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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125296
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】分光エリプソメータ
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/06 20060101AFI20230831BHJP
   G01N 21/21 20060101ALI20230831BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
G01B11/06 Z
G01N21/21 Z
G01N21/27 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029301
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】301043834
【氏名又は名称】株式会社渋谷光学
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森田 恭平
【テーマコード(参考)】
2F065
2G059
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065CC19
2F065CC31
2F065FF01
2F065FF61
2F065GG02
2F065GG03
2F065GG24
2F065HH03
2F065HH12
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL04
2F065LL19
2F065LL33
2F065LL67
2G059AA02
2G059AA05
2G059BB10
2G059CC01
2G059EE02
2G059EE05
2G059EE12
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ06
2G059JJ11
2G059JJ13
2G059KK04
(57)【要約】
【課題】半導体ウエハに対する膜厚測定に係る測定時間を短縮し、また、縮小化された領域における光学的特性をより正確に測定する。
【解決手段】本発明の分光エリプソメータは、試料を載置する載置台と、光源と、前記光源からの光を用いて、前記試料に設けられた、少なくとも2以上の対象領域に向けた検査光を照射させる照射手段と、前記少なくとも2以上の対象領域で反射した検査光を分光して受光する光検出器と、を備えることを特徴とする。なお、前記照射手段は、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した反射面を複数有する反射型のマスク又は反射鏡の他、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した透過面を有する透過型のマスクであることが好ましい。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を載置する載置台と、
光源と、
前記光源からの光を用いて、前記試料に設けられた、少なくとも2以上の対象領域に向けた検査光を照射させる照射手段と、
前記少なくとも2以上の対象領域で反射した検査光を分光して受光する光検出器と、
を備えることを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項2】
請求項1に記載の分光エリプソメータにおいて、
前記照射手段は、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した反射面を複数有する反射型のマスク又は反射鏡である
ことを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項3】
請求項2に記載の分光エリプソメータにおいて
前記反射型のマスク又は前記反射鏡は、前記少なくとも2以上の対象領域と、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した反射面とが共役関係を有する位置に配置され、
前記試料の表面への前記検査光の投影倍率は等倍である
ことを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項4】
請求項1に記載の分光エリプソメータにおいて、
前記照射手段は、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した透過面を有する透過型のマスクである
ことを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項5】
請求項4に記載の分光エリプソメータにおいて
前記透過型のマスクは、前記少なくとも2以上の対象領域と、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した前記透過面とが共役関係を有する位置に配置され、
前記試料の表面への前記検査光の投影倍率は等倍である
ことを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の分光エリプソメータにおいて、
前記試料は、半導体ウエハであり、
前記対象領域は、半導体ウエハに設けた半導体チップに対応する領域内に複数設けられるテストパッドであることを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項7】
請求項1に記載の分光エリプソメータにおいて、
前記光検出器は、
前記試料の表面と共役関係にある共役面と前記試料を反射した検査光の光軸との交点を通り、且つ前記共役面と直交する光軸を有し、入射する検査光を平行光として出射するコリメータレンズを有する
ことを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項8】
請求項1に記載の分光エリプソメータにおいて、
前記光検出器は、
前記検査光を平行光として出射するコリメータレンズと、
前記コリメータレンズからの前記検査光を分光するプリズムと、
を有し、
前記コリメータレンズは、前記試料の表面と共役関係にある共役面に前記コリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、前記コリメータレンズの光軸を前記検査光の光軸からずらして配置する
ことを特徴とする分光エリプソメータ。
【請求項9】
請求項1に記載の分光エリプソメータにおいて、
前記光検出器は、
前記検査光を平行光として出射する凹面鏡と、
前記凹面鏡からの前記検査光を分光するプリズムと、
を有し、
前記凹面鏡は、前記試料の表面と共役関係にある共役面に前記凹面鏡の像面湾曲特性が沿う形で、前記凹面鏡の光軸を前記検査光の光軸からずらして配置する
