(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125287
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】アンテナシステム、特定装置、プログラム、及び特定方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/20 20060101AFI20230831BHJP
G01R 29/10 20060101ALI20230831BHJP
H04B 7/10 20170101ALI20230831BHJP
【FI】
H01Q3/20
G01R29/10 E
H04B7/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029291
(22)【出願日】2022-02-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保前 俊稀
(72)【発明者】
【氏名】豊見本 和馬
(72)【発明者】
【氏名】山口 良
(72)【発明者】
【氏名】宮下 真行
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 歩
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021AB07
5J021BA01
5J021CA06
5J021DA03
5J021DA04
5J021DA07
5J021EA02
5J021FA13
5J021FA30
5J021GA02
5J021JA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】受信電波強度が最大となる出射方向と受信指向方向との組み合わせを特定するアンテナシステム、特定装置、プログラム及び特定方法を提供する。
【解決手段】アンテナシステム10は、テラヘルツ波帯の電波を放射する電波放射部と、電波放射部が放射した電波を反射して外部に出射する第1反射部と、第1反射部を電波放射部に対して回転移動することによって電波の外部への出射方向を変更する出射方向変更部とを有する第1アンテナ装置100と、電波受信部と、外部からの電波を電波受信部に向けて反射する第2反射部と、第2反射部を電波受信部に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更する指向方向変更部とを有する第2アンテナ装置200と、第1アンテナ装置100による複数の出射方向毎の電波の、第2アンテナ装置200による受信電波強度が最大となる受信指向方向を特定する特定部を有する特定装置400と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ波帯の電波を放射する電波放射部と、前記電波放射部が放射した電波を反射して外部に出射する第1反射部と、前記第1反射部を前記電波放射部に対して回転移動することによって前記電波の外部への出射方向を変更する出射方向変更部とを有する第1アンテナ装置と、
電波受信部と、外部からの電波を前記電波受信部に向けて反射する第2反射部と、前記第2反射部を前記電波受信部に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更する指向方向変更部とを有する第2アンテナ装置と、
前記第1アンテナ装置による複数の前記出射方向毎の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定することにより、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向と前記受信指向方向との組み合わせを特定する特定部を有する特定装置と
を備えるアンテナシステム。
【請求項2】
前記特定部は、前記複数の出射方向毎に、複数の前記受信指向方向毎の前記受信電波強度を比較することによって、前記受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定する、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記特定装置は、
前記第1アンテナ装置及び前記第2アンテナ装置を制御するアンテナ装置制御部を有する、
請求項1又は2に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置に、複数の出射方向のうちの第1の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御する、請求項3に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置による前記第1の出射方向の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度の測定が終了した後、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を回転させることによって、前記複数の出射方向のうちの第2の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御する、請求項4に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記特定部は、前記複数の出射方向のそれぞれについて、前記受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定する、請求項5に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記特定部は、前記複数の受信指向方向のそれぞれについて、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向を特定する、請求項5又は6に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置による前記第1の出射方向の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度の測定が終了した後、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を回転させ、かつ、前記第1反射部の角度を調整することによって、前記第2の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させ、かつ、前記第2反射部の角度を調整することによって、前記複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御する、請求項5から7のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を予め設定された設定角度毎に回転させることによって、前記第1アンテナ装置に、前記複数の出射方向のそれぞれに電波を出射させる、請求項5から8のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
前記アンテナ装置制御部は、前記第2アンテナ装置の、前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度に応じて、前記設定角度を調整する、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置の放射パターンの半値幅に応じて、前記設定角度を調整する、請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項12】
テラヘルツ波帯の電波を放射する電波放射部と、前記電波放射部が放射した電波を反射して外部に出射する第1反射部と、前記第1反射部を前記電波放射部に対して回転移動することによって前記電波の外部への出射方向を変更する出射方向変更部とを有する第1アンテナ装置による複数の前記出射方向毎の電波の、電波受信部と、外部からの電波を前記電波受信部に向けて反射する第2反射部と、前記第2反射部を前記電波受信部に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更する指向方向変更部とを有する第2アンテナ装置による受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定することにより、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向と前記受信指向方向との組み合わせを特定する特定部
を備える、特定装置。
【請求項13】
前記第1アンテナ装置及び前記第2アンテナ装置を制御するアンテナ装置制御部を備え、
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置に、複数の出射方向のうちの第1の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御する、請求項12に記載の特定装置。
【請求項14】
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置による前記第1の出射方向の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度の測定が終了した後、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を回転させることによって、前記複数の出射方向のうちの第2の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御する、請求項13に記載の特定装置。
【請求項15】
コンピュータを、請求項12から14のいずれか一項に記載の特定装置として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータによって実行される特定方法であって、
テラヘルツ波帯の電波を放射する電波放射部と、前記電波放射部が放射した電波を反射して外部に出射する第1反射部と、前記第1反射部を前記電波放射部に対して回転移動することによって前記電波の外部への出射方向を変更する出射方向変更部とを有する第1アンテナ装置による複数の前記出射方向毎の電波の、電波受信部と、外部からの電波を前記電波受信部に向けて反射する第2反射部と、前記第2反射部を前記電波受信部に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更する指向方向変更部とを有する第2アンテナ装置による受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定することにより、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向と前記受信指向方向との組み合わせを特定する特定段階
