸からズレており、アーム基端部53の回動軸には、アーム部5の姿勢に応じてアーム部5及び蓋部Fの自重に伴う回転トルクが生じ得る。一方で、上述したとおり、アーム基端部53の回動軸には引張バネ108の張力による回転トルクも生じ得る。
このため、引張バネ108は、アーム部5及び蓋部Fの自重に伴い生じる回転トルクと引張バネ108の張力により生じる回転トルクとが相殺し得るような付勢力(張力)を有することが好ましい。
このようにすれば、引張バネ108の補助により蓋部Fを開放するための外力を低減させることができるため、人や猫は容易に蓋部Fを開放することができる。なお、蓋部Fを閉鎖させる場合には、引張バネ108を伸ばす力がアーム部5及び蓋部Fの自重に伴い生じる回転トルクと相殺されるため、基本的には、開放時と略同様の外力により蓋部Fを閉鎖させることができる。これにより、人や猫は、ベルト535をアーム管部52の環状溝531上で滑らせる程度の力を加えることで、蓋部Fを容易に開閉させることができる。
【0039】
また、引張バネ108の補助により、プーリ537を回動させるアクチュエータの出力は、ベルト535がアーム管部52の環状溝531上を滑らない程度の大きさでもってアーム部5を回動させることができるため、蓋部Fの自動開閉に伴う消費電力を低減させることもできる。
なお、上述したとおり、ベルト535及びアーム管部52の環状溝531の形状及び材質は、蓋部F又はアーム部5に対して所定の大きさの外力が付与されることにより、ベルト535がアーム管部52の環状溝531上を滑り得るようなものであればよい。
【0040】
本装置1は、概要として上述したように、更に、猫トイレT(収容体)に接続される空気循環路と、猫トイレTの内部閉鎖空間内の空気をその空気循環路に取り出して戻すよう循環させる循環ブロア11(循環送風機)と、空気循環路を循環する空気を除湿する除湿部12と、空気循環路を循環する空気から臭い成分を除去する消臭部(粒状触媒部13及び光触媒部14)とを備えている。
本装置1は、このような構成により、蓋部Fにより臭気の漏れ出しを防ぎつつ、猫トイレTの内部閉鎖空間内に閉じ込めた臭い成分を含む空気を循環させながら、その空気から臭い成分を除去することで、臭気の拡散を防いでいる。
【0041】
本装置1が備える空気循環路は、猫トイレT(収容体)の内部閉鎖空間との境界となる吸引口515及び吐出口516と、吸引口515を介して当該内部閉鎖空間と連通する吸引側空気路と、吐出口516を介して当該内部閉鎖空間と連通する吐出側空気路とを含む。
吸引口515及び吐出口516は、
図2に示されるように、アーム先端部51の先端板部512に並設されており、吸引口515及び吐出口516と連通する吸引側空気路及び吐出側空気路は共に、アーム部5及びアーム支持部7の内部に設けられている。
吸引側空気路は、アーム支持部7の内部から本体部10の上面を貫通する導入管77を介して本体部10内の本体内空気路と連通し、その本体内空気路から本体部10の上面を貫通する導出管78を介してアーム支持部7の内部の吐出側空気路に連通している。
【0042】
ここで、吸引側空気路及び吐出側空気路について
図3を用いて詳述する。
図3は、本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置1のアーム部5及びアーム支持部7の断面図である。
図3(a)にはアーム部5及びアーム支持部7の側面図が示されており、
図3(b)には
図3(a)のA-A切断線で切断した場合の上方から視た断面図が示されている。
【0043】
図3に示されるように、アーム先端部51は、吸引口515に連通するボックス内部空間513と、吐出口516に連通するボックス内部空間514とを相互に隔離された状態で有している。具体的には、先端ボックス部511が相互に隔離された二つの内部空間を有しており、ボックス内部空間513は、吸引口515から先端板部512及び蓋部Fを貫通する貫通孔と先端ボックス部511の一方の内部空間とが連通して形成されており、ボックス内部空間514は、吐出口516から先端板部512及び蓋部Fを貫通する貫通孔と先端ボックス部511の他方の内部空間とが連通して形成されている。
【0044】
