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特開2023-125440ポイントカード連携装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125440
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】ポイントカード連携装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20230831BHJP
   G06Q 30/0226 20230101ALI20230831BHJP
   G06Q 20/34 20120101ALI20230831BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q30/02 354
G06Q20/34 360
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029527
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】弁理士法人東京UIT国際特許
(72)【発明者】
【氏名】岡本 健
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L055AA52
5L055AA66
(57)【要約】
【課題】発行していたとすれば多くのポイントを貯めることができた,そのような未発行ポイントカードの種類を知ることができるようにする。
【解決手段】加盟店端末装置からクレジットカード番号,日付,加盟店ID,商品名,金額を含む売上情報が送信され,決済処理装置はこれを受信する。加盟店IDによって提携ポイントカードが,クレジットカード番号によって発行済ポイントカードがそれぞれ検索される。提携ポイントカードと発行済ポイントカードが一致すると,そのポイントカードに対して付与される獲得ポイントが売上情報とともに取引管理データベースに登録される。提携ポイントカードと発行済ポイントカードが一致しない場合,一致したとすれば付与された仮想獲得ポイントが登録される(ステップ83)。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加盟店端末装置から,キャッシュレス支払手段の識別コード,取引日付,加盟店識別コードおよび支払金額を含むキャッシュレス売上情報を受信する売上情報受信手段,
上記加盟店識別コードによって特定される加盟店の提携ポイントカードを検索する第1の検索手段,
上記キャッシュレス支払手段の識別コードによって特定される発行済ポイントカードを検索する第2の検索手段,
上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致する場合に上記提携/発行済ポイントカードに対して付与される獲得ポイントを,上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第1の管理手段,ならびに
上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致しない場合に,一致したとすれば付与された仮想獲得ポイントを上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第2の管理手段を備えている,
ポイントカード連携装置。
【請求項2】
上記第2の管理手段によって管理される仮想獲得ポイントを画面表示するためのデータを作成する仮想獲得ポイント表示データ作成手段を備えている,
請求項1に記載のポイントカード連携装置。
【請求項3】
上記仮想獲得ポイント表示データ作成手段によって作成される画面表示データは,上記仮想獲得ポイントに対応して未発行ポイントカードを新規に発行するための発行ボタンをさらに表示するものである,
請求項2に記載のポイントカード連携装置。
【請求項4】
加盟店端末装置から,キャッシュレス支払手段の識別コード,取引日付,加盟店識別コードおよび支払金額を含むキャッシュレス売上情報を受信する売上情報受信手段,
上記加盟店識別コードによって特定される加盟店の提携ポイントカードを検索する第1の検索手段,
上記キャッシュレス支払手段の識別コードによって特定される発行済ポイントカードを検索する第2の検索手段,
上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致する場合に,上記提携/発行済ポイントカードの提示または未提示を判断するポイントカード提示判断手段,
上記提携/発行済ポイントカードの提示が判断された場合に,上記提携/発行済ポイントカードに対して付与される獲得ポイントを,上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第1の管理手段,ならびに
