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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125164
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】切削加工システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20230831BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20230831BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B23Q17/00 D
B23Q17/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029126
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】317009525
【氏名又は名称】DGSHAPE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】植田 潤
【テーマコード(参考)】
3C029
3C100
【Fターム(参考)】
3C029CC10
3C029FF05
3C100AA29
3C100AA59
3C100BB13
3C100BB34
3C100CC02
(57)【要約】
【課題】撮影機と、撮影機が備えられる切削加工機とを自動で紐付けすることができる。
【解決手段】切削加工システム1は、切削加工機100と、端末制御装置115を備えた端末110とを備える。切削加工機100は、被加工物5が切削加工される加工空間26が形成された本体11と、加工空間26を撮影する撮影機70と、制御装置60と、本体11に内蔵されたハブ80とを備える。ハブ80は、制御装置60と撮影機70と電気的に接続され、かつ、端末制御装置115に電気的に接続されている。端末制御装置115は、ハブ80に基づいて、ハブ80に接続された撮影機70の第1撮影機情報151を取得する第1取得部121と、第1撮影機情報151に基づいて、撮影機70と、撮影機70が備えられた切削加工機100とを紐付けた紐付け情報90を作成する紐付け部123と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を切削加工する切削加工機と、
端末制御装置を備えた端末と、
を備え、
前記切削加工機は、
被加工物が切削加工される加工空間が形成された本体と、
前記加工空間を撮影する撮影機と、
制御装置と、
前記本体に内蔵されたハブと、
を備え、
前記ハブは、前記制御装置と前記撮影機と電気的に接続され、かつ、前記端末の前記端末制御装置に電気的に接続され、
前記端末制御装置は、
前記ハブに基づいて、前記ハブに接続された前記撮影機の第1撮影機情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部によって取得された前記第1撮影機情報に基づいて、前記撮影機と、前記撮影機が備えられた前記切削加工機とを紐付けた紐付け情報を作成する紐付け部と、
を備えた、切削加工システム。
【請求項2】
前記切削加工機には、加工機識別IDが付されており、
前記撮影機には、撮影機識別IDが付されており、
前記第1取得部は、前記第1撮影機情報として前記撮影機識別IDを取得し、
前記紐付け部は、前記撮影機識別IDと、前記撮影機が備えられた前記切削加工機の前記加工機識別IDとを紐づけた前記紐付け情報を作成する、請求項1に記載された切削加工システム。
【請求項3】
前記端末制御装置は、前記端末制御装置に直接または間接的に接続されている接続撮影機の第2撮影機情報を取得する第2取得部を備え、
前記紐付け部は、前記第1撮影機情報と一致する前記第2撮影機情報が存在するときには、前記第1撮影機情報に基づいて、前記撮影機と、前記撮影機が備えられた前記切削加工機とを紐付けた紐付け情報を作成する、請求項1または2に記載された切削加工システム。
【請求項4】
前記端末は、表示画面と、ユーザが操作する操作手段とを備え、
前記端末制御装置は、
前記操作手段を介してユーザが選択した前記切削加工機を取得する加工機取得部と、
前記紐付け情報に基づいて、前記加工機取得部によって取得された前記切削加工機に紐付けられた前記撮影機が撮影する画像を前記表示画面に表示する表示部と、
を備えた、請求項1から3までの何れか1つに記載された切削加工システム。
【請求項5】
前記ハブは、少なくとも第1入力ポートと、第2入力ポートとを有する入力ポートを備え、
前記制御装置は、前記第1入力ポートに接続され、
前記撮影機は、前記第2入力ポートに接続されている、請求項1から4までの何れか1つに記載された切削加工システム。
【請求項6】
前記端末制御装置と、前記ハブとは、1本のケーブルによって接続されている、請求項1から5までの何れか1つに記載された切削加工システム。
【請求項7】
