IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

特開2023-125351配置表示システム及びその配置表示方法
<>
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図1
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図2
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図3
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図4
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図5
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図6
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図7
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図8
  • 特開-配置表示システム及びその配置表示方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125351
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】配置表示システム及びその配置表示方法
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/24 20060101AFI20230831BHJP
   E04G 21/18 20060101ALI20230831BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230831BHJP
【FI】
F22B37/24 Z
E04G21/18 Z
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029386
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】尾下 大樹
(72)【発明者】
【氏名】江口 純裕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊一
【テーマコード(参考)】
2E174
5L049
【Fターム(参考)】
2E174BA03
2E174CA02
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】作業効率を向上することのできる配置表示システム及びその配置表示方法を提供する。
【解決手段】配置表示システム20は、梁部材によって構成された梁ブロックに対して所定部材を吊り下げ、梁ブロックと所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う場合に、吊り上げる前に所定部材を配置する所定平面に対して所定部材の配置位置を示す表示データを生成する生成部21と、表示データに基づいて所定平面に対して配置位置を表示する表示部22とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁部材によって構成された梁ブロックに対して所定部材を吊り下げ、前記梁ブロックと前記所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う場合に、吊り上げる前に前記所定部材を配置する所定平面に対して前記所定部材の配置位置を示す表示データを生成する生成部と、
前記表示データに基づいて前記所定平面に対して前記配置位置を表示する表示部と、
を備える配置表示システム。
【請求項2】
前記表示部は、AR表示またはプロジェクションマッピングにより前記配置位置を表示する請求項1に記載の配置表示システム。
【請求項3】
前記生成部は、複数の前記所定部材の吊り上げ方向における上下関係が視認可能な前記表示データを生成する請求項1または2に記載の配置表示システム。
【請求項4】
複数の前記所定部材は吊り上げ方向において複数のブロックに分けられており、前記ブロック毎に前記梁ブロックに吊り上げられ、
前記生成部は、前記ブロック毎に前記所定部材の前記配置位置を示す表示データを生成する請求項1から3のいずれか1項に記載の配置表示システム。
【請求項5】
複数の前記所定部材は吊り上げ方向において複数のブロックに分けられており、前記ブロック毎に前記梁ブロックに吊り上げられ、
前記生成部は、複数の前記ブロックにおける前記所定部材の前記配置位置を示す表示データを生成する請求項1から3のいずれか1項に記載の配置表示システム。
【請求項6】
前記ブロックは、連絡管、吊り棒、及び管寄せのそれぞれに対応して分けられている請求項4または5に記載の配置表示システム。
【請求項7】
前記生成部は、発電プラントの図面データに基づいて前記表示データを生成する請求項1から6のいずれか1項に記載の配置表示システム。
【請求項8】
前記表示部は、設置されている構造物の位置に基づいて、前記所定平面に対して表示する前記配置位置を補正する請求項1から7のいずれか1項に記載の配置表示システム。
【請求項9】
梁部材によって構成された梁ブロックに対して所定部材を吊り下げ、前記梁ブロックと前記所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う場合に、吊り上げる前に前記所定部材を配置する所定平面に対して前記所定部材の配置位置を示す表示データを生成する工程と、
前記表示データに基づいて前記所定平面に対して前記配置位置を表示する工程と、
