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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125048
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】放電装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/40 20210101AFI20230831BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20230831BHJP
   F24F 13/078 20060101ALI20230831BHJP
   A61L 9/015 20060101ALI20230831BHJP
   H01T 19/04 20060101ALI20230831BHJP
   H01T 23/00 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
F24F8/40
F24F8/30
F24F13/078
A61L9/015
H01T19/04
H01T23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028956
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】岡本 祐介
【テーマコード(参考)】
3L080
4C180
【Fターム(参考)】
3L080BA01
3L080BA10
4C180AA07
4C180DD12
4C180EA16X
4C180EA17X
4C180HH02
4C180HH05
4C180HH18
4C180JJ01
4C180LL06
4C180MM10
(57)【要約】
【課題】 天井に取り付けられて放電を天井付近で実行可能とし、放電により得られる放電生成物の影響を天井付近から室内空間各部へ及ぼせるようにする、放電装置を提供する。
【解決手段】 ハウジング12の一端の受電用接続部13を天井50の電源ソケット51に取り付けて、電極部11における放電を天井付近から行えるようにすると共に、ハウジング12内で所定のスペースを占める電極部11と高電圧発生部15を横方向に重なる配置として、この重なり合う分だけ上下方向に必要なスペースを小さくし、ハウジング12の上下方向の外形寸法を抑えられることから、天井付近で放電を実行して放電生成物の影響を室内空間各部へ及ぼせる状態を確保しつつ、ハウジング12他端に照明装置90を取り付けた状態における天井50からの突出量を抑え、室内空間の人に違和感を与えずに使用できる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極部における放電により発生した放電生成物を空気中に放出する放電装置において、
前記電極部を収めるハウジングと、
当該ハウジングの一端に設けられ、天井の電源ソケットに着脱可能とされる受電用接続部と、
前記ハウジングの他端に設けられ、前記受電用接続部と電気的接続状態とされ、照明装置の受電用のコネクタを着脱可能とされる送電用ソケット部と、
前記ハウジング内に配設され、前記受電用接続部を通じて電力を導入可能とされ、前記電極部で放電を行わせるための高電圧を生じさせる高電圧発生部とを備え、
前記ハウジングが、前記電極部のある内部を外部に通じさせる出口部を設けられてなり、
前記高電圧発生部が、少なくとも一部を、横方向について前記電極部と重ならせて配設されることを
特徴とする放電装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の放電装置において、
前記ハウジングが、前記電極部及び出口部に通じる空気流路を設けられてなり、
前記ハウジングにおける前記送電用ソケット部の周囲に、前記空気流路を外部に通じさせる入口部を、前記受電用接続部の前記電源ソケットへの取付状態で下向きとなる開口として設けることを
特徴とする放電装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載の放電装置において、
前記ハウジングが、前記入口部から流入した空気を案内して前記電極部に向かわせる所定の案内手段を有することを
特徴とする放電装置。
【請求項4】
前記請求項2又は3に記載の放電装置において、
前記ハウジングにおける空気流路が、前記入口部から流入した空気を、ハウジングにおける、前記出口部に対し前記電極部より奥方となる内部の所定領域に導いた上で、空気の進行方向を変えて電極部及び出口部に向かわせ、進行する空気が電極部を経て出口部に至るようにする流路形状として形成されることを
特徴とする放電装置。
【請求項5】
前記請求項2ないし4のいずれかに記載の放電装置において、
前記ハウジングにおける空気流路の入口部が、前記送電用ソケット部に取り付けられた照明装置の外周に沿って外部から上向きに進行する空気を導入する下向きの拡開形状とされることを
特徴とする放電装置。
【請求項6】
前記請求項2ないし5のいずれかに記載の放電装置において、
前記ハウジングにおける空気流路の入口部又は入口部近傍位置に、導入される空気に対する所定の流速制限手段を設けることを
特徴とする放電装置。
【請求項7】
前記請求項1ないし6のいずれかに記載の放電装置において、
前記送電用ソケット部が、前記ハウジング内で少なくとも一部を、横方向について前記電極部及び高電圧発生部の少なくとも一方と重ならせて配設されることを
特徴とする放電装置。
【請求項8】
前記請求項1ないし7のいずれかに記載の放電装置において、
前記受電用接続部が、天井の電源ソケットに対し所定の回転を伴う着脱手順に沿って着脱可能に形成され、
前記送電用ソケット部が、前記照明装置のコネクタを所定の回転が伴う着脱手順により着脱可能として形成され、
前記受電用接続部及び送電用ソケット部が、着脱に係る前記回転の中心軸を一致させる配置でハウジングに配設され、
前記電極部と高電圧発生部が、ハウジング内で前記回転の中心軸を挟む配置としてそれぞれ配設されることを
特徴とする放電装置。
【請求項9】
前記請求項1ないし8のいずれかに記載の放電装置において、
前記電極部での放電を制御する制御部と、
電力供給に係るエネルギーを蓄えて、一時的な電力の供給を可能とする内蔵電源部とを備え、
前記制御部が、受電用接続部を通じた外部からの電力供給が停止されてから所定時間経過後に、前記内蔵電源部から供給される電力により、前記電極部での放電を所定期間行わせることを
特徴とする放電装置。
【請求項10】
前記請求項1ないし9のいずれかに記載の放電装置において、
前記ハウジング内に配設され、空気流路での送風により空気を出口部から外部へ送り出す送風手段を備え、
当該送風手段が、電極部での放電開始の前に、作動状態とされて、出口部を通じ外部への送風を実行することを
特徴とする放電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電により空気中に放電生成物を放出して、空気に対し放電生成物による好ましい効果を与えられる放電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放電により負イオン(マイナスイオン)やオゾンを発生させ、これらを空気と接触させることで、空気の浄化等を実現しようとする放電装置が、従来から種々提案されている。
このような従来の放電装置の例として、特開2016-91875号公報や特開2019-155345号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-91875号公報
【特許文献2】特開2019-155345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の放電装置は前記各特許文献に示される構成となっており、負電極と正電極との間に負の高電圧を印加して電極間にコロナ放電を生じさせ、この放電により負イオンやオゾンを発生させるものである。
【0005】
ただし、こうした従来の放電装置は、通常、室内空間の床や家具の上側に設置されて、室内空間下部で人が活動する居住域の空気に対し、負イオンやオゾンを発生させるものであったことから、発生させた負イオンやオゾンを室内空間に広く拡散させてその効果を発揮させることが難しい、という課題を有していた。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、天井に取り付けられて放電を天井付近で実行可能とし、放電により得られる放電生成物の影響を天井付近から室内空間各部へ及ぼせるようにする、放電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の開示に係る放電装置は、電極部における放電により発生した放電生成物を空気中に放出する放電装置において、前記電極部を収めるハウジングと、当該ハウジングの一端に設けられ、天井の電源ソケットに着脱可能とされる受電用接続部と、前記ハウジングの他端に設けられ、前記受電用接続部と電気的接続状態とされ、照明装置の受電用のコネクタを着脱可能とされる送電用ソケット部と、前記ハウジング内に配設され、前記受電用接続部を通じて電力を導入可能とされ、前記電極部で放電を行わせるための高電圧を生じさせる高電圧発生部とを備え、前記ハウジングが、前記電極部のある内部を外部に通じさせる出口部を設けられてなり、前記高電圧発生部が、少なくとも一部を、横方向について前記電極部と重ならせて配設されるものである。
【0008】
このように本発明の開示によれば、ハウジングの一端の受電用接続部を天井の電源ソケットに取り付けて、電極部における放電を天井付近から行えるようにすると共に、ハウジング内で所定のスペースを占める電極部と高電圧発生部を横方向に重なる配置として、この重なり合う分だけ上下方向に必要なスペースを小さくし、ハウジングの上下方向の外形寸法を抑えられることにより、天井付近で放電を実行して放電生成物の影響を室内空間各部へ及ぼせる状態を確保しつつ、ハウジング他端に照明装置を取り付けた状態における天井からの突出量を、天井の送電用ソケット部に直接照明装置を接続した場合における突出量との比較で、不自然に突出した印象を与えない程度の増量にとどめられ、天井への設置状態で照明装置の機能もそのまま維持して、室内空間の人に違和感を与えずに使用できる。
【0009】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記ハウジングが、前記電極部及び出口部に通じる空気流路を設けられてなり、前記ハウジングにおける前記送電用ソケット部の周囲に、前記空気流路を外部に通じさせる入口部を、前記受電用接続部の前記電源ソケットへの取付状態で下向きとなる開口として設けるものである。
【0010】
このように本発明の開示によれば、ハウジングにおける空気流路の入口部を、送電用ソケット部の周囲に設けて、送電用ソケット部に接続される照明装置の周囲の空気を入口部に流入可能とすることにより、照明装置の使用に伴い照明装置から外部に放出される熱で温められた照明装置周囲の空気が、上昇して入口部に流入し、空気流路を進んで電極部に達することとなり、温められて温度の上昇した空気によって相対湿度が減少した雰囲気の下で、電極部での放電が促され、放電生成物の生成量を増やして、放電生成物の影響をより大きくすることができる。
【0011】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記ハウジングが、前記入口部から流入した空気を案内して前記電極部に向かわせる所定の案内手段を有するものである。
【0012】