前記端末に接続された複数の前記切削加工機を備えた、請求項1から6までの何れか1つに記載された切削加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、端末と、端末に電気的に接続された複数の切削加工機とを備えた状態表示システムが開示されている。状態表示システムにおいて、切削加工機には、被加工物が切削加工される加工空間が設けられている。加工空間は、カメラなどの撮影機によって撮影される。撮影機によって撮影された画像は、端末の表示画面に表示される。ユーザは、端末の表示画面に表示された画像を見ることで、切削加工機において加工空間で被加工物が切削加工されている様子を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-135355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記状態表示システムにおいて、例えば切削加工機と撮影機とは、別々に端末の制御装置に接続されている。そのため、端末に複数の切削加工機と、複数の撮影機とが接続されている場合、どの撮影機が、どの切削加工機の加工空間を撮影しているものなのかを、端末が自動で特定することが困難であった。上記状態表示システムでは、ユーザが手動で、撮影機と切削加工機とを紐付けることが必要であった。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮影機と、撮影機が備えられる切削加工機とを自動で紐付けができ、かつ、撮影機に紐付けられた切削加工機を一意的に特定することが可能な切削加工システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る切削加工システムは、被加工物を切削加工する切削加工機と、端末制御装置を備えた端末と、を備えている。前記切削加工機は、被加工物が切削加工される加工空間が形成された本体と、前記加工空間を撮影する撮影機と、制御装置と、前記本体に内蔵されたハブと、を備えている。前記ハブは、前記制御装置と前記撮影機と電気的に接続され、かつ、前記端末の前記端末制御装置に電気的に接続されている。前記端末制御装置は、第1取得部と、紐付け部とを備えている。前記第1取得部は、前記ハブに基づいて、前記ハブに接続された前記撮影機の第1撮影機情報を取得する。前記紐付け部は、前記第1取得部によって取得された前記第1撮影機情報に基づいて、前記撮影機と、前記撮影機が備えられた前記切削加工機とを紐付けた紐付け情報を作成する。
【0007】
前記切削加工システムによれば、ハブが本体に内蔵されているため、ハブを特定することで、切削加工機を一意的に特定することができ、かつ、ハブに接続された撮影機を特定することができる。よって、ハブに基づいて、切削加工機と撮影機とを自動で紐付けることができるため、適切な紐付け情報を作成することができる。したがって、紐付け情報から、撮影機に紐付けられた切削加工機を一意的に特定することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影機と、撮影機が備えられる切削加工機とを自動で紐付けができ、かつ、撮影機に紐付けられた切削加工機を一意的に特定することが可能な切削加工システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る切削加工システムの概念図である。
図2】切削加工機の斜視図である。
図3】切削加工機の正面図であり、カバーを開けた状態を示す図である。
図4】ツールマガジン、回転支持部材およびクランプの斜視図である。
図5】切削加工システムのブロック図である。
図6】端末制御装置と、3つの切削加工機との接続関係を示すブロック図である。
図7】紐付け情報の作成の手順を示すフローチャートである。
図8】表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る切削加工システムについて説明する。なお、ここで説明される実施の形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る切削加工システム1の概念図である。切削加工システム1は、切削加工機100と、端末110と、を備えている。切削加工システム1では、端末110は、1つまたは複数の切削加工機100を管理する。本実施形態では、端末110の数は1つであるが、複数であってもよい。切削加工機100の数も特に限定されず、1つであってもよいし、複数であってもよい。以下、切削加工機100、端末110の順に詳しく説明する。
【0012】
本実施形態では、複数の切削加工機100は、機種が異なることがあり得る。しかしながら、複数の切削加工機100の基本的な構成は同じである。そのため、ここでは、1つの切削加工機100の基本的な構成について説明する。
【0013】
図2は、切削加工機100の斜視図である。図3は、切削加工機100の正面図であり、カバー12を開けた状態を示す図である。図4は、後述するツールマガジン14、回転支持部材15およびクランプ16の斜視図である。図5は、切削加工システム1のブロック図である。以下の説明において、左方、右方とは、切削加工機100の正面にいるユーザから見た左方、右方をそれぞれ意味する。また、切削加工機100の本体11の内部の加工空間26(図3参照)を形成する底面は、上記ユーザから見て手前から奥に向かうにしたがって下方に傾斜している。そこで、本実施形態では、上記底面に沿って上記ユーザが切削加工機100から遠ざかる方を前方とし、上記底面に沿って上記ユーザが切削加工機100に近づく方を後方とする。また、上記底面に直交する方向において、上を上方、下を下方とする。なお、図面中のF、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味する。
【0014】
