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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125004
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】建物構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/76 20060101AFI20230831BHJP
   E04F 17/04 20060101ALI20230831BHJP
   E04F 19/04 20060101ALI20230831BHJP
   F24D 5/02 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
E04B1/76 200A
E04F17/04 B
E04F19/04 101A
F24D5/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028905
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】322001336
【氏名又は名称】株式会社ウェルネスライフ研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 英晴
【テーマコード(参考)】
2E001
3L071
【Fターム(参考)】
2E001DB01
2E001DD11
2E001FA04
2E001FA13
2E001GA73
2E001ND02
3L071AA01
3L071AB01
3L071AD01
(57)【要約】
【課題】床面の平坦性を損なわず室内空間の美観を向上させると共に、室内空間のごみ等を床下空間に落下させることのない建物構造を提供すること。
【解決手段】壁30と、壁30の内部に立設された柱33および間柱34と、壁30の室内空間SKの側に床下空間YKに連通する水平隙間部分SLをあけて配設された床材60と、床材60の上面との間に垂直隙間部分SVをあけて壁30の室内空間SKの側の面に取り付けられた内壁材70と、柱33および間柱34にスペーサ85を介して取り付けられ、垂直隙間部分SVの高さよりも低背に形成された巾木90と、を具備し、水平隙間部分SL、スペーサ85および巾木90により床下空間YKと室内空間SKを連通する連通路RTが形成されていることを特徴とする建物構造100である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁と、
前記壁の内部に立設された柱と、
前記壁の室内空間の側の面との間に床下空間に連通する水平隙間部分をあけて配設された床材と、
前記床材の上面との間に垂直隙間部分をあけて前記壁の前記室内空間の側の面に取り付けられた内壁材と、
前記柱にスペーサを介して取り付けられ、前記垂直隙間部分の高さよりも低背に形成された巾木と、を具備し、
前記水平隙間部分、前記スペーサおよび前記巾木により前記床下空間と前記室内空間を連通する連通路が形成されていることを特徴とする建物構造。
【請求項2】
壁と、
前記壁の室内空間の側に配設され、床下空間と前記室内空間とを連通する連通孔が外周縁に沿った複数箇所に形成された床材と、
前記床材の上面との間に垂直隙間部分をあけて前記壁の前記室内空間の側の面に取り付けられた内壁材と、
前記連通孔の平面位置に位置合わせして連通部が形成されていると共に前記垂直隙間部分の高さよりも低背に形成され、前記垂直隙間部分に配設された連通ブロックと、を具備し、
前記連通孔と前記連通部により前記床下空間と前記室内空間を連通する連通路が形成されていることを特徴とする建物構造。
【請求項3】
壁と、
前記壁の内部に立設された柱と、
前記壁の室内空間の側の面との間に床下空間に連通する水平隙間部分をあけて配設された床材と、
前記床材の上面との間に垂直隙間部分をあけて前記壁の前記室内空間の側の面に取り付けられた内壁材と、
前記水平隙間部分の平面位置に重複する位置に連通部が形成されていると共に前記垂直隙間部分の高さよりも低背に形成され、前記垂直隙間部分に配設された連通ブロックと、を具備し、
前記水平隙間部分と前記連通部により前記床下空間と前記室内空間を連通する連通路が形成されていることを特徴とする建物構造。
【請求項4】
前記連通ブロックの前記室内空間の側の面には巾木が配設されていることを特徴とする請求項2または3記載の建物構造。
【請求項5】
前記連通ブロックと前記巾木が一体に形成されていることを特徴とする請求項4記載の建物構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物構造に関し、より詳細には、床下空間と室内空間とを連通させた建物構造に関する。
