(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125057
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】ねじ締結構造体及びねじ締結方法
(51)【国際特許分類】
G11B 33/02 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
G11B33/02 301F
G11B33/02 301B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022028968
(22)【出願日】2022-02-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・販売日(公開日)令和3年7月1日 ・販売・出荷場所 NEC Platform Technologies Hong Kong Limited,Suites 901-02,AIA Kowloon Tower,Landmark East,100 How Ming Street,Kwun Tong,Hong Kong. ・公開者 NEC Platform Technologies Hong Kong Limited (Suites 901-02,AIA Kowloon Tower,Landmark East,100 How Ming Street,Kwun Tong,Hong Kong.)
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】小島 謙一
(57)【要約】
【課題】ドライブファスナーの空転を確実に防止して装置組立時の信頼性を向上させることができるねじ締結構造体及びねじ締結方法を提供する。
【解決手段】装置本体部Aのカバー11に筐体フレーム12を装着させるためのねじ締結構造体10であって、クリンチングストッパ15及びショックマウント16を介在して装置本体部Aのカバー11にクリンチング加工され、かつ筐体フレーム12に螺合されるねじの雌ねじ孔13Aを中央に有するドライブファスナー13と、該ドライブファスナー13を固定するドライブファスナー設置孔18を少なくとも2つ有し、これらドライブファスナー設置孔18を連結するように設けられたファスナープレート14、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体部のカバーに筐体フレームを装着するためのねじ締結構造体であって、
クリンチングストッパ及びショックマウントを介在して前記装置本体部のカバーの孔にクリンチング加工され、かつ前記筐体フレームに螺合されるねじの雌ねじ孔を中央に有するドライブファスナーと、
該ドライブファスナーを固定するドライブファスナー設置孔を少なくとも2つ有し、これらドライブファスナー設置孔を連結するように設けられたファスナープレートと、
を具備することを特徴とするねじ締結構造体。
【請求項2】
前記装置本体部は磁気テープ装置であることを特徴とする請求項1に記載のねじ締結構造体。
【請求項3】
前記筐体フレームは前記装置本体部を収容する外装材であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のねじ締結構造体。
【請求項4】
前記ファスナープレートは前記ドライブファスナーにクリンチング加工することで固定されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のねじ締結構造体。
【請求項5】
前記クリンチングストッパ及びドライブファスナーは鉄製であり、前記ショックマウントはゴム材により形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のねじ締結構造体。
【請求項6】
装置本体部のカバーに筐体フレームを装着させるためのねじ締結構造体であって、
互いに間隔をおいて形成された2つの第1雌ねじ孔と、これら第1雌ねじ孔の間に配置された第2雌ねじ孔とを有するドライブファスナーを具備し、
前記ドライブファスナーの第1雌ねじ孔には、ショックマウントを介在して装置本体部のカバーに螺合されるねじが設置され、
前記ドライブファスナーの第2雌ねじ孔には、前記筐体フレームに螺合されるねじが設置されることを特徴とするねじ締結構造体。
【請求項7】
装置本体部のカバーに筐体フレームを装着するためのねじ締結方法であって、
クリンチングストッパ及びショックマウントを介在して前記装置本体部のカバーの孔にクリンチング加工され、かつ前記筐体フレームに螺合されるねじの雌ねじ孔を中央に有するドライブファスナーを設ける段階と、
該ドライブファスナーを固定するドライブファスナー設置孔を少なくとも2つ有し、これらドライブファスナー設置孔を連結するファスナープレートを設ける段階と、からなることを特徴とするねじ締結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体部となる磁気テープ装置を筐体フレームに固定する際に使用されるねじ締結構造体及びねじ締結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量の記憶媒体となる磁気テープ装置は、筐体フレームにねじにより固定される。
例えば、
図14及び
図15に示す磁気テープ装置1では、筐体フレーム2に固定するためにドライブファスナー4がクリンチング加工(加締め接合)されている。
これらの図では、磁気テープ装置1の左右2ヶ所(合計4カ所)で、ドライブファスナー4を介してねじ3により筐体フレーム2が固定されることが示されている。
【0003】
