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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125444
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0485 20220101AFI20230831BHJP
【FI】
G06F3/0485
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029538
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江崎 実
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555BA01
5E555BA23
5E555BB01
5E555BB23
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB08
5E555CB33
5E555CB34
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB18
5E555DC02
5E555DD02
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 ドラッグ操作の自由度を拡張し、ユーザの操作性を向上させる。
【解決手段】 情報処理装置は、各種の画面を表示する表示部と、前記表示部に積層され、前記画面に対するユーザの操作入力を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部に対する前記ユーザの操作内容を判定する操作判定部と、操作対象を含む前記画面を生成し、判定された前記操作内容に応じて前記画面を変化させる画面生成部と、を備える。前記操作判定部は、初期状態の第1モードにおいて、前記画面上の前記操作対象に対する前記操作対象の長手方向へのドラッグ操作に応じて第2モードに遷移する。前記操作判定部は、前記第1モードと前記第2モードとにおける前記操作対象の前記長手方向とは異なる方向への同一のドラッグ操作を異なる指示操作として判定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の画面を表示する表示部と、
前記表示部に積層され、前記画面に対するユーザの操作入力を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部に対する前記ユーザの操作内容を判定する操作判定部と、
操作対象を含む前記画面を生成し、判定された前記操作内容に応じて前記画面を変化させる画面生成部と、を備え、
前記操作判定部は、
初期状態の第1モードにおいて、前記画面上の前記操作対象に対する前記操作対象の長手方向へのドラッグ操作に応じて第2モードに遷移し、
前記第1モードと前記第2モードとにおける前記操作対象の前記長手方向とは異なる方向への同一のドラッグ操作を異なる指示操作として判定する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記操作判定部は、
前記第2モードにおいて、前記操作対象に対する前記操作対象の前記長手方向と交差する方向へのドラッグ操作を、前記第1モードにおける前記交差する方向へのドラッグ操作とは異なる指示操作として判定する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記画面生成部は、
複数の選択肢の一覧を含むリスト画面を生成し、
前記操作判定部は、
前記第1モードにおいて、前記リスト画面における前記選択肢の前記長手方向と交差する方向へのドラッグ操作を前記一覧へのスクロール操作として判定し、
前記第2モードにおいて、前記リスト画面における前記選択肢の前記長手方向と交差する方向へのドラッグ操作を、選択中の前記選択肢である前記操作対象に対する処理を表すアイコンの選択操作として判定する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記操作判定部は、
前記第1モードにおいて、前記操作対象に対する前記操作対象と交差する方向へのドラッグ操作を、ドラッグ操作された前記操作対象を移動させる操作として判定し、
前記第2モードにおいて、前記操作対象に対する前記操作対象と交差する方向へのドラッグ操作を、ドラッグ操作されていない前記操作対象を含む複数の操作対象を同期して移動させる操作として判定する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記画面生成部は、
表示領域が複数の分割領域に区分された分割画面を生成し、
前記操作判定部は、
前記第1モードにおいて、前記操作対象としての前記分割領域どうしの境界線に対する前記境界線と交差する方向へのドラッグ操作を、ドラッグ操作された前記境界線を移動させる操作として判定し、
前記第2モードにおいて、前記操作対象としての前記境界線に対する前記境界線と交差する方向へのドラッグ操作を、ドラッグ操作されていない前記境界線を含む複数の境界線を同期して移動させる操作として判定する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記画面生成部は、
前記操作対象上に操作領域を設けた前記画面を生成し、
前記操作判定部は、前記操作領域に対応する前記操作受付部の領域に対する前記ユーザの操作内容を判定する
情報処理装置。
【請求項7】
各種の画面を表示する表示部と、
