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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125172
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】冷却服および冷却システム
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20230831BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20230831BHJP
   A41D 1/00 20180101ALI20230831BHJP
   A41D 27/28 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A41D13/005 105
A41D13/00 112
A41D1/00 E
A41D27/28 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029138
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】510123518
【氏名又は名称】ENEOSホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】宮城 克行
【テーマコード(参考)】
3B011
3B030
3B035
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC01
3B011AC17
3B011AC18
3B011AC21
3B030AA01
3B030AA06
3B030AB08
3B035AA02
3B035AA03
3B035AB03
3B035AD16
(57)【要約】
【課題】使用者の身体に対する冷却持続時間を向上できる冷却服および冷却システムを提供する。
【解決手段】冷却服10は、使用者Xに着用される冷却服10であって、衣服本体2と、冷却材24を収納可能であるとともに衣服本体2に取り付けられている冷却材収納部4と、衣服本体2に取り付けられている断熱部6と、を備え、冷却材収納部4は、冷却材24を出し入れ可能な開口部22を有し、断熱部6は、衣服本体2と冷却材収納部4との間に介在しており、冷却服10が使用者Xに着用された場合、冷却材収納部4は、断熱材6よりも使用者Xの側に位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に着用される冷却服であって、
衣服本体と、
冷却材を収納可能であるとともに前記衣服本体に取り付けられている冷却材収納部と、
前記衣服本体に取り付けられている断熱部と、を備え、
前記断熱部は、前記衣服本体と前記冷却材収納部との間に介在しており、
前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部は、前記断熱部よりも前記使用者の側に配置される、
冷却服。
【請求項2】
前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部は、前記使用者と面する表面層を有し、
前記表面層は、メッシュ状である、
請求項1に記載の冷却服。
【請求項3】
前記冷却材収納部は、前記冷却材を出し入れ可能な開口部と、前記開口部の少なくとも一部を開閉可能に構成された開閉構造と、を有する、
請求項1または請求項2に記載の冷却服。
【請求項4】
前記開閉構造は、線ファスナーである、
請求項3に記載の冷却服。
【請求項5】
前記衣服本体は、後身頃を有し、
前記冷却材収納部は、前記後身頃に設けられる後身頃冷却材収納部を有し、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却服。
【請求項6】
前記後身頃冷却材収納部は、第1の後身頃冷却材収納部と、第2の後身頃冷却材収納部と、を有する、
請求項5に記載の冷却服。
【請求項7】
前記第1の後身頃冷却材収納部と第2の後身頃冷却材収納部の各々は、前記冷却材を出し入れ可能な後身頃開口部を有し、
前記第1の後身頃冷却材収納部の前記後身頃開口部は、前記第2の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いており、
前記第2の後身頃冷却材収納部の前記後身頃開口部は、前記第1の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いている、
請求項6に記載の冷却服。
【請求項8】
前記断熱部は、第1の領域と、前記第1の領域から離隔する第2の領域と、を有し、
前記衣服本体は、前記断熱部の前記第1の領域よりも伸縮性が優れるとともに前記断熱部の前記第2の領域よりも伸縮性が優れる、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の冷却服。
【請求項9】
前記断熱部は、第1の分離断熱部と、前記第1の分離断熱部から離隔する第2の分離断熱部と、を有し、
前記第1の分離断熱部は、前記第1の後身頃冷却材収納部と前記後身頃との間に介在しており、
前記第2の分離断熱部は、前記第2の後身頃冷却材収納部と前記後身頃との間に介在しており、
前記後身頃は、前記第1の分離断熱部よりも伸縮性が優れるとともに前記第2の分離断熱部よりも伸縮性が優れる、
請求項6または請求項7に記載の冷却服。
【請求項10】
前記衣服本体は、袖刳りを有し、
前記袖刳りは、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記使用者の一方の腕が貫通する第1の袖刳りと、前記第1の袖刳りの反対の側に配置されるとともに前記使用者の他方の腕が貫通する第2の袖刳りと、を有し、
前記第1の分離断熱部と第2の分離断熱部とは、正面視において、前記第1の袖刳りと前記第2の袖刳りとが並ぶ方向に沿って並んでいる、
請求項9に記載の冷却服。
【請求項11】
前記衣服本体は、前身頃を有し、
前記冷却材収納部は、前記前身頃に設けられた前身頃冷却材収納部を有する、
請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の冷却服。
【請求項12】
前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部が前記使用者の脇に接するととも前記後身頃冷却材収納部が前記使用者の背中に接し、
前記前身頃冷却材収納部の表面層は、前記後身頃冷却材収納部の表面層よりも厚い、
請求項11に記載の冷却服。
【請求項13】
前記冷却服が前記使用者に着用される際に、前記冷却服は第1の着用状態と第2の着用状態とを前記使用者が選択可能であり、
前記第1の着用状態において、前記冷却材収納部は、前記使用者の背中と腰の少なくとも一方に接し、
前記第2の着用状態において、前記冷却材収納部は、前記使用者の首に接する、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の冷却服。
【請求項14】
前記冷却材収納部を第1の冷却材収納部としたとき、第2の冷却材収納部をさらに備え、
第1の着用状態においては、第2の冷却材収納部は前記使用者の脇に接し、
第2の着用状態においては、第2の冷却材収納部は前記使用者の胸に接する、
請求項13に記載の冷却服。
【請求項15】
気体濃度測定器をさらに備え、
前記冷却材はドライアイスである、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の冷却服。
【請求項16】
使用者に着用される冷却服であって、
前記冷却服は、前記使用者が起立して前記冷却服を着用した状態において、前記使用者の頭部の側を上側と定義し、
衣服本体と、
冷却材を収納可能であるとともに前記衣服本体に取り付けられている冷却材収納部と、を備え、
前記衣服本体は、後身頃と、袖刳りと、を有し、
前記冷却材収納部は、前記後身頃に設けられた後身頃冷却材収納部を有し、
前記袖刳りは、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記使用者の一方の腕が貫通する第1の袖刳りと、前記第1の袖刳りの反対の側に配置されるとともに前記使用者の他方の腕が貫通する第2の袖刳りと、を有し、
前記冷却服が前記使用者に着用される際に、前記冷却服は第1の着用状態と第2の着用状態とを前記使用者が選択可能であり、
前記第1の着用状態において、
前記第1の袖刳りには、前記使用者の右腕が貫通しており
前記第2の袖刳りには、前記使用者の左腕が貫通しており、
前記後身頃は、前記使用者の背面に配置しており、
前記第2の着用状態において、
前記第1の袖刳りには、前記使用者の前記左腕が貫通しており、
前記第2の袖刳りには、前記使用者の前記右腕が貫通しており、
前記後身頃は、前記使用者の背面に配置しており、
前記第2の着用状態における前記後身頃冷却材収納部の上側の端部は、前記第1の着用状態における前記後身頃冷却材収納部の上側の端部よりも、上側に配置される、
冷却服。
【請求項17】
前記衣服本体に取り付けられているとともに前記冷却材を収納可能なポケット部を有し、
前記衣服本体は、前身頃を有し、
前記冷却材収納部は、前記前身頃に設けられた前身頃冷却材収納部を有し、
前記ポケット部は、前記前身頃に設けられており、
前記第1の着用状態において、
前記前身頃冷却材収納部は、前記使用者の側方に配置されており、
