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特開2023-12545自己拡張型ステントを静脈洞に送達するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012545
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】自己拡張型ステントを静脈洞に送達するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/966 20130101AFI20230118BHJP
   A61F 2/915 20130101ALI20230118BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
A61F2/966
A61F2/915
A61M25/00 540
A61M25/00 624
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022179443
(22)【出願日】2022-11-09
(62)【分割の表示】P 2019570346の分割
【原出願日】2018-03-08
(31)【優先権主張番号】15/456,352
(32)【優先日】2017-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519328442
【氏名又は名称】セレニティ・メディカル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】カリスター,ジェフリー・ピー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ステントを送達するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】ステント送達システムは、システムの近位端部から遠位端部の送達先端290の中に延びるシャフトを含む。シャフトは、コイル270およびステントベッド280を含む。ステント100は、ステントベッド上に装填されており、その近位端部102の第2の部分よりも大きい可撓性を有するその遠位端部104に第1の部分を有する。シースは、展開前位置と展開位置との間でステントベッド上を移動可能である。シースは、シース遠位端部の可撓性セクションと、可撓性セクションに隣接する半可撓性セクションと、半可撓性セクションに隣接する剛性セクションと、を含む。送達先端は、ステントベッドとステントの第2の部分とシースの可撓性セクションとの組合せよりも可撓性がある、ステントベッドとステントの第1の部分とシースの可撓性セクションとの組合せよりも可撓性がある。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステント送達システムであって、
前記ステント送達システムの近位端部の送達ハンドルと、
カテーテルハブと、
前記ステント送達システムの遠位端部の送達先端であって、先端遠位端部と先端近位端部とを含み、第1の可撓性を有する、送達先端と、
前記送達ハンドルから前記カテーテルハブを通って前記送達先端の中に延びるシャフトであって、コイルおよびステントベッドを含み、前記コイルが、コイル遠位端部およびコイル近位端部を有し、前記ステントベッドが、前記コイル遠位端部と前記先端近位端部との間である、シャフトと、
前記ステントベッド上に装填されるステントであって、ステント遠位端部、ステント近位端部、および前記ステント遠位端部と前記ステント近位端部との間の円筒形本体を含み、前記ステント遠位端部の前記円筒形本体の第1の部分が、前記ステント近位端部の前記円筒形本体の第2の部分よりも大きい可撓性を有する、ステントと、
前記カテーテルハブに連結され、前記ステントベッド上を展開前位置と展開位置との間で移動可能であるシースと、を含み、前記シースが、前記展開前位置にある場合に前記ステントベッドの上に延び、前記シースが、前記展開位置にある場合に前記ステントベッドから引き戻され、前記ステントが、前記展開前位置にある場合に前記ステントベッド上の前記シースによって圧縮され、前記ステントが、前記展開位置で前記ステントベッドから前記シースが引き戻される場合に拡張し、前記シースが、シース遠位端部およびシース近位端部を含み、前記シースが、前記シース遠位端部の可撓性セクション、前記可撓性セクションに隣接する半可撓性セクション、および前記半可撓性セクションに隣接する剛性セクションを含み、
前記ステントベッドと前記ステントの前記円筒形本体の前記第1の部分と前記シースの前記可撓性セクションとの組合せは、前記第1の可撓性よりも小さい第2の可撓性を有し、
前記ステントベッドと前記ステントの前記円筒形本体の前記第2の部分と前記シースの前記可撓性セクションとの組合せは、前記第2の可撓性よりも小さい第3の可撓性を有する、ステント送達システム。
【請求項2】
前記コイルは、前記コイル近位端部の前記コイルのきつく巻かれた領域よりも大きい可撓性を有する前記コイル遠位端部の緩く巻かれた領域を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コイルの前記緩く巻かれた領域と前記シースの前記半可撓性セクションとの組合せは、前記第3の可撓性よりも小さい第4の可撓性を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コイルの前記きつく巻かれた領域と前記シースの前記半可撓性セクションとの組合せは、前記第4の可撓性よりも小さい第5の可撓性を有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コイルの前記きつく巻かれた領域と前記シースの前記剛性セクションとの組合せは、前記第5の可撓性よりも小さい第6の可撓性を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コイル近位端部の前記コイルに隣接する前記シャフトは、前記シースの前記剛性セクションとの組合せで、前記第6の可撓性よりも小さい第7の可撓性を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記送達先端および前記シースのうちの1つまたは複数は、医療グレードポリマーで作
製される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ステントベッドは、一定の剛性を有する薄壁管である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記送達先端は、約35のデュロメータを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記シースの前記可撓性セクションが約35のデュロメータを有すること、
前記シースの前記半可撓性セクションが約55のデュロメータを有すること、および、
前記シースの前記剛性セクションが約72のデュロメータを有すること、
のうちの1つまたは複数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
第1の直径を有する遠位端部と、
前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する近位端部と、
前記遠位端部と前記近位端部との間の円筒形本体であって、円周ストラットセグメントおよび長手方向連結部材を含み、円周ストラットセグメントのそれぞれが、或るパターンで配置されるストラット部材を含み、円周ストラットセグメントのそれぞれが、前記長手方向連結部材の一部によって、少なくとも1つの他の前記円周ストラットセグメントに連結される、円筒形本体と、を含み、
ステントの前記遠位端部の第1の複数の前記円周ストラットセグメントは、ステントの前記近位端部の第2の複数の前記円周ストラットセグメントよりも大きい可撓性を有する、ステント。
【請求項12】
前記ステントの前記遠位端部の前記第1の複数の前記円周ストラットセグメントは、前記ステントの前記近位端部の前記第2の複数の前記円周ストラットセグメントよりも低い径方向外向き拡張強度を有する、請求項11に記載のステント。
