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特開2023-12490医薬的および栄養補助食品的アブシジン酸組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012490
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】医薬的および栄養補助食品的アブシジン酸組成物
(51)【国際特許分類】
   A23C 9/152 20060101AFI20230118BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20230118BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20230118BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230118BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20230118BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230118BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20230118BHJP
【FI】
A23C9/152
A61P3/02
A61K31/19
A61P3/10
A61P15/00
A61P25/18
A23L33/105
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022169215
(22)【出願日】2022-10-21
(62)【分割の表示】P 2021019584の分割
【原出願日】2011-09-19
(31)【優先権主張番号】61/384,020
(32)【優先日】2010-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509319074
【氏名又は名称】バレント・バイオサイエンシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Valent BioSciences LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】マリア・ピラー・ヘレロ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン・イー・シェイファー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を含む組成物、および医薬的および/または栄養補助食品的使用方法を提供する。
【解決手段】アブシジン酸、および/またはその塩を含む幼児調乳組成物、アブシジン酸、および/またはその塩を含む、哺乳動物に投与するための栄養組成物、ならびに天然に存在する値より大きい量のアブシジン酸、および/またはその塩を含む、消費用食品成分を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前立腺肥大の治療方法であって、それを必要とする患者に、医薬的有効量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を投与することを含む方法。
【請求項2】
血中トリグリセリド値を低下させる方法であって、患者に、医薬的有効量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を投与することを含む方法。
【請求項3】
血糖値を低下させる方法であって、それを必要とする患者に、医薬的有効量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を投与することを含む方法。
【請求項4】
生後体重を増加させる方法であって、それを必要とする患者またはそれを必要とする患者の授乳中の親に、医薬的有効量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を投与することを含む方法。
【請求項5】
出生児の生後生存率を増加させる方法であって、親または出生児に医薬的有効量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を投与することを含む方法。
【請求項6】
アブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を含む幼児調乳組成物。
【請求項7】
アブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を含む、患者に投与するための栄養組成物。
【請求項8】
天然に存在する値より大きい量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を含む、消費用食品成分。
【請求項9】
免疫機能を増加させる方法であって、それを必要とする患者に、医薬的有効量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を投与することを含む、方法。
【請求項10】
該免疫機能が、アブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体の投与の結果として動物の脾臓の大きさを減少させることによって増加する請求項9記載の方法。
【請求項11】
注意欠陥障害の治療方法であって、それを必要とする患者に、医薬的有効量のアブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、アブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体を含む組成物、およびその製造方法、およびそのヒトにおいて医薬的および/または栄養補助食品的に使用するための投与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アブシジン酸は、天然の植物ホルモンであり、安全な無毒性物質である。アブシジン酸およびその類似体の化学および生理学は、Milborrow、Ann.Rev.Plant Physiol.1974、25、259-307に記載されている。アブシジン酸の天然のエナンチオマー形は、(S)-(+)-アブシジン酸である。それはすべての緑色植物およびある種の微生物によって生合成的に産生される異性体であるため、天然アブシジン酸の大部分の側鎖の立体化学は、2-シス-,4-trans-である。
【0003】