前記表示部に積層され、前記画面に対するユーザの操作入力を受け付ける操作受付部と、を備える情報処理装置による情報処理方法であって、
前記操作受付部に対する前記ユーザの操作内容を判定する操作判定ステップと、
操作対象を含む前記画面を生成し、判定された前記操作内容に応じて前記画面を変化させる画面生成ステップと、を含み、
前記操作判定ステップは、
初期状態の第1モードにおいて、前記画面上の前記操作対象に対する前記操作対象の長手方向へのドラッグ操作に応じて第2モードに遷移し、
前記第1モードと前記第2モードとにおける前記操作対象の前記長手方向とは異なる方向への同一のドラッグ操作を異なる指示操作として判定する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの操作方法として、例えば特許文献1には「携帯端末機におけるタッチベースの運用方法であって、少なくとも1つの項目を有する通信関連リストを第1の方向に表示するステップと、第1タッチイベントに応答して前記少なくとも1つの項目のうちの特定の1つを選択するステップと、前記選択された特定の1つの項目上で第2の方向に第2タッチイベントが発生するか否かを確認するステップと、前記第2の方向に発生した前記第2タッチイベントに応答して前記選択された特定の1つの項目に既設定された特定機能を遂行するステップと、を有することを特徴とする携帯端末機の運用方法。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2012-527686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、例えば、複数の項目を上下方向に並べたリスト画面において、ユーザが自身の指等を画面に接触したまま上下方向にずらすドラッグ操作を行うと、当該リストにおける1項目を選択できる。これ続けて、選択した1項目上で左右方向にドラッグ操作を行うと、選択した1項目に対して、ドラッグ操作の方向(右方向または左方向)に応じた処理を実行することができる。換言すれば、2種類の処理を選択して実行させることができる。
【0005】
ただし、特許文献1に記載の技術等の従来技術では、リストにおけるドラッグ操作の方向はリストの方向に支配的であり、ドラッグ操作の自由度が低い。すなわち、例えば、項目を上下方向に並べたリスト画面におけるドラッグ操作は、上下方向に限定されている。さらに、上下方向のドラッグ操作によって選択した1項目上でのドラッグ操作は、左右方向に限定されている。したがって、上下方向のリスト上で選択した1項目に対して行う処理を、上下方向のドラッグ操作により多肢選択させるようなUI(User Interface)を実現することができない。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ドラッグ操作の自由度を拡張し、ユーザの操作性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係る情報処理装置は、各種の画面を表示する表示部と、前記表示部に積層され、前記画面に対するユーザの操作入力を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部に対する前記ユーザの操作内容を判定する操作判定部と、操作対象を含む前記画面を生成し、判定された前記操作内容に応じて前記画面を変化させる画面生成部と、を備える。前記操作判定部は、初期状態の第1モードにおいて、前記画面上の前記操作対象に対する前記操作対象の長手方向へのドラッグ操作に応じて第2モードに遷移する。前記操作判定部は、前記第1モードと前記第2モードとにおける前記操作対象の前記長手方向とは異なる方向への同一のドラッグ操作を異なる指示操作として判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ドラッグ操作の自由度を拡張し、ユーザの操作性を向上することが可能となる。
【0010】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る車載装置の機能ブロックの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、コンピュータの構成の一例を示す図である。
図3図3は、リスト画面の表示例を示す図である。
図4図4は、リスト画面に対するドラッグ操作の一例を説明するための図である。
図5図5は、リスト画面表示時の処理の一例を説明するフローチャートである。
図6図6は、分割画面の表示例を示す図である。
図7図7は、分割画面に対するドラッグ操作の一例を説明するための図である。
図8図8は、分割画面に対するドラッグ操作の一例を説明するための図である。
図9図9は、分割画面表示時の処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は適宜省略する。また、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含む。
【0013】
<本発明の一実施形態に係る車載装置10の構成例>
以下、本発明の一実施形態に係る車載装置10について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る車載装置10の機能ブロックの構成例を示している。車載装置10は、ディスプレイ上にタッチパネルが積層されている電子機器であり、運転中の指によって操作されることが想定される。車載装置10は、例えば、ナビゲーション機能、通話機能、音楽再生機能、エアコン調整機能、各種設定機能等を有する。車載装置10は、本発明の情報処理装置に相当する。