このように本発明の開示によれば、ハウジングに空気流路の一部をなす案内手段を設けて、この案内手段で電極部に空気を導いて、入口部から流入した空気が電極部にスムーズに導入されるようにすることにより、照明装置からの熱で温められ温度を上昇させた空気が入口部に流入した後、スムーズに空気流路を進んで温度を低下させることなく電極部に到達でき、温度の上昇及びこれに伴う相対湿度の減少が実現した雰囲気下で、電極部における放電を確実に促せることとなり、放電生成物の生成量をより一層増大させられる。
【0013】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記ハウジングにおける空気流路が、前記入口部から流入した空気を、ハウジングにおける、前記出口部に対し前記電極部より奥方となる内部の所定領域に導いた上で、空気の進行方向を変えて電極部及び出口部に向かわせ、進行する空気が電極部を経て出口部に至るようにする流路形状として形成されるものである。
【0014】
このように本発明の開示によれば、ハウジングの空気流路を、入口部から流入した空気の進行方向を変えて、空気が電極部に向かうよう案内すると共に、この案内後の空気をそのまま直進させて電極部を経由させ、進行方向を変えずにさらに出口部に至らせて外部に流出させる流路形状として、電極部を経て放電生成物と接した空気が出口部に進みやすくすることにより、電極部での放電で生じた放電生成物を空気と共に出口部に導いてその外部への放出を促すことができ、効率よく放電生成物を室内空間に到達させられる。
【0015】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記ハウジングにおける空気流路の入口部が、前記送電用ソケット部に取り付けられた照明装置の外周に沿って外部から上向きに進行する空気を導入する下向きの拡開形状とされるものである。
【0016】
このように本発明の開示によれば、ハウジングの入口部を下向きの拡開形状として、電球形ランプの外周に沿って上向きに進行する空気をハウジングの空気流路内に流入しやすくすることにより、空気流路により多くの空気を導入して空気流の勢いを強くし、電極部を通過し且つ出口部を経て外部へ向かう空気流を強力なものとして、電極部での放電で生じた放電生成物の外部への放出をさらに促すことができ、放電生成物の影響をより広範囲に及ぼせることとなる。
【0017】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記ハウジングにおける空気流路の入口部又は入口部近傍位置に、導入される空気に対する所定の流速制限手段を設けるものである。
【0018】
このように本発明の開示によれば、ハウジングの入口部又はその近傍に流速制限手段を設けて、入口部に流入する空気の流速を低下させることにより、ハウジングが入口部を電極部に近い配置とされて形成された場合でも、入口部に流入する空気の流速を抑えて、この入口部に流入して空気流路を進む空気の、電極部やその周囲に与える影響を小さくし、放電で生じた負イオンやこれに基づく気流の出口部側への進行を妨げない状態を得ることができ、放電生成物と接した空気をそのまま出口部から流出させて室内空間に進行させられ、放電生成物の影響を確実に室内空間に及ぼせる。
【0019】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記送電用ソケット部が、前記ハウジング内で少なくとも一部を、横方向について前記電極部及び高電圧発生部の少なくとも一方と重ならせて配設されるものである。
【0020】
このように本発明の開示によれば、送電用ソケット部が電極部及び高電圧発生部と横方向に重なるようにハウジングに配設され、送電用ソケット部が電極部及び高電圧発生部と重なり合う分だけ上下方向に必要なスペースを小さくし、ハウジングの上下方向の外形寸法を抑えられることにより、装置全体をさらに小型化して天井からの突出量を小さくでき、天井に無理なく設置できる。
【0021】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記受電用接続部が、天井の電源ソケットに対し所定の回転を伴う着脱手順に沿って着脱可能に形成され、前記送電用ソケット部が、前記照明装置のコネクタを所定の回転が伴う着脱手順により着脱可能として形成され、前記受電用接続部及び送電用ソケット部が、着脱に係る前記回転の中心軸を一致させる配置でハウジングに配設され、前記電極部と高電圧発生部が、ハウジング内で前記回転の中心軸を挟む配置としてそれぞれ配設されるものである。
【0022】
このように本発明の開示によれば、天井の電源ソケットに対する着脱に際し回転する動きを伴う受電用接続部、及び、照明装置のコネクタの着脱に際しコネクタの回転する動きを要する送電用ソケット部が、着脱に係る各回転の中心軸を一致させるようにしてハウジングに配設される一方、こうした中心軸を挟むようにして電極部と高電圧発生部がハウジングに配設されて、電極部と高電圧発生部が中心軸を挟んで対向することにより、ハウジングが受電用接続部及び送電用コネクタ部を中心として電極部と高電圧発生部を左右に振り分けて配置した構造となり、部品配置に偏りがなくハウジングをほぼ対称の外形に形成でき、美観を向上させられると共に、重量バランスもとりやすく、天井の電源ソケットに対する着脱等の作業性を良好なものとすることができる。
【0023】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記電極部での放電を制御する制御部と、電力供給に係るエネルギーを蓄えて、一時的な電力の供給を可能とする内蔵電源部とを備え、前記制御部が、受電用接続部を通じた外部からの電力供給が停止されてから所定時間経過後に、前記内蔵電源部から供給される電力により、前記電極部での放電を所定期間行わせるものである。
【0024】
このように本発明の開示によれば、放電制御用の制御部が、外部からの電力供給の停止から所定時間経過すると、内蔵電源部の電力で電極部での放電を実行させ、放電生成物が供給されるようにすることにより、例えば、用途の関係で強制換気が必要とされる室内空間では、通常、人が室内空間を利用する際に照明と同時にこの室内空間に設けられた換気扇を使用することになるが、こうして照明と同時に換気扇が使用される室内空間で、電源ソケットに放電装置を取り付けて用いる場合、電源ソケットと照明装置との間に介在させるように取り付けられた放電装置に対し、照明の電源OFF操作に伴って電源ソケットからの電力供給が停止されると、送電用ソケット部に取り付けた照明装置が消灯状態となる中、室内空間で照明装置による照明と同時に使用される換気扇も、電源OFFとされて作動を停止することが見込まれ、こうした換気扇が確実に停止しているとみなせる状況である、電源ソケットからの電力供給停止時点から所定時間経過後に、制御部が電極部での放電を行わせると、換気扇の作動に伴う空気の流動の影響を受けることなく、放電による放電生成物の生成、放出が行え、問題なく放電生成物と空気を接触させつつ室内空間へ向かわせることができ、放電生成物の影響を確実に室内空間に及ぼせる。
【0025】
また、本発明の開示に係る放電装置は必要に応じて、前記ハウジング内に配設され、空気流路での送風により空気を出口部から外部へ送り出す送風手段を備え、当該送風手段が、電極部での放電開始の前に、作動状態とされて、出口部を通じ外部への送風を実行するものである。
【0026】
このように本発明の開示によれば、ハウジング内に配設された送風手段を、電極部での放電開始前に作動させて、送風手段の作動音や送風に伴う室内空間の空気流動が、放電に先立って室内空間で感知可能な状態となることにより、放電で生じる放電生成物が放出される状態にあることを室内空間に居る人が事前に認識でき、室内空間に対する放電生成物の好ましい影響を損なわないための行動や、人に対する放電生成物の好ましくない影響を避けるための行動を人に促して、放電生成物の影響を室内空間に最大限及ぼすようにしたり、放電生成物の影響を人に及ぼさないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施形態に係る放電装置の一部切欠概略構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る放電装置のブロック図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る放電装置の一部切欠概略構成図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る放電装置のブロック図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る放電装置の概略構成図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る放電装置のブロック図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る放電装置における放電及び送風手段作動の各制御状態説明図である。
図8】本発明の第4の実施形態に係る放電装置の概略構成図である。
図9】本発明の第4の実施形態に係る放電装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る放電装置を前記図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態においては、天井に設けられる電源ソケットが、ねじ込みランプソケットの一種であるランプレセプタクルとされる場合に対応し、且つ、取付対象の照明装置が電球形ランプである、放電装置の例について説明する。
【0029】
前記各図において本実施形態に係る放電装置1は、放電により放電生成物を発生させる電極部11と、この電極部11を収めるハウジング12と、このハウジング12の一端に設けられ、天井50の電源ソケット51に着脱可能とされる受電用接続部13と、ハウジング12の他端に設けられ、照明装置90のコネクタ91を着脱可能とされる送電用ソケット部14と、受電用接続部13を通じて電力を導入可能とされ、電極部11での放電のための高電圧を生じさせる高電圧発生部15とを備える構成である。
【0030】
前記電極部11は、放電電極11aと対向電極11bの組からなり、これら放電電極11aと対向電極11bとの間で放電を行い、放電生成物を発生させるものである。
放電電極11aは、棒状の導体の先端を尖らせた針状に形成され、ハウジング12の内部の空気流路に配設される構成である。
【0031】
対向電極11bは、環状に形成され、放電電極11aの長手方向で放電電極11aと所定間隔をなすようにして、ハウジング12内部の放電電極11aより外部寄りの所定箇所に配設される構成である。
【0032】
これら放電電極11a及び対向電極11bは、イオン発生装置やオゾン発生装置において、放電電極11aを負電極、対向電極11bを正電極として、高電圧の印加により電極間でコロナ放電を起こし、放電生成物としての負イオンやオゾンを発生させる公知のものであり、詳細な説明を省略する。
【0033】
前記ハウジング12は、内部に電極部11や高電圧発生部15を収めると共に、電極部11に通じる空気流路12aが設けられるものである。また、ハウジング12は、内部の空気流路12aを外部に通じさせる開口である入口部12b及び出口部12cがそれぞれ設けられる構成である。
【0034】
入口部12bは、ハウジング12の他端における送電用ソケット部14の周囲に設けられる。
この入口部12bは、天井50の電源ソケット51に受電用接続部13を取り付けた放電装置1の天井設置状態で、下向きの開口とされる構成であり、送電用ソケット部14に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプの外周に沿って上向きに進行する外部の空気を導入可能とされる。