【請求項13】
前記円筒形本体の少なくとも一部は、円錐状に形状付けされる、請求項11に記載のステント。
【請求項14】
前記長手方向連結部材は、オープンセル設計として配置される、請求項11に記載のステント。
【請求項15】
前記円筒形本体は、ニッケルチタンで作製される、請求項11に記載のステント。
【請求項16】
前記円筒形本体は、長さが6~9センチメートルである、請求項11に記載のステント。
【請求項17】
前記ストラット部材の前記パターンは、山および谷を有するジグザグパターンである、請求項11に記載のステント。
【請求項18】
前記長手方向連結部材は、周期的な山から谷の連結方式で配置される、請求項17に記載のステント。
【請求項19】
前記ステントの前記遠位端部での前記第1の複数の前記円周ストラットセグメントの前記ストラット部材および前記長手方向連結部材の一方または双方の第1の幅は、前記ステントの前記近位端部での前記第2の複数の前記円周ストラットセグメントの前記ストラット部材および前記長手方向連結部材の一方または双方の第2の幅よりも小さい、請求項11に記載のステント。
【請求項20】
前記ステントの前記遠位端部での前記第1の複数の前記円周ストラットセグメントは、8個の円周ストラットセグメントであり、
前記ステントの前記近位端部での前記第2の複数の前記円周ストラットセグメントは、14個の円周ストラットセグメントである、請求項11に記載のステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照/参照による組み込み
[01]本出願は、2017年3月10日に提出された米国特許出願第15/456,352号の優先権およびその利益を主張し、ここにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
[02]特定の実施形態は、ステント、ならびにステントを送達するためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、特定の実施形態は、自己拡張型ステントを送達することによって、静脈洞の狭窄または圧潰を処置するための方法およびシステムに関する。様々な実施形態では、自己拡張型ステントは、第1の径方向外向き拡張強度(RES:radial outward expansion strength)を有する近位端部を含み、それはステントの遠位端部の第2のRESよりも大きい。代表的な実施形態では、ステントの近位端部は、ステントの遠位端部の直径よりも大きい直径を含む。特定の実施形態では、ステント送達システムおよび/またはステントの可撓性は、システムおよび/またはステントの近位端部から遠位端部に向けて増大する。
【背景技術】
【0003】
背景
[03]脳から出る血液が静脈洞の制限によって遅くなるとき、遠位血圧の上昇を引き起こし、それは脳液圧の上昇に変容することがある。頭蓋内の脳脊髄液(CSF:Cerebral Spinal Fluid)圧力が上昇した頭蓋内圧(ICP:Increased Intracranial Pressure)亢進を経験している患者は、とりわけ、頭痛、視力低下、および/または耳鳴りに苦しむことがある。S字状静脈洞および/または横静脈洞の圧潰および/または狭窄を処置するための好適な方法は、CSF液圧を緩和するために、薬物であった、および/または、シャントを使用することであった。しかしながら、薬物やシャントの使用は、理想的でなく、その理由は、双方が一時的な解決策であり、それぞれが関連するリスクを有するからである。
【0004】
[04]更に、最近、S字状静脈洞および/または横静脈洞の圧潰および/または狭窄を改善すると共に脳からの改善された血流を回復させるために、患者の静脈洞系にステントを配置することを必要とする新規の手順が実施されている。新規の手順で使用されるステントは、典型的には頸動脈などの身体の他の部分での手順のために使用されるステントと同じである。しかしながら、静脈洞構造は、身体の他の部分のどの静脈や動脈にも似ていない。代わりに、静脈洞は、硬膜が結合して主に頭蓋骨の内側に沿って腔(即ち、洞)を形成するところに作り出された空隙である。硬膜は、平滑筋細胞ライニングを有しておらず、静脈や動脈と比較して非弾性である。
【0005】
[05]図1は、識別されたステントゾーンを有する例示的な静脈洞系を例示する。静脈洞系は、脳の硬膜の骨膜層と髄膜層の間に見られる静脈チャネルを含む。静脈洞系は、脳の内外の静脈から血液を受容し、クモ膜顆粒を介してクモ膜下腔からCSFを受容し、主に内頸静脈に注ぐ。図1に例示されるように、静脈洞系は、横静脈洞、S字状静脈洞、およびS字状接合部を含む。S字状静脈洞は、S字状接合部で頸静脈に統合される。図1は、S字状静脈洞および/または横静脈洞の圧潰および/または狭窄を処置するためのステントを配置するために例示的なステントゾーンを識別もする。
【0006】
[06]既存のステント送達システムおよびステントは、ステントを静脈洞に送達するため
に幾つかの欠点を有する。例えば、既存のステントおよびシステムは、ステントゾーンへのステントの配置のために蛇行性のS字状接合部を通して誘導することができないかまたは困難であることがある。
【0007】
[07]別の例として、既存のステントの特性は、静脈洞への配置に関して望ましくないことがある。典型的な頸動脈ステントの長さは、4~6cmであることがある。しかしながら、頸動脈ステントの、静脈洞への配置後に、横静脈洞の一部が、圧潰する場合があり、特に、ステントの遠位端部の遠位である部分がそうである。横静脈洞の一部の圧潰は、ステントが横接合部へのS字状部に配置され、横静脈洞の殆どまたは全体を足場で支えるのに十分な長さでない場合起こることがある。追加として、複数の頸動脈ステントは、圧潰および/または狭窄が、S字状静脈洞および/または横静脈洞の複数の場所に存在する場合必要とされることがある。また、不適切な長さを有するステントは、S字状静脈洞の湾曲部に誤って位置決めされる場合があり、洞への将来的なアクセスをブロックする(例えば、ステント留置)。例えば、湾曲部内で終端するステントは、湾曲部を通して位置決めされる代わりに、湾曲部で洞腔の一部または全体をブロックすることがある。
【0008】
[08]更にまた、既存のステントは、典型的には1つの設定された直径である。しかしながら、S字状静脈洞の中間および遠位領域は、横静脈洞の遠位セクション(例えば、6~9mm)よりも平均的に大きい直径(例えば、10~12mm)を有する。したがって、S字状静脈洞および横静脈洞の双方に位置決めされる既存のステント直径は、それらの洞のうちの少なくとも1つにとって不十分であることがある。例えば、ステントが血管に対して小さすぎる場合、ステントの一部は、血管内でぶら下がる、または自由に浮遊する場合があり、それはステントストラット上の適切な内皮組織の成長を妨げることがある。別の例として、ステントが血管に対して大きすぎる場合、様々な問題が起こることがあり、その理由は、典型的なステントの径方向外向き拡張強度(RES)が静脈洞での使用において強すぎることがあるからである。具体的には、頸動脈、大腿動脈や大腿静脈、ならびに同種のものなどの大きい血管に配置するのを意図されたステントは、閉塞、アテローム性動脈硬化プラーク、および石灰化病変の処置に必要とされる高いRESを有することがある、および/または、ステントを押し込む可能性のある外部の力に耐えることができる。この高いRESは、血管には大きすぎるステント寸法と相まって、組織に働く強い外向きの圧力のせいで、ステントストラットと接触する組織が死ぬという問題を引き起こす場合がある。ステントが血管に対して大きすぎるときに高いRESで起こる別の問題は、ステントが血管壁を押し貫いて血管の外側に現れることがあることである。
【0009】
[09]既存のステント設計は、豊富なストラット部材を有することもある。しかしながら、静脈洞構造は、脳から通じる多数の小静脈を含む。したがって、典型的なステントのストラット部材の量は、1本のストラットが静脈を介した脳からの静脈流入をブロックするかまたは部分的に阻害する機会を増大させる。