アーム管部52は、ボックス内部空間513と連通するアーム管腔521と、ボックス内部空間514と連通するアーム管腔522とを相互に隔離された状態で有している。本実施形態におけるアーム管部52は、相互に離間した二本の棒状体であるため、一方のアーム管部52がアーム管腔521を有しており、他方のアーム管部52がアーム管腔522を有している。
アーム基端部53においても、アーム管腔521と連通する基端内部空間532と、アーム管腔522と連通する基端内部空間533とを相互に隔離された状態で有している。
【0045】
アーム支持部7においても、基端内部空間532と連通する支持内部空間71と、基端内部空間533と連通する支持内部空間72とを相互に隔離された状態で有している。本実施形態におけるアーム支持部7は、相互に離間した2つの立設体であるため、一方のアーム支持部7が支持内部空間71を有しており、他方のアーム支持部7が支持内部空間72を有している。支持内部空間71は、更に、本体部10の上面を貫通する導入管77の管腔と連通しており、支持内部空間72は、更に、本体部10の上面を貫通する導出管78の管腔と連通している。
【0046】
これにより、吸引側空気路は、吸引口515から導入管77の管腔まで一連に連通する、アーム先端部51のボックス内部空間513と、アーム管部52のアーム管腔521と、アーム基端部53の基端内部空間532と、アーム支持部7の支持内部空間71とにより形成されており、吐出側空気路は、導出管78の管腔から吐出口516まで一連に連通する、アーム支持部7の支持内部空間72と、アーム基端部53の基端内部空間533と、アーム管部52のアーム管腔522と、アーム先端部51のボックス内部空間514とにより形成されている。
【0047】
このような構成により、収容体(猫トイレT)の内部閉鎖空間内の空気が外部に漏れ出すのを防ぎつつ循環させて、本体部10に収容される除湿部12、粒状触媒部13及び光触媒部14によりその空気に含まれる臭い成分を確実に低減させることができる。
また、このような効果を実現すると共に、吸引側空気路及び吐出側空気路をアーム部5及びアーム支持部7の内部に設けることで、デザイン性を高めることができる。
更に言えば、蓋部Fにアーム部5の先端を接続させて当該空気循環路を収容体の外部に形成することにより、収容体(猫トイレT)自体に特別な構造を設ける必要がないため、収容体として市販品を利用するなど、汎用性を持たせることができる。なお、収容体は汎用品のみでなく、本実施形態の専用品とすることも当然可能である。
【0048】
図4は、本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置1の本体部10の内部構成を示す図である。
本体部10は、
図4に示されるように、内部に、導入管77及び導出管78を介して吸引側空気路及び吐出側空気路に連通しており、それらと共に当該空気循環路を形成する本体内空気路を有している。
本体内空気路は、導入管77と連結する導入ダクト101から導出管78と連結する導出ダクト102までの間に形成されており、空気の流れの上流側から、集塵フィルタ部15、除湿部12、中継ダクト103、循環ブロア部110、粒状触媒部13、光触媒部14、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ部17の順にそれらの各内部空間(或いは管腔)により形成されている。
このように本実施形態では、概要として上述した消臭部として粒状触媒部13及び光触媒部14が例示されており、本体部10は、除湿部12及び消臭部(粒状触媒部13、光触媒部14)を内部に収容している。
【0049】
また、本体部10の内部において、除湿部12及び消臭部は、本体内空気路(空気循環路)を循環する空気が除湿部12では下方に向けて流れ、消臭部では上方に向けて流れるように、横並び(除湿部12が
図4の紙面左側、消臭部が
図4の紙面右側)に配置されており、消臭部としての粒状触媒部13及び光触媒部14は、上下方向に積み重ねられている。より具体的には、集塵フィルタ部15、除湿部12及び貯水部16が上下方向に積み重ねられているブロックと、循環ブロア部110、粒状触媒部13、光触媒部14及びHEPAフィルタ部17が上下方向に積み重ねられているブロックとが横並びに配置されており、一方のブロックの中間層に位置する除湿部12の下方に接続された中継ダクト103が横方向かつ下方向に延設されており、他方のブロックの最下層に位置する循環ブロア部110の下方に接続されている。