前記第2の着用状態において、
前記ポケット部は、前記使用者の側方に配置されている、
請求項16に記載の冷却服。
【請求項18】
冷却材としてドライアイスを用いるとともに使用者に着用される冷却服と、
ボンベから供給される液化炭酸ガスから前記ドライアイスを生成するドライアイス生成装置と、を備え、
前記冷却服は、衣服本体と、前記ドライアイスを収納可能であるとともに前記衣服本体に取り付けられている冷却材収納部と、前記衣服本体に取り付けられている断熱部と、を有し、
前記断熱部は、前記衣服本体と前記冷却材収納部との間に介在しており、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部は、前記断熱部よりも前記使用者の側に配置されている、
冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、身体を冷却する冷却服とそれを備える冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化による気温上昇によって熱中症の患者数は増加傾向にある。夏場の外での作業、特定の工場や製油所での作業のように冷房を十分にできない環境での作業は、熱中症になる可能性がある。気温の高い状態では集中力が低下し、疲労感が増加すると言われている。熱中症を防止することで従業員の健康を守り、作業効率を高めるため、高気温の作業環境において作業者の身体を冷却する冷却装置(冷却服)が検討されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5078742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の身体に着用する冷却服でも、高気温下の作業環境において身体を冷却することは可能であるが、冷却持続時間の向上は常に求められるところである。
【0005】
そこで本開示は、使用者の身体に対する冷却持続時間を向上できる冷却服および冷却システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示によれば以下が提供される。
使用者に着用される冷却服であって、衣服本体と、冷却材を収納可能であるとともに前記衣服本体に取り付けられている冷却材収納部と、前記衣服本体に取り付けられている断熱部と、を備え、前記冷却材収納部は、前記冷却材を出し入れ可能な開口部を有し、前記断熱部は、前記衣服本体と前記冷却材収納部との間に介在しており、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部は、前記断熱材よりも前記使用者の側に位置する、冷却服。
また、上記冷却服を用いる冷却システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、使用者の身体に対する冷却持続時間を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る冷却服の正面図である。
図2】第1実施形態に係る冷却服の前身頃を開いた状態の正面図である。
図3】第1実施形態に係る冷却服の冷却材の収納を示す部分拡大図である。
図4】第1実施形態に係る冷却服を示し、(a)は第1の着用状態による使用状態を示し、(b)は第2の着用状態による使用状態を示す図である。
図5】第1実施形態の変形例1に係る冷却服の正面図である。
図6】第2実施形態に係る冷却システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の冷却服は、
[1]使用者に着用される冷却服であって、衣服本体と、冷却材を収納可能であるとともに前記衣服本体に取り付けられている冷却材収納部と、前記衣服本体に取り付けられている断熱部と、を備え、前記断熱部は、前記衣服本体と前記冷却材収納部との間に介在しており、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部は、前記断熱材よりも前記使用者の側に位置する。
【0010】
同構成によれば、冷却服を使用者に着用された場合、冷却材収納部は、断熱材よりも使用者の側に位置する。よって、冷却材収納部に収納された冷却材によって、使用者の身体を冷却することができる。さらに、断熱部が衣服本体と冷却材収納部との間に介在している。よって、衣服本体から冷却材へ熱伝導することを抑制でき、冷却材が衣服本体の側から受ける熱の影響を抑制できる。したがって、冷却服の冷却持続時間を向上できる。
【0011】
[2]前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部は、前記使用者と面する表面層を有し、前記表面層は、メッシュ状であることが好ましい。
【0012】
同構成によれば、冷却材収納部の表面層は、メッシュ状である。よって、冷却材収納部の表面層がメッシュ状であるため、冷却材収納部の表面層は、冷却材によって冷やされた冷却材収納部の内部の空気を通しやすい。したがって、冷却服の冷却性能を向上できる。
【0013】
[3]前記冷却材収納部は、前記冷却材を出し入れ可能な開口部と、前記開口部の少なくとも一部を開閉可能に構成された開閉構造と、を有することが好ましい。
【0014】
同構成によれば、冷却材収納部は、冷却材を出し入れ可能な開口部と、開口部の少なくとも一部を開閉可能に構成された開閉構造を有する。よって、冷却材を冷却材収納部へ収納する際は、開閉構造により開口部を開くことで、冷却材を冷却材収納部へ収納できる。さらに、冷却材を冷却材収納部へ収納した後は、開閉構造により開口部を閉じることで、冷却材が開口部から脱落することを抑制できる。したがって、冷却服の利便性を向上できる。
【0015】
[4]前記開閉構造は、線ファスナーであることが好ましい。
【0016】
同構成によれば、開閉構造は、線ファスナーである。開閉構造が線ファスナーである場合、開閉構造が面ファスナーやボタンである場合に比べて、使用者が冷却服を着用する際に開閉構造に触れて、開口部を意図せず開けてしまうことを抑制できる。したがって、冷却服から冷却材が脱落することを抑制できる。
【0017】
[5]前記衣服本体は、後身頃を有し、前記冷却材収納部は、前記後身頃に設けられる後身頃冷却材収納部を有することが好ましい。
【0018】
同構成によれば、冷却材収納部は、後身頃に設けられる後身頃冷却材収納部を有する。よって、使用者の背面の側から使用者の身体を冷却することができ、使用者の腕の可動域を制限し辛い。したがって、冷却服を着用した使用者の作業性が低下することを抑制できる。
【0019】
[6]前記後身頃冷却材収納部は、第1の後身頃冷却材収納部と、第2の後身頃冷却材収納部と、を有することが好ましい。
【0020】
同構成によれば、後身頃冷却材収納部は、第1の後身頃冷却材収納部と、第2の後身頃冷却材収納部と、を有する。よって、使用者は、冷却したい自身の身体部位に相当する後身頃冷却材収納部に冷却材を選択的に収納することができる。したがって、使用者が冷却服の冷却性能をより柔軟に調整でき、冷却服の利便性を向上できる。
【0021】
[7]前記第1の後身頃冷却材収納部と第2の後身頃冷却材収納部の各々は、前記冷却材を出し入れ可能な後身頃開口部を有し、前記第1の後身頃冷却材収納部の前記後身頃開口部は、前記第2の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いており、前記第2の後身頃冷却材収納部の前記後身頃開口部は、前記第1の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いていることが好ましい。
【0022】
同構成によれば、第1の後身頃冷却材収納部の後身頃開口部は、第2の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いており、第2の後身頃冷却材収納部の後身頃開口部は、第1の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いている。使用者が冷却材を第1の後身頃冷却材収納部に収納すると、第1の後身頃冷却材収納部は、冷却材の分だけ膨らむ。第2の後身頃冷却材収納部の後身頃開口部は、第1の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いているため、第1の後身頃冷却材収納部の側を向いている場合と比べて、使用者は冷却材を第2の後身頃冷却材収納部へ容易に収納できる。したがって、冷却服の利便性を向上できる。
【0023】
[8]前記断熱部は、第1の領域と、前記第1の領域から離隔する第2の領域と、を有し、前記衣服本体は、前記断熱部の前記第1の領域よりも伸縮性が優れるとともに前記断熱部の前記第2の領域よりも伸縮性が優れることが好ましい。
【0024】
同構成によれば、衣服本体は、断熱部の第1の領域よりも伸縮性が優れるとともに断熱部の第2の領域よりも伸縮性が優れる。よって、断熱部が存在しない領域において、衣服本体が伸縮することで、冷却服として伸縮性が低下することを抑制できる。したがって、冷却服を着用した使用者の快適性が低下することを抑制できる。
【0025】
[9]前記断熱部は、第1の分離断熱部と、前記第1の分離断熱部から離隔する第2の分離断熱部と、を有し、前記第1の分離断熱部は、前記第1の後身頃冷却材収納部と前記後身頃との間に介在しており、前記第2の分離断熱部は、前記第2の後身頃冷却材収納部と前記後身頃との間に介在しており、前記後身頃は、前記第1の分離断熱部よりも伸縮性が優れるとともに前記第2の分離断熱部よりも伸縮性が優れることが好ましい。