【0010】
[10]従来の伝統的なアプローチの更なる制限および不利益は、図面を参照して本出願の残りの部分に記載された本発明の幾つかの態様をそのようなシステムと比較すれば、当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0011】
簡単な概要
[11]ステントの配置のためのステント送達システムの向上された誘導は、特許請求の範囲により完全に記載されるように、実質上、少なくとも1つの図面に示されるおよび/またはそれに関連して説明されるように、システムおよび/またはステントの近位端部から遠位端部に向かって、ステント送達システムおよび/またはステントの可撓性を増大させることによって提供される。
【0012】
[12]本発明のこれらや他の利点、態様および新規な特徴、ならびに、例示されるその実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[13]様々な実施形態による、識別されたステントゾーンを有する例示的な静脈洞系を例示する図である。
図2】[14]様々な実施形態による、遠位端部および近位端部を含み、遠位端部が近位端部よりも大きい可撓性を有する、例示的なステントを例示する図である。
図3】[15]様々な実施形態による、図2の例示的なステントの例示的なストラット部材を例示する図である。
図4】[16]様々な実施形態による、近位端部の直径よりも小さい直径を有する遠位端部を有する図2の例示的なステント100の例示的なプロファイルを例示する図である。
図5】[17]様々な実施形態による、例示的なステント送達システムを例示する図である。
図6】[18]様々な実施形態による、図5の例示的なステント送達システムの部分の詳細図を例示する図である。
図7】[19]様々な実施形態による、図5のステント送達システムの内側部分の詳細図を例示する図である。
図8】[20]様々な実施形態による、図5のステント送達システムの外側部分の詳細図を例示する図である。
図9】[21]様々な実施形態による、システムおよびステントの近位端部から遠位端部に向かって、ステントを備えたステント送達システムの可撓性を増大させることが、例示的な可撓性チャートにマッピングすることによって例示される、ステント送達システムの内側部分、ステント、および、ステント送達システムの外側部分、の分解断面図を例示する図である。
図10】[22]様々な実施形態による、ステントの配置のためのステント送達システムの向上された誘導を提供するために利用されることがある例示的なステップを例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[23]特定の実施形態は、近位端部からシステムおよび/またはステントの遠位端部に向かってステント送達システムおよび/またはステントの可撓性を増大させることによって、ステントの配置のためにステント送達システムの向上された誘導を提供することがある。様々な実施形態は、ステントの遠位端部での第2のRESよりも大きい第1の径方向外向き拡張強度(RES)を有する近位端部を含む自己拡張型ステントを提供する。代表的な実施形態では、ステントの近位端部は、ステントの遠位端部の直径よりも大きい直径を含む。特定の実施形態では、ステント送達システムは、自己拡張型ステントを送達することによって、静脈洞の狭窄または圧潰を処置するように構成されることがある。
【0015】
[24]前述の概要、ならびに、特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と関連して読むときによりよく理解されるであろう。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段に限定されない。実施形態は、組み合わされることがあり、あるいは、他の実施形態は、利用されることがあり、しかも、構造的変更は、様々な実施形態の範囲から逸脱せずに実行されることがあることをも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって画定される。
【0016】
[25]本明細書で使用するとき、単数形で記載されて単語「a」や「an」が先にくる要
素またはステップについては、そのような除外を明白に述べていない限り、複数の上記要素またはステップを除外するものではないと、理解すべきである。さらに、「一実施形態」への参照は、列挙された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、反対を明白に述べていない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「含む」または「有する」実施形態は、その特性を持たない追加の要素を含むことがある。本明細書で参照するとき、用語「近位」および「遠位」は、ステント送達システム200(カテーテルとも呼ばれる)の送達ハンドル210に関連する。例えば、ステント100およびカテーテル200の遠位端部104、204は、患者の体腔に最初に挿入される端部であり、近位端部102、204は、遠位端部104、204の反対側にある。
【0017】
[26]図2は、様々な実施形態による、遠位端部104および近位端部102を含み、遠位端部104が近位端部102よりも大きい可撓性を有する、例示的なステント100を示す。図3は、様々な実施形態による、図2の例示的なステント100の例示的なストラット部材112を例示する。図4は、様々な実施形態による、近位端部の直径よりも小さい直径を有する遠位端部を有する図2の例示的なステント100の例示的なプロファイルを例示する。図2および3は、ステント100を平面図で例示していることがあるが、ステント100の上部端部は、ステント100を円筒形の形態に形成するために、底部端部と接合されるであろう。図2図4を参照すると、自己拡張型の円筒形ステント100は、遠位端部104、近位端部102、および複数の円周ストラットセグメント110を含む。ストラットセグメント110は、ストラット部材112および長手方向連結部材118を含むことがある。ストラット部材112は、山114および谷116を有するジグザグパターンなどのパターン、あるいは、任意の適切なパターンで、配置されることがある。ストラットセグメント110は、それぞれが長手方向連結部材118によって少なくとも1つの他のストラットセグメント110に連結されることがある。
【0018】
[27]ステントは、典型的にはオープンセルステントまたはクローズドセルステントとして実装される。クローズドセルステントは、それぞれが、隣接するストラットセグメントの山および谷に連結される各ストラットセグメントの山および谷を有し、それが除外されるのは、近位端部および遠位端部のストラットセグメントである。他方、オープンセルステントは、隣接するストラットセグメントの山および/または谷に連結されない幾つかの山および谷を有する。好適な実施形態では、ステント100は、オープンセル設計であることがあり、例えば、ステント100を展開前状態から展開状態に拡張するときにステント100の長さの減少を最小限にするためである。さらに、オープンセルステント構造は、クローズドセル構造よりも、洞などの非円形の空洞壁に拡張および適合する能力が向上される。例えば、オープンセルステントの個別のセグメントは、クローズドセル設計よりも、隣接するセグメントへの依存度が低い。したがって、オープンセルセグメントは、非円形の空洞の不規則性に適合するのにより適する。図3を参照すると、長手方向連結部材118は、長手方向連結部材118によって、3つの谷ごとに連結される3つの山ごと、などの周期的な山から谷の連結方式で配置されることがある。3つの周期の山から谷の連結方式が図3に例示されているが、他の連結方式および周期が企図されている。例えば、接続方式は、山から山の連結方式、中間ストラットから中間ストラットの連結方式、ハイブリッド連結方式、または、任意の適切な方式であることがある。別の例として、周期は、2、4、可変の周期、または同様の期間であることがある。さらに、長手方向連結部材118は、可撓式の連結、非可撓式の連結、ハイブリッドの可撓式および非可撓式の連結、または、任意の適切な連結であることがある。