【0050】
このような配置により、本体部10の筐体の横幅をできる限り小さくすることができ、省スペース化を実現することができる。また、本体部10の筐体の高さ(上方向の長さ)を収容体としての猫トイレTの高さに合わせ易くすることができ、蓋部Fが収容体の上方開口を適切に閉鎖し得るようにすることができる。但し、本体部10の筐体の高さは、収容体の高さに完全に一致させる必要はなく、アーム支持部7がアーム部5を支持する高さやアーム部5の長さ、或いは蓋部Fとアーム部5との接続角度等の調整により、蓋部Fが収容体の上方開口を適切に閉鎖し得るようにすることは可能である。それら調整は、対象とする収容体の高さに応じて予め行われていてもよいし、手動或いは自動で適宜実行することができるよう構成されていてもよい。
【0051】
集塵フィルタ部15は、本体内空気路の一部を形成し導入ダクト101の管腔及び除湿部12の内部空間と連通する内部空間を有しており、その内部空間に集塵フィルタが設置されている。また、集塵フィルタ部15は、集塵フィルタを引き出し可能な構造を備えており、この構造により集塵フィルタの洗浄等を可能とする。
集塵フィルタは、集塵フィルタ部15の内部空間を流れる空気から比較的大きなゴミ(例えば、埃や猫の毛等)を除去可能なフィルタであればよく、その素材や形状等については何ら限定されない。
【0052】
除湿部12は、本体内空気路の一部を形成し集塵フィルタ部15の内部空間及び中継ダクト103の管腔と連通する内部空間を有しており、その内部空間を流れる空気の除湿を行う。
本実施形態における除湿部12は、ペルチェ素子を用いた除湿方式を採用しており、ペルチェ素子(図示せず)と、ペルチェ素子の一方の面側に設けられた結露用プレート(図示せず)と、ペルチェ素子の他方の面側に設けられた放熱用プレート(図示せず)と、放熱用プレートに対向するよう配置された放熱ファン120とを更に有している。
【0053】
結露用プレートは、除湿部12の内部空間に突出するよう設けられており、ペルチェ素子への通電により氷点下に冷却可能に形成されている。本実施形態では結露用プレートが突出部に相当する。結露用プレートは、冷却により、除湿部12の内部空間内の空気に含まれる水分が付着可能に形成されていればよく、その素材や具体的な形状は限定されない。例えば、結露用プレートはアルミニウムを主材として成形されている。
放熱用プレートは、除湿部12の外側に配置され、ペルチェ素子への通電により生じる熱を放出可能に形成されている。本実施形態では、放熱用プレートに対向するように除湿部12の外側に配置された放熱ファン120により放熱用プレートによる放熱が促進される。
【0054】
また、本実施形態において除湿部12は、ペルチェ素子への通電方向の切り替えにより、結露用プレートを氷点下となるように冷却する第一動作モードと結露用プレートを氷点下よりも高くして結露用プレートに付着した氷を融解させる第二動作モードとの間の動作モードの切り替えが可能となるように構成されている。
通常時には、除湿部12を第一動作モードで動作させることで結露用プレートが冷却されその表面に結露が生じる。結果、除湿部12の内部空間内の空気を除湿することができる。ところが、この動作を継続させると、結露水が凍結し結露用プレート表面に氷が付着することなり、除湿効果が低下する。そこで、或るタイミングで除湿部12を第一動作モードから第二動作モードへ切り替えることにより、結露用プレートが氷点下よりも高くなるように加熱され、結果、結露用プレートに付着した氷を融解させることができ、除湿効果を復活させることができる。なお、このような除湿部12の制御の詳細については後述する。
【0055】
除湿部12の下方には貯水部16が設けられている。貯水部16は、結露用プレートから垂れ落ちた結露水或いは融解水を溜めることができる。貯水部16は、結露水或いは融解水を溜める貯水容器を含み、この貯水容器を引き出し可能な引き出し構造を有している。この構造により、貯水容器に溜まった水を容易に捨てることができるようになっている。本実施形態では、貯水部16は、更に満水センサを有しており、貯水容器に溜まった水が所定量以上となることを自動で検知し報知可能に構成されている。
【0056】