【0026】
同構成によれば、後身頃は、第1の分離断熱部よりも伸縮性が優れるとともに第2の分離断熱部よりも伸縮性が優れる。よって、第1の分離断熱部と第2に分離断熱部とが存在しない領域において、後身頃が伸縮することで、冷却服として伸縮性が低下することを抑制できる。したがって、冷却服を着用した使用者の快適性が低下することを抑制できる。
【0027】
[10]前記衣服本体は、袖刳りを有し、前記袖刳りは、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記使用者の一方の腕が貫通する第1の袖刳りと、前記第1の袖刳りの反対の側に位置するとともに前記使用者の他方の腕が貫通する第2の袖刳りと、を有し、前記第1の分離断熱部と第2の分離断熱部とは、正面視において、前記第1の袖刳りと前記第2の袖刳りとが並ぶ方向に沿って並んでいることが好ましい。
【0028】
同構成によれば、第1の分離断熱部と第2の分離断熱部とは、正面視において、第1の袖刳りと第2の袖刳りとが並ぶ方向に沿って並んでいる。よって、後身頃において、第1の分離断熱部は、第1の袖刳りと前記第2の袖刳りとが並ぶ方向に沿って、第2の分離断熱部と離隔している。即ち、冷却服を着用した使用者が前方に腕を伸ばした際に、後身頃が伸びる方向に沿って、第1の分離断熱部は、第2の分離断熱部と離隔している。よって、使用者の腕の可動域が制限されることを抑制し、冷却服を着用した使用者の作業性が低下することを抑制できる。
【0029】
[11]前記衣服本体は、前身頃を有し、前記冷却材収納部は、前記前身頃に設けられた前身頃冷却材収納部を有することが好ましい。
【0030】
同構成によれば、冷却材収納部は、前身頃に設けられた前身頃冷却材収納部を有する。よって、背面以外の側から使用者の身体を冷却することができる。したがって、冷却服の冷却性能を向上できる。
【0031】
[12]前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部が前記使用者の脇に接するとともに前記後身頃冷却材収納部が前記使用者の背中に接し、前記前身頃冷却材収納部の表面層は、前記後身頃冷却材収納部の表面層よりも厚いことが好ましい。
【0032】
同構成によれば、前身頃冷却材収納部の表面層は、後身頃冷却材収納部の表面層よりも厚い。脇は背中に比べて血流量が多いため、身体の冷却効率が優れる。一方で、脇と背中を同じ冷却材で冷却すると、冷却服の使用者によっては脇が冷却されすぎていると感じてしまうおそれがある。しかしながら、冷却対象毎に冷却材の種類を変更する場合は、冷却服の使用者の利便性の観点から、望ましくない。前身頃冷却材収納部の表面層を後身頃冷却材収納部の表面層よりも厚くしておくことで、使用者が自身の身体の冷却度合に応じて冷却材の種類を選択する必要がなくなる。したがって、冷却服の利便性を向上できる。
【0033】
[13]前記冷却服が前記使用者に着用される際に、前記冷却服は第1の着用状態と第2の着用状態とを前記使用者が選択可能であり、前記第1の着用状態において、前記冷却材収納部は、前記使用者の背中と腰の少なくとも一方に接し、前記第2の着用状態において、前記冷却材収納部は、前記使用者の首に接することが好ましい。
【0034】
同構成によれば、第1の着用状態において、冷却材収納部は、使用者の背中と腰の少なくとも一方に接し、第2の着用状態において、冷却材収納部は、使用者の首に接する。よって、使用者は、冷却対象となる身体の部位を、冷却服の着用状態によって選択的に変更することができる。したがって、冷却服の利便性を向上できる。
【0035】
[14]前記冷却材収納部を第1の冷却材収納部としたとき、第2の冷却材収納部をさらに備え、第1の着用状態においては、第2の冷却材収納部は、前記使用者の脇に接し、第2の着用状態においては、第2の冷却材収納部は、前記使用者の胸に接することが好ましい。
【0036】
同構成によれば、第1の着用状態においては、第2の冷却材収納部は使用者の脇に接し、第2の着用状態においては、第2の冷却材収納部は、使用者の胸に接する。よって、使用者は、冷却対象となる身体の部位を、冷却服の着用状態によって選択的に変更することができる。したがって、冷却服の利便性を向上できる。
【0037】
[15]気体濃度測定器をさらに備え、前記冷却材はドライアイスであることが好ましい。
【0038】
同構成によれば、気体濃度測定器をさらに備え、冷却材はドライアイスである。ドライアイスは、氷と比べると冷却性能が優れる。しかしながら、ドライアイスは、二酸化炭素のガスを発生させてしまう。そこで、気体濃度測定器が、使用者の周辺の大気中の二酸化炭素濃度と酸素濃度の少なくとも一方を監視する。したがって、使用者は、自身の周辺の大気中の酸素濃度を直接的または間接的に把握でき、作業服を着用した使用者の安全性が向上する。
【0039】
[16]使用者に着用される冷却服であって、前記冷却服は、前記使用者が起立して前記冷却服を着用した状態において、前記使用者の頭部の側を上側と定義し、衣服本体と、冷却材を収納可能であるとともに前記衣服本体に取り付けられている冷却材収納部と、を備え、前記衣服本体は、後身頃と、袖刳りと、を有し、前記冷却材収納部は、前記後身頃に設けられた後身頃冷却材収納部を有し、前記袖刳りは、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記使用者の一方の腕が貫通する第1の袖刳りと、前記第1の袖刳りの反対の側に位置するとともに前記使用者の他方の腕が貫通する第2の袖刳りと、を有し、前記冷却服が前記使用者に着用される際に、前記冷却服は第1の着用状態と第2の着用状態とを前記使用者が選択可能であり、前記第1の着用状態において、前記第1の袖刳りには、前記使用者の右腕が貫通しており前記第2の袖刳りには、前記使用者の左腕が貫通しており、前記後身頃は、前記使用者の背面に配置しており、前記第2の着用状態において、前記第1の袖刳りには、前記使用者の前記左腕が貫通しており、前記第2の袖刳りには、前記使用者の前記右腕が貫通しており、前記後身頃は、前記使用者の背面に配置しており、前記第2の着用状態における前記後身頃冷却材収納部の上側の端部は、前記第1の着用状態における前記後身頃冷却材収納部の上側の端部よりも、上側に位置する。
【0040】
同構成によれば、第2の着用状態における後身頃冷却材収納部の上側の端部は、第1の着用状態における後身頃冷却材収納部の上側の端部よりも、上側に位置する。使用者は、第1の着用状態と第2の着用状態とを冷却服の使用中に切り替えることできる。よって、身体のある部位が過冷却されて使用者Xが不快感をつのらせる前に、身体の別の部位を冷却できる。したがって、使用者は冷却服を快適に使用し続けることができ、使用者が快適性の悪化によって冷却材の寿命よりも早く冷却服の使用を中断することを抑制できる。ひいては、冷却服の冷却持続時間を向上できる。
【0041】
[17]前記衣服本体に取り付けられているとともに前記冷却材を収納可能なポケット部を有し、前記衣服本体は、前身頃を有し、前記冷却材収納部は、前記前身頃に設けられた前身頃冷却材収納部を有し、前記ポケット部は、前記前身頃に設けられており、前記第1の着用状態において、前記前身頃冷却材収納部は、前記使用者の側方に位置しており、前記第2の着用状態において、前記ポケット部は、前記使用者の側方に位置していることが好ましい。
【0042】
同構成によれば、第1の着用状態において、前身頃冷却材収納部は、使用者の側方に位置しており、第2の着用状態において、ポケット部は、使用者の側方に位置している。よって、使用者が第1の着用状態と第2の着用状態のいずれの着用状態を選択しても、前身頃冷却材収納部とポケット部の少なくとも一方が、使用者の側方に位置する。したがって、背面以外の側から使用者の身体を冷却することができる。ひいては、冷却服の冷却性能を向上できる。
【0043】
本開示の冷却システムは
[18]冷却材としてドライアイスを用いるとともに使用者に着用される冷却服と、ボンベから供給される液化炭酸ガスから前記ドライアイスを生成するドライアイス生成装置と、を備え、前記冷却服は、衣服本体と、前記ドライアイスを収納可能であるとともに前記衣服本体に取り付けられている冷却材収納部と、前記衣服本体に取り付けられている断熱部と、を有し、前記断熱部は、前記衣服本体と前記冷却材収納部との間に介在しており、前記冷却服が前記使用者に着用された場合、前記冷却材収納部は、前記断熱材よりも前記使用者の側に配置されている。
【0044】
同構成によれば、冷却材としてドライアイスを用いるとともに使用者に着用される冷却服と、ボンベから供給される液化炭酸ガスから前記ドライアイスを生成するドライアイス生成装置と、を備える。使用者は、ドライアイス生成装置を使うことで、作業当日のドライアイスの必要量に応じてドライアイスを生成できる。したがって、使用者は、冷却システム100を利用することで、冷却服を効率的に利用できる。
【0045】
さらに、同構成によれば、冷却服を使用者に着用された場合、冷却材収納部は、断熱材よりも使用者の側に位置する。よって、冷却材収納部に収納された冷却材によって、使用者の身体を冷却することができる。さらに、断熱部が衣服本体と冷却材収納部との間に介在している。よって、衣服本体から冷却材へ熱伝導することを抑制でき、冷却材が衣服本体の側から受ける熱の影響を抑制できる。したがって、冷却服の冷却持続時間を向上できる。