しかしながら、米国出願12/011,846、12/011,825、61/083,202、61/083,203、およびPCT/US08/01203に記載のアブシジン酸のある種の塩、および/またはその誘導体および類似体は、その組成物中のアブシジン酸が高濃度であることが示されている(これらの内容は本明細書の一部を構成する)。
【0004】
アブシジン酸を含む市販の製剤は、農業および園芸において、収穫時および植え付け時またはそれらの周辺でのストレス耐性を改善し、成長速度を遅くし、開花期を調節するために用いられる。アブシジン酸は、昆虫阻害性を持つことも報告されている。米国特許No.4,434,180および4,209,530参照。他に、アブシジン酸の潜在的医薬特性が報告されており、例えば米国特許出願No.2006/0292215は、アブシジン酸を抗癌のために用いる方法を開示し、国際出願No.WO 2007/042983は、アブシジン酸の抗炎症活性を開示している。これらの内容は本明細書の一部を構成する。
【0005】
今回、出願人は、驚くべきことに、アブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体がヒトにおいて医薬的および栄養補助食品的特性を有することを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(発明の要約)
【0007】
本発明は、一般的には、アブシジン酸、および/またはその塩、誘導体、および類似体(その(S)-(+)-アブシジン酸が一エナンチオマー(以後「S-ABA」という)である)(本明細書では、まとめて「ABA」という)を含む組成物、およびその医薬および栄養補助食品としての使用方法を指向する。出願人は、ABAの組成物を用いて種々の病気を治療することができ、栄養補助食品として用いることもできることをみいだした。
【0008】
本発明の組成物は一般的にABAを含む。ABAの生物活性を増強する他の成分も含むことができる。
【0009】
本発明のある態様は、前立腺肥大の治療方法であって、それを必要とする患者に医薬的有効量のABAを投与することを含む方法を指向する。
【0010】
本発明の他の態様は、医薬的有効量のABAを患者に投与することを含む、血糖値を低下させる方法および血中のトリグリセリド値を低下させる方法を含む糖尿病の治療を指向する。
【0011】
さらに別の態様において、本発明は、生殖、より具体的には、生後生存率および体重を増加する方法であって、それを必要とする患者または患者の授乳中の親に医薬的有効量のABAを投与することを含む方法を指向する。
【0012】
本発明の別の態様は、免疫機能を増加する方法であって、それを必要とする患者に医薬的有効量のABAを投与することを含む方法を指向する。この免疫学的効果の少なくとも一部は、多くの病状(感染~肝臓疾患およびある種の癌)が脾臓の肥大をもたらし得るので、観察される脾臓の大きさの減少により示すことができる。
【0013】
最後に、別の態様において、本発明は、患者に医薬的有効量のABAを投与することを含む、注意力の増強および注意欠陥障害の治療を指向する。
【0014】
開示した態様は、本明細書に記載の革新的概念の単なる例示的態様であって、特許請求の範囲にそうでないと明示的に記載しないかぎり、限定するものと考えるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、一般的に、ABAを含む組成物(そのS-ABAは一エナンチオマーである)およびその医薬および栄養補助食品としての使用方法を指向する。出願人は、ABAの組成物を用いて種々の病気を治療することができ、幼児調乳(infant formula)における栄養補助食品または食品成分としても用いることができることをみいだした。
【0016】
好ましいABA類似体および誘導体は、構造1、2、および3で定義される。
【0017】
構造1について、側鎖の2位の結合はシス-、またはトランス-二重結合である;
側鎖の4位の結合はトランス-二重結合または三重結合である;
アルコールヒドロキシル基の立体化学は、S-、R-、またはR,S-混合物である;
R1基の立体化学はアルコールヒドロキシル基とシス-の関係にある;
R1 = エチニル、エテニル、シクロプロピル、またはトリフルオロメチルであり、
R2 = 水素または低級アルキルである。
[式中、低級アルキルは、1~4個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖のアルキル基(ここで、該基は0環、または炭素原子が3またはそれ以上存在する場合は1環または二重結合を含みうる)と定義される。]
【0018】
構造2について、側鎖の2位の結合は、シス-またはトランス-二重結合である;
側鎖の4位の結合は三重結合であり、アルコールヒドロキシル基の立体化学はS-、R-、またはR,S-混合物である;
R1 = 水素または低級アルキルである。
[式中、低級アルキルは、1~4個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖のアルキル基(ここで、該基は0環、または炭素原子が3またはそれ以上存在する場合は1環または二重結合を含みうる)と定義される。]
【0019】
構造3について、側鎖の2位の結合は、シス-またはトランス-二重結合である;
側鎖の4位の結合はトランス-二重結合であり、アルコールヒドロキシル基の立体化学はS-、R-、またはR,S-混合物である;
R1 = 水素または低級アルキルである。
[式中、低級アルキルは、1~4個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖のアルキル基(ここで、該基は0環、または炭素原子が3またはそれ以上存在する場合は1環または二重結合を含みうる)と定義される。]
ナトリウムおよびカリウム塩を含む上記類似体の塩を本発明において用いることができる。
【0020】
S-ABAが本明細書の該組成物および使用における好ましい化合物であり、以下の構造を有する。
【0021】
本発明の組成物および方法は、記載したアブシジン酸のすべての異性体形、そのラセミ混合物、エノール形、溶媒和および非溶媒和形、類似体、プロドラッグ、誘導体(限定されるものではないが、エステルおよびエーテルを含む)、および医薬的に許容される塩を含む。用いることができる適切な塩の例には、無機酸、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、およびカリウム塩、および有機アミン塩、例えば、トリエタノールアミン塩、ジメタノールアミン塩、およびエタノールアミン塩が含まれる。ある態様において、有機アミン塩はトリエタノールアミン塩である。別の態様において、有機アミン塩はジメチルエタノールアミン塩である。さらに別の態様において、有機アミン塩はエタノールアミン塩である。他の塩も本発明において用いるのに適し得るので、これら塩の例に限定されない。ある好ましい塩はアンモニウム塩である。他の好ましい塩はナトリウム塩およびカリウム塩である。該塩は、該酸形を、十分量の、常套的方法で塩を生成するのに望ましい塩基と接触させることにより製造することができる。遊離塩形は、該塩を適切な希釈水性酸溶液、例えば希釈水性硫酸、塩酸、またはリン酸で処理することにより再生することができる。遊離酸形は、その各塩形と幾分ある種の物理特性、例えば極性溶媒中での溶解性が異なるが、該塩は、本発明の目的とするその各遊離酸形と等価である。(例えば、S.M.Berge、et al.、“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.、66:1-19(1977)参照。(この内容は本明細書の一部を構成する))。