ここで、貯水部16に溜まる水は、臭い成分を含むため、その水から臭気が生じる。そこで、本実施形態では、この臭気が空気循環路内に混入しないように、貯水部16は、除湿部12の外側に設けられると共に、貯水部16に溜まった水から生じる臭気が除湿部12の内部空間に戻らないような構造が採用されている。具体的には、除湿部12の内部空間と貯水部16の貯水容器の内部空間とは小径の排水路(排水孔)のみで繋がっており、結露用プレートから垂れ落ちた水は、除湿部12の底面に設けられた小径の排水口からその排水路を通って貯水部16の貯水容器の上面に設けられた小径の入水口へ垂れ落ちて、当該貯水容器に溜められる。
【0057】
図5は、本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置1の本体部10の内部構成の一部を示す模式図である。
図5には、本体部10の内部における消臭部を含むブロックを
図4の紙面右側方から透視した模式図が示されている。
循環ブロア部110は、このブロックの最下層に位置し、本体内空気路の一部を形成し中継ダクト103の管腔及び粒状触媒部13の内部空間と連通する内部空間を有している。この内部空間は、相互に連通する状態で下方空間と上方空間とに区分けされており、下方空間を形成する側壁には中継ダクト103との連結口が存在し、上方空間には循環ブロア11が設置されている。
【0058】
循環ブロア11は、概要として述べた循環送風機の一例であり、収容体(猫トイレT)の内部閉鎖空間内の空気を空気循環路に取り出してその内部閉鎖空間内に戻すよう循環させる。本実施形態における循環ブロア11は、遠心方向に送風する遠心式の送風機であり、循環ブロア11の回転軸方向が空気の循環方向(上下方向)と平行し送風方向がその循環方向と直交するように設置されている。
本実施形態では、除湿部12で除湿された空気は、中継ダクト103を通過して循環ブロア11の下方空間に入り、循環ブロア11がその下方空間から空気を吸い込み送風することでその上方に位置する粒状触媒部13に送り込まれる。
但し、循環ブロア11は、当該空気循環路で空気を循環させることができればよく、本実施形態の例に限定されない。循環ブロア11は、ファンであってもよいし、軸流式等のような遠心式以外の形式の送風機とされてもよい。また、循環ブロア11の設置形態についても本実施形態の例に限定されない。
【0059】
他方、循環ブロア11の上方には、消臭部(粒状触媒部13及び光触媒部14)を介してHEPAフィルタ部17が配置されている。
HEPAフィルタ部17は、本体内空気路の一部を形成し光触媒部14の内部空間及び導出ダクト102の管腔と連通する内部空間を有しており、その内部空間にHEPAフィルタが設置されている。
このように循環ブロア11の上方にHEPAフィルタを配置し、それらの間に粒状触媒部13及び光触媒部14を介在させることにより、HEPAフィルタや触媒の抵抗によって、循環ブロア11が動作している状態においては、空気循環路(本体内空気路)における循環ブロア11とHEPAフィルタ部17との間の静圧を循環ブロア11の上流側(少なくとも循環ブロア部110の下方空間)よりも高くすることができる。このようにして消臭部(粒状触媒部13及び光触媒部14)での静圧を高めることにより、消臭部における触媒反応速度を向上させ、ひいては、消臭速度を高めることができる。
【0060】
但し、HEPAフィルタ部17の内部空間に設置されるフィルタは、循環ブロア11とHEPAフィルタ部17との間の静圧を循環ブロア11の上流側よりも高くすることができれば、HEPAフィルタでなくてもよい。例えば、HEPAフィルタに替えて、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタが利用されてもよいし、他のフィルタが利用されてもよい。
【0061】
粒状触媒部13は、循環ブロア部110の上層に位置する。粒状触媒部13は、本体内空気路の一部を形成し循環ブロア部110の内部空間及び光触媒部14の内部空間と連通する内部空間を有しており、その内部空間に粒状の触媒が集積されている。
粒状触媒部13に集積される触媒には、粒状触媒部13を通過する空気に含まれる臭い成分を吸着させて酸化分解することで消臭効果を発揮する粒状の触媒が用いられればよく、その素材等は限定されない。但し、省電力及び低価格化を実現するには、低温域(常温を含む)で活性化され得る触媒が用いられることが好ましい。例えば、マンガン系触媒として二酸化マンガン触媒が利用される。