【0019】
[28]ステント100は、S字状静脈洞および実質上横静脈洞全体をカバーするように寸法決めされることがある。例えば、患者のサイズおよび高さにもよるが、ステントの長さは、6~9cmの長さであってよく、平均が約7cmである。適切にサイズ決めされたス
テントは、洞構造双方の開通性を維持し、同時に、再圧潰の危険を実質上排除すると共にステントの留置の可能性を実質上排除する。
【0020】
[29]ステント100は、ニチノールとしても知られるニッケルチタン、あるいは、任意の適切な材料で作製されることがある。ニチノール製のステント100の場合、圧潰されたステント100は、体腔の中に挿入される場合があり、体温は、ステント100を温め、ステント100は、図5~10を参照して下で説明されるように、拘束シースの除去後におけるそれの元の拡張した形状に戻る。
【0021】
[30]様々な実施形態では、ステント100は、異なった可撓性を有するストラット部材112のセグメント110を含むことがある。具体的には、ステント100の遠位端部104の1つまたは複数のセグメント110は、ステント100の近位端部102の1つまたは複数のセグメント110よりも大きい可撓性を有することがある。例えば、図2に例示されるように、ステント100は、可撓性セグメント120の第1のグループと、剛性セグメント130の第2のグループと、を有することがある。可撓性セグメント120の第1のグループは、8つまたは任意の適切な数のセグメント110を含むことがあり、剛性セグメント130の第2のグループは、14または任意の適切な数のセグメント110を含むことがある。ステント100は、2つのグループ120、130間の移行点142で、可撓性セグメント120のグループから剛性セグメント130のグループに移行することがある。図3は、可撓性セグメント120と剛性セグメント130との間の移行部142の詳細を例示する。追加的および/または代替的に、ステント100のセグメント110は、ステント100の遠位端部104から近位端部102まで剛性が漸進的に増大することがある。例えば、各セグメント110は、近位端部102の方向に隣接するセグメント110と同じかまたはそれ以上の可撓性を有することがある。
【0022】
[31]代表的な実施形態では、セグメント110の可撓性は、そのセグメント110の径方向外向き拡張強度(RES)に対応することがある。例えば、可撓性セグメント120のグループは、剛性セグメント130のグループよりも低いRESを有することがある。したがって、ステントを静脈洞に配置する場合、ステント100の遠位端部104に低いRESを有する可撓性セグメント120のグループは、硬膜内側ライニングに過度の圧力を及ぼすことなく、横静脈洞領域の足場を掛けてそれを開いたままに保持することがある。ステント100の近位端部の、可撓性セグメント120より大きいRESを有する剛性セグメント130のグループは、過剰なクモ膜顆粒の内方成長および/または狭窄を包含する場合があり、より良い血液の流出を開放および復活させるために、より大きな力を必要とすることがあるS字状領域に位置決めされる。より高いRES近位端部102に移行するステント100の低いRES遠位端部104は、ステント送達システム200内のより可撓性のある一体的な移行部に遷移することがある。具体的には、ステント送達システム200におけるステント100の統合は、例えば、図9を参照して下で説明されるように、S字状接合部を誘導する能力を改善することによって、ステント100のより速くより容易な送達を提供する。
【0023】
[32]様々な実施形態では、ステント100の部分のRESの量および可撓性は、ステントセグメント110間の距離および/または長手方向連結部材118の長さ、長手方向連結部材118の数、ストラット部材112の量、および/または、ストラット部材112および/または長手方向連結部材118の幅に基づいて構築されることがある。例えば、ステントセグメント110間のより長い距離および/またはより長い長手方向連結部材118は、より小さいRESおよびより大きい可撓性に対応することがある。別の例として、より多くの長手方向連結部材118は、より高いRESおよびより大きい剛性に対応することがある。更に、より多い量のストラット部材112は、より高いRESおよびより大きい剛性に対応することがある。追加的に、ストラット部材112および/または長手
方向連結部材118のより狭い幅は、より低いRESおよびより大きい可撓性に対応することがある。例えば、図3を参照すると、剛性セグメント130のグループ中のストラット部材112、ストラット部材の山114、および長手方向部材118の幅は、W1と呼ばれる。可撓性セグメント120のグループ中のストラット部材112、ストラット部材の山114、および長手方向部材118の幅は、W2と呼ばれる。剛性セグメント130のグループ中の幅W1は、可撓性セグメント120のグループ中の幅W2より大きいことがある。例として、剛性セグメント130のグループ中のストラット部材112および長手方向部材118の幅W1は、約0.127mm(0.0050インチ)であることがあり、ストラット部材の山114の幅W1は、約0.1651mm(0.0065インチ)であることがある。可撓性セグメント120のグループでは、ストラット部材112および長手方向連結部材118の幅W2は、約0.1143mm(0.0045インチ)であることがあり、ストラット部材の山114の幅W2は、約0.1524mm(0.0060インチ)であることがある。特定の実施形態では、幅W2の約10パーセントの減少は、剛性セグメント130のグループと比較して、可撓性セグメント120のグループの約33パーセントの剛性の減少に対応することがある。
【0024】
[33]図4を参照すると、ステント100は、ステント100の内腔直径D1/D2が、遠位端部104よりも近位端部102で大きいように、円錐形に形状付けまたはステップ付けされることがある。図4は、例えば、円錐形に形状付けされる円筒形ステント100のプロファイルを例示しており、遠位端部104でのステント内腔直径D2よりも、近位端部102でのステント100のより大きい内腔直径D1を含む。追加的および/または代替的に、ステント100は、直線部分および円錐部分の混合物を有することがある。例えば、ステント100は、遠位端部104での直線状部分と、円錐状部分をその間に備えた近位端部102と、を有することがある。別の例として、ステント100は、遠位端部104での直線状部分、およびそれに続く直線状部分と近位端部102との間の円錐状部分、あるいはその逆、を有することがある。円錐状部分を含めることは、ステント100の近位端部102および遠位端部104での異なった内腔直径D1/D2を確実にする。代表的な実施形態では、ステント100の近位端部102は、遠位端部104の直径D2よりも大きい直径D1を有する。例えば、近位端部102の直径D1は、約9.99998mm(0.3937インチ)であることがあり、遠位端部104の直径D2は、約7.00024mm(0.2756インチ)であることがある。したがって、ステント100を静脈洞に配置する場合、ステントの遠位端部104のより小さい直径D2は、横静脈洞領域のために適切に寸法決めされることがあり、ステント100の近位端部102のより大きな直径D1への移行部は、S字状静脈洞領域のために適切に寸法決めされることがある。このようにして、ストラット部材112と、横静脈洞領域およびS字状静脈洞領域の双方の硬膜壁と、の間の接触は、ステント100の部分が静脈洞の内腔の開放血流中に自由に残ることのないように、最大化されることがある。
【0025】