上記提携/発行済ポイントカードの未提示が判断された場合に,提示されたとすれば付与された未獲得ポイントを上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第2の管理手段を備えている,
ポイントカード連携装置。
【請求項5】
上記第2の管理手段によって管理される未獲得ポイントおよび上記未獲得ポイントを獲得ポイントに移行するための獲得ボタンを画面表示するためのデータを作成する未獲得ポイント表示データ作成手段を備えている,
請求項4に記載のポイントカード連携装置。
【請求項6】
コンピュータ装置を,
加盟店端末装置から,キャッシュレス支払手段の識別コード,取引日付,加盟店識別コードおよび支払金額を含むキャッシュレス売上情報を受信する売上情報受信手段,
上記加盟店識別コードによって特定される加盟店の提携ポイントカードを検索する第1の検索手段,
上記キャッシュレス支払手段の識別コードによって特定される発行済ポイントカードを検索する第2の検索手段,
上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致する場合に上記提携/発行済ポイントカードに対して付与される獲得ポイントを,上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第1の管理手段,ならびに
上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致しない場合に,一致したとすれば付与された仮想獲得ポイントを上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第2の管理手段,
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータ装置を,
加盟店端末装置から,キャッシュレス支払手段の識別コード,取引日付,加盟店識別コードおよび支払金額を含むキャッシュレス売上情報を受信する売上情報受信手段,
上記加盟店識別コードによって特定される加盟店の提携ポイントカードを検索する第1の検索手段,
上記キャッシュレス支払手段の識別コードによって特定される発行済ポイントカードを検索する第2の検索手段,
上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致する場合に,上記提携/発行済ポイントカードの提示または未提示を判断するポイントカード提示判断手段,
上記提携/発行済ポイントカードの提示が判断された場合に,上記提携/発行済ポイントカードに対して付与される獲得ポイントを,上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第1の管理手段,ならびに
上記提携/発行済ポイントカードの未提示が判断された場合に,提示されたとすれば付与された未獲得ポイントを上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第2の管理手段,
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はポイントカード連携装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗においてクレジットカードを使って支払いするとき,クレジットカードとは別のポイントカードを店舗に提示することによってポイントを獲得(付与)することができるポイントサービスが提供されている。一般には買い物をした金額がポイントに換算され,換算されたポイントは提示されたポイントカードに関連付けられて蓄積(記憶,保存)される。貯まったポイントは次回以降買い物をするときにそのポイント分の金額の値引きを受けるなどのサービスに用いられる。
【0003】
ポイントカードを店舗に提示することによってポイントは付与され,かつ値引きサービスを受けることができる。ポイントカードが発行されていなければ(ポイントカードをそもそも保有していない),当然にポイントは付与されず,ポイントサービスを受けることはできない。また,ポイントカードが発行されている(ポイントカードを既に保有している)としても,クレジットカードを利用するときにポイントカードを携帯していなければ(典型的にはポイントカードを自宅に忘れた),同様にポイントは付与されず,ポイントサービスは受けられない。
【0004】
特許文献1は,クレジットカードを用いて買い物をすると,商品の取引コード,クレジットカードのカード番号,店舗番号を含む売上情報が,店舗から決済業者ホストに送信され,さらに決済事業者ホストからポイントサービスサーバに送信されるシステムを開示する。クレジットカード払いをすればポイントカードを店舗に提示せずともポイントが付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-137811号公報
【0006】