【0015】
車載装置10は、一般的なコンピュータによって実現できる。図2は、車載装置10を実現するコンピュータ100の構成の一例を示している。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ101、プログラムやデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)102、プロセッサ101が実現するブートプログラム等を格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc drive)やSSD、不揮発性メモリカード等の記憶装置104、インターネットに代表されるネットワークに接続して通信を行う通信モジュール105、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等のディスプレイ106、及びディスプレイ106に積層されたタッチパネル107を備える。
【0016】
図1に戻る。車載装置10は、処理部11、操作受付部12、及び表示部13を備える。処理部11は、操作判定部111、機能実行部112、及び画面生成部113の各機能ブロックを有する。
【0017】
処理部11は、コンピュータ100のプロセッサ101からなり、操作判定部111、機能実行部112、及び画面生成部113は、プロセッサ101が所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0018】
操作判定部111は、操作受付部12からの操作信号に基づき、ユーザからの操作内容を判定する。機能実行部112は、ユーザからの操作内容に応じ、ナビゲーション機能、通話機能、音楽再生機能、エアコン調整機能、各種設定機能等の各種機能における処理を実行する。画面生成部113は、機能実行部112による処理や操作判定部111によるユーザ操作の判定結果に基づき、各種の画面を生成して表示部13に表示させる。
【0019】
操作受付部12は、コンピュータ100のタッチパネル107からなり、ユーザからの操作(ドラッグ操作、タッチ操作等)に対応する操作信号を処理部11の操作判定部111に出力する。表示部13は、コンピュータ100のディスプレイ106からなり、画面生成部113の制御に従って各種の画面を表示する。
【0020】
なお、図1に示された各機能ブロックは、本実施形態において実現される車載装置10の構成要素について理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各構成要素の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、車載装置10の各機能ブロックは、処理内容に応じて、さらに多くの機能ブロックに分類することもできる。また、1つの機能ブロックがさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0021】
また、各機能ブロックの全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路等)により構築されてもよい。また、各機能ブロックの処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0022】
<リスト画面におけるドラッグ操作について>
次に、車載装置10の表示部13に表示されたリスト画面200(図3)におけるドラッグ操作への対応について説明する。
【0023】
図3は、リスト画面200の表示例を示している。図4は、リスト画面200に対するドラッグ操作を説明するための図である。
【0024】
リスト画面200には、複数の選択肢が上下方向に配置された選択肢一覧201が表示されている。選択肢一覧201に配置された各選択肢には、ユーザの操作位置を表す操作領域203が設けられている。また、各選択肢の右端には、選択肢に対する代表的な処理を表す処理アイコン204が表示されている。操作領域203を設けたことにより、ユーザによる誤操作を防ぐことができる。ただし、この操作領域203は別途設けなくてもよい。その場合、各選択肢の全体(選択肢一覧201として上下方向に配置された左右方向に長い矩形の領域)を操作領域とみなすことができる。
【0025】
例えば、図3は、通話機能に対応するリスト画面200の表示例であり、選択肢一覧201には、選択肢として、電話番号等が登録済みの人物等の名称が表示される。そして、各選択肢の右端には、選択肢に対する代表的な処理として、電話の発信を意味する処理アイコン204が表示される。
【0026】
ユーザは、リスト画面200において、上下方向にドラッグ操作することにより、選択肢一覧201をスクロールさせることができる。そして、スクロールによって意図した選択肢を選択肢一覧201の中央に移動させることにより、当該選択肢を操作対象210に選択することができる。なお、選択肢一覧201における選択肢をユーザがタッチ操作によって選択するようにしてもよい。
【0027】
なお、選択肢一覧201において選択肢を選択した状態において、ユーザが再び上下方向にドラッグ操作を行うと、選択中の操作対象210が変更されてしまう。したがって、選択肢一覧201において選択肢の選択を維持する場合において、次のドラッグ操作は、操作対象210の左右方向に制限されているとみなすことができる。このように、特定の状況下(いまの場合、選択肢の選択を維持する状況下)において、ドラッグ操作の方向が制限される状態を「第1モード」と称する。リスト画面200における初期状態は、第1モードである。