このとき、磁気テープ装置1では、筐体フレーム2にねじ3で固定する際、ドライブファスナー4がラジアル方向に空転してはならない。
このため、鉄製のドライブファスナー4はゴム製のショックマウント及び鉄製のクリンチングストッパ(図示略)を介して磁気テープ装置1のカバー1Aにクリンチング加工されている。
このとき、ドライブファスナー4は、クリンチング加工によりゴム製のショックマウントが潰されるため、これが回り止めとなってねじ3で締め付けたとしても空転が防止されるようになっている。
しかしながら、このようなドライブファスナー4でも、ねじ3の締め付けトルクがショックマウントとの摩擦力を超えた場合に、空転が生じてねじ3による固定ができない問題が発生する。
【0004】
このようなドライブファスナーに関し、磁気ディスク装置のカバーを支持フレームに取り付けるための技術が特許文献1に示されている。
特許文献1に示される磁気ディスク装置のカバー内には、磁気ディスク、磁気ヘッド、駆動機構等が収納されるとともに、電子機器の支持フレームに取り付けるための複数の取付け部が備えられている。
取付け部としては、ねじ孔が内部に形成されたスリーブと、該スリーブ及び磁気ディスク装置のカバーの間に介在された防振部とからなる部材を有している。
この取付け部の防振部は粘弾性物質により形成されており、駆動機構の共振点を含む周波数の振動を減衰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される磁気ディスク装置の取付け部においても、前述のドライブファスナーと同様に、ねじの締め付けトルクが該取付け部との摩擦力を超えた場合に、空転が生じてねじによる固定ができないという問題が発生する。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ドライブファスナーの空転を確実に防止して装置組立時の信頼性を向上させることができるねじ締結構造体及びねじ締結方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様は、装置本体部のカバーに筐体フレームを装着するためのねじ締結構造体であって、クリンチングストッパ及びショックマウントを介在して前記装置本体部のカバーの孔にクリンチング加工され、かつ前記筐体フレームに螺合されるねじの雌ねじ孔を中央に有するドライブファスナーと、該ドライブファスナーを固定するドライブファスナー設置孔を少なくとも2つ有し、これらドライブファスナー設置孔を連結するように設けられたファスナープレートと、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明の第2態様は、装置本体部のカバーに筐体フレームを装着させるためのねじ締結構造体であって、互いに間隔をおいて形成された2つの第1雌ねじ孔と、これら第1雌ねじ孔の間に配置された第2雌ねじ孔とを有するドライブファスナーを具備し、前記ドライブファスナーの第1雌ねじ孔には、ショックマウントを介在して装置本体部のカバーに螺合されるねじが設置され、前記ドライブファスナーの第2雌ねじ孔には、前記筐体フレームに螺合されるねじが設置されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第3態様は、装置本体部のカバーに筐体フレームを装着するためのねじ締結方法であって、クリンチングストッパ及びショックマウントを介在して前記装置本体部のカバーの孔にクリンチング加工され、かつ前記筐体フレームに螺合されるねじの雌ねじ孔を中央に有するドライブファスナーを設ける段階と、該ドライブファスナーを固定するドライブファスナー設置孔を少なくとも2つ有し、これらドライブファスナー設置孔を連結するファスナープレートを設ける段階と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つのドライブファスナー設置孔を連結するファスナープレートを設けたので、ドライブファスナーの空転を確実に防止して装置組立時の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るねじ締結構造体の最小構成を示す概略構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る磁気テープ装置の斜視図である。
【
図3】
図2の磁気テープ装置を反対側の側方から視た斜視図である。
【
図4】
図2及び
図3に示す磁気テープ装置のカバーを下方から視た斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係るねじ締結構造体の詳細な斜視図である。
【
図6】第1実施形態の比較例に係るねじ締結構造体が具備されたカバーの斜視図である。
【
図7】
図6に示すねじ締結構造体の詳細な斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るねじ締結構造体が設置された磁気テープ装置のカバーの斜視図である。
【
図9】
図8に示されるねじ締結構造体の分解斜視図である。
【
図10】
図9に示されるねじ締結構造体の詳細な斜視図である。
【
図11】第2実施形態の比較例に係る磁気テープ装置の斜視図である。
【
図12】
図11に示されるねじ締結構造体の分解斜視図である。
【
図13】
図12に示されるねじ締結構造体の詳細な斜視図である。
【
図14】磁気テープ装置に取り付ける筐体フレームを示す斜視図である。
【
図15】一般的な磁気テープ装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るねじ締結構造体10の最小構成について
図1を参照して説明する。