【0046】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の冷却服と冷却システムの具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付す場合がある。本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。
【0047】
[第1実施形態]
第1実施形態の概要を説明する。図1は第1実施形態に係る冷却服10の正面図である。図2は第1実施形態に係る冷却服10の前身頃を開いた状態の正面図である。図3は第1実施形態に係る冷却服10の冷却材24の収納を示す部分拡大図である。
【0048】
図1および図2に示すように、冷却服10は、衣服本体2と、冷却材24を収納可能な冷却材収納部4と、衣服本体2と冷却材収納部4との間に介在する断熱部6と、ポケット部12と、を備える。
【0049】
衣服本体2は、ベスト状に形成されている。衣服本体2は、ナイロンとポリウレタンを含む生地と、ポリエステルと綿を含む生地とにより形成される。衣服本体2は、断熱部6よりも伸縮性が優れる。衣服本体2は、難燃性を有する。衣服本体2は、端部がパイピングされている。衣服本体2のパイピングされた部分の生地は、ナイロンを80%~90%、ポリウレタンを10%~20%含む。衣服本体2のパイピングされた部分は、伸縮性を有する。衣服本体2は、構成の異なる生地を組み合わせ、身体の接する部位に応じて伸縮性を変化させるように形成してもよい。
【0050】
衣服本体2は、前身頃5と、後身頃9と、袖刳り30と、一対のベルト部26と、を有する。前身頃5は、後身頃9の一端から延びる第1の前身頃5aと、後身頃9の他端から延びる第2の前身頃5bと、を有する。
【0051】
袖刳り30は、第1の前身頃5aと後身頃9とに囲まれている貫通孔である第1の袖刳り30aと、第2の前身頃5bと後身頃9とに囲まれている貫通孔である第2の袖刳り30bと、を有している。第1の袖刳り30aと第2の袖刳り30bとは、使用者Xの腕が貫通可能である。
【0052】
一対のベルト部26の一方は、第1の前身頃5aに取り付けられている。一対のベルト部26の他方は、第2の前身頃5bに取り付けられている。一対のベルト部26の各々は、帯状部材32と、ベルト接続部34と、を有する。
【0053】
帯状部材32は、ナイロンなどの合成繊維を材料とする帯状の部材である。帯状部材32は、一方の端部と、長手方向において一方の端部とは反対側の他方の端部とを有している。帯状部材32の一方の端部は、衣服本体2の前身頃5に縫合されている。帯状部材32は、例えば、帯状部材32の一方の端部よりも帯状部材32の他方の端部の側において、ベルト接続部34が取り付けられている。
【0054】
一対のベルト部26のベルト接続部34は、互いに連結可能である。連結された一対のベルト接続部34は、連結状態を解除することが可能である。一対のベルト部26のベルト接続部34を連結することで、冷却服10を使用者Xに固定できる。連結された一対のベルト接続部34の連結状態を解除することで、使用者Xは、冷却服10を容易に脱衣できる。
【0055】
一対のベルト接続部34は、例えば、サイドリリースバックルである。一対のベルト接続部34の少なくとも一方は、帯状部材32に対して位置調整が可能であり、ベルト接続部34から帯状部材32の一方の端部までの長さを調整できる。すなわち、一対のベルト部26による冷却服10の使用者Xに対する固定力を調整できる。
【0056】
図4(a)に示すように、使用者Xが右腕を第1の袖刳り30aに通し、使用者Xが左腕を第2の袖刳り30bに通し、後身頃9が使用者Xの背面に位置している冷却服10の着用状態を第1の着用状態とする。図4(b)に示すように、使用者Xが左腕を第1の袖刳り30aに通し、使用者Xが右腕を第2の袖刳り30bに通し、後身頃9が使用者Xの背面に位置している冷却服10の着用状態を第2の着用状態とする 。冷却服10は、使用者Xが起立して冷却服10を着用した状態において、使用者Xの頭部の側を上側と定義する。第2の着用状態は、第1の着用状態に対して、冷却服10を上下反転させて着用された状態となる。以後、着用した状態を前提とした説明を行う場合、特に言及がなければ第1の着用状態におけるものとする。
【0057】
図2に示すように、冷却材収納部4は、開口部22と、開口部22の少なくとも一部を開閉可能な開閉構造23と、表面層42と、を有する。開閉構造23は、例えば、線ファスナーである。冷却材収納部4は、後身頃9に配置される後身頃冷却材収納部4Aと、前身頃5に配置される前身頃冷却材収納部4Bと、を有する。表面層42は、冷却服10が使用者Xに着用された場合、使用者Xの身体と接する。表面層42は、例えば、メッシュ状である。
【0058】
後身頃冷却部収納部4Aは、後身頃開口部22Aと、後身頃開口部22Aの少なくとも一部を開閉可能な後身頃開閉構造23Aと、後身頃表面層42Aと、を有する。後身頃冷却材収納部4Aと後身頃9との間には、断熱材6が介在している。後身頃冷却材収納部4Aと後身頃9と断熱材6とは、後身頃冷却材収納部4Aと後身頃9と断熱材6とが重なる第1の方向に沿って並んでいる。
【0059】
後身頃冷却材収納部4Aは、例えば、矩形状である。後身頃冷却部収納部4Aは、伸縮性を有する。後身頃冷却部収納部4Aは、メッシュ状の繊維シートの縁を後身頃9に縫い付けることにより、中空空間を有するポケット状に形成される。後身頃冷却部収納部4Aを構成するメッシュ状の繊維シートの生地は、ナイロンを80%~90%、ポリウレタンを10%~20%含む。後身頃表面層42Aは、後身頃冷却材収納部4Aを形成するメッシュ状の繊維シートの一部である。後身頃表面層42Aは、伸縮性を有する。後身頃表面層42Aは、冷却服10が使用者Xに着用された場合、使用者Xの身体に面する。
【0060】
後身頃開口部22Aは、後身頃冷却材収納部4Aの矩形を構成する辺のうちの1辺に設けられている。後身頃開口部22Aは、後身頃冷却材収納部4Aの中空空間を後身頃冷却材収納部4Aの外部空間に向かって開口させる。後身頃開口部22Aによって、冷却材24を後身頃冷却部収納部4Aに出し入れできる。
【0061】
図3に示すように、後身頃開閉構造23Aは、後身頃冷却材収納部4Aの後身頃開口部22Aの少なくとも一部を開閉するための構造である。後身頃開閉構造23Aは、後身頃冷却材収納部4Aが形成する中空空間を開閉する構造である。後身頃開閉構造23Aは、例えば、線ファスナーである。使用者Xは、後身頃開閉構造23Aを開けることで、冷却材24を後身頃冷却材収納部4Aに収納可能となる。使用者Xは、後身頃開閉構造23Aを閉めることで、冷却材24が後身頃冷却材収納部4Aから脱落することを抑制できる。
【0062】
図2に示すように、後身頃冷却材収納部4Aは、本実施形態では、複数設けられている。後身頃冷却材収納部4Aは、例えば、第1の後身頃冷却材収納部4aと、第2の後身頃冷却材収納部4bと、第3の後身頃冷却材収納部4cと、第4の後身頃冷却材収納部4dと、を有する。
【0063】
第1の後身頃冷却材収納部4aと第2の後身頃冷却材収納部4bとは、第1の方向と直交する第2方向に沿って並んで配置されている。第1の後身頃冷却材収納部4aと第2の後身頃冷却材収納部4bとは、第1の袖刳り30aと第2の袖刳り30bとの間に配置されている。第1の後身頃冷却材収納部4aと第2の後身頃冷却材収納部4bとは、第1の袖刳り30aと第2の袖刳り30bとが並ぶ方向に沿って並んでいる。第1の後身頃冷却材収納部4aは、第2の後身頃冷却材収納部4bよりも第1の袖刳り30aの近くに設けられている。第1の後身頃冷却材収納部4aは、第2方向において、第2の後身頃冷却材収納部4bと離隔している。
【0064】
第3の後身頃冷却材収納部4cと第1の後身頃冷却材収納部4aとは、第1の方向と第2方向とに直交する第3方向に沿って並んで配置されている。第3の後身頃冷却材収納部4cと第1の後身頃冷却材収納部4aとは、上下方向に並んでいる。
【0065】
第4の後身頃冷却材収納部4dと第3の後身頃冷却材収納部4cとは、第2の方向に沿って並んでいる。第4の後身頃冷却材収納部4dは、第2の方向において、第3の後身頃冷却材収納部4cと離隔している。
【0066】
第4の後身頃冷却材収納部4dと第2の後身頃冷却材収納部4bとは、第3の方向に沿って並んでいる。第3の後身頃冷却材収納部4cと第1の後身頃冷却材収納部4aとは、上下方向に並んでいる。
【0067】
第1の後身頃冷却材収納部4aの後身頃開口部22Aは、第2の後身頃冷却材収納部4bの後身頃開口部22Aとは向きが異なる。第1の後身頃冷却材収納部4aの後身頃開口部22Aは、第2の後身頃冷却材収納部4bの後身頃開口部22Aとは反対方向を向いている。第1の後身頃冷却材収納部4aの後身頃開口部22Aは、第1の袖刳り30aの側を向いている。第2の後身頃冷却材収納部4bの後身頃開口部22Aは、第2の袖刳り30bの側を向いている。
【0068】
第3の後身頃冷却材収納部4cの後身頃開口部22Aは、第4の後身頃冷却材収納部4dの後身頃開口部22Aとは向きが異なる。第3の後身頃冷却材収納部4cの後身頃開口部22Aは、第4の後身頃冷却材収納部4dの後身頃開口部22Aとは反対方向を向いている。第3の後身頃冷却材収納部4cの後身頃開口部22Aは、第1の袖刳り30aの側を向いている。第4の後身頃冷却材収納部4dの後身頃開口部22Aは、第2の袖刳り30bの側を向いている。
【0069】
前身頃冷却部収納部4Bは、前身頃開口部22Bと、前身頃開口部22Bの少なくとも一部を開閉可能な前身頃開閉構造23Bと、使用者Xの身体の側に位置する前身頃表面層42Bと、を有する。前身頃冷却材収納部4Bと前身頃5との間には、断熱材6が介在している。