(定義)
【0022】
用語「予防する」および「予防」は、該用語が適用される疾患、障害、または病状、または該疾患、障害、または病状の1またはそれ以上の症状の可能性を減少させるための予防的使用を表す。予防の可能性100%を達成する必要はなく、該疾患、障害、または病状に罹患するリスクを少なくとも部分的に減少させる効果を達成すれば十分である。
【0023】
用語「患者(patientおよびpatients)」は、治療を受けているか、治療を必要とするか、予防目的の処置を受けているか、および/または該組成物を投与されているあらゆるヒトまたはヒトの出生児を表す。用語「出生児(子孫)」は、ヒトの子孫(progenyまたはdescendant)を表し、生まれた子孫、胎児、および胚が含まれる。
【0024】
用語「組成物」は、外因性または上方制御ABAを含む生成物、およびABAと特定量の特定成分との混合物から直接または間接的に生じるあらゆる生成物を含む、(必要であれば特定量の)ABAを含む生成物を含む。「医薬的に許容される」は、製剤の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに有害でない希釈剤、賦形剤、または担体を意味する。
【0025】
用語「投与する」または「投与」は、本発明のABAおよび他の治療剤を体内、好ましくは全身循環内に導入するためのあらゆる手段を含む。例には、限定されるものではないが、経口、バッカル(口腔内)、舌下、肺、眼、経皮、経粘膜、鼻内、および皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内注射、経胎盤伝達、および授乳が含まれる。
【0026】
用語「医薬的有効量」は、疾患、病状を治療するか、望む結果を達成するために患者に投与する場合は、該疾患に対するそのような治療を実施するか、または望む結果を得るために十分な化合物の量を意味する。「治療的有効量」は、化合物、治療する病状または望む健康的利益、重症度または治療した疾患、望む結果、患者の年齢と関連健康状態、投与経路と投与の形、担当医師または患者を世話または介護する人の判断、または他の要因によって変化するだろう。「有効な」ABAの量は、特定の使用、特定のABA、その塩、誘導体、および類似体などに応じて組成物ごとに変化するだろう。したがって、正確な「有効量」を常に特定できるわけではない。しかしながら、あらゆる個々の場合に適切な「有効量」は、常套的実験を用いて当業者が決定することができよう。
【0027】
用語「治療する」および「治療」は、疾患または病状を有するかまたは有すると疑われる患者や患者の親に治療薬を投与する一般的に理解された意味を有し、該用語を適用する疾患、障害、または病状、または該疾患、障害、または病状の1またはそれ以上の症状の進行を逆転、改善、阻害し、または遅らせるか、疾患、病状、障害、または疾患、病状、障害、または結果が生じる機会を予防または減少させるか、または、特定の生理学的反応の効果または健康的利益を増大することを表す。
【0028】
本明細書で用いている用語「減少させる」、「抑制する」、および「阻害する」は、減少させるか低下させることの通常に理解された意味を有し、用語「進行」は、範囲または重症度の増加、進行、増殖、もしくは悪化を意味する。本明細書で用いている用語「再発」は、寛解期後に治療前の状態に戻ることを意味する。
【0029】
本明細書で用いている用語「栄養補助食品」は、一般的に、食品もしくは液体、食品もしくは液体の部分、または食品もしくは液体に対する添加物であり、疾患の予防および治療を含む医学的もしくは健康的利益をもたらすか、または外因性または上方制御ABAを含まない物質を超えるか、またはそれと無関係な生理反応を引き起こす、ABAを含むあらゆる物質を意味すると理解される。そのような製品は、単離した栄養素、食品添加物、特定ダイエット、一般的に操作されたデザイナー食品、ハーブ製品、および加工食品、例えばシリアル、スープ、栄養バー、飲料、錠剤、カプセル、溶液、エマルジョン、バー、ゲル、シェイク、ヨーグルト、パン、ジュース、および他の栄養補助食品に及ぶ。
【0030】
本明細書で用いている、量、重量パーセンテージなどに関するすべての数値は、各特定の値の「約」または「おおよそ」、すなわち±10%として定義する。例えば、用語「少なくとも5重量%」は、「少なくとも4.5重量%~5.5重量%」と理解すべきである。したがって、クレームした値の10%以内の量が特許請求の範囲に含まれる。
投与用組成物
【0031】
ある態様において、本発明の組成物は、経口摂取に適した医薬的に適切なビークル中に含まれることができる。適切な医薬的に許容される担体には、固体充填剤もしくは希釈剤、および無菌水性または有機溶液が含まれる。活性化合物は、そのような医薬組成物中に望む効果をもたらすのに十分な量で存在する。
【0032】
本発明を実施するのに用いることが予期される医薬組成物は、固体、溶液、エマルジョン、ディスパージョン、ミセル、リポソームなどの形で用いることができ、得られる組成物は、1またはそれ以上の活性成分を、鼻、腸、または非経口的適用に適した有機もしくは無機担体または賦形剤との混合物で含む。
【0033】
活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、トローチ、ローゼンジー、水性もしくは油性サスペンジョン、分散性粉末もしくは顆粒、坐薬、溶液、エマルジョン、サスペンジョン、硬または軟カプセル、カプレット、またはシロップもしくはエリキシル(剤)、および使用に適した他のあらゆる形のための無毒性の医薬的および生理学的に許容される担体と混合することができる。可能な担体には、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、3ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ジャガイモデンプン、ウレア、中鎖トリグリセリド、デキストラン、および製剤の製造に用いるのに適した固体、半固体、または液体形の他の担体が含まれる。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、および着色料を用いることができる。