【0028】
選択肢一覧201における操作対象210の操作領域203に対して、ユーザが右方向にドラッグ操作を行った場合、操作対象210に対して、処理アイコン204が表す処理が実行される。例えば、図3の場合、操作対象210である選択肢「Michael」に対して電話が発信される。
【0029】
なお、図3における左右方向は、本発明における操作対象の長手方向に相当し、図3における上下方向は、本発明における操作対象の長手方向と交差する方向に相当する。ただし、左右方向(操作対象の長手方向)に対する上下方向(長手方向と交差する方向)は、厳密に90度で交差している場合だけでなく、所定の角度以上(例えば、80度以上)で交差している場合も含むものとする。
【0030】
次に、図4上段から中段に示すように、操作対象210における操作領域203に対して、ユーザが、左方向にドラッグ操作を行うと、図4下段に示すように、特定の状況下(いまの場合、選択肢の選択を維持する状況下)におけるドラッグ操作の方向の制限が解除されて、上下方向のドラッグ操作が可能な状態となる。このように、特定の状況下におけるドラッグ操作の方向の制限が解除された状態を「第2モード」と称する。
【0031】
ただし、図4下段に示された上下方向のドラッグ操作は、図4中段に示された左方向へのドラッグ操作に続けてタッチオンを維持している場合(指をタッチパネル107に接触させている場合)に可能であり、タッチオフした場合(指をタッチパネル107から離した場合)、第2モードから第1モードに戻り、操作領域203も元に位置に戻ることになる。
【0032】
第2モードにおいては、図4下段に示すように、操作対象210上には、ドラッグ操作における方向の制限が解除されたことを表す解除アイコン214が表示される。また、操作対象210の右端には、上下方向のドラッグ操作によって選択可能な、選択中の選択肢に対する処理を表す複数の処理アイコン215,204,216が上下方向に並んで表示される。
【0033】
例えば、ユーザが、図4下段に示す状態から下方向にドラッグ操作を行うと、メッセージの送信を表す処理アイコン215が下に移動して操作対象210上に表示される。この状態にて、ユーザが右方向にドラッグ操作を行うと、選択肢「Michael」に対してメッセージの送信が行われる。また例えば、ユーザが、図4下段に示す状態から上方向のドラッグ操作を行うと、ビデオ通話を表す処理アイコン216が上に移動して操作対象210上に表示される。この状態にて、ユーザが、右方向にドラッグ操作を行うと、選択肢「Michael」に対してビデオ通話が開始される。
【0034】
<リスト画面表示時の処理>
次に、図5は、リスト画面表示時の処理の一例を説明するフローチャートである。
【0035】
該リスト画面表示時の処理は、画面生成部113によってリスト画面200が生成されて、表示部13に表示されたときに開始され、リスト画面200が表示されている間、継続して実行される。
【0036】
はじめに、操作判定部111が、初期状態の操作モードを第1モードに設定する(ステップS1)。
【0037】
次に、操作判定部111が、操作受付部12からの操作信号に基づき、ユーザから操作領域203に対するドラッグ操作があるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、ドラッグ操作がないと判定した場合(ステップS2でNO)、当該判定を繰り返し、ドラッグ操作があると判定した場合(ステップS2でYES)、次に、操作判定部111が、ユーザからのドラッグ操作が上下方向であるか左右方向であるかを判定する(ステップS3)。
【0038】
ステップS3にて、ユーザからのドラッグ操作が上下方向であると判定された場合、次に、画面生成部113が、リスト画面200における選択肢一覧201をスクロールさせる。そして、スクロールによって選択肢一覧201の中央に移動された選択肢が操作対象210に選択される(ステップS4)。この後、処理はステップS2に戻されてステップS2以降が繰り返される。
【0039】
ステップS3にて、ユーザからのドラッグ操作が左右方向であると判定された場合、次に、操作判定部111が、ユーザからのドラッグ操作が左方向であるか右方向であるかを判定する(ステップS5)。
【0040】
ステップS5にて、ユーザからのドラッグ操作が左方向であると判定された場合、次に、操作判定部111が、操作モードを第2モードに遷移する(ステップS6)。
【0041】
第2モードに遷移したことにより、ユーザがタッチオフするまでの間、上下方向へのドラッグ操作が可能となる。また、図4下段に示されたように、選択中の選択肢である操作対象210上には、ドラッグ操作における方向の制限が解除されたことを表す解除アイコン214が表示され、操作対象210の右端には、選択中の選択肢に対する処理を表す複数の処理アイコン215,204,216が上下方向に並んで表示される。
【0042】
次に、操作判定部111が、ユーザがタッチオフしたか否かを判定する(ステップS7)。ここで、操作判定部111が、タッチオフしたと判定した場合(ステップS7でYES)、処理はステップS1に戻されて、ステップS1以降が繰り返される。この場合、操作モードは再び第1モードに戻ることになる。
【0043】
反対に、操作判定部111が、タッチオンを継続していてタッチオフしていないと判定した場合(ステップS7でNO)、次に、操作判定部111が、ユーザからのドラッグ操作があるか否かを判定する(ステップS8)。ここで、ドラッグ操作がないと判定した場合(ステップS8でNO)、処理はステップS7に戻る。ドラッグ操作があると判定した場合(ステップS8でYES)、次に、操作判定部111が、ユーザからのドラッグ操作が上下方向であるか右方向であるかを判定する(ステップS9)。
