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特開2023-12526呼吸療法においてユーザインタフェースと共に使用される医療用チューブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012526
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】呼吸療法においてユーザインタフェースと共に使用される医療用チューブ
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/08 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
A61M16/08 330
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176787
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2021056949の分割
【原出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】521133872
【氏名又は名称】福展美科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOXXMED LTD.
【住所又は居所原語表記】No.60, Jianjin 2nd Rd., Dongshan Township, Yilan County 269, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】周正▲ウィ▼
(72)【発明者】
【氏名】施詠揚
(72)【発明者】
【氏名】劉文賢
(57)【要約】      (修正有)
【課題】呼吸療法中に呼吸ガスを被験体に供給するための医療用チューブの新しい設計を提供する。
【解決手段】医療用チューブ100は、ユーザインタフェース及び呼吸装置に流体的に接続される。医療用チューブは、管状体110と、管状体の外面に沿って螺旋状に延在する第1リブ120と、必要に応じて第1リブの隣に配置される第2リブと、必要に応じて管状体の外面に沿って螺旋空間が形成されるように第1及び/又は第2リブを被覆する膜とを含む。いくつかの実施形態において、第1リブは、ルーメンと、ルーメンの外部に配置される少なくとも1つのワイヤ122a~dとを含む。他の実施形態において、第1リブには、ルーメンがなく、それを通って延在する1つ以上のワイヤがある。第1リブ又は膜被覆により形成される螺旋空間のルーメンは、被験体の呼吸ガス又は呼気/吸気ガス温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体に呼吸ガスを供給するための医療用チューブであって、
前記医療用チューブは、ユーザインタフェース及び呼吸装置に流体的に接続され、
医療用チューブは、管状体と、第1リブと、膜とを含み、
前記管状体は、前記呼吸装置から前記ユーザインタフェースに呼吸ガスを供給するためのものであり、
前記第1リブは、前記管状体の外面に沿って螺旋状に延在し、少なくとも1つのワイヤを含み、
少なくとも1つの前記ワイヤは、前記第1リブ内に配置されるとともに、前記管状体内の前記呼吸ガスを加熱し、及び/又は前記呼吸ガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成され、
前記膜は、前記管状体の外面に沿って螺旋空間が形成されるように前記第1リブを被覆する、医療用チューブ。
【請求項2】
前記第1リブにはルーメンがない、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項3】
前記第1リブは、それぞれ独立してその外面から延出する1つ以上のリッジ又は溝をさらに含む、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項4】
前記1つ以上のリッジは、それぞれ独立してそれを通って延在する1つ以上のワイヤを含む、請求項3に記載の医療用チューブ。
【請求項5】
前記第1リブの隣に配置される第2リブをさらに含み、
前記第2リブは、少なくとも1つのワイヤを含み、
少なくとも1つの前記ワイヤは、前記第2リブ内に配置され、前記管状体内の前記呼吸ガスを加熱し、及び/又は前記呼吸ガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される、請求項3に記載の医療用チューブ。
【請求項6】
前記管状体の自由端又は外面に配置されるジョイントチューブをさらに含み、
前記ジョイントチューブは、前記螺旋空間に流体的に接続される、請求項3に記載の医療用チューブ。
