(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023124985
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 17/00 20060101AFI20230831BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20230831BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20230831BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20230831BHJP
【FI】
F21V17/00 200
F21V29/503
F21V29/70
F21V5/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028879
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 喜子
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011JA01
(57)【要約】
【課題】安定した光学特性が得られる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、隣接して配置されるそれぞれに、複数の発光素子22が実装された複数の基板21a,21b,21cと、隣接して配置されるそれぞれに、発光素子22それぞれからの光をそれぞれ屈折させるレンズ41を複数有する複数のレンズユニット13a,13b,13cと、を備える。隣接する基板21a,21b,21cの間の隣接部21dと、隣接するレンズユニット13a,13b,13cの間の隣接部13dと、が異なる位置に配置されるように、基板21a,21b,21cとレンズユニット13a,13b,13cとが組み合わされる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接して配置されるそれぞれに、複数の発光素子が実装された複数の基板と;
隣接して配置されるそれぞれに、前記発光素子それぞれからの光をそれぞれ屈折させるレンズを複数有する複数のレンズユニットと;
を備え、
隣接する前記基板の間の隣接部と、隣接する前記レンズユニットの間の隣接部と、が異なる位置に配置されるように、前記基板と前記レンズユニットとが組み合わされる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記基板が取り付けられる放熱器を備え;
前記レンズユニットのそれぞれは、前記レンズユニットの対向する両端部の前記レンズの位置に設けられるねじ止め用の一対の第1取付部を備え;
前記レンズユニットの1つは、一方の前記第1取付部によって1の前記基板を介して前記放熱器に取り付けられるとともに、他方の前記第1取付部によって1の前記基板と隣接して配置される2の前記基板を介して前記放熱器に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記レンズユニットは、一対の前記第1取付部を結ぶ第1仮想線に対して非直角に交差する第2仮想線上で、前記レンズユニットの対向する両端部の前記レンズの位置に設けられる一対の第2取付部を備える
ことを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の発光素子がそれぞれ実装された複数の基板が所定の配列で配置された照明装置がある。
【0003】
この照明装置では、複数の基板を用いているため、基板の間で位置ずれが生じると、光学特性が変化してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、安定した光学特性が得られる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、隣接して配置されるそれぞれに、複数の発光素子が実装された複数の基板と、隣接して配置されるそれぞれに、発光素子それぞれからの光をそれぞれ屈折させるレンズを複数有する複数のレンズユニットと、を備える。隣接する基板の間の隣接部と、隣接するレンズユニットの間の隣接部と、が異なる位置に配置されるように、基板とレンズユニットとが組み合わされる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、安定した光学特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】同上照明装置の光源モジュールおよびレンズユニットの正面図である。