本実施形態では、切削加工機100は、互いに直交する軸をX軸、Y軸、Z軸としたとき、X軸とY軸とで構成される平面に配置されている。X軸は左右方向に延びた軸であり、Y軸は前後方向に延びた軸であり、Z軸は上下方向に延びた軸である。また、図面中の符号θx、θy、θzは、それぞれX軸回り、Y軸回り、Z軸回りの回転方向を示している。ただし、上記方向は、説明の便宜上定めた方向に過ぎず、切削加工機100の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0015】
切削加工機100は、被加工物5(図4参照)を切削加工することで、対象物を作製する。ここで、対象物の種類は特に限定されないが、例えば歯冠補綴物である。歯冠補綴物として、例えばインレー、クラウン、ブリッジなどが挙げられる。本実施形態では、切削加工機100は、デンタル分野で使用されるものであり、被加工物5から歯冠補綴物を作製する。
【0016】
被加工物5の形状は、例えば円盤形状である。被加工物5は、ジルコニア、ワックス、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ハイブリッドレジン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、石膏などの材料の種類によって形成されている。被加工物5の材料の種類としてジルコニアを用いるときには、例えば、半焼結したジルコニアが用いられる。ただし、被加工物5の形状および材料は特に限定されない。
【0017】
図2に示すように、切削加工機100は、本体11と、カバー12と、加工機構13(図3参照)と、ツールマガジン(図4参照)と、回転支持部材15と、クランプ16(図4参照)とを備えている。本体11は、箱状に形成されており、内部に空間を有している。この空間が加工空間26である。加工空間26は、被加工物5が切削加工される空間である。詳しい図示は省略するが、加工空間26を形成する底面は、前方から後方に向かうにしたがって下方に傾斜している。本体11の前部は開口している。図3に示すように、カバー12は、本体11の開口を開閉自在に、本体11に支持されている。カバー12には窓部12aが設けられている。ユーザは窓部12aから本体11の加工空間26を視認することができる。
【0018】
図3に示すように、加工機構13は、加工ツール8を使用して被加工物5を切削加工するものである。加工機構13は、加工ツール8を回転させながら被加工物5に接触させることで、被加工物5を切削加工する。加工機構13は、スピンドル31と、ツール把持部32とを有している。スピンドル31およびツール把持部32は、本体11の加工空間26に配置されている。スピンドル31は、ツール把持部32、および、ツール把持部32に把持された加工ツール8を、長手方向を軸にして回転させるものである。スピンドル31は、本体11に対して取り換え可能に設けられている。スピンドル31は、上下方向に延びており、Z軸周りθzに回転可能に構成されている。ツール把持部32は、加工ツール8を把持するものであり、スピンドル31に設けられている。詳しくは、ツール把持部32は、スピンドル31の底面に設けられている。ツール把持部32は、複数の加工ツール8のうち1つを選択的に把持する。スピンドル31がZ軸周りθzに回転することで、ツール把持部32、および、ツール把持部32に把持された加工ツール8は、Z軸周りθz、言い換えると加工ツール8の中心軸周りに回転する。
【0019】
本実施形態では、切削加工機100は、移動機構33を備えている。移動機構33は、加工機構13(詳しくは、スピンドル31およびツール把持部32)を移動させる機構である。ここでは、移動機構33は、加工機構13を左右方向および上下方向に移動させるように構成されている。なお、移動機構33の構成は特に限定されない。例えば移動機構33は、モータによって構成され、モータが駆動することで加工機構13が移動する。
【0020】
本実施形態では、ツール把持部32に把持される加工ツール8は、複数存在する。加工ツール8は、棒状であり、下部に刃物部8aを有している。この刃物部8aの形状が異なる複数の種類の加工ツール8が予め用意されている。加工中、ツール把持部32に把持された加工ツール8は、必要に応じて他の加工ツール8に交換される。
【0021】
図4に示すように、ツールマガジン14は、複数の加工ツール8を収容することが可能なものである。本実施形態では、ツールマガジン14は、箱状に形成されている。ツールマガジン14の上面には、加工ツール8を収容する複数の収容孔35が形成されている。加工ツール8は、その上部が露出された状態で収容孔35に挿通されている。なお、収容孔35の数は特に限定されないが、ここでは10個である。そのため、本実施形態では、ツールマガジン14には、10本の加工ツール8を収容することが可能である。ツール把持部32に把持されている加工ツール8を交換する際には、ツール把持部32に把持されている加工ツール8を収容孔35に戻す。そして、次に使用する加工ツール8の上方の位置まで加工機構13を移動させる。その後、ツール把持部32の下方に位置する加工ツール8の上端をツール把持部32が把持する。
【0022】
本実施形態では、ツールマガジン14には、回転支持部材15を回転可能に支持する第1回転軸41が設けられている。第1回転軸41は左右方向に延びており、回転支持部材15に連結している。図示は省略するが、ツールマガジン14には、第1回転軸41を回転させる第2駆動機構が設けられている。第1回転軸41は、上記第2駆動機構によってX軸周りθxに回転可能に構成されている。第1回転軸41がX軸周りθxに回転することで、回転支持部材15はX軸周りθxに回転する。