【0035】
また、出口部12cは、入口部12bよりハウジング12の一端寄りとなるハウジング12の側部に設けられる。出口部12cの開口は、天井50の電源ソケット51に受電用接続部13を取り付けた放電装置1の天井設置状態で斜め下向きとなるように設けられており、この出口部12cの内方に電極部11の対向電極11bが配置される。
さらに、ハウジング12は、その内部に、入口部12bから流入した空気を案内して電極部11に向かわせる案内手段としての板状のガイド部12dを有する。
【0036】
前記受電用接続部13は、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金と同様の形状に形成され、ハウジング12の一端に突出状態で設けられて、天井50の電源ソケット51をなすランプレセプタクルに着脱可能とされる構成である。
【0037】
この受電用接続部13は、一般的な電球形ランプの口金と同様に、電源ソケット51に対しねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転を伴う着脱手順に沿って着脱可能とされる。
【0038】
前記送電用ソケット部14は、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金に対応する受金を有するランプソケットとして形成され、受電用接続部13と電気的に接続された状態でハウジング12の他端に配設される構成である。この送電用ソケット部14は、照明装置90のコネクタ91、具体的には、電球形ランプの口金、を着脱可能とされる。送電用ソケット部14は、ランプレセプタクルである電源ソケット51と同様に、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金や、これと同形状とされる他の照明装置のコネクタを、ねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転が伴う着脱手順により着脱可能としている。
ハウジング12において、受電用接続部13及び送電用ソケット部14は、着脱に係る前記回転の中心軸を一致させる配置で配設される。
【0039】
前記高電圧発生部15は、ハウジング12内に配設され、受電用接続部13と電気的に接続されて、この受電用接続部13及び電源ソケット51を通じて外部の電源(商用電源)から電力を導入可能とされ、電極部11で放電を行わせるための高電圧を生じさせるものである。高電圧発生部15は、昇圧用トランス15aと、これに接続されるインバータや複数倍電圧回路、並びにこれらの前後段に設けられるDCコンバータや整流回路等からなる電子回路部15bとを備える構成である。具体的には、高電圧発生部15は、昇圧用トランス15aと電子回路部15bとを、円筒体や直方体、立方体などの箱形の収容ケース内に収めた構成であり、この収容ケースも高電圧発生部15の一部として取り扱う。図1及び図2では、こうした収容ケースを用いた高電圧発生部の例を示している。なお、収容ケースの内部に昇圧用トランス15aや電子回路部15bを収容する場合、これらを樹脂封止状態で収容する構成としてもかまわない。
【0040】
この高電圧発生部15は、電源から交流又は直流として供給される電力の数ボルトないし数百ボルトの電圧を、放電に必要な数千ボルトまで昇圧する公知の装置であり、詳細な説明を省略する。
【0041】
この高電圧発生部15は、ハウジング12内でその一部を、受電用接続部13の電源ソケット51への取付状態で天井面と平行となる方向、すなわち横方向について、電極部11と重ならせて配設される。
【0042】
昇圧トランス15aなどの比較的嵩張る部品を含む高電圧発生部15は、ハウジング12内で所定のスペースを占めることとなるが、高電圧発生部15を電極部11と横方向に重ならせて、上下方向の配置範囲を重複させる分、これらが重ならない配置の場合に比べてハウジング12内の上下方向に確保すべき収容のための空間を削減でき、その分ハウジング12の上下方向の外形寸法を抑えられる。
【0043】
このため、天井50の電源ソケット51に受電用接続部13を接続して放電装置1を設置し、さらに送電用ソケット部14に照明装置90を取り付けた状態における天井50からの突出量を、天井50の電源ソケット51に直接照明装置90を接続した場合における突出量との比較で、不自然に突出した印象を与えない程度の増量にとどめられ、天井への設置状態で室内空間の人に違和感を与えずに放電装置1を放電生成物の生成、放出に使用できると共に、照明装置90の機能もそのまま維持して問題なく使用できる。
【0044】
高電圧発生部15で、電極部11の放電電極11aと対向電極11bとの間に、放電電極11aを負電極、対向電極11bを正電極とするように高電圧を印加すると、電極間でのコロナ放電による電離で電子が生成される。この電子を空気中の酸素等の分子が受け取ることで負イオンが生成される。また、電離で生じた電子と周囲の空気の酸素分子との衝突で酸素分子が解離し、この解離で生じた酸素原子が、他の酸素分子と新たに反応することで、オゾンが生成される。
【0045】
生じた負イオンは、正電極である対向電極11bに向かうが、負イオンが対向電極11bに向かって加速して進行する中、周囲の気体分子等の粒子と衝突しながら進むことにより、こうした粒子も負イオン進行方向に進んで、気流(イオン風)が生じる状態となる。
【0046】
こうしたイオン風が環状の対向電極11bを通り抜けてその前方へ進むことで、負イオンを空気中に拡散させて活用できることとなる。また、電極間で生じたオゾンを、イオン風によって電極部11の外側へ送り出して外部の空気と接触させることができる。
【0047】
次に、本実施形態に係る放電装置の取付及び使用状態について説明する。前提として、放電装置1が取り付けられる予定の天井50の電源ソケット51には、あらかじめ通電により点灯する一般的な電球形ランプが取り付けられており、室内の壁に設けられた電源スイッチで電源ソケット51への通電状態を切替えることで、電球形ランプによる照明をON、OFFできる状態にあるものとする。
【0048】
放電装置1の取付について説明すると、まず、天井の電源ソケット51に取り付けられた電球形ランプを取り外し、これと置き換える形で放電装置1を電源ソケット51に取り付ける。放電装置1の電源ソケット51への取付は、放電装置1の受電用接続部13を電源ソケット51にねじ込むことで完了する。そして、電源ソケット51から取り外された電球形ランプを照明装置90として放電装置1の送電用ソケット部14にねじ込んで取り付け、照明の使用を継続できるようにする。
【0049】
続いて、放電装置1の使用状態について説明する。室内の電源スイッチ操作で電源ソケット51に通電される状態に切替えると、電源ソケット51から受電用接続部13を通じて、高電圧発生部15に電力が供給される。また、受電用接続部13を介して送電用ソケット部14も通電状態となることから、この送電用ソケット部14に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプに電力が供給され、点灯状態となる。
【0050】
高電圧発生部15は、供給された電力により、電極部11で放電を行わせるための高電圧を生じさせる。
高電圧発生部15で生じた高電圧は、この高電圧発生部15に接続された電極部11の放電電極11aと対向電極11bに、放電電極11aを負電極、対向電極11bを正電極とするように印加される。これにより、電極部11の放電電極11aと対向電極11bとの間でコロナ放電が起こる。
【0051】
この電極間でのコロナ放電による電離で電子が生成される。この電子を空気中の酸素等の分子が受け取ることで負イオンが生成される。
また、電離で生じた電子と周囲の空気の酸素分子との衝突で酸素分子が解離し、この解離で生じた酸素原子が、さらに他の酸素分子と反応すると、オゾンが生成されることとなる。
【0052】
電極間で生じた負イオンは、正電極である対向電極11bに向かうが、負イオンが対向電極11bに向かって加速して進行する中、周囲の気体分子等の粒子と衝突しながら進むことにより、こうした粒子も負イオン進行方向に進んで、気流(イオン風)が生じる状態となる。
【0053】
こうしたイオン風は、対向電極11bが環状であることから、この対向電極11bを通り抜けてその前方へ進むことができ、負イオンの一部も対向電極11bを越えた前方に達することとなる。
【0054】
一方、ハウジング12の他端における送電用ソケット部14に取り付けられた電球形ランプである照明装置90は、点灯状態の継続により温度を上昇させており、照明装置90からの放熱で、この照明装置90近くの外部の空気が温められ、上昇気流が生じる。
【0055】
こうして外部の空気が、温められて照明装置90の外周に沿って上に進行し、送電用ソケット部14の周囲に設けられる下向きの入口部12bを通じて、内部の電極部11に通じる空気流路12aに継続的に導入される。
【0056】
入口部12bから流入した空気は、ハウジング12内部の案内手段としての板状のガイド部12dで案内されつつ、空気流路12aを電極部11へ向かって進行し、電極部11に達する。照明装置90が点灯する間、外部の空気の入口部12bへの流入は継続することから、空気流路12aには入口部12bから出口部12cへ向かう空気の流れが生じており、電極部11に達した空気は、電極部11を通過して空気流路12aをさらに進み、ハウジング12の側部に設けられる出口部12cから放電装置1の外に出る。
【0057】
電極部11では、負電極である放電電極11aと正電極である対向電極11bとの間でイオン風が生じ、このイオン風が環状の対向電極11bを通り抜けてその前方へ進もうとすることから、電極部11に達した外部の空気に負イオンを拡散させることができる。
【0058】
また、放電電極11aと対向電極11bとの間でオゾンが生成される場合、イオン風によってオゾンを電極部11の外側へ送り出し、空気流路12aを進行する外部の空気と接触させることができる。
【0059】
こうして、電極部11を通過して負イオンやオゾンを取り込んだ空気が、出口部12cから外部に流出し、天井50付近から室内空間に達することで、放電生成物としての負イオンやオゾンの影響を室内空間各部へ無理なく及ぼせる状態が得られる。
【0060】
また、ハウジング12における入口部12bを、送電用ソケット部14の周囲に設けて、送電用ソケット部14に接続される照明装置90の周囲の空気を入口部12bに流入可能とすることで、継続使用に伴い照明装置90から外部に放出される熱で温められた照明装置90周囲の空気が、上昇して入口部12bに流入し、空気流路12aを進んで電極部11に達することとなり、温められて温度の上昇した空気によって相対湿度が減少した雰囲気の下で、電極部11での放電が促され、放電生成物の生成量を増やして、放電生成物の影響をより大きくすることができる。
【0061】
さらに、ハウジング12に空気流路12aの一部をなす案内手段としてのガイド部12dを設けて、このガイド部12dで電極部11に空気を導いて、入口部12bから流入した空気が電極部11にスムーズに導入されるようにすることで、照明装置90からの熱で温められ温度を上昇させた空気が入口部12bに流入した後、スムーズに空気流路12aを進んで温度を低下させることなく電極部11に到達でき、温度の上昇及びこれに伴う相対湿度の減少が実現した雰囲気下で、電極部11における放電を確実に促せることとなり、放電生成物の生成量をより一層増大させられる。
【0062】