を有する配置表示方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配置表示システム及びその配置表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電プラントにおいて、大梁と共に部材を吊り上げて設置を行う工法が用いられる場合がある(例えば特許文献1及び特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2582522号公報
【特許文献2】特開平9-229306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大梁に対して部材を吊り下げる際には、その前段階として地上面において吊り下げる部材を配置し、その後に大梁と共に吊り上げる。しかしながら、地上面に部材を配置する作業は、作業員によって図面を確認しながら行われるため時間と労力を要する。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、作業効率を向上することのできる配置表示システム及びその配置表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様は、梁部材によって構成された梁ブロックに対して所定部材を吊り下げ、前記梁ブロックと前記所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う場合に、吊り上げる前に前記所定部材を配置する所定平面に対して前記所定部材の配置位置を示す表示データを生成する生成部と、前記表示データに基づいて前記所定平面に対して前記配置位置を表示する表示部と、を備える配置表示システムである。
【0007】
本開示の第2態様は、梁部材によって構成された梁ブロックに対して所定部材を吊り下げ、前記梁ブロックと前記所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う場合に、吊り上げる前に前記所定部材を配置する所定平面に対して前記所定部材の配置位置を示す表示データを生成する工程と、前記表示データに基づいて前記所定平面に対して前記配置位置を表示する工程と、を有する配置表示方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、作業効率を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る配置表示システムの概略構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態に係るARによる表示の一例を示す図である。
図3】本開示の一実施形態に係る配置表示システムを用いた場合の工事の流れの一例を示す図である。
図4図3におけるS104の一例を示す図である。
図5図3におけるS105の一例を示す図である。
図6図3におけるS109の一例を示す図である。
図7図3におけるS111の一例を示す図である。
図8図3におけるS113の一例を示す図である。
図9】本開示の一実施形態に係る配置表示システムのハードウェア構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る配置表示システム及びその配置表示方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(配置表示システムの構成)
配置表示システム20は、梁一体化吊上げ工法(特に大梁一体化吊上げ工法)における部材配置に適用される。梁一体化吊上げ工法は、発電プラントの工事において用いられる工法である。具体的には、梁一体化吊上げ工法では、天井部分に配置される梁ブロック32に対して、この梁ブロック32の下部に設置される所定部材(以下、「部材」という。)を吊り下げ、梁ブロック32と部材とを一体的に吊り上げて機器設置を行う工事方法である。梁ブロック32とは、例えば天井部分を構成する梁部材によって構成されるブロックであり、例えば大梁や中梁が組まれて構成される。梁一体化吊上げ工法の具体例については後述する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る配置表示システム20の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る配置表示システム20は、生成部21と、表示部22とを主な構成として備えている。本実施形態では、梁ブロック32の下部に設置される部材を、一例として、発電プラントにおけるボイラ設備に関する連絡管(水平管及び垂直管)33、吊り棒、及び管寄せ34とする。
【0013】
生成部21は、所定平面に対して部材の配置位置を示す表示データを生成する。所定平面とは、作業員によって作業が行われる作業面(例えば床面)31である。以下の説明では所定平面は作業面31として説明する。作業員によって作業面31に部材を配置し、その後に梁ブロック32へ部材を吊り下げて一体的に吊り上げる。すなわち、作業面31には、吊り上げる部材が配置され、作業面31における配置によって部材の吊り下げ位置が決められる。
【0014】
このように、作業面31において正確に部材を配置することが重要であるため、生成部21は、作業面31に対して部材の配置位置を示す表示データを生成する。表示データは、例えばAR(Augmented Reality:拡張現実)投影データである。なお、表示データは、後述する表示部22の仕様に対応し、AR投影データに限定されない。
【0015】
生成部21は、発電プラントの図面データ23が取り込まれる。そして、生成部21は、図面データ23に基づいて表示データを生成する。図面データ23は、設計データであり、例えばCADデータ(2次元図面など)である。図面データ23については、部材の配置位置情報を含む設計データが示されていれば上記に限定されない。
【0016】