【0023】
回転支持部材15は、クランプ16を回転可能に支持している。回転支持部材15は、平面視で、略C字形状に形成されている。回転支持部材15は、第1回転軸41を介して、ツールマガジン14と連結している。回転支持部材15は、第1部分51と、第2部分52と、第3部分53とを有している。第1部分51は、ツールマガジン14の左方に配置されており、前後方向に延びている。第2部分52は、第1部分51の後端から左方に延びている。第3部分53は、第1部分51の前端から左方に延びている。第3部分53は、第2部分52と対向している。本実施形態では、第2部分52と第3部分53との間に、クランプ16が配置されている。
【0024】
クランプ16は、被加工物5を切削加工する際に被加工物5を支持する部材である。本実施形態では、被加工物5には、アダプタ(図示せず)が取り付けられており、クランプ16は、上記アダプタを介して被加工物5を支持する。例えばクランプ16は、被加工物5の形状の一部に対応した形状をしている。ここでは、クランプ16は、平面視において略C字形状である。本実施形態では、クランプ16に支持された被加工物5に対して切削加工が行われる。クランプ16は、回転支持部材15の第2部分52および第3部分53に回転可能に支持されている。クランプ16の後部には、第2回転軸42の一端が接続されており、第2回転軸42の他端には、第2部分52が接続されている。クランプ16の前部には、第3回転軸43の一端が接続されており、第3回転軸43の他端には、第3部分53が接続されている。本実施形態では、第3部分53には、クランプ16をY軸回りθyに回転させる駆動モータ16a(図5参照)が設けられている。
【0025】
本実施形態に係る切削加工機100は、いわゆるディスクチェンジャー付きの切削加工機であってもよい。なお、この場合のディスクチェンジャーは、従来公知のものを採用することができる。ディスクチェンジャーとして、例えば特開2018-89763号公報に記載された被加工物搬送装置を採用することができる。
【0026】
図2に示すように、切削加工機100は、制御装置60を備えている。制御装置60は、被加工物5の切削加工に関する制御をする装置である。制御装置60は、マイクロコンピュータからなっており、本体11の内部に設けられている。制御装置60は、例えば中央処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムなどを格納したROMと、RAMなどを備えている。ここでは、マイクロコンピュータ内に保存されたプログラムを使用して、被加工物5の切削加工に関する制御を行う。
【0027】
図5に示すように、制御装置60は、スピンドル31に通信可能に接続されており、スピンドル31の回転を制御する。制御装置60は、クランプ16をY軸周りθyに回転させる駆動モータ16aに通信可能に接続されており、駆動モータ16aを制御する。制御装置60は、加工機構13を左右方向および上下方向に移動させる移動機構33に通信可能に接続されており、移動機構33を制御する。また、図示は省略するが、制御装置60は、第1回転軸41を回転させる上記第2駆動機構に通信可能に接続されており、上記第2駆動機構を制御する。
【0028】
次に、図1に示す端末110について説明する。端末110は、ユーザが切削加工機100を操作するための端末である。ここでは、端末110には、複数の切削加工機100(本実施形態では、3つの切削加工機100)が電気的に接続されている。ただし、端末110に電気的に接続される切削加工機100は1つであってもよい。端末110は、例えばユーザが使用するデスクトップ型またはラップトップ型のパーソナルコンピュータによって実現される。端末110は、専用のコンピュータによって実現されてもよいし、汎用のコンピュータによって実現されてもよい。ただし、端末110は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型端末であってもよい。
【0029】
図5に示すように、端末110は、表示画面111と、操作手段112と、端末制御装置115とを備えている。表示画面111には、例えば端末110に接続されている切削加工機100に関する情報が表示される。操作手段112は、ユーザが操作するものである。操作手段112は、例えばユーザが操作することで、表示画面111上において情報を選択したり、表示画面111に表示されている情報を切り替えたりする。操作手段112は、キーボード、マウス、またはタッチパネルなどによって実現される。
【0030】
端末制御装置115は、例えばマイクロコンピュータである。端末制御装置115は、例えばI/Fと、CPUと、ROMと、RAMと、を備えている。端末制御装置115は、表示画面111および操作手段112に電気的に接続されている。本実施形態では、端末制御装置115には、切削加工機100を操作するための専用のアプリケーションがインストールされている。ユーザは、操作手段112を介して上記アプリケーションを起動させることで、表示画面111に表示する。このことで、端末110を使用して切削加工機100を操作することが可能になる。
【0031】
ところで、本実施形態に係る切削加工システム1では、切削加工機100の加工空間26(図3参照)において、被加工物5を切削加工している様子を撮影し、撮影された画像M1(図8参照)を端末110の表示画面111に表示することが可能である。ユーザは、表示画面111に表示された画像M1を見ることで、切削加工機100による被加工物5の切削加工の様子を確認することができる。