照明を消すための室内の電源スイッチ操作で、電源ソケット51に通電されない状態に切替えられると、放電装置1では受電用接続部13を介した送電用ソケット部14への通電も停止状態となることから、送電用ソケット部14に取り付けられた照明装置90は消灯状態となる。同時に、放電装置1では高電圧発生部15への電力供給が断たれることで、高電圧発生部15で高電圧を発生させられず、電極部11での放電がなくなり、負イオンやオゾンの生成が終了する。
【0063】
このように、本実施形態に係る放電装置は、ハウジング12の一端の受電用接続部13を天井50の電源ソケット51に取り付けて、電極部11における放電を天井50付近から行えるようにすると共に、ハウジング12内で所定のスペースを占める電極部11と高電圧発生部15を横方向に重なる配置として、この重なり合う分だけ上下方向に必要なスペースを小さくし、ハウジング12の上下方向の外形寸法を抑えられることから、天井50付近で放電を実行して放電生成物の影響を室内空間各部へ及ぼせる状態を確保しつつ、ハウジング12他端に照明装置90を取り付けた状態における天井50からの突出量を、天井50の電源ソケット51に照明装置90を直接接続した場合における突出量との比較で、不自然に突出した印象を与えない程度の増量にとどめられ、天井50への設置状態で照明装置90の機能もそのまま維持して、室内空間の人に違和感を与えずに放電生成物の生成、放出に使用できる。
【0064】
なお、前記実施形態に係る放電装置においては、電源ソケット51に取り付けるハウジング12一端側の受電用接続部13を、天井側の電源ソケット51をなすランプレセプタクルに対応させて、電球形ランプの口金状としているが、これに限らず、天井に設けられた電源ソケットに対応する構造を有し、電源ソケットに対する取付状態で電気的接続と放電装置の吊支を両立可能であれば、他の形式のものでもよく、例えば、電源ソケットが引掛シーリングボディである場合に対応して、受電用接続部を引掛シーリングキャップとする構成としてもかまわない。
【0065】
また、ハウジング12他端側の送電用ソケット部14を、電球形ランプの口金に対応する受金を有するランプソケットとする構成としているが、これに限られるものではなく、電球形ランプ以外の照明装置のコネクタに対応するもの、例えば、コネクタとして引掛シーリングキャップを有する照明装置に対応して、送電用ソケット部を引掛シーリングボディとする構成とすることもできる。この他、送電用ソケット部がランプソケットの場合でも、その受金はねじ込み式(エジソンスクリュー式)に限られず、コネクタの形状に対応した別形式のもの、例えば、バヨネット式でもよい。
【0066】
また、前記実施形態に係る放電装置においては、天井50の電源ソケット51に電球形ランプや他の照明器具を取り付けた通常の照明使用の場合と同様に、壁等に設けられた照明用スイッチで電源のON、OFFを切り替えることを前提としているが、これに限られるものではなく、放電装置に人の手の届く高さまで垂らした操作紐や遠隔操作手段(リモコン)で操作可能なスイッチを設けて、電源のON、OFFの切替を行うようにしてもよい。
【0067】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る放電装置を前記図3及び図4に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る放電装置2は、前記第1の実施形態と同様に、電極部21と、ハウジング22と、受電用接続部23と、送電用ソケット部24と、高電圧発生部25とを備える一方、異なる点として、電極部21での放電を制御する制御部26と、ハウジング22内に配設されて送風を行う送風手段27とを備える構成を有するものである。
【0068】
前記電極部21は、一対の棒状電極21a、21bの組であり、これらの電極間で放電を行い、放電生成物を発生させるものである。
各棒状電極21a、21bは、電極同士が所定間隔で対向する配置とされ、且つ電極の長手方向がハウジング22内を流れる空気の進行方向と直角をなすようにして、ハウジング22の内部に配設される構成である。
【0069】
これら棒状電極21a、21bは、イオン発生装置やオゾン発生装置において、一方の電極を負極、他方の電極を正極として、高電圧の印加により電極間でコロナ放電を起こし、放電生成物としての負イオンやオゾンを発生させる公知のものであり、詳細な説明を省略する。
【0070】
前記ハウジング22は、内部に電極部21や高電圧発生部25を収めると共に、電極部21に通じる空気流路22aを設けられるものである。また、ハウジング22は、内部の空気流路22aを外部に通じさせる開口である入口部22b及び出口部22cをそれぞれ設けられる構成である。
【0071】
入口部22bは、ハウジング22の他端における送電用ソケット部24の周囲に設けられる。
この入口部22bは、天井50の電源ソケット51に受電用接続部23を取り付けた放電装置2の天井設置状態で、下向きとなる拡開形状とされる構成であり、送電用ソケット部24に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプの外周に沿って上向きに進行する外部の空気を導入可能とされる。
【0072】
また、出口部22cは、ハウジング22の側部に設けられる。出口部22cの開口は、天井50の電源ソケット51に受電用接続部23を取り付けた放電装置2の天井設置状態で斜め下向きとなるように設けられており、この出口部22cに対し、電極部21の棒状電極21a、21bが、ハウジング22における出口部22cの奥方となるハウジング22内部に位置するようにされる。
【0073】
さらに、ハウジング22は、その内部に、入口部22bから流入し上向きに進行する空気の気流を、斜め下向きに進路を変えるように案内し、電極部21及び出口部22cに向かわせる案内手段としてのガイド部22dを有する。
【0074】
そして、ハウジング22における空気流路22aは、入口部22bから上向きに流入した空気を、ハウジング22における、出口部22cに対し電極部21より奥方となる内部の所定領域に導いた上で、ガイド部22dで空気の進行方向を変えて電極部21及び出口部22cに向かわせ、直進する空気が電極部21を経て出口部22cに至るようにする流路形状として形成される。
【0075】
前記受電用接続部23は、前記第1の実施形態と同様に、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金と同様の形状に形成され、ハウジング22の一端に突出状態で設けられて、天井50の電源ソケット51に着脱可能とされる構成である。
この受電用接続部23も、電源ソケット51に対しねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転を伴う着脱手順に沿って着脱可能とされるものである。
【0076】
前記送電用ソケット部24は、前記第1の実施形態と同様に、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金に対応する受金を有するランプソケットとして形成され、受電用接続部23と電気的に接続された状態でハウジング22の他端に配設され、照明装置90のコネクタ91、具体的には、電球形ランプの口金、を着脱可能とされる構成である。
【0077】
この送電用ソケット部24も、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金や、これと同形状とされる他の照明装置のコネクタを、ねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転が伴う着脱手順により着脱可能とするものである。
【0078】
前記高電圧発生部25は、前記第1の実施形態と同様に、昇圧用トランス25aと、電子回路部25bとを有し、これらを箱形の収容ケースに収めた状態でハウジング22内に配設され、受電用接続部23と電気的に接続され、受電用接続部23及び電源ソケット51を通じて外部の電源(商用電源)から電力を導入可能とされ、放電用の高電圧を生じさせるものである。
【0079】
この高電圧発生部25は、ハウジング22内でその一部を、受電用接続部23の電源ソケット51への取付状態で天井面と平行となる方向、すなわち横方向について、電極部21と重ならせて配設される。
【0080】
このように、昇圧トランス25aなどの比較的嵩張る部品を含んで、ハウジング22内で所定のスペースを占める高電圧発生部25を、電極部21と横方向に重ならせて、上下方向の配置範囲を重複させる分、これらが重ならない配置の場合に比べて、ハウジング22内の上下方向に確保すべき収容のための空間を削減でき、その分ハウジング22の上下方向の外形寸法を抑えられる。
【0081】
これにより、天井50の電源ソケット51に受電用接続部23を接続して放電装置2を設置し、さらに送電用ソケット部24に照明装置90を取り付けた状態における天井50からの突出量を、不自然に突出した印象を与えない程度にとどめられ、室内空間の人に違和感を与えることなく放電装置2と照明装置90を使用できることとなる。
【0082】
前記制御部26は、高電圧発生部25を制御して電極部21での放電状態を調整するものである。詳細には、制御部26は、高電圧発生部25の電子回路部25bを制御して電極部21への印加電圧を変更調整したり、高電圧印加による放電の実行と停止を所定のタイミングで切り替えるものである。また、制御部26は、送風手段27の作動に係る制御も合わせて実行可能とされる。
【0083】
前記送風手段27は、送電用ソケット部24及び入口部22bの近傍となる、ハウジング22内部の空気流路22a上の所定箇所に配設され、空気流路22aでの送風実行により、入口部22bからの外部の空気の流入を促すと共に、空気を空気流路22aに沿って進行させて電極部21に到達させ、さらに出口部22cから外部へ送り出すものである。
【0084】
この送風手段27は、制御部26の制御により、電極部21での放電開始の前に作動状態とされ、空気流路22aにおける送風で空気を出口部22cへ向けて進行させることで、出口部22cを通じた外部への送風を実行可能とされる。
【0085】
次に、本実施形態に係る放電装置の使用状態について説明する。前提として、前記第1の実施形態と同様の手順により、既設の電球形ランプと置き換える形で放電装置2が天井50の電源ソケット51に取り付けられ、取り外された電球形ランプは照明装置90として放電装置2の送電用ソケット部24に取り付けられているものとする。また、前記第1の実施形態同様、天井50の電源ソケット51への通電状態を、室内の壁に設けられた電源スイッチで切替えられる状態にあるものとする。
【0086】
室内の電源スイッチ操作で電源ソケット51に通電される状態に切替えると、電源ソケット51から受電用接続部23を通じて、制御部26に電力が供給され、制御部26が高電圧発生部25や送風手段27の制御を行える状態となる。
【0087】
一方、受電用接続部23を介して送電用ソケット部24も通電状態となることから、この送電用ソケット部24に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプに電力が供給され、点灯状態となる。
【0088】
制御部26は、放電のための高電圧発生部25による電極部21への高電圧印加に先立ち、送風手段27を作動させ、空気流路22aにおける送風で空気を出口部22cへ向けて進行させ、出口部22cから放電装置2外部、すなわち室内空間への送風を実行させる。
【0089】