【0034】
別の態様において、本発明の組成物は、鼻内、静脈内、経皮、または眼投与用に処方することができる。そのような投与用の組成物を処方することは当該分野の技術内である。
【0035】
種々の態様において、本発明の組成物は、経口摂取用に、食品と一緒に処方することができる。別の態様において、本発明の組成物は、摂取のための栄養補助食品として、例えば固体または液体、例えば錠剤、カプセル、溶液、エマルジョン、バー、ゲル、シェイクなどとして処方することができる。他の態様において、本発明の組成物は、ヨーグルト、シリアル、パン、ジュース、および他の栄養補助食品とともに処方することができる。さらなる態様において、本発明の組成物は、限定されるものではないが、健康上の利益をもたらす食品を含む、ヨーグルト、シリアル、パン、ジュース、および他の栄養補助食品と組み合わせることができる。
【0036】
異なる態様において、本発明の組成物は、経口摂取用の液体組成物に処方することができる。該組成物を経口摂取用の液体組成物に処方することは当該分野の技術内である。
【0037】
他の態様において、本発明の組成物は、授乳中の親を通して出生児に、経胎盤移行を通して親から出生児に、IVにより、または出生児のための幼児調乳で投与することができる。
本発明の組成物および方法で処置される疾患および病状
【0038】
本発明は、疾患または病状の治療および/または予防方法であって、それを必要とする患者に医薬的有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0039】
ある態様において、本発明は、前立腺肥大の治療方法であって、それを必要とする患者に医薬的有効量のABAを投与することを含む方法を指向する。
【0040】
本発明の別の態様は、医薬的有効量のABAを患者に投与することを含む、血糖値を低下させる方法または血中のトリグリセリドレベルを低下させる方法を含む糖尿病の治療方法を指向する。
【0041】
別の態様において、本発明は、生殖、より具体的には生後生存率および体重を増加させる方法であって、それを必要とする患者に医薬的有効量のABAを投与することを含む方法を指向する。これは、少なくとも一部は、動物の脾臓の大きさの減少によって生じうる。脾臓は、免疫系に役割を果たす血小板および白血球をそこに蓄えながら血液を濾過し、再循環する役割を果たす臓器である。
【0042】
最後に別の態様において、本発明は、医薬的有効量のABAを患者に投与することを含む、注意力(alertness)の増加と注意欠陥障害の治療を指向する。
【0043】
種々の方法のためのABAの医薬的有効量の好ましい範囲は、約0.1mg/kg/日~約1000mg/kg/日である。ABAの医薬的有効量のより好ましい範囲は、約10mg/kg/日~約1000mg/kg/日である。ABAの医薬的有効量の特に好ましい範囲は、約50mg/kg/日~約500mg/kg/日である。ABAの医薬的有効量の特に好ましい範囲は、約50mg/kg/日~約200mg/kg/日である。
【0044】
好ましい組成物はS-ABAを含む。
【0045】
本発明のある態様は、すぐに使える希釈液または希釈可能な濃縮物として製造することができる液体組成物である。本発明の該態様は、0.5%~50%(重量)のABAを含む溶液でありうる。希釈可能な濃縮物は、活性成分の沈殿の危険性なしに、直接水で最終適用濃度またはあらゆる中間希釈物に希釈することができる。本発明のある態様において水性製剤は、製造が安価であり、安全に取り扱い使用することができ、ABA活性成分は、保存および輸送条件下で安定である。当業者は、過度な実験なしに、活性成分の沈殿を生じるいかなる可能性もなしに、活性成分を溶液にするために長時間面倒な攪拌を行うことなく、ヒトおよび/または動物に直接適用するための最終水性溶液濃度に調製する方法を決定することができよう。
【0046】
本発明の組成物は、単一単位用量または複数の単一単位用量として製造することができる。本明細書で用いている「単位用量」は、予め決定した量の活性成分を含む該組成物の分離した量を意味する。活性成分の量は、一般的に、患者に投与する活性成分またはその分画の用量に等しい。
【0047】
本発明の組成物は、液体または凍結乾燥もしくは他の方法で乾燥した製剤であり得、種々の緩衝内容物(例えば、Tris-HCl、アセテート、ホスフェート)、pHおよびイオン強度の希釈剤、表面への吸着を防ぐ添加物(例えばアルブミンまたはゼラチン)、界面活性剤(例えば、Tween 20(登録商標)、Tween 80(登録商標)、Pluronic F68(登録商標)、胆汁酸塩)、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存料(例えば、Thimerosal(登録商標)、ベンジルアルコール、パラベン)、増量物質もしくは張性修飾物(例えば、ラクトース、マンニトール)、ポリマー(例えばポリエチレングリコール)のタンパク質との共有結合、金属イオンとの錯体形成、または該物質のポリマー化合物(ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルなど)の粒子調製物内もしくは上、またはリポソーム、ミクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多層ベジクル、赤血球ゴースト、またはスフェロプラスト上への取り込み、を含む。そのような組成物は、物理的状態、可溶性、安定性、in vivo放出速度、in vivoクリアランス速度に影響を与える。制御または持続放出組成物には、脂溶性デポー(例えば脂肪酸、ワックス、油)中の製剤が含まれる。
【0048】
さらに、本明細書で用いている「医薬的に許容される担体」は、当業者によく知られており、限定されるものではないが、0.01~0.1M、好ましくは0.05Mリン酸緩衝液、または0.9%生理食塩水が含まれる。さらに、そのような医薬的に許容される担体は、水性もしくは非水性溶液、サスペンジョン、およびエマルジョンでありうる。非水性溶液の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、(例えばオリーブ油)、および注射可能な有機エステル(例えばオレイン酸エチル)がある。水性担体には、水、アルコール/水性溶液、エマルジョン、またはサスペンジョン(生理食塩水および緩衝媒質を含む)が含まれる。
【0049】
非経口的ビークルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸化リンゲル、および固定油が含まれる。静脈注射用ビークルには、液体および栄養補充薬、電解質補充薬(例えばリンゲルデキストロースベースのもの)などが含まれる。保存料および他の添加物には、例えば抗菌剤、抗酸化剤、コレーティング剤、不活性ガスなども含まれうる。