【0044】
ここで、ユーザからのドラッグ操作が上下方向であると判定された場合、次に、画面生成部113が、リスト画面200における選択中の選択肢である操作対象210の右端に上下方向に並んで表示されている複数の処理アイコン216をスクロールさせる。そして、スクロールによって操作対象210上に移動された処理アイコンに対応する処理が、操作対象210に対する処理として選択される(ステップS10)。この後、処理はステップS7に戻されて、ステップS7以降が繰り返される。
【0045】
反対に、ステップS9にて、ユーザからのドラッグ操作が右方向であると判定された場合、次に、機能実行部112が、操作対象210に対して、選択中の処理アイコンに対応する処理を実行する(ステップS11)。この後、処理はステップS1に戻されて、ステップS1以降が繰り返される。
【0046】
なお、ステップS5にて、ユーザからのドラッグ操作が右方向であると判定された場合、機能実行部112が、操作対象210に対して、処理アイコン204が示す代表的な処理を実行する(ステップS11)。この後、処理はステップS1に戻されて、ステップS1以降が繰り返される。
【0047】
以上に説明したリスト画面表示時の処理によれば、操作対象210の操作領域203に対する左方向のドラック操作により、操作モードを第1モードから第2モードに遷移させることができ、これにより、ドラッグ操作に対する制限を一時的に解除し、ドラッグ操作の自由度を拡張し、ユーザの操作性を向上させることができる。具体的には、ユーザは、上下方向のドラッグ操作により選択肢を選択した後、左方向のドラック操作により、第2モードに遷移させ、上下方向のドラッグ操作により、選択中の選択肢に対する処理を選択するまでの一連の操作をリスト画面上で行うことができる。したがって、運転中のユーザにとって操作が面倒な、選択中の選択肢に対する処理を選択するためのリスト画面とは別のポップアップ画面等の表示を省略できる。
【0048】
<分割画面におけるドラッグ操作について>
次に、車載装置10の表示部13に表示された分割画面300(図6)におけるドラッグ操作への対応について説明する。
【0049】
図6は、分割画面300の表示例を示している。
【0050】
分割画面300は、表示部13の表示領域を複数の分割領域に区切り、各分割領域に異なる機能(ナビゲーション機能、通話機能、音楽再生機能、エアコン調整機能、各種設定機能等)に対応する情報を表示させた画面である。分割画面300においては、分割領域どうしの境界線をドラッグ操作により移動させることができる。
【0051】
図6の場合、分割画面300は、3つの分割領域301~303に区切られている。分割領域301には各種設定機能、分割領域302には音楽再生機能、分割領域303にはエアコン調整機能が割り当てられている。
【0052】
分割領域301,302の境界線311には、操作対象としての境界線311に対するユーザの操作位置を表す操作領域312が設けられている。同様に、分割領域302,303の境界線311には、操作対象としての境界線311に対するユーザの操作位置を表す操作領域312が設けられている。操作領域312,312を設けたことにより、ユーザによる誤操作を防ぐことができる。以下、境界線311,311を個々に区別する必要がない場合、境界線311及び311を纏めて単に境界線311と称する。操作領域312,312についても同様とする。なお、操作領域312は、図示するように境界線311の上方部分に配置することに限られず、下方部分に配置してもよい。
【0053】
なお、図6における上下方向は、本発明における操作対象の長手方向に相当し、図6における左右方向は、本発明における操作対象の長手方向と交差する方向に相当する。ただし、上下方向(操作対象の長手方向)に対する左右方向(長手方向と交差する方向)は、厳密に直交している場合だけでなく、所定の角度(例えば、80度)以上で交差している場合も含む。
【0054】
図7は、分割画面300における境界線の非同期移動(第1モード)を説明するための図である。同図に示すように、ユーザは、初期位置の操作領域312に対して左右方向にドラッグ操作を行うことにより、操作対象の境界線311を左右方向に移動させることができる。例えば、操作領域312を初期位置から右方向にドラッグ操作することにより、分割領域301を拡大(同時に分割領域302を縮小)することができる。また例えば、操作領域312を初期位置から左方向にドラッグ操作することにより、分割領域302を拡大(同時に分割領域301を縮小)することができる。
【0055】
次に、図8は、分割画面300における境界線の同期移動(第2モード)を説明するための図である。同図に示すように、ユーザは、操作領域312(例えば、操作領域312)を初期位置に対して上下方向(同図の場合、下方向)にドラッグ操作を行うことにより、操作モードを、初期状態の第1モード(境界線の非同期移動)から第2モード(境界線の同期移動)に遷移させることができる。この時、上下方向(同図の場合、下方向)へのドラック操作が行われていない操作領域312(いまの場合、操作領域312)も、ドラッグ操作が行われた操作領域312(いまの場合、操作領域312)の移動に同期して下方向に移動される。そして、ユーザが、操作領域312へのタッチオンを維持した状態で左右方向にドラッグ操作を行うと、操作対象の境界線311(いまの場合、境界線311)と、その他の境界線311(いまの場合、境界線311)とを同時に左右方向に移動させることができる。なお、ユーザは、第2モードにおいて、タッチオフするか、上方向のドラック操作により操作領域312を初期位置に戻すことにより、操作モードを第2モードから第1モードに戻すことができる。