表示データには、作業面31に対する各部材の配置位置が示される。図2は、表示データによる表示の一例を示す図である。図2に示すように、配置したい各部材の作業面31への2次元投影図(ラインL)が示される。具体的には、作業面31を平面視した場合(吊り上げ方向の上側から下側を見た場合)において、梁ブロック32に吊り上げられる各部材(各部材の吊り上げ位置もしくは配置位置)の作業面31への投影図がラインLとして示される。表示方法については各部材の配置位置が認識可能であれば、図2に示す2次元投影図に限定されない。また、配置位置だけでなく、各部材が他の部材と接続する位置を示すこととしてもよい。例えば、連絡管と吊棒とを接続する位置などである。
【0017】
さらに、各部材は吊り上げ方向における位置が異なるため、各部材の吊り上げ方向における上下関係が視認可能なように表示データが生成される。図2の例では、模様(好ましくは色)によって各部材の上下関係を示している。また、図2の例では、上に位置する部材ほど、重ね合わせが上となるように表示される。
【0018】
表示データには、所定位置を基準として各部材の配置位置が示されることが好ましい。所定位置は、生成部21において自動生成されることとしても良いし、予め設定されることとしても良い。すなわち、各部材の配置位置が所定位置を基準に座標設定される。所定位置は、例えば作業面31の中心としても良いし、作業面31または作業面31の周囲の設置済みの構造物(例えば柱)とすることができる。
【0019】
生成部21によって表示データが生成されると、表示部22で使用される。
【0020】
表示部22は、表示データに基づいて作業面31に対して各部材の配置位置を表示する。具体的には、表示部22は、AR(Augmented Reality:拡張現実)により各部材の配置位置を作業面31に対して表示する。AR表示により、例えば、ARグラスやタブレット、スマートフォンなどの情報端末の表示部に、図2に示されるように配置位置が表示される。すなわち、現実世界(作業面31)に対して仮想世界(配置位置を示すラインL)が重ね合わされて示される。
【0021】
なお、表示部22は、作業面31に対して各部材の配置位置を表示(仮想的に表示)することができれば、上記AR表示に限定されず、プロジェクションマッピング等の方法を用いて作業面31に直接投影することも可能である。表示部22における表示方法に対応して生成部で表示データが生成される。
【0022】
表示部22は、配置位置の基準となる所定位置に基づいて作業面31に対して配置位置を表示する。例えば、表示データの所定位置に対応する位置に所定のマーカ(例えばQRコード(登録商標))を設置し、表示部22はこのマーカの位置を所定位置として、各部材の配置位置を表示する。基準となる所定位置については、表示される配置位置の精度を向上するために複数設定されることがより好ましい。
【0023】
表示部22によって各部材の配置位置が作業面31に対して表示されることで、作業員は各部材の配置位置を容易に認識することができる。配置位置が表示された場合に、各配置位置に対応する部材を特定するための部材の名称や固有番号等を表示することとしてもよい。図面を確認しながら配置する場合と比較して大幅に作業効率を向上させることが可能となる。作業時間の短縮により全体の工程短縮が期待できる。時間的コストだけでなく、費用的なコストも削減することができる。ヒューマンエラーの抑制についても期待できる。
【0024】
なお、図面データ23に対して、各部材の製作誤差や据付誤差などにより、実際の構造物の配置にずれが生じることがある。このような場合には、表示部22は構造物の実際の配置に合わせて各部材のARによる表示位置を補正することとしてもよい。構造物とは、作業面31または作業面31の周囲に設置された構造物(例えば柱など)である。すなわち、表示部22は、設置されている構造物の位置に基づいて、作業面31に対する各部材の配置位置(表示位置)を補正する。例えば、配置位置の基準となる所定位置(例えば作業面31の中心)に対する、図面データ23における構造物の位置と、実際に設置されている構造物の位置との誤差に基づいて、AR表示する各部材の配置位置を補正する。
【0025】
(梁一体化吊上げ工法の流れ)
次に、上述の配置表示システム20を用いた場合の工事(梁一体化吊上げ工法)の流れの一例について図3を参照して説明する。以下の具体例では、梁ブロック32と一体的に吊り上げられる部材であってARにより配置位置を表示する部材を、連絡管(水平管及び垂直管)33、吊り棒、及び管寄せ34として説明する。なお、梁ブロック32と一体的に吊り上げられる部材については連絡管33、吊り棒、及び管寄せ34に限定されない。
【0026】
まず、ジャッキを設置する(S101)。ジャッキは、建屋の上部に設置される。建屋の地上面部分が作業面31となる。このため、作業面31に対して各部材の配置位置をARにより表示する(S102)。そして、表示した各部材の配置位置を、例えば作業面31に設けた鉄板にマーキング(印付け)する(S103)。S102により、この後の工程において梁ブロック32と一体して吊り上げられる部材の配置位置が認識され、S103により物理的なマークとして残される。
【0027】
次に、図4に示すように、梁ブロック32を作業面31において地組する(S104)。そして、図5に示すように、ジャッキによって梁ブロック32を吊り上げる(S105)。S105は1st ジャッキアップとなる。S105では、作業面31において後続の作業を行うことができれば天井まで吊り上げなくてもよい。
【0028】
次に、図5に示すように、作業面31においてS102及びS103で処理したマークに基づいて連絡管33を配置する(S106)。後述するように、連絡管33は、梁ブロック32と共に吊り上げられるが、作業面31における配置位置が認識できるため、作業を効率的に進めることができる。
【0029】