こうして、送風手段27の作動に伴う作動音や送風に伴う室内空間の空気流動が、放電に先立って室内空間で感知可能な状態となる。これにより、放電で生じる負イオンやオゾン等の放電生成物が放出され得る状態にあることを室内空間に居る人が事前に認識でき、室内空間に対する放電生成物の好ましい影響を損なわないための行動を人に促して、放電生成物の影響を室内空間に最大限及ぼすようにすることができる。また、放電生成物の放出を事前に認識させることで、オゾン等の放電生成物の人に対する好ましくない影響を避けるための行動を人に促して、放電生成物の影響を人に及ぼさないようにすることもできる。
【0090】
一方、送風手段27の作動により、空気流路22aにはハウジング12他端の入口部22bを通じて外部の空気が誘引される状態となるが、これと合わせて、前記第1の実施形態と同様に、点灯状態にある照明装置90からの放熱で温められた照明装置90近くの空気が、上昇気流となって照明装置90の外周に沿って上に進行する。こうして、送風により誘引される空気と、温められて上昇する空気とが、送電用ソケット部24周囲の下向き拡開形状の入口部22bを通じて、空気流路22aに継続的に導入される。
【0091】
入口部22bから流入した空気は、空気流路22aを進行し、ハウジング22における、出口部22cに対し電極部21より奥方となる内部の所定領域まで導かれる。そして、空気は、ハウジング22のガイド部22dで案内されて進行方向を変え、電極部21とその先の出口部22cへ向かう状態とされた上で、さらに電極部21へ進むこととなる。
【0092】
照明装置90が点灯する間、温められて上昇した外部の空気の一部が入口部22bに流入する状態は継続することから、温かい空気が空気流路22aを通って電極部21に達する。
【0093】
また、送風手段27が作動する間、外部の空気を誘引して入口部22bへ流入させる状態も継続しており、空気流路22aには入口部22bから出口部22cへ向かう空気の流れが生じており、電極部21に達した空気は、電極部21を通過して空気流路22aをさらに進み、ハウジング22側部の出口部22cから放電装置2の外に出る。
【0094】
制御部26により、送風手段27が作動状態となった後、高電圧発生部25に電力が供給される。高電圧発生部25は、供給された電力により、電極部21で放電を行わせるための高電圧を生じさせる。
【0095】
高電圧発生部25は、電極部21の棒状電極21a、21bに、一方の電極を負電極、他方の電極を正電極として高電圧を印加する。これにより、電極部21の棒状電極21a、21b間でコロナ放電が起こる。
【0096】
この電極間でのコロナ放電による電離で電子が生成される。この電子を空気中の酸素等の分子が受け取ることで負イオンが生成される。
また、電離で生じた電子と周囲の空気の酸素分子との衝突で酸素分子が解離し、この解離で生じた酸素原子が、さらに他の酸素分子と反応すると、オゾンが生成されることとなる。
【0097】
電極部21の棒状電極21a、21b間で生じた負イオンは、正電極である方の棒状電極に向かうが、空気流路22aにおいて、電極部21に達した空気が電極部21の棒状電極21a、21b間を通過してそのまま出口部22cに向かって進行していることで、負イオンの一部が空気の流れに沿って進路を変え、こうした負イオンの一部が電極部21から離れて出口部22c側に向かうこととなり、外部の空気に負イオンを拡散させることができる。
【0098】
また、棒状電極21a、21b間でオゾンが生成される場合、棒状電極21a、21b間を通過して出口部22cに向かって直進する空気によってオゾンを電極部21の外側へ送り出し、空気流路22aを進む外部の空気と接触させることができる。
【0099】
こうして、電極部21を通過して負イオンやオゾンを取り込んだ空気が、出口部22cから外部に流出し、天井50付近から室内空間に達することで、放電生成物としての負イオンやオゾンの影響を室内空間各部へ無理なく及ぼせる状態が得られる。
【0100】
また、ハウジング22における入口部22bを、送電用ソケット部24の周囲に下向きの拡開形状として設けて、送電用ソケット部24に接続される照明装置90の周囲の空気を入口部22bに流入可能とすると共に、ハウジング22の一部を案内手段とし、空気流路22aを進行する空気の向きを変えて電極部21に空気が無理なく導入されるようにすることで、継続使用に伴い照明装置90から外部に放出される熱で温められた照明装置90周囲の空気が、上昇して入口部22bに流入し、さらに空気流路22aをスムーズに進んで温度を低下させることなく電極部21に到達できることとなり、温められて温度の上昇した空気によって相対湿度が減少した雰囲気の下で、電極部21における放電を促すことができ、放電生成物の生成量を増大させて、放電生成物の影響をより大きくすることができる。
【0101】
照明を消すための室内の電源スイッチ操作で、電源ソケット51に通電されない状態に切替えられると、放電装置2では受電用接続部23を介した送電用ソケット部24への通電も停止状態となることから、送電用ソケット部24に取り付けられた照明装置90は消灯状態となる。同時に、放電装置2では電力供給が断たれることで、制御部26が高電圧発生部25や送風手段27の制御を行えない状態となって、高電圧発生部25で高電圧を発生させられず、電極部21での放電がなくなり、負イオンやオゾンの生成が停止すると共に、送風手段27による送風も停止することで、負イオンやオゾンの外部の空気への放出、拡散が終了する。
【0102】
このように、本実施形態に係る放電装置は、ハウジング22の空気流路22aを、入口部22bから上向きに流入した空気の進行方向を変えて、空気が電極部21に向かうよう案内すると共に、この案内後の空気をそのまま直進させて電極部21を経由させ、進行方向を変えずにさらに出口部22cに至らせて外部に流出させる流路形状として、電極部21を経て放電生成物と接した空気が出口部22cに進みやすくすることから、電極部21での放電で生じた負イオンやオゾン等の放電生成物を空気と共に出口部22cに導いてその外部への放出を促すことができ、効率よく放電生成物を室内空間に到達させられる。
【0103】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る放電装置を前記図5ないし図7に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る放電装置3は、前記第2の実施形態と同様に、電極部31と、ハウジング32と、受電用接続部33と、送電用ソケット部34と、高電圧発生部35と、制御部36と、送風手段37とを備える一方、異なる点として、電力供給に係るエネルギーを蓄えて、一時的な電力の供給を可能とする内蔵電源部38を備える構成を有するものである。
【0104】
前記電極部31は、前記第2の実施形態と同様に、一対の棒状電極31a、31bの組であり、これらの電極間で放電を行い、放電生成物を発生させるものである。
これら棒状電極31a、31bは、前記第2の実施形態同様、イオン発生装置やオゾン発生装置において高電圧の印加により電極間でコロナ放電を起こし、放電生成物としての負イオンやオゾンを発生させる公知のものであり、詳細な説明を省略する。
【0105】
前記ハウジング32は、内部に電極部31や高電圧発生部35を収めると共に、電極部31に通じる空気流路32aを設けられるものである。また、ハウジング32は、内部の空気流路32aを外部に通じさせる開口である入口部32b及び出口部32cをそれぞれ設けられる構成である。
【0106】
入口部32bは、ハウジング32の他端における送電用ソケット部34の周囲に設けられる。この入口部32bは、天井50の電源ソケット51に受電用接続部33を取り付けた放電装置3の天井設置状態で、下向きとなる拡開形状とされる構成であり、送電用ソケット部34に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプの外周に沿って上向きに進行する外部の空気を導入可能とされる。
【0107】
また、出口部32cは、ハウジング32の側部に設けられる。出口部32cの開口は、天井50の電源ソケット51に受電用接続部33を取り付けた放電装置3の天井設置状態で斜め下向きとなるように設けられる。この出口部32cに対し、電極部31の棒状電極31a、31bが、ハウジング32における出口部32cの奥方となるハウジング32内部に位置するようにされる。
【0108】
さらに、ハウジング32は、その一部が、入口部32bから流入し上向きに進行する空気の気流を、斜め下向きに進路を変えるように案内し、電極部31及び出口部32cに向かわせる、案内手段を兼ねる構造とされる。
【0109】
そして、ハウジング32における空気流路32aは、入口部32bから上向きに流入した空気を、ハウジング32における、出口部32cに対し電極部31より奥方となる内部の所定領域に導いた上で、空気の進行方向を変えて電極部31及び出口部32cに向かわせ、直進する空気が電極部31を経て出口部32cに至るようにする流路形状として形成される。
【0110】
この他、ハウジング32には、入口部32bから流入した空気が本来の流路を経由せずに出口部32cへ向かう事態(ショートサーキット)を防ぐために、入口部32bと出口部32cとを隔てる遮蔽板32dが設けられる。
【0111】
送電用ソケット部34は、ハウジング32内で少なくとも一部が電極部31及び高電圧発生部35と横方向に重なる状態として、電極部31と高電圧発生部35との少なくとも一方の横に配設される。
【0112】
前記受電用接続部33は、前記第1の実施形態と同様に、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金と同様の形状に形成され、ハウジング32の一端に突出状態で設けられて、天井50の電源ソケット51に着脱可能とされる構成である。
この受電用接続部33も、電源ソケット51に対しねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転を伴う着脱手順に沿って着脱可能とされるものである。
【0113】
前記送電用ソケット部34は、前記第1の実施形態と同様に、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金に対応する受金を有するランプソケットとして形成され、受電用接続部33と電気的に接続された状態でハウジング32の他端に配設され、照明装置90のコネクタ91、具体的には、電球形ランプの口金、を着脱可能とされる構成である。
ただし、送電用ソケット部34は、ハウジング32内で一部が電極部31及び高電圧発生部35と横方向に重なる状態として、高電圧発生部35の横に配設される。
【0114】
この送電用ソケット部34も、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金や、これと同形状とされる他の照明装置のコネクタを、ねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転が伴う着脱手順により着脱可能とするものである。
【0115】
前記高電圧発生部35は、前記第1の実施形態と同様に、昇圧用トランス35aと、電子回路部35bとを有し、これらを箱形の収容ケースに収めた状態でハウジング32内に配設され、受電用接続部33と電気的に接続され、受電用接続部33及び電源ソケット51を通じて外部の電源(商用電源)から電力を導入可能とされ、放電用の高電圧を生じさせるものである。
【0116】
この高電圧発生部35は、ハウジング32内でその一部を、受電用接続部33の電源ソケット51への取付状態で天井面と平行となる方向、すなわち横方向について、電極部31及び送電用ソケット部34とそれぞれ重ならせて配設される。
【0117】