【0070】
前身頃冷却部収納部4Bは、例えば、矩形状である。前身頃冷却部収納部4Bは、伸縮性を有する。前身頃冷却部収納部4Bは、メッシュ状の繊維シートの縁を前身頃5に縫い付けることにより、中空空間を有するポケット状に形成される。前身頃冷却部収納部4Bを構成するメッシュ状の繊維シートの生地は、ナイロンを80%~90%、ポリウレタンを10%~20%含む。前身頃表面層42Bは、前身頃冷却部収納部4Bを形成するメッシュ状の繊維シートの一部である。前身頃表面層42Bは、伸縮性を有する。前身頃表面層42Bは、冷却服10が使用者Xに着用された場合、使用者Xの身体に面する。
【0071】
前身頃開口部22Bは、前身頃冷却材収納部4Bの矩形を構成する辺のうちの1辺に設けられている。前身頃開口部22Bは、前身頃冷却材収納部4Bが形成する中空空間を開閉する前身頃開閉構造23Bを有する。前身頃開口部22Bは、前身頃冷却材収納部4Bの中空空間を前身頃冷却材収納部4Bの外部空間に向かって開口させる。前身頃開口部22Bによって、冷却材24を前身頃冷却材収納部4Bに出し入れできる。
【0072】
前身頃開閉構造23Bは、前身頃冷却材収納部4Bの前身頃開口部22Bの少なくとも一部を開閉するための構造である。前身頃開閉構造23Bは、前身頃冷却材収納部4Bが形成する中空空間を開閉する構造である。前身頃開閉構造23Bは、例えば、線ファスナーである。使用者Xは、前身頃開閉構造23B開けることで、冷却材24を前身頃冷却材収納部4Bに収納可能となる。使用者Xは、前身頃開閉構造23Bを閉めることで、冷却材24が前身頃冷却材収納部4Bから脱落することを抑制できる。
【0073】
前身頃冷却材収納部4Bは、本実施形態では、複数設けられている。前身頃冷却材収納部4Bは、例えば、第1の前身頃5aに配置される第1の前身頃冷却材収納部4eと、第2の前身頃5bに配置される第2の前身頃冷却材収納部4fと、を有する。
【0074】
冷却服10の前身頃5を開いた状態において、第1の前身頃冷却材収納部4eと第2の前身頃冷却材収納部4fとの間には、後身頃冷却材収納部4Aが配置されている。
【0075】
ポケット部12は、前身頃5に設けられている。ポケット部12は、ポケット部開口部22Cと、使用者Xの身体の側に位置するポケット部表面層42Cと、を有する。ポケット部12は、矩形状である。ポケット部12は、伸縮性を有する。ポケット部12は、矩形状のシートの3方の縁を前身頃5に縫い付けて形成される。ポケット部12を形成するシートは、衣服本体2の他の部分の生地よりも伸縮性の高い生地にしてもよい。ポケット部12は、別途設けられた冷却材24を収納する袋(図示せず)を収納することができる。ポケット部表面層42Cは、ポケット部12を形成するシートの一部である。ポケット部表面層42Cは、伸縮性を有する。ポケット部表面層42Cは、冷却服10が使用者Xに着用された場合、使用者Xの身体に面する。
【0076】
ポケット部12は、第1の前身頃5aに設けられる第1のポケット部12Aと、第2の前身頃5bに設けられる第2のポケット部12Bと、を有する。冷却服10の前身頃5を開いた状態において、第1のポケット部12Aと第2のポケット部12Bとの間には、後身頃冷却材収納部4Aが配置されている。第1のポケット部12Aと第2のポケット部12Bとの間には、袖刳り30が配置されている。
【0077】
断熱部6は、発泡ウレタンシートにアルミフィルムを積層した部材である。断熱部6は、衣服本体2と冷却材収納部4との間に介在している。断熱部6は、衣服本体2に縫い付けられている。断熱部6は衣服本体2に溶着させてもよい。断熱部6は1つの冷却材収納部4と衣服本体2との間に配置されてもよいし、複数の冷却材収納部4に跨がって衣服本体2との間に配置されてもよい。
【0078】
断熱部6は、第1の断熱部6aと、第2の断熱部6bと、第3の断熱部6cと、を有する。第1の断熱部6aと第2の断熱部6bと第3の断熱部6cとは、互いに同じ材質の部材であってもよいし、異なる材質の部材であってもよい。
【0079】
第1の断熱部6aは、後身頃9に取り付けられている。第1の断熱部6aは、後身頃9と後身頃冷却材収納部4Aとの間に介在している。第1の断熱部6aは、第1の領域である第1の分離断熱部60aと、第1の分離断熱部60aと離隔している第2の領域である第2の分離断熱部60bと、を有する。
【0080】
第1の分離断熱部60aは、第3方向に沿って延びている。第1の分離断熱部60aは、上下方向に沿って延びている。第1の分離断熱部60aは、第1の後身頃冷却材収納部4aと第3の後身頃冷却材収納部4cとに跨っている。第1の分離断熱部60aは、衣服本体2よりも伸縮性が劣る。第1の分離断熱部60aは、後身頃9よりも伸縮性が劣る。
【0081】
第2の分離断熱部60bは、第3方向に沿って延びている。第2の分離断熱部60bは、上下方向に沿って延びている。第2の分離断熱部60bは、第2の後身頃冷却材収納部4bと第4の後身頃冷却材収納部4dとに跨っている。第2の分離断熱部60aは、衣服本体2よりも伸縮性が劣る。第2の分離断熱部60bは、後身頃9よりも伸縮性が劣る。
【0082】
第1の分離断熱部60aと2の分離断熱部60bとは、第1の後身頃冷却材収納部4aと第2の後身頃冷却材収納部4bとが並ぶ方向において、互いに離隔している。第1の分離断熱部60aと2の分離断熱部60bとは、第2の方向に沿う方向において、互いに離隔している。第1の分離断熱部60aと2の分離断熱部60bとは、互いに同じ材質の部材であってもよいし、異なる材質の部材であってもよい。
【0083】
第2の断熱部6bは、第1の前身頃5aに取り付けられている。第2の断熱部6bは、第1の前身頃5aと第1の前身頃冷却材収納部4eとの間に介在している。第2の断熱部6bは、第1の断熱部6aと離隔している。
【0084】
第3の断熱部6cは、第2の前身頃5bに取り付けられている。第3の断熱部6cは、第2の前身頃5bと第2の前身頃冷却材収納部4fとの間に介在している。第3の断熱部6cは、第1の断熱部6aと離隔している。第3の断熱部6cは、第2の断熱部6bと離隔している。
【0085】
冷却材24は、例えば、ドライアイスである。冷却材24は、使用者Xの身体を冷却できればよく、ドライアイス以外にも、氷、水および高吸水性樹脂を含む保冷剤などを用いることができる。
【0086】
以上の構成により冷却服10は以下のように使用される。
図3に示すように、使用者Xは冷却材収納部4の開口部22を開口し、冷却材24を挿入し、開口部22を閉じる。使用者Xは、冷却服10を着用する。冷却服10が使用者Xに着用された場合、冷却材収納部4は、使用者Xの側に配置される。冷却材24は、冷却材24の周辺の空気と、冷却材収納部4とを冷却する。冷却材24によって冷却された空気は、冷却材収納部4の表面層42を通じて、冷却材収納部4の外部に出ていく。さらに、冷却材24によって冷却された冷却材収納部4は、冷却材収納部4の周辺の空気を冷却する。加えて、冷却された冷却材収納部4が、使用者Xの身体に接することで、使用者Xを冷却する。これらにより、冷却服10は、使用者Xの身体を冷却できる。ポケット部12に冷却材24を収納する場合も、同様である。
【0087】
本明細書における「接する」は、厳密に直接的に接する場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で間接的に接する場合も含まれる。例えば、冷却材収納部4と使用者Xの身体との間に介在物が存在し、冷却材収納部4が介在物を使用者Xの身体に向かって押す場合も含まれる。
【0088】
図4(a)および図4(b)に示すように、使用者Xは、冷却服10を着用する際に、第1の着用状態と第2の着用状態とを選択することができる。冷却材収納部4の各々とポケット部12の各々とは、第1の着用状態と第2の着用状態とで、使用者Xの身体と接する部位が異なる。使用者Xは、第1の着用状態と第2の着用状態とを選択することで、身体の冷却部位を調整できる。
【0089】
図4(a)に示すように、後身頃冷却材収納部4Aは、第1の着用状態において、使用者Xの背面に配置される。後身頃冷却材収納部4Aは、第1の着用状態において、使用者Xの背中と腰の少なくとも一方に接する。第1の後身頃冷却材収納部4aは、第1の着用状態において、使用者Xの背中右上に接する。第2の後身頃冷却材収納部4bは、第1の着用状態において、使用者Xの背中左上に接する。第3の後身頃冷却材収納部4cは、第1の着用状態において、使用者Xの背中右下に接する。第4の後身頃冷却材収納部4dは、第1の着用状態において、使用者Xの背中左下に接する。
【0090】
前身頃冷却材収納部4Bは、第1の着用状態において、使用者Xの側方に配置される。前身頃冷却材収納部4Bは、第1の着用状態において、使用者Xの胸部側面に接する。前身頃冷却材収納部4Bは、第1の着用状態において、使用者Xの脇に接する。第1の前身頃冷却材収納部4e、第1の着用状態において、第1の使用者Xの右脇に接する。第2の前身頃冷却材収納部4fは、第1の着用状態において、使用者Xの左脇に接する。
【0091】
ポケット部12は、第1の着用状態において、使用者Xの胸部に接する。第1のポケット部12Aは、第1の着用状態において、使用者Xの右胸に接する。第2のポケット部12Bは、第1の着用状態において、使用者Xの左胸に接する。
【0092】