を備える特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナシステム、特定装置、プログラム、及び特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マイクロ波、ミリ波、及びテラヘルツ波を用いたアンテナについて記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2018-198349号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、アンテナシステムが提供される。前記アンテナシステムは、第1アンテナ装置と、第2アンテナ装置と、特定装置とを備えてよい。前記第1アンテナ装置は、テラヘルツ波帯の電波を放射する電波放射部を有してよい。前記第1アンテナ装置は、前記電波放射部が放射した電波を反射して外部に出射する第1反射部を有してよい。前記第1アンテナ装置は、前記第1反射部を前記電波放射部に対して回転移動することによって前記電波の外部への出射方向を変更する出射方向変更部を有してよい。前記第2アンテナ装置は、電波受信部を有してよい。前記第2アンテナ装置は、外部からの電波を前記電波受信部に向けて反射する第2反射部を有してよい。前記第2アンテナ装置は、前記第2反射部を前記電波受信部に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更する指向方向変更部を有してよい。前記特定装置は、前記第1アンテナ装置による複数の前記出射方向毎の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定することにより、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向と前記受信指向方向との組み合わせを特定する特定部を有してよい。
【0004】
前記特定部は、前記複数の出射方向毎に、複数の前記受信指向方向毎の前記受信電波強度を比較することによって、前記受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定してよい。前記特定装置は、前記第1アンテナ装置及び前記第2アンテナ装置を制御するアンテナ装置制御部を有してよい。前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置に、複数の出射方向のうちの第1の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置による前記第1の出射方向の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度の測定が終了した後、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を回転させることによって、前記複数の出射方向のうちの第2の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。前記特定部は、前記複数の出射方向のそれぞれについて、前記受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定してよい。前記特定部は、前記複数の受信指向方向のそれぞれについて、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向を特定してよい。
【0005】
前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置による前記第1の出射方向の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度の測定が終了した後、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を回転させ、かつ、前記第1反射部の角度を調整することによって、前記第2の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させ、かつ、前記第2反射部の角度を調整することによって、前記複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を予め設定された設定角度毎に回転させることによって、前記第1アンテナ装置に、前記複数の出射方向のそれぞれに電波を出射させてよい。前記アンテナ装置制御部は、前記第2アンテナ装置の、前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度に応じて、前記設定角度を調整してよい。前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置の放射パターンの半値幅に応じて、前記設定角度を調整してよい。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、特定装置が提供される。特定装置は、テラヘルツ波帯の電波を放射する電波放射部と、前記電波放射部が放射した電波を反射して外部に出射する第1反射部と、前記第1反射部を前記電波放射部に対して回転移動することによって前記電波の外部への出射方向を変更する出射方向変更部とを有する第1アンテナ装置による複数の前記出射方向毎の電波の、電波受信部と、外部からの電波を前記電波受信部に向けて反射する第2反射部と、前記第2反射部を前記電波受信部に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更する指向方向変更部とを有する第2アンテナ装置による受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定することにより、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向と前記受信指向方向との組み合わせを特定する特定部を備えてよい。
【0007】