このねじ締結構造体10は、装置本体部Aのカバー11に筐体フレーム12を装着するためのものであって、ドライブファスナー13及びファスナープレート14を有する。
ドライブファスナー13は、クリンチングストッパ15及びショックマウント16を介在して装置本体部Aのカバー11の孔11Aにクリンチング加工されるものであって、図では2つ配置されている。
【0014】
また、各ドライブファスナー13は、筐体フレーム12に螺合されるねじ(図示略)の雌ねじ孔13Aを中央に有している。
なお、このドライブファスナー13の雌ねじ孔13Aに挿通されるねじの軸線を符号17で示す。
【0015】
ファスナープレート14は、ドライブファスナー13を固定するドライブファスナー設置孔18を設置間隔に対応して2つ有し、かつこれらドライブファスナー設置孔18を連結するように設けられている。
【0016】
そして、本発明に係るねじ締結構造体10によれば、2つのドライブファスナー設置孔18を連結するファスナープレート14を設けたので、ドライブファスナー13の空転を確実に防止して装置組立時の信頼性を向上させることができる。
なお、本例では、ファスナープレート14により2つのドライブファスナー13を固定したが、2つ以上であればドライブファスナー13の数は限定されない。
【0017】
本発明の第1実施形態について、
図2~
図7を参照して説明する。
磁気記録再生装置となる磁気テープ装置100は、
図2及び
図3に示すように磁気テープに対してデータの記録/読取を行うテープ装置本体部A1と、該テープ装置本体部A1の上部を覆うカバー101とを具備する。
【0018】
磁気テープ装置100のカバー101には、ねじ締結構造体102が1個、及びねじ締結構造体103が3個備え付けられている。
これらねじ締結構造体102及びねじ締結構造体103として、雌ねじ孔20Aを有するドライブファスナー20がそれぞれ各2個(上部及び下部)設置されている。
なお、ねじ締結構造体102及びねじ締結構造体103は形状が若干異なるだけで基本構成が同一であるので、以下に、ねじ締結構造体102の構造についてのみ説明する。
【0019】
図4及び
図5は磁気テープ装置100に備え付けられているねじ締結構造体102の分解図である。
ねじ締結構造体102は、リング状に形成された2個のドライブファスナー20、該ドライブファスナー20と一体化されるリング状のショックマウント21及びクリンチングストッパ22、そして、2個のドライブファスナー20を連結する板状のファスナープレート23からなる。
これら構成要素の中で、ドライブファスナー20、クリンチングストッパ22及びファスナープレート23は鉄製であり、ショックマウント21はゴム製である。
【0020】
ドライブファスナー20はその中央部にねじが螺合される雌ねじ孔20Aを有するものであって、ショックマウント21及びクリンチングストッパ22を介在してテープ装置本体部A1のカバー11にクリンチング加工される。また、ドライブファスナー20は
図4及び
図5に示すように上下に2つ配置されている。
【0021】
ショックマウント21は緩衝材であって、カバー101上に内側に向けて形成された凹部101Aに嵌め込まれる。
また、ショックマウント21の外周には凹状溝21Aが形成されている。このショックマウント21の凹状溝21Aには、カバー101の凹部101A内に形成された孔101Bの孔周縁部が嵌合されており、接着剤等は塗布されていない。
【0022】
クリンチングストッパ22は、カバー101の孔101Bの孔周縁部及びショックマウント21を介してドライブファスナー20に連結されるものであって、クリンチング加工により該ドライブファスナー20の先端部に固定される。
【0023】
ファスナープレート23は、ドライブファスナー20を固定するためのドライブファスナー設置孔23Aを、該ドライブファスナー20の設置間隔に対応して2つ有しており、かつこれらドライブファスナー設置孔23Aを連結するように設けられている。
そして、このようなファスナープレート23では、ドライブファスナー20に対してクリンチング加工により固定されることで、該ドライブファスナー20の空転を防止することができる。
【0024】
以上のように構成された
図2~
図5に示す磁気テープ装置100では、筐体フレーム(図示略)を固定する際のねじが、ねじ締結構造体102(1カ所)、及びねじ締結構造体103(3カ所)の合計4カ所で固定される。
各々のねじ締結構造体102,103は上部及び下部位置においてドライブファスナー20を同時に使用しても良く、上部のみ、もしくは下部のみで使用しても良い。
【0025】
このとき、上部及び下部位置においてドライブファスナー20を同時に使用する場合には、各々のねじ締結構造体102,103において、
図5に示すように上部位置のドライブファスナー20と下部位置のドライブファスナー20とが、ファスナープレート23で互いに連結されることになる。
【0026】
もし、このファスナープレート23が無く、ドライブファスナー20のみである場合には、
図6及び
図7の比較例に示すように、カバー101とショックマウント21とが接着無しで嵌合され、かつドライブファスナー20とショックマウント21とも接着無しで嵌合されているだけである
このため、このような
図6及び
図7の比較例で示すねじ締結構造体50では、ショックマウント21に対してカバー101との摩擦力以上のトルクがかかった場合、ドライブファスナー20がねじの回転とともに空転してしまい、固定できないという障害が発生してしまう。
【0027】