【0032】
本実施形態では、切削加工機100による被加工物5の切削加工の様子を撮影し、撮影した画像M1を表示画面111に表示するために、図5に示すように、切削加工機100は、撮影機70と、ハブ80とを備えている。撮影機70は、切削加工機100における本体11の加工空間26(図3参照)を撮影する。撮影機70は、加工空間26内において、加工機構13によって加工ツール8で被加工物5を切削加工している様子を撮影する。ここで、撮影機70によって撮影された画像M1は、例えば端末110に送信される。ここで、「画像」とは、事象を視覚的に媒体に定着させたものをいう。本実施形態では、「画像」には、動画および静止画が含まれるものとする。
【0033】
なお、撮影機70の種類は、特に限定されない。例えば撮影機70は、動画や静止画を撮影することが可能なカメラである。上述のように、本実施形態では、1つの切削加工機100につき1つの撮影機70が設けられている。しかしながら、1つの切削加工機100に設けられる撮影機70の数は、1つに限定されず、2つ以上であってもよい。
【0034】
切削加工機100の本体11に対する撮影機70の位置は特に限定されず、切削加工機100の加工空間26内において被加工物5が切削加工されている様子を撮影することができる位置であるとよい。被加工物5が切削加工されている様子を撮影することができる位置であれば、撮影機70は、加工空間26に配置され、加工空間26を形成する本体11の部分に設けられていてもよい。また、被加工物5が切削加工されている様子を撮影することができる位置であれば、撮影機70は、本体11の外部であって、カバー12の窓部12a(図2参照)を通じて加工空間26内を撮影できる位置に配置されていてもよい。なお、撮影機70が加工空間26に配置されている場合、撮影機70は、被加工物5が切削加工されているときに発生する切削粉が撮影機70に付着し難い位置に配置されていることが好ましい。この場合、例えば撮影機70は、加工空間26の上部に配置されているとよい。
【0035】
図6は、端末制御装置115と、3つの切削加工機100との接続関係を示すブロック図である。図6に示すように、撮影機70には、撮影機識別ID71が付されている。撮影機識別ID71は、他の撮影機と区別して識別するものである。撮影機識別ID71から、どの撮影機70かを一意的に特定することができる。撮影機識別ID71は、固有のものであり、かつ、ユニークなものである。撮影機識別ID71は、例えば文字、数字、記号などから構成される。撮影機識別ID71は、例えば機種名、製造番号などである。撮影機識別ID71は、ユーザによって作成されて付されるものであってもよいし、端末110の端末制御装置115によって自動で作成されて付されるものであってもよい。
【0036】
また本実施形態では、図6に示すように、切削加工機100には、加工機識別ID101が付されている。加工機識別ID101は、他の切削加工機と区別して識別するものである。加工機識別ID101から、どの切削加工機100かを一意的に特定することができる。なお、加工機識別ID101は、撮影機識別ID71と同様に、固有のものであり、かつ、ユニークなものである。加工機識別ID101は、例えば文字、数字、記号などから構成される。加工機識別ID101は、例えば機種名、製造番号などである。また、加工機識別ID101は、ユーザによって作成されて付されるものであってもよいし、端末110の端末制御装置115によって自動で作成されて付されるものであってもよい。
【0037】
ハブ80は、いわゆる分岐装置である。本実施形態では、ハブ80は、切削加工機100の本体11(図2参照)に内蔵されている。ここで、本体11に内蔵されているとは、本体11内に設けられていることをいい、通常、本体11から取り外されない状態のことをいう。ハブ80の種類は特に限定されない。本実施形態では、ハブ80は、USB(Universal Serial Bus)ハブである。
【0038】
図6に示すように、ハブ80は、本体11内において、制御装置60および撮影機70と電気的に接続されている。また、ハブ80は、端末110の端末制御装置115と電気的に接続されている。本実施形態では、ハブ80は、入力ポート81と、出力ポート83とを有している。入力ポート81の数は複数である。ここでは、入力ポート81は、少なくとも第1入力ポート81aと、第2入力ポート81bとを有している。第1入力ポート81aは、ケーブル(例えばUSBケーブル)を介して制御装置60に電気的に接続されている。第2入力ポート81bは、ケーブル(例えばUSBケーブル)を介して撮影機70に電気的に接続されている。本実施形態では、本体11内において、ハブ80に制御装置60と撮影機70とが接続されている。
【0039】
出力ポート83は、ケーブル(例えばUSBケーブル)84を介して端末110の端末制御装置115に電気的に接続されている。なお、出力ポート83と端末制御装置115とを接続するケーブル84は、1本である。ただし、ケーブル84の数は複数であってもよい。また、本実施形態では、出力ポート83の数は1つであるが、複数であってもよい。
【0040】
本実施形態では、図5に示すように、端末制御装置115は、記憶部120と、第1取得部121と、第2取得部122と、紐付け部123と、加工機取得部124と、表示部125と、を備えている。なお、端末制御装置115の各部120~125は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。端末制御装置115の各部120~125は、1つまたは複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