【背景技術】
【0002】
床下空間に空調装置を配設して、床下空間で生成した調整空気を床面の吹き出し口から室内空間に供給することが可能な建物構造が知られている。このような建物構造としては、例えば特許文献1(特開2001-201075号公報)に開示されているような構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-201075
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている建物構造は、ボイラで発生させた熱エネルギを温水パイプによって床下空間に配設した放熱器に供給し、床面に形成した通気口から放熱器からの熱エネルギを室内空間に供給するためのものである。このように特許文献1の構成は、床面に通気口が形成されているためガラリが設置されており、床面の平坦性が損なわれるといった課題や、室内空間のごみ等がガラリ部分から床下空間に落ちてしまうといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決すためのものであり、その目的とするところは床面の平坦性を損なわず室内空間の美観を向上させると共に、室内空間のごみ等を床下空間に落下させることのない建物構造を提供することにある。
【0006】
すなわち本発明は、壁と、前記壁の内部に立設された柱と、前記壁の室内空間の側の面との間に床下空間に連通する水平隙間部分をあけて配設された床材と、前記床材の上面との間に垂直隙間部分をあけて前記壁の前記室内空間の側の面に取り付けられた内壁材と、前記柱にスペーサを介して取り付けられ、前記垂直隙間部分の高さよりも低背に形成された巾木と、を具備し、前記水平隙間部分、前記スペーサおよび前記巾木により前記床下空間と前記室内空間を連通する連通路が形成されていることを特徴とする建物構造である。
【0007】
また、本発明は、壁と、前記壁の室内空間の側に配設され、床下空間と前記室内空間とを連通する連通孔が外周縁に沿った複数箇所に形成された床材と、前記床材の上面との間に垂直隙間部分をあけて前記壁の前記室内空間の側の面に取り付けられた内壁材と、前記連通孔の平面位置に位置合わせして連通部が形成されていると共に前記垂直隙間部分の高さよりも低背に形成され、前記垂直隙間部分に配設された連通ブロックと、を具備し、前記連通孔と前記連通部により前記床下空間と前記室内空間を連通する連通路が形成されていることを特徴とする建物構造である。
【0008】
さらに本発明は、壁と、前記壁の内部に立設された柱と、前記壁の室内空間の側の面との間に床下空間に連通する水平隙間部分をあけて配設された床材と、前記床材の上面との間に垂直隙間部分をあけて前記壁の前記室内空間の側の面に取り付けられた内壁材と、前記水平隙間部分の平面位置に重複する位置に連通部が形成されていると共に前記垂直隙間部分の高さよりも低背に形成され、前記垂直隙間部分に配設された連通ブロックと、を具備し、前記水平隙間部分と前記連通部により前記床下空間と前記室内空間を連通する連通路が形成されていることを特徴とする建物構造である。
【0009】
これらにより、床面の平坦性を損なわず室内空間の美観を向上させると共に、室内空間のごみ等を床下空間への落下を防止することができる。
【0010】
また、前記連通ブロックの前記室内空間の側の面には巾木が配設されていることが好ましい。そして、前記連通ブロックと前記巾木が一体に形成されていることがさらに好ましい。
【0011】
これらにより、床下空間と室内空間との連通部を巾木により隠した状態にすることができ、室内空間の美観をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、床面の平坦性を損なわずかつ室内空間の美観を向上させると共に、室内空間のごみ等の床下空間への落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態における建物構造を示す説明要部断面図である。
図2図1中のII部分の拡大図である。
図3】床材と内壁材を配設した状態における室内空間の斜視図である。
図4図2中のIV―IV線における断面図である。
図5】第1実施形態における連通ブロックの形態を示す斜視図である。
図6】第1実施形態における室内空間の斜視図である。
図7】第2実施形態における建物構造の平面断面図である。
図8】第2実施形態における建物構造の要部断面図である。
図9図8中のIX部分の拡大図である。
図10】連通ブロックと巾木を一体化した形態例を示す斜視図である。
図11】連通ブロックの他の形態例を示す斜視図である。
図12】連通ブロックの他の形態例を示す斜視図である。