【0050】
本発明の制御または持続放出組成物には、脂溶性デポー(例えば、脂肪酸、ワックス、油)中の製剤が含まれる。本発明では、ポリマー(例えばポロキサマーまたはポロキサミン)でコートした粒子組成物、および組織特異的レセプター、リガンド、または抗原に対する抗体と結合するか、または組織特異的レセプターのリガンドと結合した化合物も予期される。本発明の組成物の他の態様では、非経口的、経肺、経鼻、および経口的を含む種々の投与経路のために粒子形、保護コーティング、プロテアーゼ阻害剤、または浸透性増強剤を組み合わせる。
【0051】
水溶性ポリマー(例えばポリエチレングリコール)、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、またはポリプロリンの共有結合により修飾された化合物は、対応する非修飾化合物に比べて静脈内注射後に血中で実質的に長い半減期を示すことがわかっている。そのような修飾は、水性溶液への該化合物の可溶性を増加し、凝集を排除し、該化合物の物理的および化学的安定性を増強し、該化合物の免疫原性および反応性を著しく低下させることもできる。その結果、そのようなポリマー・化合物アブダクト(abduct)の投与により該非修飾化合物より低頻度または低用量で望むin vivo生物活性を達成することができる。
【0052】
医薬製剤は、ABAのみを含むか、またはさらに医薬的に許容される担体を含むことができ、固体もしくは液体形、例えば、錠剤、粉末剤、カプセル、ペレット、溶液、サスペンジョン、エリキシル、エマルジョン、スプレー、ゲル、クリーム、または坐剤(肛門および尿道坐剤を含む)でありうる。医薬的に許容される担体には、ガム、デンプン、糖、セルロース物質、およびそれらの混合物が含まれる。ABAを含む医薬製剤は、例えばペレットの皮下埋め込みにより患者に投与することができる。該製剤は、液体製剤の鼻内、静脈内、動脈内、または筋肉内注射により投与することもできる。投与は、直腸坐剤や尿道坐剤を用いて達成することもできる。
【0053】
本発明により投与可能な医薬製剤は、既知の溶解、混合、顆粒化、または錠剤形成法により製造することができる。経口投与用にはABAなどをこの目的に常套的な添加剤(例えば、ビークル、安定化剤、または不活性希釈剤)と混合し、常套的方法により投与に適した形、例えば、錠剤、コートされた錠剤、硬または軟ゼラチンカプセル、水性、アルコール性、または油性溶液に変換する。適切な不活性ビークルの例には、常套的錠剤基剤(例えばラクトース、スクロース、またはコーンスターチ)を結合剤(例えばアカシア、コーンスターチ、ゼラチン)、崩壊剤(例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸)、または潤滑剤(例えば、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム)と組み合わせたものがある。
【0054】
適切な油性ビークルまたは溶媒の例には、植物油または動物油(例えば、ひまわり油または魚肝油)がある。製剤は乾燥顆粒および湿潤顆粒として製造することができる。非経口投与(皮下、静脈内、動脈内、または筋肉内注射)用には、ABAなどを、所望によりこのために適した常套的な物質(例えば可溶化剤または他の助剤)を用いて溶液、サスペンジョン、またはエマルジョンに変換する。例には、界面活性剤および他の医薬的に許容されるアジュバントを添加するかまたは添加しない無菌液(例えば水および油)がある。実例となる油は、石油、動物、植物、または合成物質起源のもの、例えばピーナッツ油、ダイズ油、または鉱油がある。一般的に、水、生理食塩水、水性デキストロース、および関連糖溶液、およびグリコール(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)が、特に注射用溶液用に好ましい液体担体である。
【0055】
活性成分を含む医薬組成物の製造は当該分野でよく知られている。そのような組成物は、注射剤(液体溶液またはサスペンジョン)として製造することができるが、注射前に液体に溶解または懸濁するのに適した固体形としても製造することができる。該製剤を乳化することもできる。治療用活性成分は、しばしば医薬的に許容される、活性成分と適合性の賦形剤と混合される。適切な賦形剤には、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどまたはそのあらゆる組み合わせがある。
【0056】
さらに該組成物は、活性成分の効果を増強する、少量の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤を含むことができる。
【0057】
以下の実施例は、本発明の例示のためであり、当業者に本発明を製造および使用する方法を開示するためのものであり、本発明またはその保護を何ら限定するものではない。
【実施例0058】
(S)-(+)-アブシジン酸を用い、以下に示す標準的ガイドラインおよび方法に従って試験を行った:EPA Subchronic Toxicity Test Guidelines:870.3050 - Repeated Dose 28-Day Oral Toxicity Study in Rodents (July 2000);870.3100 - 90-Day Oral Toxicity in Rodents (August 1998);870.3650 - Combined Repeated Dose Toxicity Study with the Reproduction/Developmental Toxicity Screening Test (July 2000);および870.3200 - 21/28-Day Dermal Toxicity (August 1998)、ならびにOrganization for Economic Co-operation and Development (OECD) Guidelines for the Testing of Chemicals(Test No. 407:Repeated Dose 28-day Oral Toxicity Study in Rodents;Test No. 408:Repeated Dose 90-Day Oral Toxicity Study in Rodents;Test No. 416: Two-Generation Reproduction Toxicity;およびTest No. 410: Repeated Dose Dermal Toxicity: 21/28-day Studyを含む)。
これら試験から得たデータの例を以下に示す。
【0059】
齧歯類における90日間経口毒性試験
供給されたバッチ(雄42匹および雌42匹)から、雄40匹および雌40匹を試験に割り当てた。動物を4用量群に割り当て、以下のごとく処置した。