【
図3】同上光源モジュールとレンズユニットとの組み合わせ方式を説明する正面図である。
【
図6】同上レンズユニットの
図5A-A視の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に照明装置10の模式図を示す。照明装置10は、例えば、光を投影するスポットライト、ダウンライト、投影機などである。照明装置10は、複数の光源モジュール11と、光源モジュール11を取り付ける放熱器12と、光源モジュール11から放射される光を制光(例えば、屈折)する複数のレンズユニット13と、レンズユニット13で制光された光を集光する集光レンズ14と、集光レンズ14で集光された光を拡散する拡散板15と、拡散板15を透過した光が通過するアパーチャ16を有するアパーチャ体17と、アパーチャ16を通過した光を投影する投影レンズ18と、を備えている。さらに、照明装置10は、上述の構成を配置する筐体や、光源モジュール11を点灯させる電源部などを備えている。
【0011】
そして、
図2および
図3に示すように、光源モジュール11は、周方向の所定の角度毎であって、例えば120°毎に3つの光源モジュール11a,11b,11cに分割されている。3つの光源モジュール11a,11b,11cが周方向に隣接して配置されることで、1つの光源モジュール11として構成されている。光源モジュール11a,11b,11cは、同一の光源モジュールであることが望ましいが、異なる光源モジュールであってもよい。ここでの異なる光源モジュールとは、外形寸法や、搭載する発光素子の配置は同じだが、例えば、搭載する発光素子の種類が異なったり、配線パターンが異なったり、コネクタ位置が異なったりする光源モジュールである。
【0012】
レンズユニット13は、周方向の所定の角度毎であって、例えば120°毎に3つのレンズユニット13a,13b,13cに分割されている。レンズユニット13a,13b,13cは同一のレンズユニットである。3つのレンズユニット13a,13b,13cが周方向に隣接して配置されることで、1つのレンズユニット13として構成されている。なお、
図2は光源モジュール11の一面側にレンズユニット13a,13b,13cを配置したうえで透過した(発光素子が視認できる状態とした)図を、
図3は光源モジュール11a、11b、レンズユニット13a、を配置したうえでレンズユニット13aを透過した図を示す。また、
図2には3つのレンズユニット13a,13b,13cを区別するために、斜線なし表示のレンズユニット13aと、ドット表示のレンズユニット13bと、斜線表示のレンズユニット13cと、で表している。
【0013】
レンズユニット13a,13b,13cは、隣接するレンズユニット13a,13b,13cの間の隣接部13dが、隣接する光源モジュール11a,11b,11cの基板間の隣接部21dと異なる位置に配置されるように、光源モジュール11a,11b,11cと組み合わされる。つまり、レンズユニット13a,13b,13cの隣接部13dと、光源モジュール11a,11b,11cの隣接部21dと、は上面視で重ならないように配置される。例えば、周方向に120°毎に分割された3つの光源モジュール11a,11b,11cの基板間の3つの隣接部21dと、周方向に120°毎に分割された3つのレンズユニット13a,13b,13c間の3つの隣接部13dと、が周方向に60°ずつずらして組み合わされる。
【0014】
また、
図2ないし
図4に示すように、光源モジュール11a,11b,11cは、基板21と、この基板21の一面側である前面側(表面側)に実装された複数の発光素子22と、を備えている。
【0015】
基板21は、周方向の例えば120°毎に3つの基板21a,21b,21cに分割されたような外形をしており、3つの基板21a,21b,21cが周方向に隣接して配置されることで1つの基板21として構成される。そして、隣接する3つの基板21a,21b,21cの間に隣接部21dが位置される。
【0016】
基板21a,21b,21cは、周方向に3つの基板21a,21b,21cが隣接して配置された際に基板21a,21b,21cの中心側に配置される中心点23と、この中心点23から分割角度である120°の角度で外径方向に延びる両側の辺であって他の基板21a,21b,21cと隣接される両側の隣接辺(分割辺)24と、両側の隣接辺24の外側を結ぶ外側辺25と、を備えている。基板21a,21b,21cは、外側辺25が中心点23および両側の隣接辺24と対称形状とする略菱形に形成されているが、外側辺25が円弧形状とする扇形に形成されていてもよい。
【0017】