[34]図5は、様々な実施形態による例示的なステント送達システム200を例示する。図6は、様々な実施形態による図5の例示的なステント送達システム200の部分200A、200B、200C、200Dの詳細図を例示する。図7は、様々な実施形態による図5のステント送達システム200の内側部分200Eの詳細図を例示する。図8は、様々な実施形態による図5のステント送達システム200の外側部分200Fの詳細図を例示する。図9は、ステント送達システム200の内側部分200E、ステント100、およびステント送達システム200の外側部分200Fの分解断面図を例示しており、システム200およびステント100の近位端部102、202から遠位端部104、204に向かう、ステント100を備えたステント送達システム200の可撓性の増大は、様々な実施形態による例示的な可撓性チャート300へのマッピングによって例示される。
【0026】
[35]図5~9を参照すると、ステント送達システム200は、システム200の近位端
部202と遠位端部204との間に延びる外側部分200Fおよび内側部分200Eを含むことがある。
【0027】
[36]ステント送達システム200の内側部分200Eは、近位端部202の送達ハンドル210と、遠位端部204の送達先端290と、送達ハンドルから送達先端290内に延びるシャフト220と、を含むことがある。シャフト220は、送達ハンドル210に連結するシャフト222の近位部分と、シャフト224の中央部分と、押圧コイル270およびステントベッド280を含むおよび/またはそれらを通って延びるシャフト226の遠位部分と、を含むことがある。様々な実施形態では、シャフト部分222、224、226、270、280は、異なった材料で作られる、および/または、異なった外径を有することがある管状構造であることがあり、例えば、近位端部202から長手方向軸に沿って遠位端部204までの可撓性を増大させる。例えば、送達ハンドルに取り付けられたシャフト222の近位部分と、シャフト224の中央部分とは、第1の直径を有するハイポ管または任意の適切な管であることがある。シャフト224の遠位部分は、近位部分222および中央部分224の第1の直径よりも小さい第2の直径を有することがあり、および/または、コイル状セクション270などの異なった材料で作られたセクションを含むことがある。
【0028】
[37]ステントベッド280は、押圧コイル270と送達先端290との間の遠位シャフト226の部分であることがある。ステントベッド280は、一定の剛性を有する薄壁ポリイミド管であることがある。ステントベッド280は、展開前ステント100が、展開されるまでステントベッド280上に位置決めされて支持されるように、展開前ステント100の内腔を通って延びることがある。ステントベッド280上に位置決めされる展開前ステント100は、下で説明されるようにステント100上を摺動可能であるシース260によって展開前状態に保持されることがある。様々な実施形態では、ステントベッド280の近位端部および/または遠位端部は、ステント送達システム200内の展開前ステント100の場所の視覚化を向上するために、放射線不透過性マーカなどの1つまたは複数のマーカを含むことがある。例えば、ステント送達システム200のオペレータは、透視画像、超音波画像、または任意の適切な医療画像モダリティの画像などの医療画像データを介してシステム200の誘導をモニタすることがある。マーカは、オペレータがステントゾーンにステント送達システム200を正確に位置決めするのを支援するために、画像データ内で容易に識別可能であることがある。
【0029】
[38]押圧コイル270は、ステントベッド280の近位端部の遠位シャフト226の一部であることがある。追加的および/または代替的に、押圧コイル270は、遠位シャフト226とシース260との間に同心状に配置されることがある。押圧コイル270は、展開前ステント100がステントベッド280から近位端部202に向かって摺動するのを防止することによって、ステントベッド280上に位置決めされるステント100用のストッパとして機能することがある。様々な実施形態では、押圧コイル270は、コイル270の近位端部よりもコイル270の遠位端部でより大きい可撓性を有することがある。例えば、押圧コイル270は、複数のセクションを有することがあり、各セクションは、コイル270の近位端部から長手方向軸に沿ってコイル270の遠位端部までの可撓性が増大する。
【0030】
[39]送達先端290は、遠位端部294および近位端部292を含むことがある。送達先端290は、ガイドワイヤ269が送達先端290を通過するのを可能にするように構成される内腔を含むことがあり、したがって、ステント送達システムは、静脈洞または他の体腔のステントゾーンへのシステムの誘導中にガイドワイヤ290上を滑走することがある。送達先端290は、先端移行部296を送達先端290の近位端部292に含むことがある。先端移行部296は、ステント送達システム200の外側部分200Fのシー
ス260が送達先端290上を遠位に摺動するのを防止するように構成されたより大きな外径を有することがある。代表的な実施形態では、送達先端290は、医療グレードポリマー、例えば、PEBAXなどのポリエーテルブロックアミドで作製されることがあり、約35のデュロメータを有することがある。
【0031】
[40]様々な実施形態では、ステント送達システム200は、シース260を通って遠位シャフト部分226の中への迅速交換接合部268を含むことがある。ガイドワイヤ269は、ステント送達システム200のガイドワイヤ内腔内に、システム200の遠位端部204の送達先端290の内腔からポイントまで、延びて、そこでは、ガイドワイヤ内腔は、システム200の外側において、遠位シャフト部分226および押圧コイル270の近位にある遠位シース部分266の迅速交換接合部268で終端する。迅速交換接合部268は、ガイドワイヤ269上のステント送達システム200の迅速な配置を容易にすることがあり、オーバーザワイヤカテーテルシステムで使用されるよりも短いガイドワイヤの使用を可能にすることがある。
【0032】
[41]ステント送達システム200の外側部分200Fは、ハブ230、240、250およびシース260を含むことがある。ハブは、ロック230、テューイボースト弁(Tuohy Borst valve)240、ルアーウィング250を含むことがある。ロック230は、例えば、テューイボースト弁240をシャフト220の近位部分222に連結するための標準的なルアーロックまたは任意の適切なロックであることがある。ロック230は、ハブ230、240、250およびシース260がシャフト220上を摺動するのを可能にするために、緩められることがあり、また、そのような動きを防止するために締められることがある。テューイボースト弁(止血弁としても知られている)240は、近位端部でロック230に取り付けられることがあり、また、遠位端部でルアーウィング250に結合されることがある。テューイボースト弁240は、弁240内をそれの長手方向軸に平行な方向に移動できる内部挿入型シャフト220を受容することがある。テューイボースト弁240は、患者内のステントゾーンにステント100を送達するための手順中に使用されることのある他の医療機器およびデバイスに弁240を固定するために、ルアーポート242を含むことがある。ルアーウィング250は、シース260にしっかりと取り付けられることがある。シャフト220は、ロック230、テューイボースト弁240、ルアーウィング250、およびシース260を通って延びるように構成される。
【0033】
[42]シース260は、ルアーウィング250で終端する近位部分262と、送達先端290の近位端部292の先端移行部296で終端する遠位部分266と、近位部分262と遠位部分266との間の中央部分264と、を含むことがある。様々な実施形態では、シース部分262、264、266は、異なった材料で作製される管状構造であることがあり、および/または、例えば、近位端部202から長手方向軸に沿って遠位端部204までの可撓性を増大させるために、異なった外径を有することがある。シース260は、展開前位置と展開位置との間で、シャフト220およびステント100上を長手方向に摺動するように構成される。例えば、展開前位置では、シース260は、展開前ステント100を越えて送達先端290の先端移行部296まで延びる。ステント送達システム200がステントゾーンに誘導されると、シース260は、ロック230を解除して、システム200の近位端部202の送達ハンドル210に向けてハブ230、240、250を引くことによって、ステント100を通して引き戻されることがある。ステント100は、シース260がステント100を通過してそれの展開前圧縮状態から解放するので、拡張することによって展開する。様々な実施形態では、シース260は、ステント送達システム200内の展開前ステント100の場所の医療画像データの視覚化を向上するために、放射線不透過性マーカなどの1つまたは複数のマーカを含むことがある。代表的な実施形態では、シース260の遠位部分266は、医療グレードポリマー、例えば、PEBA