次に、梁ブロック32をジャッキダウンする(S107)。S107は1st ジャッキダウンとなる。そして、作業面31に配置した連絡管33を梁ブロック32へ設置(仮吊り)し(S108)、図6に示すように、梁ブロック32と連絡管33とを一体的にジャッキアップする(S109)。S109は2nd ジャッキアップとなる。
【0030】
そして、例えば吊棒やその他の支持部材を梁ブロック32に設置する(S110)。そして、図7に示すように、梁ブロック32に対して管寄せ34を設置する(S111)。S110では、S102及びS103で処理したマークに基づいて管寄せ34の配置位置が確認される。また、梁ブロック32に対してバックステー35を設置する(S112)。そして、図8に示すように、梁ブロック32及び梁ブロック32に接続された各部材を一体的にジャッキアップする(S113)。S113は3rd ジャッキアップとなる。
【0031】
このようにして、建屋の天井部分に配置される梁ブロック32と、天井周りに配置される各部材とを、一体的に吊り上げて工事を行う。梁一体化吊上げ工法では、各部材を梁ブロック32に接続して吊り上げるため、各部材の配置位置を確認する必要があるが、ARにより作業面31に対して各部材の配置位置を表示するため、配置位置をより正確で効率的に確認し、作業を円滑に行うことが可能となる。
【0032】
図3のフローでは、ジャッキアップされる部材が、連絡管33、吊棒、及び管寄せ34のそれぞれのブロックに対応して分けられる場合を例示した。すなわち、梁ブロック32と一体的に吊り上げられる部材が、吊り上げ方向において各ブロック(連絡管33のブロック、吊棒のブロック、及び管寄せ34のブロック)に分けられる。そして、ブロック毎に梁ブロック32に吊り上げられる。
【0033】
このような場合には、上記例では複数のブロックの部材の配置位置をまとめて表示した。すなわち、図3のフローでは、S102において、各段階でジャッキアップされる連絡管33、吊棒、及び管寄せ34をまとめて作業面31に表示することとした。このような場合には、生成部21は、複数のブロックにおける部材の配置位置を示す表示データを生成する。これによって、各ブロックの部材の配置位置をまとめることができる。
【0034】
また、図3のフローのS102及びS103では表示した配置位置をマーキングしたが、配置位置をマーキングしないこととしても良い。この場合には、各部材を配置する前にARで配置位置を表示してARを確認しながら部材配置を行うこととしても良い。これにより、作業面31に設けた鉄板にマーキングする作業が省略でき、さらに作業効率を向上することができる。
【0035】
また、上記のように、ブロック毎に梁ブロック32に吊り上げる場合であっても、複数のブロックの部材をまとめて表示せず、ブロック毎に部材の配置位置の表示を行うこととしてもよい。この場合には、生成部21は、ブロック毎に部材の配置位置を示す表示データを生成する。具体的には、連絡管33の配置位置を示す表示データ、吊り棒の配置位置を示す表示データ、及び管寄せ34の配置位置を示す表示データがそれぞれ生成される。これによって、ブロックごとに部材の配置位置を確認することができる。そして、このように分けて部材の配置位置を表示する場合には、各部材を配置する前にARで配置位置を表示して、ARを確認しながら部材配置を行うこととしても良いし、ARを確認しながらS103と同様に作業面31に対してマーキングをして部材配置を行うこととしても良い。
【0036】
このように、梁ブロック32と一体的に吊り上げられる部材の配置位置が、配置表示システム20によりAR等で表示した情報に基づいて確認されれば、表示タイミングは図3のフローに限定されず適切に設定することができる。
【0037】
(配置表示システムのハードウェア構成図)
図9は、本実施形態に係る配置表示システム20のハードウェア構成の一例を示した図である。
図9に示すように、配置表示システム20は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU11と、CPU11が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)12と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)13と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)14と、ネットワーク等に接続するための通信部15とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バス18を介して接続されている。
【0038】
また、配置表示システム20は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する表示部(ディスプレイ、ARグラス、タブレット、スマートフォン)などを備えている。入力部と表示部は、タッチパネルなど一体化されたものであってもよい。
【0039】
各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式でハードディスクドライブ14等に記録されており、このプログラムをCPU11がRAM13等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROM12やその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る配置表示システム及びその配置表示方法によれば、梁ブロック32と所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う工法(梁一体化吊上げ工法)において、吊り上げる前に所定部材を配置する作業面31に対して所定部材の配置位置を表示する。このため、表示位置を確認することによって、吊り上げるために所定部材を配置する作業を効率化することが可能となる。