ことを特徴とする分光エリプソメータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハ表面の薄膜の厚みや光学的特性などを測定する分光エリプソメータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物質の光学的特性を測定する技術としてエリプソメトリ(偏光解析技術)が知られている。エリプソメトリは、検査光が物質を反射するときの偏光状態の変化を測定し、測定した偏光状態の変化から物質の光学的特性を求めるものである。偏光状態の変化は、p偏光の振幅反射係数rpとs偏光の振幅反射係数rsとの比(振幅反射係数比)ρとして測定される。なお、p偏光の振幅反射係数rpとs偏光の振幅反射係数rsの比ρは、2つのエリプソメトリ角Ψ,Δを用いることにより、ρ=tan(Ψ)・exp(iΔ)で表わされる。なお、2つのエリプソメトリ角Ψ,Δは、個々の物質の光学的特性に依存する。したがって、エリプソメトリを用いるエリプソメータは、例えば半導体分野などにおいて薄膜の光学的特性や膜厚を測定するために用いられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3716305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体ウエハは、例えば、高純度シリコン(Si)の基板上に、真空の空間で単独材料や化合物材料をその純度を保ったまま薄膜を形成する必要がある。したがって、真空であるべき空間に微細なごみや汚染ガスが存在した状態で、基板上に薄膜が成膜されたときには、成膜工程により得られる半導体ウエハは不良品として扱われる。そこで、半導体ウエハの検査工程では、半導体チップとして用いられる複数の領域の各々に形成された半導体回路の動作確認を検査する他に、半導体チップとして用いられる領域の各々に設けた複数のテストパッドに対する膜厚の測定を行っている。この膜厚の測定は、テストパッドを1領域毎に測定する必要がある。ここで、上述したテストパッドは、一例として50×50μmの大きさであるが、半導体チップの高度化に伴い、テストパッドの縮小化が求められている。したがって、縮小化されたテストパッドを用いた膜厚測定を正確に行う技術が求められる。
【0005】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半導体ウエハに対する膜厚測定に係る測定時間を短縮し、また、縮小化された領域における光学的特性をより正確に測定できるようにした技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の分光エリプソメータは、試料を載置する載置台と、光源と、前記光源からの光を用いて、前記試料に設けられた、少なくとも2以上の対象領域に向けた検査光を照射する照射手段と、前記少なくとも2以上の対象領域で反射した検査光を分光して受光する光検出器と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記照射手段は、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した反射面を複数有する反射型のマスク又は反射鏡であることを特徴とする。ここで、検査光をマスク又は反射鏡に反射させて試料に投影するが、試料に対して斜めから検査光を照射する場合、該検査光の焦点を試料の表面に合わせるためには、マスクの反射面や反射鏡の反射面及び試料の表面の配置において、シャインプルーフの条件を満たす必要がある。この場合、前記反射型のマスク又は前記反射鏡は、前記少なくとも2以上の対象領域と、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した反射面とが共役関係を有する位置に配置され、前記試料の表面への前記検査光の投影倍率は等倍であることが好ましい。
【0008】
また、前記照射手段は、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した透過面を有する透過型のマスクであることを特徴とする。この場合、前記透過型のマスクは、前記少なくとも2以上の対象領域と、前記少なくとも2以上の対象領域の各々に対応した前記透過面とが共役関係を有する位置に配置され、前記試料の表面への前記検査光の投影倍率は等倍であることが好ましい。
【0009】
また、前記試料は、半導体ウエハであり、前記対象領域は、半導体ウエハに設けた半導体チップに対応する領域内に複数設けられるテストパッドであることを特徴とする。
【0010】
また、前記光検出器は、前記試料の表面と共役関係にある共役面と前記試料を反射した検査光の光軸との交点を通り、且つ前記共役面と直交する光軸を有し、入射する検査光を平行光として出射するコリメータレンズを有することを特徴とする。
【0011】
また、前記光検出器は、前記検査光を平行光として出射するコリメータレンズと、前記コリメータレンズからの検査光を分光するプリズムと、を有し、前記コリメータレンズは、前記試料の表面と共役関係にある共役面に、前記コリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、前記コリメータレンズの光軸を前記検査光の光軸からずらして配置することを特徴とする。
【0012】
また、前記光検出器は、前記検査光を平行光として出射する凹面鏡と、前記凹面鏡からの検査光を分光するプリズムと、を有し、前記凹面鏡は、前記試料の表面と共役関係にある共役面に、前記凹面鏡の像面湾曲特性が沿う形で、前記凹面鏡の光軸を前記検査光の光軸からずらして配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
これによれば、半導体ウエハに対する膜厚測定に係る測定時間を短縮し、また、縮小化された領域における光学的特性をより正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態におけるエリプソメータの構成の一例を示す概略図である。
図2】マスクに設けられる反射面の配置の一例を示す説明図である。
図3】複数のチップ領域が二次元状に形成された半導体ウエハの平面図である。
図4】(a)は半導体ウエハに設けられたチップ領域及びチップ領域に設けられるテストパッドの配置の一例、(b)はX軸方向に配置される複数のテストパッドのいずれかのテストパッドがY軸方向にずれて配置されるチップ領域の一例、(c)は複数のテストパッドのうちのいずれかがX軸方向及びY軸方向にずれた位置に配置されるチップ領域の一例を示す説明図である。
図5】光検出器の構成の一例を示す概略図である。
図6】コリメータレンズの光軸が共役面と直交し、且つコリメータレンズの光軸が共役面と反射光の光軸との交点を通る場合のコリメータレンズの配置の一例を示す説明図である。
図7】コリメータレンズの光軸が共役面と直交し、且つコリメータレンズの中心が場合のコリメータレンズの配置の一例を示す説明図である。
図8】試料の表面と共役関係にある共役面に像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズを自身の光軸を検査光の光軸からずらして配置した光検出器の一例を示す図である。
図9】試料の表面と共役関係にある共役面に像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡を自身の光軸を検査光の光軸からずらして配置した光検出器の一例を示す図である。
図10】マスク16より射出した検査光を、試料Sの表面1×2mmの領域に対して斜めから照射することを示す図である。