【請求項7】
請求項1に記載の医療用チューブと、ユーザインタフェースと、呼吸装置とを含む、被験体に対する呼吸療法に使用される呼吸器システムであって、
前記ユーザインタフェースは、請求項1に記載の医療用チューブに流体的に接続され、
前記呼吸装置は、請求項1に記載の医療用チューブに流体的及び電気的に接続され、
前記呼吸装置は、呼吸ガスを提供し、前記ルーメン又は前記螺旋空間内の前記被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスの流量又は圧力を検出するように構成される、呼吸器システム。
【請求項8】
前記第1リブは、それぞれ独立してその外面から延出する1つ以上のリッジ又は溝をさらに含む、請求項7に記載の呼吸器システム。
【請求項9】
前記第1リブの隣に配置される第2リブをさらに含み、
前記第2リブは、少なくとも1つのワイヤを含み、
少なくとも1つの前記ワイヤは、前記第2リブ内に配置され、前記管状体内の前記呼吸ガスを加熱し、及び/又は前記呼吸ガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される、請求項7に記載の呼吸器システム。
【請求項10】
前記管状体の自由端又は外面に配置されるジョイントチューブをさらに含み、
前記ジョイントチューブは、前記ルーメン又は前記螺旋空間に流体的に接続される、請求項7に記載の呼吸器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸療法中に気流を供給するための呼吸療法での使用に適した医療用チューブの新しい設計に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用チューブは、通常、呼吸療法において補助呼吸を必要とする患者に呼吸ガスを供給するために呼吸装置及びユーザインタフェースと共に使用される。動作中に、呼吸装置は、典型的に大気圧よりも高い圧力で呼吸ガスの気流を被験体に提供する。呼吸ガスの気流が特定の望ましいパラメータで供給されることを保証するために、供給される呼吸ガスの量がタイムリーに調整されるように被験体の呼吸ガス及び/又は呼気ガスの経路に沿って様々なセンサを配置することができる。
【0003】
本発明は、従来の医療用チューブの改良設計である。本発明によれば、被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスの流量、圧力及び/又は湿度は、従来技術で一般的に知られている場所(例えば、医療用チューブ又は呼吸装置)以外の場所(例えば、リブのルーメン又は医療用チューブの外面に沿う螺旋空間)から監視することができる。
【発明の概要】
【0004】
以下は、読者に基本的な理解を提供するために、本開示の簡単な概要を示す。この概要は、本開示の広範な概要ではなく、本発明の鍵となる/重要な要素を特定したり、本発明の範囲を描写したりするものではない。その唯一の目的は、本明細書に開示されるいくつかの概念を、後述するより詳細な説明の前触れとして簡略化された形式で提示することである。
【0005】
一態様において、本開示は、呼吸療法中に呼吸ガスを被験体に供給するための医療用チューブに関する。上記医療用チューブは、ユーザインタフェース及び呼吸装置に流体的に接続される。上記医療用チューブは、構造的には管状体と、上記管状体の外面に沿って螺旋状に延在する第1リブとを含む。上記管状体は、呼吸ガスを呼吸装置からユーザインタフェースに供給するように構成される。上記第1リブは、構造的には、ルーメンと、少なくとも1つのワイヤとを含む。上記ルーメンは、上記ユーザインタフェース及び上記呼吸装置に流体的に接続される。上記ワイヤは、ルーメンの外部に配置されるとともに、管状体内の呼吸ガスを加熱し、及び/又は管状体内の呼吸ガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される。
【0006】
本開示の他の実施形態によれば、上記第1リブは、それぞれ独立して上記第1リブから延出する1つ以上のリッジをさらに含む。特定の実施形態において、第2リブは、中実であり、上記第1リブの隣に配置される。他の実施形態によれば、第2リブは、管状体内の呼吸ガスを加熱し、及び/又は管状体内の呼吸ガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される少なくとも1つのワイヤを含む。
【0007】
他の実施形態によれば、上記医療用チューブは、上記第1リブのルーメンに流体的に接続されるように、上記管状体の自由端又は外面に配置されるジョイントチューブをさらに含む。
【0008】