このように、ハウジング32内で所定のスペースを占める高電圧発生部35を、同様にハウジング32内で比較的大きなスペースを占める電極部31や送電用ソケット部34と互いに横方向に重なるように配置して、上下方向の配置範囲を重複させる分、これらが重ならない配置の場合に比べて、ハウジング32内の上下方向に確保すべき収容のための空間を削減でき、その分ハウジング32の上下方向の外形寸法を抑えられる。
【0118】
これにより、天井50の電源ソケット51に受電用接続部33を接続して放電装置3を設置し、さらに送電用ソケット部34に照明装置90を取り付けた状態における天井50からの突出量を、不自然に突出した印象を与えない程度にとどめられ、室内空間の人に違和感を与えることなく放電装置3と照明装置90を使用できることとなる。
【0119】
前記制御部36は、高電圧発生部35を制御して電極部31での放電状態を調整するものである。詳細には、制御部36は、高電圧発生部35の電子回路部35bを制御して電極部31への印加電圧を変更調整したり、高電圧印加による放電の実行と停止を所定のタイミングで切り替えるものである。また、制御部36は、高電圧発生部35の電子回路部35bに対する内蔵電源部38の作動状態選択や、送風手段37の作動に係る制御も合わせて実行可能とされる。
【0120】
特に、制御部36は、受電用接続部33を通じた外部からの電力供給が停止すると、外部の電源に代えて内蔵電源部38から電力供給を受ける状態に移行し、外部からの電力供給停止から所定時間経過後に、高電圧発生部35や送風手段37に対し、電極部31での放電や送風をそれぞれ所定期間実行させる制御を行う。
【0121】
前記送風手段37は、ハウジング32における、出口部32cに対し電極部31より奥方となる内部の所定箇所に配設され、空気流路32a上に位置して、この空気流路32aでの送風実行により、入口部32bからの外部の空気の流入を促すと共に、空気を空気流路32aに沿って進行させて電極部31に到達させ、さらに出口部32cから外部へ送り出すものである。
【0122】
この送風手段37は、制御部36の制御により、電極部21での放電開始の前に作動状態とされ、空気流路32aにおける送風で空気を出口部32cへ向けて進行させることで、出口部32cを通じた外部への送風を実行可能とされる。
【0123】
この他、送風手段37は、受電用接続部33を通じた外部からの電力供給が停止した状態で、制御部36による制御の下で、外部からの電力供給停止から所定時間経過後に、内蔵電源部38からの電力供給により作動して、送風を所定期間行う仕組みである。
【0124】
前記内蔵電源部38は、制御部36を介して受電用接続部33と電気的に接続可能とされて、外部から電力供給を受けて蓄電、すなわち、電力供給に係るエネルギーを蓄える一方、蓄電に基づいて他への電力供給を可能とする構成であり、必要に応じて制御部36や高電圧発生部35、送風手段37などに外部電源に代わり一時的に電力を供給するものである。内蔵電源部38は、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池などの二次電池(バッテリー)である。
【0125】
内蔵電源部38は、制御部36による制御の下で、受電用接続部33を通じた外部からの電力供給がなされる間は、必要に応じて充電状態とされて蓄電を実行する。そして、受電用接続部33を通じた外部からの電力供給が停止されると、内蔵電源部38は、外部の電源に代わって制御部36に電力を供給し、この制御部36による制御の下で、停止から所定時間経過後に、電力を高電圧発生部35や送風手段37に供給して、電極部31での放電や送風を所定期間可能とすることとなる。
【0126】
次に、本実施形態に係る放電装置の使用状態について説明する。前提として、前記第1の実施形態と同様の手順により、既設の電球形ランプと置き換える形で放電装置3が天井50の電源ソケット51に取り付けられ、取り外された電球形ランプは照明装置90として放電装置3の送電用ソケット部34に取り付けられているものとする。また、前記第1の実施形態同様、天井50の電源ソケット51への通電状態を、室内の壁に設けられた電源スイッチで切替えられる状態にあるものとする。
【0127】
室内の電源スイッチ操作で電源ソケット51に通電される状態に切替えると、電源ソケット51から受電用接続部33を通じて、制御部36に電力が供給され、制御部36が高電圧発生部35や送風手段37の制御を行える状態となる。また、制御部36は、内蔵電源部38が十分な蓄電状態(満充電状態)ではない場合、内蔵電源部38に電力が供給されて内蔵電源部38への充電が行われる状態とする。
【0128】
一方、受電用接続部33を介して送電用ソケット部34も通電状態となることから、この送電用ソケット部34に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプに電力が供給され、点灯状態となる。
【0129】
照明装置90が点灯する間、電球形ランプである照明装置90は、点灯状態の継続により温度を上昇させており、照明装置90からの放熱で、この照明装置90近くの外部の空気が温められ、上昇気流が生じる。
【0130】
こうして外部の空気が、温められて照明装置90の外周に沿って上に進行し、送電用ソケット部34の周囲に設けられる下向き拡開形状の入口部32bを通じて、内部の電極部31に通じる空気流路32aに継続的に導入される。
【0131】
入口部32bから流入した空気は、案内手段を兼ねるハウジング32の一部で案内されつつ、空気流路32aを電極部31へ向かって進行し、電極部31に達する。照明装置90が点灯する間、外部の空気の入口部32bへの流入は継続することから、空気流路32aには入口部32bから出口部32cへ向かう空気の流れが生じており、電極部31に達した空気は、電極部31を通過して空気流路32aをさらに進み、ハウジング32の側部に設けられる出口部32cから放電装置3の外に出ることとなり、ハウジング32の空気流路32aは温められた外部の空気で満たされる状態となる。これにより、電極部31周辺を含む空気流路32a各部の温度が上昇する。
【0132】
照明を消すための室内の電源スイッチ操作で、電源ソケット51に通電されない状態に切替えられると、放電装置3では受電用接続部33を介した送電用ソケット部34への通電も停止状態となることから、送電用ソケット部34に取り付けられた照明装置90は消灯状態となる。この時、受電用接続部33を通じた外部からの電力供給停止に伴い、制御部36は、外部の電源に代えて内蔵電源部38から電力供給を受ける状態に移行し、高電圧発生部35や送風手段37の制御を行える状態を維持する。
【0133】
外部からの電力供給停止から所定時間経過後、制御部36は、放電のための高電圧発生部35による電極部31への高電圧印加に先立ち、送風手段37を作動させ、空気流路32aにおける送風で空気を出口部32cへ向けて進行させ、出口部32cから放電装置3外部、すなわち室内空間への送風を実行させる。
【0134】
こうして、送風手段37の作動に伴う作動音や送風に伴う室内空間の空気流動が、放電に先立って室内空間で感知可能な状態となる。これにより、放電で生じる負イオンやオゾン等の放電生成物が放出され得る状態にあることを室内空間に居る人が事前に認識でき、室内空間に対する放電生成物の好ましい影響を損なわないための行動を人に促して、放電生成物の影響を室内空間に最大限及ぼすようにすることができる。また、放電生成物の放出を事前に認識させることで、オゾン等の放電生成物の人に対する好ましくない影響を避けるための行動を人に促して、放電生成物の影響を人に及ぼさないようにすることもできる。
【0135】
一方、送風手段37の作動により、空気流路32aにはハウジング32他端の入口部32bを通じて外部の空気が誘引される状態となり、この送風により誘引される空気が、送電用ソケット部34周囲の下向き拡開形状の入口部32bを通じて、空気流路32aに継続的に導入される。
【0136】
入口部32bから流入した空気は、空気流路32aを進行し、案内手段を兼ねるハウジング32の一部で案内されて進行方向を変え、送風手段37を経てから電極部31へ向かってさらに進む。
【0137】
送風手段37が作動状態となった後、制御部36の制御により、高電圧発生部35に内蔵電源部38からの電力が供給される。高電圧発生部35は、供給された電力により、電極部31で放電を行わせるための高電圧を生じさせる。
【0138】
高電圧発生部35は、電極部31の棒状電極31a、31bに、一方の電極を負電極、他方の電極を正電極として高電圧を印加する。これにより、電極部31の棒状電極31a、31b間でコロナ放電が起こる。
【0139】
この電極間でのコロナ放電による電離で電子が生成される。この電子を空気中の酸素等の分子が受け取ることで負イオンが生成される。
また、電離で生じた電子と周囲の空気の酸素分子との衝突で酸素分子が解離し、この解離で生じた酸素原子が、さらに他の酸素分子と反応すると、オゾンが生成されることとなる。
【0140】
電極部31の棒状電極31a、31b間で生じた負イオンは、正電極である方の棒状電極に向かうが、空気流路32aにおいて、送風手段37により送風され、電極部31に達した空気が電極部31の棒状電極31a、31b間を通過してそのまま出口部32cに向かって進行していることで、負イオンの一部が空気の流れに沿って進路を変え、こうした負イオンの一部が電極部31から離れて出口部32c側に向かうこととなり、外部の空気に負イオンを拡散させることができる。
【0141】
また、棒状電極31a、31b間でオゾンが生成される場合、棒状電極31a、31b間を通過して出口部32cに向かって直進する空気によってオゾンを電極部31の外側へ送り出し、空気流路32aを進む外部の空気と接触させることができる。
【0142】
こうして、電極部31を通過して負イオンやオゾンを取り込んだ空気が、出口部32cから外部に流出し、天井50付近から室内空間に達することで、放電生成物としての負イオンやオゾンの影響を室内空間各部へ無理なく及ぼせる状態が得られる。
【0143】
また、照明装置90が点灯していた間、照明装置90で温められた空気により空気流路32a各部の温度が上昇することで、外部からの電力供給停止後、送風手段37が作動して、外部の空気を空気流路32aに導入した際、温度の上がった空気流路32aにより空気が温められ、この温められた空気が電極部31に達することとなり、温度の上昇した空気によって相対湿度が減少した雰囲気の下で、電極部31における放電を促すことができ、放電生成物の生成量を増大させて、放電生成物の影響をより大きくすることができる。
【0144】
あらかじめ設定された時間が経過すると、制御部36による制御で高電圧発生部35や送風手段37への電力供給が断たれ、電極部31での放電がなくなり、負イオンやオゾンの生成が終了する。
【0145】
このように、本実施形態に係る放電装置は、外部からの電力供給の停止から所定時間経過すると、制御部36が内蔵電源部38の電力で電極部31での放電を実行させ、放電生成物が供給されるようにすることから、例えば、用途の関係で強制換気が必要とされる室内空間では、通常、人が室内空間を利用する際に照明と同時にこの室内空間に設けられた換気扇を使用することになるが、こうして照明と同時に換気扇が使用される室内空間で、電源ソケット51に放電装置3を取り付けて用いる場合、電源ソケット51と照明装置90との間に介在させるように取り付けられた放電装置3に対し、照明の電源OFF操作に伴って電源ソケット51からの電力供給が停止されると、送電用ソケット部34に取り付けた照明装置90が消灯状態となる中、室内空間で照明装置90による照明と同時に使用される換気扇も、電源OFFとされて作動を停止することが見込まれ、こうした換気扇が確実に停止しているとみなせる状況である、電源ソケット51からの電力供給停止時点から所定時間経過後に、制御部36が電極部31での放電を行わせると、換気扇の作動に伴う空気の流動の影響を受けることなく、放電による放電生成物の生成、放出が行え、問題なく放電生成物と空気を接触させつつ室内空間へ向かわせることができ、放電生成物の影響を確実に室内空間に及ぼせる。