図11】試料の表面と共役関係にある共役面にコリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズの光軸を検査光の光軸からずらしてコリメータレンズを配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=50°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図12】試料の表面と共役関係にある共役面にコリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズの光軸を検査光の光軸からずらしてコリメータレンズを配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=55°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図13】試料の表面と共役関係にある共役面にコリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズの光軸を検査光の光軸からずらしてコリメータレンズを配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=60°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図14】試料の表面と共役関係にある共役面にコリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズの光軸を検査光の光軸からずらしてコリメータレンズを配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=65°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図15】試料の表面と共役関係にある共役面にコリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズの光軸を検査光の光軸からずらしてコリメータレンズを配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=70°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図16】試料の表面と共役関係にある共役面に凹面鏡の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡の光軸を検査光の光軸からずらして凹面鏡を配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=50°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図17】試料の表面と共役関係にある共役面に凹面鏡の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡の光軸を検査光の光軸からずらして凹面鏡を配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=55°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図18】試料の表面と共役関係にある共役面に凹面鏡の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡の光軸を検査光の光軸からずらして凹面鏡を配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=60°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図19】試料の表面と共役関係にある共役面に凹面鏡の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡の光軸を検査光の光軸からずらして凹面鏡を配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=65°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
図20】試料の表面と共役関係にある共役面に凹面鏡の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡の光軸を検査光の光軸からずらして凹面鏡を配置した場合であって、検査光が試料の表面に照射される照射角度θがθ=70°のとき、波長λ=365,436,588,656,707,1014nmの各検査光を用いた場合の、点P1から点P9より射出された光束が受光面に集光したときのストレール比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した分光エリプソメータについて、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、分光エリプソメータの装置構成についての発明であるので、エリプソメトリ(偏光解析技術)の内容についての説明は省略する。
【0016】
分光エリプソメータは、物体の表面に入射する検査光の偏光状態と、物体の表面にて反射した検査光の偏光状態の変化を測定して、物体表面における光学的特性や、物体表面の薄膜の厚さを測定する装置である。以下、分光エリプソメータにて測定する対象となる物体を試料と称する。以下、分光エリプソメータにより試料表面の薄膜の厚みを測定する場合を一例として説明する。
【0017】
図1に示すように、分光エリプソメータ10は、光源15、マスク16、入射光学系17、載置台18、出射光学系19及び光検出器20を含む。
【0018】
光源15は、例えば白色光を発光する。光源15としては、例えば、キセノンランプ、白色電球、ハロゲンランプなどが挙げられる。
【0019】
マスク16は、例えば反射型のマスク又は透過型のマスクである。以下、マスク16として、反射型のマスクを用いる場合を説明する。マスク16は、光源15にて発光した白色光の一部を複数の反射面RSの各々にて反射させる。反射面RSにて反射した白色光は、検査光として、入射光学系17に入射する。なお、図示は省略するが、マスク16は、基板の表面に反射層、光吸収層の順で積層され、反射層の一部を外部に露呈することで反射面RSが形成される。
【0020】
図2に示すように、反射面RSは、図2中X軸方向に複数配列され、複数の反射面RSの各々は、半導体ウエハ30のチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)の各々に対応している。つまり、複数の反射面RSの個数n(例えばn=1,2,・・・)は、チップ領域A(x,y)の各々に設けたテストパッドTP(n)の個数と同一数に設定される。以下、反射面をRS(n)と称する。また、マスク16と試料Sとは共役関係にあるが、反射面RSが試料Sの表面に投影された際、反射面RS(n)の像がテストパッドTP(n)からはみ出さないよう、反射面の形状及び面積が設定される。ここで、図2中X軸方向は、図1に示すX軸方向と同一方向である。
【0021】
図1に戻って説明すると、入射光学系17は、コリメータレンズ25、偏光子26及びコンデンサレンズ27を含む。コリメータレンズ25は、マスク16からの検査光を平行光とする。偏光子26は、コリメータレンズ25を透過した検査光を偏光する。コンデンサレンズ27は、偏光子26により偏光した検査光を載置台18の試料Sの表面に向けて集束させる。
【0022】