前記特定装置は、前記第1アンテナ装置及び前記第2アンテナ装置を制御するアンテナ装置制御部を備えてよく、前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置に、複数の出射方向のうちの第1の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。前記アンテナ装置制御部は、前記第1アンテナ装置による前記第1の出射方向の電波の、前記第2アンテナ装置による受信電波強度の測定が終了した後、前記第1アンテナ装置に、前記第1反射部を回転させることによって、前記複数の出射方向のうちの第2の出射方向に電波を出射させ、前記第2アンテナ装置に、前記第2反射部を回転させることによって、複数の受信指向方向での前記第1アンテナ装置からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記特定装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される特定方法が提供される。前記特定方法は、テラヘルツ波帯の電波を放射する電波放射部と、前記電波放射部が放射した電波を反射して外部に出射する第1反射部と、前記第1反射部を前記電波放射部に対して回転移動することによって前記電波の外部への出射方向を変更する出射方向変更部とを有する第1アンテナ装置による複数の前記出射方向毎の電波の、電波受信部と、外部からの電波を前記電波受信部に向けて反射する第2反射部と、前記第2反射部を前記電波受信部に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更する指向方向変更部とを有する第2アンテナ装置による受信電波強度が最大となる前記受信指向方向を特定することにより、前記受信電波強度が最大となる前記出射方向と前記受信指向方向との組み合わせを特定する特定段階を備えてよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】アンテナシステム10の一例を概略的に示す。
【
図2】アンテナシステム10の一例を概略的に示す。
【
図3】アンテナシステム10の一例を概略的に示す。
【
図4】アンテナシステム10における測定処理の一例について説明するための説明図である。
【
図5】アンテナシステム10における測定処理の一例について説明するための説明図である。
【
図6】アンテナシステム10における測定処理の一例について説明するための説明図である。
【
図7】特定装置400の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図8】アンテナ装置制御部406によるAS調整について説明するための説明図である。
【
図9】特定装置400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
従来の移動体通信の周波数における到来方向・出射方向測定では、送信と受信に角度分解能の高いアレーアンテナを使用することが多い。しかし、テラヘルツ波帯では、デバイスのコストが高かったり、デバイスに研究開発段階のものが多かったりすることから、アンテナ素子及びポート数を増やすことは容易ではなく、アレーアンテナを使用する測定手法は現実的ではない。本実施形態に係るアンテナシステムは、例えば、送信と受信の双方向に回転反射鏡アンテナを使用して、テラヘルツ波帯の到来方向/出射方向を測定可能とする。回転反射鏡アンテナは、例えば、水平方向に360度回転操作可能なオフセットパラボラアンテナであり、テラヘルツ波帯において高利得・狭ビーム・低サイドローブ特性を有してよい。本アンテナにより、アンテナ素子及びポート数は送信と受信の1素子1ポートずつで測定が可能となる。
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1、
図2、
図3は、アンテナシステム10の一例を概略的に示す。アンテナシステム10は、アンテナ装置100、アンテナ装置200、測定部300、及び特定装置400を備えてよい。
【0015】
本実施形態に係るアンテナシステム10においては、特定装置400が、アンテナ装置100とアンテナ装置200とが通信するための適切な電波の出射方向及び受信指向方向を特定するための処理を実行する。本例においては、アンテナ装置100を送信側、アンテナ装置200を受信側として説明する。アンテナ装置100は、第1アンテナ装置の一例であってよい。アンテナ装置200は、第2アンテナ装置の一例であってよい。
【0016】
アンテナ装置100は、筐体102、導波管104、電波放射部108、台座110、支持部112、反射部114、モータ116、センサ118、周波数変換器120、及び制御部150を備える。
【0017】
電波放射部108は、電波を放射する。電波放射部108は、テラヘルツ帯の電波を放射してよい。電波放射部108は、周波数変換器120から導波管104を介して伝搬されたテラヘルツ帯の電波を放射してよい。電波放射部108は、ホーンアンテナであってよい。電波放射部108から放射された電波は、台座110に固定された支持部112に支持されている反射部114によって反射されて、外部に向けて出射される。
【0018】
反射部114は、反射板であってよい。反射部114の形状は、電波放射部108によって放射される電波を反射することができればどのような形状であってもよい。反射部114は、例えば、パラボラ形状である。反射部114は、板状であってもよい。反射部114は、第1反射部の一例であってよい。
【0019】
制御部150は、各種制御を実行する。制御部150は、出射方向変更部152を有する。
【0020】
出射方向変更部152は、反射部114を調整することによって電波の外部への出射方向を変更する。出射方向変更部152は、反射部114を電波放射部108に対して回転移動することによって、電波の外部への出射方向を変更してよい。出射方向変更部152は、例えば、モータ116によって台座110を回転させることによって、反射部114を電波放射部108に対して回転移動させる。出射方向変更部152は、特定装置400から受け付けた指示に応じて、指示された回転位置に反射部114を回転移動させてよい。