ポイントカードはクレジットカードに比べて使用することができるカードの種類が店舗ごとに決められている場合が多い。特許文献1に記載のシステムでは,既に発行している種類のポイントカードであればそのポイントカードにポイントを貯めることはできるが,未だ発行していず,しかしながら多くのポイントを貯めることができる,そのようなポイントカードの種類を知ることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は,まだ発行していないポイントカードであって,発行していたとすれば多くのポイントを貯めることができた,そのような未発行ポイントカードの種類を知ることができるようにすることを目的とする。
【0008】
この発明はまた,ポイントカードの提示をポイント付与(獲得)の条件とするポイント事業者であっても,ポイントを後付けできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明によるポイントカード連携装置は,加盟店端末装置から,キャッシュレス支払手段の識別コード,取引日付,加盟店識別コードおよび支払金額を含むキャッシュレス売上情報を受信する売上情報受信手段,上記加盟店識別コードによって特定される加盟店の提携ポイントカードを検索する第1の検索手段,上記キャッシュレス支払手段の識別コードによって特定される発行済ポイントカードを検索する第2の検索手段,上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致する場合に上記提携/発行済ポイントカードに対して付与される獲得ポイントを,上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第1の管理手段,ならびに上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致しない場合に,一致したとすれば付与された仮想獲得ポイントを上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第2の管理手段を備えている。
【0010】
この発明は,コンピュータ装置を第1の発明によるポイントカード連携装置として機能させるためのプログラムも提供する。
【0011】
加盟店端末装置からキャッシュレス売上情報が送信され,これが受信手段によって受信される。キャッシュレス支払手段は,たとえばクレジットカード,電子マネー,デビットカード,モバイルウォレット等,前払い,後払いまたは即時払いのいずれの決済手段も含む。
【0012】
加盟店端末装置を備える加盟店はポイントカード・サービスにも対応する。提携ポイントカードが提示されると,提示されたポイントカードに金額に応じたポイントが付与され,ユーザはポイントを獲得することができる。
【0013】
第1の発明によると,キャッシュレス支払手段の識別コード,取引日付,加盟店識別コードおよび支払金額を含むキャッシュレス売上情報が受信されるので,加盟店識別コードに対応づけてその加盟店の提携ポイントカードの種類を管理しておけば,受信する加盟店識別コード基づいて加盟店の提携ポイントカードを検索(識別)することができる。また,キャッシュレス支払手段の識別コードに対応づけて特定のキャッシュレス支払手段に対応するまたはその名義人が保有する発行済ポイントカードの種類および番号を管理しておけば,受信するキャッシュレス支払手段の識別コードに基づいて特定のキャッシュレス支払手段に対応するまたはその名義人が保有する発行済ポイントカードおよび番号を検索(識別)することができる。
【0014】
提携ポイントカードと発行済ポイントカードが一致する場合,その提携/発行済ポイントカードに対してキャッシュレス支払手段を用いた支払金額に応じた獲得ポイントが付与される。ポイントカードを携帯していなくてもポイントを貯めることができる。他方,提携ポイントカードと発行済ポイントカードが一致しない場合(ポイントカードを全く発行(保有)していない場合を含む),一致したとすれば付与されたはずの仮想獲得ポイントが上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理される。
【0015】
第1の発明によると,未発行のポイントカードについて,ポイントカードが発行済であったとすれば獲得することができたポイントが仮想獲得ポイントとして管理される。仮想獲得ポイントはキャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理されるのでキャッシュレス支払手段を用いた購買履歴に加えて,ポイントカードが未発行であったために獲得できなかった(発行していれば獲得できた)ポイントをユーザに知らせることができる。たとえば上記第2の管理手段によって管理される仮想獲得ポイントを画面表示するためのデータを作成し,ユーザからの要求に応じて送信すればよい。ポイントカードの新規発行の強い動機付けにすることができる。
【0016】
一実施態様では,仮想獲得ポイント表示データ作成手段によって作成される画面表示データは,上記仮想獲得ポイントに対応して未発行ポイントカードを新規に発行するための発行ボタンをさらに表示するものである。ポイントカードを新規発行しやすくすることができる。
【0017】