分光エリプソメータ10は、マスク16からの検査光が試料Sの表面に投影される倍率(以下、投影倍率)は、例えば等倍(1倍)に設定される。分光エリプソメータ10は、試料Sに対して斜めから検査光を入射させるが、検査光が反射するマスク16の表面の位置と、マスク16を反射した検査光が照射される試料Sの表面の位置とが、シャインプルーフ条件を満足するとき、マスク16を反射した検査光は、試料Sの表面で焦点が合う像として投影される。
【0023】
載置台18は、試料Sを載置して保持する。ここで、載置台18に載置される試料Sの表面と、マスク16の表面とは共役関係となる。載置台18は、図示を省略した移動機構を有しており、載置台18に載置された試料Sを図1中XY平面上で移動させることが可能である。
【0024】
載置台18に保持される試料Sは、例えば半導体ウエハである。図3に示すように、半導体ウエハ30は、例えば円盤形状である。半導体ウエハ30は、二次元状に区画された複数のチップ領域Aを有する。チップ領域Aは、半導体ウエハ30を切断したときに半導体チップとして使用される領域である。以下、x行、y列目にあるチップ領域AをA(x,y)と称する。ここで、図3に示すX軸方向と、図1に示すX軸方向とは、同一方向である。図3に示すY軸方向と、図1に示すY軸方向とは、同一方向である。
【0025】
図4(a)に示すように、チップ領域A(x,y)は、例えば、不図示の半導体回路と、複数のテストパッドTPとを有する。テストパッドTPは、例えばX軸方向に沿って、複数配置される。テストパッドTPの数は、マスク16にて設定される反射面RSの数と同一数に設定される。以下、テストパッドをTP(n)と称する。
【0026】
図1に戻って説明すると、出射光学系19は、補償子35、検光子36及びコンデンサレンズ37を含む。補償子35は、試料Sの表面を反射した検査光の光軸L2を回転中心として検査光を回転させて、試料Sの表面を反射した検査光の位相を転移させる。検光子36は、補償子35により位相転移した検査光のうち、特定の角度に偏光した検査光を通過させる。コンデンサレンズ37は、検光子36を通過した検査光を集束して光検出器20に入射させる。
【0027】
なお、この実施の形態では、補償子35において、試料Sの表面を反射した検査光を検査光の光軸L2を回転中心として回転させて、当該検査光の位相を転移させる場合を説明するが、検光子36において、試料Sの表面を反射した検査光を検査光の光軸L2を回転中心として回転させて、当該検査光の位相を転移させることも可能である。また、補償子35の代わりに、光弾性変調器を配置して、検査光の位相を転移させることも可能である。
【0028】
光検出器20は、出射光学系19から出射された検査光を検出する。図5に示すように、光検出器20は、分光光学系41及び受光部42を有する。分光光学系41は、例えばコリメータレンズ45、分光プリズム46及び結像レンズ47を含む。コリメータレンズ45は、出射光学系19のコンデンサレンズ37から出射される検査光を平行光とする。なお、コリメータレンズ45を配置する代わりに、コリメート用ミラーを配置し、コンデンサレンズ37から出射される検査光を後段の分光プリズム46に向けて反射させてもよい。分光プリズム46は、コンデンサレンズ37から出射された検査光を分光して出射する。結像レンズ47は、分光プリズム46から出射された検査光を、受光部42に結像させる。
【0029】
受光部42は、分光プリズム46により分光された検査光を受光する。受光部42は、受光された検査光に基づく信号を不図示の解析装置に出力する。受光部42としては、例えばフォトダイオードを二次元状に配置したフォトダイオードアレイや、CCD(Charge Coupled Device)が挙げられる。また、この他に、受光部42としては、フォトダイオードを一方向に複数配置したフォトダイオードアレイやラインCCDを、半導体ウエハ30のテストパッドTPの配列方向(例えば図1中X軸方向)と同一方向に、複数配置することも可能である。
【0030】
分光エリプソメータ10の動作について説明する。分光エリプソメータ10は、例えば、載置台18に載置された半導体ウエハ30が有する二次元状に配置されたチップ領域A(x,y)の各々に設けたテストパッドTP(n)の光学的特性を測定する。分光エリプソメータ10において、例えば1行1列目のチップ領域A(1,1)に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)に対する測定を行う。光源15が白色光を発光すると、発光した白色光は、マスク16に設けられた複数の反射面RS(n)を各々反射する。反射した白色光は検査光として入射光学系17に入射される。入射光学系17に入射された検査光は、入射光学系17の偏光子26により偏光された後、試料Sである半導体ウエハ30の表面に入射する。すなわち、1行1列目のチップ領域A(1,1)に設けられた複数のテストパッドTPを同時に測定することができる。
【0031】
上述したように、マスク16の表面と、半導体ウエハ30の表面とは共役関係にあり、また、入射する検査光の投影倍率は等倍に設定されている。また、各反射面RSとテストパッドTPの大きさは同一である。したがって、マスク16の反射面RSの各々を反射した光は、半導体ウエハ30の1列目のチップ領域A(1,1)に設けたテストパッドTP(n)の各々に正確に投影される。
【0032】
半導体ウエハ30のチップ領域A(1,1)に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)に入射される検査光は、半導体ウエハ30の1列目のチップ領域A(1,1)に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)を反射して、出射光学系19に入射される。
【0033】
出射光学系19に入射された検査光は、補償子35により位相転移された後、検光子36により特定の角度に偏光した検査光のみが光検出器20に入射される。なお、光検出器20は、入射した検査光を分光して受光する。上述したように、半導体ウエハ30を反射した検査光は、半導体ウエハ30のチップ領域A(1,1)に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)を反射した検査光である。したがって、光検出器20の受光部42は、半導体ウエハ30のチップ領域A(1,1)の各々に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)の各々を反射した検査光を受光する。受光部42は、受光した検査光に基づく信号を、不図示の解析装置に出力する。その結果、解析装置において、テストパッドTP(1)~TP(n)の各々における光学的特性(膜厚を含む)が解析される。
【0034】
半導体ウエハ30の1行1列目のチップ領域A(1,1)に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)に対する測定が終えると、載置台18は、例えば図1中Y軸方向に所定量移動して、1行2列目のチップ領域A(1,2)に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)に対する測定を行う。同一行のチップ領域A(1,y)に設けたテストパッドTP(n)に対する測定が全て終了すると、載置台18はX軸方向及びY軸方向に移動し、2行1列目のチップ領域A(2,1)に設けたテストパッドTP(1)~TP(n)に対する測定を行う。つまり、二次元状に配置される複数のチップ領域A(x,y)のうち、同一行に配置されるチップ領域A(x,y)に対する測定を行った後、隣の行に配置されるチップ領域A(x,y)に対する測定を行い、全てのチップ領域A(x,y)に対する測定を実行する。