これに対して、本実施形態のねじ締結構造体102,103では、ファスナープレート23が備え付けられていることで上部ドライブファスナー20をねじで締め付けても、ファスナープレート23を介して下部のドライブファスナー20でロックされるため、空転すること無くねじで締め付けることができ、また、ショックマウント21が介在しているために防振効果も期待できる。
【0028】
そして、以上のような本実施形態に係るねじ締結構造体102,103によれば、上下2つのドライブファスナー20を固定するファスナープレート23を設けたので、該ドライブファスナー20の空転を確実に防止して装置組立時の信頼性を向上させることができる。
すなわち、本実施形態のねじ締結構造体102,103では、摩擦力に頼らず、上部と下部のドライブファスナー20を鉄製のファスナープレート23で物理的に繋ぐことで上部のドライブファスナー20にトルクがかかっても、下部ドライブファスナー20側でロックされるため、結果として空転を防止しかつ防振効果が得られ、課題を解決できる。
【0029】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に示されるねじ締結構造体202ついて、
図8~
図10を参照して説明する。
【0030】
図8~
図10に示す磁気テープ装置200は、磁気テープに対してデータの記録/読取を行うテープ装置本体部(図示略)と、該テープ装置本体部の上部を覆うカバー201と、該テープ装置本体部の底部を覆う装置ベース(
図11参照、
図8~
図10では省略)とを具備する。
また、
図8は磁気テープ装置のカバー201にねじ締結構造体202を取付けた場合の斜視図、
図9は
図8に示すねじ締結構造体202の分解図、
図10は
図8で取り付けたねじ締結構造体202の拡大図である。
【0031】
本実施形態に示すねじ締結構造体202は、互いに間隔をおいて左右に形成された2つの第1雌ねじ孔31と、これら第1雌ねじ孔31の間に配置された第2雌ねじ孔32とをドライブファスナー本体部30Aに有するドライブファスナー30に特徴がある。
すなわち、本実施形態のドライブファスナー30は、ファスナープレートを使用せず一体型の部材で形成した点に特徴を有する。
このドライブファスナー30は、カバー201に内側に向けて形成された凹部201A内に設置される。
【0032】
ドライブファスナー30の第1雌ねじ孔31には、ショックマウント33を介在してカバー201の凹部201A内の孔201Bに螺合されるねじ34が設置される。
ショックマウント33は緩衝材であって、外周縁部に形成された凹状溝33Aに、ドライブファスナー本体部30Aの第1雌ねじ孔31を形成する開口周縁部が嵌め込まれる。
【0033】
また、ドライブファスナー30の第2雌ねじ孔32には、カバー201の凹部201A内の孔201C及び筐体フレーム2(
図14参照)に螺合されるねじ(図示略)が設置される。
また、本例に示されるドライブファスナー30のドライブファスナー本体部30Aは、バーリングタップ加工により外側に凸状となるように形成されており、その凸状部に位置するドライブファスナータップ部35に、筐体フレーム2(
図14参照)に螺合されるねじ用の第2雌ねじ孔32が形成される。
【0034】
以上説明した第2実施形態に示されるねじ締結構造体202では、ねじで固定する第1雌ねじ孔31及び第2雌ねじ孔32の軸線を一致させないことで、筐体フレームに取り付ける際のねじの締め付けトルクがショックマウント33にかからず、ドライブファスナー30が空転するというトラブルを未然に防止することができる。
また、ねじ締結構造体202では、ドライブファスナー本体部30Aが、一般加工技術となるバーリングタップ加工により凸状に形成されているので、例えば、比較例として
図11及び
図12に示すねじ締結構造体202´のような、クリンチング加工を必要とする特殊ファスナーが不要となり、装置自体を安価にすることができる。
【0035】
具体的には、
図11及び
図12に示すねじ締結構造体202´は、第1実施形態(
図4及び
図5参照)と同様のドライブファスナー20、ショックマウント21及びクリンチングストッパ22から構成されている。
これら
図11及び
図12の磁気テープ装置200´は、磁気テープに対してデータの記録/読取を行うテープ装置本体部A1と、該テープ装置本体部A1の上部を覆うカバー201´と、該テープ装置本体部の底部を覆う装置ベース203とを有し、これらカバー201´の孔201A´に、筐体フレーム(
図14参照)をねじ固定するねじ締結構造体202´を設けた例として示す。
【0036】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、磁気テープ装置のみならず、光学式、磁気式の記録媒体を使用するライブラリ装置にも使用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 磁気テープ装置
1A カバー
2 筐体フレーム
3 ねじ
4 ドライブファスナー
10 ねじ締結構造体
11 カバー
12 筐体フレーム
13 ドライブファスナー
13 雌ねじ孔
14 ファスナープレート
15 クリンチングストッパ
16 ショックマウント
18 ドライブファスナー設置孔
20 ドライブファスナー
20A 雌ねじ孔
21 ショックマウント
21A 凹状溝
22 クリンチングストッパ
23 ファスナープレート
23A ドライブファスナー設置孔
30 ドライブファスナー
30A ドライブファスナー本体部
31 第1雌ねじ孔
32 第2雌ねじ孔
33 ショックマウント
33A 凹状溝
34 ねじ
35 ドライブファスナータップ部
100 磁気テープ装置
101 カバー
102 ねじ締結構造体
103 ねじ締結構造体
200 磁気テープ装置
201 カバー
202 ねじ締結構造体
A 装置本体部
A1 装置本体部