基板21a,21b,21cは、中心点23を基準として、一側の隣接辺24側を含む領域である第1レンズユニット配置部26と、他側の隣接辺24側を含む領域である第2レンズユニット配置部27と、を備えている。第1レンズユニット配置部26と第2レンズユニット配置部27とは、両側の隣接辺24間で、中心点23を境として略半分に仕切られる各領域で構成されている。各レンズユニット配置部26,27には、異なるレンズユニット13aと13c、または13bと13a、または13cと13bがそれぞれ配置されて組み合わされる。
【0018】
基板21a,21b,21cは、単層基板または片面基板であり、例えばアルミニウムなどの金属材料や、例えばガラスエポキシなどの樹脂材料や、例えば酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックスなどの無機材料で形成されたベース板を有し、このベース板の前面側に配線パターンが形成されている。配線パターンには、各発光素子22を実装する複数の実装パッドと、発光素子22の種類毎の実装パッドを直列または直並列に接続するとともに基板21a,21b,21cの前面側の周辺部に設けられる入力端子部に接続される配線部とを含んでいる。配線部は複数の実装パッドの間や、基板21a,21b,21cの周辺領域などに沿って配線されるが、一部の配線部が交差する交差箇所が存在する場合、その交差箇所では下層の配線部上に設けられるジャンパー用絶縁層に交差する上層の配線部が設けられ、配線部同士が絶縁されている。
【0019】
基板21a,21b,21cの前面側に実装される発光素子22は、基板21a,21b,21cの中心点23から所定の実装範囲内に、両側の隣接辺24とそれぞれ平行となる各位置で、かつ隣接する発光素子22間のピッチが同一となる各位置に配列されている。そして、複数の発光素子22のうち、隣接する3つの発光素子22は正三角形の各頂点に位置され、1つの発光素子22の周囲に6つの発光素子22が隣接されてそれら6つの発光素子22が正六角形の各頂点に位置されている。
【0020】
基板21a,21b,21cの他面である背面側(裏面側)は、放熱器12に面接触されて熱的に接続されるように取り付けられる。
【0021】
基板21a,21b,21cには、所定の発光素子22の位置に発光素子22を実装するのに代えてレンズユニット13a,13b,13cを放熱器12にねじ止めするための複数のねじ挿通孔28が設けられている。ねじ挿通孔28は、第1レンズユニット配置部26において、第2レンズユニット配置部27と隣接する位置で、中心点23に最も近い発光素子22の位置と、中心点23から最も離れた発光素子22の位置と、にそれぞれ設けられ、また、第2レンズユニット配置部27において、隣接辺24で中心点23から最も離れた発光素子22の位置と、第1レンズユニット配置部26と隣接する位置で中心点23から最も離れた発光素子22の位置と、にそれぞれ設けられている。
【0022】
なお、基板21a,21b,21cは、レンズユニット13a,13b,13cとともに放熱器12にねじ止めされてもよいし、レンズユニット13a,13b,13cとは別に、放熱器12に直接的にねじ止めされてもよい。この場合、発光素子22の実装範囲の内側と外側のいずれに設けられていてもよく、実装範囲の内側であれば、隣接する3つの発光素子22の間や、発光素子22の位置でねじ止めされてもよい。
【0023】
発光素子22は、例えばSMD(Surface Mount Device)パッケージタイプや、CSP(Chip Scale Package)タイプが用いられ、基板21a,21b,21cの配線パターンの実装パッドに半田付けにより接続され、配線パターンを通じて電源部から点灯電力が供給されることにより光を放射する。基板21a,21b,21cに実装される各発光素子22間に沿って配線パターンの配線部が配置されている。発光素子22は、光の照射面にレンズ部が配設されていることが好ましい。なお、発光素子22の封止部材である樹脂材料を光の照射方向に向ってレンズ部を形成するように凸形状とすることで、レンズ部のように機能させるように構成されていてもよい。
【0024】
複数の発光素子22には、照明装置10が任意の光色の光を投影可能とするカラー投影機の場合、赤、緑、青、シアンなどの各光色の発光素子22が用いられ、さらに、明るい緑色や黄色、または青みがかった緑色であるミント色系の光や、琥珀色であるアンバー色系の光を放射する蛍光体を含む発光素子22が用いられていてもよい。各光色の発光素子22は、混色性が考慮されて基板21a,21b,21cに配置されている。なお、複数の発光素子22には、単一の光色の光を放射する発光素子22が用いられてもよいし、上記の複数の光色を個別に放射可能なマルチカラーの発光素子22が用いられてもよい。