【0035】
上述したように、分光エリプソメータ10において、1つのチップ領域A(x,y)に設けられた複数のテストパッドTP(n)を同時に測定することができるので、1個のチップ領域A(x,y)における測定時間を短縮できる。上述したように、本実施の形態における分光エリプソメータ10では、測定するチップ領域A(x,y)を切り替えながら、測定対象となるチップ領域A(x,y)に配置された複数のテストパッドTP(n)の測定を行うものであるから、半導体ウエハ全体に対する測定時間も大幅に短縮することができる。
【0036】
なお、同一行に配置されるチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)に対する測定を行った後、隣の行に配置されるチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)に対する測定を行うようにしているが、同一列に配置されるチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)に対する測定を行った後、隣の列に配置されるチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)に対する測定を行うようにしてもよい。また、この他に、同一列に配置されるチップ領域A(x、y)のテストパッドTP(n)を一度に測定することも可能である。
【0037】
なお、本実施の形態に示すチップ領域A(x,y)では、当該チップ領域A(x,y)に設けられる複数のテストパッドTP(n)がX軸方向に沿って配置される場合を示している。しかしながら、図4(b)に示すように、当該チップ領域A(x,y)に設けられる複数のテストパッドTP(n)のうち、例えばテストパッドTP(2)及びTP(4)が、他のテストパッドTP(n)に対してY軸方向にずれて配置される場合もある。このような場合も、マスク16の表面及び試料Sの表面の位置がシャインプルーフ条件を満足していることで、反射面RSによって反射された検査光が、対応するテストパッドTP(n)上で焦点が合い、同様の形態で測定することができる。
【0038】
さらに、図4(c)に示すように、複数配置されるテストパッドTP(n)の一部を、二次元状に配置する場合もある。このような場合、半導体ウエハ30の各チップ領域Aに設けられたテストパッドTP(n)に対応する反射面RSを配置した1以上のマスクを用いて測定を行う。図4(c)に示すように、例えば、チップ領域A(x,y)に配置されるテストパッドTP(n)のうち、X軸方向に沿って配置されたテストパッドTP(5)からテストパッドTP(n)に対する測定を行った後、二次元状に配置されたテストパッドTP(1)からテストパッドTP(4)に対する測定を行う。このとき、テストパッドTP(5)からテストパッドTP(n)に対する測定を行う際に使用するマスクと、テストパッドTP(1)からテストパッドTP(4)に対する測定を行う際に使用するマスクとを切り替える。また、マスクの切り替えを行う際には、載置台18をY軸方向に所定量移動させる。この場合、チップ領域A(x,y)に設けた複数のテストパッドTP(n)のうち、2以上のテストパッドTP(n)を同時に測定することができるので、半導体ウエハ30に対する測定時間を短縮することが可能となる。
【0039】
上述した実施の形態では、複数の反射面RSを一方向(図2中X軸方向)に配置した反射型のマスク16を用いて、光源15からの検査光を、半導体ウエハ30に設けたチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)に照射させるようにしている。しかしながら、マスク16を用いるのではなく、複数のマイクロミラーを二次元状に配置したDMD(Degital Mirror Device)を用いることも可能である。
【0040】
DMDは、二次元状に配置した複数のマイクロミラーの各々を、試料に向けて光を反射させるオン位置と、試料とは異なる位置に光を反射させるオフ位置との間で切り替えるものである。つまり、DMDを用いた場合、複数のマイクロミラーのうち、半導体ウエハ30に設けたチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)の各々に対応するマイクロミラーをオフ位置からオン位置に切り替える動作を実行する。この場合、テストパッドTP(n)の位置に合わせたマスク16を作成する必要がなくなるので、測定のコストを下げることができる。
【0041】
上述した分光エリプソメータ10において、マスク16の表面及び試料Sの表面は、共役関係であることを説明しているが、試料Sの表面及び受光部42の受光面も共役関係であることが好ましい。ところで、上記分光エリプソメータ10において、検査光は、試料Sの表面に対して斜め上方から入射し、試料Sの表面で反射した後、斜め上方へと進む。ここで、コリメータレンズ45の光軸を検査光の光軸L2に一致するようにコリメータレンズ45を配置した場合、コリメータレンズ45から出射する検査光の一部は、平行光にならず、拡散光又は収束光となる恐れがある。したがって、コリメータレンズ45から出射する検査光を平行光とする方法として、例えば、コリメータレンズ45の像面と共役面CSとを平行に設置することが挙げられる。
【0042】
図6に示すように、共役面CSは、出射光学系19のコンデンサレンズ37から出射された検査光の光軸L2上に位置している。そこで、分光光学系41のコリメータレンズ45を、コリメータレンズ45の光軸L3が共役面CSに直交し、且つコリメータレンズ45の光軸L3が検査光の光軸L2と共役面CSとの交点E1を通るように配置する。このとき、検査光がコリメータレンズ45に入射されるように、コリメータレンズ45を検査光の光路上に配置する。すなわち、コリメータレンズ45は、コリメータレンズ45の光軸L3が検査光の光軸L2に対して傾いた状態で配置される。これによれば、コリメータレンズ45から出射される検査光は、平行光として分光プリズム46に入射される。
【0043】
また、図7に示すように、分光光学系41のコリメータレンズ45の光軸L3と、共役面CSに直交する直線のうち、共役面CSと検査光の光軸L2との交点E2を通る直線L4とを平行に、且つコリメータレンズ45の中心E3が検査光の光軸L2上に位置するように、コリメータレンズ45を配置することも可能である。この場合も、分光光学系41のコリメータレンズ45は、コリメータレンズ45の光軸L3が検査光の光軸L2に対して傾いた状態で配置される。これによれば、コリメータレンズ45から出射される検査光は、平行光として分光プリズム46に入射される。
【0044】
半導体ウエハ30のチップ領域A(x,y)に設けたテストパッドTP(n)の測定において、測定を行う膜が厚い場合や複雑な多層膜の場合、複数の入射角を用いて測定を行う。つまり、入射角を変更した場合、光軸L2に対する共役面CSの傾斜角度が変化するので、光軸L2に対する共役面CSの傾斜角度の変化に伴って、コリメータレンズ45の傾斜角度の調整も必要である。
【0045】
なお、分光エリプソメータ10において、入射光学系17を出射した検査光が試料Sに入射する入射角度は、50~70°である。したがって、コリメータレンズ45の光軸L3を、検査光の光軸L2に対して傾斜して配置する場合、コリメータレンズ45に入射する検査光、及びコリメータレンズ45から出射される検査光の角度は大きくなり、コリメータレンズの収差補正や、光検出器20における分光光学系41のレイアウト、位置(角度)調整が困難である。