他の実施形態によれば、上記医療用チューブは、上記管状体の外面に沿って螺旋空間が形成されるように、上記第1リブを被覆する膜をさらに含む。非限定的な実施形態において、上記第1リブは、ルーメンを有しても有しなくてもよい。
【0009】
別の態様において、本開示は、被験体に対する呼吸療法に使用される呼吸器システムに関する。上記呼吸器システムは、上記いずれかの実施形態に記載の医療用チューブと、ユーザインタフェースと、呼吸装置とを含む。上記ユーザインタフェースは、上記医療用チューブに流体的に接続される。上記呼吸装置は、上記医療用チューブに流体的及び電気的に接続される。上記呼吸装置は、呼吸ガスを提供するとともに、ルーメン又は螺旋空間内の被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスの流量又は圧力を検出するように構成される。
【0010】
本開示の付随する特徴および利点の多くは、添付の図面に関連して考慮される以下の詳細な説明を参照することでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書は、添付の図面に照らして読まれる以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【0012】
図1】本開示の一実施形態に係る、呼吸療法中に被験体に呼吸ガスを提供するための呼吸器システム10の概略図である。
図2図2Aは、図1の医療用チューブ100の概略図である。図2Bは、図2Aの医療用チューブ100の一部の概略図であり、断面視では第1リブ120を示す。図2C及び2Dは、それぞれ本開示の他の実施形態に係る第1リブ120の断面図である。
図3図3Aから3Cは、それぞれ本開示の特定の実施形態に係る図2Aの医療用チューブ100の一部の概略図であり、断面視では第1及び第2リブ120,140の様々な組み合わせを示す。
図4図4A及び4Bは、本開示のさらなる実施形態に係る医療用チューブ100の一部の概略図である。
図5図5A及び5Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、ジョイントチューブ160に接続される医療用チューブ100の概略図である。
図6図6Aは、本開示の一実施形態に係る医療用チューブ600一部の概略図であり、断面視では第1リブ620を示す。図6B及び6Cは、それぞれ本開示の特定の実施形態に係る医療用チューブ600の一部の概略図であり、断面視では第1リブ620及び第2リブ640を示す。
図7図7Aから7Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る医療用チューブ600の第1リブ620の様々な形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、本実施例の説明を意図したものであり、本実施例を構築または利用することができる唯一の形態を表すことを意図するものではない。以下の説明では、実施例の機能並びに実施例を構成及び操作するための一連のステップについて説明する。ただし、同じ又は同等の機能及び手順は、異なる実施例によって達成される場合がある。
【0014】
便宜上、明細書、実施例及び添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語をここにまとめる。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0015】
単数形「a」、「and」、及び「the」は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数の指示対象を含んで本明細書で使用される。
【0016】
図1は、呼吸療法中に被験体に呼吸ガスの気流を提供する呼吸器システム10を示す概略図である。呼吸器システム10は典型的に少なくとも医療用チューブ100により接続された呼吸装置200とユーザインタフェース300を含む。好ましくは、呼吸装置200、ユーザインタフェース300及び医療用チューブ100は、互いに電気的かつ流体的に接続される。ユーザインタフェース300は、当業者に知られているユーザインタフェースのいずれかであってもよく、マスク、カニューレ、及び鼻ピローを含むが、これらに限定されない。例えば、マスクは、気管マスク、フェイスマスク又は鼻マスクであってもよい。一実施形態において、ユーザインタフェース300は、当業者に知られている鼻カニューレのいずれかであってもよく、例えば、台湾実用新案第M576054U号(その内容が全て参照により本明細書に組み込まれる)に記載の鼻カニューレが挙げられる。呼吸装置200は、当業者に知られており、使用されている呼吸装置のいずれかであってもよい。呼吸装置200は、通常、対象被験体に供給される呼吸ガスの気流を調節するための部品及び回路を含んでもよい。典型的には、呼吸装置200は、呼吸ガス(例えば、酸素ガス又は空気)の気流が所定の圧力、流量、温度及び/又は湿度で医療用チューブ100及びユーザインタフェース300を介して被験体に提供されるように、互いに電気的に接続される呼吸ガス源210、コントローラ220、複数のセンサ230及び加湿器240を含んでもよい。