図4(b)に示すように、後身頃冷却材収納部4Aは、第2の着用状態において、使用者Xの背面に配置される。後身頃冷却材収納部4Aは、第2の着用状態において、使用者Xの背中と首の少なくとも一方に接する。第1の後身頃冷却材収納部4aは、第2の着用状態において、使用者Xの背中左下に接する。第2の後身頃冷却材収納部4bは、第2の着用状態において、使用者Xの背中右下に接する。第3の後身頃冷却材収納部4cは、第2の着用状態において、使用者Xの背中左上と首の少なくとも一方に接する。第4の後身頃冷却材収納部4dは、第2の着用状態において、使用者Xの背中右上と首の少なくとも一方に接する。
【0093】
使用者Xが起立して冷却服10を着用した状態において、使用者Xの頭部の側を上側と定義すると、第2の着用状態における第3の後身頃冷却材収納部4cと第4の後身頃冷却材収納部4dとは、第1の着用状態における第3の後身頃冷却材収納部4cと第4の後身頃冷却材収納部4dよりも上側に配置される。第1の着用状態における第1の後身頃冷却材収納部4aと第2の後身頃冷却材収納部4bとは、第2の着用状態における第1の後身頃冷却材収納部4aと第2の後身頃冷却材収納部4bよりも上側に配置される。第2の着用状態における第3の後身頃冷却材収納部4cの上側の端部と第4の後身頃冷却材収納部4dの上側の端部とは、第1の着用状態における第1の後身頃冷却材収納部4aの上側の端部と第2の後身頃冷却材収納部4bの上側の端部よりも上側に配置される。
【0094】
前身頃冷却材収納部4Bは、第2の着用状態において、使用者Xの胸に接する。第1の前身頃冷却材収納部4e、第2の着用状態において、使用者Xの左胸に接する。第2の前身頃冷却材収納部4fは、第2の着用状態において、使用者Xの右胸に接する。
【0095】
ポケット部12は、第2の着用状態において、使用者Xの脇に接する。ポケット部12Aは、第2の着用状態において、使用者Xの左脇に接する。第2のポケット部12Bは、第1の着用状態において、使用者Xの右脇に接する。
【0096】
使用者Xは、冷却材収納部4やポケット部12に収納する冷却材24について、適宜、調整できる。使用者Xは、冷却材収納部4やポケット部12の一部に冷却材24を収納することを省略してもよい。使用者Xは、冷却材24として、ドライアイス以外にも氷、水および高吸水性樹脂を含む保冷剤などを組み合わせて使用してもよい。
【0097】
第1実施形態の作用および効果について説明する。
(1)使用者Xに着用される冷却服10であって、衣服本体2と、冷却材24を収納可能であるとともに衣服本体2に取り付けられている冷却材収納部4と、衣服本体2に取り付けられている断熱部6と、を備える。断熱部6は、衣服本体2と冷却材収納部4との間に介在している。冷却服10が使用者Xに着用された場合、冷却材収納部4は、断熱材6よりも使用者Xの側に配置される。
【0098】
同構成によれば、冷却服10を使用者Xに着用された場合、冷却材収納部4は、断熱材6よりも使用者Xの側に配置されている。よって、冷却材収納部4に収納された冷却材24によって、使用者Xの身体を冷却することができる。さらに、断熱部6が衣服本体2と冷却材収納部4との間に介在している。よって、衣服本体2から冷却材24へ熱伝導することを抑制でき、冷却材24が衣服本体2の側から受ける熱の影響を抑制できる。したがって、冷却服10の冷却持続時間を向上できる。
【0099】
(2)冷却服10が使用者Xに着用された場合、冷却材収納部4は、使用者Xと面する表面層42を有する。表面層42は、メッシュ状である。
【0100】
同構成によれば、冷却材収納部4の表面層42は、メッシュ状である。冷却材収納部4の表面層42がメッシュ状であるため、冷却材収納部4の表面層42は、冷却材24によって冷やされた冷却材収納部4の内部の空気を通しやすい。したがって、冷却服10の冷却性能を向上できる。
【0101】
(3)冷却材収納部4は、冷却材24を出し入れ可能な開口部22と、開口部22の少なくとも一部を開閉可能に構成された開閉構造23と、を有することが好ましい。
【0102】
同構成によれば、冷却材収納部4は、開口部22の少なくとも一部を開閉可能に構成された開閉構造23を有する。よって、冷却材24を冷却材収納部4へ収納する際は、開閉構造23により開口部22を開くことで、冷却材24を冷却材収納部4へ収納できる。さらに、冷却材24を冷却材収納部4へ収納した後は、開閉構造23により開口部22を閉じることで、冷却材24が開口部22から脱落することを抑制できる。したがって、冷却服10の利便性を向上できる。
【0103】
(4)開閉構造23は、線ファスナーである。
【0104】
同構成によれば、開閉構造23は、線ファスナーである。開閉構造23が線ファスナーである場合、開閉構造23が面ファスナーやボタンである場合に比べて、使用者Xが冷却服10を着用する際に開閉構造23に触れて、開口部22を意図せず開けてしまうことを抑制できる。したがって、冷却服10から冷却材24が脱落することを抑制できる。また、開閉構造23が線ファスナーである場合は、開閉構造23が面ファスナーである場合と比べて、開閉構造の耐久性が向上する。
【0105】
(5)衣服本体2は、後身頃9を有し、冷却材収納部4は、後身頃9に設けられる後身頃冷却材収納部4Aを有する。
【0106】
同構成によれば、冷却材収納部4は、後身頃9に設けられる後身頃冷却材収納部4Aを有する。よって、使用者Xの背面の側から使用者Xの身体を冷却することができ、使用者Xの腕の可動域を制限し辛い。したがって、冷却服10を着用した使用者Xの作業性が低下することを抑制できる。
【0107】
(6)後身頃冷却材収納部4Aは、第1の後身頃冷却材収納部4aと、第2の後身頃冷却材収納部4bと、を有する。
【0108】
同構成によれば、後身頃冷却材収納部4Aは、第1の後身頃冷却材収納部4aと、第2の後身頃冷却材収納部4bと、を有する。よって、使用者Xは、冷却したい自身の身体部位に相当する後身頃冷却材収納部4Aに冷却材24を選択的に収納することができる。したがって、使用者Xが冷却服10の冷却性能をより柔軟に調整でき、冷却服10の利便性を向上できる。
【0109】
(7)第1の後身頃冷却材収納部4aの後身頃開口部22Aは、第2の後身頃冷却材収納部4bとは反対の側を向いており、第2の後身頃冷却材収納部4bの後身頃開口部22Aは、第1の後身頃冷却材収納部4aとは反対の側を向いている。
【0110】
同構成によれば、第1の後身頃冷却材収納部4aの後身頃開口部22Aは、第2の後身頃冷却材収納部4bとは反対の側を向いており、第2の後身頃冷却材収納部4bの後身頃開口部22Aは、第1の後身頃冷却材収納部4aとは反対の側を向いている。使用者Xが冷却材24を第1の後身頃冷却材収納部4aに収納すると、第1の後身頃冷却材収納部4aは、冷却材24の分だけ膨らむ。第2の後身頃冷却材収納部4bの後身頃開口部22Aは、第1の後身頃冷却材収納部4aとは反対の側を向いているため、第1の後身頃冷却材収納部4aの側を向いている場合と比べて、使用者Xは冷却材24を第2の後身頃冷却材収納部4bへ容易に収納できる。したがって、冷却服10の利便性を向上できる。
【0111】
(8)断熱部6は、第1の領域60aと、前記第1の領域60aから離隔する第2の領域60bと、を有する。衣服本体2は、断熱部6の前記第1の領域60aよりも伸縮性が優れるとともに断熱部6の前記第2の領域60bよりも伸縮性が優れる。
【0112】
同構成によれば、衣服本体2は、断熱部6の第1の領域60aよりも伸縮性が優れるとともに断熱部6の第2の領域60bよりも伸縮性が優れる。よって、断熱部6が存在しない領域において、衣服本体2が伸縮することで、冷却服10として伸縮性が低下することを抑制できる。したがって、冷却服10を着用した使用者Xの快適性が低下することを抑制できる。
【0113】
(9)断熱部6は、第1の分離断熱部60aと、第1の分離断熱部60aから離隔する第2の分離断熱部60bと、を有する。第1の分離断熱部60aは、第1の後身頃冷却材収納部4aと後身頃9との間に介在している。第2の分離断熱部60bは、第2の後身頃冷却材収納部4bと後身頃9との間に介在している。後身頃9は、第1の分離断熱部60aよりも伸縮性が優れるとともに第2の分離断熱部60bよりも伸縮性が優れる。
【0114】
同構成によれば、後身頃9は、第1の分離断熱部60aよりも伸縮性が優れるとともに第2の分離断熱部60bよりも伸縮性が優れる。よって、第1の分離断熱部60aと第2に分離断熱部60bとが存在しない領域において、後身頃9が伸縮することで、冷却服10として伸縮性が低下することを抑制できる。したがって、冷却服10を着用した使用者Xの快適性が低下することを抑制できる。
【0115】
(10)衣服本体2は、袖刳り30を有する。袖刳り30は、冷却服10が使用者Xに着用された場合、使用者Xの一方の腕が貫通する第1の袖刳り30aと、第1の袖刳り30aの反対の側に配置されるとともに使用者Xの他方の腕が貫通する第2の袖刳り30bと、を有する。第1の分離断熱部60aと第2の分離断熱部60bとは、正面視において、第1の袖刳り30aと前記第2の袖刳り30bとが並ぶ方向に沿って並んでいる。
【0116】
同構成によれば、第1の分離断熱部60aと第2の分離断熱部60bとは、正面視において、第1の袖刳り30aと第2の袖刳り30bとが並ぶ方向に沿って並んでいる。よって、後身頃9において、第1の分離断熱部60aは、第1の袖刳り30aと前記第2の袖刳り30bとが並ぶ方向に沿って、第2の分離断熱部60bと離隔している。即ち、冷却服10を着用した使用者Xが前方に腕を伸ばした際に、後身頃9が伸びる方向に沿って、第1の分離断熱部60aは、第2の分離断熱部60bと離隔している。よって、使用者Xの腕の可動域が制限されることを抑制し、冷却服10を着用した使用者Xの作業性が低下することを抑制できる。