第2の発明によるポイント連携装置は,加盟店端末装置から,キャッシュレス支払手段の識別コード,取引日付,加盟店識別コードおよび支払金額を含むキャッシュレス売上情報を受信する売上情報受信手段,上記加盟店識別コードによって特定される加盟店の提携ポイントカードを検索する第1の検索手段,上記キャッシュレス支払手段の識別コードによって特定される発行済ポイントカードを検索する第2の検索手段,上記第1の検索手段によって見つかった提携ポイントカードと上記第2の検索手段によって見つかった発行済ポイントカードが一致する場合に,上記提携/発行済ポイントカードの提示または未提示を判断するポイントカード提示判断手段,上記提携/発行済ポイントカードの提示が判断された場合に,上記提携/発行済ポイントカードに対して付与される獲得ポイントを,上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第1の管理手段,ならびに上記提携/発行済ポイントカードの未提示が判断された場合に,提示されたとすれば付与された未獲得ポイントを上記キャッシュレス支払手段による売上情報とともに管理する第2の管理手段を備えている。
【0018】
この発明は,コンピュータ装置を第2の発明によるポイントカード連携装置として機能させるためのプログラムも提供する。
【0019】
第2の発明によると,ポイントカードを既に発行している(保有している)ものの,それをたとえば自宅に忘れたときに,獲得ポイントとは異なる未獲得ポイントが管理される。
【0020】
好ましくは,第2の発明によるポイント連携装置は,上記第2の管理手段によって管理される未獲得ポイントおよび上記未獲得ポイントを獲得ポイントに移行するための獲得ボタンを画面表示するためのデータを作成する未獲得ポイント表示データ作成手段を備えている。ポイントカード不携帯であったために店舗においてポイントを獲得できなかったとしても,後日に未獲得ポイントを獲得ポイントに移行することができるので,ポイントカードを現実に店舗に提示しなければポイントを獲得できないポイントカードに比べて,便利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ポイントカード連携システムの構成を示すブロック図である。
図2】決済処理装置が備える会員マスタ・データベースを示す。
図3】決済処理装置が備える加盟店マスタ・データベースを示す。
図4】決済処理装置が備える取引管理データベースを示す。
図5】ポイント管理装置が備える会員マスタ・データベースを示す。
図6】ポイント管理装置が備えるポイント管理データベースを示す。
図7】決済処理装置の処理を示すフローチャートである。
図8】決済処理装置の処理を示すフローチャートである。
図9】ポイントカード新規発行画面を示す。
図10】他の実施例の決済処理装置の処理を示すフローチャートである。
図11】ポイント後付け画面を示す。
【実施例0022】
図1はポイントカード連携システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【0023】
ポイントカード連携システムは,加盟店端末装置10,決済処理装置(サーバ)20およびポイント管理装置(サーバ)30A~30Cを含む。
【0024】
加盟店端末装置10はクレジットカード会社と加盟店契約を結んでいる店舗に設置された端末装置である。加盟店端末装置10は,クレジットカード40の磁気記憶領域またはICチップのいずれか(両方でもよい)からカード情報を読み取る。読み取られたカード情報によって特定されるクレジットカード会員の口座61からクレジットカード40を用いて支払われた代金が引き落とされる。
【0025】
加盟店端末装置10はまた,ポイントカード50に印字されたバーコード(図示略)を読みとる機能も備えている。ポイントカード50に印字されたバーコードによって特定される一のポイントカードに,クレジットカード40を用いて支払われた金額に応じたポイントが付与される。
【0026】
加盟店端末装置10は,制御部,通信部,入力部,表示部,記憶部,コードリーダ等を備えるコンピュータ装置によって実現され,上述したように,クレジットカード40およびポイントカード50に記録された情報を読み取ることができる。
【0027】
加盟店端末装置10はネットワーク(たとえばインターネット)を介して決済処理装置20に接続されている。クレジットカード40およびポイントカード50が店舗(加盟店端末装置10)に提示されることによって読み取られた情報はネットワークを通じて加盟店端末装置10から決済処理装置20に送信される。
【0028】
後述するように,ポイントカード50については必ずしも店舗に提示しなくてもポイントを獲得することができる。これについての詳細は後述する。
【0029】
決済処理装置20は,商品またはサービスを提供した店舗に対して代金を立替払いし,かつ商品またはサービスの提供を受けたクレジットカード会員に対して代金を請求(口座引き落とし)する。一般には,商品またはサービスの提供日に代金が決済処理装置20から加盟店口座62に立替払いされ,会員口座61からの代金の引き落としは後日(たとえば翌々月)に行われる。決済処理装置20も制御部,通信部,入力部,記憶部等を備えるコンピュータ装置によって実現される。