【0046】
一般的に、レンズは、像面湾曲特性を有している。像面湾曲特性とは、例えばレンズを透過した光の結像面が、レンズの光軸に直交する平面ではなく、レンズの光軸(中心)から離れるほど、レンズの出射面側に位置する湾曲面となる性質である。したがって、光検出器に設けられるコリメータレンズを、試料の表面と共役関係にある共役面にコリメータレンズの像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズの光軸を検査光の光軸からずらして配置することも可能である。
【0047】
図8は、分光エリプソメータに用いる光検出器の一例を示す。図8に示すように、光検出器51は、分光光学系52及び受光部53を含む。また、分光光学系52は、コリメータレンズ54、分光プリズム55及び結像レンズ56を含む。コリメータレンズ54は、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらして配置する。詳細には、コリメータレンズ54の像面湾曲特性に基づいた像面58上に、上記共役面CS1が位置するように、コリメータレンズ54を配置する。このように、コリメータレンズ54を配置することで、コリメータレンズ54を透過した検査光は、コリメータレンズ54の像面湾曲特性の影響が抑止されて、平行光として分光プリズム55に入射する。
【0048】
また、この他に、光検出器の中には、コリメータレンズの代わりに凹面鏡を用いるものもある。図9に示すように、例えば、光検出器61は、分光光学系62及び受光部63を含む。また、分光光学系62は、凹面鏡64、分光プリズム65及び結像レンズ66を含む。
【0049】
ここで、凹面鏡64をコリメータレンズの代わりに用いた場合も、コリメータレンズを用いたときと同様に、凹面鏡64は、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして配置する。詳細には、凹面鏡64の像面湾曲特性に基づいた像面68上に、上記共役面CS2が位置するように、凹面鏡64を配置する。このように、凹面鏡64を配置することで、凹面鏡64を反射した光は、凹面鏡64の像面湾曲特性の影響が抑止されて、平行光として分光プリズム65に入射する。
【0050】
以下、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらしてコリメータレンズ54を配置した場合のシミュレーション結果を実施例1として説明する。
【0051】
<実施例1>
実施例1に示す分光エリプソメータ10についての仕様(光学系における光学的特性など)を表1に示す。なお、実施例1に示す分光エリプソメータ10において、図8ではコリメータレンズ54を1つのレンズで示しているが、コリメータレンズ54は、例えば、不図示の6枚のレンズから構成される。コリメータレンズ54を構成する6枚のレンズを、以下、試料S側から、レンズG1、レンズG2、レンズG3、レンズG4、レンズG5及びレンズG6とする。レンズG1からレンズG6は、入射面及び出射面は球面状である。また、レンズG1からレンズG5は、出射光学系19の光軸上に配置され、レンズG6は、出射光学系19の光軸に対して偏心又は傾斜している。
【0052】
【表1】
【0053】
シミュレーションにおいては、マスク16を物体面とし、検査光の光軸と試料Sの表面とが成す角度θ(図1参照)を照射角度θとし、θ=50°、55°、60°、65°及び70°におけるマスク16表面の各物体高から射出した検査光を、図10に示すように、試料Sにおける表面1×2mmの領域に対して照射することを前提とする。なお、マスク16の各物体高については、Y軸対象となる点は省略し、点P1から点P9とし、図10においては点P1から点P9が試料Sの表面上で共役となる点を点P1’から点P9’としている。
【0054】
上述した照射角度θをθ=50°、55°、60°、65°及び70°としたときの面データを表2から表6に示す。また、照射角度θを、θ=50°、55°、60°、65°及び70°としたときの点P1から点P9の位置を表7から表11に示す。上述したように、実施例1に示す分光エリプソメータ10では、マスク16からの光を斜め上方から試料Sに照射している。したがって、例えば試料S上の点P1’からP9’を基準とすると、マスク16における点P1から点P9のうち、点P4から点P6、及び点P7から点P9のY軸方向の位置は、y×cosθとなる。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
【表9】
【0063】
【表10】
【0064】
【表11】
【0065】
上述したように、点P1から点P9の各点から射出した検査光は、入射光学系17を通り、試料Sの表面で反射し、出射光学系19に入射する。出射光学系19に入射した検査光は、補償子35により位相を転移された後、出射光学系19から出射し、光検出器51に入射する。光検出器51に入射した検査光は、コリメータレンズ54で平行光となり、分光プリズム55で分光され、結像レンズ56により受光部53にて結像する。
【0066】
実施例1において、入射光学系17及び出射光学系19を近軸レンズとしていることから、共役面CS1におけるマスク16の像は無収差となり、また、結像レンズ56を近軸レンズとし、結像レンズ56の焦点距離と、結像レンズ56と受光部53との距離とを等しくしたうえで受光部53におけるストレール比を計算することで、コリメータレンズ54によるコリメート性を確認している。また、ストレール比の計算については、光学設計シミュレーションソフトを利用した。
【0067】
例えば上述した照射角度θがθ=50°となるとき、図11に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、これら点に対応する視野(視野1から視野9)におけるストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.89以上)となっている。つまり、照射角度θ=50°の場合、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらしてコリメータレンズ54を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム55に入射させることができる。
【0068】
また、例えば上述した照射角度θがθ=55°となるとき、図12に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.9以上)となっている。つまり、照射角度θ=55°の場合、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらしてコリメータレンズ54を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム55に入射させることができる。
【0069】
また、上述した照射角度θがθ=60°となるとき、図13に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.9以上)となっている。つまり、照射角度θ=60°の場合も、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらしてコリメータレンズ54を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム55に入射させることができる。