【0041】
本実施形態では、図5に示すように、記憶部120には、紐付け情報90が記憶されている。紐付け情報90とは、切削加工機100と、切削加工機100の本体11に内蔵されたハブ80に接続された撮影機70とを紐付ける情報のことをいう。ここでは、加工機識別ID101と撮影機識別ID71とが紐付けられている。端末110では、例えば操作手段112を介してユーザが選択した切削加工機100に紐付けられた撮影機70を、紐付け情報90から取得し、当該紐付けられた撮影機70によって撮影された画像M1を表示画面111(図8参照)に表示する。本実施形態では、紐付け情報90は、端末制御装置115によって自動で作成される。
【0042】
次に、端末制御装置115が紐付け情報90を作成する手順について、図7のフローチャートに沿って説明する。以下の説明では、図6に示すように、端末110には、3つの切削加工機100が電気的に接続されているものとする。そして、端末110に接続された3つの切削加工機100に付された加工機識別ID101を、それぞれa1、a2、a3とする。ここでは、加工機識別ID101がa1である切削加工機100のことを第1切削加工機100aという。同様に、加工機識別ID101がa2である切削加工機100のことを第2切削加工機100bといい、加工機識別ID101がa3である切削加工機100のことを第3切削加工機100cという。
【0043】
本実施形態では、第1切削加工機100aのハブ80に接続された撮影機70を第1撮影機70aという。同様に、第2切削加工機100bのハブ80に接続された撮影機70を第2撮影機70bといい、第3切削加工機100cのハブ80に接続された撮影機70のことを第3撮影機70cという。ここでは、第1撮影機70aの撮影機識別ID71は、b1である。第2撮影機70bの撮影機識別ID71は、b2である。また、第3撮影機70cの撮影機識別ID71は、b3である。また本実施形態では、第1切削加工機100aの本体11に内蔵されたハブ80を第1ハブ80aという。同様に、第2切削加工機100bの本体11に内蔵されたハブ80を第2ハブ80bといい、第3切削加工機100cの本体11に内蔵されたハブ80を第3ハブ80cという。
【0044】
本実施形態では、端末110の端末制御装置115には、第1撮影機70a~第3撮影機70c以外に、第4撮影機70dと第5撮影機70eが電気的に接続されているものとする。第4撮影機70dおよび第5撮影機70eは、切削加工機100のハブ80に接続されているものではなく、加工空間26を撮影するものではない。第4撮影機70dおよび第5撮影機70eは、ハブ80に接続されず、端末制御装置115に直接接続されたものである。ここで、第1撮影機70a~第5撮影機70eを総称して、接続撮影機170ともいう。
【0045】
以下の説明では、第1切削加工機100aと、第1撮影機70aとを紐付けた紐付け情報90(図5参照)を作成する手順について説明する。
【0046】
まず図7のステップS101では、図5の第1取得部121は、切削加工機100(ここでは第1切削加工機100a)のハブ80(ここでは第1ハブ80a)に接続された撮影機70(ここでは第1撮影機70a)の第1撮影機情報151を取得する。ここでの第1撮影機情報151とは、図6に示すように、第1ハブ80aを介して、第1ハブ80に接続された第1撮影機70aの撮影機識別ID71であるb1のことである。詳細には、第1取得部121は、端末制御装置115に接続された切削加工機100の一覧を取得する。ここでは、切削加工機100の一覧として、端末制御装置115に接続された切削加工機100の加工機識別ID101の一覧が取得される。本実施形態では、加工機識別ID101として、第1切削加工機100a、第2切削加工機100b、第3切削加工機100cに対応した、a1、a2、a3が第1取得部121によって取得される。
【0047】
その後、第1取得部121は、加工機識別ID101がa1である第1切削加工機100aの第1ハブ80aを特定する。第1取得部121は、特定した第1ハブ80aに基づいて、第1ハブ80aに接続された第1撮影機70aを特定する。ここでは、第1取得部121は、第1ハブ80aの入力ポート81の接続先を探索することで、第1撮影機70aを特定する。第1取得部121は、第1撮影機情報151として、第1撮影機70aの撮影機識別ID71であるb1を取得する。なお、第1取得部121によって取得された第1撮影機情報151は、記憶部120に記憶される。
【0048】
次に、図7のステップS103では、図5の第2取得部122は、端末制御装置115に直接または間接的に接続されている接続撮影機170(図6参照)の第2撮影機情報152を取得する。ここで接続撮影機170には、図6に示すように、ハブ80に介して端末制御装置115に接続されている撮影機70の他に、ハブ80を介さずに端末制御装置115に接続されている撮影機70d、70eも含まれる。すなわち、接続撮影機170には、切削加工機100が備えていない撮影機70d、70e、言い換えると切削加工機100に対して使用されていない撮影機70d、70eも含まれる。図6の一例では、接続撮影機170には、第1撮影機70a~第5撮影機70eが含まれる。
【0049】