【0030】
決済処理装置20の記憶部に,会員マスタ・データベース21,加盟店マスタ・データベース22および取引管理データベース23が記憶されている。これらのデータベース21~23の詳細は後述する。
【0031】
決済処理装置20はネットワーク(たとえばインターネット)を介してポイント管理装置30A~30Cに接続されている。ネットワークを通じて決済処理装置20とポイント管理装置30A~30Cとの間でデータの送受信が行われる。ポイント管理装置30A~30Cも制御部,通信部,入力部,表示部,記憶部等を備えるコンピュータ装置によって実現される。
【0032】
複数のポイント管理装置30A~30Cのそれぞれは,種類の異なるポイントカード50のそれぞれに対応する管理装置を意味する。加盟店端末装置10において特定種類のポイントカード50が提示されると,その種類に対応するポイント管理装置にデータが送信される。
【0033】
ポイント管理装置30A~30Cのそれぞれの記憶部に会員マスタ・データベース31aおよびポイント管理データベース32aが記憶されている。これらのデータベース31a,32aの詳細は後述する。
【0034】
図2図4は,決済処理装置20の記憶部に記憶された会員マスタ・データベース21,加盟店マスタ・データベース22,および取引管理データベース23をそれぞれ概略的に示している。
【0035】
図2を参照して,会員マスタ・データベース21には,クレジットカード40のそれぞれについて,クレジットカード番号(図2等においてクレジットカードを「Cカード」と表記する),クレジットカードの名義人氏名,発行済ポイントカードの種類(図2等においてポイントカードを「Pカード」と表記する)および番号等が記憶されている。
【0036】
クレジットカード会員は一または複数種類のポイントカード50を発行することができ,複数種類のポイントカード50を発行しているクレジットカード会員(その名義人)については複数種類の発行済ポイントカード50の種類およびその番号を会員マスタ・データベース21に記憶することができる。クレジットカード会員が保有する発行済ポイントカード50の種類およびその番号は,クレジットカード40の運営会社が用意する登録画面(図示略)を用いて登録され,これがクレジットカード番号と関連付けられて会員マスタ・データベース21に記憶される。
【0037】
図3を参照して,加盟店マスタ・データベース22にはクレジットカード40の加盟店についての加盟店ID,加盟店名,提携ポイントカード等が記憶されている。
【0038】
提携ポイントカードには加盟店において利用することができるポイントカード50の種類が記憶される。提携ポイントカード50の種類は加盟店ごとに一種類であってもよいし,複数種類であってもよい。
【0039】
図4を参照して,取引管理データベース23にはクレジットカード40の利用実績が記憶される。クレジットカード番号,利用日付,クレジットカード40が利用された加盟店ID,取引された商品(サービス)名,金額,クレジットカード40の利用時に用いられたポイントカード情報(ポイントカード種類および番号,またはポイントカード種類),獲得ポイント等が取引管理データベース23には記憶される。
【0040】
獲得ポイントは,クレジットカード40を用いて商品等を購入することで,その金額に応じて付与され,取引管理データベース23に登録される。さらにポイントカードを発行していない場合であっても,発行していれば付与されたはずのポイント(「仮想獲得ポイント」と呼ぶ)も取引管理データベース23には記憶される。この場合,取引管理データベース23の最下行に示すように,ポイントカード情報にポイントカード番号は登録されず,ポイントカードの種類のみが登録される。そして獲得ポイント欄には仮想獲得ポイントが登録される。仮想獲得ポイントはクレジットカード番号によって特定されるクレジットカード40の名義人が,加盟店IDによって特定される加盟店が提携しているポイントカードを発行(保有)していず,発行(保有)していたとすれば獲得することができたポイントであることを意味し,通常(既にポイントカードを発行している場合)の獲得ポイントとは区別可能に取引管理データベース23に記憶される。
【0041】
図5図6は,ポイント管理装置30Aの記憶部に記憶された会員マスタ・データベース31aおよびポイント管理データベース32aをそれぞれ概略的に示している。
【0042】
図5を参照して,ポイント管理装置30Aの記憶部に記憶された会員マスタ・データベース31aにはポイントカード番号,ポイントカード会員の氏名等が記憶される。
【0043】
図6を参照して,ポイント管理データベース32aには商品等を購入したときに付与されるポイント(獲得ポイント)が記憶される。獲得ポイントには,ポイントカード番号,日付,購入店舗,商品名,金額等が関連付けられて,ポイント管理データベース32aに記憶される。