【0070】
また、上述した照射角度θがθ=65°となるとき、図14に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.86以上)となっている。つまり、照射角度θ=65°の場合も、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらしてコリメータレンズ54を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム55に入射させることができる。
【0071】
また、上述した照射角度θがθ=70°となるとき、図15に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.82以上)となっている。つまり、照射角度θ=70°の場合も、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらしてコリメータレンズ54を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム55に入射させることができる。
【0072】
このように、入射光学系17から出射される検査光が試料Sの表面に照射する際の照射角度が50°から70°の範囲では、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらしてコリメータレンズ54を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム55に入射させることができる。
【0073】
次に、凹面鏡64を、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして配置した光検出器61を用いた分光エリプソメータ10におけるシミュレーションの結果を実施例2として説明する。
【0074】
<実施例2>
実施例2に示す分光エリプソメータ10についての仕様(光学系における光学的特性など)を表12に示す。なお、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を各次数の非球面係数とするとき、
x=(h/R)/[1+{1-(1+k)(h/R)1/2]+A4×h+A6×h+A8×h+A10×h10
で表される。なお、kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12の一例を表13に示す。表13において、各非球面係数A4,A6,A8,A10,A12における「E±XX」は「×10±XX」を意味している。なお、分光エリプソメータ10の仕様についての具体的な説明は省略する。
【0075】
【表12】
【表13】
【0076】
実施例2におけるシミュレーションは、実施例1におけるシミュレーションと同様に、マスク16を物体面とし、検査光の光軸と試料Sの表面とが成す角度θ(図1参照)を照射角度θとし、θ=50°、55°、60°、65°及び70°におけるマスク16表面の各物体高から射出した検査光を、図10に示すように試料Sにおける表面1×2mmの領域に対して照射することを前提とする。なお、マスク16の各物体高については、Y軸対象となる点は省略し、点P1から点P9とし、図10においては点P1から点P9が試料Sの表面上で共役となる点を点P1’から点P9’としている。
【0077】
上述した照射角度θをθ=50°、55°、60°、65°及び70°としたときの面データを表13から表17に示す。また、照射角度θを、θ=50°、55°、60°、65°及び70°としたときの点P1から点P9の位置を表18から表22に示す。上述したように、実施例2に示す分光エリプソメータ10では、マスク16からの光を斜め上方から試料Sに照射している。したがって、例えば試料S上の点P1’からP9’を基準とすると、マスク16における点P1から点P9のうち、点P4から点P6、及び点P7から点P9のY軸方向の位置は、y×cosθとなる。
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【0080】
【表16】
【0081】
【表17】
【0082】
【表18】
【0083】
【表19】
【0084】
【表20】
【0085】
【表21】
【0086】
【表22】
【0087】
【表23】
【0088】
この場合も、点P1から点P9の各点から射出した検査光は、入射光学系17を通り、試料Sの表面で反射し、出射光学系19に入射する。出射光学系19に入射した検査光は、補償子35により位相を転移された後、出射光学系19から出射し、光検出器61に入射する。光検出器61に入射した検査光は、凹面鏡64で平行光となり、分光プリズム65で分光され、結像レンズ66により受光部63にて結像する。
【0089】
実施例1と同様に、入射光学系17及び出射光学系19を近軸レンズとしていることから、共役面CS2におけるマスク16の像は無収差となり、また、結像レンズ66を近軸レンズとし、結像レンズ66の焦点距離と、結像レンズ66と受光部63との距離とを等しくしたうえで受光面におけるストレール比を計算することで、凹面鏡64によるコリメート性を確認している。
【0090】
例えば照射角度θがθ=50°となるとき、図16に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.90以上)となっている。つまり、照射角度θ=50°の場合、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして凹面鏡64を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム65に入射させることができる。
【0091】
例えば照射角度θがθ=55°となるとき、図17に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.95以上)となっている。つまり、照射角度θ=55°の場合、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして凹面鏡64を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム65に入射させることができる。
【0092】
また、例えば照射角度θがθ=60°となるとき、図18に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.9以上)となっている。つまり、照射角度θ=60°の場合も、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして凹面鏡64を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム65に入射させることができる。
【0093】
また、例えば照射角度θがθ=65°となるとき、図19に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から射出した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.94以上)となっている。つまり、照射角度θ=65°の場合も、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして凹面鏡64を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム65に入射させることができる。