【0117】
(11)衣服本体2は、前身頃5を有し、冷却材収納部4は、前身頃5に設けられた前身頃冷却材収納部4Bを有することが好ましい。
【0118】
同構成によれば、冷却材収納部4は、前身頃5に設けられた前身頃冷却材収納部4Bを有する。よって、背面以外の側から使用者Xの身体を冷却することができる。したがって、冷却服10の冷却性能を向上できる。
【0119】
(12)冷却服10が使用者Xに着用された場合、冷却材収納部4が使用者Xの脇に接するとともに後身頃冷却材収納部4Aが使用者の背中に接し、前身頃冷却材収納部4Bの前身頃表面層42Bは、後身頃冷却材収納部4Aの後身頃表面層42Aよりも厚い。
【0120】
同構成によれば、前身頃冷却材収納部4Bの前身頃表面層42Bは、後身頃冷却材収納部4Aの後身頃表面層42Aよりも厚い。脇は背中に比べて血流量が多いため、身体の冷却効率が優れる。一方で、脇と背中を同じ冷却材24で冷却すると、冷却服10の使用者Xによっては脇が冷却されすぎていると感じてしまうおそれがある。しかしながら、冷却対象毎に冷却材24の種類を変更する場合は、冷却服10の使用者Xの利便性の観点から、望ましくない。前身頃冷却材収納部4Bの前身頃表面層42Bを後身頃冷却材収納部4Aの後身頃表面層42Aよりも厚くしておくことで、使用者Xが自身の身体の冷却度合に応じて冷却材の種類を選択する必要がなくなる。したがって、冷却服10の利便性を向上できる。
【0121】
(13)冷却服10が使用者Xに着用される際に、冷却服10は第1の着用状態と第2の着用状態とを使用者Xが選択可能であり、第1の着用状態において、冷却材収納部4は、使用者Xの背中と腰の少なくとも一方に接し、第2の着用状態において、冷却材収納部4は、使用者Xの首に接する。
【0122】
同構成によれば、第1の着用状態において、冷却材収納部4は、使用者Xの背中と腰の少なくとも一方に接し、第2の着用状態において、冷却材収納部4は、使用者Xの首に接する。使用者Xは、第1の着用状態と第2の着用状態とを冷却服10の使用中に切り替えることできる。よって、身体のある部位が冷却されすぎて使用者Xが不快感をつのらせる前に、着用状態を切り替えることで身体の別の部位を冷却できる。したがって、使用者Xは冷却服10を快適に着用し続けることができ、使用者Xが快適性の悪化によって冷却材24の寿命よりも早く冷却服10の使用を中断することを抑制できる。ひいては、冷却服10の冷却持続時間を向上できる。さらに、使用者Xは、冷却対象となる身体の部位を、冷却服10の着用状態によって選択的に変更することができる。したがって、冷却服10の利便性を向上できる。
【0123】
(14)冷却材収納部4を第1の冷却材収納部4としたとき、第2の冷却材収納部4をさらに備える。第1の着用状態においては、第2の冷却材収納部4は、使用者Xの脇に接する。第2の着用状態においては、第2の冷却材収納部4は、使用者Xの胸に接する。
【0124】
同構成によれば、第1の着用状態においては、第2の冷却材収納部4は使用者Xの脇に位置し、第2の着用状態においては、第2の冷却材収納部4は、使用者Xの胸に位置する。使用者Xは、第1の着用状態と第2の着用状態とを冷却服10の使用中に切り替えることできる。よって、身体のある部位が冷却されすぎて使用者Xが不快感をつのらせる前に、着用状態を切り替えることで身体の別の部位を冷却できる。したがって、使用者Xは冷却服10を快適に着用し続けることができ、使用者Xが快適性の悪化によって冷却材24の寿命よりも早く冷却服10の使用を中断することを抑制できる。ひいては、冷却服10の冷却持続時間を向上できる。さらに、使用者Xは、冷却対象となる身体の部位を、冷却服10の着用状態によって選択的に変更することができる。したがって、冷却服10の利便性を向上できる。
【0125】
(15)使用者Xに着用される冷却服10であって、冷却服10は、使用者Xが起立して冷却服10を着用した状態において、使用者Xの頭部の側を上側と定義する。衣服本体2と、冷却材24を収納可能であるとともに衣服本体2に取り付けられている冷却材収納部4と、を備える。衣服本体2は、後身頃9と、袖刳り30と、を有する。冷却材収納部4は、後身頃9に設けられた後身頃冷却材収納部4Aを有する。袖刳り30は、冷却服10が使用者Xに着用された場合、使用者Xの一方の腕が貫通する第1の袖刳り30aと、第1の袖刳り30aの反対の側に配置されるとともに使用者Xの他方の腕が貫通する第2の袖刳り30bと、を有する。冷却服10が使用者Xに着用される際に、冷却服10は第1の着用状態と第2の着用状態とを使用者Xが選択可能である。第1の着用状態において、第1の袖刳り30aには、使用者Xの右腕が貫通しており第2の袖刳り30bには、使用者Xの左腕が貫通しており、後身頃9は、使用者Xの背面に配置している。第2の着用状態において、第1の袖刳り30aには、使用者Xの左腕が貫通しており、第2の袖刳り30bには、使用者Xの右腕が貫通しており、後身頃9は、使用者Xの背面に配置している。第2の着用状態における後身頃冷却材収納部4Aの上側の端部は、第1の着用状態における後身頃冷却材収納部4Aの上側の端部よりも、上側に配置されている。
【0126】
同構成によれば、第2の着用状態における後身頃冷却材収納部4Aの上側の端部は、第1の着用状態における後身頃冷却材収納部4Aの上側の端部よりも、上側に配置されている。使用者Xは、第1の着用状態と第2の着用状態とを冷却服10の使用中に切り替えることできる。よって、身体のある部位が過冷却されすぎて使用者Xが不快感をつのらせる前に、着用状態を切り替えることで身体の別の部位を冷却できる。したがって、使用者Xは冷却服10を快適に使用し続けることができ、使用者Xが快適性の悪化によって冷却材24の寿命よりも早く冷却服10の使用を中断することを抑制できる。ひいては、冷却服10の冷却持続時間を向上できる。さらに、使用者Xは、冷却対象となる身体の部位を、冷却服10の着用状態によって選択的に変更することができる。したがって、冷却服10の利便性を向上できる。
【0127】
(16)衣服本体2に取り付けられているとともに冷却材24を収納可能なポケット部12を有する。衣服本体2は、前身頃5を有し、冷却材収納部4は、前身頃5に設けられた前身頃冷却材収納部4Bを有し、ポケット部12は、前身頃5に設けられており、第1の着用状態において、前身頃冷却材収納部4Bは、使用者Xの側方に配置されており、第2の着用状態において、ポケット部12は、使用者Xの側方に配置されていることが好ましい。
【0128】
同構成によれば、第1の着用状態において、前身頃冷却材収納部4Bは、使用者Xの側方に配置されており、第2の着用状態において、ポケット部12は、使用者Xの側方に配置されている。よって、使用者Xが第1の着用状態と第2の着用状態のいずれの着用状態を選択しても、前身頃冷却材収納部4Bとポケット部12の少なくとも一方が、使用者X
の側方に配置される。したがって、背面以外の側から使用者Xの身体を冷却することができる。ひいては、冷却服10の冷却性能を向上できる。
【0129】
(第1実施形態の変形例1)
第1実施形態の変形例1を説明する。図5は、第1実施形態の変形例1の冷却服10の正面図である。冷却服10は、気体濃度測定器8をさらに備える点で、実施形態1の冷却服10とは異なる。
【0130】
気体濃度測定器8は、例えば、酸素濃度計である。酸素濃度計は、大気中の酸素濃度を計測できる。気体濃度測定器8は酸素濃度の測定数値を表示し、測定数値が設定値を下回る場合、警告音を発する。
【0131】
気体濃度測定器8は、衣服本体2のいずれかの場所に設けられる。気体濃度測定器8は、呼気が直接かからない場所で、胸、肩、背中の位置など使用者Xの口および鼻に近い場所に設けられる収納スペースに収納される。ポケット部12にあたる衣服本体2の部分をメッシュ状とするなど通気性を高めて、気体濃度測定器8をポケット部12に収納できるようにしてもよい。その場合、同部分に伸縮性を有する生地を用いて使用者Xの胸を圧迫しないようにしてもよい。
【0132】
使用者Xは、冷却材24として、ドライアイスを収納した冷却服10を着用し、作業を行う。気体濃度測定器8は、酸素濃度が設定値を下回る場合、警告音を発し使用者Xに注意を促す。
【0133】
上記の第1実施形態の変形例1の説明では、気体濃度測定器8は酸素濃度計としたが、二酸化炭素濃度計であってもよいし、酸素濃度と二酸化炭素濃度を計測できる気体濃度測定器でもよい。二酸化炭素濃度計は二酸化炭素濃度の測定数値が一定の値を上回る場合、警告音を発するようにしてもよい。
【0134】
第1実施形態の変形例1の作用および効果について説明する。
(17)気体濃度測定器8をさらに備え、冷却材24はドライアイスである。
【0135】
同構成によれば、気体濃度測定器8をさらに備え、冷却材24はドライアイスである。ドライアイスは、氷と比べる冷却性能が優れる。しかしながら、ドライアイスは、二酸化炭素のガスを発生させてしまう。そこで、気体濃度測定器8が、使用者Xの周辺の大気中の二酸化炭素濃度と酸素濃度の少なくとも一方を監視する。したがって、使用者Xは、自身の周辺の大気中の酸素濃度の低下を直接的または間接的に把握でき、作業服10を着用した使用者Xの安全性が向上する。
【0136】
(第2実施形態)
第2実施形態の概要を説明する。図6は第2実施形態に係る冷却システム100の構成図である。第2実施形態である冷却システム100は、ドライアイス生成装置50をさらに備える点で、実施形態1と異なる。第2実施形態である冷却システム100は、第1実施形態に記載の冷却服10や第1実施形態の変形例に記載の冷却服10を用いることができる。