【0044】
ポイント分の金額の値引きを受けるとマイナスのポイントが獲得ポイント欄に記憶される。
【0045】
図7および図8はポイントカード連携システムにおける決済処理装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
クレジットカード40を用いて商品等を購入すると,加盟店端末装置10から売上情報が決済処理装置20に送信され,決済処理装置20において受信される(ステップ71)。加盟店端末装置10から決済処理装置20に送信される売上情報は,クレジットカード番号,日付,加盟店ID,商品名および金額を含み,決済処理装置20において上述した取引管理データベース23(図4)に記憶される。
【0047】
売上情報を受信した決済処理装置20は,売上情報に含まれる加盟店IDに基づいて,加盟店IDによって特定される加盟店の提携ポイントカードの種類を検索する(ステップ72)。提携ポイントカードの種類の検索には上述した加盟店マスタ・データベース22(図3)が用いられる。
【0048】
次に決済処理装置20は,売上情報に含まれるクレジットカード番号に基づいてクレジットカード会員(名義人)の発行済ポイントカードの種類を検索する(ステップ73)。発行済ポイントカードの検索には上述した会員マスタ・データベース21(図2)が用いられる。
【0049】
検索により見つかった提携ポイントカードと発行済ポイントカードとに一致するものがあるかどうかが判断される(ステップ74)。
【0050】
一致する提携ポイントカードおよび発行済ポイントカードが見つかった場合,決済処理装置20は,一致したポイントカードの種類に対応するポイント管理装置(ここではポイント管理装置30Aとする)に,ポイントカード番号,日付,店舗名,商品名および金額を含む取引情報を送信する(ステップ74でYES,ステップ75)。ポイントカード番号は,利用されたクレジットカード40のカード番号に関連付けられて会員マスタ・データベース21に記憶されているものが用いられる。ポイント管理装置30Aは受信した取引情報に基づいて,特定のポイントカード番号に対して金額に応じたポイントを付与し,ポイント管理データベース32a(図6)に記憶する。
【0051】
ポイント管理装置30Aによって付与されたポイントはポイント管理装置30Aから決済処理装置20に送信され,これが決済処理装置20によって受信される(ステップ76)。ポイント管理装置30Aから決済処理装置20には,ポイントに加えて取引管理データベース23に記憶された複数の売上情報のいずれに対応するかを特定する情報およびポイントカード番号も送信される。決済処理装置20では,上述した売上情報に関連付けられて,受信したポイントカード番号が取引管理データベース23に登録(記憶)され,さらに受信したポイントが,獲得ポイントとして取引管理データベース23に登録(ステップ77)。
【0052】
提携ポイントカードと発行済ポイントカードとが一致しない場合,典型的にはクレジットカード40の名義人が商品等を購入した店舗の提携ポイントカードを発行していない(未保有)の場合,決済処理装置20は,クレジットカード40が用いられた店舗の提携ポイントカードのポイント管理装置(ポイント管理装置30Bとする)に,ポイントカード番号を除く取引情報(日付,店舗名,商品名,金額)を送信する(ステップ74でNO,ステップ81)。
【0053】
ポイントカード番号を含まない取引情報を受信したポイント管理装置30Bは,クレジットカード40の名義人が提携ポイントカードを発行していたとすれば取得することができた仮想獲得ポイントを算出し,決済処理装置20に送信する。決済処理装置20は仮想獲得ポイントを受信し,取引管理データベース23に登録する(ステップ82,83)。上述したように,仮想獲得ポイントは通常の獲得ポイントと区別可能に取引管理データベース23に記憶される(図4の最下行参照)。
【0054】
仮想獲得ポイントは,クレジットカード40の名義人のリクエストに応じて調べることができる。クレジットカード40の名義人からのリクエスト(一般にはクレジットカード番号およびパスワードを含む)が送信されると,決済処理装置20(決済処理装置20と協働する別の装置でもよい)においてポイントカード新規発行画面データが作成され,クレジットカード40の名義人の利用装置(パーソナル・コンピュータ,スマートフォンなど)に送信される(ステップ84)。
【0055】
図9は,ポイントカード新規発行画面データによって表示されるポイントカード新規発行画面86の一例を示している。
【0056】