【0062】
本実施形態では、粒状の触媒を集積させることにより、空気の触媒への接触面積を大きくすることができ、更に、粒状触媒部13を通過する空気に対する抵抗を上げ静圧を高めることができ、ひいては、触媒の消臭効果を向上させることができる。例えば、BET値(比表面積値)200m2/gのペレット状(粒状)触媒が利用される。このように、100m2/g以上のBET値を有する粒状の触媒が一定以上の容積で利用されることが好ましい。
但し、粒状触媒部13に集積される触媒の形状や大きさは、上述のような効果を得ることができれば、制限されない。
【0063】
光触媒部14は、粒状触媒部13の上層に位置する。光触媒部14は、本体内空気路の一部を形成し粒状触媒部13の内部空間及びHEPAフィルタ部17の内部空間と連通する内部空間を有しており、その内部空間に光触媒プレート140及び光源141が設置されている。
光触媒プレート140は、基材の表面に二酸化チタン等のような光触媒が塗布等により設けられた部材である。本実施形態において光触媒プレート140は、
図5に示されるように、空気の循環方向(上下方向)に対して約45度傾けられた状態で設置されている。
光源141は、光触媒プレート140を介して対向するように設けられており、光触媒を活性化させ得る光を光触媒プレート140の各面にそれぞれ照射する。本実施形態における光源141には、紫外光を出射するLED光源が利用される。
光触媒プレート140の光触媒や光源141には、光触媒の作用により消臭効果が得られるのであれば、その種類等は限定されない。
【0064】
このように本実施形態では、消臭部として粒状触媒部13及び光触媒部14を積み重ねることで、粒状触媒部13で除去しきれなかった臭い成分を光触媒部14で除去するといった二段構えの消臭機能を実現し、消臭効果を一層高めている。
【0065】
本装置1は、更に、図示されていない制御部を備えている。
制御部は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インタフェース(I/F)ユニット、各種センサ等を有する。
CPUは、一般的な一以上のCPU又はMPU(Micro Processing Unit)であってもよいし、それに替え又はそれと共に、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等であってもよい。
メモリは、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)であり、補助記憶装置(ハードディスク等)を含んでもよい。
入出力I/Fユニットは、CPUで処理すべき又は処理された信号の入力又は出力を制御する機器であり、蓋部Fの開閉のためのアクチュエータ、循環ブロア11、各種センサなどに接続される。入出力I/Fユニットは、入出力パネル等のユーザインタフェース装置等のような他の機器に接続されていてもよく、更に他のコンピュータや機器との通信を行う通信ユニットを含んでもよく、可搬型記録媒体等にも接続され得る。
但し、制御部は、上述しない他のハードウェア要素を含んでもよく、制御部のハードウェア構成は制限されない。
【0066】
センサとしては、上述した検知センサ3、蓋センサ(図示せず)、貯水部16の満水センサ(図示せず)等が設けられている。
蓋センサは、蓋部Fの開閉状態を検出可能に設置されている。蓋センサの実装形態は様々であり、何ら限定されない。例えば、蓋センサは、閉鎖状態の蓋部Fにより押圧される圧力センサであってもよいし、閉鎖状態の蓋部Fの位置を検知する光センサであってもよい。
なお、検知センサ3及び満水センサについては上述したとおりである。
【0067】
制御部は、CPUによりメモリに格納される制御プログラムが実行されることにより、各種センサからの入力信号を受けつつ、次のような制御を実行する。当該制御プログラムは、出荷時に予め格納されてもいてもよいし、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/Fユニットを介してインストールされ、メモリに格納されてもよい。
【0068】
制御部は、循環送風機としての循環ブロア11の動作を制御する。