【0094】
また、例えば照射角度θがθ=70°となるとき、図20に示すように、検査光の波長λとして、λ=365,436,583,656,707,1014nmのいずれかの波長を用いた場合であっても、点P1から点P9のいずれの点から出射した光束においても、ストレール比が一般にほぼ無収差となる0.8以上(詳細には、0.92以上)となっている。つまり、照射角度θ=70°の場合も、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして凹面鏡64を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム65に入射させることができる。
【0095】
このように、入射光学系17から出射される検査光が試料Sの表面に照射する際の照射角度が50°から70°の範囲では、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして凹面鏡64を配置したとき、コリメート性の高い検査光を分光プリズム65に入射させることができる。
【0096】
<効果について>
本発明の分光エリプソメータ10は、試料Sを載置する載置台18と、光源15と、光源15から照射される前記光を用いて、試料Sに設けられた、少なくとも2以上のテストパッドTP(n)に照射される検査光を照射させる照射手段と、少なくとも2以上のテストパッドTP(n)で反射した反射光を分光して受光する光検出器20と、を備えることを特徴とする。
【0097】
これによれば、複数の位置にあるテストパッドTP(n)に対する膜厚測定又は光学的特性の測定を行うことができるので、1つのテストパッドTP(n)を対象とした膜厚測定又は光学的特性の測定よりも測定時間を短縮することができる。
【0098】
また、照射手段は、複数のテストパッドTPに対応した反射面を複数有する反射型のマスク16、又は反射鏡(ミラー)である。
【0099】
これによれば、マスクの反射面の各々を反射した検査光は、対応するテストパッドTP(n)の各々に照射される。すなわち、簡易な構成で、光源からの光を確実にテストパッドTP(n)に照射することができる。また、ミラーとして、二次元状に配置されたマイクロミラーの反射方向をミラーごとに切り替えることで検査光を試料Sに向けて反射させるデジタルミラーデバイスを用いた場合には、マイクロミラーごとに反射方向を切り替えることができるので、試料SごとのテストパッドTP(n)の位置に合わせたマスク16の作成が不要となり、測定のコストを下げることが可能となる。
【0100】
また、反射型のマスク16又はミラーは、複数の反射面RS(n)と複数のテストパッドTP(n)とが共役関係を有する位置に配置され、試料Sの表面への検査光の投影倍率は等倍である。
【0101】
これによれば、検査光は、対応するテストパッドTP(n)の各々を照射する。このとき、複数の反射面RSと複数のテストパッドTP(n)とが共役関係を有する位置に配置されるので、検査光は、テストパッドTP(n)の周縁部まで照射することなく、テストパッドTP(n)を確実に照明する。その結果、光検出器20により検出される検査光において、テストパッドTP(n)の周縁部を反射する光の成分は含有されず、テストパッドTPを照明する光の成分のみとなるので、正確にテストパッドTP(n)における薄膜の光学的特性を測定することができる。
【0102】
また、照射手段は、複数のテストパッドTP(n)の各々に対応した透過面を有する透過型のマスクである。
【0103】
これによれば、マスクの透過面の各々を反射した検査光は、対応するテストパッドTP(n)の各々に照射される。すなわち、簡易な構成で、光源からの光を確実にテストパッドTP(n)に照射することができる。
【0104】
また、透過型のマスクは、複数の透過面と前記複数のテストパッドTP(n)とが共役関係を有する位置に配置され、試料Sの表面への検査光の投影倍率は等倍である。
【0105】
これによれば、検査光は、対応するテストパッドTP(n)の各々を照射する。このとき、複数の透過面と複数のテストパッドTP(n)とが共役関係を有する位置に配置されるので、検査光は、テストパッドTP(n)の周縁部まで照射することなく、テストパッドTP(n)を確実に照明する。その結果、光検出器20により検出される検査光において、テストパッドTP(n)の周縁部を反射する光の成分は含有されず、テストパッドTP(n)を照明する光の成分のみとなるので、正確にテストパッドTP(n)における薄膜の光学的特性を測定することができる。
【0106】
また、試料Sは、半導体ウエハ30であり、テストパッドは、半導体ウエハ30に設けた半導体チップに対応するチップ領域A内に複数設けられる。
【0107】
これによれば、半導体ウエハ30のチップ領域A内に設けられるテストパッドTP(n)に対しても検査光を正確に照明できるので、テストパッドTP(n)に対する薄膜の光学的特性を正確に測定することが可能となる。
【0108】
また、光検出器20は、試料Sの表面と共役関係にある共役面CSと試料Sを反射した検査光の光軸L2との交点E1(又はE3)を通り、且つ共役面CSと直交する光軸L3を有し、入射する検査光を平行光として出射するコリメータレンズ45を有するものである。
【0109】
これによれば、光検出器20において、試料Sを反射した検査光は、平行光の状態で分光プリズム46に入射されるので、検査光を正確に分光することができる。
【0110】
また、光検出器51は、光検出器51に入射する検査光を平行光とするコリメータレンズ54と、コリメータレンズ54からの検査光を分光する分光プリズム55と、を有し、コリメータレンズ54は、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS1にコリメータレンズ54の像面湾曲特性が沿う形で、コリメータレンズ54の光軸L5を検査光の光軸L2からずらして配置するものである。
【0111】
これによれば、試料Sを反射した検査光がコリメータレンズ54を透過しても、検査光に対するコリメータレンズ54の像面湾曲特性の影響が抑止され、コリメータレンズ54を透過した検査光は、平行光の状態で分光プリズム55に入射される。これにより、検査光をより正確に分光することができる。
【0112】
また、光検出器61は、検査光を平行光として出射する凹面鏡64と、凹面鏡64からの検査光を分光する分光プリズム65と、を有し、凹面鏡64は、試料Sの表面と共役関係にある共役面CS2に凹面鏡64の像面湾曲特性が沿う形で、凹面鏡64の光軸L6を検査光の光軸L2からずらして配置するものである。
【0113】
これによれば、試料Sを反射した検査光が凹面鏡64で反射したときに、検査光に対する凹面鏡64の像面湾曲特性の影響が抑止され、凹面鏡64を反射した検査光は、平行光の状態で分光プリズム65に入射される。これにより、検査光をより正確に分光することができる。
【符号の説明】
【0114】
10…分光エリプソメータ
15…光源
16…マスク
18…載置台
20…光検出器
26…偏光子
36…検光子
30…半導体ウエハ
54…コリメータレンズ
55,65…分光プリズム
56,66…結像レンズ
64…凹面鏡
RS(n)…反射面
S…試料
TP(n)…テストパッド

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図20