図13】第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた建物構造の形態例を示す説明要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる建物構造100の実施形態について説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は実施形態における建物構造を示す説明要部断面図であり、図2図1中のII部分の拡大図である。本実施形態における建物構造100は、壁30の室内空間SKの側に配設された床材60の外周縁に沿って連通孔62A,64Aを形成し、連通孔62A,64Aの上に連通部80Aを位置合わせして連通ブロック80を配設することで連通路RTを形成し、床下空間YKと室内空間SKとを連通させたものである。図1および図2に示す建物構造100は、基礎10、土台20、壁30、大引き40、根太50、床材60、内壁材70、連通ブロック80および巾木90を公知の手法により適宜組み立てることで、外部空間と隔離した室内空間SKおよび床下空間YKを形成している。
【0016】
基礎10は、鉄筋コンクリートにより形成することができる。図示はしていないが、基礎10の外表面と内表面を断熱材で被覆することもできる。基礎10の外周縁位置における起立部の上面には土台20が固定されている。土台20には壁30が立設されている。本実施形態における壁30は、室内空間SKにあらわれる内壁材70を除外した公知の構成を有する概念である。本実施形態における壁30の室内空間SKの側の面は、柱および断熱材に貼設された防湿シート(いずれも図1および図2においては示されていない)になる。基礎10の外周縁以外における起立部の上面には大引き40が固定されている。大引き40の上には根太50が所要間隔をあけて配設されていて、根太50は大引き40に固定されている。根太50の上には合板に代表される床下地材62とフローリング材64からなる床材60が配設されている。床材60の外周縁は壁30の室内空間SKの側の面に当接した状態で配設されている。
【0017】
図1および図2に示すように、本実施形態における内壁材70は、下端部72の高さ位置が床材60(フローリング材64)の上面から所要高さ離れた位置となるように壁30の室内空間SKの側の面に取り付けられている。本実施形態においては、内壁材70の下端部72と床材60の上面との間の垂直隙間部分SVの高さ寸法を50mmとしているが、垂直隙間部分SVの高さ寸法は特に限定されるものではない。床材60の上面と内壁材70の下端部72との間の垂直隙間部分SVには、垂直隙間部分SVの高さよりも低背に形成された連通ブロック80が配設されている。本実施形態における連通ブロック80は木製を想定しているが、連通ブロック80の材料は合成樹脂や金属等を採用することもでき、特に限定されるものではない。連通ブロック80の室内空間SKの側の面は、壁30の防湿シートの面に面一となるように形成されており、連通ブロック80の室内空間SKの側の面には巾木90が取り付けられている。
【0018】
図3に示すように、本実施形態における床下地材62およびフローリング材64には、壁30(防湿シート)との当接辺である外周縁(内壁材70の平面配設位置)に沿って連通孔62A,64Aが所要間隔をあけて複数箇所に形成されている。本実施形態の連通孔62A,64Aは、床下地材62およびフローリング材64の外周縁上に平面視形状が半トラック形状をなす切欠部に形成されている。なお、連通孔62A,64Aは、床下地材62およびフローリング材64の外周縁から所要距離離れた位置(内壁材70より壁30の側の位置ではある)に貫通孔等で形成した形態を採用することもでき、連通孔62A,64Aの平面形状は特に限定されるものではない。また、本実施形態における連通孔62A,64Aは同一形状に形成されている形態を例示しているが、床下地材62の連通孔62Aとフローリング材64の連通孔64Aの平面視形状および大きさは同一である必要はない。
【0019】
床材60の上面と内壁材70の下端部72との間に形成された隙間部分SBには連通ブロック80が配設される。連通ブロック80は、図4および図5に示すように、床材60に形成された連通孔62A,64Aの位置に位置合わせして連通部80Aが形成されている。本実施形態における連通部80Aの平面形状は、床材60に形成されている連通孔62A,64Aと同一形状に形成されているが、連通部80Aの平面視形状は特に限定されるものではない。連通部80Aと連通部80Aとの間には壁30との当接部80Bが形成されている。このように床材60に形成された連通孔62A,64Aと連通ブロック80に形成された連通部80Aとは同一平面形状に形成され、かつ互いの平面位置が位置合わせされており連通路RTを形成している。連通路RTは床下空間YKと室内空間SKとを連通させている。