【0025】
そして、電源部は、投影する光の色に応じて、色毎の発光素子22に点灯電力を供給し、点灯させる。
【0026】
また、
図1に示すように、放熱器12は、熱伝導性および放熱性に優れた例えばアルミニウムなどの金属製で、放熱フィンなどの放熱構造を備えていてもよい。放熱器12の前面側は平面状に形成され、この前面側に光源モジュール11a,11b,11cの基板21a,21b,21cの背面側が面接触されて熱的に接続されるようにねじ止めされている。放熱器12の前面側には、複数のねじ止めの位置に、取付孔である複数のねじ孔31(
図6参照)が設けられている。
【0027】
また、
図2および
図3に示すように、レンズユニット13a,13b,13cは、同一形状で、周方向の所定の角度毎であって、120°毎に分割されている。3つのレンズユニット13a,13b,13cが周方向に隣接して配置されることで、1つのレンズ装置として構成されている。そして、隣接する3つのレンズユニット13a,13b,13cの間に隣接部13dが位置されている。
【0028】
図2、
図3、
図5および
図6に示すように、レンズユニット13a,13b,13cは、例えばアクリル樹脂やポリカーボネートなどの透明な材料で一体に形成されている。
【0029】
レンズユニット13a,13b,13cは、外形が円形のレンズ41が複数集合されて一体に形成されたレンズ集合体42と、放熱器12に取り付けるための複数の取付部43と、を備えている。取付部43は、レンズ41の位置、レンズ41と代えてレンズユニット13に配設される。さらに、レンズユニット13a,13b,13cは、組み合わされる基板21a,21b,21cと位置決めするための複数の位置決め脚部と、基板21a,21b,21cを前面側から放熱器12に押える複数の押え脚部と、を備えていてもよい。これら位置決め脚部および押え脚部は、所定の隣接するレンズ41の間からレンズユニット13a,13b,13cの背面側に突設される。
【0030】
レンズユニット13a,13b,13cは、周方向に3つのレンズユニット13a,13b,13cが隣接して配置された際にレンズ装置の中心側に配置される中心点44と、この中心点44から分割角度である120°の角度で外径方向に延びる両側の辺であって他のレンズユニット13a,13b,13cと隣接される両側の隣接辺(分割辺)45と、両側の隣接辺45の外側を結ぶ外側辺46と、を備えている。レンズユニット13a,13b,13cは、外側辺46が中心点44および両側の隣接辺45と対称形状とする略菱形に形成されているが、外側辺46が円弧形状とする扇形に形成されていてもよい。
【0031】
レンズユニット13a,13b,13cは、中心点44を基準として、一側の隣接辺45を含む領域である第1基板配置部47と、他側の隣接辺45を含む領域である第2基板配置部48と、を備えている。第1基板配置部47と第2基板配置部48とは、両側の隣接辺45間で、中心点44を境として略半分に仕切られる各領域で構成されている。各基板配置部47,48は、隣接して配置される異なる基板21a,21b,21cにそれぞれ配置されて組み合わされる。
【0032】
レンズユニット13a,13b,13cの複数のレンズ41は、両側の隣接辺45とそれぞれ平行になる各位置で、かつ隣接するレンズ41の間のピッチが同一となる各位置に配列されている。そして、複数のレンズ41のうち、隣接する3つのレンズ41は正三角形の各頂点に位置され、1つのレンズ41の周囲に6つのレンズ41が隣接されてこれら6つのレンズ41が正六角形の各頂点に位置されている。このレンズ41の配列は、レンズユニット13a,13b,13cを配置して組み合わせる基板21a,21b,21cの複数の発光素子22の配列と対応されている。
【0033】
レンズ41は、全反射型のコリメータレンズで構成されている。コリメータレンズは、発光素子22からの光を屈折させるものであって、主として発光素子22からの光をレンズ光軸に平行な平行光に屈折させる。なお、レンズ41は、平行光に屈折させるものに限らず、必要な光学特性に応じて所定の方向に光に屈折させる構成であってもよい。レンズ41には、発光素子22を配置する凹部49が形成され、この凹部49の内面に発光素子22から放射された光が入射する入射面50が形成されている。凹部49の奥側の面で発光素子22の前面側に対向する入射面50の面は、凸曲面状に形成されており、発光素子22からの光をレンズ光軸に平行な平行光に屈折させる。レンズ41の前面側にレンズ41内から光が出射する出射面51が形成され、入射面50と出射面51との間の周囲に入射面50から入射した光を出射面51に向けて全反射させる反射面52が形成されている。反射面52は、背部側の入射側から全部側の出射側に向って拡径する略円錐形に形成されている。