【0021】
出射方向変更部152は、モータ116の制御量によって、反射部114の回転位置を把握してよい。出射方向変更部152は、センサ118を用いて、反射部114の回転位置を把握してもよい。
【0022】
センサ118は、反射部114の回転位置を特定可能であれば、どのようなものであってもよい。例えば、センサ118は、台座110の回転量を直接計測可能なセンサであってよい。また、例えば、センサ118は、台座110を撮像したり、反射部114を撮像したりすることによって、反射部114の回転位置を特定可能なセンサであってもよい。
【0023】
アンテナ装置200は、筐体202、導波管204、電波受信部208、台座210、支持部212、反射部214、モータ216、センサ218、周波数変換器220、及び制御部250を備える。
【0024】
電波受信部208は、電波を受信する。電波受信部208は、テラヘルツ帯の電波を受信してよい。電波受信部208は、ホーンアンテナであってよい。
【0025】
反射部214は、外部からの電波を電波受信部208に向けて反射する。反射部214は、反射板であってよい。反射部214の形状は、外部からの電波を電波受信部208に向けて反射することができればどのような形状であってもよい。反射部214は、例えば、パラボラ形状である。反射部214は、板状であってもよい。反射部214は、第2反射部の一例であってよい。
【0026】
制御部250は、各種制御を実行する。制御部250は、指向方向変更部252を有する。
【0027】
指向方向変更部252は、反射部214を調整することによって、反射部214及び電波受信部208による受信指向方向を変更する。指向方向変更部252は、反射部214を電波受信部208に対して回転移動することによって、受信指向方向を変更してよい。指向方向変更部252は、例えば、モータ216によって台座210を回転させることによって、反射部214を電波受信部208に対して回転移動させる。指向方向変更部252は、特定装置400から受け付けた指示に応じて、指示された回転位置に反射部214を回転移動させてよい。
【0028】
指向方向変更部252は、モータ216の制御量によって、反射部214の回転位置を把握してよい。指向方向変更部252は、センサ218を用いて、反射部214の回転位置を把握してもよい。
【0029】
センサ218は、反射部214の回転位置を特定可能であれば、どのようなものであってもよい。例えば、センサ218は、台座210の回転量を直接計測可能なセンサであってよい。また、例えば、センサ218は、台座210を撮像したり、反射部214を撮像したりすることによって、反射部214の回転位置を特定可能なセンサであってもよい。
【0030】
測定部300は、アンテナ装置100によって出射された電波の、アンテナ装置200による受信電波強度の測定を実行する。測定部300は、アンテナ装置100に、テラヘルツ帯の電波を出射させ、アンテナ装置200が受信した電波の電波強度を測定してよい。例えば、測定部300による測定用の電波を、アンテナ装置100の周波数変換器120がアップコンバートして、電波放射部108が放射して、反射部114が反射することによって、電波が出射される。そして、当該電波を、アンテナ装置200の反射部214が電波受信部208に対して反射し、周波数変換器220がダウンコンバートして、測定部300に対して出力される。これにより、測定部300は、アンテナ装置200による受信電波強度を測定する。
【0031】
測定部300は、例えば、ベクトルネットワークアナライザである。測定部300は、スペクトラムアナライザ及びシグナルジェネレータであってもよい。
【0032】
特定装置400は、アンテナ装置100による複数の出射方向毎の電波の、アンテナ装置200による受信電波強度の測定を実行するよう制御する。特定装置400は、制御部150及び制御部250に対して指示することによって、アンテナ装置100の出射方向と、アンテナ装置200の受信指向方向とを適宜変化させながら、測定部300を用いて、アンテナ装置100の電波の、アンテナ装置200による受信電波強度の測定を実行する。特定装置400は、受信電波強度が最大となる、アンテナ装置100による出射方向と、アンテナ装置200による受信指向方向との組み合わせを特定してよい。
【0033】
特定装置400と測定部300とは別体であってよい。特定装置400と測定部300とは一体であってもよい。例えば、特定装置400が測定部300を内蔵してもよい。
【0034】
図4、
図5、
図6は、アンテナシステム10における測定処理の一例について説明するための説明図である。
図4では、アンテナ装置100及びアンテナ装置200を上側から見た場合の、アンテナ装置100による出射方向と、アンテナ装置200による受信指向方向の座標系の一例を示す。ここでは、アンテナ装置100による出射方向をφ
Tx、アンテナ装置200による受信指向方向をφ
Rxと記載する。φ
Txは、反射部114の回転移動によって変化し、φ
Rxは、反射部214の回転移動によって変化する。
【0035】
図5は、アンテナシステム10における測定処理の流れの一例を概略的に示す。ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102において、特定装置400の指示に従って、アンテナ装置100が、出射方向を-180°にセットする。
【0036】
S104では、特定装置400の指示に従って、アンテナ装置200が受信指向方向を360°回転しながら、測定部300が受信電波強度を測定する。特定装置400は、予め定められた角度、受信指向方向を回転させる毎に、受信電波強度の測定を実行する。例えば、特定装置400は、受信指向方向を0.1°回転させる毎に、受信電波強度の測定を実行する。なお、0.1°は例示であり、他の角度であってもよい。