【0146】
なお、前記実施形態に係る放電装置を取り付ける天井50の電源ソケット51は、電球形ランプや他の照明器具を取り付けた通常の照明使用の場合と同様に、壁等に設けられた照明用の電源スイッチのON、OFF切替操作によりこの電源ソケット51への通電、非通電を切り替えられるものとしているが、これに限られるものではなく、電源スイッチ操作を必要とせず、室内空間への人の出入りに応じて自動的に照明の点灯と消灯を切り替えられるように、人感センサ等を用いて通電状態と非通電状態とを切り替えられる仕組みが適用された電源ソケットであってもかまわない。
【0147】
この他、照明に係る電源ソケットへの通電と換気扇の作動が連動する一方で、電源ソケットへの通電停止による照明の消灯後も換気扇がしばらく作動可能とされるなど、所定の通電制御により電源ソケットへの電力供給停止(照明の消灯)と換気扇の作動停止との間に時間差が与えられる場合は、放電装置において、放電の実行タイミングに係る、電源ソケットへの電力供給停止からの経過時間を、換気扇の作動停止以降に電極部での放電を行わせるように、制御部で設定する構成とすることもできる。
【0148】
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る放電装置を前記図8及び図9に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る放電装置4は、前記第1の実施形態と同様に、電極部41と、ハウジング42と、受電用接続部43と、送電用ソケット部44と、高電圧発生部45とを備える一方、異なる点として、ハウジング42における電極部41、送電用ソケット部44、及び高電圧発生部45が互いに横方向に重なる配置関係として配設されると共に、入口部42bに流速制限手段42dを設ける構成を有するものである。
【0149】
前記電極部41は、前記第1の実施形態と同様に、針状の放電電極41aと環状の対向電極41bの組であり、これら放電電極41aと対向電極41bとの間で放電を行い、放電生成物を発生させるものである。
【0150】
これら放電電極41a及び対向電極41bは、前記第1の実施形態同様、イオン発生装置やオゾン発生装置において高電圧の印加により電極間でコロナ放電を起こし、放電生成物としての負イオンやオゾンを発生させる公知のものであり、詳細な説明を省略する。
【0151】
前記ハウジング42は、内部に電極部41や高電圧発生部45を収めると共に、電極部41に通じる空気流路42aを設けられるものである。また、ハウジング42は、内部の空気流路42aを外部に通じさせる開口である入口部42b及び出口部42cをそれぞれ設けられる構成である。
【0152】
入口部42bは、ハウジング42の他端における送電用ソケット部44の近傍に設けられる。この入口部42bは、天井50の電源ソケット51に受電用接続部43を取り付けた放電装置4の天井設置状態で、下向きの開口とされる構成であり、送電用ソケット部44に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプの外周に沿って上向きに進行する外部の空気を導入可能とされる。
【0153】
また、出口部42cは、ハウジング42の側部のうち、他端の入口部42b配設箇所に近い部位に設けられる。出口部42cの開口は、天井50の電源ソケット51に受電用接続部43を取り付けた放電装置4の天井設置状態で斜め下向きとなるように設けられており、この出口部42cの内方に電極部41の対向電極41bが配置される。
【0154】
この他、ハウジング42には、入口部42bが電極部41に比較的近い位置に設けられることにより、入口部42bから流入して空気流路42aを進む空気の上向きの流れが、電極部41での放電により生じた負イオンとそれに基づく気流(イオン風)を、対向電極41bやその先の出口部42cへ進行させにくくするなど、悪影響を及ぼす事態を防ぐために、入口部42b又はハウジング42における入口部近傍部分には、流入する空気に対し流入抵抗を増やし、空気の流入の際の流速を減少させて、流入空気の電極部41への影響を抑えるようにする所定の流速制限手段42dが設けられる。
【0155】
流速制限手段42dは、具体的には、例えば、入口部42bをなす多数の微小孔を設けられてハウジング42の一部をなす多孔体とされたり(図8参照)、入口部42bをなす開口を覆う網状体とされたり、ハウジング42における入口部42bの内側に設けられて空気流路を狭小化(狭隘化)、複雑化するバッフル(邪魔板)や障害物、非直線通路部とされる。
【0156】
前記受電用接続部43は、前記第1の実施形態と同様に、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金と同様の形状に形成され、ハウジング42の一端に突出状態で設けられて、天井50の電源ソケット51に着脱可能とされる構成である。
この受電用接続部43も、電源ソケット51に対しねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転を伴う着脱手順に沿って着脱可能とされるものである。
【0157】
前記送電用ソケット部44は、前記第1の実施形態と同様に、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金に対応する受金を有するランプソケットとして形成され、受電用接続部43と電気的に接続された状態でハウジング42の他端に配設され、照明装置90のコネクタ91、具体的には、電球形ランプの口金、を着脱可能とされる構成である。
【0158】
ただし、送電用ソケット部44は、ハウジング42内で一部が電極部41及び高電圧発生部45と横方向に重なる状態として、且つ、電極部41と高電圧発生部45に挟まれる配置で、電極部41及び高電圧発生部45と横並びに配設される。
【0159】
この送電用ソケット部44も、一般的な電球形ランプのねじ込み形の口金や、これと同形状とされる他の照明装置のコネクタを、ねじ込み操作で取り付けられ、逆の操作で取り外されるなど、回転が伴う着脱手順により着脱可能とするものである。
【0160】
ハウジング42において、受電用接続部43及び送電用ソケット部44は、受電用接続部43の電源ソケット51に対する着脱に係る回転の中心軸と、送電用ソケット部44に対する照明装置90のコネクタ91の着脱に係る回転の中心軸とを一致させる配置で配設される。
【0161】
そして、受電用接続部43及び送電用ソケット部44で一致させたこの着脱に係る回転の中心軸を挟む配置となるようにして、電極部41と高電圧発生部45がハウジング42内にそれぞれ配設される仕組みである。
【0162】
前記高電圧発生部45は、前記第1の実施形態と同様に、昇圧用トランス45aと、電子回路部45bとを有し、これらを箱形の収容ケースに収めた状態でハウジング42内に配設され、受電用接続部43と電気的に接続され、受電用接続部43及び電源ソケット51を通じて外部の電源(商用電源)から電力を導入可能とされ、放電用の高電圧を生じさせるものである。
【0163】
この高電圧発生部45は、ハウジング42内でその一部を、受電用接続部43の電源ソケット51への取付状態で天井面と平行となる方向、すなわち横方向について、電極部41及び送電用ソケット部44とそれぞれ重ならせて配設される。
【0164】
このように、ハウジング42内で所定のスペースを占める高電圧発生部45を、同様にハウジング42内で比較的大きなスペースを占める電極部41や送電用ソケット部44と互いに横方向に重なるように配置して、上下方向の配置範囲を重複させる分、これらが重ならない配置の場合に比べて、ハウジング42内の上下方向に確保すべき収容のための空間を削減でき、その分ハウジング42の上下方向の外形寸法を抑えられる。
【0165】
これにより、天井50の電源ソケット51に受電用接続部43を接続して放電装置4を設置し、さらに送電用ソケット部44に照明装置90を取り付けた状態における天井50からの突出量を、不自然に突出した印象を与えない程度にとどめられ、室内空間の人に違和感を与えることなく放電装置4と照明装置90を使用できることとなる。
【0166】
次に、本実施形態に係る放電装置の使用状態について説明する。前提として、前記第1の実施形態と同様の手順により、既設の電球形ランプと置き換える形で放電装置4が天井50の電源ソケット51に取り付けられ、取り外された電球形ランプは照明装置90として放電装置4の送電用ソケット部44に取り付けられているものとする。また、前記第1の実施形態同様、天井50の電源ソケット51への通電状態を、室内の壁に設けられた電源スイッチで切替えられる状態にあるものとする。
【0167】
室内の電源スイッチ操作で電源ソケット51に通電される状態に切替えると、電源ソケット51から受電用接続部43を通じて高電圧発生部45に電力が供給される。また、受電用接続部43を介して送電用ソケット部44も通電状態となることから、この送電用ソケット部44に取り付けられた照明装置90としての電球形ランプに電力が供給され、点灯状態となる。
【0168】
高電圧発生部45は、供給された電力により、電極部41で放電を行わせるための高電圧を生じさせる。
高電圧発生部45で生じた高電圧は、この高電圧発生部45に接続された電極部41の放電電極41aと対向電極41bに、放電電極41aを負電極、対向電極41bを正電極とするように印加される。これにより、電極部41の放電電極41aと対向電極41bとの間でコロナ放電が起こる。
【0169】
この電極間でのコロナ放電による電離で電子が生成される。この電子を空気中の酸素等の分子が受け取ることで負イオンが生成される。
また、電離で生じた電子と周囲の空気の酸素分子との衝突で酸素分子が解離し、この解離で生じた酸素原子が、さらに他の酸素分子と反応すると、オゾンが生成されることとなる。
【0170】
電極間で生じた負イオンは、正電極である対向電極41bに向かうが、負イオンが対向電極41bに向かって加速して進行する中、周囲の気体分子等の粒子と衝突しながら進むことにより、こうした粒子も負イオン進行方向に進んで、気流(イオン風)が生じる状態となる。
【0171】
こうしたイオン風は、対向電極41bが環状であることから、この対向電極41bを通り抜けてその前方へ進むことができ、負イオンの一部も対向電極41bを越えた前方に達することとなる。
【0172】
一方、ハウジング42の他端における送電用ソケット部44に取り付けられた電球形ランプである照明装置90は、点灯状態の継続により温度を上昇させており、照明装置90からの放熱で、この照明装置90近くの外部の空気が温められ、上昇気流が生じる。
【0173】
こうして外部の空気が、温められて照明装置90の外周に沿って上に進行し、送電用ソケット部44の近傍に設けられる下向きの入口部42bを通じて、内部の電極部41に通じる空気流路42aに継続的に導入される。
【0174】
この入口部42bには、流速制限手段42dを設けて、空気が入口部42bに流入する際の流速を減少させていることで、この入口部42bから流入した空気が、電極部41における負イオン等の放電生成物やその他の空気の流れに悪影響を及ぼすことはない。
【0175】
入口部42bから流入した空気は、空気流路42aを電極部41へ向かって進行し、電極部41に達する。照明装置90が点灯する間、外部の空気の入口部42bへの流入は継続することから、空気流路42aには入口部42bから出口部42cへ向かう空気の流れが生じており、電極部41に達した空気は、電極部41を通過して空気流路42aをさらに進み、ハウジング42の側部に設けられる出口部42cから放電装置4の外に出る。