【0017】
1.本発明の医療用チューブ
図2Aは、本発明の医療用チューブ100を示す概略図である。医療用チューブ100は、構造的には、管状体110と、管状体110の外面に螺旋状に巻き付けられる第1リブ120を含む。好ましくは、管状体110は、他の部品(例えば、アダプタ、ジョイントチューブ等)及び/又は装置(例えば、ユーザインタフェース300、呼吸装置200等)と容易に接続するために、内部中空であり、2つの端部112a,112b(好ましくは、滑腔式端部)を含む。第1リブ120は、それぞれ独立して第1リブ120の全長にわたって延在するルーメン121及び1つ以上のワイヤ122(例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10本のワイヤ)を有する(図2B)。好ましくは、ルーメン121は、図1の呼吸装置200及びユーザインタフェース300に流体的に接続されることによって、被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスの圧力又は流量を監視するためのチャンネルとして作用することができる。1つ以上のワイヤ122は、それぞれ独立して管状体110内の呼吸ガスを加熱し、及び/又は管状体110内の呼吸ガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される。非限定的な実施形態によれば、ワイヤ122は、ルーメン121内のガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される。図2Bに示すように、第1リブ120は、断面が半円筒形であり、2つのワイヤ122a,122bは、それぞれ独立してルーメン121の外側に配置されるように第1リブ120に埋め込まれる。1つのワイヤは、管状体110内の呼吸ガスを加熱するように指定される一方、もう1つのワイヤは、複数のセンサ(図示せず)により管状体110内の呼吸ガスの温度、湿度及び/又は圧力を検出するように指定される。上記複数のセンサは、管状体の中若しくは上に、又は目的に適した任意の位置に配置される。
【0018】
非限定的な実施形態において、ルーメン121は、被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスが通過可能な通気チャンネルとして作用し、これによって、ルーメン121内のガスのパラメータ(例えば、温度、圧力、流量、湿度等)の監視に有用であり、呼吸装置200から供給される上記呼吸ガスは、加圧ガスとしてもルーメン121を直接通過しない。従って、呼吸装置200から供給される呼吸ガスを通過させる管状体110のチャンネルは、ルーメン121のチャンネルと異なる。好ましい実施形態において、パラメータは、被験体の呼気及び/又は吸気ガスの流量又は圧力である。測定された流量又は圧力値は、被験体の鼻腔内の圧力の基準値として使用され得る。
【0019】
別の実施形態において、第1リブ120は、それぞれ独立して第1リブ120の上部外面又は一方の側面から延出する1つ以上のリッジ123(図2C及び2D)をさらに含み、第1リブ120を通過する2つのワイヤ122a,122bを含む点で図2Bの第1リブ120と異なる。図2Cに示される実施形態において、2つのリッジ123a,123bは、それぞれ第1リブ120の外面から延出するとともに、それぞれ独立してリッジ123a,123bを通過するワイヤ122c,122dを含む。図2Dに示される実施形態において、第1リブ120は、第1リブ120の外面の片側から延出する1つのリッジ123を含み、第1リブ120を通過する2つのワイヤ122a,122bを含む点で図2Bの第1リブ120と異なる。なお、リッジにはワイヤがなくてもよい。いくつかの例において、リッジには、図2C又は2Dに示される場合と対照的にワイヤが1つもなくてもよい。
【0020】