【0137】
図6に示すように、冷却システム100は、冷却服10と、ドライアイス生成装置50と、を備える。ドライアイス生成装置50は、設置型でもよいし、可搬型でもよい。
【0138】
ドライアイス生成装置50は、液化炭酸ガスを原材料にして、冷却材24であるドライアイスを生成する装置である。ドライアイス生成装置50は、液化炭酸ガスが貯蔵されているボンベ52から液化炭酸ガスが供給される。
【0139】
ドライアイス生成装置50は、板状のドライアイスを生成するものでもよいし、ペレット状のドライアイスを生成するものでもよいし、その他の形状のドライアイスを生成するものでもよい。板状のドライアイスは、ペレット状のドライアイスと比べて表面積が少ないため、ペレット状のドライアイスよりも昇華が遅い。よって、板状のドライアイスを冷却服10に用いる場合は、ペレット状のドライアイスよりも、冷却服10の冷却持続時間が長くなる。ペレット状のドライアイスは、板状のドライアイスよりも、冷却服10の冷却材収納部4に収納する量を細かく調整できる。よって、ペレット状のドライアイスを冷却服10に用いる場合は、板状のドライアイスをよりも、冷却服10の冷却性能を調整し易い。
【0140】
ドライアイス生成装置50は使用者Xが作業する場所、もしくはその近くの場所に配置される。ドライアイス製造装置50は、例えば、工場、製油所、事業所などに配置される。
【0141】
以上の構成により冷却システム100は以下のように使用される。
ドライアイス製造装置50が、冷却服10の使用者Xが作業する工場に配置される。ドライアイス製造装置50は、ボンベ52から液化炭酸ガスが供給され、冷却材24としてドライアイスを生成する。使用者Xは、生成されたドライアイスを冷却服10の冷却材収納部4に収納する。使用者Xは、冷却服10を着用して作業を行う。
【0142】
第2実施形態の作用および効果について説明する。
(18)冷却材24としてドライアイスを用いるとともに使用者Xに着用される冷却服10と、ボンベ52から供給される液化炭酸ガスからドライアイスを生成するドライアイス生成装置50と、を備える。冷却服10は、衣服本体2と、ドライアイスを収納可能であるとともに衣服本体2に取り付けられている冷却材収納部4と、衣服本体2に取り付けられている断熱部6と、を有する。断熱部6は、衣服本体2と冷却材収納部4との間に介在しており、冷却服10が使用者に着用された場合、冷却材収納部4は、断熱材6よりも使用者Xの側に配置されている。
【0143】
同構成によれば、冷却材24としてドライアイスを用いるとともに使用者Xに着用される冷却服10と、ボンベ52から供給される液化炭酸ガスからドライアイスを生成するドライアイス生成装置50と、を備える。
【0144】
冷却材24としてドライアイスを利用しようとすると、ドライアイスは昇華性を有するため、低温に保って輸送、保管しなくてはならず、長期の保管が困難であることが懸念される。さらに、冷却材24であるドライアイスの必要量は、使用者Xの作業内容や作業当日の気温などによって変動し得る。よって、よって、使用者Xが、一定期間において予想されるドライアイス24の必要量を予め用意し、保管しておくことは困難が伴う。
【0145】
一方、冷却材24であるドライアイスの原材料である液化炭酸ガスは、ボンベ52に充填、貯蔵することで、比較的容易に輸送、保管ができる。液化炭酸ガスは、ボンベ52からドライアイス生成装置50に供給できる。よって、使用者Xは、ドライアイス生成装置50を使うことで、作業当日のドライアイスの必要量に応じてドライアイスを生成できる。したがって、使用者Xは、冷却システム100を利用することで、冷却服10を効率的に利用できる。
【0146】
さらに、同構成によれば、冷却服10を使用者Xに着用された場合、冷却材収納部4は、断熱材6よりも使用者Xの側に配置されている。よって、冷却材収納部4に収納された冷却材24によって、使用者Xの身体を冷却することができる。さらに、断熱部6が衣服本体2と冷却材収納部4との間に介在している。よって、衣服本体2から冷却材24へ熱伝導することを抑制でき、冷却材24が衣服本体2の側から受ける熱の影響を抑制できる。したがって、冷却服10の冷却持続時間を向上できる。
【0147】
<変更例>
第1実施形態、第1実施形態の変形例および第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で、第1実施形態、第1実施形態の変形例および第2実施形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0148】
・冷却材収納部4は、冷却材24を直接収納するだけでなく、冷却材24を別体の袋に収納した上で冷却材収納部4に収納してもよい。
・ポケット部12は、別途設けられた冷却材24を収納する袋を収納するだけでなく、冷却材24を直接収納してもよい。
【0149】
・後身頃冷却材収納部4Aは、省略することもできる。
・後身頃冷却材収納部4Aは、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
・前身頃冷却材収納部4Bは、省略することもできる。
・前身頃冷却材収納部4Bは、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
・ポケット部12は、省略することもできる。
・ポケット部12は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0150】
・断熱部6は、発泡ウレタンシートに積層されているアルミフィルムを省略してもよい。 ・断熱部6は、発泡ウレタンシートの代わりに、その他の多孔質素材のシートを用いてもよい。断熱材6は、例えば、発泡ポリエチレンシート、やグラスウール、シリコンを用いてよい。
・断熱部6は、アルミニウムフィルムの代わりに、アルミニウム以外の金属製フィルムを用いてもよい。断熱部6は、銅フィルムを用いてもよい。
【0151】
・断熱部6は、第1の断熱部6aと第2の断熱部6bと第3の断熱部6cのいずれか1つを有していればよい。
・第1の断熱部6aは、第1の領域60aと第2の領域60bとを有していなくても、3つ以上の領域をもつように、更に分割されていてもよい。
・第1の断熱部6aは、第1の分離断熱部60aと第2の分離断熱部60bとを有していなくても、3つ以上の領域をもつように、更に分割されていてもよい。
・断熱部6の第1の領域と断熱部6の第2の領域とは、第1の断熱部6aのみによって構成されてなくてもよい。断熱部6の第1の領域と断熱部6の第2の領域とは、第1の断熱部6aと第2の断熱部6bとによって構成されていてもよいし、第1の断熱部6aと第3の断熱部6cとによって構成されていてもよいし、第2の断熱部6bと第3の断熱部6cとによって構成されていてもよい。
【0152】
・冷却材収納部4の表面層42は、メッシュ状でなくてもよい。
・冷却材収納部4は、開閉構造23を省略することもできる。
・開閉構造23は、線ファスナー以外であってもよく、例えば、面ファスナー、ボタンであってもよい。
・ポケット部12のポケット部表面層42Cは、メッシュ状であってもよい。
・ポケット部12は、ポケット部開口部22Cの少なくとも一部を開閉可能な開閉構造を有していてもよい。
【0153】
・第1の後身頃冷却材収納部の後身頃開口部は、第2の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いていなくてもよい。
・第2の後身頃冷却材収納部の後身頃開口部は、第1の後身頃冷却材収納部とは反対の側を向いていなくともよい。
【0154】
・第1の着用状態において、後身頃冷却材収納部4Aは、使用者Xの背中や腰以外に当たってもよい。
・第1の着用状態において、前身頃冷却材収納部4Bは、使用者Xの脇以外に当たってもよい。
・第1の着用状態において、ポケット部12は、使用者Xの胸以外に当たってもよい。
【0155】
・第2の着用状態において、後身頃冷却材収納部4Aは、使用者Xの首以外に当たってもよい。
・第2の着用状態において、前身頃冷却材収納部4Bは、使用者Xの胸以外に当たってもよい。
・第2の着用状態において、ポケット部12は、使用者Xの脇以外に当たってもよい。
【0156】
・冷却服10は、第1の着用状態と第2の着用状態のいずれかの着用状態でしか着用できなくともよいし、3つ以上の着用状態で着用できてもよい。
【0157】
・第1の袖刳り30aは、使用者Xの腕が貫通できればよく、第1の前身頃5aと後身頃9とに完全に囲まれていなくてもよい。
・第2の袖刳り30bは、使用者Xの腕が貫通できればよく、第2の前身頃5bと後身頃9とに完全に囲まれていなくてもよい。
【符号の説明】
【0158】
2 衣服本体、 4 冷却材収納部、 4A 後身頃冷却材収納部、 4B 前身頃冷却材収納部、 4a 第1の後身頃冷却材収納部、 4b 第2の後身頃冷却材収納部、 5 前身頃、 6 断熱部、 8 気体濃度測定器、 9 後身頃、 10 冷却服、 12 ポケット部、 22 開口部、 22A 後身頃開口部、 23 開閉構造、 24 冷却材、 30 袖刳り、 30a 第1の袖刳り、 30b 第2の袖刳り、 42 表面層、 42A 後身頃表面層、 42B 前身頃表面層、 50 ドライアイス生成装置、 60a 第1の分離断熱部、 60b 第2の分離断熱部、 100 冷却システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6