制御部は、蓋センサにより検出された蓋部Fの開閉状態に基づいて、循環ブロア11の起動及び停止を制御する。具体的には、制御部は、蓋部Fが開放状態となる場合には循環ブロア11を停止させ、蓋部Fが閉鎖状態となる場合には循環ブロア11を動作させる。
【0069】
但し、蓋部Fが開放状態又は閉鎖状態となるタイミングと循環ブロア11の停止又は起動のタイミングとは必ずしも一致しなくてもよく、両者のタイミングが或る程度連動していればよい。例えば、蓋部Fの開閉状態の検出を契機に循環ブロア11の起動又は停止が行われてもよいし、蓋部Fの開閉動作に連動して或いは開閉動作よりも少し前に循環ブロア11の起動又は停止が行われてもよい。
更に言えば、蓋部Fが開放されている全期間で循環ブロア11が停止している、或いは蓋部Fが閉鎖されている全期間で循環ブロア11が動作していることを要求するものではなく、上述の制御内容は、蓋部Fの開閉状態に伴う循環ブロア11の動作の基本制御を示している。
【0070】
このような基本制御により、蓋部Fの閉鎖により猫トイレT内の臭気を狭い空間に閉じ込めて臭気の漏れ出しを防ぎつつ、当該狭い空間内で空気を循環させながら、除湿部12、粒状触媒部13、光触媒部14等により臭い成分を除去することで、臭気の拡散を確実に防ぐことができる。
【0071】
更に、制御部は、除湿部12の動作モードを制御する。制御部は、除湿部12の突出部を氷点下となるように冷却する第一動作モード又は当該突出部を氷点下よりも高くしてその突出部に付着した氷を融解させる第二動作モードへの切替制御を行う。本実施形態では、制御部は、ペルチェ素子への通電方向を切り替えることにより、当該突出部としての結露用プレートを氷点下となるように冷却する第一動作モードと結露用プレートを氷点下よりも高くして結露用プレートに付着した氷を融解させる第二動作モードとの間の動作モードの切り替えを行うことができる。
以降、第一動作モードを除湿モード、第二動作モードを霜取りモードと表記する場合がある。
【0072】
ここで、除湿部12が霜取りモードで動作する際には、循環ブロア11は停止されていることが好ましい。結露用プレートに付着した氷が融解する際に、臭い成分が気化して循環空気中に混入されてしまう恐れがあり、その際に循環ブロア11が動作していると、その臭い成分を更に循環させてしまうからである。
【0073】
本実施形態では、制御部は、蓋センサから検出信号により蓋部Fの閉鎖状態が検出されると、循環ブロア11を起動すると共に、除湿部12を除湿モードで動作させる。制御部は、除湿モードでの除湿部12の動作期間を計測しており、その動作期間が所定時間(例えば3時間)経過した場合に、除湿部12の動作モードを除湿モードから霜取りモードに切り替えると共に、循環ブロア11を停止させる。制御部は、更に、霜取りモードでの除湿部12の動作期間を計測しており、その動作期間が所定時間(例えば2分間)経過した場合に、除湿部12の動作モードを霜取りモードから除湿モードに切り替えると共に、循環ブロア11を起動する。
【0074】
このように本実施形態は、除湿部12が霜取りモードで動作している全期間において循環ブロア11が停止していることを要求するものではなく、除湿部12が霜取りモードで動作している期間の全部又はほとんどの間において循環ブロア11が停止していればよい。
また、除湿部12の制御方法は上述の例に限定されない。例えば、除湿部12は、本装置1の主電源がON状態となっている間、基本的には除湿モードで動作しており、制御部は、除湿モードから霜取りモードへの切り替え及び霜取りモードから除湿モードへの切り替えのみを行うようにしてもよい。
【0075】
このような制御により、結露用プレートに付着した結露水の凍結による除湿効果の低下を防ぎつつ、せっかく除湿により低減させた臭い成分が霜取りモード動作により空気中に混入し、空気循環路で循環してしまうことを防ぐことができ、ひいては、臭気の拡散を確実に防ぐことができる。
【0076】
また、本実施形態における制御部は、プーリ537を回動させるアクチュエータの動作を制御して、蓋部Fの自動開閉動作を実現する。具体的には、制御部は、検知センサ3からの検知信号に応じて、猫トイレTの上方開口付近に存在する物体(猫)を検出すると、蓋部Fが開放されるように当該アクチュエータを動作させる。制御部は、猫の検出からの経過時間を計測しており、その計測時間が所定時間(例えば10分間)経過すると、蓋部Fが閉鎖されるように当該アクチュエータを動作させる。