さらなる実施形態において、第1リブ120に加えて、医療用チューブ100は、それぞれ独立して管状体110の外面に沿って第1リブ120と平行に延在する1つ以上の第2リブ140(例えば、1つ、2つ又は3つの第2リブ)をさらに含んでもよい(図3Aから3C)。第2リブ140は、その形状、サイズ及び/又は構造が第1リブ120と同じでも異なってもよい。図3A及び図3Bに示される両方の実施形態において、第2リブ140は、ルーメン121を有しない点で第1リブ120と異なる。さらに、図3Bに示される第2リブ140は、図3Aの第2リブ140に比べて、サイズが遥かに小さい。図3Cに示される実施形態において、医療用チューブ100は、互いに平行であるとともに、それぞれ管状体110の外面に沿って螺旋状に延在する1つの第1リブ120及び3つの第2リブ140a,140b,140cを有する。さらに、図3A又は3Bに示されると同様に、第2リブ140a,140b,140cのそれぞれは、ルーメンを有しない点で第1リブ120と異なる。さらに、第1及び第2リブは、それぞれ管状体110と一体形成されてもよいか、又は管状体110の外面に取り外し可能に巻き付けられるように管状体110と独立して形成されてもよい。
【0021】
さらに、医療用チューブ100は、第1リブ120及び/又は第2リブ140が膜150に埋め込まれるとともに管状体110の外面に沿って螺旋空間151が形成されるように、膜150により被覆されてもよい(図4A及び4B)。第1リブ120のルーメン121と同様に、螺旋空間151は被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスを通過させる通気チャンネルとしても作用するため、螺旋空間151内のガスのパラメータ(例えば、温度、圧力、流量、湿度等)の監視に有用である。一実施形態によれば、呼吸装置200から供給される呼吸ガスは、加圧ガスとしても螺旋空間151を通過しない。従って、呼吸装置200から供給される呼吸ガスを通過させる管状体110のチャンネルは、螺旋空間151のチャンネルと異なる。
【0022】
図4Aに示される実施形態において、管状体110は、その外面に第1及び第2リブ120,140の両方が巻き付けられてから膜150により被覆される。これに対し、図4Bに示される実施形態において、管状体110は、その外面に第1リブ120が巻き付けられてから膜150により被覆され、さらに膜150の外面に第2リブ140が巻き付けられる。従って、第1リブ120は、膜150内に埋め込まれ、第2リブ140は、膜150上に配置されるとともに、管状体110を被覆した膜150の外面に沿って螺旋状に延在する。図4A又は4Bに示されるいずれかの実施形態において、膜被覆により、管状体110の外面に沿って螺旋空間151が形成される。これによって、呼吸療法中に被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスを監視することが可能であるため、十分量の呼吸ガスが被験体に供給されたかを判断することができる。
【0023】
呼吸療法中に呼吸装置200から供給される被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスを監視する目的から、医療用チューブ100は、図4A及び4Bに示される第1リブ120のルーメン121又は膜被覆による螺旋空間151に流体的に接続されるジョイントチューブ160をさらに含んでもよい(図5A、5B)。これによって、被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスの圧力又は流量が監視及び/又は確定され得る。図5A及び5Bに示すように、ジョイントチューブ160は、その本体内に通気管162が形成される。通気管162は、上記第1リブ120のルーメン121又は膜被覆による螺旋空間151に流体的に接続される。これによって、被験体の呼気ガス及び/又は吸気ガスの流量又は圧力は確定され得る。ジョイントチューブ160は、少なくとも、外面に第1リブ120が螺旋状に延在した管状体の一部、及び管状体110の自由端112をカバーできるサイズ(例えば、長さ)を有する(図5A)。或いは、ジョイントチューブ160は、管状体110の自由端112をカバーせず、外面に第1リブ120が巻き付けられた管状体110の一部をカバーするのに十分なサイズを有する(図5B)。
【0024】
さらに、管状体又はジョイントチューブは、同じ又は異なる材料で作製され得る。管状体及び/又はジョイントチューブの製造に適した材料の例には、シリコーン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカプロラクトン(PCL)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリスルホン(PSU)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートグリコール(PCTG)、熱可塑性エラストマー(TPE)、サーモポリウレタン(TPU)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性スチレン(TPS)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPA)、HYTEL(登録商標)等が含まれるが、これらに限定されない。別の実施形態において、管状体及び/又はジョイントチューブの製造に適した材料には、発泡材料が含まれるが、これに限定されない。