【0020】
また、連通ブロック80の室内空間SKの側には巾木90が取り付けられる。図1および図2に示すように連通ブロック80の室内空間SKの側の面の位置を内壁材70の内側面と面一となるように形成したことで連通ブロック80に取り付けられた巾木90の位置は通常の室内空間SKにおける巾木90の位置と同じにすることができる。これにより、室内空間SKが狭くならず、また、違和感なく生活することができる。このような床下空間YKと室内空間SKが連通する建物構造100を採用することで、床下空間YKにエアコン等に代表される空調機器(図示はせず)を配設して、床下空間YKで調整した調整空気を室内空間SKに(図1および図2中の矢印A方向に)送り出すことができる。図6に示すように、本実施形態における建物構造100が採用された室内空間SKには、床材60と内壁材70との境界線に沿って室内空間SKの平面領域の外周に周回させるように連通路RTが配設されている。これにより、床下空間YKからの調整空気(特に暖気)を室内空間SKにまんべんなく供給することができる点において好都合である。
【0021】
また、床下空間YKと室内空間SKとを連通する連通路RTの室内空間SKの側の開口部位置を内壁材70の下端部72と巾木90の上端面との間に形成された隙間部分SBとしているため、室内空間SKにおけるごみ等が床下空間YKに落下してしまうことがなく、床下空間YKをきれいに保つことができる。また、従来技術のように床面にはガラリ等が配設されていないため、床面の平坦性が保たれると共に美観に優れた室内空間SKにすることができる点においても好都合である。
【0022】
(第2実施形態)
図7は第2実施形態における建物構造100の平面断面図である。図8は第2実施形態における建物構造100の要部断面図であり、図9図8中のIX部分の拡大図である。本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成部分については第1実施形態で用いた符号を付すことによりここでの繰り返しの説明は省略している場合がある。
【0023】
本実施形態における建物構造100は、壁30に配設された断熱材31の室内空間SKの側の面に貼設された防湿シート32から水平方向に所要間隔をあけた位置に床材60が配設され、防湿シート32と床材60の外周縁との間に床下空間YKに連通する水平隙間部分SLが形成されている。図7に示すように、断熱材31は壁30の内部(厚さ範囲内)に立設された柱33と間柱34との間に配設されている。柱33と間柱34の室内空間SKの側の面は、断熱材31または防湿シート32の表面と面一になっている。柱33と間柱34の室外側面には防水通気シート36が貼設されている。防水通気シート36の室外側面には外壁下地材37および外壁材38が記載順に取り付けられている。防水通気シート36と外壁材38の間は外部通気層GTになっている。
【0024】
柱33と間柱34の室内空間SKの側の面には巾木下地板に代表されるスペーサ85が取り付けられている。図8および図9に示すように、スペーサ85の高さ寸法は垂直隙間部分SVの高さ寸法よりも低背に形成されている。ここでのスペーサ85の高さ寸法は巾木90の高さ寸法に一致させている。また、スペーサ85の厚さ寸法は、防湿シート32と内壁材70の室内空間SKの側の表面位置までの水平距離以下の寸法に形成されていることが好ましい。これにより、スペーサ85を垂直隙間部分SVの範囲に収めた状態で配設することができる。このようなスペーサ85により、水平隙間部分SLは、室内空間SKの平面輪郭線である床材60の外周縁に沿って柱33と間柱34に取り付けたスペーサ85の位置のみで区切られた状態になっている。本実施形態における巾木90は、スペーサ85を介して柱33および間柱34に取り付けられ室内空間SKの周方向の全範囲にわたって配設される。このようにして配設された巾木90の平面位置もまた、従来の建物構造100と同じ平面位置にすることができ、居住者に違和感を与えることはない。
【0025】
本実施形態における建物構造100においては、水平隙間部分SL、スペーサ85および巾木90により床下空間YKと室内空間SKとを連通させる連通路RTが室内空間SKの周方向に沿ってほぼ全範囲に形成されている。これにより、床下空間YKから図8および図9中の矢印A方向に吹き出される調整空気の流速を押さえ、穏やかな空調が可能になる。また、連通路RTの室内空間SKの側の開口部位置は第1実施形態と同様に垂直隙間部分SVの範囲内にあるため、室内空間SKの美観を損なわず、かつ室内空間SKから床下空間YKへのごみ等の落下を防止することができる。さらには、第1実施形態における建物構造100に対し、床材60への連通孔62A,64Aの配設が省略でき、連通ブロック80を単純なスペーサ85に置き換えることができ、建物構造100の施工コストを低減させることができる点において好都合である。