【0037】
S106では、アンテナ装置100の出射方向が180°より大きいか否かを判定する。大きいと判定した場合、S110に進み、大きくないと判定した場合、S108に進む。S108では、特定装置400の指示に従って、アンテナ装置100が、出射方向を予め定められたAS(Angular Step)の分、回転する。ASは、例えば、0.2°であってよいが、0.2°は例示であり、他の角度であってもよい。そして、S104に戻る。
【0038】
S110では、特定装置400が、全測定データから、DOA(Direction of Arrival)スペクトラムについて、φRx毎の受信電波強度の最大値を抽出し、DOD(Direction of Departure)スペクトラムについて、φTx毎の最大値を抽出する。
【0039】
図6は、測定結果を記録する測定結果テーブル500の概念図である。ここでは、受信指向方向を0.1°ずつ回転させ、出射方向をASずつ回転させた場合を例示する。測定結果テーブル500には、ASずつ回転させた複数の出射方向のそれぞれについて、0.1°ずつ回転させた複数の受信指向方向毎の受信電波強度が記録される。
【0040】
特定装置400は、測定結果テーブル500の各行について、受信電波強度が最大の受信指向方向を特定することによって、DODスペクトラムを生成してよい。特定装置400は、DODスペクトラムによって、受信電波強度が最大となる出射方向を特定してよい。
【0041】
特定装置400は、測定結果テーブル500の各列について、受信電波強度が最大の出射方向を特定してすることによって、DOAスペクトラムを生成してよい。特定装置400は、DOAスペクトラムによって、受信電波強度が最大となる受信指向方向を特定してよい。
【0042】
特定装置400は、測定結果テーブル500における最大の受信電波強度を特定することによって、受信電波強度が最大となる出射方向と受信指向方向との組み合わせを特定してよい。
【0043】
図7は、特定装置400の機能構成の一例を概略的に示す。特定装置400は、記憶部402、設定部404、アンテナ装置制御部406、測定制御部408、特定部410、及び出力制御部412を備える。
【0044】
記憶部402は、各種情報を記憶する。記憶部402は、例えば、測定時に、受信指向方向を回転させる角度を記憶する。記憶部402は、例えば、測定時に、出射方向を回転させるASを記憶する。
【0045】
設定部404は、各種設定を実行する。設定部404は、例えば、測定時に、受信指向方向を回転させる角度を設定する。設定部404は、例えば、測定時に、出射方向を回転させるASを設定する。
【0046】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100を制御する。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100に対して指示を送信することによって、出射方向変更部152に、出射方向を変更させてよい。
【0047】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置200を制御するアンテナ装置制御部406は、アンテナ装置200に対して指示を送信することによって、指向方向変更部252に、受信指向方向を変更させてよい。
【0048】
測定制御部408は、アンテナ装置100及びアンテナ装置200に対する測定を制御する。測定制御部408は、アンテナ装置100に、テラヘルツ帯の電波を出射させ、アンテナ装置200が当該電波を受信した受信電波強度を測定するように、測定部300を制御してよい。アンテナ装置制御部406及び測定制御部408は、測定結果を記憶部402に記憶させる。
【0049】
特定部410は、アンテナ装置100による複数の出射方向毎の電波の、アンテナ装置200による受信電波強度が最大となる受信指向方向を特定することにより、受信電波強度が最大となる出射方向と受信指向方向との組み合わせを特定する。特定部410は、アンテナ装置100による複数の出射方向毎に、アンテナ装置200による複数の受信指向方向毎の受信電波強度を比較することによって、受信電波強度が最大となる受信指向方向を特定してよい。
【0050】
アンテナ装置制御部406は、測定制御部408と連携して、アンテナ装置100の制御部150、アンテナ装置200の制御部250、及び測定部300を制御してよい。アンテナ装置制御部406は、例えば、アンテナ装置100に、複数の出射方向のうちの第1の出射方向に電波を出射させ、アンテナ装置200に、反射部214を回転させることによって、複数の受信指向方向でのアンテナ装置100からの電波の受信電波強度を測定するように制御する。
【0051】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100による第1の出射方向の電波の、アンテナ装置200による受信電波強度の測定が終了した後、アンテナ装置100に、反射部114を回転させることによって、複数の出射方向のうちの第2の出射方向に電波を出射させ、アンテナ装置200に、反射部214を回転させることによって、複数の受信指向方向でのアンテナ装置100からの電波の受信電波強度を測定するように制御してよい。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100の複数の出射方向のうちの他の出射方向についても、同様の測定を実行するよう制御する。
【0052】