このように猫トイレTの蓋部Fを自動開閉させることで、猫の排泄物からの臭気が猫トイレTの上方開口から漏れ出すのを最小限にくいとめることができる。また、このような効果を得ながら、猫には安心して猫トイレTを利用させることができる。
【実施例0077】
46リットル容量のコンテナ容器に本装置1の試作機を接続し、アセトアルデヒドを臭い成分の対象として本装置1によるアセトアルデヒド濃度の低減効果が実証された。
図6は、本実施形態に係る猫トイレ用防臭装置1の消臭効果を示すグラフであり、本装置1の動作開始(0分)からの時間経過に伴うアセトアルデヒド濃度の変化を示しており、3回分の試験結果を示している。
本装置1の試作機では、粒状触媒部13には、日本重化学工業株式会社製のBET値200m
2/gの活性化二酸化マンガン触媒が400cc分集積された。
【0078】
結果、3回共に、20ppm又は21ppmのアセトアルデヒド濃度が10分後には、検知管の検出限界以下(
図6に示す「<1」)の濃度に低減していた。
このように、本装置1の防臭効果の高さ及び消臭速度の速さが実証されている。
【0079】
[変形例]
上述の内容は、本実施形態に係る防臭装置の一例である。防臭装置は、上述の構成のみに限定されるわけではなく、上述の少なくとも一部の構成を有していれば、部分的に適宜変形されてもよい。
【0080】
例えば、本装置1は、アクチュエータを省き、蓋部Fの自動開閉機能を有していなくてもよい。
また、上述の実施形態では、吸引側空気路及び吐出側空気路が共にアーム部5及びアーム支持部7の内部に設けられていたが、アーム部5及びアーム支持部7の外部に管状部材として設けられていてもよい。
また、本装置1は、消臭部として粒状触媒部13若しくは光触媒部14のいずれか一方、又は3種以上の消臭部を有するようにしてもよい。
また、本体部10の内部構成の配置は、
図4の例に限定されず、本体部10の筐体の形状に応じて各構成要素(除湿部12、粒状触媒部13等)が横並びに一列に配置されてもよいし、横並びに二列以上に配置されていてもよい。
【0081】
また、粒状触媒部13の触媒の種類によっては加熱によって長寿命化或いは活性化を促せるものがあるため、粒状触媒部13は当該触媒を加熱する手段を更に有していてもよい。この場合、例えば、当該加熱手段は、50度以上200度以下の範囲で加熱され得る素材により形成される。
また、本体部10の内部において粒状触媒部13の側方に配置される放熱ファン120からの送風を用いて粒状触媒部13の触媒が加熱されるようにすることもできる。上述したとおり放熱ファン120は、ペルチェ素子への通電により生じる熱を放出するために設けられており、その送風は熱を帯びている。この熱を粒状触媒部13の触媒の加熱に用いることで、エネルギー効率を高めることができる。
【0082】
上述した内容は、次のように特定することもできる。
(付記1)
臭気発生源を収容する収容体に接続される空気循環路と、
前記収容体の内部閉鎖空間内の空気を前記空気循環路に取り出して該内部閉鎖空間内に戻すよう循環させる循環送風機と、
前記空気循環路に設けられており、循環する空気を除湿する除湿部と、
前記空気循環路における前記除湿部よりも下流に設けられており、循環する空気から臭い成分を除去する消臭部と、
を備える防臭装置。
(付記2)
前記除湿部は、
前記空気循環路に突出しており、循環する空気に含まれる水分が付着可能に形成されている突出部を含み、
前記突出部を氷点下となるように冷却する第一動作モード又は前記突出部を氷点下よりも高くして前記突出部に付着した氷を融解させる第二動作モードに切替え可能に構成されており、
前記除湿部が前記第二動作モードで動作する際には、前記循環送風機が停止されている、
付記1に記載の防臭装置。
(付記3)
前記除湿部及び前記消臭部を内部に収容している本体部、
を更に備え、
前記本体部において、前記除湿部及び前記消臭部は、前記空気循環路を循環する空気が前記除湿部では下方に向けて流れ前記消臭部では上方に向けて流れるように、横並びに配置されており、
前記消臭部は、光触媒及び光源を有する光触媒部と、粒状の他の触媒が集積された粒状触媒部とを含み、
前記本体部内において、前記光触媒部及び前記粒状触媒部は上下方向に積み重ねられている、
付記1又は2に記載の防臭装置。
(付記4)