本実施形態では、第2撮影機情報152とは、接続撮影機170に付された撮影機識別ID71のことである。そのため、図5の第2取得部122は、第2撮影機情報152として、第1撮影機70a~第5撮影機70eに対する撮影機識別ID71を取得する。ここでは、第2取得部122は、撮影機識別ID71として、b1、b2、b3、b4、b5を取得する。なお、第2取得部122によって取得された第2撮影機情報152は、記憶部120に記憶される。
【0050】
次に、図7のステップS105では、図5の紐付け部123は、紐付け情報90を作成する。紐付け情報90は、上述のように、撮影機70と、撮影機70が備えられた切削加工機100とを紐付けた情報である。ここでは、紐付け部123は、第1取得部121によって取得された第1撮影機情報151に基づいて、第1撮影機70aと、第1切削加工機100aとを紐付ける。本実施形態では、第1撮影機情報151と一致する第2撮影機情報152が存在するときには、第1撮影機情報151に基づいて、紐付け情報90を作成する。
【0051】
図6の一例では、第1撮影機情報151には、第1ハブ80aに接続された第1撮影機70aの撮影機識別ID71であるb1が含まれている。第2撮影機情報152には、第1撮影機70a~第5撮影機70eの撮影機識別ID71であるb1、b2、b3、b4、b5が含まれている。よって、図6の一例では、第1撮影機情報151のb1と、第2撮影機情報152のb1とが一致するため、第1撮影機情報151と一致する第2撮影機情報152が存在することになる。この場合、紐付け部123は、撮影機識別ID71がb1である第1撮影機70aと、第1撮影機70aを備える第1切削加工機100aとを紐付けた紐付け情報90を作成する。ここでは、紐付け部123は、撮影機識別ID71のb1と、加工機識別ID101のa1とを紐付けた紐付け情報90を作成する。このことによって,端末110側において、第1切削加工機100aで使用されている撮影機70が第1撮影機70aであることを、一意的に特定することができる。
【0052】
なお、同様の手順で、第2撮影機70bと、第2切削加工機100bとを紐付けた紐付け情報90、すなわち、撮影機識別ID71のb2と、加工機識別ID101のa2とが紐付けられた紐付け情報90が作成される。また、第3撮影機70cと、第3切削加工機100cとを紐付けた紐付け情報90、すなわち、撮影機識別ID71のb3と、加工機識別ID101のa3とが紐付けられた紐付け情報90が作成される。
【0053】
本実施形態では、「紐付ける」とは、撮影機70と切削加工機100とが関連付けられることをいい、撮影機70から切削加工機100を一意的に特定することができることをいう。例えば紐付け情報90がデータベースやテーブルで示される場合には、同一の行に示された撮影機70と切削加工機100が紐付けられているとなる。なお、図5の紐付け部123によって作成された紐付け情報90は、記憶部120に記憶される。
【0054】
以上のようにして、紐付け情報90が作成された後、端末110において、ユーザが指定した切削加工機100に対する撮影機70を、紐付け情報90に基づいて一意的に特定し、図8に示すように、特定された撮影機70が撮影した画像M1を表示画面111に表示することができる。
【0055】
ここでは、図5の加工機取得部124は、操作手段112を介してユーザが選択した切削加工機100を取得する。例えば表示画面111には、端末制御装置115に接続された切削加工機100の加工機一覧表(図示せず)が表示されている。ユーザは、操作手段112を操作して、上記の加工機一覧表の中から、撮影機70を起動させたい切削加工機100を選択する。ここでは、例えばユーザが第1切削加工機100aを取得したとする。加工機取得部124は、ユーザが加工機一覧表から選択した第1切削加工機100aの加工機識別ID101であるa1を取得する。
【0056】
次に、図5の表示部125は、紐付け情報90に基づいて、加工機取得部124によって取得された切削加工機100に紐付けられた撮影機70が撮影する画像M1(図8参照)を表示画面111に表示する。ここでは、まず表示部125は、紐付け情報90に基づいて、第1切削加工機100aと紐付けられた第1撮影機70aを取得する。その後、第1撮影機70aが起動され、第1切削加工機100aの加工空間26を撮影する。第1撮影機70aによって撮影された画像M1は、第1切削加工機100aの制御装置60から端末制御装置115に送信される。その後、表示部125は、図8に示すように、第1撮影機70aによって撮影された画像M1を、表示画面111に表示する。
【0057】
以上、本実施形態では、図1に示すように、切削加工システム1は、被加工物5(図4参照)を切削加工する切削加工機100と、端末制御装置115(図5参照)を備えた端末110と、を備えている。図3および図5に示すように、切削加工機100は、被加工物5が切削加工される加工空間26が形成された本体11と、加工空間26を撮影する撮影機70と、制御装置60と、本体11に内蔵されたハブ80と、を備えている。図6に示すように、ハブ80は、制御装置60と撮影機70と電気的に接続され、かつ、端末110の端末制御装置115に電気的に接続されている。図5に示すように、端末制御装置115は、第1取得部121と、紐付け部123とを備えている。第1取得部121は、図7のステップS101に示すように、ハブ80に基づいて、ハブ80に接続された撮影機70の第1撮影機情報151を取得する。紐付け部123は、図7のステップS105に示すように、第1取得部121によって取得された第1撮影機情報151に基づいて、撮影機70と、撮影機70が備えられた切削加工機100とを紐付けた紐付け情報90を作成する。このことによって、ハブ80が本体11に内蔵されているため、ハブ80を特定することで、切削加工機100を一意的に特定することができ、かつ、ハブ80に接続された撮影機70を特定することができる。よって、ハブ80に基づいて、切削加工機100と撮影機70とを自動で紐付けることができるため、適切な紐付け情報90を作成することができる。したがって、紐付け情報90から、撮影機70に紐付けられた切削加工機100を一意的に特定することができるため、切削加工機100に対応した撮影機70によって撮影された画像を表示画面111に適切に表示することができる。