特定部410は、記憶部402に記憶された測定結果を用いて、アンテナ装置100による複数の出射方向毎の電波の、アンテナ装置200による受信電波強度が最大となる受信指向方向を特定することにより、受信電波強度が最大となる出射方向と受信指向方向との組み合わせを特定する。これにより、アレーアンテナを構成することなく、最適なアンテナ装置100の出射方向及びアンテナ装置200の受信指向方向を特定することができる。
【0053】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100とアンテナ装置200とが実際に通信を行う場合、特定部410によって特定された、受信電波強度が最大となる出射方向と受信指向方向との組み合わせに従って、アンテナ装置100の出射方向と、アンテナ装置200の受信指向方向とを制御してよい。アンテナ装置制御部406は、特定部410によって特定された組み合わせの出射方向及び受信指向方向となるように、出射方向変更部152及び指向方向変更部252に指示してよい。
【0054】
出力制御部412は、特定部410によって特定された、受信電波強度が最大となる出射方向と受信指向方向との組み合わせを出力するよう制御する。出力制御部412は、例えば、特定装置400が備えるディスプレイに当該組み合わせを表示出力させたり、アンテナ装置100及びアンテナ装置200の管理者等の通信端末に当該組み合わせを送信出力したりしてよい。
【0055】
特定部410は、記憶部402に記憶された測定結果を用いて、アンテナ装置100の複数の出射方向のそれぞれについて、受信電波強度が最大となるアンテナ装置200の受信指向方向を特定してよい。出力制御部412は、特定部410による当該特定結果を出力するよう制御してよい。
【0056】
特定部410は、記憶部402に記憶された測定結果を用いて、複数の受信指向方向のそれぞれについて、受信電波強度が最大となる受信指向方向を特定してよい。出力制御部412は、特定部410による当該特定結果を出力するよう制御してよい。
【0057】
アンテナ装置制御部406は、上述したように、アンテナ装置100に、反射部114を予め設定された設定角度毎に回転させることによって、アンテナ装置100に、複数の出射方向のそれぞれに電波を出射させてよい。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100に、記憶部402に記憶されているAS毎に、反射部114を回転させてよい。
【0058】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置200の、アンテナ装置100からの電波の受信電波強度に応じて、ASを調整してもよい。例えば、アンテナ装置制御部406は、受信電波強度が比較的高い範囲では、ASを小さくし、受信電波強度が比較的低い範囲では、ASを大きくする。具体例として、アンテナ装置制御部406は、受信電波強度が予め定められた閾値より高い場合に、ASを第1の値とし、受信電波強度が予め定められた閾値より低い場合に、ASを、第1の値よりも大きい第2の値とする。例えば、アンテナ装置100及びアンテナ装置200が、開放空間において、
図4に示すように配置されている場合、出射方向がアンテナ装置200側の場合に、ASが小さくなり、出射方向がアンテナ装置200側とは反対側の場合に、ASが大きくなる。これにより、測定を効率化することができる。
【0059】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100の放射パターンの半値幅に応じて、ASを調整してもよい。例えば、アンテナ装置制御部406は、半値幅が比較的狭い範囲では、ASを小さくし、半値幅が比較的広い範囲では、ASを大きくする。例えば、アンテナ装置制御部406は、半値幅が予め定められた閾値より狭い場合、ASを第1の値とし、半値幅が予め定められた閾値より広い場合、ASを、第1値よりも大きい第2の値とする。具体例として、測定に高角度分解能が求められる場合は、アンテナ装置100に半値幅が比較的狭くなる反射部114を使用し、アンテナ装置制御部406は、ASを小さくする。例えば、測定に高分解能が求められない場合は、アンテナ装置100に半値幅が比較的広くなる反射部114を使用し、アンテナ装置制御部406は、ASを大きくする。これにより、測定を効率化することができる。
【0060】
特定部410は、上述したように、アンテナ装置制御部406及び測定制御部408によって実行された測定の測定結果を用いてよい。また、特定部410は、特定装置400が主体となって測定するのではなく、アンテナ装置100及びアンテナ装置200の管理者等が主体となって測定された測定結果を用いてもよい。この場合、特定装置400は、アンテナ装置制御部406及び測定制御部408を備えなくてもよく、管理者等によって測定結果が記憶部402に記憶されてよい。
【0061】
なお、上記実施形態では、アンテナ装置100の出射方向及びアンテナ装置200の受信指向方向を、水平方向に回転させることによって変更する場合を主に例に挙げて説明したが、これに限らず、水平方向に回転させるとともに、垂直方向に角度を調整するようにしてもよい。垂直方向の角度の調整は、例えば、反射部114及び反射部214の垂直方向の角度を変更可能に構成することによって、実現される。また、垂直方向の角度の調整は、例えば、電波放射部108及び電波受信部208の方向を変更可能に構成することによって、実現される。垂直方向の角度の調整は、このほか、任意の手法によって実現されてもよい。