Xなどのポリエーテルブロックアミドで作製されることがある。例示的な実施形態では、シース260の遠位部分266は、約35の可撓性デュロメータを有する最遠位セクション266aと、約55の半可撓性デュロメータを有する中央セクション266bと、約72の剛性デュロメータを有する近位セクション266cと、を含むことがある。このように、シース260の遠位部分266の剛性は、最遠位セクション266aから近位セクション266cまで増大することがある。
【0034】
[43]図9を参照すると、示されているチャート300は、組み合わされた、ステント送達システム200の内側部分200E、ステント100、およびステント送達システム200の外側部分200F、の剛性または可撓性302をマッピングしている。図9に示されるように、剛性302は、装填されたステント100を有するステント送達システム200の遠位端部204からシステム200の近位端部202に向けて、徐々に増大および/またはステップアップする。例えば、送達先端は、約35のデュロメータを有することがある。図9に示されるように、ステント送達システム200の送達先端290の部分は、最も可撓性302があることがある。送達先端290から近位方向の次のセクションは、ステント100が装填されるステントベッド280と、シース266の遠位部分のセクションである。シース260の遠位部分266は、約35の可撓性デュロメータを有する最遠位セクション266aを有することがある。したがって、シースの遠位部分266と、ステントベッド280と、ステント100の可撓性グループのセグメント120と、の組合せは、送達先端290よりも大きい剛性302を有することがある。近位方向に続けて、シース266の遠位部分の最遠位セクション266aと、ステント100の剛性グループのセグメント130と、ステントベッド280と、の組合せの剛性302は、ステント100のより剛性のあるグループのセグメント130のおかげで、増大する。
【0035】
[44]シースの遠位部分266の中央セクション266bは、約55の半可撓性デュロメータを有することがあり、近位セクション266cは、約72の剛性デュロメータを有することがある。押圧コイル270は、緩い巻きを備えた可撓性セクション272と、かたい巻きを有する剛性セクション274と、を有することがある。結果的に、剛性302は、コイル270の可撓性セクション272と、シース266の遠位部分の中央セクション266bと、の組合せに関して増大し続ける。同じように、剛性302は、コイルの剛性セクション274と、シース266の遠位部分の中央セクション266bと、の組合せに関してステップアップする。
【0036】
[45]コイル270から近位方向の遠位シャフト部分226は、コイルよりも大きい剛性を有することがある。したがって、装填されたステント100を有するステント送達システム200の剛性302は、コイル270からの近位方向の遠位シャフト部分226と、シース260の遠位部分266の近位セクション266cと、を含む組合せシステム構成要素に関して再度ステップアップすることがある。
【0037】
[46]要約すれば、個別の構成要素の異なった材料および異なったデュロメータは、装填されたステント100を有するステント送達システム200の可撓性に影響を及ぼすだけでなく、ステント100が装填されたシステム200の長手方向軸に沿った構成要素の組合せは、ステント100を送達するためのシステム200の制御および誘導を改善する新しいやり方で、システム200の遠位端部204から近位端部202に向かう剛性302の漸進的な増大を提供する。
【0038】
[47]図10は、様々な実施形態による、ステント100の配置のためのステント送達システム200の向上された誘導を提供するために利用されることがある例示的なステップ402~410を例示するフローチャート400である。図10を参照すると、例示的なステップ402から410を含むフローチャート400が示される。特定の実施形態は、
1つまたは複数のステップを省略し、および/または、リストされた順序とは異なった順序でステップを実行し、および/または、下で議論される特定のステップを組み合わせることがある。例えば、幾つかのステップは、特定の実施形態では実行されないことがある。更なる例として、特定のステップは、下でリストされているものとは異なった、同時を含む、時間的な順序で実行されることがある。
【0039】
[48]ステップ402で、ステント送達システム200は、静脈洞または他の体腔に挿入されることがある。例えば、ステント送達システム200は、頸静脈を介してS字状接合部で静脈洞にアクセスすることがある。ステント送達システム200は、シャフト220および/またはステントベッド280と、システム200の遠位端部203近くのシース260と、の間に支持される圧潰された展開前ステント100を含むことがある。様々な実施形態では、ステント100は、ニチノールで作製されることがある。ステント送達システム200の、静脈洞または他の体腔への挿入は、ニチノールステント100を温める体温を提供し、ステップ408でシステムのシース260が移動された後に、ステント100がそれの元の拡張形状に戻るのを可能にする。
【0040】
[49]ステップ404で、ステント送達システム200は、ステント100を静脈洞または他の体腔の標的部位に位置決めするために誘導される。例えば、ステント送達システム200は、頸静脈を介して、S字状接合部およびS字状静脈洞を通って横静脈洞へと静脈洞にアクセスすることがある。ステント100を配置するための標的部位またはステントゾーンは、実質的に横静脈洞の遠位端部からS字状静脈洞の中に及ぶことがある。ステント100を有するステント送達システム200の誘導は、蛇行性のS字状接合部を横断することを含む。したがって、様々な実施形態では、ステント100およびステント送達システム200の両方は、ステント100およびカテーテル200の近位端部102、202からステント100およびカテーテル200の遠位端部104、204まで増大する可撓性を有することがある。この可撓性の漸進的な変化は、システム200の近位端部102に向かってシステム200を制御するための剛性を提供しながら、遠位端部104、204での増大した操縦性を提供する。
【0041】
[50]ステップ406で、ステント送達システム200のロック230は、システム200のシャフト220上のシース260の移動を可能にするために、解除される。例えば、ロック230は、ねじを緩められ、あるいは、シャフト220から緩和されることがある。
【0042】
[51]ステップ408で、カテーテルハブ230、240、250は、シース260をステント100上に摺動させて戻して、ステント100を展開させるために、送達ハンドル210に向けて引かれることがある。例えば、シースは、ハブ230、240、250がシャフト220上を引かれるときにシース260がハブ230、240、250と共に移動するように、ルアーウィング250でカテーテルハブ230、240、250に取り付けられることがある。
【0043】
[52]ステップ410で、送達先端290は、展開ステント100の内腔を通して引かれることがあり、ステント送達システム200は、静脈洞または他の体腔から移動されることがある。例えば、ステップ408でのシース260の除去は、圧潰されたステント100を、ステント内腔を開く拡張状態に展開させることがある。したがって、ステント送達システム200の送達先端290は、ステント送達システム200が、ステント送達システム200を患者から移動させるために、静脈洞または他の体腔を通して外に引き戻されるときに、開いたステント内腔を通過することがある。