前記空気循環路における前記消臭部の上方に設けられたHEPAフィルタ、
を更に備え、
前記循環送風機は、前記消臭部の下方に配置されており、
前記空気循環路は、前記循環送風機が動作している状態においては、該空気循環路における該循環送風機から前記HEPAフィルタ間の静圧が該循環送風機の上流側よりも高くなるように形成されている、
付記3に記載の防臭装置。
(付記5)
前記収容体の上方開口を閉鎖可能な蓋部の開閉状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記蓋部の開閉状態に基づいて、前記循環送風機の起動及び停止を制御する制御手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記蓋部が開放状態となる場合には前記循環送風機を停止させ、前記蓋部が閉鎖状態となる場合には前記循環送風機を動作させる、
付記1から4のいずれか一つに記載の防臭装置。
(付記6)
前記除湿部及び前記消臭部を内部に収容している本体部と、
前記収容体の上方開口を閉鎖可能な蓋部に先端部が接続されているアーム部と、
前記本体部に設けられており、前記アーム部の基端側の回動軸を中心にして前記アーム部が回動可能となるように前記アーム部を支持するアーム支持部と、
を更に備え、
前記空気循環路は、
前記収容体の前記内部閉鎖空間との境界となる吸引口及び吐出口と、
前記除湿部よりも上流側に位置し前記吸引口を介して前記収容体の前記内部閉鎖空間と連通する吸引側空気路と、
前記消臭部よりも下流側に位置し前記吐出口を介して前記収容体の前記内部閉鎖空間と連通する吐出側空気路と、
を有し、
前記吸引側空気路及び前記吐出側空気路は共に、前記アーム部及び前記アーム支持部の内部に設けられている、
付記1から5のいずれか一つに記載の防臭装置。
(付記7)
前記除湿部及び前記消臭部を内部に収容している本体部と、
前記収容体の上方開口を閉鎖可能な蓋部に先端部が接続されているアーム部と、
前記本体部に設けられており、前記アーム部の基端側の回動軸を中心にして前記アーム部が回動可能となるように前記アーム部を支持するアーム支持部と、
前記収容体の側周面に対して着脱自在であり、該側周面に止着されている状態において前記収容体に対する前記本体部の相対位置を固定可能な固定部材と、
を更に備える付記1から6のいずれか一つに記載の防臭装置。
(付記8)
ベルトと、
前記アーム部を回動させるための動力を出力可能なアクチュエータと、
前記アクチュエータから出力される動力を前記ベルトを介して前記アーム部に伝達する回動機構と、
補助紐と、
前記補助紐に対して張力を付与する付勢手段と、
を更に備え、
前記アーム部は、前記アーム部の基端側を形成する円筒状の部材であって、自身の円筒中心軸が前記アーム部の前記回動軸となるアーム基端部を含み、
前記ベルトは、前記アーム基端部の外周面の全周にわたり形成された環状溝に嵌め込まれるようにして該外周面に巻き掛けられており、
前記ベルト及び前記環状溝は、前記蓋部又は前記アーム部に対して所定の大きさの外力が付与されることにより、前記ベルトが前記環状溝上を滑り得るように形成されており、
前記補助紐の一方の端は、前記付勢手段の前記張力により前記アーム基端部の回転トルクが生じるように、前記アーム基端部の外周面に固定されている、
付記7に記載の防臭装置。
1 猫トイレ用防臭装置(本装置)、3 検知センサ、5 アーム部、7 アーム支持部、9 固定部材、10 本体部、11 循環ブロア、12 除湿部、13 粒状触媒部、14 光触媒部、15 集塵フィルタ部、16 貯水部、17 HEPAフィルタ部、51 アーム先端部、52 アーム管部、53 アーム基端部、71 支持内部空間、72 支持内部空間、77 導入管、78 導出管、100 支持プレート、101 導入ダクト、102 導出ダクト、103 中継ダクト、105 補助プレート、106 ガイド孔、107 スライダ、108 引張バネ、110 循環ブロア部、120 放熱ファン、140 光触媒プレート、141 光源、511 先端ボックス部、512 先端板部、513 ボックス内部空間、514 ボックス内部空間、515 吸引口、516 吐出口、521 アーム管腔、522 アーム管腔、531 環状溝、532 基端内部空間、533 基端内部空間、535 ベルト、537 プーリ、538 補助紐