【0060】
動物に、食事経路で7日間/週、13週間連続で最終的に屠殺する直前まで投与した。対照動物には薬剤不含餌のみを与えた。濃度は試験期間を通して一定であった。詳細な実験をすべての動物で4、8、および12週間行った。すべての組織の組織病理学的評価を対照群と投与群のすべての動物について行った。この試験の所見および試験結果を下記表2、4、および5に示す。
【0061】
2世代繁殖毒性試験
この試験は、2世代試験における繁殖に対する被験物質の潜在的有害作用を試験するために行った。この試験には、生殖腺機能、性周期、交尾、受胎、妊娠、出産、授乳、離乳、および出生児(産仔)の成長と発達を含む、雄および雌の繁殖過程に対する被験物質の効果の試験が含まれた。最小1腹を各世代で得た。
【0062】
3群の雄および雌に、交尾前に少なくとも70日間連続で、継続的に餌中にS-ABAを与えた。目標とする被験物質濃度はF0およびF1世代で10,000、15,000、および20,000ppmであった。性別あたり30匹の同時対照群に試験を通して継続的に基礎餌を与えた。F0動物は、試験餌投与開始時に約7週齢であった。試験餌を離乳後F1世代になるために選んだ出生児に投与した。F0およびF1の雄に、交尾中を通して、および安楽死の前日まで連続して被験物質を与え続けた。F0およびF1の雌には、交尾中、妊娠中、および授乳中および安楽死の当日まで被験物質を与え続けた。両世代(F1およびF2)について、腹間変動を減らすように仔8匹/腹(できれば性別あたり4匹)を選んだ。F0動物のペアから生まれた仔(できれば30匹/性別/群)をF1世代を構成するために選んだ。F0の雄および雌を127~130日間連続で暴露し、F1の雄および雌を178~186日間連続で暴露した。
【0063】
すべての動物の外見と挙動を1日2回観察した。臨床観察、体重、および餌消費量を、雄については試験を通して、雌については交尾前と妊娠中および授乳中に適切な間隔で記録した。すべてのF0およびF1の雌を、出産させ、授乳21日目に離乳するまで仔を育てさせた。F1およびF2の仔について臨床観察、体重、および性徴を適切な間隔で記録した。選択しなかったF1仔および全生存F2仔を剖検した。剖検したF1仔およびF2仔からの1仔/性別/腹の選択した器官の重量を測定した。各生存F0およびF1親動物に、F1仔およびF2仔の離乳完了後に完全に詳細で全体的な剖検を行い、選択した器官を重量測定した。すべてのF0およびF1雄で精子形成エンドポイントを記録し、対照群および高暴露群のすべてのF0およびF1雌、ならびに低受精率と疑われるすべてのF0およびF1雌について原始卵胞数を記録した。すべてのF0およびF1親動物から得た指定した組織を顕微鏡検査した。
この試験の観察結果と試験結果を下記表1~3および6~13に示す。
【0064】
前立腺処置
雄ラットの2世代毒性試験において、表1に示すようにS-ABA処置に応じた平均前立腺重量の減少について観察した。
表1