【0044】
[53]本発明の態様は、ステント送達システム200を提供する。様々な実施形態に従っ
て、ステント送達システム200は、ステント送達システム200の近位端部202の送達ハンドル210と、カテーテルハブ230、240、250と、ステント送達システム200の遠位端部204の送達先端290と、シャフト220と、ステント100と、シース260と、を含む。送達先端290は、先端遠位端部294および先端近位端部292を含む。送達先端290は、第1の可撓性を有する。シャフト220は、送達ハンドル210からカテーテルハブ230、240、250を通って送達先端290の中に延びる。シャフト220は、コイル270およびステントベッド280を含む。コイル270は、コイル遠位端部およびコイル近位端部を含む。ステントベッド280は、コイル遠位端部と先端近位端部292との間にある。ステント100は、ステントベッド280上に装填されており、ステント遠位端部104と、ステント近位端部102と、ステント遠位端部104とステント近位端部102との間の円筒形本体と、を含む。ステント遠位端部104の円筒形本体の第1の部分120は、ステント近位端部130の円筒形本体の第2の部分130よりも大きい可撓性を有する。シース260は、カテーテルハブ230、240、250に連結されており、展開前位置と展開位置との間でステントベッド280上を移動可能である。シース260は、展開前位置にある場合に、ステントベッド280上に延びる。シース260は、展開位置にある場合に、ステントベッド280から引き戻される。ステント100は、展開前位置にある場合に、ステントベッド280上のシース260によって圧縮される。ステント100は、シース260が展開位置でステントベッド280から引き戻されると、拡張する。シース260は、シース遠位端部およびシース近位端部を含む。シース260は、シース遠位端部の可撓性セクション266aと、可撓性セクション266aに隣接する半可撓性セクション266bと、半可撓性セクション266bに隣接する剛性セクション266cと、を含む。ステントベッド280と、ステント100の円筒形本体の第1の部分120と、シース260の可撓性セクション266aと、の組合せは、第1の可撓性よりも小さい第2の可撓性を有する。ステントベッド280と、ステント100の円筒形本体の第2の部分130と、シース260の可撓性セクション266aと、の組合せは、第2の可撓性よりも小さい第3の可撓性を有する。
【0045】
[54]様々な実施形態では、コイル270は、コイル近位端部のコイル270のきつく巻かれた領域274よりも大きい可撓性を有するコイル遠位端部の緩く巻かれた領域272を含む。特定の実施形態では、コイル270の緩く巻かれた領域272と、シース260の半可撓性セクション266aと、の組合せは、第3の可撓性よりも小さい第4の可撓性を有する。代表的な実施形態では、コイル270のきつく巻かれた領域274と、シース260の半可撓性セクション266bと、の組合せは、第4の可撓性よりも小さい第5の可撓性を有する。様々な実施形態では、コイル270のきつく巻かれた領域274と、シース260の剛性セクション266cと、の組合せは、第5の可撓性よりも小さい第6の可撓性を有する。特定の実施形態では、コイル近位端部のコイル270に隣接するシャフト220は、シース260の剛性セクション266cとの組合せで、第6の可撓性よりも小さい第7の可撓性を有する。
【0046】
[55]代表的な実施形態では、送達先端290およびシース260のうちの1つまたは複数は、医療グレードポリマー、例えば、ポリエーテルブロックアミドで作製される。様々な実施形態では、ステントベッド280は、一定の剛性を有する薄壁の管である。特定の実施形態では、送達先端290は、約35のデュロメータを有する。代表的な実施形態では、シース260の可撓性セクション266aのうちの1つまたは複数は、約35のデュロメータを有し、シース260の半可撓性セクション266bは、約55のデュロメータを有し、シース260の剛性セクション266Cは、約72のデュロメータを有する。
【0047】
[56]様々な実施形態は、第1の直径D2を有する遠位端部104と、第1の直径D2よりも大きい第2の直径D1を有する近位端部102と、遠位端部104と近位端部102との間の円筒形本体と、を含むステント100を提供する。円筒形本体は、円周ストラッ
トセグメント110および長手方向連結部材118を含む。円周ストラットセグメント110のそれぞれは、パターンに配置されたストラット部材112を含む。円周ストラットセグメント110のそれぞれは、長手方向連結部材118の一部によって、少なくとも1つの他の円周ストラットセグメント110に連結される。ステント100の遠位端部104の第1の複数の円周ストラットセグメント120は、ステント100の近位端部102の第2の複数の円周ストラットセグメント130よりも大きい可撓性を有する。
【0048】
[57]特定の実施形態では、ステント100の遠位端部104の第1の複数の円周ストラットセグメント120は、ステント100の近位端部102の第2の複数の円周ストラットセグメント130よりも小さい径方向外向き拡張強度を有する。代表的な実施形態では、円筒形本体の少なくとも一部は、円錐形状である。様々な実施形態では、長手方向連結部材118は、オープンセル設計として配置される。特定の実施形態では、円筒形本体は、ニッケルチタンで作製される。代表的な実施形態では、円筒形本体は、長さが6~9センチメートルである。
【0049】
[58]様々な実施形態では、ストラット部材112のパターンは、山114および谷116を有するジグザグパターンである。特定の実施形態では、長手方向連結部材118は、周期的な山から谷の連結方式で配置される。代表的な実施形態では、ステント100の遠位端部104での、ストラット部材112と、第1の複数の円周ストラットセグメント120の長手方向連結部材118と、の一方または双方の第1の幅W2は、ステント100の近位端部102での、ストラット部材112と、第2の複数の円周ストラットセグメント130の長手方向連結部材118と、の一方または双方の第2の幅W1より小さい。様々な実施形態では、ステント100の遠位端部104の第1の複数の円周ストラットセグメント120は、8つの円周ストラットセグメント110であり、ステント100の近位端部102の第2の複数の円周ストラットセグメント130は、14の円周ストラットセグメント110である。
【0050】
[59]本明細書で利用されるとき、「および/または」は、「および/または」によって結合されるリストのアイテムのうちの任意の1つまたは複数を意味する。例として、「xおよび/またはy」は、3要素セット{(x)、(y)、(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。別の例として、「x、y、および/またはz」は、7要素セット{(x)、(y)、(z)、(x,y)、(x,z)、(y,z)、(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。本明細書で利用されるとき、用語「例示的」とは、非限定例、事例、または例示として役立つこと意味する。本明細書で利用されるとき、用語「例えば(e.g.,)」および「例えば(for example)」は、1つまたは複数の非限定例、事例、または例示のリストの引き金になっている。本明細書で利用されるとき、機能を実行するように「構成される」または「作動可能である」構造は、構造が、ただ単に機能を実行できるだけでなく、機能が実際に実行されているか否かに関係なく、機能を実行するために実際に作製されることを要する。
【0051】