【0058】
本実施形態では、端末110が入れ替えられたり、撮影機70が入れ替えられたりした場合であっても、ハブ80に基づいて、切削加工機100と撮影機70とを自動で紐付けることができる。よって、端末110が入れ替えられたり、撮影機70が入れ替えられたりした場合であっても、紐付け情報90から、撮影機70に紐付けられた切削加工機100を一意的に特定することができる。
【0059】
本実施形態では、図6に示すように、切削加工機100には、加工機識別ID101が付されている。撮影機70には、撮影機識別ID71が付されている。図5の第1取得部121は、第1撮影機情報151として撮影機識別ID71を取得する。図5の紐付け部123は、撮影機識別ID71と、撮影機70が備えられた切削加工機100の加工機識別ID101とを紐づけた紐付け情報90を作成する。ここで、加工機識別ID101とは、切削加工機100を一意的に特定するものであり、撮影機識別ID71とは、撮影機70を一意的に特定するものである。よって、撮影機識別ID71と、加工機識別ID101とを紐付けた紐付け情報90を作成することで、紐付け情報90から、撮影機70に紐付けられた切削加工機100を一意的に特定し易くすることができる。
【0060】
本実施形態では、端末制御装置115は、端末制御装置115に直接または間接的に接続されている接続撮影機170(図6参照)の第2撮影機情報152を取得する第2取得部122(図5参照)を備えている。紐付け部123は、第1撮影機情報151と一致する第2撮影機情報152が存在するときには、第1撮影機情報151に基づいて、撮影機70と、撮影機70が備えられた切削加工機100とを紐付けた紐付け情報90を作成する。ここで、第2撮影機情報152に含まれる接続撮影機170は、端末110を使用して制御可能なものである。よって、第1撮影機情報151と一致する第2撮影機情報152が存在するときには、第1撮影機情報151に対応した撮影機70を端末110で起動させたり、撮影させたりする制御を行うことができる。
【0061】
本実施形態では、図5に示すように、端末110は、表示画面111と、ユーザが操作する操作手段112とを備えている。端末制御装置115は、操作手段112を介してユーザが選択した切削加工機100を取得する加工機取得部124と、紐付け情報90に基づいて、加工機取得部124によって取得された切削加工機100に紐付けられた撮影機70が撮影する画像M1(図8参照)を表示画面111に表示する表示部125と、を備えている。このことによって、紐付け情報90を用いて、ユーザが選択した切削加工機100の加工空間26を撮影した画像M1を、表示画面111に適切に表示することができる。
【0062】
本実施形態では、図6に示すように、ハブ80は、少なくとも第1入力ポート81aと、第2入力ポート81bとを有する入力ポート81を備えている。制御装置60は、第1入力ポート81aに接続されている。撮影機70は、第2入力ポート81bに接続されている。このことによって、1つのハブ80を使用して、制御装置60と撮影機70とを、端末110の端末制御装置115に接続することができる。
【0063】
本実施形態では、図6に示すように、端末制御装置115と、ハブ80とは、1本のケーブル84によって接続されている。このことによって、切削加工機100と撮影機70とを1本のケーブル84で端末制御装置115に接続することができる。よって、端末110における入力ポートの消費を少なくすることができる。
【0064】
本実施形態では、切削加工システム1は、端末110に接続された複数の切削加工機100を備えている。このことによって、端末110に複数の切削加工機100が接続されている場合であっても、各撮影機70において、撮影機70と、撮影機70を備える切削加工機100とを紐付けた紐付け情報90を自動で作成することができる。よって、端末110に複数の切削加工機100が接続されている場合であっても、紐付け情報90に基づいて、切削加工機100の加工空間26を撮影した画像M1を、表示画面111に適切に表示することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 切削加工システム
5 被加工物
11 本体
26 加工空間
60 制御装置
70 撮影機
71 撮影機識別ID
80 ハブ
81 入力ポート
81a 第1入力ポート
81b 第2入力ポート
84 ケーブル
90 紐付け情報
100 切削加工機
101 加工機識別ID
110 端末
111 表示画面
112 操作手段
115 端末制御装置
120 記憶部
121 第1取得部
122 第2取得部
123 紐付け部
124 加工機取得部
125 表示部
151 第1撮影機情報
152 第2撮影機情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8