【0034】
隣接するレンズユニット13a,13b,13cの隣接辺45に位置する複数のレンズ41が互いに嵌り合うように係合することで、隣接するレンズユニット13a,13b,13cが互いに組み合わされる。隣接するレンズユニット13a,13b,13cの隣接辺45に位置するレンズ41同士についても、上述したレンズユニット13a,13b,13c内のレンズ41の位置関係と同じに配置される。
【0035】
隣接して配置されるレンズユニット13a,13b,13cは、隣接するレンズユニット13a,13b,13cの間の隣接部13dが、隣接する光源モジュール11a,11b,11cの各基板21a,21b,21cの間の隣接部21dと異なる位置に配置されるように、基板21a,21b,21cと組み合わされる。例えば、周方向に120°毎に分割された3つの基板21a,21b,21c間の3つの隣接部21dと、周方向に120°毎に分割された3つのレンズユニット13a,13b,13c間の3つの隣接部13dと、が周方向に60°ずつずらして組み合わされる。
【0036】
レンズユニット13a,13b,13cの取付部43は、所定のレンズ41の位置で、レンズユニット13a,13b,13cの背面側から突出された円筒状のボス形状に形成され、内側に取付孔53が設けられている。取付部43は、レンズユニット13a,13b,13cの背面側からレンズ41よりも所定の長さLだけ突出され、基板21a,21b,21cの前面側に当接される。そのため、レンズユニット13a,13b,13cを放熱器12にねじ止めした状態では、複数のレンズ41と基板21a,21b,21cとの間に隙間が形成される。
【0037】
取付部43は、第1基板配置部47において、隣接辺45の位置で、中心点44から最も離れたレンズ41の位置と、第2基板配置部27と隣接する位置で、中心点44に最も近いレンズ41の位置と、にそれぞれ設けられ、また、第2基板配置部48において、隣接辺45の位置で、中心点44から最も離れたレンズ41の位置と、第1基板配置部47と隣接する位置で、中心点44から最も離れたレンズ41の位置と、にそれぞれ設けられている。
【0038】
取付部43には、レンズユニット13a,13b,13cの両側の隣接部13dのレンズ41の位置に設けられる一対の第1取付部54と、一対の第1取付部54を結ぶ第1仮想線55に対して非直角に交差する第2仮想線56上で、隣接する基板21a,21b,21cに各々対向するレンズ41の位置に設けられる一対の第2取付部57と、が含まれる。
【0039】
そして、レンズユニット13a,13b,13cの前面側から、取付孔53に挿入されるねじ58が基板21a,21b,21cのねじ挿通孔28を挿通して放熱器12のねじ孔31に螺着されることにより、レンズユニット13a,13b,13cの取付部43と放熱器12との間に介在する基板21a,21b,21cを放熱器12に押し付けた状態で、レンズユニット13a,13b,13cの取付部43が放熱器12に締め付け固定される。
【0040】
また、
図1に示すように、集光レンズ14は、レンズユニット13の各レンズ41から出射する光を集光する。
【0041】
また、拡散板15は、集光レンズ14で集光された光を入射し、拡散させて混色させる。
【0042】
また、アパーチャ体17は、周囲に広がる光を遮光し、アパーチャ16の形状に対応した光を通過させる。アパーチャ16は、基板21の大きさよりも小さく、かつ発光素子22の実装範囲の大きさよりも小さく設けられている。
【0043】
また、投影レンズ18は、アパーチャ16を通過した光を投影する。
【0044】
そして、照明装置10においては、投影する光の色に応じて各色の発光素子22が点灯され、点灯された発光素子22の光がレンズ41でレンズ光軸に平行な平行光となって出射されるとともに集光レンズ14でアパーチャ16に向けて集光され、アパーチャ16の手前で拡散板15により混色され、アパーチャ16を通過した光が投影レンズ18で投影される。
【0045】
発光素子22の点灯時に発生する熱は基板21から放熱器12に伝達されて放熱され、光源モジュール11の温度上昇が抑制される。
【0046】
次に、光源モジュール11a,11b,11cの基板21a,21b,21cとレンズユニット13a,13b,13cとの組み合わせ方式について、
図3を参照して説明する。
【0047】
光源モジュール11a,11b,11cは、放熱器12の前面側に配置され、各基板21a,21b,21cが周方向に隣接して配置される。周方向に隣接する3つの基板21a,21b,21cの間に隣接部21dが位置される。