【0025】
2.本発明の医療用チューブの代替設計
この代替設計における医療装置は、管状体と、管状体の外面に螺旋状に巻き付けられる第1リブと、第1リブを被覆する膜とを含む。さらに、この実施形態の医療用チューブは、管状体の滑腔端に接続されるジョイントチューブをさらに含む。この代替設計における管状体、膜、及びジョイントチューブは、本明細書のセクション1で説明されたものと同じであるため、ここで説明を省略する。この代替設計における第1リブは、ルーメンがない点でセクション1(例えば、図2A)と異なる。
【0026】
図6Aは、本明細書の第1リブの代替設計を有する医療用チューブ600の一部を示す概略図である。医療用チューブ600は、管状体610と、管状体610の外面に沿って螺旋状に延在する第1リブ620と、管状体610の外面に沿って螺旋空間652が形成されるように第1リブ620を被覆する膜650と、を含む。この実施形態において、第1リブ620は、ルーメンを有せず、構造的には、第1リブ620を通過する1つ以上のワイヤ622を含む。1つ以上のワイヤ622は、それぞれ独立して管状体610内の呼吸ガスを加熱し、及び/又は管状体610内の呼吸ガスの温度、湿度、流量又は圧力を検出するように構成される。図6Aに示すように、第1リブ620は、第1リブ620の全長にわたって延在する2つのワイヤ642を有する。そのうち、1つのワイヤ642は、管状体610内の呼吸ガスを加熱するように指定され、もう1つのワイヤ642は、複数のセンサ(図示せず)により管状体610内の呼吸ガスの温度、湿度、流量及び/又は圧力を検出するように指定される。上記複数のセンサは、管状体の中若しくは上、又は目的に適した任意の位置に配置される。膜被覆により形成された螺旋空間652は、通気チャンネルとしても作用し、図4A又は4Bに示される螺旋空間152と同様であるため、ここで説明を省略する。
【0027】
さらに、第1リブ620に加えて、医療用チューブ600は、それぞれ独立して管状体610の外面に沿って第1リブ620と平行に延出する1つ以上の第2リブ640(例えば、1つ、2つ又は3つの第2リブ)をさらに含んでもよい(図6B及び6C)。第2リブ640は、形状、サイズ及び/又は構造には、第1リブ620と同じでも異なってもよい。図6Bに示される実施形態において、第2リブ640は第1リブ620と同じである一方、図6Cに示される実施形態において、第2リブ640は第1リブ620に比べてサイズが遥かに小さい。さらに、第1リブ620と同様に、各第2リブ640は、それを通過する1つ以上のワイヤ642を含んでもよい。さらに、第1及び第2リブは、それぞれ管状体610と一体形成されてもよいか、又は管状体610の外面に取り外し可能に巻き付けられるように管状体610と独立して形成されてもよい。
【0028】
図7A及び7Bに示されるように、第1リブ620は、それぞれ独立して第1リブ620の外面から延出する1つ以上のリッジ623をさらに含む点で図6A第1リブ620と異なる。図7Aに示される実施形態において、2つのリッジ623a,623bは、それぞれ独立して第1リブ620の上部外面から延出するとともに、それらを通過するワイヤ622c,622dを含む。第1リブ620は、それを通過する2つのワイヤ622a,622bを含む。図7Bに示される実施形態において、第1リブ620は、その外面の片側から延出する1つのリッジ623をさらに含むとともに第1リブ620を通過する2つのワイヤ622a,622bを含む点で図6Aの第1リブ620と異なる。なお、リッジにはワイヤがなくてもよい。いくつかの例において、リッジには、図7A又は7Bに示される場合と対照的にワイヤが1つもなくてもよい。
【0029】
図7Cは、本発明の医療用チューブ600に適用される第1リブ620の代替形態を示す。この実施形態における第1リブ620は、その本体の片側に形成されるとともにその全長にわたって延在する溝660と、第1リブ620に埋め込まれる2つのワイヤ622a,622bとを有する。
【0030】
上記の実施形態の説明は、例としてのみ与えられており、当業者によって様々な修正を行うことができることが理解され得る。上記の仕様、例、及びデータは、本発明の例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態は、ある程度の特殊性をもって、又は1つ若しくは複数の実施形態を参照して上記のように説明されたが、当業者は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7