【0026】
以上に本発明にかかる建物構造100について実施形態に基づいて説明をしたが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、第1実施形態においては、連通ブロック80に巾木90を取り付けた形態を例示したが、図10に示すように連通ブロック80と巾木90とを一体に形成し、連通ブロック80の室内空間SKの側の表面を巾木90の外観を呈するように加工を施した連通ブロック80の形態を採用することもできる。なお、図10に示す連通ブロック80は、図5で示した連通ブロック80の厚さ寸法と巾木90の厚さ寸法の和に等しい厚さ寸法であって、室内空間SKの側の表面の色彩が巾木90の色彩に塗装されたものである。
【0027】
また、図11に示す連通ブロック80のように、連通部80Aが床下空間YKの側から室内空間SKの側に近づくにつれて徐々に幅広に形成した形態を採用することもできる。この形態によれば、第1実施形態の連通ブロック80に比較して、床下空間YKから室内空間SKに供給される調整空気の流速を下げることができる。さらには、図12に示す連通ブロック80のように、床下空間YKの側において独立している連通部80Aを連通ブロック80の高さ範囲内で隣り合う連通部80Aと一体化させ、室内空間SKの側における連通部80Aを連通ブロック80の延長方向に連続させた形態を採用することもできる。この形態によれば、室内空間SKの外周縁に沿って床下空間YKからの調整空気を連続的に吹き出させることができる点において好都合である。
【0028】
また、第1実施形態においては、連通ブロック80の高さ寸法を巾木90の高さ寸法と同一寸法にした形態を例示しているが、連通ブロック80の高さ寸法は巾木90の高さ寸法よりも低背に形成した形態を採用することもできる。これと同様に、第2実施形態におけるスペーサ85の高さ寸法は巾木90の高さ寸法よりも低背に形成した形態を採用することもできる。これらにより、室内空間SKで居住者が座った状態であっても連通ブロック80やスペーサ85を居住者に見えにくくすることができる。
【0029】
さらには、図13に示すように、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた建物構造100の形態を採用することもできる。すなわち、壁30の室内空間SKの側の面に貼設した防湿シート32から所要間隔をあけて床材60を配設し、防湿シート32と床材60の外周縁との間に床下空間YKに連通する水平隙間部分SLが形成された形態を採用してもよい。また、水平隙間部分SLの隙間寸法(防湿シート32と床材60の外周縁までの水平距離)よりも肉厚寸法に形成された連通ブロック80を配設し、水平隙間部分SLと連通部80Aにより床下空間YKと室内空間SKとを連通する連通路RTが形成された形態を採用することもできる。
【0030】
図13に示す建物構造100の形態を採用することにより、第1実施形態における床材60への連通孔62A,64Aの配設が省略され、第1実施形態における建物構造100に対し施工コストを低減させることができる点において好都合である。また、図13に示す形態に図10から図12に示すような連通ブロック80の形態を組み合わせることにより、第1実施形態や第2実施形態における室内空間SKの側の連通路RTの開口部のカスタマイズが容易になる点においても好都合である。図13に示す形態において柱33および間柱34への連通ブロック80の取り付け方法は、当接部80Bの位置で釘打ち等により取り付けすればよい。
【0031】
そして、本発明にかかる建物構造100は、以上の実施形態における各種の変形例を適宜組み合わせた形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0032】
10:基礎
20:土台
30:壁
31:断熱材,32:防湿シート,33:柱,34:間柱,
36:透湿防水シート,37:外壁下地材,38:外壁材
40:大引き
50:根太
60:床材
62:床下地材,62A:連通孔,64:フローリング材,64A:連通孔
70:内壁材
72:下端部
80:連通ブロック
80A:連通部,80B:当接部
85:スペーサ
90:巾木
100:建物構造
GT:外部通気層
RT:連通路
SL:水平隙間部分
SK:室内空間
SV:垂直隙間部分
YK:床下空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13