ポイントカード新規発行画面86には,取引管理データベース23に記憶されるポイントカード情報および仮想獲得ポイントに基づいて,ポイントカードを発行していたとすれば獲得できていたポイントが表示される。図9の画面には,特定のクレジットカード番号の名義人(ここでは「特許太郎」)がポイントカードB,XおよびYを発行していず(未発行),もしもこれらのポイントカードを発行していたとすれば獲得することができたポイント(上述した仮想獲得ポイント)が,未発行ポイントカードの種類とともに示される。未発行のポイントカードの種類のそれぞれに対応して「新規発行」ボタン87が用意されており,このボタン87をクリックまたはタップすることによって,特定種類のポイントカードの新規発行画面(図示略)に遷移する。ポイントカード新規発行画面86を経由してポイントカードが新規発行された場合には,そのポイントカードの種類および番号を決済処理装置20の会員マスタ・データベース21に新たに記憶するとよい。
【0057】
このように,クレジットカード40の会員(名義人)は,クレジットカード40にポイントカード50を関連付けておくことによってポイントカード50を携帯せずともポイントを獲得することができる。また,未だ発行していないポイントカードであって,発行していたとすれば多くのポイントを貯めることができた,そのような未発行ポイントカードの種類を知ることができる。
【0058】
図10図7に対応するもので,他の実施例のポイントカード連携システムにおける決済処理装置20の処理の流れを示すフローチャートである。図11図10に示すフローチャートにしたがって動作する他の実施例のポイントカード連携システムにおいて,クレジットカード40の名義人が表示させることができるポイント後付け画面を示している。
【0059】
図1図9に示すポイントカード連携システムではクレジットカード40の名義人がポイントカード50を店舗に提示しなくても,ポイントカード50を発行(保有)しさえしていれば不携帯であったとしてもポイントを獲得することができる。図10および図11に示すポイントカード連携システムは,ポイント獲得のためには店舗におけるポイントカード50の提示を要求しつつ,しかしながらポイントカード50の未提示のために獲得できなかったポイントを後日に獲得できるようにするシステムである。図10において図7に示す決済処理装置20の処理と同一の処理には同一の符号を付し,重複説明を省略する。
【0060】
一致する提携ポイントカードおよび発行済ポイントカードが見つかった場合(ステップ74でYES ),そのポイントカード50が提示されたかどうか(ポイントカード50のバーコード読み取りが行われたかどうか)がさらに判断される(ステップ78)。
【0061】
ポイントカード50が加盟店端末装置10に提示されれば(ポイントカード50のバーコードが読み取られれば),提示されたポイントカード50のポイント管理装置にポイントカード番号を含む取引情報が送信され,ポイント管理装置において付与された獲得ポイントがポイント管理装置から決済処理装置20に送信されて受信される。決済処理装置20の取引管理データベース23には売上情報に加えてポイントカード番号および獲得ポイントが記憶される(ステップ78でYES,ステップ75A,76,77)。
【0062】
クレジットカード40の名義人が提携ポイントカード50を発行(保有)しているが,たとえばそのポイントカード50を自宅に忘れた(不携帯)ために加盟店端末装置10に提示できなかった場合,一致する提携ポイントカードおよび発行済ポイントカードであって未提示(不携帯)のポイントカード50のポイント管理装置に,ポイントカード番号を除く取引情報(日付,店舗名,商品名,金額)が送信される(ステップ75B)。ポイント管理装置では通常(店舗においてポイントカードが提示された場合)の獲得ポイントと区別可能に未獲得ポイントが算出され,これがポイント管理装置から決済処理装置20に送信され,取引管理データベース23に記憶(登録)される(ステップ91)。
【0063】
クレジットカード40の名義人のリクエストに応じてポイント後付け画面データが決済処理装置20からクレジットカード40の名義人の利用装置に送信される(ステップ92)。
【0064】
図11はポイント後付け画面95の一例を示している。
【0065】
ポイント後付け画面95には,通常の獲得ポイントと区別可能に取引管理データベース23に記憶される未獲得ポイントに基づいて,提携ポイントカードを既に発行している(保有している)が,それを店舗に提示しなかったために獲得できなかった未獲得ポイントが表示される。未獲得ポイントごとに「獲得」ボタン96が用意され,ボタン96がクリックまたはタップされると,未獲得ポイントが獲得ポイントに移行する(決済処理装置20の取引管理データベース23およびポイント管理装置のポイント管理データベース32aにおいて未獲得ポイントが獲得ポイントとされる)。ポイントカード50の提示をポイント付与の原則としつつも,その後にポイントを獲得できるので,便利である。
【符号の説明】
【0066】
10 加盟店端末装置
20 決済処理装置(ポイントカード連携装置)
21,31a 会員マスタ・データベース
22 加盟店マスタ・データベース
23 取引管理データベース
30A,30B,30C ポイント管理装置
32a ポイント管理データベース
40 クレジットカード
50 ポイントカード
図1
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図11