【0056】
例えば、ユーザが、初期位置の操作領域312に対して下方向にドラッグ操作を行うことにより第2モードに遷移させた後、左方向にドラッグ操作を行うと、境界線311,311が同期して左方向に移動され、これにより、分割領域301は縮小され、分割領域302は大きさを維持したままで左側に移動され、分割領域303は拡大される。反対に、ユーザが、第2モードに遷移させた後、右方向にドラッグ操作を行うと、境界線311,311が同期して右方向に移動され、これにより、分割領域301は拡大され、分割領域302は大きさを維持したままで右側に移動され、分割領域303は縮小される。
【0057】
<分割画面表示時の処理>
次に、図9は、分割画面表示時の処理の一例を説明するフローチャートである。
【0058】
該分割画面表示時の処理は、画面生成部113によって分割画面300が生成されて、表示部13に表示されたときに開始され、分割画面300が表示されている間、継続して実行される。
【0059】
はじめに、操作判定部111が、操作モードを、境界線311を非同期で移動させる第1モードに設定する(ステップS21)。
【0060】
次に、操作判定部111が、操作受付部12からの操作信号に基づき、ユーザから操作領域312に対するドラッグ操作があるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、ドラッグ操作がないと判定した場合(ステップS22でNO)、当該判定を繰り返し、ドラッグ操作があると判定した場合(ステップS22でYES)、次に、操作判定部111が、ユーザからのドラッグ操作が下方向であるか左右方向であるかを判定する(ステップS23)。
【0061】
ここで、ユーザからのドラッグ操作が下方向であると判定された場合、次に、操作判定部111が、操作モードを、全ての境界線311を同期して移動させる第2モードに遷移させる(ステップS24)。
【0062】
次に、操作判定部111が、ユーザがタッチオフしたか否かを判定する(ステップS25)。ここで、操作判定部111が、タッチオフしたと判定した場合(ステップS25でYES)、処理はステップS21に戻されて、ステップS21以降が繰り返される。この場合、操作モードは再び第1モードに戻ることになる。
【0063】
反対に、タッチオンを継続していてタッチオフしていないと判定した場合(ステップS25でNO)、次に、操作判定部111が、ユーザからのドラッグ操作があるか否かを判定する(ステップS26)。ここで、ドラッグ操作がないと判定した場合(ステップS26でNO)、処理はステップS25に戻される。ドラッグ操作があると判定した場合(ステップS26でYES)、次に、操作判定部111が、ユーザからのドラッグ操作が上方向であるか左右方向であるかを判定する(ステップS27)。
【0064】
ここで、ユーザからのドラッグ操作が左右方向であると判定された場合、次に、画面生成部113が、分割画面300の全ての境界線311を同期させ、ドラッグ操作の方向に移動させる(ステップS28)。この後、処理はステップS25に戻されて、ステップS25以降が繰り返される。
【0065】
反対に、ステップS27にて、ユーザからのドラッグ操作が上方向であると判定された場合、処理はステップS21に戻されて、ステップS21以降が繰り返される。この場合、操作モードは再び第1モードに戻ることになる。
【0066】
なお、ステップS23にて、ユーザからのドラッグ操作が左右方向であると判定された場合、次に、画面生成部113が、ドラッグ操作された操作領域312に対応する境界線311をドラッグ操作の方向に移動させる(ステップS29)。この後、処理はステップS22に戻されて、ステップS22以降が繰り返される。
【0067】
以上に説明した分割画面表示時の処理によれば、境界線311上の操作領域312に対する下方向のドラック操作により、操作モードを第2モードに遷移させることができ、ユーザの操作性を向上させることができる。具体的には、ユーザは、境界線311上の操作領域312に対する左右方向のドラック操作により、境界線311を個別に移動させることができ、第2モードに遷移させた後は、全ての境界線311を同期して移動させることができる。
【0068】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路等によるハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、判定テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、HDD、SSD等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0069】
本発明は、情報処理装置だけでなく、情報処理装置による情報処理方法やコンピュータ読み取り可能なプログラム等の様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0070】
10・・・車載装置、11・・・処理部、111・・・操作判定部、112・・・機能実行部、113・・・画面生成部、12・・・操作受付部、13・・・表示部
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