【0048】
例えば1つのレンズユニット13aは、隣接する2つの光源モジュール11a,11bに跨った状態で配置されて組み合わされる。
【0049】
この場合、レンズユニット13aの一方側の第1基板配置部47が一方の基板21aにおける一方側の第1レンズユニット配置部26に配置されて組み合わされ、他方側の第2基板配置部48が他方の基板21bにおける他方側の第2レンズユニット配置部27に配置されて組み合わされる。
【0050】
組み合わせた状態では、隣接する基板21a,21b,21c間の隣接部21dと、レンズユニット13aの両側の隣接部13dと、が周方向に60°ずれて組み合わされる。そして、レンズユニット13aの各取付部43の取付孔53と、各基板21a,21b,21cの各ねじ挿通孔28と、放熱器12の各ねじ孔31と、が同軸上に配置される。
【0051】
レンズユニット13aの前面側から各取付部43の取付孔53に挿入されるねじ58が、各基板21a,21b,21cのねじ挿通孔28を挿通して放熱器12の各ねじ孔31に螺着されることにより、レンズユニット13aの取付部43が基板21a,21b,21cの前面側に当接し、この基板21a,21b,21cを放熱器12との間に挟み込んで放熱器12に押し付ける状態で、レンズユニット13aの取付部43が放熱器12に締め付け固定される。
【0052】
レンズユニット13aの各レンズ41の凹部49に基板21a,21bの各発光素子22が配置され、各レンズ41の入射面50に各発光素子22が対向される。
【0053】
複数の取付部43がレンズユニット13aの背面側にレンズ41よりも突出されているため、複数のレンズ41と基板21a,21bとの間に隙間が形成され、この隙間を通じて発光素子22の放熱のための通気性が確保される。
【0054】
そして、
図2に示すように、レンズユニット13aと同様に、残りのレンズユニット13b,13cも基板21a,21b,21cに組み合わされる。
【0055】
隣接するレンズユニット13a,13b,13cは、それぞれ隣接部13dに位置する複数のレンズ41が互いに嵌り合うように係合することで、隣接するレンズユニット13a,13b,13cが互いに組み合わされる。隣接するレンズユニット13a,13b,13cの隣接部13dに位置するレンズ41間の配列状態は、ピッチが広がることなく、レンズユニット13a,13b,13c内の複数のレンズ41のピッチと同じ配列状態に配置される。つまり、隣接するレンズユニット13a,13b,13cのレンズ41が全て同じ配列状態に配置される。そして、3つのレンズユニット13a,13b,13cが略六角形状または略円形状に組み合わされる。
【0056】
そして、隣接する基板21a,21b,21cの間の隣接部21dと、隣接するレンズユニット13a,13b,13cの間の隣接部13dと、が異なる位置に配置されるように、複数の基板21a,21b,21cと複数のレンズユニット13a,13b,13cとが組み合わされるため、レンズユニット13a,13b,13cで隣接する基板21a,21b,21cを保持することができ、複数の基板21a,21b,21cを用いていても、基板21a,21b,21cの間の位置ずれを防止でき、安定した光学特性が得ることができる。
【0057】
また、取付部43には、レンズユニット13a,13b,13cの両側の隣接辺45のレンズ41の位置に設けられる一対の第1取付部54と、一対の第1取付部54を結ぶ第1仮想線55に対して非直角に交差する第2仮想線56上で、隣接する基板21a,21b,21cに各々対向するレンズ41の位置に設けられる一対の第2取付部57と、が含まれることで、隣接する基板21a,21b,21cに第1取付部54および第2取付部57をそれぞれ配置してねじ止めすることができ、隣接する基板21a,21b,21cを保持できる。
【0058】
なお、基板21およびレンズユニット13は、周方向に2つまたは4つ以上に分割されていてもよい。レンズユニット13は、隣接する2つの基板21に跨って配置される構成に限らず、3つ以上の基板21に跨って配置される構成としてもよい。
【0059】
また、基板21およびレンズユニット13は、周方向に分割されて配列される構成に限らず、例えば四角形状や多角形状などの所定の配列で隣接して配置される構成でもよい。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
10 照明装置
12 放熱器
13a,13b,13c レンズユニット
13d 隣接部
21a,21b,21c 基板
21d 隣接部
22 発光素子
41 レンズ
54 第1取付部
55 第1仮想線
56 第2仮想線
57 第2取付部