【0065】
これら試験データから、S-ABAは前立腺の大きさを減少させることがわかる。例えば10,000ppm(100万分の1)の用量では、雄ラットで前立腺重量の平均減少は1.21gから1.08gであることがわかる。
【0066】
同様に90日間毒性試験では、下記表2に示すように前立腺重量の減少が2,000ppmで見られた。
表2


【0067】
ラットのS-ABAの2世代繁殖毒性の結果に基づいて、この前立腺重量の減少は下記表3に示すように精子の産生に影響を及ぼさないようである。
【0068】
表3
精子の運動性と濃度の要約


【0069】
糖尿病の処置
ラットの90日間毒性試験において、グルコースおよびトリグリセリドレベルを測定した。
表4はS-ABA処置に応じた平均血糖値の低下を示す。
表4


【0070】
この試験データから、S-ABAは血糖値を低下させることがわかる。例えば、2,000ppm用量で、雄ラットの平均血糖値は9.71から8.78マイクログラム(μg)/Lに低下することがわかる。6,000および20,000ppm用量レベルで、雄および雌ラットの平均血糖値が低下することがわかる。
【0071】
表5は、ラットの90日間毒性試験においてS-ABA酸処置に応じてトリグリセリドレベルの用量依存性の低下を示す。
表5


【0072】
この試験データから、S-ABAはトリグリセリドレベルを減少させることがわかる。例えば、2,000ppm~20,000ppmにおいて、雄および雌ラットでトリグリセリドレベルの用量依存性の低下がみられる。
【0073】
繁殖
表6は、S-ABA処置に応じた仔の生後生存率の増加を示す。
表6