[60]本発明は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行うことができ、等価物が置換することができることは、当業者によって理解されるであろう。加えて、多くの修正は、特定の状況または材料を、それの範囲から逸脱することなく、本発明の教示に適合させるために、行うことができる。したがって、本発明が開示された特定の実施形態に限定されず、本発明が添付の特許請求の範囲の範囲内に入る全ての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈洞にステント送達システムを挿入することであって、前記ステント送達システムは、
前記ステント送達システムの近位端部の送達ハンドルと、
カテーテルハブと、
前記ステント送達システムの遠位端部の送達先端であって、先端遠位端部と先端近位端部とを含み、第1の可撓性を有する、送達先端と、
前記送達ハンドルから前記カテーテルハブを通って前記送達先端の中に延びるシャフトであって、コイルおよびステントベッドを含み、前記コイルが、コイル遠位端部およびコイル近位端部を有し、前記ステントベッドが、前記コイル遠位端部と前記先端近位端部との間である、シャフトと、
前記ステントベッド上に装填されるステントであって、ステント遠位端部、ステント近位端部、および前記ステント遠位端部と前記ステント近位端部との間の本体を含み、前記本体は、展開状態において前記ステント遠位端部から前記ステントを通って前記ステント近位端部まで延びる内腔を画定し、前記ステント遠位端部の前記本体の第1の部分が、前記ステント近位端部の前記本体の第2の部分よりも大きい可撓性を有する、ステントと、
前記カテーテルハブに連結され、前記ステントベッド上を展開前位置と展開位置との間で移動可能であるシースと、を含み、前記シースが、前記展開前位置にある場合に前記ステントベッドの上に延び、前記シースが、前記展開位置にある場合に前記ステントベッドから引き戻され、前記ステントが、前記展開前位置にある場合に前記ステントベッド上の前記シースによって圧縮され、前記ステントが、前記展開位置で前記ステントベッドから前記シースが引き戻される場合に拡張し、前記シースが、シース遠位端部およびシース近位端部を含み、前記シースが、前記シース遠位端部の可撓性セクション、前記可撓性セクションに隣接する半可撓性セクション、および前記半可撓性セクションに隣接する剛性セクションを含み、
前記ステントベッドと前記ステントの前記本体の前記第1の部分と前記シースの前記可撓性セクションとの組合せは、前記第1の可撓性よりも小さい第2の可撓性を有し、
前記ステントベッドと前記ステントの前記本体の前記第2の部分と前記シースの前記可撓性セクションとの組合せは、前記第2の可撓性よりも小さい第3の可撓性を有する、挿入することと、
前記ステントを前記静脈洞の標的部位に位置決めするために、前記ステント送達システムを誘導することと、
前記シースを前記ステント上に引き戻すことによって、前記標的部位で前記ステントを展開することと、
前記ステントの前記内腔を通って前記静脈洞の外に前記送達先端を引くことによって、前記ステント送達システムを前記静脈洞から移動させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ステント送達システムは、頸静脈を介してS字状接合部で前記静脈洞にアクセスする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的部位は、横静脈洞の遠位端部からS字状静脈洞の中に及ぶ、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステント送達システムを誘導することは、S字状接合部を横断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シースの移動を可能にするために、前記ステント送達システムのロックを解除することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステントを展開することは、前記カテーテルハブを前記送達ハンドルに向けて引き、前記シースを前記ステント上に摺動させて戻すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コイルは、前記コイル近位端部の前記コイルのきつく巻かれた領域よりも大きい可撓性を有する前記コイル遠位端部の緩く巻かれた領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コイルの前記緩く巻かれた領域と前記シースの前記半可撓性セクションとの組合せは、前記第3の可撓性よりも小さい第4の可撓性を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コイルの前記きつく巻かれた領域と前記シースの前記半可撓性セクションとの組合せは、前記第4の可撓性よりも小さい第5の可撓性を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コイルの前記きつく巻かれた領域と前記シースの前記剛性セクションとの組合せは、前記第5の可撓性よりも小さい第6の可撓性を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コイル近位端部の前記コイルに隣接する前記シャフトは、前記シースの前記剛性セクションとの組合せで、前記第6の可撓性よりも小さい第7の可撓性を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ステント遠位端部は、第1の直径を含み、
前記ステント近位端部は、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を含み、
前記本体は、円周ストラットセグメントおよび長手方向連結部材を含み、円周ストラットセグメントのそれぞれが、或るパターンで配置されるストラット部材を含み、円周ストラットセグメントのそれぞれが、前記長手方向連結部材の一部によって、少なくとも1つの他の前記円周ストラットセグメントに連結され、
前記ステント遠位端部の第1の複数の前記円周ストラットセグメントは、前記ステント近位端部の第2の複数の前記円周ストラットセグメントよりも大きい可撓性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ステント遠位端部の前記第1の複数の前記円周ストラットセグメントは、前記ステント近位端部の前記第2の複数の前記円周ストラットセグメントよりも低い径方向外向き拡張強度を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記本体の少なくとも一部は、円錐状に形状付けされる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記長手方向連結部材は、オープンセル設計として配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記本体は、ニッケルチタンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記本体は、長さが6~9センチメートルである、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記ストラット部材の前記パターンは、山および谷を有するジグザグパターンであり、および/または、
前記長手方向連結部材は、周期的な山から谷の連結方式で配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記ステント遠位端部での前記第1の複数の前記円周ストラットセグメントの前記ストラット部材および前記長手方向連結部材の一方または双方の第1の幅は、前記ステント近位端部での前記第2の複数の前記円周ストラットセグメントの前記ストラット部材および前記長手方向連結部材の一方または双方の第2の幅よりも小さい、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記ステント遠位端部での前記第1の複数の前記円周ストラットセグメントは、8個の円周ストラットセグメントであり、
前記ステント近位端部での前記第2の複数の前記円周ストラットセグメントは、14個の円周ストラットセグメントである、請求項12に記載の方法。
【外国語明細書】