【0062】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100に、複数の出射方向のうちの第1の出射方向に電波を出射させ、アンテナ装置200に、反射部214を回転させ、かつ、反射部214の角度を調整することによって、複数の受信指向方向でのアンテナ装置100からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100による第1の出射方向の電波の、アンテナ装置200による受信電波強度の測定が終了した後、アンテナ装置100に、反射部114を回転させ、かつ、反射部114の角度を調整することによって、第2の出射方向に電波を出射させ、アンテナ装置200に、反射部214を回転させ、かつ、反射部214の角度を調整することによって、複数の受信指向方向でのアンテナ装置100からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100の複数の出射方向のうちの他の出射方向についても、同様の測定を実行するよう制御してよい。
【0063】
アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100に、複数の出射方向のうちの第1の出射方向に電波を出射させ、アンテナ装置200に、反射部214を回転させ、かつ、電波受信部208の方向を調整することによって、複数の受信指向方向でのアンテナ装置100からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100による第1の出射方向の電波の、アンテナ装置200による受信電波強度の測定が終了した後、アンテナ装置100に、反射部114を回転させ、かつ、電波放射部108の方向を調整することによって、第2の出射方向に電波を出射させ、アンテナ装置200に、反射部214を回転させ、かつ、電波受信部208の方向を調整することによって、複数の受信指向方向でのアンテナ装置100からの電波の受信電波強度を測定するよう制御してよい。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100の複数の出射方向のうちの他の出射方向についても、同様の測定を実行するよう制御してよい。
【0064】
これらにより、水平方向に加えて、垂直方向も最適な、アンテナ装置100の出射方向及びアンテナ装置200の受信指向方向を特定することができる。
【0065】
図8は、アンテナ装置制御部406によるAS調整について説明するための説明図である。アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100の放射パターンの半値幅が狭い場合に、半値幅が広い場合と比較して、ASを小さくしてよい。例えば、アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100の放射パターンの半値幅が狭いほど、ASを小さくする。例えば、アンテナ装置制御部406は、アンテナ装置100の放射パターンの半値幅が広いほど、ASを大きくする。
【0066】
このように、アンテナの放射パターンの半値幅に応じてASを適切に設定することによって、隣接するアンテナパターンの隙間を小さくすることができる。これにより、指向性の偏りがない判定が可能となる。そして、半値幅を狭く、ASを小さくして測定することによって、高角度分解能な測定を実現することができる。また、半値幅を広く、ASを大きくして測定することによって、測定回数を減少させ、測定時間を短くすることができる。
【0067】
図9は、特定装置400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0068】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0069】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0070】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0071】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0072】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0073】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0074】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0075】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0076】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0077】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0078】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0082】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0083】
10 アンテナシステム、100 アンテナ装置、102 筐体、104 導波管、108 電波放射部、110 台座、112 支持部、114 反射部、116 モータ、118 センサ、120 周波数変換器、150 制御部、200 アンテナ装置、202 筐体、204 導波管、208 電波受信部、210 台座、212 支持部、214 反射部、216 モータ、218 センサ、220 周波数変換器、250 制御部、300 測定部、400 特定装置、402 記憶部、404 設定部、406 アンテナ装置制御部、408 測定制御部、410 特定部、412 出力制御部、500 測定結果テーブル、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