この試験データから、S-ABAは生後仔生存率を増加させることがわかる。例えば、第4~7日において10,000ppm用量は、ラットの平均生存率を98.6%から99.5%に増加させた。
【0074】
表7は、S-ABA処置に応じて仔の体重増加が増すことを示す。
表7

【0075】
この試験データから、S-ABAは仔の体重増加を増すことがわかる。例えば、第21日までに10,000ppm用量では、雄ラットの平均仔体重が46.8グラムから47.9グラムに増加した。雌ラットの平均仔体重の対応する増加は44.4グラムから45.5グラムであった。
この結果もABAが動物の繁殖によく利用される予防的抗生物質の代わりとなり得ることを示唆する。
【0076】
表8は、S-ABA処置に応じて仔死亡率が低下することを示す。
表8


【0077】
この試験データは、S-ABAが仔死亡率を減少させることを示す。例えば、10,000ppm用量では4.57%から1.24%に減少した。
【0078】
表9は、S-ABA処置に応じて1腹あたりの平均生存仔数の増加を示す。
表9
【0079】
この試験データは、S-ABAが1腹あたりの生存仔数を増加させることを示す。例えば、15,000ppm用量では、1腹あたりの平均仔数が11.8から13.1に増加した。
【0080】
さらなるサポートデータを下記表10および11に示す。これらは、剖検において、胎児数および卵胞サイズがS-ABAの添加により増加することを示す
【0081】
表10
予定した剖検における胎児データ

【0082】
表11
原始卵胞数

【0083】
免疫系の健康状態
ラットの2世代繁殖毒性試験は、表12および13に示すように雄および第2世代仔の脾臓重量の減少を示した。
【0084】
表12

【0085】
表13
器官重量および相対器官重量の要約

【0086】
上記表/データに示すように、脾臓サイズの減少は、繁殖に関する上記表/データに示す健康の改善と死亡率の改善に直接関連するかもしれない。
【0087】
注意欠損障害
下記の21日間皮膚毒性試験に示すようにS-ABAは注意欠陥障害(「ADD」)の治療に有用でありうることも示唆するデータがある。
動物を以下のごとく投与群に分け、処置した。

【0088】
動物を、暴露時間6時間で7日間/週、3週間、皮膚投与により毎日処置した。
動物の腰部領域を切り取って皮膚を露出させ(約6x6cm)、被験製剤をこの領域上に均一に散布した。経口摂取を防ぐために、ホイルガーゼおよび粘着バンデージの包帯で胴体の周囲を被った。暴露6時間後に包帯を除去し、投与物を蒸留水で湿した布で拭き取った。
投与期間中、いくらかの動物が6時間の暴露期間中に粘着バンデージを取り外せたことがわかった。
【0089】

【0090】
上記のように、処置群の雌ラットは、粘着バンデージの取り外しに関してはるかによいようである。同様に、ラット神経毒性試験では、S-ABAは特に雌ラットの注意力を高めることがわかった。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブシジン酸、および/またはその塩を含む幼児調乳組成物。
【請求項2】
アブシジン酸、および/またはその塩を含む、哺乳動物に投与するための栄養組成物。
【請求項3】
天然に存在する値より大きい量のアブシジン酸、および/またはその塩を含む、消費用食品成分。
【外国語明細書】