【0041】
本開示は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
【0042】
以上説明した各実施形態に記載の配置表示システム及びその配置表示方法は例えば以下のように把握される。
本開示に係る配置表示システム(20)は、梁部材によって構成された梁ブロック(32)に対して所定部材を吊り下げ、前記梁ブロック(32)と前記所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う場合に、吊り上げる前に前記所定部材を配置する所定平面(31)に対して前記所定部材の配置位置を示す表示データを生成する生成部(21)と、前記表示データに基づいて前記所定平面(31)に対して前記配置位置を表示する表示部(22)と、を備える。
【0043】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、梁ブロック(32)と所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う工法(梁一体化吊上げ工法)において、吊り上げる前に所定部材を配置する所定平面(31)に対して所定部材の配置位置を表示する。このため、表示位置を確認することによって、吊り上げるために所定部材を配置する作業を効率化することが可能となる。梁ブロック(32)とは、例えば大梁や中梁を組み合わせて構成される。
【0044】
本開示に係る配置表示システム(20)は、前記表示部(22)は、AR表示またはプロジェクションマッピングにより前記配置位置を表示することとしてもよい。
【0045】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、AR表示またはプロジェクションマッピングにより配置位置を確認しやすくなる。
【0046】
本開示に係る配置表示システム(20)は、前記生成部(21)は、複数の前記所定部材の吊り上げ方向における上下関係が視認可能な前記表示データを生成することとしてもよい。
【0047】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、複数の所定部材の吊り上げ方向における上下関係が示されることで、各所定部材の配置位置を正確に認識することが可能となる。
【0048】
本開示に係る配置表示システム(20)は、複数の前記所定部材は吊り上げ方向において複数のブロックに分けられており、前記ブロック毎に前記梁ブロック(32)に吊り上げられ、前記生成部(21)は、前記ブロック毎に前記所定部材の前記配置位置を示す表示データを生成することとしてもよい。
【0049】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、ブロック毎に所定部材が梁ブロック(32)に吊り上げられる場合には、ブロック毎に所定部材の配置位置が表示される。このため、吊り上げるブロック毎に、所定部材の配置位置が把握できる。
【0050】
本開示に係る配置表示システム(20)は、複数の前記所定部材は吊り上げ方向において複数のブロックに分けられており、前記ブロック毎に前記梁ブロック(32)に吊り上げられ、前記生成部(21)は、複数の前記ブロックにおける前記所定部材の前記配置位置を示す表示データを生成することとしてもよい。
【0051】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、ブロック毎に所定部材が梁ブロック(32)に吊り上げられる場合でも、複数のブロックにおける所定部材の配置位置がまとめて表示される。このため、ブロック間の所定部材の配置位置を確認することができる。
【0052】
本開示に係る配置表示システム(20)は、前記ブロックは、連絡管(33)、吊り棒、及び管寄せ(34)のそれぞれに対応して分けられていることとしてもよい。
【0053】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、効率的にブロック毎に吊り上げが可能となる。
【0054】
本開示に係る配置表示システム(20)は、前記生成部(21)は、発電プラントの図面データ(23)に基づいて前記表示データを生成することとしてもよい。
【0055】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、図面データ(23)に基づいて所定平面(31)に対して配置位置を表示することができる。
【0056】
本開示に係る配置表示システム(20)は、前記表示部(22)は、設置されている構造物の位置に基づいて、前記所定平面(31)に対して表示する前記配置位置を補正することとしてもよい。
【0057】
本開示に係る配置表示システム(20)によれば、設置されている構造物の位置に合わせて各部材の配置位置を補正して表示することができる。
【0058】
本開示に係る配置表示方法は、梁部材によって構成された梁ブロック(32)に対して所定部材を吊り下げ、前記梁ブロック(32)と前記所定部材とを一体的に吊り上げて設置を行う場合に、吊り上げる前に前記所定部材を配置する所定平面(31)に対して前記所定部材の配置位置を示す表示データを生成する工程と、前記表示データに基づいて前記所定平面に対して前記配置位置を表示する工程と、を有する。
【符号の説明】
【0059】
11 :CPU
12 :ROM
13 :RAM
14 :ハードディスクドライブ
15 :通信部
18 :バス
20 :配置表示システム
21 :生成部
22 :表示部
23 :図面データ
31 :作業面
32 :梁ブロック
33 :連絡管
34 :管寄せ
35 :バックステー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9