【0176】
電極部41では、負電極である放電電極41aと正電極である対向電極41bとの間でイオン風が生じ、このイオン風が環状の対向電極41bを通り抜けてその前方へ進もうとすることから、電極部41に達した外部の空気に負イオンを拡散させることができる。
【0177】
また、放電電極41aと対向電極41bとの間でオゾンが生成される場合、イオン風によってオゾンを電極部41の外側へ送り出し、空気流路42aを進行する外部の空気と接触させることができる。
【0178】
こうして、電極部41を通過して負イオンやオゾンを取り込んだ空気が、出口部42cから外部に流出し、天井50付近から室内空間に達することで、放電生成物としての負イオンやオゾンの影響を室内空間各部へ無理なく及ぼせる状態が得られる。
【0179】
そして、ハウジング42における入口部42bを、送電用ソケット部44の近傍に設けて、送電用ソケット部44に接続される照明装置90の周囲の空気を入口部42bに流入可能とすることで、継続使用に伴い照明装置90から外部に放出される熱で温められた照明装置90周囲の空気が、上昇して入口部42bに流入し、流速制限手段42dを経て流速を抑えられた状態で空気流路42aを進んで電極部41に達することとなり、温められて温度の上昇した空気によって相対湿度が減少した雰囲気の下で、電極部41での放電が促され、放電生成物の生成量を増やして、放電生成物の影響をより大きくすることができる。
【0180】
照明を消すための室内の電源スイッチ操作で、電源ソケット51に通電されない状態に切替えられると、放電装置4では受電用接続部43を介した送電用ソケット部44への通電も停止状態となることから、送電用ソケット部44に取り付けられた照明装置90は消灯状態となる。同時に、放電装置4では高電圧発生部45への電力供給が断たれることで、高電圧発生部45で高電圧を発生させられず、電極部41での放電がなくなり、負イオンやオゾンの生成が終了する。
【0181】
なお、ハウジング42内に、電極部41から出口部42cに至る空気流路42aの後半部(例えば、図8のハウジング42中における二点鎖線部分)を周囲部分から隔離する筒状の風洞部を設けるなどして、入口部42bから流入して上向きに進む空気の電極部等への影響をより確実に抑える構成としてもかまわない。
【0182】
ただし、ハウジング42において、出口部42cが入口部42bに比較的近い位置に設けられることにより、入口部42bに流入する空気の上向きの流れが速いと、その影響を受けて、出口部42cから出る空気の気流が所望の向きに進行しない事態も起こり得る。こうした事態を防ぐ目的で、入口部42b又はハウジング42における入口部近傍部分に、流入する空気に対し流入抵抗を増やし、空気の流入の際の流速を減少させる流速制限手段を設けて、周囲への影響を抑えるようにすることもできる。
【0183】
この場合、出口部42cから負イオンやオゾンを取り込んだ空気が、放電装置4の外部の室内空間に流出するにあたり、出口部42cの近くでは、入口部42bに流入する空気の流れが生じているが、入口部42b又はハウジング42における入口部近傍部分に流速制限手段を設けて、空気が入口部42bに流入する際の流速を減少させることで、この入口部42bに流入する空気が周囲に与える影響、特に、出口部42cから流出する空気への影響を小さくし、出口部42cを出た空気が入口部側に誘引されにくい状態を得ることができ、放電生成物と接して出口部42cから出る空気をそのまま室内空間にスムーズに進行させて、放電生成物の影響を確実に室内空間に及ぼせることとなる。
【0184】
このように、本実施形態に係る放電装置は、天井50の電源ソケット51に対する着脱に際し回転する動きを伴う受電用接続部43、及び、照明装置90のコネクタ91の着脱に際し照明装置90の回転する動きを要する送電用ソケット部44が、着脱に係る各回転の中心軸を一致させるようにしてハウジング42に配設される一方、こうした中心軸を挟むようにして電極部41と高電圧発生部45がハウジング42に配設されて、電極部41と高電圧発生部45が中心軸を挟んで対向することから、ハウジング42が受電用接続部43及び送電用コネクタ部44を中心として電極部41と高電圧発生部45を左右に振り分けて配置した構造となり、部品配置に偏りがなくハウジング42をほぼ対称の外形に形成でき、美観を向上させられると共に、重量バランスもとりやすく、天井50の電源ソケット51に対する着脱等の作業性を良好なものとすることができる。
【0185】
なお、前記第1ないし第4の各実施形態に係る放電装置において、外部電源又は内蔵電源部から供給された電力から、電極部で放電させられる程度の高電圧を生じさせる高電圧発生部は、昇圧用トランスと電子回路部を用いて高電圧を生じさせる構成としているが、これに限らず、昇圧用トランスを用いず、電子回路部のみで高電圧を生じさせる構成としてもかまわない。
【0186】
また、前記第1ないし第4の各実施形態に係る放電装置において、高電圧発生部は、昇圧用トランスと電子回路部とを箱形の収容ケース内に収めたものとされ、高電圧発生部の一部をなす収容ケースが、横方向で電極部や送電用ソケット部と重なる状態を、高電圧発生部が電極部又は送電用ソケット部と横方向に重ねて配設されたものとして取り扱う構成としているが、この他、高電圧発生部に収容ケースを用いず、昇圧用トランスや電子回路部がそのまま又は樹脂封止状態で露出した高電圧発生部が、電極部や送電用ソケット部と横方向に重ねて配設される構成とすることもできる。この場合、高電圧発生部をなす昇圧用トランスの一部や電子回路部の一部(例えば、回路基板の一部や電子デバイスの一部等)が横方向について電極部や送電用ソケット部と少なくとも重なるものであれば、本発明に含まれるものである。こうして、高電圧発生部をなす昇圧用トランスや電子回路部の上下方向の配置範囲を、電極部や送電用ソケット部の上下方向の配置範囲と重複させる状態を得ることで、これらの収容に必要なハウジング内の上下方向のスペースを小さくでき、前記各実施形態同様、ハウジングを上下方向に小型化し、放電装置の天井からの突出量を抑えられる。
【0187】
また、前記第1ないし第4の各実施形態に係る放電装置においては、ハウジングにおける出口部の開口を、放電装置の天井設置状態で斜め下向きとなるように設ける構成としているが、これに限らず、出口部を斜め上向きに開口させる構成とすることもできる。この場合、出口部から室内空間に達した負イオンやオゾン等の放電生成物の、室内空間での滞留時間をより長くすることができ、室内空間に対してより効果的に放電生成物の影響を及ぼせる。さらに、放電生成物が除菌性のあるイオンやオゾンである場合、こうした放電生成物を斜め上向きに進行させて天井表面に接触させることもでき、天井表面の除菌も図れる。
【0188】
また、前記第1ないし第4の各実施形態に係る放電装置においては、高電圧発生部による電極部の二つの電極間への高電圧の印加で、電極間に放電を生じさせ、この放電に基づいて負イオンやオゾンを生成する構成としているが、この他、高電圧発生部の高電圧印加状態を調整して、主に負イオンが生成されるようにしたり、逆にオゾンが主に生成されるようにする構成とすることもでき、使用目的に応じた特定の放電生成物を専ら得るために放電の条件を適宜設定してかまわない。さらに、放電を生じる電極部についても、放電生成物として負イオンとオゾンを得られるものに限られず、イオナイザー(イオン生成専用装置)の電極部や、オゾナイザー(オゾン生成専用装置)の電極部など、負イオン又はオゾンの生成に特化した電極構造を採用する構成とすることもできる。
【0189】
また、前記第1ないし第4の各実施形態に係る放電装置においては、電極部の二つの電極間での放電に基づいて生じた放電生成物としての負イオンやオゾンを、電極間から出口部へ進行させ、空気中に拡散させることで、これらの影響を空気中に及ぼせる構成としているが、これに限られるものではなく、電極間での放電による電離で電子が生成される一方で、この電離に伴い空気中の分子の一部が電子を失うことで生じた正イオンを、他の放電生成物として、これと同時に生じる負イオンと共に、あるいは、負イオンと交互に、電極間から出口部へ進行させ、空気中に拡散させる構成とすることもでき、放電生成物が空気にもたらす好ましい影響を最大限活用できる。
【0190】
また、前記第1ないし第4の各実施形態に係る放電装置においては、ハウジング内の空気流路を、ハウジングの内壁とガイド部、又はハウジングの内壁のみで生じさせる構成としているが、これに限られるものではなく、入口部と出口部とを連通させて空気通路を生じさせる他の構造でもよく、例えば、ハウジングにおける入口部と出口部を繋ぐ筒状の風洞体を設け、この風洞体内部を空気流路とすると共に、風洞体の内部に電極部を配設する構成とすることもできる。これにより、入口部から流入する空気を電極部へ効率よく進行させられると共に、電極部から出口部へ放電生成物やこれを伴った空気を効率よく進行させて外部へ送り出せる。
【0191】
具体例として、前記第4の実施形態のように、ハウジングにおいて下向きの入口部が電極部や斜め下向きの出口部に近い位置となる場合、電極部を経由して入口部と出口部を繋ぐように設けられる風洞体は、大きく屈曲した(例えば、屈曲角が鋭角である)エルボ管状の筒状体をなす。仮に出口部が斜め上向きの開口となる場合には、風洞体はより緩く屈曲した(例えば、屈曲角が鈍角である)形状の筒状体とすることができる。こうした風洞体は、例えば筒状体を中心位置で二分割した半円状断面の凹状体を組み合わせることで形成できる。ハウジングも分割構造とされる場合には、風洞体をなす凹状体とハウジングの分割体とをあらかじめ一体化し、ハウジングの分割体同士を組み合わせてハウジングが形成される際に、同時に凹状体も組み合わさって風洞体が形成されるようにすれば、組立の手間を省けることで放電装置の製造コストを低減でき、好ましい。
【0192】
前記第1ないし第4の各実施形態で具体的に示した、本発明の開示に係る放電装置は、例えばトイレや居間などの有人居住空間を快適な空間とすることができるものである。このような本放電装置は、国際連合で定められた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」で示される17の目標のうち、例えば、「3:すべての人に健康と福祉を(あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)」などの一部の目標の達成に寄与することが期待できる。
【符号の説明】
【0193】
1、2、3、4 放電装置
11、21、31、41 電極部
11a、41a 放電電極
11b、41b 対向電極
12、22、32、42 ハウジング
12a 空気流路
12b 入口部
12c 出口部
12d ガイド部
13、23、33、43 受電用接続部
14、24、34、44 送電用ソケット部
15 高電圧発生部
15a 昇圧用トランス
15b 電子回路部
21a、21b 棒状電極
22a 空気流路
22b 入口部
22c 出口部
22d ガイド部
25 高電圧発生部
25a 昇圧用トランス
25b 電子回路部
26 制御部
27 送風手段
31a、31b 棒状電極
32a 空気流路
32b 入口部
32c 出口部
32d 遮蔽板
35 高電圧発生部
35a 昇圧用トランス
35b 電子回路部
36 制御部
37 送風手段
38 内蔵電源部
42a 空気流路
42b 入口部
42c 出口部
42d 流速制限手段
45 高電圧発生部
45a 昇圧用トランス
45b 電子回路部
50 天井
51 電源ソケット
90 照明装置
91 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9